本発明の電子部品搭載用パッケージ、ならびにこの電子部品搭載用パッケージを用いた本発明の電子装置について、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2は図1に示す例についてA−A線で切断した断面を示す断面図であり、図3は図2におけるB部(信号端子が信号線路導体に接続された配線基板と搭載面との接合部)を拡大した断面図である。図4は図1における側面図である。
図1〜図4において、1は配線基板、1aは基板、1bは信号線路導体、1cは接地用導体、1dは搭載用導体、2は信号端子、3はろう材、4は基体、4aは搭載部、4bは搭載面、4cは貫通孔、4dは接合部、5は封止材、6は接地端子、7は電子部品、8はボンディングワイヤ、9は蓋体、10aは配線基板1の凹部、10bは基体4の凹部である。
図1は、本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の一例を示すものであり、基体4の上面から突出した突出部を搭載部4aとして、その側面の搭載面4bに配線基板1が搭載され、基体4に形成された貫通孔4cに充填された封止材5を貫通して固定された信号端子2・2が配線基板1の主面上の信号線路導体1bとはんだ等のろう材3で接続されて構成されている。そして、電子部品7を配線基板1の接地用導体1c上に搭載するとともにその電子部品7の端子をボンディングワイヤ8で配線基板1上の信号線路導体1bに接続し、さらに、図2に示すように、破線で示すような蓋体9を基板4の上面の接合部4dに接合することにより、本発明の電子部品搭載用パッケージが基本的に構成される。
本発明の電子部品搭載用パッケージは、図2〜図4に示す例のように、金属から成る基体4が貫通孔4cおよびこの貫通孔4cの長さ方向に平行な搭載面4bを有しており、一方主面に信号線路導体1bを有する配線基板1の他方主面が搭載面4bに接合され、信号端子2が貫通孔4cに充填された封止材5を貫通して固定されるとともに信号端子2の端部が信号線路導体1bに重なってろう材3により接続されており、基体4の搭載面4bおよび配線基板1の他方主面における信号端子2と信号線路導体1bとが重なり合う部分を投影した部位にそれぞれ凹部10a,10bを有することを特徴とするものである。
本発明では、信号端子2と信号線路導体1bとを上下に重ねてその間のろう材3によって接続した従来の電子部品搭載用パッケージと比較すると、信号線路導体1bと基体4の搭載面4bとの間に凹部10a,10bからなる誘電率の低い空気層の空隙を形成したことから、信号線路導体1bと基体4の搭載面4bとの間の結合が増加することを抑制することができるので、この接続部分でのインピーダンスの不整合が小さくなり、高い周波数の信号の反射損失が小さく伝送効率が良好な電子部品搭載用パッケージとなる。
次に、図5は本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す側面図であり、図4におけるC部(信号端子が信号線路導体に接続された配線基板と搭載面との接合部)を拡大した他の例を示す側面図である。図6〜図7は本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す側面図である。図8は本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す断面図であり、信号端子2が信号線路導体1bに接続された配線基板1と搭載面4bとの接合部を拡大して示したものである。図9〜図10は本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す断面図である。図11〜図12は本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す側面図である。図5〜図12において、図1〜図4と同様の部位には同じ符号を付しており、11は配線基板1の他方主面に形成されて、基体4の搭載面4bに形成された凹部10bの底面に当接することによって配線基板1を支持する配線基板支持部であり、12は基体4の搭載面4bに形成されて、配線基板1の他方主面に形成された凹部10aの底面に当接することによって配線基板1を支持する基体支持部である。
図5〜図12に示す本発明の電子部品搭載用パッケージの例は、上記構成において、凹部10a,10bが基体4の搭載面4bおよび配線基板1の他方主面における信号端子2と信号線路導体1bとが重なり合う部分を投影した部位の両側に広がっており、凹部10a,10b内に、配線基板1の他方主面に形成されて配線基板1を支持する配線基板支持部11および基体4の搭載面4bに形成されて配線基板1を支持する基体支持部12の少なくとも一方を有することを特徴とするものである。
これらの例によれば、配線基板1の信号線路導体1bに信号端子2を取り付ける際に、配線基板1が配線基板支持部11および基体支持部12の少なくとも一方で支持されるので、信号線路導体1bと信号端子2とを確実に水平に接続することができ、この接続部分でのインピーダンスの不整合の発生を効果的に抑えることとなり、高い周波数の信号の反射損失が小さく伝送効率がより良好な電子部品搭載用パッケージとなる。
次に、図13に断面図で示す本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例は、上記各例の構成において、ろう材3が信号端子2の先端から信号線路導体1b上に広がってメニスカス13を形成しており、凹部10a,10bの信号端子2の先端側の側面が、信号端子2の先端を投影した部位から信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅にわたって斜面14となっていることを特徴とするものである。
このように、ろう材3が信号端子2の先端から信号線路導体1b上に広がってメニスカス13を形成しており、凹部10a,10bの信号端子2の先端側の側面が、信号端子2の先端を投影した部位から信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅にわたって斜面14となっている場合は、ろう材3が信号端子2の先端から信号線路導体1b上にかけて徐々に薄くなって見かけ上の信号線路導体1bの厚みが減少するとともに、対応する凹部10a,10bの深さも減少することから、インピーダンスの不整合がさらに小さくなり、高い周波数の信号の反射損失が小さく伝送効率がより良好な電子部品搭載用パッケージとなる。
次に、図14に断面図で、および図15に側面図で示す本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例は、上記構成において、信号線路導体1b上の凹部10a,10bの斜面14と配線基板1の他方主面との境界を投影した部位に、この部位から信号端子2の延長方向へのろう材3の流れ出しを阻止する流れ止め15が形成されていることを特徴とするものである。
このように、信号線路導体1b上の凹部10a,10bの斜面14と配線基板1の他方主面との境界を投影した部位に、この部位から信号端子2の延長方向へのろう材3の流れ出しを阻止する流れ止め15が形成されている場合は、信号端子2の先端から信号線路導体1b上に広がって形成されたろう材3のメニスカス13がこの流れ止め15で止まるため、ろう材3のメニスカス13の先端を正確に位置決めすることが可能となる。その結果、ろう材3のメニスカス13と凹部10a,10bの信号端子2の先端側の斜面14とが対応するようになるので、インピーダンスの不整合がさらに小さくなり、高い周波数の信号の反射損失が小さく伝送効率がより良好な電子部品搭載用パッケージとなる。
本発明の電子装置は、上記いずれかの本発明の電子部品搭載用パッケージの配線基板1の一方主面に電子部品7が実装されて信号線路導体1bに接続されていることを特徴とするものである。
このことから、電子部品7の端子に接続された信号線路導体1bと信号端子2との接合部での特性インピーダンスのずれを小さくできるので、高周波信号の反射損失を小さくすることができ、高周波での作動が良好な電子装置となる。
配線基板1は、例えば図1に示す例では、配線導体として基板1aの一方主面には高周波信号を伝送するとともに信号端子2・2が接続される信号線路導体1bと、電子部品7が搭載されるとともに電子部品7の下面の接地電極が接続される接地用導体1cとが形成され、他方主面には配線基板1を基体4に搭載して接続するための搭載用導体1dが形成されている。接地用導体1cと搭載用導体1dとは、基板1aの側面に形成された、または基板1aを貫通して形成された接続導体によって接続される。このような配線導体は、電子部品7によってその接続が異なるので、それに応じて形成されるものである。また、電子部品7と配線導体とは例えばボンディングワイヤ8によって接続されるが、このボンディングワイヤ8を短くすることによって高周波信号の伝送損失を少なくするために、例えば図1に示す例のように信号線路導体1bを信号端子2と電子部品7との間で屈曲した形状として、ボンディングワイヤ8の接続位置が電子部品7にできるだけ近くなるようにしてもよい。なお、信号線路導体1bを屈曲させる場合には、例えば図1に示す例のように屈曲角度が90°より大きくなるように段階的に屈曲させたり、屈曲する角部に丸みをつけたりすると、屈曲部での反射による高周波信号の損失を少なくすることができるので好ましい。信号線路導体1bを段階的に屈曲させる場合は、屈曲角度を120°以上とすると、高周波信号の損失がより少なくなるのでより好ましい。
配線基板1は、酸化アルミニウム(アルミナ:Al2O3)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体等のセラミックス絶縁材料等から成る基板1aに信号線路導体1bを含む配線導体が形成されたものである。基板1aが例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、まずアルミナ(Al2O3)やシリカ(SiO2),カルシア(CaO),マグネシア(MgO)等の原料粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混合して泥漿状とし、これを周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等によってシート状に成形してセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を得る。その後、グリーンシートを所定形状に打ち抜き加工するとともに必要に応じて複数枚積層して積層体を作製し、これを約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
配線基板1の凹部10aは配線基板1の他方主面において信号端子2と信号線路導体1bとが重なり合う部分を投影した部位に形成される。凹部10aは配線基板1の信号端子2と信号線路導体1bとが重なり合う部分を投影した部位にのみ形成してもよいが、図4に示す例のように投影部分を含む配線基板1の基体4側の端部全体に形成してもよい。凹部10aを形成することによって、信号線路導体1bと基体4の搭載面4bとの間に凹部10aからなる誘電率の低い空気層を形成し、信号線路導体1bと基体4の搭載面4bとの間の結合が増加することを抑制することが可能となる。この凹部10aは基板1aを作製した後、ウォータージェット加工法やレーザ加工法等の加工法を用いて配線基板1の他方主面側に後加工によって形成する方法や、上述の基板1aの作製時に積層するグリーンシートに凹部10aを形成するように所定形状に加工したグリーンシートを積層して積層体を作製し、これを焼成することによって基板1aを作製すると同時に形成する方法によって作製される。なお、基板1aを作製すると同時に凹部10aを形成する場合は、付加工程が必要なくなり工程数が簡略化できるという利点がある。
配線基板支持部11は、配線基板1を基体4の搭載面4bに載置する際に、配線基板1に形成された凹部10aと後述する基体4の搭載面4bに形成された凹部10bとによって形成される凹部10によって配線基板1が傾くことを効果的に防止し、配線基板1の信号線路導体1bに信号端子2をろう材3を介して確実に水平に接続する機能を有している。この配線基板支持部11には、金属,セラミックスまたは有機材料等の材料が用いられる。
配線基板支持部11は、配線基板1とは別体に形成しておいたものを配線基板1に接着して形成する方法や、配線基板1を作製する際にグリーンシートを所定形状に打ち抜き加工するとともに必要に応じて複数枚積層して積層体を作製する時に、配線基板支持部11の形状に打ち抜かれたグリーンシートを所定枚数積層して積層体を作製し、これを約1600℃の温度で焼成する方法により形成される。中でも、この後者の方法によって配線基板支持部11を形成すると、配線基板1の作製と同時に、配線基板1に配線基板支持部11が一体に形成されることとなり、工程数を増加させずに形成することができる。
配線基板支持部11の形状は、図5に側面図で、また図8に断面図で示す例のように円柱状や角柱状でもよく、または円錐台状,角錐台状あるいは円柱や円錐台の頂部を半球状とした形状でもよく、配線基板1を搭載面4bに対して水平に保つことのできる形状であればよい。また、図11(a)および(b)は、それぞれ本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す側面図である。図11(a)に示す例のように、配線基板1の基体4側の端部の中央部を残して凹部10aを形成し、この凹部10aに隣接するように配線基板1の中央部を配線基板支持部11としてもよく、あるいは、図11(b)に示す例のように図11(a)の配線基板支持部11に加えて配線基板1の基体4側の両端部を支えるような配線基板支持部11を形成してもよい。なお、図8に示す例のように配線基板支持部11は凹部10aの中央より基体4側に形成すると、より安定して配線基板1を支持することができる。
信号線路導体1bを含む配線導体の形成方法は、基板1aと同時焼成によって、あるいは基板1aを作製した後に金属メタライズを形成する周知の方法や、基板1aを作製した後に蒸着法やフォトリソグラフィ法によって形成する方法がある。電子装置が小型であり、それに搭載される配線基板1はさらに小さいので、配線導体は微細なものとなるため、信号線路導体1bと信号端子2・2との位置合わせ精度を高めるためには、蒸着法やフォトリソグラフィ法により形成する方法が好ましい。この場合は、配線導体の形成前に必要に応じて基板1aの主面に研磨加工を施す場合もある。
以下、配線導体を蒸着法やフォトリソグラフィ法によって形成する場合について詳細に説明する。配線導体は、例えば密着金属層,拡散防止層および主導体層が順次積層された3層構造の導体層から成る。
密着金属層は、セラミックス等から成る基板1aとの密着性を良好とするという観点からは、チタン(Ti),クロム(Cr),タンタル(Ta),ニオブ(Nb),ニッケル−クロム(Ni−Cr)合金および窒化タンタル(Ta2N)等の熱膨張率がセラミックスと近い金属のうちの少なくとも1種から成るのが好ましく、その厚みは0.01〜0.2μmが好ましい。密着金属層の厚みが0.01μm未満では、密着金属層を基板1aに強固に密着させることが困難となる傾向がある。一方、密着金属層の厚みが0.2μmを超えると、成膜時の内部応力によって密着金属層が基板1aから剥離し易くなる傾向がある。
拡散防止層は、密着金属層と主導体層との相互拡散を防ぐという観点からは、白金(Pt),パラジウム(Pd),ロジウム(Rh),ニッケル(Ni),Ni−Cr合金およびTi−W合金等の熱伝導性の良好な金属のうち少なくとも1種から成ることが好ましく、その厚みは0.05〜1μmが好ましい。拡散防止層の厚みが0.05μm未満では、ピンホール等の欠陥が発生して拡散防止層としての機能を果たしにくくなる傾向があり、1μmを超えると、成膜時の内部応力によって拡散防止層が密着金属層から剥離し易く成る傾向がある。なお、拡散防止層にNi−Cr合金を用いる場合は、Ni−Cr合金は基板1aとの密着性が良好なため、密着金属層を省くことも可能である。
主導体層は、電気抵抗の小さい金(Au),銅(Cu),Niおよび銀(Ag)の少なくとも1種から成ることが好ましく、その厚みは0.1〜5μmが好ましい。主導体層の厚みが0.1μm未満では、電気抵抗が大きなものとなって配線基板1の配線導体に要求される電気抵抗を満足できなくなる傾向があり、5μmを超えると、成膜時の内部応力により主導体層が拡散防止層から剥離し易く成る傾向がある。また、Cuは酸化し易いので、その上にNiおよびAuからなる保護層を被覆してもよい。
信号端子2は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成る。例えば信号端子2がFe−Ni−Co合金から成る場合は、Fe−Ni−Co合金のインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工あるいは引き抜き加工や押し出し加工等の周知の金属加工方法を施すことによって、長さが1.5〜22mmで直径が0.1〜1mmの線状に製作される。信号端子2の強度を確保しながら、基体4に形成された貫通孔4cに充填された封止材5を貫通して固定した状態でより高いインピーダンスでのマッチングを行ないつつ小型にするには、信号端子2の直径は0.15〜0.6mmが好ましい。信号端子2の直径が0.15mmより細くなると、電子部品搭載用パッケージを実装する場合の取り扱いで信号端子2が曲がりやすくなり、作業性が低下しやすくなる。また、直径が0.6mmより太くなると、インピーダンス整合させた場合の貫通孔1cの径が信号端子2の径に伴い大きくなるので、製品の小型化に向かないものとなってしまう。
図1に示す例のような電子部品搭載用パッケージの場合は、まず、信号端子2を基体4に形成された貫通孔4cに充填された封止材5を貫通して固定する。そして、例えば金−錫(Au−Sn)合金や金−ゲルマニウム(Au−Ge)合金等のプリフォームやペースト状の接合材を搭載部4aの上に載置し、加熱することによって配線基板1を基体4の搭載部4a上に接合して搭載した後に、信号端子2と信号線路導体1bとをろう材3で接続する。接合材とろう材3とに同じものを用い、配線基板1の搭載部4aへの接合と信号端子2と信号線路導体1bとの接続を同時に行なってもよい。
配線基板1の信号線路導体1bと信号端子2との接続は、例えば、信号線路導体1bと信号端子2との間をつなぐようにろう材3としてAu−Sn合金等の半田のペーストをシリンジで塗布するか、Au−Sn合金半田リボンを載置した後に、窒素中で半田が溶融する330℃程度まで加熱することで接続できる。また、信号線路導体1bおよび信号端子2のそれぞれの接合部側の端部に予めろう材3としてAu−Sn合金を形成しておき、それらをつなぐようにして同じくろう材3としてAu−Sn合金等から成る半田リボンを載置し、窒素中でAu−Sn合金半田が溶融する330℃程度まで加熱することによっても接続できる。このとき、予め形成しておくAu−Sn合金を共晶組成にしておき、Au−Sn合金半田リボンを共晶温度より高い温度で溶融する組成にしておくと、両方の端をなだらかな形状にして接続できるので、高周波特性のよい接続部とすることができる。信号線路導体1bおよび信号端子2の端部に予めAu−Sn合金を形成するには、これらの上にそれぞれAu−Sn合金半田のペーストを塗布して加熱することにより行なえばよい。
基体4は、上面の中央部に電子部品7の搭載部4aを有するとともに搭載された電子部品7が発生する熱をパッケージの外部に放散する機能を有する。このため、基体4は、熱伝導性の良い金属から成り、搭載される電子部品7やセラミック製の配線基板1の熱膨張係数に近いものやコストの安いものとして、例えば、Fe99.6質量%−Mn0.4質量%系のSPC(Steel Plate Cold)材や、Fe−Ni−Co合金やFe−Mn合金等から選ばれる。例えば基体4がFe−Mn合金から成る場合は、Fe−Mn合金のインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工等の周知の金属加工方法を施すことによって所定形状に製作され、貫通孔1cは基体4の上面から垂直にドリル加工や金型による打ち抜き加工によって形成される。また、基体4に突出した搭載部4aを形成する場合は、切削加工やプレス加工によって形成することができる。
基体4の形状は、通常は厚みが0.5〜2mmの平板状であり、その形状は特に制限はないが、例えば直径が3〜10mmの円板状,半径が1.5〜8mmの円周の一部を切り取った半円板状,一辺が3〜15mmの四角板状等であり、上面から下面にかけて形成された直径が0.6〜2.65mmの貫通孔1cを複数有する。図1〜図12に示す例では、2つの貫通孔1cを有する基体4に1個の電子部品7を搭載しているが、複数の電子部品7を搭載したり、電子部品7の数や電子部品7の端子の数に応じて信号端子2を固定する貫通孔1cを2つより多く形成したりしても構わない。
基体4の厚みは0.5mm以上2mm以下が好ましい。基体4の厚みが0.5mm未満の場合は、電子部品7を保護するための金属製の蓋体9を金属製の基体4の上面に接合する際に、接合温度等の接合条件によって基体4が曲がったりして変形し易くなる。一方、基体4の厚みが2mmを超えると、電子部品搭載用パッケージや電子装置の厚みが不要に厚いものとなり、小型化し難くなる。
搭載部4aは基体4に対して略垂直に突出するように形成されており、搭載部4aの搭載面4bに搭載した配線基板1を介して、配線基板1に搭載された電子部品7が発する熱を外部に放散させる機能を有しており、通常は高さが0.5〜2mmであり、基体4の外周側の側壁は、蓋体9を搭載するために円弧状に形成されている。
また、基体4の表面には、耐食性に優れ、電子部品7や配線基板1あるいは蓋体9を接合し固定するためのろう材との濡れ性に優れた、厚さが0.5〜9μmのNi層と厚さが0.5〜5μmのAu層とをめっき法により順次被着させておくのがよい。これによって、基体4が酸化腐食するのを有効に防止できるとともに、電子部品7や配線基板1あるいは蓋体9を基体4に良好にろう付けすることができる。
基体4に形成された貫通孔1cには、封止材5が充填されており、この封止材5を貫通して信号端子2が固定されている。信号端子2は、一方の端部(上端部)は基体4の上面から2mm程度まで突出させて固定される。一方、信号端子2の他方の端部(下端部)は、外部電気回路(図示せず)に接続するために基体4の下面から1〜20mm程度突出しているのが好ましい。こうして、図1に示す例のように、信号端子2の上端部と電子部品7とを電気的に接続するとともに、信号端子2の下端部を外部電気回路(図示せず)に電気的に接続することによって、信号端子2は電子部品7と外部電気回路との間で高周波の入出力信号を伝送する機能を果たす。
基体4の凹部10bは、基体4の搭載面4bの信号端子2と信号線路導体1bとが重なり合う部分を投影した部分に形成される。凹部10bは基体4の搭載面4bの信号端子2と信号線路導体1bとが重なり合う部分を投影した部分にのみ形成してもよいが、図4に示す例のように投影部分を含む搭載面4bの基体4側の端部全体に形成してもよい。凹部10bを形成することによって、信号線路導体1bと配線基板1の他方主面の搭載用導体1d(接地電極に接続された搭載部)との間に凹部10bからなる誘電率の低い空気層を形成し、信号線路導体1bと配線基板1の他方主面の搭載用導体1d(接地電極に接続された搭載部)との間の結合が増加することを抑制する機能を果たす。この凹部10bはエンドミルを用いた切削加工や、レーザ加工,放電加工等の加工法を用いて形成することができる。
基体支持部12は、配線基板1を基体4の搭載面4bに載置する際に、基体4の搭載面4bに形成された凹部10bによって配線基板1が傾くことを効果的に防止し、配線基板1の信号線路導体1bに信号端子2をろう材3を介して確実に水平に接続する機能を有し、金属,セラミックスまたは有機材料等の材料が用いられる。中でも、配線基板1と同じセラミックスで基体支持部12を形成すると、信号端子2と信号線路導体1bとの接合時に熱が加わったとしても、基体支持部12は配線基板1と熱膨張係数が同じであるため、配線基板1と同様の挙動を示し、凹部10aの底面に当接した基体支持部12が配線基板1を押し上げることもなく、また配線基板1から離間することもないため、配線基板1を確実に搭載面4bに対して水平に保つことが可能となる。
基体支持部12は、基体4とは別体に形成しておいたものを基体4に接着して形成される。なお、基体支持部12を配線基板1と同じセラミックスで形成する場合には、例えば、セラミックグリーンシート積層法やプレス成形法あるいは押し出し成形法等の従来周知のセラミック成形方法を用いてセラミック体を形成した後、所定温度(例えば、酸化アルミニウム質焼結体の場合は約1600℃)で焼成することによって形成される。その後、この基体支持部12を基体4の搭載面4bに形成された凹部10bに載置し、ろう材(例えば、Au−Sn合金やAu−Ge合金等)を用いて接着・固定することによって、基体支持部12が基体4の搭載面4bに形成された凹部10bに形成される。このような基体支持部12の形成方法によって、基体支持部12の搭載面4bに形成された凹部10bへの接合を、同じろう材を用いて行なうことができるため、搭載面4bに形成された凹部10bへ基体支持部12を接着する工程と、基体4の搭載面4bに他方主面に凹部10aを有する配線基板1を接着する工程とを同時に行なうことができ、工程数を簡略化することが可能となる。また、基体支持部12を金属で形成する場合には、例えば、金属の板材に周知のプレス加工や切削加工を施すことにより所定形状に加工することによって形成することができる。
基体支持部12の形状は、図6に側面図で、また図9に断面図で示す例のように、円柱状,角柱状,円錐台状,角錐台状あるいは円柱や円錐台の頂部を半球状とした形状でもよく、配線基板1を搭載面4bに対して水平に保つことのできる形状であればよい。また、図12(a)および(b)は、それぞれ本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す側面図である。図12(a)に示す例のように、搭載面4bの基体4側の端部の中央部に基体支持部12を形成してもよく、あるいは、図12(b)に示す例のように、図12(a)の基体支持部12に加えて配線基板1の基体4側の両端部を支えるように基体支持部12を形成してもよい。なお、図9に示す例のように基体支持部12は凹部10bの中央より基体4側に形成すると、より安定して配線基板1を支持することができる。
なお、配線基板1の他方主面に形成された凹部10aと基体4の搭載面4bに形成された凹部10bとで形成されている誘電率の低い空気層の空隙は、信号線路導体1bと基体4の搭載面4bとの間の電磁的結合が増加することを抑制する機能を果たす。空隙の深さは、配線基板1の材質,厚み等によって適宜設定するが、例えば、配線基板1が比誘電率9.6の酸化アルミニウム質焼結体から成り、厚みが0.3mmであり、信号端子2の外径が0.2mm、信号線路導体1bの幅が0.3mm、厚みが0.002mm、信号線路導体1bと信号端子2とを接合するろう材3の厚みと信号線路導体1bの厚みとを合計した厚みが0.01mm、搭載用導体1dと基体4の搭載部4aとを接合するろう材の厚みと搭載用導体1dの厚みとを合計した厚みが0.01mmである場合は、空隙の深さを0.075mmとするように凹部10aおよび凹部10bの深さを設計することによって、信号線路導体1bを50Ωにインピーダンス整合させることができる。
配線基板支持部11および基体支持部12は前述のようにいずれか一方だけ形成してもよいが、図7に側面図で、また図10に断面図で示す例のように、それぞれ両方形成してもよい。また、図7(a)および(b)に示す例のように、それぞれ形状を異ならせてもよく、いずれか一方を、例えば径大に形成しておくと、両者の重ね合わせがより確実なものとなり、安定して配線基板1と基体4とを水平に保つことが可能となる。なお、図10に示す例のように、配線基板支持部11および基体支持部12は凹部10a,10bの中央よりも基体4側に形成すると、より安定して配線基板1を支持することができる。
封止材5は、ガラスやセラミックス等の絶縁性の無機材料から成り、信号端子2と基体4との絶縁間隔を確保するとともに、信号端子2を基体4の貫通孔1c内に固定する機能を有する。このような封止材5の例としては、ホウケイ酸ガラス,ソーダガラス等のガラスおよびこれらのガラスに封止材5の熱膨張係数や比誘電率を調整するためのセラミックフィラーを加えたものが挙げられ、インピーダンスマッチングのためにその比誘電率を適宜選択する。比誘電率を低下させるフィラーとしては、酸化リチウム等が挙げられる。例えば、特性インピーダンスを50Ωとするには、貫通孔1cの内径が1.75mmで信号端子2の外径が0.2mmの場合、あるいは貫通孔1cの内径が2.2mmで信号端子2の外径が0.25mmの場合であれば、封止材5の比誘電率が6.8であるものを用いればよい。また、貫通孔1cの内径が1.65mmで信号端子2の外径が0.25mmの場合であれば、封止材5の比誘電率が5であるものを用いればよい。
信号端子2を貫通孔1cに充填された封止材5を貫通して固定するには、例えば、封止材5がガラスから成る場合は、周知の粉体プレス法や押し出し成形法を用いてガラス粉末を成形して、内径を信号端子2の外径に合わせ、外径を貫通孔1cの内径に合わせた筒状の成形体を作製し、この封止材5の成形体を貫通孔1cに挿入し、さらに信号端子2をこの封止材5の孔に挿通し、しかる後、所定の温度に加熱して封止材5を溶融させた後、冷却して固化させることによって行なうことができる。これにより、封止材5によって貫通孔1cが気密に封止されるとともに、封止材5によって信号端子2が基体4と絶縁されて固定され、同軸線路が形成される。
接地端子6は、信号端子2と同じ様にして製作され、基体4の下面にろう材等を用いて接合される。位置決めの容易性と接合強度の向上のために、予め基体4の下面に穴を形成しておき、その穴に接地端子6を挿入して接合してもよい。また、同様の理由で、基体4の下面に当接するように接地端子6に鍔をつけて、接合面積をより大きくしてもよい。このようにして基体4に接地端子6を接合することによって、接続端子4を外部電気回路に接続した際には、基体4が接地導体としても機能する。
このような本発明の電子部品搭載用パッケージの搭載部4aに配線基板1を介して電子部品7を搭載するとともに、基体4の接合部4dに蓋体9を接合することによって、本発明の電子装置となる。
電子部品7としては、LDやPD等の光半導体素子,半導体集積回路素子を含む半導体素子,水晶振動子や弾性表面波素子等の圧電素子,圧力センサー素子,容量素子,抵抗器等が挙げられる。
電子部品7の電子部品搭載用パッケージや配線基板1への搭載、あるいは配線基板1の電子部品搭載用パッケージへの搭載は、低融点ろう材により固定することによって行なえばよい。例えば、配線基板1を基体4上に搭載した後に電子部品7を配線基板1上に搭載する場合は、配線基板1の固定にはAu−Sn合金やAu−Ge合金をろう材として用い、電子部品7の固定には、これらより融点の低い錫−銀(Sn−Ag)合金や錫−銀−銅(Sn−Ag−Cu)合金のろう材や、融点より低い温度で硬化可能な、Agエポキシ等の樹脂製の接着剤を用いればよい。また、電子部品7を配線基板1上に搭載した後に配線基板1を基体4上に搭載してもよく、その場合は上記とは逆に、配線基板1を基体4上に搭載する際に用いるろう材の融点の方を低くすればよい。いずれの場合であっても、配線基板1上や基体4の搭載部4a上にろう材ペーストを周知のスクリーン印刷法を用いて印刷したり、フォトリソグラフィ法によってろう材層を形成したり、低融点ろう材のプリフォームを載置するなどすればよい。
蓋体9は、平面視で基体4の上面の外周領域の接合部4dの形状に沿った外形で、基体4の上面の搭載部4aに搭載された配線基板1および電子部品7を覆うような空間を有する形状のものである。蓋体9には、電子部品7と対向する部分に光を透過させる窓を設けてもよいし、窓に換えて、または窓に加えて光ファイバおよび戻り光防止用の光アイソレータを接合したものでもよい。
蓋体9は、Fe−Ni−Co合金,Fe−Ni合金またはFe−Mn合金等の金属から成り、これらの板材にプレス加工や打ち抜き加工等の周知の金属加工を施すことによって作製される。蓋体9は、基体4の材料と同程度の熱膨張係数を有するものが好ましく、基体4の材料と同じものを用いるのがより好ましい。蓋体9が窓を有する場合は、電子部品7と対向する部分に孔を設けたものに、平板状やレンズ状のガラス製の窓部材を低融点ガラス等によって接合する。
蓋体9の基体4の接合部4dへの接合は、シーム溶接やYAGレーザ溶接等の溶接またはAu−Snろう材等のろう材によるろう付け等のろう接によって行なわれる。
また、図13は本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す断面図であり、図1に示す例についてA−A線で切断した断面の他の例を示す断面図である。図14は本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す断面図である。図15は本発明の電子部品搭載用パッケージの実施の形態の他の例を示す側面図である。これら図13〜図15において、図1〜図4と同様の部位には同じ符号を付している。図13〜図15において、13は信号端子2の先端から信号線路導体1b上に広がって形成されたろう材3のメニスカスであり、14は凹部10a,10bの信号端子2の先端側の斜面である。そして、15は信号線路導体1b上の凹部10a,10bの斜面14と配線基板1の他方主面との境界を投影した部位に形成された流れ止めである。
図13に示す本発明の電子部品搭載用パッケージの例は、上記各例の構成において、ろう材3が信号端子2の先端から信号線路導体1b上に広がってメニスカス13を形成しており、凹部10a,10bの信号端子2の先端側の側面が、信号端子2の先端を投影した部位から信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅にわたって斜面14となっていることを特徴とするものである。
本例の電子部品搭載用パッケージは、ろう材3が信号端子2の先端から信号線路導体1b上に広がってメニスカス13を形成している。このメニスカス13は、信号端子2の先端から信号線路導体1b上にかけてろう材3の厚みが徐々に薄くなるように傾斜していることから、配線基板1の他方主面および基体4の搭載面4bに、信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅にわたって信号端子2の先端までと同様の深さの凹部10a,10bを形成すると、信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅に対応する信号線路導体1bのインピーダンスの整合が図れないこととなる。そこで、図13に示す例のように、凹部10a,10bの信号端子2の先端側の側面を、信号端子2の先端を投影した部位から信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅にわたって斜面14とする。これによって、ろう材3が信号端子2の先端から信号線路導体上1bにかけて徐々に薄くなって見かけ上の信号線路導体1bの厚みが減少するとともに、対応する凹部10a,10bの深さも減少するので、インピーダンスの不整合がさらに小さくなり、高い周波数の信号の反射損失が小さく伝送効率がより良好な電子部品搭載用パッケージとすることが可能となる。
前述したように、配線基板1が比誘電率9.6の酸化アルミニウム質焼結体から成り、厚みが0.3mmであり、信号端子2の外径が0.2mm、信号線路導体1bの幅が0.3mm、厚みが0.002mm、信号線路導体1bと信号端子2とを接合するろう材3の厚みと信号線路導体1bの厚みとを合計した厚みが0.01mm、搭載用導体1dと基体4の搭載部4aとを接合するろう材の厚みと搭載用導体1dの厚みとを合計した厚みが0.01mmである場合は、凹部10の深さを0.075mmとすることによって、ろう材3を介して信号端子2と重なり合う信号線路導体1bのインピーダンスを50Ωに整合させることができるものの、配線基板1の他方主面に、信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅にわたって0.075mmの深さの凹部10a,10bを形成すると、ろう材3のメニスカス13が信号端子2の先端から信号線路導体1b上にかけてろう材3の厚みが徐々に薄くなるように傾斜しているため、信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅に対応する信号線路導体1bのインピーダンスが43.5Ωとなり、インピーダンスを50Ωに整合させることができない非常に微小な領域が信号線路導体1bに発生する。そこで、凹部10a,10bの信号端子2の先端側の側面を、信号端子2の先端を投影した部位から信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅にわたって斜面14とすることによって、ろう材3のメニスカス13の厚みが信号端子2の先端から信号線路導体1b上にかけて徐々に薄くなって見かけ上の信号線路導体1bの厚みが減少するとともに、凹部10a,10bの深さも徐々に減少するため、信号端子2の延長方向のメニスカス13の幅に対応する信号線路導体1bのインピーダンスを50Ωに整合させることができ、高い周波数の信号の反射損失がさらに小さく伝送効率がより良好な電子部品搭載用パッケージとすることが可能となる。
斜面14は、凹部10a,10bを形成すると同時に、もしくは凹部10a,10bを形成した後に、切削加工やレーザ加工等の加工法を用いて形成することができる。
図14および図15に示す本発明の電子部品搭載用パッケージの例は、上記例の構成において、信号線路導体1b上の凹部10a,10bの斜面14と配線基板1の他方主面との境界を投影した部位に、この部位から信号端子2の延長方向へのろう材3の流れ出しを阻止する流れ止め15が形成されていることを特徴とするものである。
流れ止め15は、信号線路導体1b上の凹部10a,10bの斜面14と配線基板1の他方主面との境界を投影した部位に形成されており、この部位から信号端子2の延長方向へのろう材3の流れ出しを阻止し、ろう材3のメニスカス13の先端を正確に位置決めする機能を有する。
流れ止め15は、信号線路導体1b上の凹部10a,10bの斜面14と配線基板1の他方主面との境界を投影した部位に形成されていることから、ろう材3がこの流れ止め15で止まり、ろう材3のメニスカス13の先端と、凹部10a,10bの斜面13と配線基板1の他方主面との境界とを正確に位置決めすることが可能となる。その結果、ろう材3のメニスカス13と凹部10a,10bの信号端子2の先端側の斜面14とが対応するようになるので、インピーダンスの不整合がさらに小さくなり、高い周波数の信号の反射損失が小さく伝送効率がより良好な電子部品搭載用パッケージとなる。
流れ止め15は、ろう材3の流れ出しを阻止するという観点から、例えばCr,Pt,Tiまたはアルミニウム(Al)等のろう材3とのぬれ性の悪い金属材料から成り、図14に示す例のように、信号線路導体1b上にこれら金属材料を用いて金属層を形成するのがよい。
流れ止め15は、信号線路導体1b上に0.1〜2μmの厚みで形成することが好ましい。流れ止め15の厚みが0.1μm未満では、熱履歴によって金属層が主導体層と合金化し、ろう材3の流れ出しを阻止することが困難となる。また、流れ止め15の厚みが2μmを超えると、成膜時に発生する内部応力が大きくなり、流れ止め15となる金属層が信号線路導体1bから剥離して流れ止め15となる金属層の下にろう材3が侵入しやすくなることから、ろう材3の流れ出しを確実に阻止することが困難となる。従って、流れ止め15の厚みは、0.1〜2μmの範囲とすることが好ましい。
流れ止め15の幅は、図15に示す例のように、信号線路導体1bの幅と同じ幅で形成するとよい。また、流れ止め15の幅を信号線路導体1bの幅よりも広い幅で形成してもよく、この場合は、流れ止め15が信号線路導体1bを挟み込んで基板1a上に強固に接合されることとなり、信号線路導体1bを基板1a上により確実に接着・固定することが可能となる。この場合の流れ止め15となる金属層には、基板1aとの密着性の良好なCrやTiを用いるとよい。
流れ止め15は、信号線路導体1bが形成された基板1a上に、スパッタリング法や蒸着法等の薄膜形成法により前述の金属材料の金属薄膜を形成した後、フォトリソグラフィ法やエッチング加工法等のパターン形成法を用いて所望のパターンに形成される。このフォトリソグラフィ法等のパターン形成法は、所望の位置に寸法精度よくパターンを形成することができるので、信号線路導体1b上の凹部10a,10bの斜面14と配線基板1の他方主面との境界を投影した部位に流れ止め15を精度よく形成することが可能となる。