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JP5366191B2 - 無線機およびアンテナ切換方法 - Google Patents
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JP5366191B2 - 無線機およびアンテナ切換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、飛翔体に搭載され複数の通信アンテナを自動的に選択して無線通信を行なう無線機、及びアンテナの切換方法に関する。
複数の通信アンテナを有する飛翔体では、複数のアンテナから同時的に通信信号を送信している。また、複数のアンテナから同時的に通信信号を受信している。
関連する技術としては、特許文献1ないし3が挙げられる。
特許文献1には、飛翔体に設置されるデータリンク装置(無線機)と、別の大型飛翔体に設置されるデータリンク装置とシミュレーション用計算機と用いて、飛翔体の移動等を模擬可能とするデータリンク装置(無線機)が開示されている。また、GPSレシーバ、トランスポンダ、インテロゲータを用いて、飛翔体の位置情報を通信する技術も開示されている。
特許文献2には、複数のアンテナを備えた飛翔体で使用される通信システムで、通信信号の符号化に複数の拡散符号を用い、送信する通信波を複数の拡散符号で符号化し、複数のアンテナから送信する技術が記載されている。また、受信した複数の拡散符号で符号化された通信波の逆符号化及び受信通信波の最大利得を得る技術が開示されている。
特許文献3には、複数のアンテナを備えた飛翔体で使用される通信システムで、通信信号の符号化に複数の拡散符号と遅延回路を用い、送信する通信波を2分し、一方を遅延させると共に、複数の拡散符号で符号化し、アンテナから送信する技術が記載されている。また、受信した複数の拡散符号で符号化された通信波の逆符号化、遅延の無効化及び受信通信波の最大利得を得る技術が開示されている。
特許文献2及び3に開示される技術では、複数のアンテナを用いて空間ダイバシティを図り、また、複数の拡散符号を用いて符号化によるダイバシティを図り、遅延回路を用いて、時間によるダイバシティを図り、複合的なダイバシティを図っている。
当該分野では、特許文献1に示される技術のように、飛翔体と別の飛翔体、又は飛翔体と地上局との通信には、通信波を送信する方向を定める為に、位置情報が有効である。また、特許文献2ないし3に示される技術のように、飛翔体から送信する通信波が、機体等の陰によって遮断又は減衰することを防止する技術は有効である。
特開平9−178397号公報 特開2006−166039号公報 特開2006−279624号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、位置情報や指向性アンテナを用いてデータリンクの通信を行なうものの、飛翔体と通信相手との位置関係によって、機体等の陰によって遮断又は減衰する問題がある。これは、飛翔体のアンテナ設置位置と飛行姿勢(飛行方向)によって、通信不能な状態が発生する為である。データリンクでは、通信の瞬断もデータ損失につながり、また、リンクの接続(復帰)等の処理も必要となり、瞬間的な通信不可状態も致命的である。また、飛翔体は一般に、アンテナ設置位置は固定であり、その飛行姿勢は頻繁に変化する。
特許文献2及び3に開示される技術では、複合的なダイバシティを図っているものの、更なる改善の余地を残す。
具体的には、無線通信は減衰を受けにくいアンテナで無線通信波を送信することが効率的である。また、無線通信波は、通信相手(通信先の方向)に通信すればよく、通信相手の居ない方向に無線通信波を送信することは、不効率である。また、通信のセキュリティを勘案しても望ましくない。
更に、飛翔体などでは、省電力化、機器の小型化、軽量化が重要な課題と成る。具体的には、既存の飛翔体では、搭載スペースに制限があり、所定サイズ以下の無線機でなければ、新規に搭載できない。また、既存の設備を性能の良い無線機に交換する場合でも、既存設備より大容量となると収納できない為、大型化することは許されない。
特許文献2ないし3の通信システムでは送信元のアンテナと受信先のアンテナ間の効率を勘案していない。同じく、送信側の送信効率を勘案していない。また、飛翔体は、上部アンテナと下部アンテナから同一無線通信波を送出しており、通信相手の居ない不要な方向に無線通信波を送信し、効率、セキュリティ共に改善の余地を残す。
更に、飛翔体での省電力化、機器の小型化(小容量化)、軽量化の更なる追及が必要である。
本発明の目的は、上記課題を解決し、改善点を追求し、通信相手の位置に適したアンテナを採択し、効率的な無線通信を可能とする飛翔体に搭載される無線機を提供することにある。
本発明の無線機は、自立して大気圏内を飛行する飛翔体に搭載され、複数のアンテナから所要のアンテナを選択して通信を行なう無線機において、通信信号(通信情報)を処理すると共に、アンテナ選択処理を行う信号処理部と、前記信号処理部と接続し、通信波を生成する送信機と、前記信号処理部と接続し、通信波を受信する受信機と、前記送信機ないし受信機の両方又は一方と接続し、前記信号処理部のアンテナ選択処理に基づき、前記送信機ないし受信機と前記複数のアンテナとの電気的接続を、電気的に切り替える選択部とを備え、前記信号処理部で行われるアンテナ選択処理は、当該無線機が搭載される飛翔体の飛行に伴い動的に変化する位置情報、姿勢情報、通信相手とする相手飛翔体の位置情報を参照して前記飛翔体及び前記通信相手とする相手飛翔体の位置関係を逐次導出処理し、当該逐次行われた導出処理結果に基づき、前記通信相手とする相手飛翔体との通信に適するアンテナを前記複数のアンテナから自律的に逐次選択することを特徴とする。
本発明によれば、通信相手の位置に適したアンテナを採択し、効率的な無線通信を可能とする飛翔体に搭載される無線機を提供できる。
本発明の第1の実施の一形態を図1ないし図8に基づいて説明する。
図1は、実施の一形態の飛翔体1を示す説明図である。
飛翔体1には、データリンク無線機10、上方アンテナ20、下方アンテナ30、状態検出装置40(図示せず)が設けられている。
データリンク無線機10は、周囲を飛行する別の飛翔体2(図示せず)や地上局3(図示せず)などとの通信の為に、データリンクの通信波を生成及び受信する無線機である。データリンク無線機10については、後に詳述する。
上方アンテナ20は、飛翔体1の外殻で翼面より上部に設置され、データリンクの通信波を送受信可能なアンテナである。
下方アンテナ30は、飛翔体1の外殻で翼面より下部に設置され、データリンクの通信波を送受信可能なアンテナである。
データリンク無線機10は、内蔵するアンテナ切換装置であるアンテナ選択部210(図示せず)を用いて、上方アンテナ20又は下方アンテナ30の一方もしくは両方と電気的に接続し、データリンクの通信波を発信する。また、別の飛翔体2や地上局3からのデータリンクの通信波を受信する。
状態検出装置40は、飛翔体1の姿勢(姿勢情報)と位置(位置情報)とを検出する。ここで姿勢情報とは、相対的なピッチ、ロール、ヨウなどで表せられる角度情報を表した数値情報である。
尚、姿勢情報や位置情報の検出処理には、飛翔体が有するAHRS(Attitude Heading Reference System:姿勢方位位置基準装置)やジャイロ等の各種センサ機器を用いても良いし、GPSなどから取得する位置情報を用いても良い。
図2は、データリンク無線機10を示す機能ブロック図である。
データリンク無線機10は、各種信号生成や各種信号処理、送信アンテナ選択の決定処理などを行う信号処理部100、無線通信波を生成しアンテナに伝達する送信機200、アンテナから受信した無線通信波を信号処理部100に伝達する受信機300等で構成されている。また、送信機200には、データリンク無線機10と上方アンテナ20及び下方アンテナ30との電気的接続を選択可能とするアンテナ選択部210が設けられている。
信号処理部100は、演算部、記憶部、制御部等で構成される。信号処理部100は、送信する通信情報(通信信号)を受け、多重化処理、信号変調処理、符号化処理等を実施し、送信機200に各種信号を伝送する。また、信号処理部100は、状態検出装置40で検出される自機(無線機が搭載される飛翔体)の姿勢情報及び位置情報、通信相手の位置情報、その他の情報を取得し、通信相手と自機の位置関係を算出処理し、通信相手との通信に適するアンテナを上方アンテナ20と下方アンテナ30とから自動的に選択し、選択結果を選択信号として生成する。同じく、信号処理部100は、受信機300からの信号復調処理、符号のデコード等の処理を適時行う。
送信機200と受信機300は、電力増幅回路や高周波変換回路などで構成される。また、送信機200と受信機300には、付随する電源回路や冷却装置等も含まれる。
送信機200は、信号処理部100からの選択信号に基づいて、内蔵するアンテナ選択部210を動作させると共に、送信する信号を増幅し、所定のアンテナから送信する。
尚、送信機200は、一般的に、上方アンテナ20及び下方アンテナ30系毎に設けられる送信系の電気回路及び部品を共通化し、電力増幅部、電源回路、冷却装置などの削減を行なう。
受信機300は、電力増幅回路や高周波変換回路などを含む2系統の受信部で構成される。受信機300は、アンテナから受信した信号を増幅処理し、信号処理部100に伝送する。
このような構成によって、本実施の一形態の飛翔体1は、通信相手の位置情報及び、自機の位置情報、姿勢の情報を用い、上方アンテナ20と下方アンテナ30との選択を可能とする。
尚、一般に、飛翔体に設置されるアンテナには、設置位置から機体の陰になる領域に、通信が不能もしくは信号波の減衰が著しく通信に不向きな領域が存在する。
図3は、飛翔体1の通信に不向きな領域を明示的に示した図である。図3に示す通り、上方アンテナ20は、機体下方への通信には不向きであり、下方アンテナ30は、機体上方への通信には不向きである。
図示する電波的中間面は、上方アンテナ20と下方アンテナ30との通信に適する位置の境界面であり、両アンテナの通信可能領域であって通信感度が等しい位置を仮想的に規定した面である。即ち、当該電波的中間面より上方は、上方アンテナ20を用い、当該電波的中間面より下方は、下方アンテナ30を用いることが望ましい。
尚、図3は明示的に示したものであり、通信に不向きな領域、及び、電波的中間面は、機体形状や翼形、素材などによって変化する。また、夫々のアンテナの通信に不向きな領域は、概ね、翼面を基準に上方と下方とで分けられる。
次にデータリンク無線機10の動作と、飛翔体1とデータリンク先との通信動作を示し、データリンク無線機10を説明する。
図4は、データリンク無線機10の送信処理の一部を示すフローチャートである。
データリンク無線機10の信号処理部100は、自機の位置情報及び姿勢情報を取得する(ステップS401)。尚、自機の位置情報及び姿勢情報は、各種計測機器及び状態検出装置40で検出された情報もしくは、GPSや基地局などから受信した情報を用いればよい。
信号処理部100は、通信相手の位置情報を取得する(ステップS402)。尚、通信相手の位置情報は、通信相手からの通知もしくは、予め保有する位置情報から選出すればよい。また、当ステップはステップS401と前後しても構わない。
信号処理部100は、取得した各種情報に基づき、上方アンテナ20と下方アンテナ30の何れが通信相手との通信に適するかを算出処理し、適するアンテナを選択処理する(ステップS403)。信号処理部100が行う算出処理、選択処理については、後に例示し説明する。
信号処理部100は、送信機200に対してアンテナの選択結果(選択信号)を通知すると共に、発信する通信情報を送信する。送信機200は、アンテナの選択結果(選択信号)に基づき、内蔵するアンテナ選択部210を動作させると共に、送信する信号を増幅し、選択されたアンテナに通信波を送る(ステップS404)。
信号処理部100に選択された上方アンテナ20又は下方アンテナ30は、通信波を大気中に発信する。
次に、飛翔体1とデータリンク先である飛翔体2または地上局3との通信動作を例示し、データリンク無線機10の動作を説明する。
図5は、飛翔体1と飛翔体2とのデータリンクの通信を可視的に示す図である。
飛翔体1は、常時自機の位置情報及び姿勢情報を取得してデータリンク無線機10に通知する(図4のステップS401に該当)。
飛翔体1は、飛翔体2から通知される位置情報を取得する(図4のステップS402に該当)。尚、飛翔体2から位置情報を受信する方式はどの様なものでも構わない。例えば、データリンク済みであれば、飛翔体2からデータリンクの通信で受信しても良いし、他の通信方法で受信しても構わない。また、レーダなどによって特定の位置関係を保つことで位置情報を推定すれば、通信せずとも飛翔体2の位置情報を取得できる。
データリンク無線機10は、通知された各種情報に基づき、飛翔体2との通信に適するアンテナを算出処理し、上方アンテナ20を選択処理する(図4のステップS403に該当)。
データリンク無線機10は、アンテナの選択処理に基づき、送信機200のアンテナ選択部210を動作させると共に、通信情報を変調や符号化等の処理を行い、上方アンテナ20に通信波を送信する(図4のステップS404に該当)。
飛翔体1は、上方アンテナ20から、データリンク無線機10で生成された通信波を送信する。
図6は、飛翔体1と地上局3とのデータリンクの通信を可視的に示す図である。
飛翔体1は、常時自機の位置情報及び姿勢情報を取得してデータリンク無線機10に通知し、通信相手である地上局3の位置情報を取得してデータリンク無線機10に通知する(図4のステップS401、S402に該当)。
データリンク無線機10は、通知された各種情報に基づき、地上局3との通信に適するアンテナを算出処理し、下方アンテナ30を選択処理する(図4のステップS403に該当)。
データリンク無線機10は、アンテナの選択処理に基づき、送信機200のアンテナ選択部210を動作させると共に、通信情報を変調や符号化等の処理を行い、下方アンテナ30に通信波を送信する(図4のステップS404に該当)。
飛翔体1は、下方アンテナ30から、データリンク無線機10で生成された通信波を送信する。
このようにして、データリンク無線機10は、通信相手位置に適したアンテナを採択し、効率的な無線通信を可能にできる。
次に、信号処理部100が行う算出処理及び選択処理を説明する。算出処理及び選択処理は、各種情報に基づいて、有効なアンテナを選択できれば良く、例えば後述する2つの方式が挙げられる。
まず、例示する方式説明に用いる飛翔体の姿勢(ピッチ、ロール、ヨウ)及び緯度、経度、高度等の関係を説明する。
図7は、各方式の説明に用いる姿勢定義を説明する図である。後述する各方式では、図7に示す様に、X軸、Y軸、Z軸と、緯度、経度、高度との関係を定義する。また、飛翔体の姿勢とピッチ、ロール、ヨウとの関係を定義する。
即ち、X軸は緯度方向を表し、北側を正(+)とする。Y軸は経度方向を表し、東側を正(+)とする。Z軸は高度方向を表し、宇宙側を正(+)とする。
ピッチは、飛翔体を左側面から見て、時計回りを正転とする。ロールは、飛翔体を前面から見て、時計回りを正転とする。ヨウは、飛翔体を上方から見て、反時計回りを正転とする。
尚、上記姿勢定義は、ジャイロの種類や、その取り付け位置、方向などによって、変化することもある。その場合、後述する計算式も変化することになる。
図8は、算出処理の一例である面方式を示す説明図である。
面方式では、信号処理部100は、上方アンテナ20と下方アンテナ30との電波的中間面(図3参照)に基づき通信に適するアンテナを選択処理する。尚、電波的中間面は、翼面と同一と規定しても良い。また、説明を明瞭とするため、面は平面を用いて説明する。
選択処理は、規定した電波的中間面と通信相手の位置とを用い、電波的中間面の上方又は下方の何れに通信相手が位置するかを算出処理し、当該算出処理結果に基づき、上方であれば上方アンテナ20を選択し、下方であれば下方アンテナ30を選択する。
電波的中間面を翼面と同一の平面と規定して説明すれば、翼面に沿って規定する平面Kと、通信相手の位置(空間の点Q)とに基づき、平面Kと点Qとの位置関係を算出し、当該算出した値が正(+)もしくは負(−)であるかを判断する。+であれば上方アンテナ20を選択し、−であれば下方アンテナ30を選択する。
その計算手順を説明すると、座標原点Oを自機とした時の座標空間の点Q(x,y,z)と平面の方程式は下記である。
F(x,y,z)=A*x+B*y+C*z+D ・・・とおく。
F(x,y,z)=0 ・・・平面Kを表す式
ここで、
A、B、Cは、平面Kに垂直に立った上方アンテナ方向の法線ベクトルである。
原点Oは、自機の座標を示す。
F(x,y,z)に取得した情報を代入し、算出値の正負を識別する。
F(x,y,z)>0 ・・・点Qは、平面Kの上方アンテナ方向に存在(通信相手は自機飛翔体の上方向に存在)する為、上方アンテナ20を選択する。
F(x,y,z)<=0・・・点Qは、平面Kの下方アンテナ方向に存在(通信相手は自機飛翔体の下方向に存在) する為、下方アンテナ30を選択する。
F(x,y,z)の計算式は下記となる。
F(x,y,z)= (-1)*(cos(Y)*sin(P) + sin(Y)*sin(U))*x+((-1)*sin(Y)*sin(P) + cos(Y)*sin(U))*y + (cos(P) + cos(U))*z
ここで、各値は次の値を用いる。
Y:自機のヨウ角(単位ラジアン)
P:自機のピッチ角(単位ラジアン)
U:自機のロール角(単位ラジアン)
A:法線ベクトルxの値 (-1)*(cos(Y)*sin(P) + sin(Y)*sin(U))
B:法線ベクトルyの値 (-1)*sin(Y)*sin(P) + cos(Y)*sin(U)
C:法線ベクトルzの値 cos(P) + cos(U)
D:零とする
x:緯度差(通信相手位置−自機)(単位m)
y:経度差(自機−通信相手位置)(単位m)
z:高度差(通信相手位置−自機)(単位m)
このように算出処理すれば、通信相手位置が、規定した平面K、即ち翼面の上方であるか下方であるかを識別可能となり、通信に適したアンテナを選定できる。
図9は、算出処理の一例である内積方式を示す説明図である。
内積方式では、信号処理部100は、自機の位置情報及び姿勢情報、通信相手の位置情報に基づき、通信に適するアンテナを選択処理する。
選択処理は、自機の位置情報及び姿勢情報から、上方アンテナベクトルA、下方アンテナベクトルBを算出し、自機の位置情報と通信相手の位置情報から通信相手ベクトルCを算出し、算出した各ベクトルを内積処理し、処理結果に基づき、内積値の大きい側のアンテナを選択する。
上方アンテナベクトルA及び下方アンテナベクトルBは、自機のアンテナ原点(上方アンテナ20と下方アンテナ30との中間点)から、上方又は下方に定められる単位ベクトルである。通信相手ベクトルCは、アンテナ原点(自機の位置情報)と通信相手の位置情報との2点を結ぶベクトル(方向は通信相手)である。尚、通信距離が長距離であれば、自機の位置情報の表す点をアンテナ原点としても影響は少ない。
内積処理の計算式は、次式を用いれば良い。
UV(上方アンテナ内積)=上方アンテナベクトルA・通信相手ベクトルC
DV(下方アンテナ内積)=下方アンテナベクトルB・通信相手ベクトルC
UV>DV ・・・通信相手は自機飛翔体の上方向に存在する為、上方アンテナ20を選択する。
UV<=DV ・・・通信相手は自機飛翔体の下方向に存在する為、下方アンテナ30を選択する。
次に上方アンテナベクトルAと下方アンテナベクトルBの算出手順を説明する。最初にアンテナ原点を座標(0、0、0)として、上方アンテナベクトルAの初期値、下方アンテナベクトルBの初期値を規定する。次いで、飛翔体の姿勢情報に基づいて、規定した上方アンテナベクトルA、下方アンテナベクトルBを、各軸(X、Y、Z)を用いて現在の姿勢を示す相対的な位置に回転させる。
計算式は以下となる。
初期値として、ピッチ、ロール、ヨウが全て零の時の、
上方アンテナベクトル(単位ベクトル)A =( x1、y1、z1)
下方アンテナベクトル(単位ベクトル)B =(- x1、- y1、- z1)
を規定する。但しx1、y1、z1は実数であり、下式が成り立つ。
x1* x1+y1* y1+z1* z1 = 1
上方アンテナベクトルA、下方アンテナベクトルB (以下各ベクトルと言う)をY軸の+方向から見て、時計回りにロール角分(下式でU)回転させる。
Figure 0005366191
各ベクトルをX軸の+方向から見て、反時計回りにピッチ角分(下式でP)回転させる。
Figure 0005366191
各ベクトルをZ軸の+方向から見て、反時計回りにヨウ角分(下式でT)回転させる。
Figure 0005366191
このように算出処理すれば、自機の位置情報、姿勢情報、通信相手位置を用いて内積を算出処理し、算出結果に基づきアンテナ原点を基準に通信相手が上方アンテナ方向であるか下方アンテナ方向であるかを識別可能となり、通信に適したアンテナを選定できる。
即ち、データリンク無線機10は、通信相手の位置に適したアンテナを採択し、効率的な無線通信を可能にできる。
また、無線通信波の減衰を受けにくいアンテナで無線通信波を送信可能となり、データ損失の低減、送信電力の低減が図れる。
更に、無線通信波を、通信相手(通信先の方向)に通信可能となり、通信相手の居ない方向に無線通信波を送信することを防止でき、省電力並びに、セキュリティの向上が図れる。
また、送信機200の送信系毎に設けられる電気回路及び部品を共通化でき、無線機の容積を削減できる。更に、電力増幅部等の回路網用の電源回路を削減でき、省電力化も図れる。また、電源回路を削減することで、冷却装置を削減でき、小型化、省電力化、軽量化が図れる。
飛翔体等で用いられる無線機にとって、送信系の小型化、軽量化は特に重要である。
次に、本発明の第2の実施の一形態を図10及び図11に基づいて説明する。第2の実施の一形態は、第1の実施の一形態のデータリンク無線機10と異なり、受信機にアンテナ切替装置を設置する。尚、第1の実施の一形態と同一部分には同一符号を付与し、説明を省略する。
図10は、第2の実施の一形態のデータリンク無線機10bを示す機能ブロック図である。
データリンク無線機10bは、各種信号生成や各種信号処理、受信アンテナ選択の決定処理などを行う信号処理部100b、無線通信波を生成しアンテナに伝達する送信機200b、信号処理部100bで選択されたアンテナを使用し受信した無線通信波を信号処理部100bに伝達する受信機300b等で構成されている。また、受信機300bには、データリンク無線機10bと上方アンテナ20及び下方アンテナ30との電気的接続を選択可能とするアンテナ選択部310が設けられている。
信号処理部100bは、状態検出装置40で検出される自機の姿勢情報及び位置情報、通信相手(送信元)の位置情報、その他の情報を取得し、通信相手と自機の位置関係を算出処理し、通信相手との通信に適するアンテナを上方アンテナ20と下方アンテナ30とから選択し、選択結果を選択信号として生成する。
送信機200bは、上方アンテナ20用の電力増幅回路や高周波変換回路などを含む送信部1と下方アンテナ30用の電力増幅回路や高周波変換回路などを含む送信部2との2系統の送信部で構成される。
受信機300bは、信号処理部100bからの選択信号に基づいて、内蔵するアンテナ選択部310を動作させると共に、選択したアンテナから受信する信号を増幅処理し、信号処理部100bに伝送する。
次にデータリンク無線機10bの動作を示し説明する。
図11は、データリンク無線機10bの受信処理の一部を示すフローチャートである。 データリンク無線機10bの信号処理部100bは、自機の位置情報及び姿勢情報を取得する(ステップS111)。
信号処理部100bは、通信相手の位置情報を取得する(ステップS112)。
通信相手の位置情報は、データリンクの通信で取得しても良いし、予め保有する位置情報から選出してもよい。
信号処理部100bは、取得した各種情報に基づき、上方アンテナ20と下方アンテナ30の何れが通信相手との通信に適するかを算出処理し、適するアンテナを選択処理する(ステップS113)。
信号処理部100bは、受信機300bに対してアンテナの選択結果(選択信号)を通知する。受信機300bは、アンテナの選択結果(選択信号)に基づき、内蔵するアンテナ選択部310を動作させ、選択されたアンテナから受信した信号を増幅し、信号処理部100bに伝送する(ステップS114)。
このようにして、データリンク無線機10bは、通信相手の位置に適したアンテナを採択し、効率的な無線通信を可能にできる。
また、無線通信波の減衰を受けにくいアンテナで無線通信波を受信可能となり、データ損失の低減が図れる。
次に、本発明の第3の実施の一形態を図12に基づいて説明する。第3の実施の一形態は、第1の実施の一形態のデータリンク無線機10及び第2の実施の一形態のデータリンク無線機10bの特徴を組合わせた形態をとる。
即ち、送信機並びに受信機の両方にアンテナ切替装置を設置する。尚、第1及び第2の実施の一形態と同一部分には同一符号を付与し、説明を省略する。
図12は、第3の実施の一形態のデータリンク無線機10cを示す機能ブロック図である。
データリンク無線機10cは、各種信号生成や各種信号処理、送信アンテナ及び受信アンテナの決定処理などを行う信号処理部100c、送信機200、受信機300b等で構成されている。また、送信機200には、データリンク無線機10cと送信機200に接続される複数のアンテナとの電気的接続を選択可能とするアンテナ選択部210が設けられている。同じく、受信機300bには、データリンク無線機10cと受信機300bに接続される複数のアンテナとの電気的接続を選択可能とするアンテナ選択部310が設けられている。
信号処理部100cは、状態検出装置40で検出される自機の姿勢情報及び位置情報、通信相手(通信先、送信元)の位置情報、その他の情報を取得し、通信相手と自機の位置関係を算出処理し、通信相手との通信に適するアンテナを上方アンテナ20と下方アンテナ30とから選択し、選択結果を選択信号として生成する。
送信機200は、信号処理部100cからの選択信号に基づいて、内蔵するアンテナ選択部210を動作させると共に、送信する信号を増幅し、所定のアンテナから送信する。
受信機300bは、信号処理部100cからの選択信号に基づいて、内蔵するアンテナ選択部310を動作させると共に、選択したアンテナから受信する信号を増幅処理し、信号処理部100cに伝送する。
次にデータリンク無線機10cの動作を説明する。データリンク無線機10cは、送信時にはデータリンク無線機10と同様に動作し、受信時にはデータリンク無線機10bと同様に動作する。
即ち、データリンク無線機10cの信号処理部100cは、自機の位置情報及び姿勢情報を取得すると共に、通信相手の位置情報を取得する。
信号処理部100cは、送信動作又は受信動作を識別し、取得した各種情報に基づき、上方アンテナ20と下方アンテナ30の何れが通信相手との通信に適するかを算出処理し、夫々の通信に適するアンテナを選択処理する。
信号処理部100cは、送信機200及び受信機300bに対して、夫々アンテナの選択結果(選択信号)を通知する。送信機200及び受信機300bは、アンテナの選択結果(選択信号)に基づき、内蔵するアンテナ選択部210、310を動作させ、選択されたアンテナを使用し、通信を行なう。
このようにして、データリンク無線機10cは、通信相手の位置に適したアンテナを採択し、効率的な無線通信を可能にできる。
また、無線通信波の減衰を受けにくいアンテナで無線通信波を送受信可能となり、データ損失の低減、送信電力の低減が図れる。
更に、通信相手の居ない方向に無線通信波を送信することを防止でき、省電力並びに、セキュリティの向上が図れる。
また、送信系並びに受信系の電気回路及び部品を共通化でき、無線機の容積を削減、省電力化、軽量化が図れる。これは、無線機の搭載スペースが限られる飛翔体に特に有用である。
尚、上記実施の一形態の説明では、データリンク無線機を用いて説明したが、飛翔体に搭載され、複数のアンテナを選択して通信を行なう無線機であれば、特に限定は無い。また、通信相手も飛翔体や地上局に限定されるものではない。例えば、データリンク通信相手が衛星、船舶、海上ブイ(中継装置)でも良い。
また、算出処理の方式も、ベクトル解析や、電波的中間面を用いることに限定するものではない。位置情報、姿勢情報(飛翔体やアンテナ等の相対的な向きなどを示す情報)、通信相手の位置情報から、通信に適するアンテナを識別できればどの様な算出方法でも構わない。
尚、通信相手の位置情報の取得方法は、例示したものに限定するものではない。他の位置情報の取得方法としては、レーダの検出値から算出や、地上局(位置が固定された基地局)を介して通信相手の位置情報の取得などが挙げられる。また、受信した位置情報をそのまま使用せずとも、通信相手の移動を予測し、移動先位置の予測値を使用しても良い。
実施の一形態の飛翔体1を示す説明図である。 データリンク無線機10を示す機能ブロック図である。 飛翔体1の通信に不向きな領域を明示的に示した図である。 データリンク無線機10の送信処理の一部を示すフローチャートである。 飛翔体1と飛翔体2とのデータリンクの通信を可視的に示す図である。 飛翔体1と地上局3とのデータリンクの通信を可視的に示す図である。 方式説明に用いる姿勢定義を説明する図である。 算出処理の一例である面方式を示す説明図である。 算出処理の一例である内積方式を示す説明図である。 データリンク無線機10bを示す機能ブロック図である。 データリンク無線機10bの受信処理の一部を示すフローチャートである。 データリンク無線機10cを示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 飛翔体(自機)
2 飛翔体(通信相手)
3 地上局
10 データリンク無線機
20 上方アンテナ
30 下方アンテナ
40 状態検出装置
100 信号処理部(処理部)
200 送信機
210 アンテナ選択部(送信系)
300 受信機
310 アンテナ選択部(受信系)

Claims (14)

  1. 自立して大気圏内を飛行する飛翔体に搭載され、複数のアンテナから所要のアンテナを選択して通信を行なう無線機において、
    通信信号(通信情報)を処理すると共に、アンテナ選択処理を行う信号処理部と、前記信号処理部と接続し、通信波を生成する送信機と、前記信号処理部と接続し、通信波を受信する受信機と、前記送信機ないし受信機の両方又は一方と接続し、前記信号処理部のアンテナ選択処理に基づき、前記送信機ないし受信機と前記複数のアンテナとの電気的接続を、電気的に切り替える選択部とを備え、
    前記信号処理部で行われるアンテナ選択処理は、
    当該無線機が搭載される飛翔体の飛行に伴い動的に変化する位置情報、姿勢情報、通信相手とする相手飛翔体の位置情報を参照して前記飛翔体及び前記通信相手とする相手飛翔体の位置関係を逐次導出処理し、当該逐次行われた導出処理結果に基づき、前記通信相手とする相手飛翔体との通信に適するアンテナを前記複数のアンテナから自律的に逐次選択する
    ことを特徴とする無線機。
  2. 前記信号処理部で逐次実施する相手飛翔体との位置関係の導出処理では、ベクトル解析を用いることを特徴とする請求項1記載の無線機。
  3. 前記アンテナ選択処理は、
    前記飛翔体の姿勢情報から前記複数のアンテナの有する夫々の通信に適する方向の相対的なベクトルを算出すると共に、前記飛翔体の位置情報と通信相手とする相手飛翔体の位置情報とから該相手飛翔体へのベクトルを算出し、
    算出した各々のアンテナに関する通信に適する方向のベクトルと前記相手飛翔体へのベクトルとの内積を算出し、
    算出した内積値の大小を比較して内積値が大きいアンテナを選択する
    ことを特徴とする請求項2記載の無線機。
  4. 前記信号処理部で逐次実施する相手飛翔体との位置関係の導出処理では
    前記複数のアンテナ間で通信感度が等しい位置境界面を電波的中間面と規定し、
    自機の姿勢が反映されて規定された電波的中間面を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の無線機。
  5. 前記信号処理部で逐次実施する相手飛翔体との位置関係の導出処理では
    前記複数のアンテナの電波的中間点を複数繋げて仮想的に作成する自機の姿勢が反映された仮想平面と通信相手の位置情報とを用いて、
    前記通信相手の位置情報が示す点を前記仮想平面の上方又は下方の何れかであることを算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線機。
  6. 前記信号処理部で逐次実施する相手飛翔体との位置関係の導出処理では
    搭載対象である飛翔体の翼面を平行に広げ仮想的に作成する自機の姿勢が反映された仮想平面と通信相手の位置情報とを用いて、
    前記通信相手の位置情報が示す点を前記仮想平面の上方又は下方の何れかであることを算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の無線機。
  7. データリンク機能を有することを特徴とする請求項1ないし6の何れか一記載の無線機。
  8. 前記通信相手の位置情報を、データリンクを介して取得することを特徴とする請求項7記載の無線機。
  9. 自立して大気圏内を飛行する複数のアンテナから所要のアンテナを自動的に選択して通信を行なう飛翔体のアンテナ選択方法であって、
    通信波を生成及び受信する無線機と、前記無線機に電気的に接続され、翼面より上方に設置される上方アンテナと、前記無線機に電気的に接続され、翼面より下方に設置される下方アンテナと、電気的に前記無線機と前記上方アンテナ又は前記下方アンテナとの電気的接続を択一的に選択する選択部とを備える飛翔体で、
    前記無線機に内蔵される処理部は、
    飛行に伴い動的に変化する自機の位置情報、姿勢情報、通信相手とする相手飛翔体の位置情報を参照して自機及び前記通信相手とする相手飛翔体の位置関係を逐次導出処理し、
    当該逐次行われた導出処理結果に基づき、前記通信相手とする相手飛翔体との通信に適するアンテナを自律的に逐次識別し、
    前記選択部は、前記処理部の識別結果に基づいて、前記上方アンテナ又は前記下方アンテナを電気的に選択する
    ことを特徴とするアンテナ選択方法。
  10. 前記処理部で逐次実施する相手飛翔体との位置関係の導出処理では、ベクトル解析を用いることを特徴とする請求項9記載のアンテナ選択方法。
  11. 前記アンテナ選択処理は、
    自機の姿勢情報から上方と下方の相対的なベクトルを算出すると共に、自機の位置情報と通信相手の位置情報とから通信相手へのベクトルを算出し、
    算出した上方と下方の相対的なベクトルと通信相手へのベクトルとの内積を算出し、
    算出した内積値の大小を比較して内積値が大きいアンテナを選択する
    請求項10記載のアンテナ選択方法。
  12. 前記処理部で逐次実施する相手飛翔体との位置関係の導出処理では、前記上方アンテナと前記下方アンテナとの通信可能領域であって通信感度が等しい位置を仮想的に自機の姿勢が反映して規定した、通信に適する位置の境界面である電波的中間面を用いることを特徴とする請求項9記載のアンテナ選択方法。
  13. 前記処理部で逐次実施する相手飛翔体との位置関係の導出処理では
    翼面を平行に広げ仮想的に作成する自機の姿勢が反映された仮想平面と通信相手の位置情報とを用いて、前記通信相手の位置情報が示す点を前記仮想平面の上方又は下方の何れかであることを算出することを特徴とする請求項9記載のアンテナ選択方法。
  14. 前記通信相手の位置情報を、無線機間の通信を介して取得することを特徴とする請求項9ないし13の何れか一記載のアンテナ選択方法。
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