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JP5367480B2 - 電力ケーブル - Google Patents
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本発明は、電力ケーブルに関する。
導体の外周を絶縁体で被覆した絶縁電線がある。また、この絶縁電線を電力線心とし、これをシースで被覆してなる電力ケーブルや、この絶縁電線を電力線心とし、複数束ねた後にシースで被覆してなる電力ケーブルが知られている。さらに、これら絶縁電線や単線の電力ケーブルを複数束ねた複線の電力ケーブルがある。
なお、以下、本願発明において「電力線心」という用語は、絶縁電線を含む意味で用いる。
また、絶縁電線やケーブルの絶縁体等に使用された架橋ポリオレフィン(系)廃材を熱可塑化可能に再生した再生材と、再生材ではないポリオレフィン樹脂(例えばバージン材)とを混合した再生材混合樹脂で再び絶縁体を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、電力ケーブルの複数の電力線心を識別するために、絶縁体の表面に塗料を塗布して着色する方法がある。また、絶縁材料に顔料を混合して絶縁体全てを着色する方法がある。さらに、絶縁体を2層化し、外層の絶縁材料に顔料を混合して外層のみを着色することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−66262号公報 特開2002−324443号公報
ところで、再生材混合樹脂にはカーボンブラックが添加された廃材など着色された物が混入してしまうため、再生材混合樹脂は黒色となってしまう。このため、再生材混合樹脂を用いる場合には、絶縁体全てを着色して識別することは困難である。
そこで、絶縁体を2層化し、外層のみを着色し、内層に再生材混合樹脂を用いることが考えられる。しかし、外層の厚さが薄いと、内層がカーボンブラック等の顔料により着色されている影響で色が不鮮明となり、識別性が低下する。このため、電力ケーブルの接続作業が行われるマンホール内や建屋内では、電力線心の識別に誤認が生ずるおそれがある。
本発明の課題は、再生材混合樹脂で絶縁体が形成された電力ケーブルの識別性を向上することである。
請求項1に記載の発明は、導体と、この導体を被覆する絶縁体とからなる複数の電力線心を有する電力ケーブルにおいて、前記絶縁体は、前記導体の外周部に設けられ再生材混合樹脂で形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の外周部に設けられた前記第1絶縁層と異なる色の第2絶縁層とからなり、少なくとも1本の電力線心の第2絶縁層は赤色であり、他の電力線心の第2絶縁層は赤色以外の色であり、前記赤色の第2絶縁層は、他の色の第2絶縁層よりも肉厚であることを特徴とする。
また、前記赤色の第2絶縁層の厚さを0.15mm以上としても良い。
また、前記赤色以外の色の第2絶縁層の厚さを0.10mm以上としても良い。
本発明によれば、識別性が良好な電力ケーブルを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る電力ケーブル1Aを示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電力ケーブル1Bを示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態に係る電力ケーブル1Aを示す断面図である。図1に示すように、電力ケーブル1Aは、電力線心10と、電力線心10を被覆するシース20とから概略構成される。
電力線心10は、導体11と、導体11を被覆する絶縁体12とからなる。導体11には、例えば銅線、アルミニウム線等を用いることができる。
シース20には、例えば塩化ビニル等を用いることができる。
絶縁体12は、内側層13(第1絶縁層)と、識別層14(第2の絶縁層)とからなる。内側層13は、絶縁体12のほとんどの部分をなす。内側層13には、架橋ポリオレフィン(系)廃材を熱可塑化可能に再生した再生材と、再生材ではないポリオレフィン(系)樹脂とを混合した再生材混合樹脂を用いる。
架橋ポリオレフィン(系)廃材は、架橋ポリオレフィン(系)樹脂の廃材である。架橋ポリオレフィン(系)廃材としては、例えば、電線被覆廃材などの配線材の被覆廃材や、一般廃棄物として廃棄される給水用、給湯用、屋内暖房用のパイプ、または各種発泡体などが挙げられる。回収された廃材の使用年数は関係なく、極端に劣化が進んだものでも支障はない。
ここでポリオレフィン(系)樹脂とは、ポリオレフィン樹脂と、ポリオレフィン系樹脂とを含む意味で用いている。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
架橋ポリオレフィン(系)樹脂は、ポリオレフィン樹脂またはポリオレフィン系樹脂から選ばれた1種または2種以上の樹脂を架橋したものである。架橋ポリオレフィン(系)樹脂はどのような架橋方法によるものでもよく、例えば、有機過酸化物やシラン化合物の架橋剤を用いて架橋したもの、電子線などによって架橋したもの等を使用することができる。
ここで、架橋ポリオレフィン(系)廃材を熱可塑化可能に再生し再生材にする方法の一例について説明する。
まず、架橋ポリオレフィン(系)廃材を同方向噛み合い型二軸押出機に投入し、架橋を切断し(熱可塑化処理)、再生材を得る。
熱可塑化処理を行った再生材のゲル分率は40%以下とすることが好ましく、10%以下とすることがより好ましい。ここで、ゲル分率とは、加温したキシレンに試料を入れ、溶解せずに残った試料の質量の、元の試料の質量に対する割合である。ゲル分率は、JIS C 3005中の「4.25架橋度」により測定することができる。
同方向噛み合い型二軸押出機で適切な条件のもとで熱可塑化処理を行うことで、再生材のゲル分率を40%以下とすることができる。好ましい処理温度は250℃〜400℃、好ましい剪断速度は200sec−1以上である。ここで、剪断速度とは、同方向噛み合い型二軸押出機のスクリューエレメント最外周部の周速度(mm/s)をスクリューとバレルとのクリアランス(mm)で除した数値である。
次に、得られた再生材を、再生材ではないポリオレフィン(系)樹脂と混合して、再生材混合樹脂とする。再生材の混合割合は、全樹脂量の50質量%以下、好ましくは40質量%以下とする。ただし、0質量%は含まない。
再生材ではないポリオレフィン(系)樹脂としては、架橋されたことのない樹脂であれば種々のものを用いることができるが、製造後一度も成形されたことのない樹脂(いわゆるバージン材)が好適に用いられる。この再生材ではないポリオレフィン(系)樹脂には、ポリオレフィン樹脂またはポリオレフィン系樹脂のうち1種、または2種以上の混合物を使用することができる。この中でも、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
識別層14は、内側層13の外側に形成されている。識別層14は、赤色、白色、緑色、青色等に着色されたポリオレフィン(系)樹脂(以下、識別用樹脂という)からなる。ここで、白色とは、マンセル表色系(JIS Z 8721 三属性による色の表示方法)において、無彩色または彩度2以下、かつ明度7以上をいう。同様に、赤色とは色相R、明度3以上かつ彩度8以上、緑色とは色相G、明度4以上かつ彩度6以上、青色とは色相B、明度4以上かつ彩度6以上をいう。
識別層14に用いられるポリオレフィン(系)樹脂は、意図する色が鮮明に現れている材料であれば良い。
識別層14の厚さは、0.10mm以上とすることが好ましい。再生材混合樹脂からなる内側層13は全体として黒色であることが多い。このため、識別層14の厚さが0.10mm未満であると、下地の内側層13の色の影響により、識別層14の色が不鮮明となる。
さらに、識別層14の厚さは、識別層14の色に応じて0.10mmよりも厚くすることが好ましい。例えば、識別層14を赤色とするならば、厚さを0.15mm以上とすることが好ましい。他の色であれば識別層14の厚さが0.10mm以上であれば鮮明であるが、識別層14を赤色とする場合には、識別層14の厚さが0.15mm未満であると、識別層14の赤色が不鮮明となる。赤色の識別層14の厚さを0.15mm以上とすることで、赤色を鮮明とすることができる。
再生材混合樹脂及び識別用樹脂には、通常の絶縁層を形成するのに用いる添加剤を用いることができる。具体的には、架橋剤、架橋助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を必要に応じて適量添加することができる。
上記の再生材混合樹脂を第1の押出機のホッパーに投入し、識別用樹脂を第2の押出機のホッパーに投入し、両者をクロスヘッドで接続し、再生材混合樹脂及び識別用樹脂を導体11の周囲に押し出し、架橋させる。架橋方法としては、通常の架橋方法を適宜選択すればよい。例えば、再生材混合樹脂及び識別用樹脂に有機過酸化物を添加し、導体11の周囲に押し出した後に加熱処理する「過酸化物架橋方法」、再生材混合樹脂及び識別用樹脂にシラン化合物と架橋助剤を添加し、導体11の周囲に押し出した後に水分により架橋させる「シラン架橋方法」、電子線照射による「電子線架橋方法」などが挙げられる。
以上により、導体11の外周部に内側層13及び識別層14からなる絶縁体12が形成された電力線心10を形成される。その後、シース20により電力線心10を被覆することで、電力ケーブル1Aが完成する。
このように製造された電力ケーブル1Aでは、絶縁体12の表面にのみ識別層14を設けるため、ほとんどを内側層13とすることができ、より多くの再生材を用いることができる。
なお、以上の実施形態においては、導体11の外周部に絶縁体12を直接形成したが、導体10と絶縁体12との間に半導電層等、別の層を形成してもよい。
〔第2実施形態〕
図2は本発明の第2の実施形態に係る電力ケーブル1Bを示す断面図である。なお、第1実施形態と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
電力ケーブル1Bは、4本の電力線心10B、10W、10G、10Rを個々にシース20で被覆してなる。電力線心10Bの識別層14Bは青色、電力線心10Wの識別層14Wは白色、電力線心10Gの識別層14Gは緑色、電力線心10Rの識別層14Rは赤色に、それぞれ着色されている。
本実施形態においては、赤色の識別層14Rは、他の色の識別層14B、14W、14Gよりも肉厚である。識別層14B、14W、14Gの厚さは0.10mm以上であることが好ましい。また、識別層14Rの厚さは識別層14B、14W、14Gの厚さよりも0.05mm以上厚いことが好ましい。識別層14Rの厚さは識別層14B、14W、14Gの厚さよりも0.05mm以上厚くすることで、赤色の識別性を他の色と同程度とすることができる。具体的には、識別層14B、14W、14Gの厚さは0.10mm、識別層14Rの厚さは0.15mmにすることが好ましい。
以下、本発明の実施例について更に詳細に説明する。
(再生材)
撤去された絶縁電線から屋外用架橋ポリエチレン電線を選別し、さらにその被覆廃材から主として有機過酸化物により架橋されたものを選別して、これを10mm以下に粉砕した。なお、選別しても、わずかに有機過酸化物架橋以外の方法で架橋された電線被覆廃材も混入してしまう。
上記の架橋ポリエチレン電線被覆廃材を同方向噛み合い型二軸押出機に投入し、処理温度300℃、剪断速度2200〜2300sec−1で熱可塑化処理を行い、再生材を得た。
(再生材のゲル分率測定)
ゲル分率は、定法に従って、加温したキシレンに試料を入れ、溶解せずに残った試料の質量を測定し、これと試験前の試料の質量との比をゲル分率とした。具体的な方法は、JIS C 3005中の「4.25架橋度」によった。測定結果は表1に示すとおりである。
(再生材ではないポリオレフィン(系)樹脂(バージン材))
ポリエチレン樹脂(NUCG9301、ダウ・ケミカル(株)製)を用いた。
(再生材混合樹脂)
再生材とバージン材とを混合して再生材混合樹脂とした。実施例1、2、6、7、8、比較例1、3では再生材50質量部に対しバージン材50質量部を混合した。実施例3、4、5、比較例2では再生材30質量部に対しバージン材70質量部を混合した。
(識別用樹脂)
バージン材に顔料として、大日精化工業(株)製PEM F940587R(赤色)、PEM F172W(白色)PEM F387G(緑色)をそれぞれバージン材100質量部に対して10質量部混合し、赤色、白色、緑色の識別用樹脂を得た。
(電力ケーブルの製造)
再生材混合樹脂、シラン液(A−171、日本ユニカー製)、触媒マスターバッチ(モルデックスCM846、アプコ(株)製)を直径120mm単軸押出機のホッパーに投入した。シラン液の投入量は再生材混合樹脂100質量部に対して2.3質量部、触媒マスターバッチの投入量は再生材混合樹脂100質量部に対して5質量部とした。ミキシングゾーンを180℃以下、グラフト反応ゾーンを220℃以下、スクリュー回転数を10rpmに設定した。
また、上記の押出機にクロスヘッドで接続された直径50mm単軸押出機のホッパーに識別用樹脂を投入した。
次に、断面積14mmの銅導体の外周に再生材混合樹脂を厚さ1mmとなるように押し出すとともに、再生材混合樹脂の外周に、表1に示す厚さとなるように識別用樹脂を押し出した。
その後、製造された絶縁電線を80℃の温水バスに24時間浸漬し架橋処理を行った。
(鮮明度評価)
マンセル表色系(JIS Z 8721色の表示方法−三属性による色の表示)により評価した。評価基準の設定は、ケーブルの接続作業が行われるマンホール内や建屋内で、白熱灯などで仮設照明されている場所においても電力線心の識別に誤認がないレベルとした。
具体的には、マンセル色立体の垂直断面と目視で比較して判断した。赤色については明度3以上かつ彩度8以上を「良」、明度2以下または彩度7以下を「不良」とした。緑色については明度4以上かつ彩度6以上を「良」、明度3以下または彩度5以下を「不良」とした。白色については、無彩色または彩度2以下、明度7以上を「良」、明度6以下を「不良」とした。評価結果を表1に示す。
Figure 0005367480
識別層の色を白または緑とした場合には、識別層の厚さが0.05mmでは鮮明度が不良であった(比較例2、3)。一方、識別層の厚さを0.10mm以上とした場合には、鮮明度が良であった(実施例3〜8)。
これに対して、識別層の色を赤色とした場合には、識別層の厚さが0.10mmでも鮮明度が不良であった。識別層の厚さを0.15mm以上とした場合には、鮮明度が良であった(実施例1、2)。
以上示したように、識別層の厚さを0.10mm以上とすることで、識別層の鮮明度を良好とすることができる。さらに、識別層が赤色の場合には、厚さを0.15mm以上とすることで、識別層の鮮明度を良好とすることができる。このため、電力ケーブルの接続作業が行われるマンホール内や建屋内で、電力線心の識別に誤認が生ずるおそれを低減できる。
なお、上記実施例においては、赤色、白色、緑色の識別層について説明したが、本発明はこれに限らず、青色その他の色(赤色を除く)についても識別層の厚さを0.10mm以上とすることで、識別層の鮮明度を良好とすることができる。
1A、1B 電力ケーブル
10、10B、10W、10G、10R 電力線心
11 導体
12 絶縁体
13 内側層
14、14B、14W、14G、14R 識別層
20 シース

Claims (3)

  1. 導体と、この導体を被覆する絶縁体とからなる複数の電力線心を有する電力ケーブルにおいて、
    前記絶縁体は、前記導体の外周部に設けられ再生材混合樹脂で形成された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の外周部に設けられた前記第1絶縁層と異なる色の第2絶縁層とからなり、
    少なくとも1本の電力線心の第2絶縁層は赤色であり、他の電力線心の第2絶縁層は赤色以外の色であり、前記赤色の第2絶縁層は、他の色の第2絶縁層よりも肉厚であることを特徴とする電力ケーブル。
  2. 前記赤色の第2絶縁層の厚さが0.15mm以上であることを特徴とする請求項1記載の電力ケーブル。
  3. 前記赤色以外の色の第2絶縁層の厚さが0.10mm以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の電力ケーブル。
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