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JP5369997B2 - 車内通信制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は、車両に搭載された車載システム内でデータの送受信を行う車内通信制御装置に関する。
従来より、エンジン,ブレーキ,パワーステアリング,自動変速機等(パワー・トレイン系装置)を制御する各電子制御装置(ECU)や、ドアのロック・アンロック装置,パワーウインドウ,メータ装置,空調装置等(ボデー系装置)を制御する各ECUなどを備えた車載システムが知られている。
この種の車載システムでは、一般的に、各ECU間でデータの送受信を行うために車内LAN(Local Area Network)が構築されている。例えば、パワー・トレイン系装置を制御するECU(以下、パワー・トレイン系ECUという)間の通信には、伝送速度が比較的高いLAN(以下、高速LANという)を用いることが多く、ボデー系装置を制御するECU(以下、ボデー系ECUという)間の通信には、低速で安価なLAN(以下、低速LANという)を用いることが多い。
また、ボデー系ECUのうち、パワー・トレイン系ECUとデータの送受信を行うECU(以下、対象ボデー系ECUという)は、低速LAN用の通信ラインに加えて、高速LAN用の通信ラインが接続され、これら2種類の通信ラインを同時に使用することによって、車載システムにおける通信のリアルタイム性を確保している。
ところで、対象ボデー系ECUでは、2種類の通信ラインが接続されることにより、これら通信ライン間のクロストークによるノイズの影響が問題視されている。このため、2種類の通信ラインを、高速LAN及び低速LANに共用可能な通信ライン(以下、共用ラインという)に集約させることが検討されている。また、通信ラインを集約させることにより、車載システムにおける更なるコストの削減が期待されている。
例えば、特許文献1には、共用ライン上の信号レベルと所定の受信用閾値とを大小比較する一つの比較器を備え、受信用閾値を上回る信号レベルをハイレベル、受信用閾値以下の信号レベルをローレベルとして検出するECUにおいて、共用ライン上の信号レベルに応じて受信用閾値を変更する回路(レベル変更回路)を設けることが開示されている。
特開平10−51975号公報
しかし、特許文献1に記載の従来装置では、一つの比較器の受信用閾値を切り替えて使用しているため、ハイレベルの信号レベルが異なる複数の信号を同時に受信することができず、これにより、車載システムにおける通信のリアルタイム性が低下してしまう可能性があるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するため、通信のリアルタイム性を低下させることなく、通信ラインを集約させることが可能な車内通信制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた発明である請求項1に記載の車内通信制御装置は、振幅の異なる複数種類の信号を伝送する伝送線路に接続される接続端子と、接続端子の電圧レベルと予め設定された複数の受信用閾値とを大小比較する比較手段と、比較手段による比較結果に基づいてビット列を再生する受信手段とを備える。
ここで、伝送線路上の信号の伝送には、N種類(Nは2以上の整数)の伝送速度が用いられ、且つ、その伝送速度が高いほど振幅の大きい2値符号が用いられる。そして、複数の受信用閾値のうち、振幅が最も小さい2値符号より小さい受信用閾値を第N受信用閾値、振幅がi番目(iは1以上N−1以下の整数)に大きい2値符号より小さく、且つ、振幅がi+1番目に大きい2値符号より大きい受信用閾値を第i受信用閾値とする。上記の前提のもとで、比較手段は、第N受信用閾値により接続端子の電圧レベルを比較して2値化するとともに、第i受信用閾値により接続端子の電圧レベルを比較して2値化するように、複数の受信用閾値に対応する数の比較器を有することを要旨とする。
このように構成された車内通信制御装置では、伝送速度が高いほど振幅の大きい2値符号が信号の伝送に用いられるため、その伝送信号に振幅の異なる複数種類の信号が重畳されている場合であっても、伝送速度の高い信号におけるハイレベルの信号レベルが、伝送速度の低い信号の波形に埋もれずに済む。そして、2値符号の振幅に応じて複数の受信用閾値が予め設定されるとともに、これら受信用閾値に対応する数の比較器を有するため、これら比較器により伝送線路上の信号レベル(接続端子の電圧レベル)を同時に比較して2値化することで、同一の通信ライン(伝送線路)を介して送信されてくる複数の信号(振幅の異なる複数種類の信号)を分離することができる。
したがって、本発明の車内通信制御装置によれば、振幅の異なる複数の信号を同時に受信することができるため、通信のリアルタイム性を低下させることなく、通信ラインを集約させることができる。また、通信ラインを集約させることにより、通信ライン、及び、通信ラインに接続される端子(接続端子)の数を削減できるため、複数の車内通信制御装置で構成される車載システムにおいて、コストの増加を抑制することができる。
ところで、特許文献1に記載の従来装置では、通信ライン(共用ライン)上の信号レベルに応じて受信用閾値を変更するため、冗長なビット列(つまり、多量のデータ)に対応する信号が伝送信号に重畳されている場合、受信用閾値の切替頻度が高くなり、これにより、高精度なレベル変更回路を設ける必要があり、装置設計が複雑化するという問題があった。
これに対して、本発明の車内通信制御装置では、比較器の受信用閾値を切り替える必要がないため、複雑な装置設計を要する回路を設けずに済み、これにより、車載システムにおいてコストを削減することができる。また、2値符号の振幅に応じて予め設定された複数の受信用閾値を同時に用いる構成であるため、データ量にかかわらず、振幅の異なる複数種類の信号を同時に受信することができる。
また、受信手段は、比較手段による比較結果に基づいて、第i+1受信用閾値を上回り、且つ、第i受信用閾値以下の電圧レベルである第i+1ハイレベルを検出する検出回路と、検出回路により第i+1ハイレベルを検出したタイミングで、振幅がi+1番目に大きい2値符号の伝送速度に応じて予め設定された1ビット期間だけ、その検出回路の出力を保持する保持手段とを有している。
ここで、説明をわかりやすくするために、図6に示すように、受信用閾値の数が3つ(N=3,i=1,2)である場合を例に挙げると、受信手段では、検出回路が、第2受信用閾値を上回り、且つ、第1受信用閾値以下の電圧レベルである第2ハイレベルを検出し、保持手段が、検出回路により第2ハイレベルを検出したタイミングで、振幅が2番目に大きい2値符号に対応する1ビット期間だけ、その検出回路の出力を保持する。
また、検出回路が、第3受信用閾値を上回り、且つ、第2受信用閾値以下の電圧レベルである第3ハイレベルを検出し、保持手段が、検出回路により第3ハイレベルを検出したタイミングで、振幅が最も小さい2値符号に対応する1ビット期間だけ、その検出回路の出力を保持する。
つまり、このように構成された車内通信制御装置では、振幅の異なる信号毎に伝送速度が予め設定されているため、所定の範囲内の信号レベル(電圧レベル)を検出すると、その信号レベルに対応する信号の1ビット期間だけ検出回路の出力を保持することで、検出回路の出力波形の乱れ(特にアンダーシュート)や外来ノイズの影響を抑制することができる。
さらに、本発明の車内通信制御装置において、請求項に記載のように、伝送速度が高いほど振幅の大きい2値符号にビット列を変換して、振幅の異なる複数種類の信号を、伝送線路を介して送信する送信手段を備えることが好ましい。
このように構成された車内通信制御装置では、同一の通信ラインを介して送信されてくる複数の信号(振幅の異なる複数種類の信号)を同時に受信できることに加えて、例えばその受信状況(伝送線路の使用状況)に応じて、伝送線路で使用されていない信号レベルの信号を送信することができる。さらに、振幅の異なる複数種類の信号を同時に送信することもできるため、通信のリアルタイム性をより向上させることができる。
車内通信制御装置が適用されたメータECU10の構成を表す回路図。 メータECU10を備える車載システム1の全体構成を表すブロック図。 各2値符号における伝送速度と振幅との関係を表す説明図。 ラッチ回路16bの動作を説明するための説明図。 メータECU10における受信信号の判定方法を説明するための説明図。 2値符号の数と受信用閾値の序数との関係を例示する説明図。
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<車載システム1の構成>
図1は、本発明の車内通信制御装置が適用されたメータECU10の構成を表す回路図であり、図2は、メータECU10を備える車載システム1の全体構成を表すブロック図である。
図2に示すように、車載システム1は、エンジン,ブレーキ,パワーステアリング,自動変速機等(パワー・トレイン系装置)を制御する各ECU(パワー・トレイン系ECU)2と、ドアのロック・アンロック装置,パワーウインドウ,メータ装置,空調装置等(ボデー系装置)を制御する各ECU(ボデー系ECU)3などを備えている。
車載システム1では、各ECU2,3が、それぞれに対応する制御対象装置(パワー・トレイン系装置,ボデー系装置)を制御するためのマイクロコンピュータ(マイコン)と、車載システム1内に配線された通信ライン7を介してデータの送受信を行うための通信ICとを少なくとも備えている。なお、通信ICは、CSMA/CA方式による通信を実現する周知のものであり、複数のECU2,3から同時に通信ライン7へ同一のビットレート(伝送速度)のデータが送信されても、その中の優先度が高いデータを衝突させることなく送信するように構成されている。
また、本実施形態の車載システム1において、通信ライン7上の信号の伝送には、2種類の伝送速度が用いられ、且つ、その伝送速度が高いほど振幅の大きい2値符号が用いられる。具体的には、パワー・トレイン系ECU2間の通信には、伝送速度が高くて振幅の大きい2値符号(以下、第1符号という)が用いられ、ボデー系ECU3間の通信には、伝送速度が低くて振幅の小さい2値符号(以下、第2符号という)が用いられる。そして、ボデー系ECU3のうち、パワー・トレイン系ECU2とデータの送受信を行うECU(対象ボデー系ECU)4と他のECU2,3との間の通信には、両方の2値符号(第1符号,第2符号)が用いられる。つまり、対象ボデー系ECU4とパワー・トレイン系ECU2との間の通信には、第1符号が用いられ、対象ボデー系ECU4と他のボデー系ECU3との間の通信には、第2符号が用いられる。
以下では、説明をわかりやすくするために、パワー・トレイン系ECU2として、エンジンを制御するエンジンECU5を取り上げるとともに、ボデー系ECU3として、ドアのロック・アンロック装置やパワーウインドウ等を制御するドアECU6、対象ボデー系ECU4として、メータ装置を制御するメータECU10を取り上げることにする。
このうち、エンジンECU5は、図示を省略するが、車両速度を検出する車速センサ、及び、エンジンの回転数(エンジン回転数)を検出するエンジン回転数センサからのセンサ信号に基づいて、現車速やエンジン回転数を示す運転データ(ビット列)を生成し、そのビット列を第1符号に変換した信号(以下、運転信号という)を、通信ライン7を介してメータECU10に送信する。
ドアECU6は、図示を省略するが、ドアの開閉状態(ロック・アンロック状態を含む)を検出するドア開閉センサ、及び、パワーウインドウの開閉状態を検出する窓開閉センサからのセンサ信号に基づいて、ドア及びパワーウインドウの開閉状態を示す状態データ(ビット列)を生成し、そのビット列を第2符号に変換した信号(以下、状態信号という)を、通信ライン7を介してメータECU10に送信する。
メータECU10には、スピードメータ、タコメータ、ターニングライト及び各種警告灯の表示器等が組み合わされたコンビネーションメータ8が接続されている。そして、エンジンECU5から受信した運転データに基づいて、現車速やエンジン回転数をコンビネーションメータ8(スピードメータ,タコメータ)に表示したり、ドアECU6から受信した状態データに基づいて、ドアやパワーウインドウの開状態を示す警告灯をコンビネーションメータ8(表示器)に表示したりする表示処理を実行する。
また、メータECU10は、エンジンECU5から受信した第1符号に基づいて運転データを復元できなかった場合や、ドアECU6から受信した第2符号に基づいて状態データを復元できなかった場合に、運転信号や状態信号の再送要求を示すデータ(以下、要求データという)を設定する要求設定処理を実行する。
<メータECU10の構成>
具体的に、図1に示すように、メータECU10は、これら表示処理および要求設定処理を実行するマイコン(図示せず)を有する制御部11と、エンジンECU5との間でデータ(要求データ,運転データ)の送受信を行う第1通信IC12a、及び、ドアECU6との間でデータ(要求データ,状態データ)の送受信を行う第2通信IC12bからなる通信IC12と、通信IC12からの送信信号を通信ライン7に伝達する送信部13と、通信ライン7に接続された接続端子14と、接続端子14の電圧レベル(つまり、通信ライン7上の信号レベル)と予め設定された複数(本実施形態では2つ)の受信用閾値とを大小比較する比較部15と、比較部15による比較結果に基づいて状態データに対応する信号(状態信号)を受信する受信回路16とを備えている。
なお、図3に示すように、状態信号としては、伝送速度(ビットレート)が低くて(即ち、低速で)振幅の小さい2値符号(第2符号)が用いられ(図3(a)参照)、運転データに対応する信号(運転信号)としては、ビットレートが高くて(即ち、高速で)振幅の大きい2値符号(第1符号)が用いられる(図3(b)参照)。このため、例えば通信ライン7上で状態信号に運転信号が重畳されている場合であっても、高速で振幅の大きい信号(運転信号)におけるハイレベルの信号レベルが、低速で振幅の小さい信号(状態信号)の波形に埋もれずに済むことになる(図3(c)参照)。
図1に戻り、比較部15は、第2符号の振幅よりも大きく、且つ、第1符号の振幅よりも小さい第1受信用閾値Vth1と、通信ライン7上の信号レベルとを大小比較する第1比較器15aと、第2符号の振幅よりも小さい第2受信用閾値Vth2と通信ライン7上の信号レベルとを大小比較する第2比較器15bとを有している。
なお、第1比較器15aは、第1受信用閾値Vth1を上回る信号レベルをハイレベル(第1ハイレベル)、第1受信用閾値Vth1以下の信号レベルをローレベルとして、通信ライン7上の信号レベルを2値化し、ハイレベル又はローレベルの信号を第1通信IC12aおよび受信回路16に出力するように構成されている。そして、第2比較器15bは、第2受信用閾値Vth2を上回る信号レベルをハイレベル、第2受信用閾値Vth2以下の信号レベルをローレベルとして、通信ライン7上の信号レベルを2値化し、ハイレベル又はローレベルの信号を受信回路16に出力するように構成されている。
受信回路16は、比較部15による比較結果に基づいて、第2受信用閾値Vth2を上回り、且つ、第1受信用閾値Vth1以下の信号レベルをハイレベル(第2ハイレベル)として検出する検出回路16aと、検出回路16aにより第2ハイレベルを検出したタイミングで、第2符号の伝送速度に応じて予め設定された1ビット期間だけ、検出回路16aの出力をラッチするラッチ回路16bとを有している。
このうち、検出回路16aは、第1比較器15aにてハイレベル又はローレベルに波形整形された信号(波形信号)を正負反転させるインバータ17と、インバータ17の出力および第2比較器15bの出力を入力とする論理積回路(AND回路)18とを有している。つまり、検出回路16aは、第2比較器15bの出力がハイレベルであり、且つ、第1比較器15aの出力がローレベルである場合に、状態信号におけるハイレベルを検出するように構成されている。
ラッチ回路16bは、論理和回路(OR回路)19および論理積回路(AND回路)20からなる。OR回路19は、AND回路18の出力YあるいはAND回路20の出力Vのいずれか一方でもハイレベルであれば、第2通信IC12bの入力にハイレベルを供給し、AND回路20は、OR回路19の出力Zおよび第2通信IC12bの出力Qが共にハイレベルであれば、OR回路19の入力にハイレベルを供給する。
具体的には、ラッチ回路16bでは、図4に示すように、第2通信IC12bの出力Qが初期状態としてハイレベルに設定されるとともに、検出回路16aにより状態信号におけるハイレベルが検出されると、AND回路18の出力Yがハイレベルになり、これに伴い、OR回路19の出力Zがハイレベルになる。すると、前述の1ビット期間(つまり、状態信号に対応する1ビット期間)が経過して、第2通信IC12bの出力Qがリセット状態としてローレベルに設定されるまでの間、AND回路20の出力(ひいては、OR回路19の出力Z)がハイレベルに保持される。なお、第2通信IC12bの出力Qがローレベルに設定されて所定の待機期間(状態信号に対応する1ビット期間よりも短い期間)が経過すると、リセット状態から初期状態に戻る。
つまり、ラッチ回路16bは、検出回路16aにより状態信号におけるハイレベルが検出されると、状態信号に対応する1ビット期間だけ検出回路16aの出力を保持することにより、検出回路16aの出力波形の乱れ(特にアンダーシュート)や外来ノイズの影響を抑制するように構成されている。
図1に戻り、送信部13は、第1通信IC12aからの送信信号を第1符号に変換して通信ライン7に伝達する第1送信回路13aと、第2通信IC12bからの送信信号を第2符号に変換して通信ライン7に伝達する第2送信回路13bとを有している。
第1送信回路13aは、当該第1送信回路13aと接続端子14とを接続する信号線L1に電流を供給するための電源V1と、電源V1(エミッタ側)から信号線L1(コレクタ側)へ流れる電流経路を導通または非導通に切り替えるためのPNP型のトランジスタT1と、トランジスタT1に流れるベース電流を制限する抵抗R1と、接続端子14とトランジスタT1のコレクタとに接続された単方向素子としてのダイオードD1とからなる。
なお、ダイオードD1は、トランジスタT1のコレクタから接続端子14に向けて電流を流すことができるように、アノードがトランジスタT1のコネクタ側に、カソードが接続端子14側に接続されている。また、電源V1の電源電圧は、第1符号の振幅(第1ハイレベル)に概ね等しい値(詳しくは、第1ハイレベルよりも大きい値)に設定されている。
つまり、第1送信回路13aは、第1通信IC12aからローレベルの送信信号が抵抗R1に出力されると、トランジスタT1がオンし、信号線L1に接続端子14を介して接続された通信ライン7上の信号レベルを第1ハイレベルにする。一方、第1通信IC12aからハイレベルの送信信号が抵抗R1に出力されると、トランジスタT1がオフし、通信ライン7上の信号レベルがハイレベルでなければ、通信ライン7上の信号レベルをローレベルにするように構成されている。
また、第2送信回路13bは、第1送信回路13aの構成と同様に、当該第2送信回路13bと接続端子14とを接続する信号線L2に電流を供給するための電源V2、電源V2(エミッタ側)から信号線L2(コレクタ側)へ流れる電流経路を導通または非導通に切り替えるためのPNP型のトランジスタT2、トランジスタT2に流れるベース電流を制限する抵抗R2、及び、接続端子14とトランジスタT2のコレクタとに接続された単方向素子としてのダイオードD2からなる。
なお、ダイオードD2は、トランジスタT2のコレクタから接続端子14に向けて電流を流すことができるように、アノードがトランジスタT2のコネクタ側に、カソードが接続端子14側に接続されている。また、電源V2の電源電圧は、第2符号の振幅(第1ハイレベル)に概ね等しい値(詳しくは、第2ハイレベルよりも大きい値)に設定されている。
つまり、第2送信回路13bは、第2通信IC12bからローレベルの送信信号が抵抗R2に出力されると、トランジスタT2がオンし、通信ライン7上の信号レベルが第1ハイレベルでなければ、信号線L2に接続端子14を介して接続された通信ライン7上の信号レベルを第2ハイレベルにする。一方、第2通信IC12bからハイレベルの送信信号が抵抗R2に出力されると、トランジスタT2がオフし、通信ライン7上の信号レベルがハイレベルでなければ、通信ライン7上の信号レベルをローレベルにするように構成されている。
第1通信IC12aは、制御部11による設定データ(要求データ)のうち、エンジンECU5に対する要求データ(ビット列)に応じて、ビット単位でハイレベル又はローレベルの信号(正負反転させた信号)を第1送信回路13aに出力する。
また、第1通信IC12aは、第1比較器15aの出力がハイレベルである場合に、運転信号におけるハイレベルを検出して、第1比較器15aの出力がローレベルである場合に、運転信号におけるローレベルを検出することにより、第1比較器15aからの波形信号を取り込む。そして、その波形信号に基づいてビット列を再生し、エンジンECU5からの受信データを制御部11に供給するように構成されている。
第2通信IC12bは、制御部11による設定データ(要求データ)のうち、ドアECU6に対する要求データ(ビット列)に応じて、ビット単位でハイレベル又はローレベルの信号(正負反転させた信号)を第2送信回路13bに出力する。
また、第2通信IC12bは、初期状態としてAND回路20への出力Qをハイレベルに設定するとともに、OR回路19の出力Zにおけるハイレベル(つまり、状態信号におけるハイレベル)を検出すると、状態信号に対応する1ビット期間の経過後に、リセット状態としてAND回路20への出力Qをローレベルに設定する。そして、次の状態信号におけるハイレベルの検出に備えて、前述の待機期間の経過後にリセット状態から初期状態に戻す。これにより、ラッチ回路16bからの波形信号を取り込んで、その波形信号に基づいてビット列を再生し、ドアECU6からの受信データを制御部11に供給するように構成されている。
制御部11は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらを接続するバスライン等からなるマイクロコンピュータを中心に構成され、CPUが、ROMに記憶されているプログラムに基づき、RAMを作業エリアとして、前述の表示処理および設定要求処理を実行する。そして、要求設定処理にて設定したデータを通信IC12に供給するとともに、表示処理にてコンビネーションメータ8(図2参照)を制御するように構成されている。
<動作>
このように構成されたメータECU10では、エンジンECU5から通信ライン7を介して運転データが送信されると、第1比較器15aおよび第2比較器15bによって運転信号の信号レベルが2値化され、このうち第2比較器15bの出力が検出回路16aによって遮断され、第1比較器15aの出力が第1通信IC12aに供給される。そして、第1通信IC12aによって、運転信号の信号波形に基づくビット列が再生され、制御部11に運転データが供給される。
また、メータECU10では、ドアECU4から通信ライン7を介して状態データが送信されると、第2比較器15bによって運転信号の信号レベルが2値化され、第2比較器15bの出力が受信回路16を介して第2通信IC12bに供給される。そして、第2通信IC12bによって、状態信号の信号波形に基づくビット列が再生され、制御部11に運転データが供給される。
あるいは、運転データ及び状態データが同時に送信されて、通信ライン7上で状態信号に運転信号が重畳されると、第1通信IC12aが第1比較器15aを介して運転信号を検出するとともに、検出回路16aが第2比較器15bを介して状態信号を検出する。そして、ラッチ回路16bによって、状態信号に対応する1ビット期間だけ検出回路16aの出力が保持され、ラッチ回路16bの出力が第2通信IC12bに供給される。
これにより、第1通信IC12aによって、運転信号の信号波形に基づくビット列が再生され、制御部11に運転データが供給されるとともに、第2通信IC12bによって、状態信号の信号波形に基づくビット列が再生され、制御部11に運転データが供給される。
つまり、このように構成されたメータECU10では、図5に示すように、(I)通信ライン7上の信号レベルが、第2受信用閾値Vth2以下であれば、状態信号および運転信号が共にローレベルであると判定し、(II)第2受信用閾値Vth2を上回り、且つ、第1受信用閾値Vth1以下であれば、状態信号がハイレベルであり、且つ、運転信号がローレベルであると判定する。そして、(III)通信ライン7上の信号レベルが第1受信用閾値Vth1を上回る場合、少なくとも運転信号がハイレベルであると判定する。また、(IV)状態信号がハイレベルであると判定したタイミング(検出回路16aの検出タイミング)で、状態信号に対応する1ビット期間だけ検出回路16aの出力を保持する。
さらに、メータECU10では、第1通信IC12aによって、エンジンECU5に対する要求データに応じて、ビット単位でハイレベル又はローレベルの信号に変換し、第1送信回路13aによって、第1通信IC12aからの送信信号を第1符号に変換して通信ライン7に伝達する。また、第2通信IC12bによって、ドアECU6に対する要求データに応じて、ビット単位でハイレベル又はローレベルの信号に変換し、第2送信回路13bによって、第2通信IC12bからの送信信号を第2符号に変換して通信ライン7に伝達する。これにより、振幅の異なる2つの信号(第1符号,第2符号)を、通信ライン7を介して同時に送信することが可能になる。
なお、上記実施形態において、比較部15が比較手段、通信IC12および受信回路16が受信手段、第2通信IC12bおよびラッチ回路16bが保持手段、通信IC12および送信部13が送信手段に相当する。
<効果>
以上説明したように、本実施形態のメータECU10では、2値符号の振幅に応じて2つの受信用閾値(第1受信用閾値Vth1,第2受信用閾値Vth2)が予め設定されるとともに、これら受信用閾値毎に対応する2つの比較器(第1比較器15a,第2比較器15b)を有するため、同一の通信ライン7を介して送信されてくる2つの信号(運転信号,状態信号)を分離することができる。
したがって、本実施形態のメータECU10によれば、振幅の異なる2つの信号(運転信号,状態信号)を同時に受信することができるため、通信のリアルタイム性を低下させることなく、通信ライン7を集約させることができる。
また、メータECU10では、第1送信回路13aと第2送信回路13bとが独立して(切り離されて)設けられているため、通信ライン7を介して任意のタイミングで2つの信号(運転信号,状態信号)を同時に送信することができる。
さらに、メータECU10では、第2通信IC12bおよびラッチ回路16bによって、検出回路16aの検出タイミングで状態信号に対応する1ビット期間だけ検出回路16aの出力を保持するため、制御部11が検出回路16aの出力に基づいてビット列を再生する必要がなく、これにより、制御部11の処理負担を軽減することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態のメータECU10では、第1通信IC12aがエンジンECU5との間でデータの送受信を行い、第2通信IC12bがドアECU6との間でデータの送受信を行うように構成されているが、これに限定されずに、2つの通信IC12a,12bの機能を一つの通信ICが実現するように構成されてもよい。
また、上記実施形態のメータECU10では、第2通信IC12bがAND回路20への出力Qを制御するように構成されているが、これに限定されずに、この第2通信IC12bの機能を制御部11が実現するように構成されてもよい。
そして、上記実施形態のメータECU10では、第2通信IC12bおよびラッチ回路16bによって、検出回路16aの検出タイミングで状態信号に対応する1ビット期間だけ検出回路16aの出力を保持するように構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、制御部11が、検出回路16aの出力に基づいて、状態信号に対応する1ビット期間だけ検出回路16aの出力をマスクする処理を行ってもよいし、ラッチ回路16bの代わりに、コンデンサやトランジスタを組み合わせた保持回路を用いてもよい。
また、上記実施形態のメータECU10では、第1比較器15aが、第1受信用閾値Vth1を上回る信号レベルをハイレベルとして、第1通信IC12aに出力するように構成されているが、第1比較器15aの出力波形の乱れ(特にオーバーシュート)を抑制するためにローパスフィルタを設けてもよい。
そして、上記実施形態のメータECU10では、送信部13にPNP型のトランジスタT1,T2が用いられているが、これに限定されるものではなく、例えばPch−MOS等の半導体素子を用いてもよい。
ところで、上記実施形態のメータECU10では、通信ライン7上の信号の伝送に2種類の信号(第1符号,第2符号)が用いられ、比較部15が2つの受信用閾値(第1受信用閾値,第2受信用閾値)に対応する数の比較器15a,15bを有するように構成されているが、これに限定されるものではなく、通信ライン7上の信号の伝送に3種類以上の信号が用いられてもよいし、比較部15が3つ以上の受信用閾値に対応する数の比較器を有するように構成されてもよい。この場合、比較器の増加分に応じて、受信回路16を増設すればよい。
なお、上記実施形態の車載システム1では、車内通信制御装置としてメータECU10を取り上げて説明したが、これに限定されるものではなく、車内通信制御装置として各種のECUが適用され得る。
1…車載システム、5…エンジンECU、6…ドアECU、7…通信ライン、10…メータECU、11…制御部、12…通信IC、12a…第1通信IC、12b…第2通信IC、13…送信部、13a…第1送信回路、13b…第2送信回路、14…接続端子、15…比較部、15a…第1比較器、15b…第2比較器、16…受信回路、16a…検出回路、16b…ラッチ回路。

Claims (2)

  1. 振幅の異なる複数種類の信号を伝送する伝送線路に接続される接続端子と、
    前記接続端子の電圧レベルと予め設定された複数の受信用閾値とを大小比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいてビット列を再生する受信手段と、
    を備える車内通信制御装置であって、
    前記伝送線路上の信号の伝送には、N種類(Nは2以上の整数)の伝送速度が用いられ、且つ、該伝送速度が高いほど振幅の大きい2値符号が用いられ、
    前記複数の受信用閾値のうち、振幅が最も小さい2値符号より小さい受信用閾値を第N受信用閾値、振幅がi番目(iは1以上N−1以下の整数)に大きい2値符号より小さく、且つ、振幅がi+1番目に大きい2値符号より大きい受信用閾値を第i受信用閾値として、
    前記比較手段は、第N受信用閾値により前記接続端子の電圧レベルを比較して2値化するとともに、第i受信用閾値により前記接続端子の電圧レベルを比較して2値化するように、前記複数の受信用閾値に対応する数の比較器を有し、
    前記受信手段は、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、前記第i+1受信用閾値を上回り、且つ、前記第i受信用閾値以下の電圧レベルである第i+1ハイレベルを検出する検出回路と、
    前記検出回路により前記第i+1ハイレベルを検出したタイミングで、振幅がi+1番目に大きい2値符号の伝送速度に応じて予め設定された1ビット期間だけ、該検出回路の出力を保持する保持手段と、
    を有することを特徴とする車内通信制御装置。
  2. 前記伝送速度が高いほど振幅の大きい2値符号にビット列を変換して、該振幅の異なる複数種類の信号を、前記伝送線路を介して送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車内通信制御装置。
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