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JP5375137B2 - モータ・インバータシステム - Google Patents
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JP5375137B2 - モータ・インバータシステム - Google Patents

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Description

本発明は、キャリア周波数でPWM変調されたインバータからモータを駆動するモータ・インバータシステムに関する。
PWM制御された電流をU、V、W各相に供給するACサーボモータにおいて、磁束波形のリップル幅を縮小して鉄損を低減するために、各相に複数系統のコイルを設け、各系統のコイルを位相のずれたPWM波で駆動する技術が知られている(例えば、特許文献1)。この技術によれば、各相に2系統のコイルを設けた場合、互いに180゜位相がずれたPWM波で各系統のコイルを駆動することにより、一方の系統の電流リップルの山と、他方の系統の電流リップルの谷とが時間的に重なるので、合成磁束のリップルの幅を小さくして鉄損が減少する。
特開平6−197593号公報
しかしながら上記従来例では、3相モータを駆動するために3相インバータが2つ必要となるため、インバータの数が通常の3相モータの2倍必要となる。また、各インバータのスイッチング素子に流れる電流、及びスイッチング素子にかかる電圧は通常の3相モータ用インバータと変わらないために、インバータ損失が2倍に増加するという問題点があった。
上記問題点を解決するために本発明は、それぞれ2つのコイルを備えたm(mは3以上の整数)個のティースを有するモータと、m個のハーフブリッジからm相電流を前記モータに供給するインバータと、を備えたモータ・インバータシステムであって、あるティースに巻かれたひとつのコイルと他のティースに巻かれたひとつのコイルとを直列に接続し、直列に接続された2つのコイルに発生する誘起電圧位相は互いに360/m[°]異なり、各ティースに巻かれた2つのコイルに流れる電流は、互いに前記インバータにおけるPWMキャリア波の位相が異なり、mの約数のうち1とm以外のひとつをKとしたとき、m個の電圧指令ベクトルのうち、足して0になるK個の電圧指令ベクトルをひとつのグループとし、同じグループの電圧指令と比較するキャリア波の位相は同一とし、グループ毎のPWMキャリア波の位相が異なるようにした。
本発明によれば、ひとつのティースに巻かれている2つのコイルの電流は、インバータにおいてPWMで発生させる際のキャリア位相が異なるため、2つのコイル電流によって発生する磁束のリップルが打ち消しあうので、インバータの数を増加させることなく、鉄損を低減することができるという効果がある。
また本発明によれば、mの約数のうち1とm以外のひとつをKとしたとき、m個の電圧指令ベクトルのうち、足して0になるK個の電圧指令ベクトルをひとつのグループとし、同じグループの電圧指令と比較するキャリア波の位相は同一とし、グループ毎のPWMキャリア波の位相が異なるようにしたので、キャリア位相のずらし方の自由度が高まり、磁束リップルをより低減することができるという効果がある。
本発明に係るモータ・インバータシステムの実施例1である9相9スロット10極モータの巻線とインバータとの接続を説明する回路図である。 実施例1における誘起電圧の位相とコイルに流す電流位相を示す図である。 比較例の1ティースに1本のコイルを巻いた構成を示す図である。 比較例におけるコイル電流及び磁束の時間変化を示す図である。 実施例1における1ティース当たり2コイルの構成を示す図である。 実施例1における1ティース当たり2本のコイルに40°位相が異なる電流を流したときの合成磁束の時間変化を示す図である。 実施例1におけるPWMキャリア位相のずらし方を説明する図である。 (a)実施例1における鉄損の減少量、(b)実施例1における鉄損の減少率を示す図である。 (a)実施例1における総損失の減少量、(b)実施例1における総損失の減少率を示す図である。 実施例1の変形例を示す要部接続図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[回路接続及び電流供給]
図1は、本発明に係るモータ・インバータシステムの実施例1である9相9スロット10極モータの巻線とインバータとの接続を説明する回路図である。本実施例では、相数を示すmの値は9である。図1のモータは、上から順に、ティース1、ティース2,…,ティース9まで9本のティースを備える。各ティースi(i=1〜9)には、コイルiAとコイルiBとのそれぞれ2つのコイルが巻回されている。ティース1に発生する誘起電圧位相U1に対して、ティース2に生じる誘起電圧位相U2は40[°]遅れ、ティース3に生じる誘起電圧位相U3は80[°]遅れ、以下40[°]ずつ位相が遅れているものとする。
9相インバータ10は、直流電源E及び平滑コンデンサCから供給された直流から、−V3,−W1,−W2,−W3,−U1,−U2,−U3,−V1,及び−V2からなる9相の交流電流に変換する9個のハーフブリッジを備えている。そして、図示しないPWM制御回路がインバータ10の各ハーフブリッジを制御して、9相の駆動電流をモータへ供給している。
ティース1に巻かれたコイル1Bの一端は、9相インバータ10の−V3相に接続されている。コイル1Bの他端は、ティース2に巻かれたコイル2Aの一端に接続されている。コイル2Aの他端は、中性点11に接続されている。従って、コイル1Bとコイル2Aとが直列に接続されている。
ティース2に巻かれたコイル2Bの一端は、9相インバータ10の−W1相に接続されている。コイル2Bの他端は、ティース3に巻かれたコイル3Aの一端に接続されている。コイル3Aの他端は、中性点11に接続されている。従って、コイル2Bとコイル3Aとが直列に接続されている。
以下同様な結線が行われ、ティース9に巻かれたコイル9Bの一端は、9相インバータ10の−V2相に接続されている。コイル9Bの他端は、ティース1に巻かれたコイル1Aの一端に接続されている。コイル1Aの他端は、中性点11に接続されている。従って、コイル9Bとコイル1Aとが直列に接続されている。このように、直列に接続された各コイルの一方は中性点11でひとつに結線され、もう一方は9相インバータのハーフブリッジに接続されている。
以上の接続により、それぞれのティースiについて見れば、ティースiに巻かれた2つのコイルiAとiBとは、互いに360/m=40[゜]位相のずれた電流が9相インバータ10から供給されることになる。
ハーフブリッジからコイルに流す電流位相は、コイルに生じる誘起電圧と同じとし、進角制御をする場合には、誘起電圧位相を基準として位相を進めるものとする。以上のような結線及び通電を行うことで、各ティース1〜9に生じる磁石磁束より90[°]進んだコイル磁束を発生させることができる。
[幾何学的なティース配置]
次に、表1を参照して、幾何学的なティース配置を説明する。
Figure 0005375137
ティース1を基準位置とすると、そこから幾何学的に40[°]ずれた位置にティース6がある。80[°]ずれた位置にティース2があり、120[°]ずれた位置にティース7が配置されている。以下同様に、表1に示された配置がなされている。
[コイルの直列接続]
各ティースには2本のコイルが巻かれていて、一方をコイルA、もう一方をコイルBとする。コイルAの欄に書かれた番号とコイルBの欄に書かれた番号の同じもの、例えば、ティース1のコイルAとティース2のコイルBが直列に接続されている。
[電流位相]
図2は、誘起電圧の位相とコイルに流す電流位相を示す図である。同図において、実線の矢印が誘起電圧位相を示し、破線の矢印が電流位相を示す。誘起電圧U1が発生するティースには、−V2と−V3の電流が流れるコイルが巻いてある。誘起電圧U2が発生するティースには、−V3と−W1の電流が流れるコイルが巻いてある。以下同様に、図2に実線で示した誘起電圧位相が発生する各ティースに、実線の矢印を挟む2つの破線の矢印で示す位相の電流が流れるコイルが巻いてある。
[比較例のモータの電流と磁束]
次にコイルに流す電流について、本実施例と、通常の構成である1本のティースに1本のコイルを巻いた比較例とを比較する。コイルにより発生する磁束は、コイルに流す電流とコイルの巻数との積に比例する。図3は比較例である、1本のティースに、巻数Nの1本のコイルが巻かれ、電流Iが流れている様子を示している。図4は電流振幅をI、コイル巻数をNとしたとき、振幅NIの磁束が発生すると仮定して描いたグラフである。
[実施例1の電流と磁束]
図5は、実施例1の1本のティースにコイルA、及びコイルBが巻かれている様子を示している。それぞれのコイルA,Bの巻数は0.5N回とし、2本合計でN回巻いてある。図6は2本のコイルが1本のティースに0.5N回ずつ巻かれ、40[°]位相の異なる電流を流したときに、振幅NIの磁束を発生させるのに必要な電流振幅×巻数を示したグラフである。図3の比較例と等しい振幅NIの磁束を発生させるためには、それぞれのコイルA,Bの電流振幅×巻数の値を約0.532NIにする必要があり、巻数が0.5Nのときは電流を1.064I流す必要があることがわかる。この電流値は以下の式(1)、(2)により求められる。
Figure 0005375137
ここで、
A:コイルAに流れる電流振幅×巻数
B:コイルBに流れる電流振幅×巻数
X:コイルAに流れる電流に対する合成磁束の位相遅れ
φ:コイルAに流れる電流とコイルBに流れる電流の位相差
である。
本実施例のように9相の場合は、
φ=360/9=40[°]
X=φ/2=20[°]
となり、
A=B≒0.532
が求められる。
このように、個々のティースに巻かれた2つのコイルの巻数を等しくしたので、2つのコイルに流れる相電流振幅を同じにすればリップル電流の振幅も同じになり、磁束リップルを効果的に打ち消すことができるという効果がある。
図7は、本実施例におけるキャリア位相をずらす方法の一例であり、m(相数)の約数のうち1とm以外のひとつをKとしたとき、m個の電圧指令ベクトルのうち、足して0になるK個の電圧指令ベクトルをひとつのグループとし、同じグループの電圧指令と比較するキャリア波の位相は同一とし、グループ毎のPWMキャリア波の位相が異なる例を示している。尚、図7では、K=3である。
図7において、U1相、V1相、W1相のキャリア位相を同一とし、U2相、V2相、W2相のキャリア位相を同一とし、U3相、V3相、W3相のキャリア位相を同一としている。そして、U1相(V1相、W1相)のキャリア位相に対して、U2相(V2相、W2相)のキャリア位相を120[°]遅らせ、U2相(V2相、W3相)のキャリア位相に対して、U3相(V3相、W3相)のキャリア位相をさらに120[°]遅らせている。
このようにキャリア位相をずらすことにより、各ティースに巻かれた2本のコイルに流れる電流は、キャリア位相の異なるPWMにより生成されることになり、PWM制御により電流リップルの位相がずれることになる。そのため、ティース内に発生する磁束リップルは互いに打ち消されて鉄損が低減する。鉄損の低減効果を回転数−トルクマップ上に示したのが図8、9である。
図8(a)は、比較例に対して実施例1の鉄損の低減量を[W]で示したグラフである。グラフ内の丸の大きさが鉄損低減量に比例している。高回転高負荷領域の4500[rpm],200[A]の条件で鉄損低減量が1046.3[W]となり、鉄損低減量の絶対値が大きいことがわかる。図8(b)は、比較例に対して実施例1の鉄損の低減率を%で示したグラフである。グラフ内の丸の大きさが鉄損低減率に比例している。高回転高負荷領域の4500[rpm],200[A]の条件で鉄損低減率が21.3[%]、低回転低負荷領域の500[rpm],50[A]の条件で鉄損低減率が44.3[%],低回転高負荷領域の500[rpm],350[A]の条件で鉄損低減率が44.5[%]となり、低回転側の方が鉄損低減率が高くなっている。
以上のように、本実施例によれば、一つのティースに巻かれた2つのコイルにより発生する磁束リップルが打ち消しあって鉄損を低減できる。しかし、比較例と比較すると、電流を約1.06倍流す必要があるため、インバータ損失、及びモータの銅損が若干増加する。そこで、インバータ損失、銅損、鉄損を合計した総損失を計算して、比較例と比較した結果を図9に示す。
図9(a)は、比較例に対して実施例1の総損失の低減量を[W]で示したグラフである。グラフ内の丸の大きさが総損失損の変化量に比例している。ハッチング入りの丸は総損失低減を示し、白抜きの丸は総損失増加を示している。本実施例は比較例に対して、低回転高負荷領域では総損失は増加するものの、使用頻度の高いと考えられる低回転低負荷領域では損失が低減している。図9(b)は総損失の低減率を%で示している。低負荷領域における損失が低減している。グラフ内の丸の大きさが総損失損の変化率に比例している。ハッチング入りの丸は総損失低減を示し、白抜きの丸は総損失増加を示している。本実施例は比較例に対して、低回転高負荷領域の500[rpm]、電流350[A]の条件では総損失は6.9[%]増加してしまうものの、使用頻度の高いと考えられる低回転低負荷領域の500[rpm]、電流350[A]の条件では総損失が18.9[%]低減している。
以上より、低回転高負荷領域では、比較例に比べて本実施例は、鉄損低減量よりインバータ損失、銅損の増加量の方が大きくなる傾向がある。しかし比較例に比べて本実施例は、低回転高負荷領域以外の領域では、インバータ損失と銅損の増加にに比べて鉄損低減量の方が大きく、総損失を低減できる。したがって、低負荷領領域の使用頻度が高い自動車駆動用モータなどに適用すると総合的に効率向上させることができる。
以上説明した本実施例によれば、ひとつのティースに巻かれている2つのコイルの電流は、インバータにおいてPWMで発生させる際のキャリア位相が異なるため、2つのコイルに流れるリップル電流の位相がずらされ、2つのコイル電流によって発生する磁束のリップルが打ち消しあい、鉄損を低減することができるという効果がある。
また、本実施例によれば、ひとつのティースに巻かれたひとつのコイルと、別のティースに巻かれたひとつのコイルを直列に接続し、直列に接続された2つのコイルに発生する誘起電圧位相が360/m[゜]異なるように結線し、直列に接続された誘起電圧位相と同位相となるように電流を流すことで、効率よくトルクを発生することができるという効果がある。
また、本実施例によれば、2つのコイルを直列に接続したことで、従来例のようにスイッチング素子数を2倍にする必要がなく、素子数低減によりコストが削減できるとともに小型化が可能である。さらに、インバータ損失も2倍に増加することはない。
また、本実施例によれば、個々のティースに巻かれた2つのコイルの巻数を等しくしたので、2つのコイルに流れる相電流振幅を同じにすれば、リップル電流の振幅も同じになり、磁束リップルを効果的に打ち消すことができるという効果がある。
[実施例1の変形例]
なお、本実施例の変形例として、低回転高負荷領域において、巻線の結線を切り替えて総損失の増加を防ぐことができるモータ・インバータシステムを図10に示す。図10において、ティースi(i=1〜9)にコイルiAとコイルiBとが巻回されているのは、図1の実施例1と同様である。図10の変形例では、ティース1のコイルについて、コイル1Bの他端とコイル2Aの一端との間を開閉するスイッチ21Aと、コイル1Aの一端とコイル1Bの他端との間を開閉するスイッチ21Bとが追加されている。ティース2〜9(但し、図10における図示は、ティース5の一部のコイルまで)のコイルについてもスイッチ22A〜29A、スイッチ22B〜29Bが同様に追加されている。その他の構成は、図1の実施例と同様である。
図10において、スイッチ21Aを短絡し、スイッチ21Bを開放すると、コイル1Bとコイル2Aとが直列接続された本実施例の結線となる。スイッチ21Aを開放し、スイッチ21Bを短絡すると、同じティース1に巻かれた2つのコイル1A、1Bが直列に接続され、通常の1ティースに1本のコイルが巻かれた結線と同じ状態となる。したがって、低回転高負荷領域では、スイッチ21Aを開放し、スイッチ21Bを短絡することで、低回転高負荷領域の効率低下を防止することができる。ティース2〜9に対するスイッチ22A〜29A及び22B〜29Bについても同様である。
以上説明した本変形例によれば、実施例1の欠点であった低回転高負荷領域における総損失の増加を回避することができるという効果がある。
次に、実施例2として、9相18スロット20極のモータに本発明を適用した場合を説明する。18スロットに対応して、本実施例では、ティース1からティース18を備える。各ティースi(i=1〜18)には、コイルiAとコイルiBとのそれぞれ2つのコイルが巻回されている。これらのコイルを駆動する9相インバータは、図1に示した9相インバータ10と同様の構成である。
ここで、誘起電圧位相が等しい2つのティースに巻かれたコイルを並列接続する。即ち、ティース1とティース10とは誘起電圧位相が等しいので、ティース1のコイル1Aとティース10のコイル10Aとを並列接続し、ティース1のコイル1Bとティース10のコイル10Bとを並列接続する。同様に、ティース2とティース11とは誘起電圧位相が等しいので、ティース2のコイル2Aとティース11のコイル11Aとを並列接続し、ティース2のコイル2Bとティース11のコイル11Bとを並列接続する。以下同様に、誘起電圧位相が等しいコイルを並列接続する。ティース9とティース18との誘起電圧位相が等しいので、ティース9のコイル9Aとティース18のコイル18Aとを並列接続し、ティース9のコイル9とティース18のコイル18Bとを並列接続する。
これら並列接続した各2コイルを一つのコイルと見なし、元の2つのコイルの若い方の符号を付け直せば、あるティースに巻かれたコイルAと他のティースの巻かれたコイルBとを直列接続するのは、実施例1と同様であり、また、9相インバータ10との接続も図1と同様である。
このように、誘起電圧位相が同じティースの組のコイルを並列接続して電流供給する方が、直列に電流供給するよりも誘起電圧を低くできるので、より高回転までモータを駆動し、回転速度制御範囲を拡大することができるという効果がある。
次に、本発明に係るモータ・インバータシステムの実施例3を説明する。本実施例は、例えば、5相15スロット16極のモータに本発明を適用した場合のように、誘起電圧位相にずれがある複数のティースに巻かれたコイルを同一電流相で駆動する場合の実施例である。
表2は、5相15スロット16極のモータに本発明を適用した場合の結線方法を示している。
Figure 0005375137
本実施例では、ティース1から15までの15本のティースに巻かれたそれぞれ2本のコイルを有する。これを5相で駆動することから、誘起電圧位相が近い3組のコイルを3並列にする必要がある。ティース1に発生する誘起電圧位相を基準とすると、24[°]遅れの誘起電圧が発生するティース2、及び24[°]進みの誘起電圧が発生するティース15がティース1に発生する誘起電圧と位相が最も近い。これらティース1,2,15をティース群0と称することにする。
[ティース群]
上記の記述を一般化すると以下のようになる。相数をmとし、0≦n≦m−1を満たす整数をnとする。誘起電圧位相[°]が360×(n−1)/(2m)≦360×n/m≦360×n/(2m)を満たすティースに関して、n=0のとき上記の不等式を満たす誘起電圧が発生する複数のティースをティース群0、n=1のとき上記の不等式を満たす誘起電圧が発生する複数のティースをティース群1とし、以下同様にティース群m−1まで名付けることにする。
[並列接続A]
ティース群0の各ティースに巻かれた2本のコイルのうちの一方のコイルは、ティース群0の他のティースに巻かれた2本のコイルのうちの一方のコイルと並列接続される。この並列接続コイルをコイルA−0と呼ぶ。
[並列接続B]
また、ティース群0の各ティースに巻かれた2本のコイルのうち他方のコイルは、ティース群0の他のティースに巻かれた2本のコイルのうちの他方のコイルと並列接続される。この並列接続コイルをコイルB−0と呼ぶ。
[並列接続A(一般化)]
同様に、ティース群nの各ティースに巻かれた2本のコイルのうちの一方のコイルは、ティース群nの他のティースに巻かれた2本のコイルのうちの一方のコイルと並列接続される。この並列接続コイルを並列接続コイルA−nと呼ぶ。
[並列接続B(一般化)]
また、ティース群nの各ティースに巻かれた2本のコイルのうちの他方のコイルは、ティース群nの他のティースに巻かれた2本のコイルのうちの他方のコイルと並列接続される。この並列接続コイルをコイル並列接続B−nと呼ぶ。
[直列接続]
次に、表3に示すように、並列接続コイルA−0と並列接続コイルB−1とは、直列接続される。これを直列接続コイル0と名付ける。
Figure 0005375137
[直列接続(一般化)]
同様に、並列接続コイルA−nは、並列接続コイルB−(n+1)と直列接続される。これを直列接続コイルnと名付ける。これを直列接続コイルnと名付ける。また、並列接続コイルA−(m−1)に関しては並列接続コイルB−0と直列接続される。これを直列接続コイルm−1と名付ける。
[電流の流し方]
直列接続コイル0の一端は、m相のハーフブリッジを備えたインバータに接続され、他端は、中性点に接続される。そして、インバータから電流位相−180/m[°]の電流が直列接続コイル0に流される。
[電流の流し方(一般化)]
同様に、直列接続コイルnの一端は、m相のハーフブリッジを備えたインバータに接続され、他端は、中性点に接続される。そして、インバータから電流位相360n/m−180/m[°]の電流が直列接続されたコイルnに流される。
実施例1の図7では、K=3として、足して0になるK個の電圧指令ベクトルをひとつのグループとし、同じグループの電圧指令と比較するキャリア波の位相は同一とし、グループ毎のPWMキャリア波の位相が異なる例を示した。
実施例4では、Kをなるべく小さくした場合のキャリア位相のずらし方を説明する。
Figure 0005375137
表4は、8相8スロット10極モータの誘起電圧位相とキャリア位相のずらし方を示している。キャリア位相の欄に書かれているアルファベットが同じものは、キャリア位相が同一であることを示している。キャリア位相のずらし方(1)もキャリア位相のずらし方(2)も電流ベクトルが0になる電流についてはキャリア位相が同じである。
しかし、キャリア位相のずらし方(2)は2つの電流に対してキャリア位相を同一としているため、位相を変えられるキャリアが4個あることになる。一方、キャリア位相のずらし方(1)は4つの電流に対してキャリア位相を同一としているため、位相を変えられるキャリアが2個あることになる。
したがって、キャリア位相(2)の方がキャリア位相のずらし方に関して自由度が大きく、鉄損低減効果を大きくできる。このように、電流に対して位相を変えられるキャリアの数が多いほど、キャリア位相のずらし方の自由度が増える。これを言い換えると、位相を変えられるキャリア数に対する電流の数が少ないほどキャリア位相のずらし方の自由度が増えることになる。したがって、相数mの約数のうち最も小さい値Kを位相を変えられるキャリア1個当たりの電流数とし、360/K[°]位相の異なる電流に対して、キャリアを同一にするとキャリア位相のずらし方の自由度を最大にできる。
キャリア位相をずらす角度としては、回転数・トルクカーブ上に、キャリア位相のずらし角度のマップを備えることにより、モータの運転状態に応じて常に最適なキャリア位相ずらし角度を選択することができる。
以上説明した本実施例によれば、Kがmの約数のうち1以外で最小となるようにすることで、キャリア位相を同じにすべきグループ数が最多となり、多くのグループ間でキャリア位相をずらすことができるので、キャリア位相ずらしの自由度が高まり、磁束リップルをより低減することができるという効果がある。
1〜9 ティース
1A〜9A、1B〜9B コイル
10 インバータ
11 中性点

Claims (4)

  1. 3以上の整数をmとしたとき、
    それぞれ2つのコイルを備えたm個のティースを有するモータと、
    m個のハーフブリッジからm相電流を前記モータに供給するインバータと、を備えたモータ・インバータシステムであって、
    前記モータは、あるティースに巻かれたひとつのコイルと他のティースに巻かれたひとつのコイルが直列に接続され、直列に接続された2つのコイルに発生する誘起電圧位相は互いに360/m[°]異なるモータであり、
    各ティースに巻かれた2つのコイルに流れる電流は、互いに前記インバータにおけるPWMキャリア波の位相が異なり、
    mの約数のうち1とm以外のひとつをKとしたとき、m個の電圧指令ベクトルのうち、足して0になるK個の電圧指令ベクトルをひとつのグループとし、
    同じグループの電圧指令と比較するキャリア波の位相は同一とし、グループ毎のPWMキャリア波の位相が異なることを特徴とするモータ・インバータシステム。
  2. 前記モータの各ティースに巻かれた2つのコイルの巻数が等しいことを特徴とする請求項1に記載のモータ・インバータシステム。
  3. Kがmの約数のうち1以外で最小であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ・インバータシステム。
  4. 位相a[°]の誘起電圧が発生するティースに巻かれた2つのコイルのうち一方のコイルには位相a−180/m[°]の電流を流し、他方のコイルには位相a+180/m[°]の電流を流すことを特徴とする請求項2に記載のモータ・インバータシステム。
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