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JP5377753B2 - 熱電素子及び熱電モジュール - Google Patents
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Description

本発明は、半導体等の発熱体の冷却等に好適に使用され、低コストで耐久特性に優れる熱電素子及び熱電モジュールに関する。
従来より、ペルチェ効果を利用した熱電素子は、熱電モジュールとしてレーザーダイオードの温度制御、恒温槽、冷蔵庫における冷却などに用いられている。さらに、最近では、自動車用途として、空調制御や、座席の温度制御などにも用いられている。
例えば冷却用の熱電モジュールは、冷却特性に優れるA型結晶(AはBi及び/又はSb、BはTe及び/又はSe)からなる熱電材料で形成されたP型の熱電素子およびN型の熱電素子を対にして含む構成となっている。例えば、特に優れた性能を示す熱電材料として、P型の熱電素子にはBiTe(テルル化ビスマス)とSbTe(テルル化アンチモン)との固溶体からなる熱電材料が用いられ、N型の熱電素子にはBiTe(テルル化ビスマス)とBiSe(セレン化ビスマス)との固溶体からなる熱電材料が用いられる。
そして、熱電モジュールは、このような熱電材料で形成されたP型熱電素子とN型熱電素子とを直列に電気接続するようにして、P型熱電素子およびN型熱電素子のそれぞれを表面に配線導体(銅電極)が形成された一対の支持基板間に配列し、半田でP型熱電素子及びN型熱電素子と配線導体とを接合することによって作製される。
ところで、この熱電素子及び熱電モジュールにおいては、棒状の熱電材料に樹脂をコーティングし、切断した後に切断面にNiメッキすることによって低コストで熱電素子及び熱電モジュールを得られることが知られている。(特許文献1を参照)。
特開平11−68174号公報
しかしながら、近年では、熱電モジュールの低コスト化要求に加えて長期間の耐久特性が要求されている。耐久特性が低下する原因として、熱電素子とこの熱電素子を接合する半田との反応が考えられ、特許文献1で得られる熱電素子の場合、側面に樹脂がコーティングされているために、このコーティングされた側面を介しての半田との反応は防止されるものの、棒状の熱電材料を切断してなる熱電素子本体部の端面にNiメッキなどの金属層を設けるだけでは樹脂層と熱電素子との間に隙間が残ってしまい、この隙間を介しての半田との反応の防止が不十分であった。その結果、長時間の使用中に熱電特性が低下するという問題があった。
従って、本発明の目的は、低コストで作製され、長時間の使用後も熱電特性の低下の小さい耐久特性に優れる熱電素子及び熱電モジュールを提供することにある。
本発明の熱電素子は、柱状の熱電素子本体部と、該熱電素子本体部の側周面に形成された絶縁層と、前記熱電素子本体部の端面に形成された金属層とを具備している熱電素子であって、前記金属層は前記熱電素子本体部の端面から前記絶縁層の端面まで延在していることを特徴とする。
また、本発明の熱電モジュールは、互いに対向するように配置された一対の支持基板と、該一対の支持基板の対向する一方主面にそれぞれ形成された配線導体と、前記一対の支持基板の対向する一方主面間に複数配列された上記の熱電素子とを備えることを特徴とする。
本発明の熱電素子は、熱電素子本体部の端面に形成された金属層が熱電素子本体部の側周面に形成された絶縁層の端面を覆っていることで、熱電特性を2つの理由により向上させることができる。理由の1つは、熱抵抗の小さい金属層の面積が広がることによって、熱抵抗の大きい絶縁層の影響を小さくし、熱流束を大きくすることができる。もう1つの理由は、金属層が、絶縁層と熱電素子本体部との間の隙間を覆うことで、半田の隙間への流れ込みを防止し、長時間の使用による半田と熱電素子との反応による熱電特性の低下を抑えることができる。
また上記熱電素子を用いた熱電モジュールは、半田と熱電素子本体部との反応を防止し、熱流束を大きくすることが可能となり、熱電特性が高く、信頼性に優れる。
本発明の熱電素子の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の熱電素子の実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明の熱電素子の実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明の熱電素子の実施の形態の他の例を示す断面図である。 本発明の熱電モジュールの実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の熱電モジュールの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。
以下、本発明の熱電素子の実施の形態の例について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の熱電素子の実施の形態の一例を示す断面図であり、図1に示す熱電素子1(1a,1b)は、柱状の熱電素子本体部11と、熱電素子本体部11の側周面に形成された絶縁層12と、熱電素子本体部11の端面に形成された金属層13を具備していて、金属層13は熱電素子本体部11の端面から絶縁層12の端面まで延在している。
熱電素子本体部11は、例えばA型結晶(AはBi及び/又はSb、BはTe及び/又はSe)からなる熱電材料、好ましくはビスマス(Bi)、テルル(Te)系の熱電材料で柱状に形成されたものである。具体的には、N型熱電素子1aは、例えばBiTe(テルル化ビスマス)とBiSe(セレン化ビスマス)との固溶体からなる熱電材料で熱電素子本体部11が形成され、P型熱電素子1bは、例えばBiTe(テルル化ビスマス)とSbTe(テルル化アンチモン)との固溶体からなる熱電材料で熱電素子本体部11が形成されている。このような熱電材料としては、一度溶融させて固化した溶製材料、合金粉末を粉砕してホットプレス等で焼結させた焼結材料、ブリッジマン法などにより一方向に凝固させた単結晶材料などが挙げられるが、特に単結晶材料が高性能である点で好ましい。熱電素子本体部11の形状は、円柱状、四角柱状または多角柱状でも構わないが、後述する絶縁層12の厚みを均一にする点で円柱状が好ましい。円柱状の場合、熱電素子本体部11の直径は例えば1〜3mmに形成され、長さは例えば0.3〜5mmに形成される。
熱電素子本体部11の側周面には絶縁層12が形成されている。この絶縁層12は、例えば熱電素子本体部11を形成する熱電材料の表面をエッチング処理した後、絶縁層12となる被覆材を被覆して形成される。ここで、エッチング処理には、熱電素子本体部11と被覆材との密着性から硝酸を使用することが好ましく、また、被覆方法としては、噴霧、ディッピング、はけ塗り、蒸着等の手法があるが、ディッピングによる手法がコスト、量産性の面から好ましい。
絶縁層12を形成する被覆材としては、例えば熱電材料よりも絶縁性がある樹脂が使用できるが、熱電素子本体部11を形成する熱電材料が加工時に受ける負荷を軽減させることができる点で、エポキシ、ポリイミド、アクリル系などの樹脂を使用することが好ましい。特に、コスト、電気絶縁性、水分による腐食防止、後述する金属層13を形成する目的でエポキシ系の樹脂を使用することが好ましい。絶縁層12の厚みとしては、例えば5〜50μm、好ましくは10〜20μm程度の厚みが採用できるが、特に限定はされない。
熱電素子本体部11の端面には金属層13が形成されていて、この金属層13は熱電素子本体部11の端面から絶縁層12の端面まで延在している。
金属層13が熱電素子本体部11の端面から絶縁層12の端面まで延在していることで、熱抵抗の小さい金属層13の面積が広がることによって、熱抵抗の大きい絶縁層12の影響を小さくし、熱流束を大きくすることができるとともに、金属層13が、絶縁層12と熱電素子本体部11との間の隙間を覆うことで、半田の隙間への流れ込みを防止し、長時間の使用による半田と熱電素子との反応による熱電特性の低下を抑えることができる。
好ましくは、図2に示すように、金属層13が、熱電素子本体部11の端面および絶縁層12の端面に形成され、絶縁層12の端面を全て覆っているのがよい。絶縁層12の端面を全て覆うことで、半田の流動性が大きな場合でも、絶縁層12と熱電素子本体部11との間に半田が流れ込まず、絶縁層12の外周部(側面)に回り込むため、半田の隙間への流れ込みを遮断し、長時間の使用による半田と熱電素子との反応による熱電特性の低下を抑えることができる。
金属層13としては、例えば電解メッキあるいは無電解メッキなどで形成されたメッキ層が挙げられる。そして、このメッキ層としては、熱電素子本体部11および絶縁層12の端面に接して形成されたNi層と、好ましくはこのNi層の上に形成されたSn層またはAu層とで構成される。Ni層の上にSn層またはAu層を配設することで、図4に示す半田等の接合材20との接合強度を高めることができる。金属層13がメッキ層である場合の厚みとしては、例えば5〜20μmの厚みが採用できるが、特に限定はされない。
また、金属層13は、メッキの他に、スパッタリングや溶射によっても形成することができる。スパッタリングの場合はNi、Pdなどの材料で例えば0.1〜3μmの厚みに形成され、溶射の場合はNi、Coなどの材料で例えば1〜20μmの厚みに形成される。
金属層13としては、上述のように、メッキ層の他にスパッタリングや溶射によって形成される層も挙げられるが、電気的な処理や化学的な処理で成膜できるメッキ層であるのが好ましい。メッキ層であることで、熱電素子本体部11との密着性に優れるとともに絶縁層12が受けるダメージを他の方法(スパッタリングにおけるプラズマ、溶射における金属の衝突)によるダメージよりも減らすことができ、信頼性の向上と熱電特性の低下を抑えることができる。また、金属層13がメッキ層である場合に絶縁層12に硬度の高いエポキシ樹脂を用いることで、硬度の低い樹脂に比べて絶縁層12のダメージを減らすことができ、熱電素子本体部11の側周面に形成された絶縁層12の端面、さらには後述するように絶縁層12の端部(端面近傍の外周部(側面))に回り込むようにメッキ層を形成することができる。
なお、金属層13をメッキで形成したメッキ層とするためには、電解メッキを用いるのが望ましい。電解メッキによれば、熱電素子本体部11の端面に優先的に成膜されるが、電解メッキの成膜条件を制御することで、熱電素子本体部11の端面から絶縁層12の端面まで成長して絶縁層12の端面も成膜されると考えられる。特に、高いメッキ付着速度を維持しながら形成させるのがよい。例えば、電解メッキ時の電流値を20A以上に設定して、メッキ付着速度を高くするのが好ましく、これにより、電解メッキは初期には熱電素子本体部11上に付着し、メッキ付着速度が高い条件で絶縁層12の端面までメッキを付着させることができる。
さらに、図3に示すように、金属層13は絶縁層12の端部まで延在しているのが好ましく、さらに絶縁層12の端部の全周に亘って延在しているのが好ましい。なお、端部とは、端面近傍の外周部(側面)のことを意味するものである。
これにより、金属層13と絶縁層12との接合強度を高め、また、図4に示すように、熱電モジュールを形成する接合材(半田)もフィレットを形成することができ、ひいては熱電素子と支持基板との間の接合強度を高めることが可能となり信頼性の向上が可能となる。特に、この金属層13は一部の延在でも効果があるが、全周を延在させることが強度を高める上で好ましい。このような効果が得られるために、延在している長さは例えば0.05〜0.20mmであるのがよい。
自動車用途として熱電素子を用いた場合、長時間振動にさらされたり、高温放置された状態や低温放置された状態から始動されたりと、過酷な環境で使用されることがあるため、接合材(半田)20の端部には激しい応力が集中するが、図4に示すように、金属層13が絶縁層12端部の全周に亘って延在していると、接合材(半田)20の端部に応力が集中したときでも、接合材(半田)20や金属層13が千切れたりすることなく、接合材(半田)20の端部から、絶縁層12の一部分がはがれることで応力を緩和することができる。ここで、絶縁層12は、熱電素子本体部11が露出しないように絶縁層12内部ではがれるので、熱電素子本体部11にダメージを与えることなく、応力だけを緩和することができる。
さらに、絶縁層12の端部における金属層13の延在している長さが、全周に亘って同じであるのが好ましい。ここで、全周に亘って同じとは、全周に亘る長さの平均値に対してプラスマイナス10%以内であることをいい、好ましくはプラスマイナス5%以内であるのがよい。絶縁層12の端部における金属層13の延在している長さが全周に亘って同じであることで、熱電モジュールにこの熱電素子を搭載した場合、いかなる方向から応力が発生しても、応力緩和効果が得られる。
特に、金属層13が絶縁層12端部の全周に亘って延在している熱電素子を最も応力の加わる熱電モジュールの外周に沿った位置に配置することで、応力緩和効果の大きな熱電モジュールとすることができ、長期間安定して駆動させることができる。さらに、熱電モジュールに搭載する全ての熱電素子を、絶縁層12の端部における金属層13の延在している長さが全周に亘ってほぼ同じ熱電素子とすることで、最も応力緩和効果の大きな熱電モジュールとすることができ、長期間安定して駆動させることができる。
このように延在している形状とするためには、メッキの成膜時間を延長させ、絶縁層12の厚みの2分の1以上の厚みのメッキ層、具体的には5μm以上、望ましくは10μm以上であり20μm以下の厚みのメッキ層とするのがよい。この厚みは、絶縁層12の端面上に成膜した金属層13の強度を高める上でも好ましく、これにより、長時間の使用によって破壊して効果が低下してしまうおそれはなくなる。
また、絶縁層12は、少なくとも金属層13に覆われる部位の表面が粗面化されているのが好ましく、粗面化されていることで、アンカー効果により金属層13と絶縁層12との密着性が高められる。粗面化の程度としては、例えば表面粗さRaが2〜8μmであるのが効果的であり、このような粗面とするためには、表面をブラスト処理したり、表面を研磨した後200℃以上の温度で熱処理したり、表面を水で洗浄した後に、薄めた塩酸等の酸性の水溶液や水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性の水溶液でエッチングするなどの方法が用いられる。
以上述べた熱電素子1は、N型の熱電素子とP型の熱電素子とを含む概念である。N型の熱電素子およびP型の熱電素子はそれぞれ異なる熱電材料を用いて得られ、このN型の熱電素子とP型の熱電素子とを直列に電気接続させて一対の支持基板の主面間に配置することで、後述の熱電モジュールが形成される。
以下、本発明の熱電モジュールの実施の形態の例について図面を参照しつつ説明する。
図5は本発明の熱電モジュールの実施の形態の一例を示す断面図であり、図6は本発明の熱電モジュールの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。
図5および図6に示す熱電モジュールは、図1に示す熱電素子1(N型熱電素子1aおよびP型熱電素子1b)を含む構成となっている。具体的には、互いに対向するように配置された一対の支持基板4(4a,4b)と、これら一対の支持基板4(4a,4b)の対向する一方主面にそれぞれ形成された配線導体2(2a,2b)と、一対の支持基板4(4a,4b)の対向する一方主面間に複数配列された上述の熱電素子1(N型熱電素子1a及びP型熱電素子1b)とを備えている。
支持基板4(4a,4b)は、例えばCu、Ag、Ag−Pdなどの材料で形成されたもので、平面視したとき、例えば縦40〜50mm、横20〜40mmの寸法に形成され、厚み0.05〜2mm程度に形成されたものである。なお、支持基板4は例えば両面銅貼りのアルミナフィラーを添加してなるエポキシ樹脂からなる基板であってもよい。また、アルミナ、窒化アルミニウムなどのセラミック材料で形成されていてもよく、この場合は後述する絶縁層3を設けなくてよい。
配線導体2(2a,2b)は、例えばCu、Ag、Ag−Pdなどの材料で形成されたもので、隣接するN型熱電素子1a及びP型熱電素子1b間を直列に電気的に接続するように形成されている。
また、支持基板4(4a,4b)が導電性を有する材料からなる場合、支持基板4(4a,4b)と配線導体2(2a,2b)との間には、支持基板4と配線導体2とを絶縁する目的で、例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アルミナ、窒化アルミニウムなどの材料で形成された絶縁層3が配設されている。
さらに、図に示すように、支持基板4(4a,4b)の他方の主面側には、熱伝導性の高いSn−Bi、Sn−Ag−Cu半田などの接合部材6を介して、例えば銅、アルミニウムなどの材料で形成された熱交換器5が配設されている。
このような構造の熱電モジュールでは、配線導体2(2a,2b)に発生する吸熱または放熱を熱交換器5に伝熱し、熱交換器5によって冷却または放熱される。このとき、熱交換器5に空気を流し空冷させることによって、冷却または加熱された空気が発生し、空調機として使用することが可能である。また、熱交換器5を直接断熱された空間に入れることで冷温庫を作製することもできる。
上述の図5および図6に示す熱電モジュールは、以下のようにして製造することができる。
まず、図1に示す熱電素子1(N型熱電素子1a及びP型熱電素子1b)と支持基板4とを接合する。
具体的には、支持基板4a上に形成した配線導体2aの少なくとも一部に半田ペーストあるいは半田ペーストよりなる接合材を塗布し、半田層を形成する。ここで、塗布方法としては、メタルマスクあるいはスクリーンメッシュを用いたスクリーン印刷法がコスト、量産性の面から好ましい。
ついで、接合材(半田)が塗布された配線導体2aの表面に熱電素子1を配列する。熱電素子1はN型熱電素子1aとP型熱電素子1bの2種類の熱電素子を配列することが必要である。接合する方法としては公知の技術であればいずれでも良いが、N型熱電素子1aおよびP型熱電素子1bのそれぞれを別々に振動させながら配列穴加工された治具に振り込む振込み式で配列させた後、転写して支持基板4a上に配列する方法が簡便で好ましい。
そして、支持基板4a上に熱電素子1(N型熱電素子1a及びP型熱電素子1b)を配列した後、熱電素子1(N型熱電素子1a及びP型熱電素子1b)の上面に反対側の支持基板4bを設置する。
具体的には、配線導体2aの表面に半田が塗布された支持基板4bを熱電素子1(N型熱電素子1a及びP型熱電素子1b)の上面に公知の技術により半田接合する。半田接合の方法としては、リフロー炉あるいはヒーターによる加熱などいずれでも良いが、支持基板20に樹脂を用いる場合、上下面に応力をかけながら加熱することが半田と熱電素子1(N型熱電素子1a及びP型熱電素子1b)との密着性を高める上で好ましい。
次に、得られた熱電素子1の両面に取り付けられた支持基板4(4a,4b)に、熱交換器5を接合部材6にて取り付ける。使用する熱交換器5はその用途によって形、材質が異なるが、冷却を主とする空調機器として使用する場合は、銅製のフィンが好ましく、特に空冷で使用する場合、空気と接触する面積が増えるように波状の形で作製されたフィンが望ましい。また、放熱側の熱交換器5をより熱交換量が大きいものにすることによって放熱をよくし、冷却特性を向上させることができる。
最後に、配線導体2に電流を通電するためのリード線7を半田ごて、レーザー等で接合して、本発明の熱電モジュールが得られる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明する。
まず、一度溶融させて固化したBi、Te、SeからなるN型の熱電材料及びBiSbTeからなるP型の熱電材料を、ブリッジマン法により一方向に凝固させ、直径1.8mmの棒状のN型熱電材料及びP型熱電材料を準備した。具体的には、N型熱電材料はBiTe(テルル化ビスマス)とBiSe(セレン化ビスマス)との固溶体で作製し、P型熱電材料はBiTe(テルル化ビスマス)とSbTe(テルル化アンチモン)との固溶体で作製した。
ついで、この棒状のN型熱電材料及び棒状のP型熱電材料の表面を硝酸でエッチング処理した後、それぞれの側周面に厚み30μmの絶縁層となる被覆材を被覆した。被覆材はエポキシ樹脂からなる耐はんだ性レジスト(ソルダレジスト)である。被覆材の被覆方法としては、ディッピング法を用いた。
次に、被覆材が被覆された棒状のN型熱電材料及びP型熱電材料を厚さ1.6mmになるように、ワイヤーソーにて切断し、N型熱電素子(N型熱電材料からなる円柱状体)及びP型熱電素子(P型熱電材料からなる円柱状体)を得た。得られたN型熱電素子及びP型熱電素子は、電解メッキで切断面にニッケル層を形成したもので、条件(形成領域)を異ならせたものを3種類用意した。
具体的には、試料1(比較例)として、ニッケル層がエポキシ樹脂からなる絶縁層の端面を覆っていないものを用意し、試料2(実施例)として、ニッケル層がエポキシ樹脂からなる絶縁層の端面を覆っているものを用意し、試料3(実施例)として、ニッケル層がエポキシ樹脂からなる絶縁層の端部(端面近傍の外周部)まで延在されているものを用意した。
ついで、一方主面にエポキシ樹脂からなる厚み80μmの絶縁層が形成され、その上に厚み105μmの配線導体が形成された銅製の支持基板(縦40mm×横40mm×厚み105μm)を準備した。そして、この配線導体上に、メタルマスクを用いて95Sn−5Sbの半田ペーストを塗布した。
さらに、この半田ペースト上に、N型熱電素子及びP型熱電素子が電気的に直列になるようにパーツフィーダを使用して各熱電素子を127個ずつ配設した。上記のように配列されたN型熱電素子とP型熱電素子を2枚の支持基板で挟み込むようにし、上下面に応力をかけながらリフロー炉で加熱処理し、配線導体と熱電素子とを半田を介して接合した。最後に、支持基板に熱交換器(銅製のフィン)を接合部材で取り付けて、図5に示すような熱電モジュールを得た。
次に、それぞれの試料の熱電素子で作製した熱電モジュールを50個準備した。準備した熱電モジュールの評価として、熱電特性を示す冷却性能をImaxの電流(6A)を印加して、上下の熱交換器の温度差を測定した。その後、5分間隔でON、OFFする通電試験を10000サイクル行った後に、熱電モジュールを15分ごとに−50℃、100℃の温度下におき、これを1サイクルとして、1000サイクル保持した冷熱試験を行った。
この通電試験及び冷熱試験前後の熱電モジュールの冷却性能の変化率を測定し、その平均値を求めたところ、試料1の熱電素子で作製された熱電モジュールは変化率25%、試料2の熱電素子で作製された熱電モジュールは変化率3%、試料3の熱電素子で作製された熱電モジュールは変化率1%という結果が得られた。
この結果より、本発明の実施例となる試料2、3では、従来の構成である試料1と比較し、冷却性能の低下率が小さく、優れた熱電特性を発揮することができることがわかる。
1 熱電素子
1a N型熱電素子
1b P型熱電素子
11 熱電素子本体部
12 絶縁層
13 金属層
14 金属層
15 凸部
2,2a,2b 配線導体
3 絶縁層
4,4a,4b 支持基板
5 熱交換器
6 接合部材
7 リード線
20 接合材(半田)

Claims (10)

  1. 柱状の熱電素子本体部と、該熱電素子本体部の側周面に形成された絶縁層と、前記熱電素子本体部の端面に形成された金属層とを具備している熱電素子であって、前記金属層は前記熱電素子本体部の端面から前記絶縁層の端面まで延在していることを特徴とする熱電素子。
  2. 柱状の熱電素子本体部と、該熱電素子本体部の側周面に形成された絶縁層と、前記熱電素子本体部の端面に形成された金属層とを具備している熱電素子であって、前記金属層は前記絶縁層の端面を覆っていることを特徴とする請求項1に記載の熱電素子。
  3. 前記金属層はメッキ層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱電素子。
  4. 前記絶縁層はエポキシ樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の熱電素子。
  5. 前記金属層は、前記絶縁層の端部まで延在していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の熱電素子。
  6. 前記金属層は、前記絶縁層の端部の全周に亘って延在していることを特徴とする請求項5に記載の熱電素子。
  7. 前記絶縁層の端部における前記金属層の延在している長さは全周に亘って同じであることを特徴とする請求項6に記載の熱電素子。
  8. 前記金属層は、厚みが前記絶縁層の厚みの2分の1以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の熱電素子。
  9. 前記絶縁層は、少なくとも前記金属層に覆われる部位の表面が粗面化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の熱電素子。
  10. 互いに対向するように配置された一対の支持基板と、該一対の支持基板の対向する一方主面にそれぞれ形成された配線導体と、前記一対の支持基板の対向する一方主面間に複数配列された請求項1に記載の熱電素子とを備えることを特徴とする熱電モジュール。
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