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JP5378723B2 - 電子線照射装置及び被覆電線の製造方法 - Google Patents
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JP5378723B2 - 電子線照射装置及び被覆電線の製造方法 - Google Patents

電子線照射装置及び被覆電線の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被照射物に電子を照射する電子線照射装置、及び、導線と該導線の外周面を被覆する有機高分子で構成される被覆部とを有する被覆電線に電子を照射して有機高分子の架橋反応を促進させる被覆電線の製造方法に関する。
導線と、該導線の外周面を被覆する有機高分子で構成される被覆部と、を有する被覆電線には、例えば、電子線照射装置によって電子が照射され、この電子によって該有機高分子の架橋反応を促進させて前記被覆部の耐熱性、耐摩耗性等の特性を向上させている。
このような電子線照射装置は、例えば、電子源としてのフィラメントと、該フィラメントに交流を通電して加熱することによって該フィラメントから電子を放出させる通電手段と、該フィラメント下部に配置され該フィラメントから放出された電子を加速用電極によって内部で加速する加速管と、該加速管に連なり加速された電子を電磁コイルによって内部で収束及び走査して被覆電線の被覆部に照射する走査管とから構成される。
前述したフィラメントは使用中に経時的に劣化して断線するが、該フィラメントが電線製造中に断線してしまうと該フィラメント断線時に製造中の被覆電線の架橋反応が行われなくなるので、不良品が発生して歩留まりが低下するといった問題があった。さらに、設備を停止してフィラメントを交換するので、計画的な製品製造に大きな影響を与えるといった問題があった。
このような問題を解決する技術として、フィラメントの寿命を予測することが可能な電子線照射装置(例えば、特許文献1参照)が提案されている。この電子線照射装置は、前記フィラメントで発生する単位時間当たりの電子量が一定となるように前記通電手段の交流の周波数を調整する調整手段と、該周波数の変化を測定する測定手段とを備え、測定手段による測定結果から該フィラメントの寿命を予測している。このように、フィラメントの寿命を予測することによって該フィラメントが経時的に劣化して断線する前に該フィラメントを計画的に交換することができ、被覆電線の製造歩留まりや量産性を向上させることができる。
特開2001−242299号公報
しかしながら、前述した電子線照射装置は、フィラメントの断線自体を防止することはできないので、フィラメントの取替えによるランニングコストや取替え作業に手間がかかるといった問題があった。
本発明は、このような問題を解決することを目的としている。即ち、本発明は、フィラメントを使用せずにランニングコストを低減させた電子線照射装置及び被覆電線の硬化方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載された本発明は、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部と、該マイクロ波発生部で発生したマイクロ波を減圧下においてガスに印加してプラズマを発生させるプラズマ発生部と、該プラズマ発生部で発生したプラズマ中の電子を減圧下において加速させる電子加速部と、を有する電子線照射装置であって、前記電子加速部が、減圧に維持される容器と、前記容器内を排気して減圧する減圧装置とを有し、そして、前記容器内には、前記電子を加速させるプラス電極と、前記プラス電極に対向してプラズマ発生部との連通口に配された網体で構成されたマイナス電極と、前記プラス電極と前記マイナス電極との間に前記マイナス電極と平行に配された網体で構成された接地電極と、が設けられていることを特徴とした電子線照射装置である。
請求項2に記載された本発明は、請求項1に記載された電子線照射装置において、前記電子加速部には、加速された電子が照射される被照射物を前記容器内の前記プラス電極と前記接地電極との間に位置付ける被照射物支持部が設けられていることを特徴とした電子線照射装置である。
請求項3に記載された本発明は、請求項2に記載された電子線照射装置において、前記電子加速部には、前記電子加速部の空間を介して、互いに交差する方向に一方の円筒体と他方の円筒体とがそれぞれ設けられていることを特徴とした電子線照射装置である。
請求項4に記載された本発明は、請求項3に記載された電子線照射装置において、前記円筒体の端部には、前記減圧装置が設けられていることを特徴とした電子線照射装置である。
請求項5に記載された本発明は、請求項3または請求項4に記載された電子線照射装置において、前記一方の円筒体内には、長尺の前記被照射物が配されていることを特徴とした電子線照射装置である。
請求項6に記載された本発明は、請求項1ないし請求項5のうちいずれか一項に記載された電子線照射装置において、前記容器内の圧力が0.1〜0.3Paとされ、そして、前記プラス電極と前記接地電極との間隔が10〜50mmとされていることを特徴とした電子線照射装置である。
請求項7に記載された本発明は、請求項6に記載された電子線照射装置において、前記プラス電極と前記接地電極との間隔が15〜35mmとされていることを特徴とした電子線照射装置である。
請求項8に記載された本発明は、導線と、該導線の外周面を被覆する有機高分子で構成される被覆部と、を有する被覆電線に電子を照射して有機高分子の架橋反応を促進させる被覆電線の製造方法において、ガスにマイクロ波を印加してプラズマを発生させ、該プラズマ発生側から順に配置したマイナス電極、接地電極、及び、プラス電極によって、このプラズマ中から前記マイナス電極によって正電荷を帯びた粒子を除去して該プラズマ中から前記接地電極によって電子を引き出した後、この電子を前記プラス電極によって加速して前記被覆電線の被覆部に照射することにより被覆部を硬化させることを特徴とした被覆電線の製造方法である。
請求項1に記載された発明によれば、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部と、該マイクロ波発生部で発生したマイクロ波を減圧下においてガスに印加してプラズマを発生させるプラズマ発生部と、該プラズマ発生部で発生したプラズマ中の電子を減圧下において加速させる電子加速部と、を有しているので、プラズマ中の電子を加速させて被照射物に照射することができ、そのために、電子源としてフィラメントを使用しないですみ、よって、フィラメント断線時の取替えによるランニングコストや取替え作業にかかる手間をなくすことができる。
また、請求項1に記載された発明によれば、電子加速部が、減圧に維持される容器と、容器内を排気して減圧する減圧装置とを有し、そして、容器内には、電子を加速させるプラス電極と、プラス電極に対向してプラズマ発生部との連通口に配された網体で構成されたマイナス電極と、プラス電極とマイナス電極との間にマイナス電極と平行に配された網体で構成された接地電極と、が設けられているので、減圧装置によって容器内が減圧されて該電子加速部内のアルゴンガスが減少するとともにマイナス電極によってプラズマ中の正電荷を持った粒子が排除され、そのために、電子が該正電荷を持った粒子やアルゴン原子と衝突することがなく電子が効率的に加速され、よって、電子加速用電極の電圧を比較的低く設定することができるとともに、消費電力を低減させることができる。
請求項2に記載された発明によれば、電子加速部には、加速された電子が照射される被照射物を容器内のプラス電極と接地電極との間に位置付ける被照射物支持部が設けられているので、被照射物がプラス電極と接地電極の間、即ち電子を加速させている領域に確実に位置付けられ、そのために、被照射物に加速させた電子を確実に照射することができる。
請求項3に記載された発明によれば、電子加速部には、電子加速部の空間を介して、互いに交差する方向に一方の円筒体と他方の円筒体とがそれぞれ設けられているので、円筒体内に長尺の被照射物を配したり、円筒体に減圧装置を接続したりすることができ、そのために、電子線照射装置の操作性や取り扱いやすさを向上させることができる。
請求項4に記載された発明によれば、円筒体の端部には、減圧装置が設けられているので、容器内が確実に排気されて減圧され、そのために、電子を効率的に加速させることができる。
請求項5に記載された発明によれば、一方の円筒体内には、長尺の被照射物が配されているので、被照射物が電子加速部内の空間に確実に位置付けられ、そのために、被照射物に加速させた電子を確実に照射することができる。
請求項6に記載された発明によれば、容器内の圧力が0.1〜0.3Paとされ、そして、プラス電極と接地電極との間隔が10〜50mmとされているので、プラス電極と接地電極との間に被照射物を位置付けることができる。また、プラス電極と接地電極との間で電子を効率的に加速させることができ、プラス電極と接地電極との間に位置付けられた被照射物に高エネルギーの電子線を照射できる。
請求項7に記載された発明によれば、プラス電極と接地電極との間隔が15〜35mmとされているので、プラス電極と接地電極との間で電子をさらに効率的に加速させることができ、プラス電極と接地電極との間に位置付けられた被照射物にさら高エネルギーの電子線を照射できる。
請求項8に記載された発明は、ガスにマイクロ波を印加してプラズマを発生させ、このプラズマ中からマイナス電極によって正電荷を帯びた粒子を除去して該プラズマ中から接地電極によって電子を引き出した後、この電子をプラス電極によって加速して被覆電線の被覆部に照射することにより被覆部を硬化させるので、フィラメント断線時の取替えによるランニングコストや取替え作業にかかる手間をなくすことができるとともに、マイナス電極によってプラズマ中の正電荷を持った粒子が排除されて電子が該正電荷を持った粒子やアルゴン原子と衝突することがなく電子が効率的に加速され、そのために、電子加速用電極の電圧を比較的低く設定することができ、消費電力を低減させることができる。
以下、本発明の一実施形態にかかる電子線照射装置を図1ないし図5を参照して説明する。本発明の一実施形態にかかる電子線照射装置1は、例えば、銅や銅合金等の導電性の金属材料からなる導線と、該導線の外周面を被覆するポリ塩化ビニルやポリエチレン等の有機高分子で構成される被覆部と、を有した被照射物としての被覆電線5に電子を照射する。被覆電線5の被覆部に電子が照射されると、有機高分子の架橋反応が促進されて被覆部が硬化し、被覆部の耐熱性や機械特性が向上する。
電子線照射装置1は、図1に示すように、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部2と、該マイクロ波発生部2で発生したマイクロ波を減圧下においてアルゴンガス(ガスに相当する)に印加してプラズマを発生させるプラズマ発生部3と、該プラズマ発生部3で発生したプラズマ中の電子を減圧下において加速させる電子加速部4とを有している。
マイクロ波発生部2は、ソリッドステート発振器21と、該ソリッドステート発振器21と同軸ケーブル23で接続されたダブルスラグチューナ22とを有している。ソリッドステート発振器21は、発振器本体と、アンプと、アイソレータとを有している。ソリッドステート発振器21はマイクロ波(1〜100GHz)を発生させ、このマイクロ波は同軸ケーブル23によってダブルスラグチューナ22に伝搬される。ダブルスラグチューナ22は、マイクロ波のインピーダンス整合をとる。即ち、ダブルスラグチューナ22は、プラズマ発生部3からの反射電力を最低値まで調整することによってプラズマ発生部3に供給される電力を最適化し、プラズマ発生部3にマイクロ波を効果的に供給する。
プラズマ発生部3は、前述したダブルスラグチューナ22と同軸ケーブル33を介して接続されたサーファトロン31と、該サーファトロン31からマイクロ波が伝搬されるプラズマ発生管32とを備えている。サーファトロン31は、同軸ケーブル33を介してダブルスラグチューナ22から供給されたマイクロ波をプラズマ発生管32の外表面に伝搬させる。サーファトロン31は、金属からなり、断面ドーナツ形状の箱状に形成されている。サーファトロン31は、有底筒状の外筒部31aと、該外筒部31a内に配された筒状の内筒部31bと、該外筒部31aの開口を覆う有底筒状の蓋部31cと、該外筒部31aと該内筒部31bとの間に配された平板ドーナツ形状の可動部31dとを備えている。
外筒部31aには外筒部31aの外周壁を貫通するようにダブルスラグチューナ22からの同軸ケーブル33が取り付けられ、外筒部31a内には該同軸ケーブル33が突出して、外筒部31a内にマイクロ波が伝搬される。なお、本実施形態において、外筒部31aは、外径約6.8cm、内径約5.8cm、軸心方向の長さ約5.0cmに形成されている。
内筒部31bは、外筒部31a内に該外筒部31aと同軸的に配され、外筒部31aより若干短く設けられている。外筒部31aの底面の中心及び蓋部31cの中心にはそれぞれ孔が設けられ、該孔によって内筒部31b内は外部と連通している。内筒部31b内には、プラズマ発生管32が配されている。外筒部31a内に伝搬されたマイクロ波は、内筒部31bと蓋部31cとの隙間35からプラズマ発生管32の外表面に伝搬される。なお、本実施形態において、内筒部31bは、外径約1.6cm、内径約1.2cm、軸心方向の長さ約4.8cmに形成されている。
可動部31dは、蓋部31cに近づく方向に移動自在に設けられている。可動部31dの外周部及び内周部には、それぞれ、銅からなる板ばね状のシールドフィンガーが設けられている。可動部31dの外周部に設けられたシールドフィンガーはサーファトロン31の外筒部31aの内面と接触し、可動部31dの内周部に設けられたシールドフィンガーは内筒部31bの外面と接触して、マイクロ波の漏洩を防止する。前述した構成の可動部31dを移動させることによって、マイクロ波のインピーダンス整合をとる。即ち、反射電力を微調整することによってプラズマ発生管32に供給される電力を最適化し、プラズマ発生管32にマイクロ波を効率的に伝搬する。
プラズマ発生管32は、例えば、石英、ガラス、セラミック等からなり、円筒状に形成されている。プラズマ発生管32は、サーファトロン31の内筒部31b内に、内筒部31bの内面と僅かな間隔(約0.5mm)をあけて配されている。プラズマ発生管32の長手方向の一端の開口にはゲージポート32aが取り付けられ、該ゲージポート32aを介してアルゴンガス供給用のステンレス管34が接続されて、プラズマ発生管32内に微量のアルゴンガス(2.7〜6.7Pa程度)が供給されている。プラズマ発生管32の長手方向の他端は電子加速部4の加速管本体42と連なっている。なお、本実施形態において、プラズマ発生管32は、外径約1.1cm、内径約0.7cm、軸心方向の長さ約20.0cmに形成されている。
前述した構成のプラズマ発生管32は、電子加速部4に設けられた後述する差動排気装置40a、40bによって排気されて減圧されている。そして、プラズマ発生管32の外表面にはサーファトロン31からマイクロ波が伝搬され、該マイクロ波がプラズマ発生管32内のアルゴンガスに印加されてアルゴンガスが電離してプラズマが発生する。プラズマは、Ar+(以下、アルゴンイオンとよぶ)、電子、アルゴン原子、アルゴンラジカル等から構成されている。なお、本実施形態においては、アルゴンガスを電離してプラズマを生成しているが、ヘリウム、酸素、窒素等を用いることもできる。
電子加速部4は、図1ないし図3に示すように、減圧に維持される容器41と、容器41内を排気して減圧する差動排気装置40a、40b(減圧装置に相当する)とを有している。容器41は、例えば、石英、ガラス、セラミックス等からなる。容器41は、図2に示すように、前述したプラズマ発生管32に連なりプラズマ発生管32より径が大きな太筒状の加速管本体42と、加速管本体42の外周面から突出したそれぞれ筒状の被照射物支持部43a、43b(一方の円筒体に相当する)、機器接続部44a、44b(他方の円筒体に相当する)、及びメッシュ電極支持部45と、加速管本体42のプラズマ発生管32から離れた外表面から突出した筒状の電子加速用電極支持部46とを備えている。
加速管本体42は、プラズマ発生管32と同軸的且つ直列的に配され、加速管本体42内とプラズマ発生管32内とは連通口47によって連通している。プラズマ発生管32内で生成されたプラズマは、連通口47を通ってプラズマ発生管32内から加速管本体42内へと侵入する。なお、本実施形態において、加速管本体42は、外径約6.8cm、内径約5.8cm、軸心方向の長さ約5.0cmに形成されている。
被照射物支持部43a、43bは、加速管本体42の外周面から電子が加速される方向Eに対して直交する方向に突出して一対設けられている。一対の被照射物支持部43a、43bは、互いの間に加速管本体42の軸心を位置付けるようにそれぞれ反対方向に延びて、全体として直線状に設けられている。一対の被照射物支持部43a、43bは、後述する電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間に配されている。一対の被照射物支持部43a、43bの先端にはそれぞれゲージポート48(図3)が取り付けられ、それぞれのゲージポート48は接地されている。一方の被照射物支持部43aは、ゲージポート48を介して差動排気装置40bに接続されている。
前述した構成の被照射物支持部43a、43b内には、図3に示すように、被覆電線5(長尺の被照射物)等が配される。被照射物支持部43a、43bは、加速された電子が照射される被覆電線5を容器41内の電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間に位置付ける。そして、被覆電線5は、被照射物支持部43a、43b内を電線移動手段7によって移動しながら被覆部の外周面に電子を照射される。電線移動手段7は、一方の被照射物支持部43a側に配された電線供給部71及び電線巻取部72と、他方の被照射物支持部43bにゲージポート48を介して取り付けられたローラ部73とを備えている。
電線供給部71は、大気圧領域に配されている。電線供給部71は、電子を照射される前の被覆電線5が巻きつけられ回転自在に支持されたドラムを備えている。電線供給部71から引き出された被覆電線5は、差動排気装置40b内及びゲージポート48内を順次通って一方の被照射物支持部43a内に侵入する。
電線巻取部72は、大気圧領域に配されている。電線巻取部72は、電子を照射された後の被覆電線5が巻きつけられ回転自在に支持されたドラムと、該ドラムを回転させる駆動部とを備えている。電線巻取部72には、一方の被照射物支持部43a内から引き出され、ゲージポート48及び差動排気装置40b内を順次通った被覆電線5が巻き取られる。
ローラ部73は、他方の被照射物支持部43bに取り付けられたゲージポート48に接続されたケース73aと、ケース73a内に回転自在に支持された複数のローラ73bとを備えている。ローラ73bの外周面には被覆電線5が配される。
被覆電線5は、電線供給部71から引き出された後に一方の被照射物支持部43a内、加速管本体42内、他方の被照射物支持部43b内を順次通り抜け(進路A)、ローラ部73で折り返されて、再び、他方の被照射物支持部43b内、加速管本体42内、一方の被照射物支持部43a内を順次通り抜けて(進路B)、電線巻取部72に巻き取られる。即ち、被覆電線5は、進路Aからローラ部73を経由して進路Bへと自動で移動して、一対の被照射物支持部43a、43b内を往復移動する。このとき、進路Aの加速管本体42内で被覆部の径方向の一方の外周面に電子が照射され、進路Bにおいて該被覆部の径方向の他方の外周面に電子が照射されて、被覆部の全外周面に電子が照射される。
機器接続部44a、44bは、図1等に示すように、加速管本体42の外周面から電子が加速される方向Eに対して直交する方向に突出して一対設けられている。一対の機器接続部44a、44bは、互いの間に加速管本体42の軸心を位置付けるようにそれぞれ反対方向に延びて、全体として直線状に設けられている。一対の機器接続部44a、44bと一対の被照射物支持部43a、43bとは、互いに直交(交差)する方向に設けられ、同一平面上に設けられている。一対の機器接続部44a、44bの先端にはそれぞれステンレス製のゲージポート49が取り付けられ、それぞれのゲージポート49は接地されている。一方の機器接続部44aはゲージポート49を介して差動排気装置40aに接続され、他方の機器接続部44bはゲージポート49を介して真空計センサに接続されている。
メッシュ電極支持部45は、図2に示すように、加速管本体42の外周面から電子が加速される方向Eに対して直交する方向に突出して一対設けられている。一対のメッシュ電極支持部45は、互いの間に加速管本体42の軸心を位置付けるようにそれぞれ反対方向に突出するとともに、電子が加速される方向Eに対して互いに間隔をあけて設けられている。メッシュ電極支持部45には、後述するメッシュ電極52、53の支柱52a、53aが通されてメッシュ電極52、53を支持する。なお、メッシュ電極支持部45の先端は気密に保たれている。
電子加速用電極支持部46は、加速管本体42の外周面から電子が加速される方向Eに対して平行な方向に突出して設けられている。電子加速用電極支持部46内には、後述する電子加速用電極51の支柱51aが通されて電子加速用電極51を支持する。なお、電子加速用電極支持部46の先端は気密に保たれている。
前述した構成の容器41内には、電子を加速させる電子加速用電極51(プラス電極に相当する)と、電子加速用電極51に対向してプラズマ発生部3のプラズマ発生管32との連通口47に配された網体で構成された第一のメッシュ電極52(マイナス電極に相当する)と、電子加速用電極51と第一のメッシュ電極52との間に第一のメッシュ電極52と平行に配された網体で構成された第二のメッシュ電極53(接地電極に相当する)とが設けられている。
電子加速用電極51は、平板円状に形成され、連通口47の内径より大きく設けられている。電子加速用電極51は、電子が加速される方向Eに対して直交する方向に配されている。電子加速用電極51の一方の外表面の中心には、該外表面から突出した細円柱状の支柱51aが設けられている。支柱51aは、容器41外に突出し、直流電圧電源54に接続されている。電子加速用電極51には、該支柱51aを介して直流電圧電源54によって高電圧(5kV程度)が印加されており、第一及び第二のメッシュ電極52、53を通り抜けた電子を矢印Eに沿って加速させる。
第一及び第二のメッシュ電極52、53は、平板円状に形成され、連通口47の内径より大きく設けられている。第一及び第二のメッシュ電極52、53は、容器41内にプラズマ発生管32との連通口47を覆うように配され、電子が加速される方向Eに対して直交する方向に配されている。第一及び第二のメッシュ電極52、53は、電子が加速される方向Eに沿って並んで、互いに間隔をあけて対向するように配されている。第一及び第二のメッシュ電極52、53は網体で構成され、この網体の隙間内を電子等が通過自在に設けられている。第一及び第二のメッシュ電極52、53の外縁には、該外縁から突出した細円柱状の支柱52a、53aが設けられている。支柱52a、53aは、容器41外に突出している。
第一及び第二のメッシュ電極52、53は、例えば、ステンレス鋼やタングステン等からなる。タングステンの方がアルゴンイオンによる電極表面のスパッタリングをより確実に防止することができる。本実施形態においては、第一及び第二のメッシュ電極52、53は、SUS304(Cr18%とNi8%を含むステンレス鋼)からなり、直径約2cm(第一のメッシュ電極52)、3cm(第二のメッシュ電極53)、線径0.03mm、間隔5mm、400meshのものが用いられている。
前述した電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間隔は、10〜50mmとされているのが好ましい。前記間隔が10mm未満であると、電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53の間に被覆電線5を位置付けづらい(位置付けることができない)。また、前記間隔が50mmより大きいと、後述する実施例2の結果を表す図6に示すように、電子を効率的に加速させる(容器41内の圧力が0.1〜0.3Paのときに加速電圧を約20kV以上にする)ことができず、被覆電線5の被覆部を確実に架橋させるような高エネルギーの電子線を被覆電線5に照射するのが難しい。
さらに、前記間隔は、15〜35mmとされているのがより好ましい。これによって、図6に示すように、電子をさらに効率的に加速させる(容器41内の圧力が0.1〜0.3Paのときに加速電圧を約40kV以上にする)ことができ、被覆電線5の被覆部を確実に架橋させるような高エネルギーの電子線を被覆電線5に照射できる。
前述した第一のメッシュ電極52の支柱52aは直流可変電圧電源55と接続されており、第一のメッシュ電極52には負電圧(−10V〜−100V程度)が印加されている。この第一のメッシュ電極52に印加される電圧は、後述するように、正電荷を持つアルゴンイオンを捕獲し且つ負電荷を持つ電子を通過させるような値とされている。また、前述した第二のメッシュ電極53は接地されており、電子を加速させるための基準電位を与える。第二のメッシュ電極53は、電子加速部4へと引き寄せられたプラズマ中から電子のみを引き出して電子のみを通過させる。
容器41内及びプラズマ発生管32内は差動排気装置40a、40bによって減圧されており、プラズマ発生管32内で生成されたプラズマは全体としてプラズマ発生管32内から容器41内へと引き寄せられる。そして、プラズマ中のアルゴンイオンは、第一のメッシュ電極52に引き寄せられて第一のメッシュ電極52の外表面上に捕獲される。また、プラズマ中の電子は、第一のメッシュ電極52を通過し第二のメッシュ電極53によってプラズマ中から引き出されて、電子加速用電極51によって電子加速用電極51に向かって加速される。プラズマ発生部3と第一のメッシュ電極52との間にはプラズマ収束用磁石(図示せず)が設けられ、プラズマ収束用磁石によって生成されたプラズマが収束され、容器41内の壁への衝突によるプラズマの損失を防止する。
前述したプラズマ発生管32内のアルゴンプラズマの圧力は2.7〜6.7Pa程度であり、容器41内のアルゴンプラズマの圧力は0.1〜1.3Pa程度である。また、この容器41内の圧力は、容器41内で電子を効率的に加速させるために、0.1〜0.3Paであるのが好ましい。これによって、後述する実施例2の結果を表す図6に示すように、電子を効率的に加速させる(電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間隔が16mm、33mm、50mmのときに加速電圧を約20kV以上にする)ことができ、被覆電線5の被覆部を確実に架橋させるような高エネルギーの電子線を被覆電線5に照射できる。
電子が加速されても、該電子が他の粒子等に衝突すると電子加速用電極51まで到達できないので、アルゴンガスを排除するために容器41内及びプラズマ発生管32内は差動排気装置40a、40bによって排気されて減圧されている。また、プラズマ中の微量に存在するアルゴン原子やアルゴンラジカルは、差動排気装置40a、40bによって排気されている。また、プラズマ中のアルゴンイオンを排除するために、第一のメッシュ電極52が設けられている。プラズマ中のアルゴン原子、アルゴンラジカルやアルゴンイオンが排除されることによって、電子が効率的に電子加速用電極51へと向かって加速され、被覆電線5へと照射される。
このように、第一のメッシュ電極52によってアルゴンイオンが排除されることによって、電子が電子加速用電極51によって加速される際にアルゴンイオンに衝突することがなくなり、電子のみが確実に電子加速用電極51によって加速される。アルゴンイオンを排除しないと、電子がアルゴンイオンやアルゴン原子と衝突して十分に加速されずに後述する被覆電線5の被覆部が架橋されないだけでなく、アルゴンイオンが該被覆部に衝突して被覆部が熱変形を起こしてしまう。
前述した構成の電子線照射装置1を用いて被覆電線5の被覆部に電子を照射する際には、まず、マイクロ波発生部2でマイクロ波を発生させ、該マイクロ波をスラグチューナを介してサーファトロン31に伝搬させて、プラズマ発生部3にマイクロ波を伝搬させる。そして、プラズマ発生管32内に供給されたアルゴンガスにマイクロ波を印加してアルゴンガスを電離してプラズマを生成させる。
このプラズマは、プラズマ発生管32と連通口47を介して連なる容器41が差動排気装置40a、40bによって減圧されているので、連通口47を通って加速管本体42内へと引き寄せられる。そして、プラズマ中のアルゴンイオンは第一のメッシュ電極52によって排除され、プラズマ中の電子は第二のメッシュ電極53によって引き出されて電子加速用電極51によって矢印Eに沿って加速される。このとき、被覆電線5が、第二のメッシュ電極53と一対の被照射物支持部43a、43b内を往復移動すると、被覆部の外周面に電線が照射され、有機高分子の架橋反応が起こって被覆部の耐熱性や機械特性が向上する。
本実施形態によれば、マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部2と、該マイクロ波発生部2で発生したマイクロ波を減圧下においてガスに印加してプラズマを発生させるプラズマ発生部3と、該プラズマ発生部3で発生したプラズマ中の電子を減圧下において加速させる電子加速部4とを有しているので、プラズマ中の電子を加速させて被照射物に照射することができ、そのために、電子源としてフィラメントを使用しないですみ、よって、フィラメント断線時の取替えによるランニングコストや取替え作業にかかる手間をなくすことができる。
電子加速部4が、減圧に維持される容器41と、容器41内を排気して減圧する差動排気装置40a、40bとを有し、そして、容器41内には、電子を加速させる電子加速用電極51と、電子加速用電極51に対向してプラズマ発生部3との連通口47に配された網体で構成された第一のメッシュ電極52と、電子加速用電極51と第一のメッシュ電極52との間に第一のメッシュ電極52と平行に配された網体で構成された第二のメッシュ電極53とが設けられているので、差動排気装置40a、40bによって容器41内が減圧されて該電子加速部4内のアルゴンガスが減少するとともに第一のメッシュ電極52によってプラズマ中の正電荷を持った粒子が排除され、そのために、電子が該正電荷を持った粒子やアルゴン原子と衝突することがなく電子が効率的に加速され、よって、電子加速用電極51の電圧を比較的低く設定することができるとともに、消費電力を低減させることができる。
電子加速部4には、加速された電子が照射される被照射物を容器41内の電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間に位置付ける被照射物支持部43a、43bが設けられているので、被照射物が電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53の間、即ち電子を加速させている領域に確実に位置付けられ、そのために、被照射物に加速させた電子を確実に照射することができる。
電子加速部4には、電子加速部4の空間を介して、互いに交差する方向に被照射物支持部43a、43bと機器接続部44a、44bとがそれぞれ設けられているので、被照射物支持部43a、43b内に長尺の被照射物を配したり、被照射物支持部43aや機器接続部44aに差動排気装置40b、40aを接続したりすることができ、そのために、電子線照射装置1の操作性や取り扱いやすさを向上させることができる。
被照射物支持部43aと機器接続部44aの端部には、それぞれ、差動排気装置40b、40aが設けられているので、容器41内が確実に排気されて減圧され、そのために、電子を効率的に加速させることができる。
被照射物支持部43a、43b内には、被覆電線5が配されているので、被覆電線5が電子加速部4内の空間に確実に位置付けられ、そのために、被覆電線5に加速させた電子を確実に照射することができる。
容器41内の圧力が0.1〜0.3Paとされ、そして、電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間隔が10〜50mmとされているので、電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間隔との間に被覆電線5を位置付けることができる。また、電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間で電子を効率的に加速させることができ、電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間に位置付けられた被覆電線5に高エネルギーの電子線を照射できる。
電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間隔が15〜35mmとされているので、電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間で電子をさらに効率的に加速させることができ、電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間に位置付けられた被覆電線5にさらに高エネルギーの電子線を照射できる。
アルゴンガスにマイクロ波を印加してプラズマを発生させ、このプラズマ中から第一のメッシュ電極52によって正電荷を帯びた粒子を除去して該プラズマ中から第二のメッシュ電極53によって電子を引き出した後、この電子を電子加速用電極51によって加速して被覆電線5の被覆部に照射することにより被覆部を硬化させるので、フィラメント断線時の取替えによるランニングコストや取替え作業にかかる手間をなくすことができるとともに、第一のメッシュ電極52によってプラズマ中の正電荷を持った粒子が排除されて電子が該正電荷を持った粒子やアルゴンガスと衝突することがなく電子が効率的に加速され、そのために、電子加速用電極51の電圧を比較的低く設定することができ、消費電力を低減させることができる。
(実施例1)
前述した実施形態に記載された電子線照射装置1を組み立てて、マイクロ波発生部2からの入射電力を60Wとし、サーファトロン31からの反射電力をなくすようにダブルスラグチューナ22を調整して、プラズマ発生管32内でアルゴンプラズマを生成させた。そして、第一のメッシュ電極52に−100Vの電圧を印加し第二のメッシュ電極53を接地して、該アルゴンプラズマ中から電子加速部4に電子を引き出した。容器41内に四象限電源と接続されたラングミューアプローブ電極(プローブ表面積25mm2)を設置し、容器41内のアルゴンプラズマの圧力を0.13Pa、0.80Pa、1.07Pa、2.0Pa、4.0Paに変化させるとともに電子加速用電極51に印加する電圧を0V、100V、200V、300Vに変化させて、各条件において、ラングミューアプローブ電極に印加する電圧を掃引してラングミューアプローブの電流電圧特性曲線を得た。この測定結果を解析して、各条件での電子温度及び浮遊電位を算出した。
(電子温度)
電子温度は、電流電圧特性曲線の指数関数領域にある電流値I1がe倍(約2.7倍)になるときの電圧変化量をΔVとした場合、
電子温度(Te)=電圧変化量(ΔV)(単位:eV)
で示される。
電子温度の算出結果を図4に示す。電子加速用電極51の電圧を0Vとした場合と比較し、電子温度はいずれも高い結果となり、電子が加速されていることが確認された。さらに、電子は、高温度電子(図4(a))と低温度電子(図4(b))とから構成されることが示された。高温度電子の電子温度は、アルゴンプラズマの圧力及び電子加速用電極51の電圧に大きく依存し、アルゴンプラズマの圧力を1.3Pa以下及び電子加速用電極51の電圧を100V以上にすると30eVを超えた。
(浮遊電位)
浮遊電位は、電流電圧特性曲線の電流がゼロとなるときの電圧である。浮遊電位の算出結果を図5に示す。浮遊電位は、電子加速用電極51の電圧に比例したものとなり、電子が加速されていることが確認された。
(実施例2)
前述した実施形態に記載された電子線照射装置1を組み立てて、マイクロ波発生部2からの入射電力を60Wとし、サーファトロン31からの反射電力をなくすようにダブルスラグチューナ22を調整して、プラズマ発生管32内でアルゴンプラズマを生成させた。そして、第一のメッシュ電極52に−100Vの電圧を印加し、第二のメッシュ電極53を接地し、電子加速用電極51に5kVの電圧を印加して、該アルゴンプラズマ中から電子加速部4に電子を引き出した。容器41内のアルゴンプラズマの圧力を0.1〜10Paの間で変化させるとともに電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間隔を16mm、33mm、50mm、55mmに変化させて、各条件において、直流電圧電源54に表示される数値から、加速された電子によって電子加速用電極51にかかる電圧(加速電圧)を測定した。
(加速電圧)
加速電圧の測定結果を図6に示す。図6に示すように、容器41内のアルゴンプラズマの圧力が0.1〜0.3Paのときは、電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間隔を16mm、33mm、50mmとすると、加速電圧が約20kV以上となり、効率的に電子が加速されて高エネルギーの電子線を得ることができた。またこのとき、電子加速用電極51と第二のメッシュ電極53との間隔を16mm、33mmとすると、加速電圧が約40kV以上となり、さらに効率的に電子が加速されてさらに高エネルギーの電子線を得ることができた。
前述した実施形態においては被照射物が被覆電線5とされていたが、被照射物は、例えば光ファイバー等の他の長尺な被照射物であってもよく、また、長尺でない被照射物であってもよい。なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態にかかる電子線照射装置を示す構成図である。 図1に示された電子加速部を示す斜視図である。 図1に示された電子加速部に被覆電線が配された状態を示す構成図である。 (a)容器内の圧力及び電子加速用電極の電圧と高温度電子の電子温度との関係を示すグラフである。(b)容器内の圧力及び電子加速用電極の電圧と低温度電子の電子温度との関係を示すグラフである。 容器内の圧力及び電子加速用電極の電圧と浮遊電位との関係を示すグラフである。 容器内の圧力及び電子加速用電極と第二のメッシュ電極との間隔と加速電圧と関係を示すグラフである。
符号の説明
1 電子線照射装置
2 マイクロ波発生部
3 プラズマ発生部
4 電子加速部
5 被覆電線(長尺の被照射物)
40a、40b 差動排気装置(減圧装置)
41 容器
43a、43b 被照射物支持部(一方の円筒体)
44a、44b 機器接続部(他方の円筒体)
47 連通口
51 電子加速用電極(プラス電極)
52 第一のメッシュ電極(マイナス電極)
53 第二のメッシュ電極(接地電極)

Claims (8)

  1. マイクロ波を発生させるマイクロ波発生部と、該マイクロ波発生部で発生したマイクロ波を減圧下においてガスに印加してプラズマを発生させるプラズマ発生部と、該プラズマ発生部で発生したプラズマ中の電子を減圧下において加速させる電子加速部と、を有する電子線照射装置であって、
    前記電子加速部が、減圧に維持される容器と、前記容器内を排気して減圧する減圧装置とを有し、そして、
    前記容器内には、前記電子を加速させるプラス電極と、前記プラス電極に対向してプラズマ発生部との連通口に配された網体で構成されたマイナス電極と、前記プラス電極と前記マイナス電極との間に前記マイナス電極と平行に配された網体で構成された接地電極と、が設けられている
    ことを特徴とする電子線照射装置。
  2. 前記電子加速部には、加速された電子が照射される被照射物を前記容器内の前記プラス電極と前記接地電極との間に位置付ける被照射物支持部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子線照射装置。
  3. 前記電子加速部には、前記電子加速部の空間を介して、互いに交差する方向に一方の円筒体と他方の円筒体とがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電子線照射装置。
  4. 前記円筒体の端部には、前記減圧装置が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電子線照射装置。
  5. 前記一方の円筒体内には、長尺の前記被照射物が配されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の電子線照射装置。
  6. 前記容器内の圧力が0.1〜0.3Paとされ、そして、前記プラス電極と前記接地電極との間隔が10〜50mmとされていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか一項に記載の電子線照射装置。
  7. 前記プラス電極と前記接地電極との間隔が15〜35mmとされていることを特徴とする請求項6に記載の電子線照射装置。
  8. 導線と、該導線の外周面を被覆する有機高分子で構成される被覆部と、を有する被覆電線に電子を照射して有機高分子の架橋反応を促進させる被覆電線の製造方法において、
    ガスにマイクロ波を印加してプラズマを発生させ、該プラズマ発生側から順に配置したマイナス電極、接地電極、及び、プラス電極によって、このプラズマ中から前記マイナス電極によって正電荷を帯びた粒子を除去して該プラズマ中から前記接地電極によって電子を引き出した後、この電子を前記プラス電極によって加速して前記被覆電線の被覆部に照射することにより被覆部を硬化させることを特徴とする被覆電線の製造方法。
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