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JP5381884B2 - 波長可変干渉フィルターの製造方法 - Google Patents
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JP5381884B2 - 波長可変干渉フィルターの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、入射光から所望の目的波長の光を選択して射出する波長可変干渉フィルターの製造方法に関する。
一対の基板の互いに対向する面に、それぞれ高反射ミラーを対向配置する波長可変干渉フィルターが知られている。このような波長可変干渉フィルターでは、一対のミラー間で光を反射させ、特定波長の光のみを透過させて、その他の波長の光を干渉により打ち消し合わせることで、入射光から特定波長の光のみを透過させる。この時、ミラー間の距離(ギャップ)を変更することで、所望の波長の光のみを透過させるため、波長可変干渉フィルターには高いギャップ精度が要求されている。ギャップ精度を向上させるためには、対向する基板面内において均一な接合強度を確保することが重要となる。
そこで、接合面全域に接着剤を塗布する方法、スペーサーを介在させる接合方法、シロキサン結合を用いた接合方法等の様々な接合方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2001−281443号公報 特開2003−195031号公報 特開2006−350124号公報 特開2009−134027号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載の接合方法を用いた場合、対向する基板を貼り合わせる際に対向基板間のギャップに空気が溜まることで内圧が上がるため、ミラー間のギャップを精度よく制御できないという問題がある。また、ギャップが形成される空間は密閉されているため、気圧の変化により内圧が上昇する場合があり、この場合もギャップを精度よく制御できなくなってしまう。
本発明は、ギャップが形成される空間の内圧の上昇を抑制し、ギャップの精度を向上させることができる波長可変干渉フィルターの製造方法を提供することである。
本発明の波長可変干渉フィルターの製造方法は、透光性を有する第一基板のチップ領域に、静電ギャップを形成するための静電ギャップ形成溝と、前記静電ギャップ形成溝からチップ領域の外周縁に延びる配線形成溝と、を形成し、前記第一基板の前記チップ領域外に、前記配線形成溝および前記第一基板の外周縁を連通する空気連通溝を形成する第一基板溝形成工程と、前記静電ギャップ形成溝に第一反射膜および第一電極を形成し、前記第一電極に接続されるとともに前記配線形成溝に沿った第一配線を形成する第一基板配線形成工程と、前記第一反射膜に対向する第二反射膜、前記第一電極に対向する第二電極、および前記配線形成溝に対向し、前記第二電極に接続される第二配線と、を備えた透光性を有する第二基板を形成する第二基板形成工程と、前記第一基板および前記第二基板を貼り合わせる貼合工程と、を含むことを特徴とする。
この発明では、第一基板に静電ギャップ形成溝、配線形成溝、空気連通溝を形成してこれらの溝に電極および配線を形成した後、第一基板と第二基板とを貼り合わせる。静電ギャップ形成溝、配線形成溝、空気連通溝は互いに連通して第一基板の外部に連通しているため、第一基板と第二基板とを貼り合わせる際には、ギャップが形成される空間(以後、ギャップ形成空間ということもある。)内の空気を第一基板の外部に逃がすことができる。したがって、ギャップ形成空間に空気溜まりが発生するのを防止することができるため、ギャップの制御を精度よく行うことが可能な波長可変干渉フィルターを製造することができる。このような波長可変干渉フィルターは、優れた光学特性を発揮する。
また、製造時には、ギャップ形成空間内の空気を外部に逃がすことで内圧の上昇を防止することができるため、内圧により第一基板および第二基板に発生する歪みを防止することができる。
さらに、このようにして製造された波長可変フィルターを使用する際は、ギャップ形成空間に内圧がかからないため、ギャップの可変を容易に制御することができ、低電力で駆動することができる。
本発明の波長可変干渉フィルターの製造方法において、前記第一基板には、複数の前記チップ領域が互いに隣接して配置され、前記第一基板溝形成工程では、互いに隣接する前記チップ領域の外周縁で互いに接続される配線形成溝を形成することが好ましい。
この発明では、複数のチップ領域には、上述の静電ギャップ形成溝、配線形成溝がそれぞれ形成される。配線形成溝は各チップ領域の外周縁に延び、それぞれの配線形成溝が隣接するチップ領域の配線形成溝と互いに接続するように形成する。すなわち、隣接する全てのチップ領域の静電ギャップ形成溝、配線形成溝が連通することになる。
このため、各チップ領域に形成されるギャップ形成空間内の空気を効率よく均一に第一基板の外部に逃がすことができ、複数のチップ領域が2次元アレイ状に配列される場合でも、品質にばらつきのない波長可変干渉フィルターを製造することができる。
本発明の波長可変干渉フィルターの製造方法において、前記第一基板には、複数の前記チップ領域を配置したチップアレイを形成し、前記空気連通溝の一部を、前記チップアレイの外周に沿って設けることが好ましい。
この発明では、複数のチップ領域が隣接して配置されたチップアレイを形成し、このチップアレイの外周に沿って空気連通溝が設けられている。この空気連通溝は、各チップ領域の外周縁に延びる配線形成溝と接続しているため、各チップ領域に形成されるギャップ形成空間内の空気を効率よく第一基板の外部に逃がすことができる。
特に、第一基板に多数のチップ領域が形成された場合には、全てのチップ領域の配線形成溝から第一基板の外周縁に延びる空気連通溝を形成すると、第一基板の外周縁に延びる空気連通溝の数が多くなりすぎて第一基板の強度が低下し割れの要因となる。しかしながら、本発明では、多数のチップ領域の外周に沿って設けられた空気連通溝が各チップ領域の配線形成溝と接続する。そして、この多数のチップ領域の外周に沿って設けられた空気連通溝に第一基板の外周縁に延びる空気連通溝を接続させることで、全てのチップ領域のギャップ形成空間内の空気を第一基板の外部に逃がすことができる。すなわち、第一基板の外周縁に延びる空気連通溝を少ない数で形成することができるため、製造工程での基板割れを防止し不良の発生を低減させることができる。
本発明にかかる一実施形態の波長可変干渉フィルターを構成するエタロンのベース基板およびダイアフラム基板の概略構成を示す斜視図である。 前記一実施形態の第一基板の概略構成を示す平面図である。 前記一実施形態の第一基板の製造工程を示す断面図である。 前記一実施形態の第二基板およびエタロンの製造工程を示す断面図である。 前記一実施形態のエタロンを用いた測色モジュールの概略構成を示す図である。
以下、本発明に係る一実施形態の波長可変干渉フィルターを構成するエタロンの構成および製造方法について、図面を参照して説明する。
[1.エタロンの構成]
エタロン1は、図1に示すように、平面正方形状の板状の光学部材であり、一辺が例えば10mmに形成されている。このエタロン1は、ベース基板11、およびダイアフラム基板12を備えている。これらの2枚の基板11,12は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。そして、これらの2つの基板11,12は、基板外周部分に形成される接合面115,124が接合されることで、一体的に構成されている。
また、ベース基板11と、ダイアフラム基板12との間には、本発明の一対のミラーを構成する固定ミラー16および可動ミラー17が設けられる。ここで、固定ミラー16は、ベース基板11のダイアフラム基板12に対向する面に固定され、可動ミラー17は、ダイアフラム基板12のベース基板11に対向する面に固定されている。また、これらの固定ミラー16および可動ミラー17は、ミラー間ギャップを介して対向配置されている。
さらに、ベース基板11とダイアフラム基板12との間には、固定ミラー16および可動ミラー17の間のミラー間ギャップの寸法を調整するための静電アクチュエーター14が設けられている。
[1−1.ベース基板の構成]
ベース基板11は、厚みが例えば500μmに形成されるガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。具体的には、図1に示すように、ベース基板11には、エッチングにより静電ギャップ形成溝111、およびミラー固定部112が形成される。
静電ギャップ形成溝111は、エタロン1を厚み方向から見た平面視(以降、エタロン平面視と称す)において、平面中心点を中心とした円形に形成されている。ミラー固定部112は、前記平面視において、静電ギャップ形成溝111の中心部からダイアフラム基板12側に突出して形成される。
静電ギャップ形成溝111は、ミラー固定部112の外周縁から、当該静電ギャップ形成溝111の内周壁面までの間に、リング状の電極固定面111Aが形成され、この電極固定面111Aに第一電極141が形成される。この第一電極141には、導電性を有し、後述するダイアフラム基板12の第二電極142との間で電圧を印加することで、第一電極141および第二電極142間に静電引力を発生させることが可能なものであれば、特に限定されないが、本実施形態では、接合用の膜としても使用可能なAu/Cr合金(金−クロム合金)を用いる。
また、ベース基板11には、電極固定面111Aから平面中心点に対して互いに対象となる頂点(図1における左右の頂点)に亘って、電極固定面111Aと同一平面となる底面113Aを有する第一配線形成溝113が形成されている。
そして、第一配線形成溝113の底面には、第一電極141の外周縁の一部から延出する第一配線部141Aが形成され、この第一配線部141Aの先端(頂点)には、第一電極141に所定の電圧を印加するための第一電極パッド141Bが形成されている。これらの第一電極141、第一配線部141A、および第一電極パッド141Bは、Au/Cr合金により一体形成される電極である。
一方、ベース基板11の電極固定面111Aから第一電極パッド141Bが形成されない頂点(図1における上下の頂点)に亘って、電極固定面111Aと同一平面となる底面を有する第二配線形成溝114が形成されている。
ここで、ベース基板11において、溝が形成されていない部分がベース基板11の接合面115となる。接合面115には、図示しない接合用の接合膜が膜状に形成され、ダイアフラム基板12と接合する。
また、金属を介在させてベース基板11とダイアフラム基板12を接合する場合は、接合用の接合膜としてAu/Cr合金を用いることが望ましい。ベース基板11上の各電極や接合膜を同一素材により形成することで、これらの電極や接合膜の形成を容易に行うことが可能となる。すなわち、これらの電極および接合膜は、ベース基板11の製造時において、エッチングにより、静電ギャップ形成溝111(電極固定面111A)、ミラー固定部112、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114が形成された後、スパッタリングなどの手法により形成される。この時、各電極や接合膜の形成のために、製造工程を分割する必要がなく、1つの工程で、第一電極141、第一配線部141A、第一電極パッド141B、および接合膜を形成することが可能となる。
ミラー固定部112は、上述したように、静電ギャップ形成溝111と同軸上で、静電ギャップ形成溝111よりも小さい径寸法となる円柱状に形成されている。なお、本実施形態では、ミラー固定部112のダイアフラム基板12に対向するミラー固定面112Aが、電極固定面111Aよりもダイアフラム基板12に近接して形成される例を示すが、これに限らない。電極固定面111Aおよびミラー固定面112Aの高さ位置は、ミラー固定面112Aに固定される固定ミラー16、およびダイアフラム基板12に形成される可動ミラー17の間のミラー間ギャップの寸法、第一電極141およびダイアフラム基板12に形成される後述の第二電極142の間の寸法、固定ミラー16や可動ミラー17の厚み寸法により適宜設定されるものであり、上記のような構成に限られない。例えばミラー16,17として、誘電体多層膜ミラーを用い、その厚み寸法が増大する場合、電極固定面111Aとミラー固定面112Aとが同一面に形成される構成や、電極固定面111Aの中心部に、円柱凹溝上のミラー固定溝が形成され、このミラー固定溝の底面にミラー固定面112Aが形成される構成などとしてもよい。
また、ミラー固定部112のミラー固定面112Aは、エタロン1を透過させる波長域をも考慮して、溝深さが設計されることが好ましい。例えば、本実施形態では、固定ミラー16および可動ミラー17の間のミラー間ギャップの初期値(第一電極141および第二電極142間に電圧が印加されていない状態のミラー間ギャップの寸法)が450nmに設定され、第一電極141および第二電極142間に電圧を印加することにより、ミラー間ギャップが例えば250nmになるまで可動ミラー17を変位させることが可能となっており、これにより、第一電極141および第二電極142間の電圧を可変することで、可視光全域の波長の光を選択的に分光させて透過させることが可能となる。この場合、固定ミラー16および可動ミラー17の膜厚およびミラー固定面112Aや電極固定面111Aの高さ寸法は、ミラー間ギャップを250nm〜450nmの間で変位可能な値に設定されていればよい。
そして、ミラー固定面112Aには、直径が約3mmの円形状に形成される固定ミラー16が固定されている。この固定ミラー16は、AgC単層により形成されるミラーであり、スパッタリングなどの手法によりミラー固定面112Aに形成される。
なお、本実施形態では、固定ミラー16として、エタロン1で分光可能な波長域として可視光全域をカバーできるAgC単層のミラーを用いる例を示すが、これに限定されず、例えば、エタロン1で分光可能な波長域が狭いが、AgC単層ミラーよりも、分光された光の透過率が大きく、透過率の半値幅も狭く分解能が良好な、例えばTiO−SiO系誘電体多層膜ミラーを用いる構成としてもよい。ただし、この場合、上述したように、ベース基板11のミラー固定面112Aや電極固定面111Aの高さ位置を、固定ミラー16や可動ミラー17、分光させる光の波長選択域などにより、適宜設定する必要がある。
さらに、ベース基板11は、ダイアフラム基板12に対向する上面とは反対側の下面において、固定ミラー16に対応する位置に図示略の反射防止膜(AR)が形成されている。この反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成され、ベース基板11の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
[1−2.ダイアフラム基板の構成]
ダイアフラム基板12は、厚みが例えば200μmに形成されるガラス基材をエッチングにより加工することで形成される。具体的には、ダイアフラム基板12には、基板中心点を中心とした円形の変位部121が形成される。この変位部121は、円柱状の可動部122と、可動部122と同軸であり可動部122を保持する連結保持部123と、を備えている。
可動部122は、連結保持部123よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、ダイアフラム基板12の厚み寸法と同一寸法である200μmに形成されている。また、可動部122は、ミラー固定部112に平行な可動面122Aを備え、この可動面122Aに可動ミラー17が固定されている。ここで、この可動ミラー17と、上記した固定ミラー16とにより、本発明の一対のミラーが構成される。
ここで、この可動ミラー17は、上述した固定ミラー16と同一の構成のミラーが用いられ、本実施形態では、AgC単層ミラーが用いられる。また、AgC単層ミラーの膜厚寸法は、例えば0.03μmに形成されている。
可動部122は、可動面122Aとは反対側の上面において、可動ミラー17に対応する位置に図示略の反射防止膜(AR)が形成されている。この反射防止膜は、ベース基板11に形成される反射防止膜と同様の構成を有し、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成される。
連結保持部123は、可動部122の周囲を囲うダイアフラムであり、例えば厚み寸法が50μmに形成されている。この連結保持部123のベース基板11に対向する面には、第一電極141と、約1μmの電磁ギャップを介して対向する、リング状の第二電極142が形成されている。ここで、この第二電極142および前述した第一電極141により、本発明の可変手段である静電アクチュエーター14が構成される。この第二電極142は、ベース基板11に形成される各電極と同様に、Au/Cr合金により形成される。また、金属を介在させてベース基板11とダイアフラム基板12を接合する場合は、ベース基板11の接合膜と同様にAu/Cr合金を接合膜として用いることが望ましい。
また、ダイアフラム基板12では、ベース基板11に対向する面において、変位部121以外の領域が、ダイアフラム基板12における接合面124となる。この接合面124は、ベース基板11の接合面115に対向し、接合面124には、Au/Cr合金を膜状に形成した図示しない接合膜が設けられている。
そして、前記した第二電極142の外周縁の一部からは、一対の第二配線部142Aが外周方向に向かって、具体的には、図1における上下の頂点方向に延出して形成されている。第二配線部142Aの先端(ダイアフラム基板12の頂点)には、第二電極142に所定の電圧を印加するための第二電極パッド142Bが形成されている。これらの第二電極142、第二配線部142A、および第二電極パッド142Bは、Au/Cr合金により一体形成される電極であり、ダイアフラム基板12上にスパッタリングなどの手法により膜状に形成される。
このように、ダイアフラム基板12上の各電極や接合膜を同一素材により形成することで、上述したベース基板11と同様に、これらの電極や接合膜の形成を容易に行うことが可能となる。すなわち、これらの電極および接合膜は、ダイアフラム基板12の製造時において、スパッタリングなどの手法により形成される。この時、各電極や接合膜の形成のために、製造工程を分割する必要がなく、1つの工程で、第二電極142、第二配線部142A、第二電極パッド142B、および接合膜を形成することが可能となる。
[1−3.ベース基板およびダイアフラム基板の接合構成]
エタロン1では、上述したようなベース基板11およびダイアフラム基板12を接合することにより一体的に形成される。この時、ベース基板11の第一電極141とダイアフラム基板12の第二電極142とが重なり合い、かつ、ベース基板11の第二配線形成溝114にダイアフラム基板12の第二配線部142Aが重なり合うようにベース基板11およびダイアフラム基板12を配置して接合する。これにより、ベース基板11の接合面115と、ダイアフラム基板12の接合面124とが密着接合される。
ここで、ベース基板11の静電ギャップ形成溝111およびダイアフラム基板12により形成される空間には一対のミラー16、17および一対の電極141および142が存在し、この空間をギャップ形成空間とする。
そして、第一電極パッド141Bおよび第二電極パッド142Bに、それぞれ後述の電圧制御手段222に接続される導線を接続することで、静電アクチュエーター14を制御することが可能となる。
なお、本実施形態では、2つの第一電極パッド141Bおよび2つの第二電極パッド142Bが設けられるが、静電アクチュエーター14の駆動時には、2つの第一電極パッド141Bのうちいずれか一方、および2つの第二電極パッド142Bのうちのいずれか一方にのみに電圧が印加される。そして、他方の第一電極パッド141Bおよび第二電極パッド142Bは、第一電極141および第二電極142の電荷保持量を検出するための検出端子として用いられる。
[2.エタロンの製造方法]
上記エタロン1の製造は、図2に示すように、平面視円状のガラス基板である第一基板100に9つのベース基板11を隣接させて形成し、同様に平面視円状のガラス基板である第二基板(図示しない)に9つのダイアフラム基板12を隣接させて形成し、これらの2枚の基板を重ね合わせた後、チップごとに切断することで行われる。すなわち、エタロン1の製造は、第一基板溝形成工程、第一基板配線形成工程、第二基板形成工程、貼合工程、および切断工程により行われる。
[2−1.第一基板の構成]
第一基板100には、図2に示すように、9つのベース基板11が隣接して形成される。1つのベース基板11が形成される領域をチップ領域101とし、9つのチップ領域101からなる領域をチップアレイ110とする。
各チップ領域101には、上述の静電ギャップ形成溝111と第一配線形成溝113と第二配線形成溝114とが形成される。複数のチップ領域101は互いに隣接しているため、チップ領域101の外周縁に延びる第一配線形成溝113と、隣接するチップ領域101の外周縁に延びる第二配線形成溝114と、は接続している。したがって、複数のチップ領域101間で、全ての静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114は連通している。
各チップ領域101の静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114には、第一電極141、第一配線部141A、第一電極パッド141Bがそれぞれ形成されている。
また、第一基板100には、チップアレイ110の外周に沿って第一空気連通溝120が形成されている。第一空気連通溝120は、チップ領域101に形成された第一配線形成溝113および第二配線形成溝114の底面と同じ高さの底面120Aを有するとともに、これらの第一配線形成溝113および第二配線形成溝114の端部に接続している。
また、第一空気連通溝120には、第一基板100の外周に向かって延びる複数の第二空気連通溝130が接続されている。第二空気連通溝130の数は特に限定されないが、チップアレイ110の外側の部分の接合状態に応じて適宜調整すればよい。例えば、チップアレイ110の外側の部分の接合強度が要求される場合は第二空気連通溝130の数は少ないほうが好ましいが、空気を外部に逃がしやすくするためには、第二空気連通溝130の数が多いほうが好ましい。
第二空気連通溝130は、第一空気連通溝120の底面120Aと同じ高さの底面130Aを有し、第一空気連通溝120と連通している。すなわち、複数のチップ領域101に形成された全ての静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114と、第一空気連通溝120および第二空気連通溝130と、は連通している。
第二基板(図示しない)は、9つのダイアフラム基板12が隣接して形成される。1つのダイアフラム基板12が形成される領域は、第一基板と同様にチップ領域とし、9つのチップ領域で形成される。各チップ領域には、第二電極142、第二配線部142A、および第二電極パッド142Bが形成される。
第一基板100および第二基板は、9つのチップ領域をそれぞれ重ね合わせて貼り合わせられる。このとき、チップ領域ごとに形成されるギャップ形成空間内の空気を、静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114、第一空気連通溝120、および第二空気連通溝130により、第一基板100および第二基板の外部に逃がすことができる。なお、第一基板100と第二基板とを貼り合わせたときの1つのチップ領域が1つのエタロン1となる。
以下、エタロン1の製造工程を図面に基づいて説明する。なお、図3は、図2のIIID−IIID断面における第一基板100の各製造工程の断面図を示し、図4(A)(B)は図2の第一基板100に第二基板200を貼り合わせた場合のIIID−IIID断面における第二基板200の各製造工程の断面図を示し、図4(C)は図2の第一基板100に第二基板200を貼り合わせた場合のIIID−IIID断面における第一基板100および第二基板200の断面図を示している。
[2−2.第一基板溝形成工程]
まず、ベース基板11の製造素材である石英ガラスからなる第一基板100(表面粗さRa=1nm以下、厚み500μm)に対して、レジスト層をマスクとして所望の電極パターンを形成する。ここで、所望の電極パターンは、図2に示すように、9つのチップ領域101ごとに上述の各種溝を形成するものである。そして、レジストが形成されない部分を異方性エッチングし、図3(A)に示すように、深さ1μmの静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第一空気連通溝120、および第二空気連通溝130を形成する。同時に、図3(A)に図示しない第二配線形成溝114も形成する。
次に、図3(B)に示すように、レジスト層をマスクとしてミラー固定部112のパターンを深さ200nmとなるように異方性エッチングを行う。これにより、ミラー固定部112が形成される。
[2−3.第一基板配線形成工程]
この後、第一基板100の全面に、電極を形成するためのCr/Au膜をスパッタリングにより成膜する(図示しない)。このときの各膜の厚みは、Cr膜10nm、Au膜200nmである。そして、上述の工程で形成された静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113に合わせた電極パターンをレジスト層をマスクとしてエッチングを行い、図3(C)に示す第一電極141、第一配線部141Aおよび第一電極パッド141Bを形成する。
次に、第一基板100の全面に反射膜(Ag系合金など)をスパッタリングにより成膜する(図示しない)。膜の厚みは、所望の光学特性に応じて適宜調整すればよい。そして、形成された反射膜上の、固定ミラー16(約φ3mm)の形成部分にそれぞれレジストを形成する。そして、レジストが設けられていない部分の反射膜を除去することで、図3(D)に示すように、固定ミラー16が形成される。
以上により、ベース基板11が形成される。
[2−4.第二基板形成工程]
ダイアフラム基板12の製造素材である石英ガラスからなる第二基板200(表面粗さRa=1nm以下、厚み200μm)の両面に、Cr/Au膜210(Cr膜10nm/Au膜200nm)をスパッタリングにより成膜する。そして、ダイアフラムを形成する側の面201では、Cr/Au膜210をエッチングマスクとして使用し、ダイアフラムに対応する部分のCr/Au膜を除去し、エッチングを施して深さ150μmのダイアフラムを形成する。一方、電極を形成する側の面202では、Cr/Au膜に対して所望の電極パターンに沿ってフォトリソグラフィおよびエッチングを実施して、第二電極142、第二配線部142A、および第二電極パッド142Bを形成する(図4(A)参照、ただし第二配線部142Aおよび第二電極パッド142Bは図示していない。)。
次に、ダイアフラムを形成する側の面201のCr/Au膜210を除去した後、電極を形成する側の面202の全面に反射膜(Ag系合金など)をスパッタリングにより成膜する。膜の厚みは、所望の光学特性に応じて適宜調整すればよい。また、形成された反射膜上の、可動ミラー17(約φ3mm)の形成部分にそれぞれレジストを形成する。そして、レジストが設けられていない部分の反射膜を除去することで、図4(B)に示すように、可動ミラー17が形成される。
以上により、第二基板200が形成される。
[2−5.貼合工程]
次に、上述の工程で複数のベース基板11が形成された第一基板100と、複数のダイアフラム基板12が形成された第二基板200とを重ね合わせ、シロキサン結合を用いた接合方法により接合面115、124を貼り合わせる。具体的には、ベース基板11の接合面115およびダイアフラム基板12の接合面124にプラズマ重合法を用いて接合膜を形成する。このとき、接合面115、124のみが開口しているマスクを用いることが好ましい。そして、接合膜に対して紫外線を照射するなどしてエネルギーを付与して接合膜の接合面を活性化させ、接合膜同士を重ね合わせ、ベース基板11およびダイアフラム基板12の厚み方向に対して均等の荷重(例えば、100kgf)をかけて接合する。
なお、接合方法はこれに限られず、接着剤を塗布する方法、金属部材を介在させる方法など、公知の方法を用いることができる。また、金属部材を介在させる方法を用いる場合、ベース基板11、ダイアフラム基板12の各電極と同材料の膜を接合膜として用いることで製造工程が簡略化できるため、Au/Cr膜などを用いることが望ましい。
[2−6.切断工程]
次に、第一基板100と第二基板200とを貼り合わせた状態でチップ領域ごとに切断し、9つのエタロン1を得る。
[3.測色モジュールの構成]
次に、上述のエタロン1を備えた測色モジュールについて、図面を参照して説明する。
測色モジュール20は、図5に示すように、被検査対象Aに光を射出する光源装置21と、測色センサー22と、測色モジュール20の全体動作を制御する制御装置23とを備えている。そして、この測色モジュール20は、光源装置21から射出される光を被検査対象Aにて反射させ、反射された検査対象光を測色センサーにて受光し、測色センサー22から出力される検出信号に基づいて、検査対象光の色度、すなわち被検査対象Aの色を分析して測定するモジュールである。
光源装置21は、光源211、複数のレンズ212(図5には1つのみ記載)を備え、被検査対象Aに対して白色光を射出する。また、複数のレンズ212には、コリメーターレンズが含まれており、光源装置21は、光源211から射出された白色光をコリメーターレンズにより平行光とし、図示しない投射レンズから被検査対象Aに向かって射出する。
測色センサー22は、上述のエタロン1と、エタロン1を透過する光を受光する受光手段としての受光素子221と、エタロン1で透過させる光の波長を可変する電圧制御手段222と、を備えている。また、測色センサー22は、エタロン1に対向する位置に、被検査対象Aで反射された反射光(検査対象光)を、内部に導光する図示しない入射光学レンズを備えている。そして、この測色センサー22は、エタロン1により、入射光学レンズから入射した検査対象光のうち、所定波長の光のみを分光し、分光した光を受光素子221にて受光する。
受光素子221は、複数の光電交換素子により構成されており、受光量に応じた電気信号を生成する。そして、受光素子221は、制御装置23に接続されており、生成した電気信号を受光信号として制御装置23に出力する。
電圧制御手段222は、上記エタロン1とともに、波長可変干渉フィルターを構成する。この電圧制御手段222は、制御装置23から入力される制御信号に基づいて、静電アクチュエーター14の第一電極141および第二電極142に印加する電圧を制御する。
制御装置23は、測色モジュール20の全体動作を制御する。この制御装置23としては、例えば汎用パーソナルコンピューターや、携帯情報端末、その他、測色専用コンピューターなどを用いることができる。
そして、制御装置23は、光源制御部231、測色センサー制御部232、および測色処理部233などを備えて構成されている。
光源制御部231は、光源装置21に接続されている。そして、光源制御部231は、例えば利用者の設定入力に基づいて、光源装置21に所定の制御信号を出力し、光源装置21から所定の明るさの白色光を射出させる。
測色センサー制御部232は、測色センサー22に接続されている。そして、測色センサー制御部232は、例えば利用者の設定入力に基づいて、測色センサー22にて受光させる光の波長を設定し、この波長の光の受光量を検出する旨の制御信号を測色センサー22に出力する。これにより、測色センサー22の電圧制御手段222は、制御信号に基づいて、利用者が所望する光の波長のみを透過させるよう、静電アクチュエーター14への印加電圧を設定する。
[4.本実施形態の作用効果]
上述した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
エタロン1のベース基板11が形成される第一基板100には、静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114、第一空気連通溝120、および第二空気連通溝130が形成される。各ベース基板11の中心に位置する静電ギャップ形成溝111と各ベース基板11の外周縁に延びる第一配線形成溝113および第二配線形成溝114とが連通し、互いに隣接するベース基板11の第一配線形成溝113および第二配線形成溝114とが連通している。また、これらの第一配線形成溝113および第二配線形成溝114は、複数のベース基板11からなるチップアレイ110の外周に沿って形成された第一空気連通溝120と連通し、この第一空気連通溝120は、第一基板100の外周縁に延びる第二空気連通溝130と連通している。すなわち、静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114、第一空気連通溝120、および第二空気連通溝130は全て連通した構成となっている。
このため、複数のベース基板11が形成された第一基板100と複数のダイアフラム基板12が形成された第二基板200とを貼り合わせる際に、ギャップ形成空間の空気を静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114、第一空気連通溝120、および第二空気連通溝130により第一基板100の外部に逃がすことができる。したがって、ギャップ形成空間に空気が溜まることを防止することができるため、ミラー16,17間のギャップを精度よく制御することができる。
また、それぞれのベース基板11の第一配線形成溝113と隣接するベース基板11の第二配線形成溝114とが互いに接続しているため、全てのベース基板11の静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114が連通していることになる。このため、それぞれのベース基板11のギャップ形成空間内の空気を効率よくかつ均一に第一基板100の外部に逃がすことができる。したがって、品質にばらつきのない複数のエタロン1を製造することができる。
さらに、静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114、第一空気連通溝120、および第二空気連通溝130は、所定の電極パターンを形成してエッチングを行うだけで同時に形成することができるため、製造効率に優れている。
また、このように製造されたエタロン1は、静電ギャップ形成溝111と第一配線形成溝113および第二配線形成溝114とが連通しているため、気圧の変化によりギャップ形成空間の内圧が上昇したとしても、これらの第一配線形成溝113および第二配線形成溝114によりギャップ形成空間の空気を外部に逃がすことができる。したがって、ミラー間のギャップを精度よく制御することができ、良好な光学特性を得ることができる。
[5.変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、複数のベース基板11からなるチップアレイ110の外周に沿った第一空気連通溝120を形成したが、第一空気連通溝120を設けなくてもよい。この場合、各ベース基板11の外周縁に延びる第一配線形成溝113および第二配線形成溝114に第二空気連通溝130を直接接続させる。
これによれば、静電ギャップ形成溝111、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114、および第二空気連通溝130が連通するので、ギャップ形成空間の空気を第一基板100の外部に逃がすことができる。特に、第一配線形成溝113、第二配線形成溝114からの空気を第二空気連通溝130により直接外部に排出することにより、空気連通溝内での内圧上昇などが発生せず、第一基板100および第二基板200との間の剥離を防止することができる。
1…エタロン、11…ベース基板、111…静電ギャップ形成溝、112…ミラー固定部、113…第一配線形成溝、114…第二配線形成溝、12…ダイアフラム基板、14…静電アクチュエーター、141…第一電極、141A…第一配線部、141B…第一電極パッド、142…第二電極、142A…第二配線部、142B…第二電極パッド、100…第一基板、110…チップアレイ、120…第一空気連通溝、130…第二空気連通溝、200…第二基板。

Claims (3)

  1. 透光性を有する第一基板のチップ領域に、静電ギャップを形成するための静電ギャップ形成溝と、前記静電ギャップ形成溝からチップ領域の外周縁に延びる配線形成溝と、を形成し、前記第一基板の前記チップ領域外に、前記配線形成溝および前記第一基板の外周縁を連通する空気連通溝を形成する第一基板溝形成工程と、
    前記静電ギャップ形成溝に第一反射膜および第一電極を形成し、前記第一電極に接続されるとともに前記配線形成溝に沿った第一配線を形成する第一基板配線形成工程と、
    前記第一反射膜に対向する第二反射膜、前記第一電極に対向する第二電極、および前記配線形成溝に対向し、前記第二電極に接続される第二配線と、を備えた透光性を有する第二基板を形成する第二基板形成工程と、
    前記第一基板および前記第二基板を貼り合わせる貼合工程と、を含む
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルターの製造方法。
  2. 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターの製造方法において、
    前記第一基板には、複数の前記チップ領域が互いに隣接して配置され、
    前記第一基板溝形成工程では、互いに隣接する前記チップ領域の外周縁で互いに接続される配線形成溝を形成する
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルターの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の波長可変干渉フィルターの製造方法において、
    前記第一基板には、複数の前記チップ領域を配置したチップアレイを形成し、
    前記空気連通溝の一部を、前記チップアレイの外周に沿って設ける
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルターの製造方法。
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