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JP5390182B2 - 軌道走行作業車 - Google Patents
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JP5390182B2 - 軌道走行作業車 - Google Patents

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Description

本発明は、軌道上を走行しながら軌道の上方に架設される架線の延線作業もしくは巻取り作業を行う軌道走行作業車に関し、さらに詳しくは、この軌道走行作業車における走行制御に関する。
軌道の上方に架設される架線(トロリ線とも称する)は、パンタグラフとの接触等により消耗や劣化するため、定期的に張替えが行われる。その際には、軌道上を走行可能な車体上に、張替え用の新トロリ線が巻き付けられたドラムもしくは旧トロリ線の巻取り用のドラム(空のドラム)を回転自在に支持するとともに当該ドラムを回転駆動するドラム駆動装置を備えた軌道走行作業車が用いられ、軌道上を走行しながらドラムを回転させて新トロリ線の延線作業(繰出し作業)と旧トロリ線の巻取り作業を行っている。トロリ線の繰出し作業および巻取り作業を行う場合には、トロリ線に作用する張力をいかにして所望の一定範囲内に保てるかという点が非常に重要であり、例えば、トロリ線に作用する張力が小さいとトロリ線の暴れが生じ易く、これによりトロリ線同士やトロリ線と他の部材とが接触してトロリ線などが破損したり、巻取り時においてはトロリ線をドラムに整然と巻き取ることができない等の問題が生じることがある。
そのため、従来のドラム駆動装置では、ドラムの回転に制動力を付与する制動手段を備え、トロリ線に与える所望の張力を予め設定し、それに応じた一定のトルクを制動手段を制御してドラムに与え、これによりトロリ線に作用する張力を所定範囲内に保つようにしている。また、ドラムにおいて作業中に刻々と変化するトロリ線の巻き径を検出する巻き径センサを備え、上記ドラム駆動装置のように一定のトルクをドラムに与えるのみではなく、巻き径センサにより検出したトロリ線の巻き径に応じた制動力をドラムに付与するように制動手段を制御することで、トロリ線の巻き径変化に左右されることなくトロリ線に作用する張力を一定に保つことができるドラム駆動装置も知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特許第4067668号公報
このようなドラム駆動装置を備える軌道走行作業車では、軌道上を走行しながらトロリ線の繰出し作業もしくは巻取り作業を行うため、軌道走行作業車の走行速度が変化するとトロリ線に作用する張力も変化するという問題があった。特に、従来の軌道走行作業車では、軌道走行用車輪に一定の駆動力を与えることにより一定速度を保つように走行制御を行っていたので、軌道上の傾斜部に差し掛かると速度変化が発生しやすく、トロリ線に作用する張力も変化しやすいという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、トロリ線の繰出し作業および巻取り作業を行う際に、軌道走行作業車の正確な速度一定制御を行ってトロリ線に作用する張力変化を抑えることができる軌道走行作業車を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る軌道走行作業車(例えば、実施形態における軌陸作業車1)は、軌道(例えば、実施形態における鉄道レールR)上を走行しながら前記軌道の上方に張架される架線の延線作業もしくは巻取り作業を行う作業車であり、軌道上で走行可能な軌道走行装置(例えば、実施形態における鉄輪4および鉄輪駆動油圧モータ8)を備えて前記軌道走行装置を駆動して前記軌道上を走行可能な車体と、前記車体に操作可能に設けられて操作に対応した目標速度で前記車体を走行させる指令値を出力する走行操作装置(例えば、実施形態における中央軌道走行操作装置31、軌道走行操作装置41)と、前記車体の走行速度を検出する速度検出手段(例えば、実施形態における速度センサ58)と、前記車体上に設けられ、前記架線の巻き取りもしくは繰り出し用のドラムを回転駆動可能に支持するドラム駆動装置と、前記ドラム駆動装置が駆動状態であるか否かを検出するドラム駆動検出手段(例えば、実施形態におけるドラム駆動検出器60)と、前記走行操作装置から出力された前記指令値および前記速度検出手段により検出された検出走行速度に基づいて、前記軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行う走行駆動制御手段(例えば、実施形態における走行制御装置50)とを備えて構成される。そして、前記走行駆動制御手段は、前記ドラム駆動検出手段により前記ドラム駆動装置が非駆動状態であると検出されたときには、前記走行操作装置からの指令値のみに基づいて前記軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行い、前記ドラム駆動検出手段により前記ドラム駆動装置が駆動状態であると検出されたときには、前記走行操作装置からの指令値に基づいて前記軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行い前記速度検出手段により検出される前記車体の走行速度に基づいて走行速度を前記走行操作装置により設定された目標速度に保つように前記軌道走行装置の駆動をフィードバック制御するように構成される
なお、上記構成の軌道走行作業車において、前記走行操作装置は前記車体に複数設けられており、いずれかの前記走行操作装置は前記ドラム駆動装置の操作入力を行うドラム操作装置の近傍に設けられ、別の前記走行操作装置は前記ドラム操作装置から離れて設けられており、前記ドラム駆動装置が駆動状態であるときにおいて、前記走行駆動制御手段は、前記ドラム操作装置の近傍に設けられた前記いずれかの走行操作装置からの指令値に対しては、前記走行操作装置からの指令値に基づいて前記軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行い前記速度検出手段により検出される前記車体の走行速度に基づいて走行速度を前記走行操作装置により設定された目標速度に保つように前記軌道走行装置の駆動をフィードバック制御し、前記ドラム操作装置から離れて設けられた前記別の走行操作装置からの指令値に対しては、前記走行操作装置からの指令値のみに基づいて前記走行制御を行うだけで、前記フィードバック制御は行わないようにしても良い。
一方、本発明に係る連結軌道走行作業車は、上述の構成の第1の軌道走行作業車と、軌道上を走行可能で前記第1の軌道走行作業車と連結可能な第2の軌道走行作業車(例えば、実施形態における軌陸高所作業車100)とを有して構成される。そして、前記第2の軌道走行作業車が、軌道上で走行可能な第2の軌道走行装置(例えば、実施形態における軌道走行用車輪104および鉄輪駆動油圧モータ108)を備えるとともに前記第2の軌道走行装置を駆動して前記軌道上を走行可能な第2の車体を有して構成され、前記第1の軌道走行作業車が前記第2の軌道走行作業車と連結された状態のときに、前記第2の軌道走行装置が前記第1の軌道走行作業車に備えられた前記走行駆動制御手段により駆動制御されて軌道上を走行するように構成されている。
なお、上記連結軌道走行作業車において、前記第2の軌道走行作業車に、操作に対応した目標速度で前記車体を走行させる指令値を出力する第2の走行操作装置(例えば、実施形態における上部軌道走行操作装置131、下部軌道走行操作装置141)が設けられ、前記第1の軌道走行作業車が前記第2の軌道走行作業車と連結された状態のときに、前記第2の走行操作装置からの指令値は前記走行駆動制御手段に送られて前記走行駆動制御手段が前記第1および前記第2の軌道走行装置の駆動制御を行うように構成されており、前記第2の走行操作装置からの指令値に対しては、前記走行駆動制御手段は、前記第2の走行操作装置からの指令値のみに基づいて前記第1および前記第2の軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行うだけで、前記フィードバック制御は行わないように構成しても良い。
本発明に係る軌道走行作業車によれば、走行制御装置が、ドラム駆動装置が駆動状態ではないときに走行操作装置からの指令値のみに基づいて軌道走行装置の駆動を制御し、ドラム駆動装置が駆動状態であるときにこの指令値に基づいて走行制御を行い速度検出手段により検出された車体の走行速度に基づいて走行速度を前記指令値に対応する目標速度に保つように軌道走行装置の駆動をフィードバック制御するため、架線の繰出し作業時および巻取り作業時における走行速度を精度良く目標速度に保つことができる。このため、例えば、軌道走行作業車が軌道上の傾斜部に差し掛かった場合でも、軌道走行作業車の走行速度を一定に維持することができ、その結果、ドラム駆動装置により繰り出されるもしくは巻き取られる架線に作用する張力変化を抑えることができる。
なお、走行操作装置が車体に複数設けられている場合には、ドラム駆動装置の操作入力を行うドラム操作装置の近傍に設けられた走行操作装置からの指令値に対して、走行駆動制御手段は、ドラム駆動装置が駆動状態であるときには、走行速度を検出してこの検出走行速度に基づいて走行速度を目標速度に保つように軌道走行装置の駆動をフィードバック制御し、当該走行操作装置以外からの指令値に対してはドラム駆動装置が駆動状態であるか否かに拘わらず指令値のみに基づいて軌道走行装置の駆動を制御するようにしても良い。このような構成の軌道走行作業車では、ドラム駆動装置を用いて架線の繰出し・巻取り作業を行う際、ドラム操作装置の近傍にある走行操作装置を用いて車両の走行操作を行う場合が多いため、当該走行操作装置での操作時のみ上記走行制御を行うように構成すれば十分であるということに基づくもので、これにより簡便な制御システム構成とすることができる。
また、本発明に係る連結軌道走行作業車は、上述の構成の第1の軌道走行作業車およびこれに連結可能な第2の軌道走行作業車とを有して構成され、第1および第2の軌道走行作業車が連結された状態のときに、第2の軌道走行装置が第1の軌道走行作業車に備えられた走行駆動制御手段により駆動制御されて軌道上を走行するように構成されており、これにより、第1の軌道走行車に搭載された走行駆動制御手段により両軌道走行車の走行制御が可能となるため、走行制御装置構成が簡単となり、且つ走行制御も簡単となる。
また、上記連結軌道走行作業車において、第2の走行操作装置からの指令値に対しては、走行駆動制御手段は、第2の走行操作装置からの指令値のみに基づいて第1および第2の軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行うだけで、フィードバック制御は行わないように構成するのが好ましい。これも上述のように、このような構成の軌道走行作業車では、ドラム駆動装置を用いて架線の繰出し・巻取り作業を行う際、ドラム操作装置の近傍にある走行操作装置を用いて車両の走行操作を行う場合が多いため、当該走行操作装置での操作時のみ上記走行制御を行うように構成すれば十分であるということに鑑みたもので、これにより簡便な制御システム構成とすることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、本発明に係る軌道走行作業車の一例として道路上も走行可能な軌陸作業車について説明する。軌陸作業車の構成を図2に示しており、まずこの図面を参照して軌陸作業車の概略構成について説明する。
軌陸作業車1は、車体2に設けられた運転キャブ2aを有するトラック車両をベースとして構成されており、車体2の前後左右の4箇所に取り付けられた道路走行用車輪3によって道路上を走行することができる。さらに、車体2の前後左右の4箇所(各タイヤ車輪3の後側)には、軌道走行用車輪4(以下、鉄輪4と称する)が、車体2に揺動自在に支持された鉄輪支持部材4aに回転自在に取り付けられている。
鉄輪支持部材4aは、鉄輪張出格納シリンダ5の伸縮作動により揺動作動するようになっており、この鉄輪支持部材4aを揺動作動させることにより鉄輪4を下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっている。軌陸作業車1は、鉄輪4を張り出した状態で車体2を軌道(以下、鉄道レール称する)上に載置し、前側の2つの鉄輪4にそれぞれ接続された鉄輪駆動油圧モータ8,8により当該鉄輪4を駆動して鉄道レール上を自走可能になっている。
車体2の中央下部には、軌陸作業車1を鉄道レール上へ載せ換え移動するための転車台6が取り付けられている。転車台6は、転車台張出格納シリンダ7の伸縮作動により下方に張り出したり上方に格納したりできるようになっており、さらに下方に張り出して車体2を持ち上げた状態で作業者の人力により車体2を転車台6に対して水平旋回することができるようになっている。なお、車体2に車体旋回モータを設け、作業者の人力に代えてこの車体旋回モータにより車体2が水平旋回するようにしてもよい。車体2の前後端には後述する連結手段65,65が配設されている。
車体2上には、高所作業装置10、ドラム駆動装置20および中央キャビン30が設けられている。高所作業装置10は、運転キャブ2aの後側で垂直に立設された入れ子式に伸縮自在な昇降ポスト11と、この昇降ポスト11の上部に取り付けられた作業者搭乗用の作業台12とから構成されており、昇降ポスト11に内蔵された昇降シリンダ(図示せず)の伸縮作動により作業台12を昇降移動できるようになっている。作業台12には、昇降操作装置13と、主としてドラム駆動装置20によって既に張架されている架線を巻き取る際に使用されるガイドローラ14とが設けられている。作業台12に搭乗した作業者は、昇降操作装置13を操作することにより作業台12を昇降移動させることができる。ガイドローラ14は、作業台12に対して揺動自在なローラ支持部材14aに回転自在に取り付けられており、不使用時には下方に揺動させて作業台12内に格納できるようになっている。なお、図2では、ガイドローラ14を上方に揺動させたローラ使用時の状態を示している。
ドラム駆動装置20は、その外周に架線を巻き付けることが可能なドラム25を回転自在に支持するとともに回転駆動して架線の繰出し・巻取りを行う装置であり、車体2上に立設された車幅方向に一対のドラム支持部材21,21と、このドラム支持部材21,21に車幅方向に延びて回転自在、且つ着脱可能に取り付けられたドラムシャフト22と、ドラムシャフト22を回転駆動するドラム駆動油圧モータ23とから構成され、ドラムシャフト22の長手方向中間部にドラム25がシャフト22と一体回転するように固定される。
ドラム駆動油圧モータ23は、図1に示すように、コントロールバルブ26を介して油圧ポンプPから供給される油圧により回転駆動される。この回転駆動は作業者がドラム操作装置38を操作して制御する。ドラム操作装置38の操作信号はドラム制御部27に入力され、ドラム制御部27からドラム操作装置38の操作に対応した作動制御信号がコントロールバルブ26に入力される。コントロールバルブ26は、油圧ポンプPからの作動油のドラム駆動油圧モータ23への供給方向を切り換え、ドラム操作装置38の操作に応じてドラム駆動油圧モータ23の回転方向を設定する。なお、架線を繰出すときのドラム駆動油圧モータ23への供給油路にはリリーフバルブ28が設けられており、当該油路内の油圧が設定リリーフ圧に達したときはリリーフバルブ28から作動油をタンクTにリリーフさせ、ドラム駆動油圧モータ23に供給される油圧を設定リリーフ圧以下に制御する。
ドラム駆動装置20では、軌陸作業車1が前方に後述する作業走行速度で走行しながら、架線の巻取り用のドラム25をドラム駆動油圧モータ23により巻取り方向(図2(a)における時計回り)に回転させて、車体2の前方上方からの架線をドラム25に巻き取る。このときドラム駆動油圧モータ23は、軌陸作業車1の走行速度(作業走行速度)に応じた回転速度でドラム25を回転させ、これにより巻き取られる架線に所定範囲内の張力を作用させる。一方、架線を繰り出すときには、新設する架線が巻き付けられたドラム25をドラム駆動油圧モータ23により繰出し方向に対して逆方向(図2(a)における反時計回り)に回転させて、架線をドラム25から車体2の後方上方に繰り出す。このときドラム駆動油圧モータ23は、リリーフバルブ28の設定リリーフ圧によって設定されるトルクで、軌陸作業車1の走行速度(作業走行速度)に応じた回転速度でドラム25を上記逆方向に回転させ、これによりドラム25から繰り出される架線に所定範囲内の張力を作用させる。
ドラム駆動装置20の前側上方には、トラバーサ(トラバース装置)29が設けられている。トラバーサ29は、架線の巻取り時に使用される架線案内装置であり、ドラム駆動装置20の前側上方において車幅方向に延びるトラバース軸29aと、トラバース軸29aにその軸方向に移動自在に取り付けられたガイド台29bと、ガイド台29b内に回転自在に設けられた上下一対のガイドローラ(図示せず)とから構成され、このガイドローラ間に架線を通してトラバーサ駆動モータ(図示せず)によりガイド台29bをトラバース軸29aに沿って移動させることにより、ドラム25への架線の巻取り位置を調整することができるようになっている。
中央キャビン30は、高所作業装置10とドラム駆動装置20の間に設けられた作業者が搭乗可能な箱状の操作室であり、内部に作業者が着座するためのオペレータシート(図示せず)と、軌陸作業車1の鉄道レール上での走行操作を行うための中央軌道走行操作装置31(図1を参照)と、ドラム駆動装置20の作動操作を行うためのドラム操作装置38(図1を参照)と、高所作業装置10など車体2上に配設された各装置の作動操作を行うための中央作業操作装置(図示せず)とが設けられている。また、中央キャビン30は、車体2上において180度の水平旋回が可能(図2(b)に示す矢印F‐R間で旋回可能)に設けられており、中央キャビン30に搭乗した作業者は、旋回モータ(図示せず)により中央キャビン30を旋回動させることで、車体2の前方もしくは後方を向いた状態で各種操作入力を行うことができるようになっている。
軌陸作業車1では、鉄道レール上を走行する際は、中央キャビン30内に設けられた中央軌道走行操作装置31により走行操作を行うことができるほか、運転キャブ2a内に設けられた軌道走行操作装置41(図1を参照)により走行操作を行うこともできる。このとき、一方の軌道走行操作装置で操作を開始した時点で、他方の軌道走行操作装置では後述する緊急停止スイッチ35,45による操作入力以外の操作入力が規制されるようになっている。なお、一般道路走行時の運転(走行操作)は、運転キャブ2a内に設けられた道路走行操作装置(図示せず)でのみ行うことができる。
中央軌道走行操作装置31と軌道走行操作装置41とは同様に構成されており、各軌道走行操作装置31,41は、図1に示すように、電源スイッチ32,42と、速度設定ボリューム33,43と、操作レバー34,44と、緊急停止スイッチ35,45と、走行モード切替スイッチ36,46とを有し、電源スイッチ32,42を作動させると軌道走行操作装置31,41が電源側と電気的に接続されて作業者による操作入力が可能となるように構成されている。
速度設定ボリューム33,43は、軌道走行操作装置31,41による走行時(鉄道レールR上を走行時)の最高速度(例えば0km/h〜45km/h)を設定可能に構成されている。操作レバー34,44は、手動により中立位置から前方もしくは後方へ傾動操作可能な中立位置自動復帰型のレバーであり、これを手動により前方もしくは後方へ傾動操作すると走行操作信号(指令値)を後述する走行制御装置50に出力する。この走行操作信号は、速度設定ボリューム33,43により設定された速度範囲内(0km/h〜設定速度)において操作レバー34,44の操作量(傾動量)に応じた速度情報を含んでおり、より高速で走行したいときには操作レバー34,44の操作量を大きくすればよい。なお、操作レバー34,44の操作量を最大としたときに速度設定ボリューム33,43によって設定した最高速度で走行することができる。また、操作レバー34,44が中立位置にあるときには後述するブレーキ装置59によって鉄輪4に制動力が働くようになっている。
緊急停止スイッチ35,45は、鉄道レール上を走行中の軌陸作業車1を緊急停止させるためのスイッチであり、これを作動させると緊急停止信号が走行制御装置50に出力される。走行モード切替スイッチ36,46は、移動走行モードと作業走行モードとに切替設定可能に構成されている。この走行モード切替スイッチ36,46を移動走行モードに切り替えると、速度設定ボリューム33,43および操作レバー34,44によって操作設定された速度に応じた走行操作信号を走行制御装置50に出力する。一方、走行モード切替スイッチ36,46を作業走行モードに切り替えて操作レバー34,44を傾動操作すると、速度設定ボリューム33,43により設定された最高速度および操作レバー34,44の操作量に拘わらず、所定の作業走行速度(例えば5km/h)に応じた走行操作信号を走行制御装置50に出力する。
このような構成の軌陸作業車1では、転車台6を用いて鉄輪4を下方に張り出した状態で車体2を鉄道レール上に載置し、車体2に配設された油圧ポンプや制御バルブ等からなる油圧制御装置によって鉄輪駆動油圧モータ8への作動油の給排制御を行うことにより、鉄輪4を回転させて鉄道レール上を走行することができる。以下に、鉄道レール上を走行する際に軌陸作業車1の走行制御を行う走行制御装置50について説明する。
走行制御装置50は、図1に示すように、軌道走行操作装置31,41からの走行操作信号(指令値)を受けるコントローラ51と、鉄輪駆動油圧モータ8に供給する作動油圧を制御するコントロールバルブ55と、軌道走行時の軌陸作業車1の速度を検出する速度センサ58と、鉄輪4に制動力を付与するブレーキ装置59とを主体に構成されている。
コントローラ51は、中央軌道走行操作装置31および軌道走行操作装置41からの操作信号が入力される走行制御部52と、ドラム駆動検出器60からの検出信号が入力されるドラム駆動判断部53と、ドラム駆動判断部53からの判断信号が入力されるフィードバック制御許可部54とから構成されている。走行制御部52は、各軌道走行操作装置31,41からの操作信号、具体的には操作レバー34,44による操作信号もしくは緊急停止スイッチ35,45からの緊急停止信号に基づいて、コントロールバルブ55およびブレーキ装置59にそれぞれ作動制御信号を出力する。また、走行制御部52には、速度センサ58により検出された軌陸作業車1の速度(速度信号)が常時入力されている。
ドラム駆動判断部53は、ドラム駆動検出器60から入力される検出信号に基づいて、ドラム駆動装置20が駆動状態にあるか否かを判断し、その判断信号をフィードバック制御許可部54に出力する。ここで、ドラム駆動検出器60は、ドラム駆動装置20が駆動状態にあるか否かを検出するものであり、例えば、中央キャビン30内の作業者がドラム駆動装置38を操作した際にドラム制御部27へ出力される操作信号を検出する操作信号検出器、もしくはドラム駆動装置20においてドラムシャフト22(もしくはドラム25)が実際に回転しているか否かを検出するドラム回転検出器等によって構成することができる。
フィードバック制御許可部54は、ドラム駆動判断部53によりドラム駆動装置20が駆動状態にあると判断された際の信号が入力された場合に、走行制御部52にフィードバック制御許可信号を出力する。一方、ドラム駆動装置20が駆動状態ではないと判断された際の信号が入力された場合には、フィードバック制御許可部54から走行制御部52への信号は出力されない。走行制御部52では、フィードバック制御許可部54からフィードバック制御許可信号が入力されると、速度センサ58から入力される速度信号に基づいて、軌陸作業車1の走行速度を速度設定ボリューム33,43および操作レバー34,44によって操作設定された速度に保つための作動制御信号(以下、フィードバック制御信号と称する)をコントロールバルブ55およびブレーキ装置59にそれぞれ出力するようになっている。
コントロールバルブ55は、油圧ポンプPから鉄輪駆動油圧モータ8への作動油供給を制御する制御弁であり、走行制御部52から送られる作動制御信号(フィードバック制御信号も含む)に基づいて作動が制御され、鉄輪駆動油圧モータ8の回転数を調整することが可能になっている。なお、油圧ポンプPは、車体2内に設けられたエンジン(図示せず)により駆動され、コントロールバルブ55経由で鉄輪駆動油圧モータ8に作動油を供給する。
速度センサ58は、鉄輪4の回転数を所定時間(例えば0.1秒)毎に検出し、その回転数から軌陸作業車1の走行速度を検出するようになっており、検出した走行速度(速度信号)はコントローラ51の走行制御部52に常時送信される。ブレーキ装置59は、4つの鉄輪4の近傍にそれぞれ設けられ、各鉄輪4にそれぞれ制動力を付与することが可能なディスクブレーキ装置であり、走行制御部52からの作動制御信号(フィードバック制御信号も含む)に基づいて、ブレーキディスク(図示せず)を鉄輪4に押圧させて鉄輪4の制動を行うようになっている。
次に、このような構成の走行制御装置50による走行制御について、軌陸作業車1による鉄道レール上に張架されたトロリ線の張替え作業の手順と併せて説明する。
まず、鉄道レールR上を走行して作業目的地まで移動する際、作業者は通常、運転キャブ2a内の軌道走行操作装置41を操作し、移動走行モードで後述する作業時の速度よりも高速(例えば、20〜30km/h程度)で軌陸作業車1を走行させる。このとき、ドラム駆動装置20は当然駆動状態ではないので、フィードバック制御許可部54から走行制御部52へのフィードバック制御許可信号は出力されない。すなわち、走行制御部52は、軌道走行操作装置41の速度設定ボリューム43および操作レバー44によって操作設定された速度に基づく一定の作動制御信号をコントロールバルブ55およびブレーキ装置59にそれぞれ出力する。すなわち、このとき走行制御装置50ではフィードバック走行制御が行われない。そのため、例えば、軌陸作業車1が鉄道レールR上の傾斜部に差し掛かるとその傾斜に伴い走行速度が変化してしまう。なお、上述したように中央キャビン30内の中央軌道走行操作装置31を操作して作業目的地まで移動することも可能である。
ところで、トロリ線の張替え作業では、複数台の軌道走行作業車で連携して行う場合が多く、例えば、軌陸作業車1のようにドラム駆動装置20を備えてトロリ線の繰出し・巻取り作業が可能な作業車と、昇降移動可能な作業台を備えて作業台に搭乗した作業者が吊架線近傍でハンガーへのトロリ線の付替え作業などを行うことが可能な作業車とで連携して行われる。また、作業目的地までの移動時や各作業時には、作業車同士を連結させた状態で移動や作業を行う場合もある。
作業目的地に到着すると、作業者は中央キャビン30に搭乗し、中央軌道走行操作装置31(もしくは運転キャブ2a内の作業者が軌道走行操作装置41)を操作して作業走行モードで軌陸作業車1を所定の作業走行速度(例えば5km/h)で走行させながら、ドラム操作装置38を操作して、図4に示すように、張替え用の新トロリ線T2が巻き付けられたドラム25を支持したドラム駆動装置20から新トロリ線T2を順次繰出し、既に張架されている旧トロリ線T1に掛けたS字フック73を介して、旧トロリ線T1の近傍(下方)に新トロリ線T2を延線していく。この新トロリ線T2の延線作業は、図4に示すように、軌陸作業車1の後方に軌陸高所作業車100を連結した状態で行われる場合が多い。この作業車の連結およびその際の走行制御については後述する。
新トロリ線T2の延線作業が終わると、作業者は中央キャビン30と作業台12にそれぞれ搭乗し、中央キャビン30内の作業者により中央軌道走行操作装置31(もしくは運転キャブ2a内の作業者により軌道走行操作装置41)を操作して軌陸作業車1を間欠走行(もしくは低速走行)させ、作業台12内の作業者により吊架線71に所定間隔毎に取り付けられたハンガー72における旧トロリ線T1から新トロリ線T2への付替えを行う。このとき、ドラム駆動装置20は駆動していないので、走行制御装置50ではフィードバック走行制御が行われない。ハンガー72から取り外された旧トロリ線T1は、ハンガー72に付け替えられた新トロリ線T2にS字フック73を介して支持された状態となる(図3を参照)。なお、吊架線71は鉄道レールR上に張架されてトロリ線を支持するケーブルであり、ハンガー72はトロリ線を吊架線71に吊り下げ支持するための部材である。
ハンガー72へのトロリ線の付替え作業が終わると、中央キャビン30内の作業者により中央軌道走行操作装置31(もしくは軌道走行操作装置41)を操作して作業走行モードで軌陸作業車1を所定の作業走行速度(例えば5km/h)で走行させながら、図3に示すように、ドラム操作装置38を操作して旧トロリ線T1の巻き取り用の空のドラム25を支持したドラム駆動装置20により旧トロリ線T1を順次巻き取っていく。また、作業台12内の作業者により新トロリ線T2に掛けられたS字フック73を回収していき、トロリ線の張替え作業が完了となる。このとき、旧トロリ線T1は、作業台12に取り付けられたガイドローラ14に掛けられ、トラバーサ29を通ってドラム25に巻き取られる。またドラム駆動装置20では、ドラム駆動油圧モータ23により軌陸作業車1の作業走行速度に応じた一定の速度でドラム25を回転駆動し、これにより巻き取られる旧トロリ線T1に作用する張力を所定範囲内に保つようにしている。
このとき走行制御装置50では、ドラム駆動検出器60およびドラム駆動判断部53によりドラム駆動装置20が駆動状態である旨の信号がフィードバック制御許可部54に出力される。そして、フィードバック制御許可部54から走行制御部52にフィードバック制御許可信号が出力される。走行制御部52では、速度センサ58から入力される速度信号に基づいて、中央軌道走行操作装置31(もしくは軌道走行操作装置41)によって操作設定された所定の作業走行速度(例えば5km/h)を維持するためのフィードバック制御信号をコントロールバルブ55およびブレーキ装置59にそれぞれ出力する。このフィードバック制御信号は、上述した一定の作動制御信号と異なり、速度センサ58により検出された走行速度に応じて常時変動する信号である。
このようにドラム駆動装置20が駆動状態にあるときには、走行制御装置50においてフィードバック走行制御が行われるため、例えば軌陸作業車1が鉄道レールR上の傾斜部に差し掛かった場合でも、軌陸作業車1の走行速度を一定に維持することができる。その結果、軌道上を走行しながら、ドラム駆動装置20において巻き取られるトロリ線に作用する張力を所定範囲内で精度良く維持することができ、トロリ線の緩みや引っ張りすぎ、およびそれに伴って生じるトロリ線の破損等を防止することができる。また、ドラム駆動装置20を駆動させていないとき、例えば作業目的地へ移動する際の高速走行時には、フィードバック走行制御が行われないため、高速走行時の急制動や急発進など予期せぬフィードバック走行制御が発生することがない。このように、フィードバック走行制御が必要なトロリ線の延線・巻取り作業時にはフィードバック走行制御を行い、その他の走行時では行われないため、効率のよい作業を実現することができる。また、フィードバック走行制御の開始スイッチを特に設ける必要がないため、作業者による開始スイッチの操作忘れという問題が生じず、必要なときに確実にフィードバック走行制御を行うことが可能となる。
なお、上記においては、軌道走行操作装置31,41のいずれからの走行操作信号(指令値)に対しても、走行制御装置50は、ドラム駆動装置20が駆動状態であるときにはフィードバック走行制御を行う構成を示したが、それに代えて、中央キャビン30内にドラム操作装置38とともに設けられた中央軌道走行操作装置31からの走行操作信号に対して、走行制御装置50は、ドラム駆動装置20が駆動状態であるときにはフィードバック走行制御を行い、運転キャブ2a内の軌道走行操作装置41からの走行操作信号に対してはドラム駆動装置20が駆動状態であるか否かに拘わらず走行操作信号のみに基づいて走行制御装置50が走行制御を行うように構成してもよい。これは、軌陸作業車1のような軌道走行作業車では、ドラム駆動装置20を用いてトロリ線の繰出し・巻取り作業を行う際、ドラム操作装置38の近傍にある中央軌道走行操作装置31を用いて車両の走行操作を行うことが多いため、中央軌道走行操作装置31での操作時のみ上記フィードバック走行制御を行うように構成すれば十分であるということに基づくもので、これにより簡便な制御システム構成とすることができる。
前述したように、作業目的地までの移動時や各作業時には車両同士を連結させた状態で移動や作業を行う場合がある。例えば、新トロリ線T2の延線作業は、図4に示すように、軌陸作業車1の後方に軌陸高所作業車100を連結した状態で行われる。軌陸高所作業車100は、軌陸作業車1と同様に、車体102に設けられた運転キャブ102aを有するトラック車両をベースとし、道路走行用車輪103および軌道走行用車輪104(以下、鉄輪104と称する)を車体2の前後左右の4箇所にそれぞれ備えた軌陸作業車である。車体102の前後端には後述する連結手段165,165が配設されている。
車体102上には、高所作業装置110および架線ガイド装置120が設けられている。高所作業装置110は、車体102上に架装フレーム107を介して車幅方向に一対に設けられ、2つのリンクバーを交差させてその交点を回動自在に連結したシザースリンク機構111と、シザースリンク機構111の先端部に取り付けられた作業者搭乗用の作業台112とから構成され、シザースリンク機構111に設けられた昇降シリンダ(図示せず)の伸縮作動により作業台112を昇降移動できるようになっている。
作業台112には、作業操作装置113と、上部軌道走行操作装置131と、架線の張替え作業時に使用されるガイドローラ115とが設けられている。作業台112に搭乗した作業者は、作業操作装置113を操作することにより作業台112を昇降移動させることができ、上部軌道走行操作装置131を操作することにより軌陸高所作業車100の鉄道レールR上での走行操作を行うことができる。上部軌道走行操作装置131は、上述の中央軌道走行操作装置31等と同様に、電源スイッチ132と、速度設定ボリューム133と、操作レバー134と、緊急停止スイッチ135と、走行モード切替スイッチ136とを有して構成されている(図5を参照)。
架線ガイド装置120は、作業台112の一部を貫通して車体102上に垂直に立設された入れ子式に伸縮自在な昇降ポスト121と、この昇降ポスト121の先端部に取り付けられた架線案内用の案内滑車122とから構成され、昇降ポスト121に内蔵された昇降シリンダ(図示せず)の伸縮作動により案内滑車122を昇降移動できるようになっている。なお、架線ガイド装置120における案内滑車122の昇降移動は、作業台112内の作業操作装置113から操作することができるようになっている。
軌陸高所作業車100では、図5に示すように、上部軌道走行操作装置131(操作レバー134もしくは緊急停止スイッチ135)により走行操作を行うと、その走行操作信号(指令値)が車体2に配設された走行制御装置150に出力される。走行制御装置150では、上記走行操作信号が入力された走行制御部152から出力される作動制御信号に基づいて、コントロールバルブ155により鉄輪104を回転駆動する鉄輪駆動油圧モータ108への作動油の給排制御を行うとともに、ブレーキ装置159による鉄輪104への制動力を制御することにより、鉄輪104を回転駆動させて鉄道レールR上を走行することができる。なお、軌陸高所作業車100の鉄道レールR上での走行操作は、運転キャブ102a内に設けられた下部軌道走行操作装置141によって行うこともできる。下部軌道走行操作装置141も上述の中央軌道走行操作装置31等と同様に、電源スイッチ142と、速度設定ボリューム143と、操作レバー144と、緊急停止スイッチ145と、走行モード切替スイッチ146とを有して構成されている。
軌陸作業車1と軌陸高所作業車100とは連結棒170を用いて連結される。連結棒170は、容易に曲がったり伸縮したりしない金属製の棒状部材からなり、軌陸作業車1に設けられた連結手段65と軌陸高所作業車100に設けられた連結手段165とに架設して固定される。連結棒170の内部には、車両間で相互通信可能とするための通信ケーブル(図示せず)が設けられており、連結棒170を用いて両作業車1,100が連結されると、この通信ケーブルを介して軌陸作業車1の走行制御装置50と軌陸高所作業車100の走行制御装置150とが相互通信可能になる。したがって、両作業車1,100が連結された状態で鉄道レールR上を走行する際は、軌陸作業車1における中央軌道走行操作装置31および軌道走行操作装置41、ならびに軌陸高所作業車100における上部軌道走行操作装置131および下部軌道走行操作装置141のいずれからでも走行操作を行うことができる。このとき、一つの軌道走行操作装置で操作を開始した時点で、その他の軌道走行操作装置では緊急停止スイッチ以外の操作が規制されるようになっている。
例えば、軌陸作業車1の中央軌道走行操作装置31により走行操作を行うと、その走行操作信号(指令値)は走行制御部52を介して軌陸高所作業車100の走行制御部152(走行制御装置150)にも入力される。このとき走行制御部152では、走行制御部52を介して入力された中央軌道走行操作装置31からの走行操作信号に基づいて、軌陸高所作業車100におけるコントロールバルブ155およびブレーキ装置159にそれぞれ作動制御信号を出力する。
または、軌陸高所作業車100の上部軌道走行操作装置131により走行操作を行うと、その走行操作信号(指令値)は走行制御部152を介して軌陸作業車1の走行制御部52(走行制御装置50)にも入力される。このとき走行制御部52では、走行制御部152を介して入力された上部軌道走行操作装置131からの操作信号に基づいて、軌陸作業車1におけるコントロールバルブ55およびブレーキ装置59にそれぞれ作動制御信号を出力する。このように両作業車1,100が連結された状態では、いずれかの軌道走行操作装置により走行操作を行うと、その走行操作信号に基づいて両作業車1,100におけるコントロールバルブ55,155およびブレーキ装置59,159を制御し、両作業車1,100が同一速度で鉄道レールR上を走行するようになっている。
次に、軌陸作業車1と軌陸高所作業車100とが連結された状態で、トロリ線の張替え作業を行う際の走行制御について説明する。両作業車1,100が連結された状態で鉄道レールR上を走行して作業目的地まで移動する場合、作業者は軌道走行操作装置31,41,131,141のいずれかを操作して移動走行モードに切り替え、作業時の速度よりも高速(例えば、20〜30km/h程度)で連結された両作業車1,100を走行させる。このとき、ドラム駆動装置20は当然駆動状態ではないので、フィードバック制御許可部54から走行制御部52,152へのフィードバック制御許可信号は出力されない。すなわち、走行制御部52,152は、当該軌道走行操作装置の速度設定ボリュームおよび操作レバーによって操作設定された速度に基づく一定の作動制御信号をコントロールバルブ55,155およびブレーキ装置59,159にそれぞれ出力する。すなわち、このとき走行制御装置50,150ではフィードバック走行制御を行わない。
両作業車1,100が連結された状態でトロリ線の延線・巻取り作業を行う場合、例えば、新トロリ線T2の延線作業の場合、図4に示すように、作業者は軌陸作業車1の中央キャビン30と軌陸高所作業車100の作業台112に搭乗し、中央軌道走行操作装置31(もしくは上部軌道走行操作装置131)を操作して作業走行モードで両作業車1,100を所定の作業走行速度(例えば5km/h)で走行させながら、中央キャビン30内の作業者によりドラム操作装置38を操作してドラム駆動装置20から新トロリ線T2を順次繰出し、新トロリ線T2を延線していく。この新トロリ線T2は、ドラム駆動装置20から後方の軌陸高所作業車100における作業台112上方に延びてガイドローラ115および架線ガイド装置120の案内滑車122に掛けられ、作業台112内の作業者によりS字フック73を介して旧トロリ線T1の下方に延線される。またドラム駆動装置20では、リリーフバルブ28の設定リリーフ圧によって設定されるトルクで、軌陸作業車1の作業走行速度に応じて繰り出される新トロリ線T2に対して逆方向にドラム25を回転駆動し、これによりドラム25から繰り出される新トロリ線T2に作用する張力を所定範囲に保つようにしている。
このとき走行制御装置50では、ドラム駆動検出器60およびドラム駆動判断部53によりドラム駆動装置20が駆動状態である旨の信号がフィードバック制御許可部54に出力される。そして、フィードバック制御許可部54から走行制御部52および走行制御装置150の走行制御部152にフィードバック制御許可信号が出力される。走行制御部52,152では、速度センサ58から入力される速度信号に基づいて、中央軌道走行操作装置31の走行モード切替スイッチ36および操作レバー34によって操作設定された作業走行速度を維持するためのフィードバック制御信号をコントロールバルブ55,155およびブレーキ装置59,159にそれぞれ出力する。
このようにドラム駆動装置20が駆動状態にあるときには、走行制御装置50,150においてフィードバック走行制御が行われるため、例えば、両作業車1,100が鉄道レールR上の傾斜部に差し掛かった場合でも、両作業車1,100の走行速度を一定に維持することができる。その結果、ドラム駆動装置20において繰り出されるトロリ線に作用する張力を所定範囲内で精度良く維持することができ、トロリ線の緩みや引っ張りすぎ、およびそれに伴って生じるトロリ線の破損等を防止することができる。また、ドラム駆動装置20を駆動させていないとき、例えば作業目的地へ移動する際の高速走行時には、フィードバック走行制御が行われないため、高速走行時の急制動や急発進など予期せぬフィードバック走行制御が発生することがない。このように、フィードバック走行制御が必要なトロリ線の延線・巻取り作業時にはフィードバック走行制御を行い、その他の走行時では行われないため、効率のよい作業を実現することができる。また、フィードバック走行制御の開始スイッチを特に設ける必要がないため、作業者による開始スイッチの操作忘れという問題が生じず、必要なときに確実にフィードバック走行制御を行うことが可能となる。
なお、上記においては、4つの軌道走行操作装置31,41,131,141のいずれからの走行操作信号(指令値)に対しても、走行制御装置50,150は、ドラム駆動装置20が駆動状態にあるときにはフィードバック走行制御を行う構成を示したが、中央軌道走行操作装置31以外の軌道走行操作装置41,131,141からの走行操作信号(指令値)に対して、走行制御装置50,150は、当該軌道走行操作装置41,131,141からの走行操作信号のみに基づいて走行制御を行うように構成してもよい。これも上述のように、軌陸作業車1と軌陸高所作業車100のように連結された連結軌道走行作業車では、ドラム駆動装置20を用いてトロリ線の繰出し・巻取り作業を行う際、ドラム操作装置38の近傍にある中央起動走行操作装置31を用いて車両の走行操作を行うことが多いため、中央軌道走行操作装置31での操作時のみ上記フィードバック走行制御を行うように構成すれば十分であるということに鑑みたもので、これにより簡便な制御システム構成とすることができる。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態に示したものに限定されない。例えば、上記実施形態おいて、ドラム駆動装置20は、軌陸作業車1の作業走行速度に応じて繰り出される架線に対して逆方向にドラム25を回転駆動して架線に所定範囲内の張力を作用させているが、例えば、制動手段によりドラム25に制動力を付与し、これにより軌陸作業車1の作業走行速度に応じて繰り出される架線に所定範囲内の張力を付与するようにしてもよい。
本発明に係る軌陸作業車における走行制御装置の構成を示すブロック図である。 上記軌陸作業車の構成を示す図であり、(a)は軌陸作業車の側面図、(b)は軌陸作業車の平面図である。 上記軌陸作業車によるトロリ線の巻取り作業を説明する図である。 上記軌陸作業車と軌陸高所作業車を連結させてトロリ線の延線作業を説明する図である。 上記軌陸作業車と軌陸高所作業車と連結状態における走行制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
R 鉄道レール(軌道)
1 軌陸作業車(軌道走行作業車)
2 車体
4 軌道走行用車輪(軌道走行装置)
8 鉄輪駆動油圧モータ(軌道走行装置)
20 ドラム駆動装置
25 ドラム
31 中央軌道走行操作装置(走行操作装置)
41 軌道走行操作装置(走行操作装置)
50 走行制御装置(走行駆動制御手段)
58 速度センサ(速度検出手段)
60 ドラム駆動検出器(ドラム駆動検出手段)
100 軌陸高所作業車(第2の軌道走行作業車)
102 車体(第2の車体)
104 軌道走行用車輪(第2の軌道走行装置)
108 鉄輪駆動油圧モータ(第2の軌道走行装置)
131 上部軌道走行操作装置(第2の走行操作装置)
141 下部軌道走行操作装置(第2の走行操作装置)

Claims (4)

  1. 軌道上を走行しながら前記軌道の上方に張架される架線の延線作業もしくは巻取り作業を行う軌道走行作業車において、
    軌道上で走行可能な軌道走行装置を備えて前記軌道走行装置を駆動して前記軌道上を走行可能な車体と、
    前記車体に操作可能に設けられて操作に対応した目標速度で前記車体を走行させる指令値を出力する走行操作装置と、
    前記車体の走行速度を検出する速度検出手段と、
    前記車体上に設けられ、前記架線の巻き取りもしくは繰り出し用のドラムを回転駆動可能に支持するドラム駆動装置と、
    前記ドラム駆動装置が駆動状態であるか否かを検出するドラム駆動検出手段と、
    前記走行操作装置から出力された前記指令値および前記速度検出手段により検出された検出走行速度に基づいて、前記軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行う走行駆動制御手段とを備え、
    前記走行駆動制御手段は、
    前記ドラム駆動検出手段により前記ドラム駆動装置が非駆動状態であると検出されたときには、前記走行操作装置からの指令値のみに基づいて前記軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行い、
    前記ドラム駆動検出手段により前記ドラム駆動装置が駆動状態であると検出されたときには、前記走行操作装置からの指令値に基づいて前記軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行い前記速度検出手段により検出される前記車体の走行速度に基づいて走行速度を前記走行操作装置により設定された目標速度に保つように前記軌道走行装置の駆動をフィードバック制御することを特徴とする軌道走行作業車。
  2. 前記走行操作装置は前記車体に複数設けられており、
    いずれかの前記走行操作装置は前記ドラム駆動装置の操作入力を行うドラム操作装置の近傍に設けられ、別の前記走行操作装置は前記ドラム操作装置から離れて設けられており、
    前記ドラム駆動装置が駆動状態であるときにおいて、前記走行駆動制御手段は、
    前記ドラム操作装置の近傍に設けられた前記いずれかの走行操作装置からの指令値に対しては、前記走行操作装置からの指令値に基づいて前記軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行い前記速度検出手段により検出される前記車体の走行速度に基づいて走行速度を前記走行操作装置により設定された目標速度に保つように前記軌道走行装置の駆動をフィードバック制御し、
    前記ドラム操作装置から離れて設けられた前記別の走行操作装置からの指令値に対しては、前記走行操作装置からの指令値のみに基づいて前記走行制御を行うだけで、前記フィードバック制御は行わないことを特徴とする請求項1に記載の軌道走行作業車。
  3. 請求項1もしくは2に記載の第1の軌道走行作業車と、軌道上を走行可能で前記第1の軌道走行作業車と連結可能な第2の軌道走行作業車とを有してなる連結軌道走行作業車であって、
    前記第2の軌道走行作業車が、軌道上で走行可能な第2の軌道走行装置を備えるとともに前記第2の軌道走行装置を駆動して前記軌道上を走行可能な第2の車体を有して構成され、
    前記第1の軌道走行作業車が前記第2の軌道走行作業車と連結された状態のときに、前記第2の軌道走行装置が前記第1の軌道走行作業車に備えられた前記走行駆動制御手段により駆動制御されて軌道上を走行するように構成されていることを特徴とする連結軌道走行作業車。
  4. 前記第2の軌道走行作業車に、操作に対応した目標速度で前記車体を走行させる指令値を出力する第2の走行操作装置が設けられ、
    前記第1の軌道走行作業車が前記第2の軌道走行作業車と連結された状態のときに、前記第2の走行操作装置からの指令値は前記走行駆動制御手段に送られて前記走行駆動制御手段が前記第1および前記第2の軌道走行装置の駆動制御を行うように構成されており、
    前記第2の走行操作装置からの指令値に対しては、前記走行駆動制御手段は、前記第2の走行操作装置からの指令値のみに基づいて前記第1および前記第2の軌道走行装置の駆動制御による走行制御を行うだけで、前記フィードバック制御は行わないことを特徴とする請求項3に記載の連結軌道走行作業車。
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