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JP5393201B2 - 浚渫方法 - Google Patents
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本発明は、浚渫方法に関し、さらに詳しくは、壷掘りの浚渫を行なう際に、吸引口の閉塞を防止しつつ、水底の土砂表面への吸引口の追従性を向上し、含泥率の高い浚渫を可能にする浚渫方法に関するものである。
従来、河川や湖沼などの堆積土砂等を水底から水上に揚送する浚渫方法や装置が種々提案されている。浚渫作業は一般に、大型の作業船や浚渫対象となる水域の周辺陸部に大型の浚渫設備を設置し、浚渫ポンプ自体や浚渫ポンプに接続された輸送管の吸引口を、その水底の土砂表面で移動させて行なっている。
ところが、ダム湖などの広いスペースが確保できない狭隘な現場では、大型の船を用いたり、大型の装置を設置することが困難であった。ダム湖等での浚渫では、貯水量を増加させるために所定量の土砂を浚渫すればよく、浚渫した後の水底の仕上げ状態は問題とされない。したがって、吸引口を水底で移動させながら浚渫を行なう方法ではなく、定位置で吸引口を下方移動させて深く浚渫を行なう、いわゆる壷掘りの浚渫が適している。壷掘りの浚渫は、吸引口を水底で移動させる浚渫に比べて、吸引口を広範囲に移動させる必要がないため移動手段を小型化でき、ひいては装置全体を小型化することが可能となるためである。
大規模な設備を用いることなく、浚渫を行なうことができる装置としては、水底に配置する吸引器にけん引ロープを接続し、このけん引ロープを地上から引っ張ることによって、吸引器を水底で任意の位置に移動させる装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この提案の浚渫装置は、吸引器の底面部が平面形状になっているので、水底の土砂表面が凹凸状等の起伏がある形状の場合には、吸引口が土砂表面に追従することができずに離れ過ぎてしまって水分を過剰に吸引するので含泥率の高い浚渫ができないという問題があった。
また、この浚渫装置で壷掘りの浚渫を行なうと、吸引器の側面がその底面に対して直角に垂直に立っているので、吸引器がある程度土砂に埋まると、吸引口が閉塞されて吸引が不能になるという問題があった。
特開平1−295926号公報
本発明の目的は、壷掘りの浚渫を行なう際に、吸引口の閉塞を防止しつつ、水底の土砂表面への吸引口の追従性を向上し、含泥率の高い浚渫を可能にする浚渫方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の浚渫方法は、ケーシングの底面を、中央部が下方に突出する形状にした吸引ヘッドに、吸引手段を備えた輸送管を接続し、この吸引ヘッドを、ウインチによって繰出しおよび巻取りが行なわれるワイヤを介して浮体から吊下げて、前記ウインチの駆動により吸引ヘッドの上下位置を調整しつつ、前記ケーシングの底面の中央部に設けた多孔状の吸引口から水底の土砂を含む流体を吸引して壷掘りの浚渫を行なうに際して、前記吸引口から吸引した土砂を含む流体の流速を流速測定手段により測定するとともに、前記吸引ヘッドの接地圧を接地圧測定手段により測定し、浚渫対象の水底の土砂について前記接地圧と浚渫土砂量との関係、限界流速を予め把握しておき、この把握した接地圧と浚渫土砂量との関係および限界流速と、前記流速測定手段および接地圧測定手段による測定データとに基づいて前記吸引ヘッドの上下位置を調整することにより、前記輸送管内の流速を限界流速以上にするとともに浚渫土砂量を調整して浚渫を行なうことを特徴とするものである。
ここで、前記接地圧測定手段として、例えば、前記ワイヤの張力を測定する張力計と、この張力計による測定データが入力される制御装置とを用いて、前記張力計による測定データに基づいて前記接地圧を測定することもできる。
本発明によれば、吸引ヘッドをウインチによって繰出しおよび巻取りが行われるワイヤを介して浮体から吊下げて壷掘りの浚渫を行なうに際して、ケーシングの底面の中央部を下方に突出する形状にするとともに、この底面の中央部に多孔状の吸引口を設けたことで、水底の土砂表面が起伏のある形状の場合であっても、その水底の土砂表面に対応するようにケーシングが傾いて、吸引口を水底の土砂表面に追従させて隣接させることができる。これにより、高い含泥率を確保することができる。そして、多孔状の吸引口にすることにより、多数の孔を通じて吸引を行なうので吸引口の閉塞を防止することができる。
また、ウインチの駆動操作により吸引ヘッドの上下位置を調整することにより接地圧を適正にして、含泥率を向上させて浚渫土砂量を最大にすることが可能になる。
本発明の浚渫方法を実施している状態を例示する説明図である。 図1の吸引ヘッド例示する正面図である。 図2の吸引ヘッドの内部を縦断面で例示する説明図である。 図2の吸引ヘッドの底面図である。 図3の吸引ヘッドを、ケーシングの上面が土砂に埋没するまで下方移動させた状態を例示する説明図である。 本発明に用いる吸引ヘッドの別の実施形態を例示する正面図である。 吸引ヘッドの接地圧と輸送管内の流速との関係を例示するグラフ図である。 吸引ヘッドの接地圧と浚渫土砂量との関係を例示するグラフ図である。
本発明の浚渫方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1〜図4に例示するように、本発明に用いる吸引ヘッド1には、吸引手段7を備えた輸送管6の一端側が接続され、輸送管6の他端側は、土砂捨て場等に配置するように延設されている。また、吸引ヘッド1には浮体8に設置されたウインチ10によって繰出しおよび巻取りが行なわれるワイヤ9が接続されている。これにより、吸引ヘッド1は、ワイヤ9を介して浮体8から吊り下げられている。
浮体8には、制御装置13、ワイヤ9の張力を測定する張力計11および吸引ヘッド1の水深を測定する深度計12が設置されている。輸送管6には、輸送管6の内部の流速を測定する流速測定手段14が設置されている。制御装置13には、ウインチ10の駆動源(駆動モータ等)、張力計11、水深計12および流速測定手段14が有線または無線で接続されている。制御装置13は、浮体8上に限らず、例えば陸上に配置することもできる。
この実施形態では、張力計11および制御装置13が吸引ヘッド1の接地圧を測定する接地圧測定手段として機能する。接地圧測定手段としては、その他に例えば、圧力センサを用いることができる。圧力センサを吸引ヘッド1の底面に取付けた場合には、吸引ヘッド1の接地圧が直接的に測定される。
吸引ヘッド1のケーシング2は、半球状の上ケーシング2aと下ケーシング2bとで構成され、互いを接合することで球状になっている。ケーシング2の外径は、例えば1.5m程度を中心にして1m〜4m程度であるが、この範囲に限定されるものではない。
上ケーシング2aおよび下ケーシング2bは、フランジ部どうしを接合しているが、フランジ部を設けずに接合して滑らかな表面にすることもできる。ケーシング2(下ケーシング2b)の底面の形状は、平面視の中央部が下方に突出する形状であればよく、球状に限らず、例えば多角錐状等にすることもできるが、なるべく下方に突出する曲面形状がよい。
ケーシング2(上ケーシング2a)の上面の形状は、特に限定されず平面状でもよいが、この実施形態のように、平面視の中央部が上方に突出する形状にすることが好ましい。例えばケーシング2の上面の形状を上方に突出する多角錐状にすることもできるが、なるべく上方に突出する曲面形状がよい。
ケーシング2の底面の平面視の中央部には吸引口3が設けられている。この吸引口3は、多数の貫通孔3aを有する多孔状になっている。貫通孔3aの大きさは、例えば直径相当で10mm〜50mm程度である。すべての貫通孔3aは同じ大きさにすることもできるが、異なる大きさの貫通孔3aを混在させることもできる。貫通孔3aの数は、適宜決定されるが、例えば5〜100個程度である。
このケーシング2の外表面には、吸引口3から上方に延びる複数本の溝4が形成されている。この複数本の溝4は、図4に例示するように吸引ヘッド1(ケーシング2)の平面視(底面視)で、吸引口3を中心にして均等な中心角度で放射状に配置されている。溝4を設けることは任意であるが、後述するように、この溝4により円滑な浚渫が可能になる。
溝4は、ケーシング2の高さ方向中央付近、または、ケーシング2の最大外径となる位置まで延設することが好ましく、ケーシング2の上面まで延設することもできる。また、溝4は、平面視(底面視)で非直線的に延設してもよく、例えば円弧状にした複数の溝4を吸引口3を中心にして均等の中心角度で配置することもできる。
溝4の本数は、特に限定されないが、例えば3本〜24本程度であり、吸引口3を中心にして均等な中心角度で配置することが好ましく、溝4の深さおよび幅は、例えば10mm〜50mm程度である。
吸引手段7としては、サンドポンプやウォータジェットポンプを用いることができる。この実施形態では、吸引手段7を吸引ヘッド1の内部に設置しているが、設置位置はこれに限定されず、吸引ヘッド1の外部、例えば浮体8の上や陸上に設置して輸送管6に取付けるようにしてもよい。
浮体8は、ウインチ10等を搭載し、吸引ヘッド1をワイヤ9を介して吊下げられる浮力があればよいので、例えば小型ボートやその相当物等を用いることができる。流速測定手段14は、輸送管6の内部を流れる流体の流速を測定できればよく、例えば電磁流速計、電磁流量計や超音波式流量計等を用いることができる。流量計は、測定した流速に輸送管6の横断面積を乗じて流量を算出するので、流速を把握するために用いることができる。
制御装置13には、張力計11によるワイヤ9の張力の測定データ、深度計12による吸引ヘッド1の深度の測定データ、流速測定手段14による輸送管6の内部の流速の測定データが入力されるように構成されている。ワイヤ9の張力と吸引ヘッド1の接地圧との関係も制御装置13に入力しておく。これにより、張力計11による張力の測定データを得ることによって吸引ヘッド1の接地圧を把握することができる。ワイヤ9の張力が小さくなるに連れて、吸引ヘッド1の接地圧は増大する傾向になる。
この制御装置13によって、ウインチ10の駆動(運転および停止、回転速度、回転方向)が制御される。したがって、吸引ヘッド1の上下方向移動は制御装置13によって制御され、これによって吸引ヘッド1の水底の土砂Gに対する接地圧が調整される。
この吸引ヘッド1は、図2に例示するような単純な円球状の他に、図6に例示するように、ケーシング2の底面と上面との間の胴部を円筒状にした楕円球状を例示することができる。下ケーシング2bを多角錐状等にして、底面の中央部が下方に突出する形状にすることもできるが、なるべく下方に突出する曲面形状がよい。
さらに、図6に例示した吸引ヘッド1は、ケーシング2の外表面に、図2で例示した溝4に代えて、この外表面に沿うように上下方向中間部から吸引口3の近傍に延びる複数本の水分供給パイプ5を有している。この水分供給パイプ5はケーシング2の内部に設置された水分供給ポンプに接続されている。そして、水分供給ポンプから供給された水分Wが水分供給パイプ5を通じて吸引口3の周辺のケーシング2の外表面に供給される。このように、水分供給パイプ5と水分供給ポンプで構成される水分供給手段を設けることは任意であるが、後述するように、この水分供給手段により円滑な浚渫が可能になる。
供給される水分Wの排出口となる水分供給パイプ5の下端部の位置は、図4に例示した吸引ヘッド1(ケーシング2)の平面視(底面視)で、吸引口3を中心にして均等な中心角度の配置にすることが好ましい。水分供給パイプ5の本数は、特に限定されないが、例えば3本〜24本程度である。
その他の構成は、図2に例示する吸引ヘッド1と同じである。尚、本発明に用いる吸引ヘッド1は、溝4と水分供給手段(水分供給パイプ5)の両方を設けることもできる。その際には、例えば、溝4と水供給パイプ5とをケーシング2の周方向に交互に配置する。
本発明の浚渫方法による壷堀りの浚渫を行なう際には、ウインチ10の駆動により吸引ヘッド1の上下位置を調整しつつ、ケーシング2の底面の中央部に設けた多孔状の吸引口3から水底の土砂Gを含む流体を吸引する。
ケーシング2の底面の中央部を下方に突出する形状にするとともに、この底面の中央部に多数の貫通孔3aを有する吸引口3を設けているので、水底の土砂表面が起伏のある形状の場合であっても、その水底の土砂表面に対応するようにケーシング2が傾き、吸引口3を水底の土砂表面に追従させて隣接させることができる。そのため、無駄な水分を吸引することなく、高い含泥率を確保することができる。
吸引口3を多孔状にしているので、仮に、ある貫通孔3aに土砂Gが詰まっても他の貫通孔3aを通じて土砂Gの吸引が行なわれる。この他の貫通孔3aを通じての吸引による流動等によって、詰まっていた貫通孔3aの詰まりが解消され易くなるので、吸引口3の閉塞を防止することができる。
水底の土砂Gを吸引口3から吸引する際には、適度な水分が必要であり、吸引口3の全範囲が土砂Gによって同時に塞がれた場合には吸引が困難になる。このような場合であっても、図2に例示する吸引ヘッド1は、ケーシング2の外表面に溝4を有しているので、この溝4を通じて吸引口3の近傍に水分が供給される。そのため、安定した吸引を確保することができる。
また、図6に例示した吸引ヘッド1は、水分供給手段を有しているので、水分供給パイプ5を通じて吸引口3の近傍に、積極的に水分Wを供給することができる。そのため、安定した吸引を確保することができる。
図5に例示するように、吸引ヘッド1をケーシング2の上面が土砂Gに埋没するまで下方移動させて壷掘りの浚渫を行なう場合には、吸引ヘッド1の上面は、崩れてきた土砂Gによって覆われる。このような場合に、ウインチ10でワイヤ9を巻き取って吸引ヘッド1を上方移動させようとすると、ケーシング2の上面を覆う土砂Gが大きな抵抗になる。ところが、この吸引ヘッド1は、ケーシング2の上面の中央部が上方に突出する形状になっているので、吸引ヘッド1の上方移動に伴なって、上面を覆っていた土砂Gがケーシング2の表面に沿って移動して振り払われる。そのため、大きな抵抗が生じることなく、吸引ヘッド1を上方移動させることが可能になる。
1つの位置で壷掘りの浚渫を行なった後は、浮体8(吸引ヘッド1)を水平移動させて別の位置で同様に壷掘りの浚渫を行なう。このように、目標の所定量の土砂Gを浚渫するまで同じ作業を繰り返し行なう。一般的な浚渫では、浚渫した後の水底土砂表面に対して平坦性等の仕上げ具合を要求される。しかしながら、ダム湖等の浚渫では、水底の仕上げ状態に対する要求はなく、所定量の土砂Gを浚渫さえすればよい。したがって、このような壷掘りの浚渫を適用することができる。
吸引ヘッド1の上下位置の調整は、例えば以下のように行なう。
まず、浚渫対象の水底の土砂Gについて予備調査をして、限界流速VMを予め把握しておく。限界流速VMとは、土砂Gを含む流体を、輸送管6の内部で沈降させずに送ることができる最小流速である。即ち、吸引された土砂Gの流速Vが限界流速VM以上でなければ、輸送管6の内部が土砂Gによって閉塞することになる。そこで、予め把握した土砂Gの限界流速VMのデータを制御装置13に入力しておく。
吸引した土砂Gを含む流体が輸送管6の内部を流れる際に、流体中の土砂Gの割合が増加する(含泥率が高くなる)と、輸送管6の内部の流速Vが遅くなり、流体中の土砂Gの割合が減少する(含泥率が低くなる)と、輸送管6の内部の流速Vが速くなる傾向を示す。そして、吸引ヘッド1の接地圧Pと輸送管6の内部の流速Vとの関係は、図7に例示するように、接地圧Pが増大するに連れて流速Vが低下する傾向となり、接地圧Pが過大になると吸引ができなくなり流速Vがゼロになる。換言すれば、張力計11により測定したワイヤ9の張力が小さくなるに連れて流速Vが低下する傾向になる。
図7では、限界流速VMになる接地圧PがPMになっているので、流速Vを限界流速VM以上にするために接地圧PをPM以下にする。このように、吸引ヘッド1を上下位置を調整して接地圧P(含泥率)を変化させることによって、輸送管6の内部の流速Vを限界流速VM以上にする。
尚、輸送管6の流量Qは、流速Vに輸送管6の断面積を乗じたものなので、限界流速VMを限界流量QMに置き換えて、流量Qを限界流量QM以上にすることは、流速Vを限界流速VM以上にすることと同じである。
また、浚渫対象の水底の土砂Gについて予備調査をして、吸引ヘッド1の接地圧Pと浚渫土砂量Sとの関係を予め把握しておく。浚渫土砂量Sとは、吸引ヘッド1から吸引されて浚渫される単位時間当たりの土砂量(水分を除いた)である。この予め把握した吸引ヘッド1の接地圧Pと浚渫土砂量Sとの関係データを、制御装置13に入力しておく。
接地圧Pと浚渫土砂量Sとの関係は、図8に例示するように、特定の接地圧PX(以下、特定接地圧PXという)で浚渫土砂量Sがピーク(最大量SX)になる傾向がある。したがって、吸引ヘッド1の接地圧Pを、特定接地圧PXになる(近づける)ように調整することによって、効率的な浚渫を行なうことができる。
次いで、浮体8からワイヤ9を介して吊下げた吸引ヘッド1を、ウインチ10を駆動させてワイヤ9を繰出して下方移動させ、吸引ヘッド1を吊った状態(ワイヤ9に張力が生じている状態)で水底の土砂表面に接地させる。この状態で、吸引手段7による吸引力によって、吸引口3(多数の貫通孔3a)から土砂Gを含む流体を吸引する。
この際に、流速測定手段14による土砂Gを含む流体の流速Vの測定データに基づいて、ウインチ10の駆動を制御して吸引ヘッド1を上下位置を調整して流速Vを限界流速VM以上にする。これにより、輸送管6の内部を土砂Gで閉塞させることなく安定した吸引を行なうことができる。
さらに、張力計11による張力の測定データに基づいて、ウインチ10の駆動を制御することにより吸引ヘッド1の上下位置を調整して、浚渫土砂量Sが最大量SXになる(近づく)ようにする。具体的には、得られる浚渫土砂量Sが設定した範囲内になるように浚渫を行なう。
例えば、張力計11によるワイヤ9の張力の測定データに基づいて算出される吸引ヘッド1の接地圧Pが、図8に示した予め把握した最大量SXとなる接地圧PXの0.9倍〜1.1倍の範囲になるように、吸引ヘッド1の上下位置を調整する。これにより、最大量SXに近い浚渫土砂量Sを得ることができる。或いは、張力計11によるワイヤ9の張力の測定データに基づいて算出される吸引ヘッド1の接地圧Pが、図8に示した予め把握した最大量SXの80%以上が得られる接地圧Pになるように、吸引ヘッド1の上下位置を調整する。浚渫する土砂Gの性状によって、接地圧Pと浚渫土砂量Sとの関係を示す曲線の形状(ピークの形状)が異なるので、土砂Gの性状に応じて、得ようとする浚渫土砂量Sの所定範囲を設定する。
水底の土砂Gを吸引することにより、吸引口3に対向する水底の土砂表面の位置は下方移動するが、流速測定手段14による流速Vの測定データおよび張力計11による張力の測定データに基づいて、流速Vが限界流速VM以上で、かつ、浚渫土砂量Sが最大(所定範囲)になるように逐次、吸引ヘッド1の上下方向移動を制御する。
このように流体の流速Vが限界流速VM以上で、かつ、張力計11による測定データに基づいて算出される吸引ヘッド1の接地圧Pが、特定接地圧PXに近づくようにすることで、輸送管6の内部を浚渫する土砂Gで閉塞させない範囲で浚渫土砂量Sを最大にすることが可能になる。
上下移動させる吸引ヘッド1の深度は、深度計12により確認することができる。吸引が行なえなくなった時点、或いは、深度計12により測定された深度が、設定した深度に到達した時点で、その位置での浚渫を終了する。
吸引ヘッド1の上下位置の調整は、制御装置13によるウインチ10の駆動の制御によって行なうだけでなく、オペレータが手動操作でウインチ10の駆動をコントロールすることによって行なうことができる。この際には、吸引ヘッド1の接地圧P、輸送管6内部の流速Vをモニターにリアルタイムで表示するとともに、限界流速VMの情報および接地圧Pと浚渫土砂量Sとの関係の情報をモニターに表示する。オペレータはモニターの表示を見て、接地圧Pを特定接地圧PXに近づけるようにウインチ10の駆動を操作する。
本発明は、既述したように壷掘りの浚渫を行なうので、吸引ヘッド1を水平移動させるための大掛かりな機構、装置が不要となり小型化が可能になる。そのため、必要機材を、例えばヘリコプターで搬送することができ、ダム湖などの現場に適用することが容易になる。
1 吸引ヘッド
2 ケーシング
2a 上ケーシング
2b 下ケーシング
3 吸引口
3a 貫通孔
4 溝
5 水分供給パイプ
6 輸送管
7 吸引手段
8 浮体
9 ワイヤ
10 ウインチ
11 張力計
12 深度計
13 制御装置
14 流速測定手段
G 土砂

Claims (2)

  1. ケーシングの底面を、中央部が下方に突出する形状にした吸引ヘッドに、吸引手段を備えた輸送管を接続し、この吸引ヘッドを、ウインチによって繰出しおよび巻取りが行なわれるワイヤを介して浮体から吊下げて、前記ウインチの駆動により吸引ヘッドの上下位置を調整しつつ、前記ケーシングの底面の中央部に設けた多孔状の吸引口から水底の土砂を含む流体を吸引して壷掘りの浚渫を行なうに際して、前記吸引口から吸引した土砂を含む流体の流速を流速測定手段により測定するとともに、前記吸引ヘッドの接地圧を接地圧測定手段により測定し、浚渫対象の水底の土砂について前記接地圧と浚渫土砂量との関係、限界流速を予め把握しておき、この把握した接地圧と浚渫土砂量との関係および限界流速と、前記流速測定手段および接地圧測定手段による測定データとに基づいて前記吸引ヘッドの上下位置を調整することにより、前記輸送管内の流速を限界流速以上にするとともに浚渫土砂量を調整して浚渫を行なう浚渫方法。
  2. 前記接地圧測定手段として、前記ワイヤの張力を測定する張力計と、この張力計による測定データが入力される制御装置とを用いて、前記張力計による測定データに基づいて前記接地圧を測定する請求項1に記載の浚渫方法。
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