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JP5394337B2 - 残留放射性スラッジ液吸引装置 - Google Patents
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この発明は、残留放射性スラッジ液吸引装置、特に、スラッジ貯蔵タンクに残留する、放射性物質により汚染された少量の放射性スラッジ液を別のタンクに移送する際に、被ばくのおそれなく安全かつ確実にスラッジ貯蔵タンク内の放射性スラッジ液を吸引することができる残留放射性スラッジ液吸引装置に関するものである。
原子力発電所の運転に伴って発生するイオン交換樹脂やろ過助材等からなる、放射性物質により汚染された放射性スラッジ(以下、単に、スラッジという。)は、放射能減衰のために一定期間、上澄み水と共にスラッジ貯蔵タンクに貯蔵され、この後、このスラッジ貯蔵タンクから抜き出し、処理工程に移送して処理される。
なお、上澄み水は、次の理由により発生する。スラッジをスラッジ貯蔵タンクに移送する場合、スラッジ単独での移送が不可能なために、水等と混合して、流動性を持ったスラッジ液とする必要がある。このようにして形成されたスラッジ液をスラッジ貯蔵タンクに搬送すると、スラッジが沈降してスラッジ上に上澄み水が発生する。
このようなスラッジ貯蔵タンクには、高い信頼性が要求されるために、定期的に点検を行い、必要に応じて補修を行う必要がある。タンクの点検等を行うためには、スラッジ貯蔵タンクを空にする必要がある。このためには、スラッジ貯蔵タンクに貯蔵されたスラッジを別のタンクに移送する必要があるが、この移送作業は、作業者の放射線による被ばくを最小限に抑えて行うことが不可欠である。
この問題を解決すべく提案された放射性スラッジ移送装置の一例が特許文献1(特許第4356728号公報)に開示されている。以下、この放射性スラッジ移送装置を従来移送装置といい、図面を参照しながら説明する。
図7は、従来移送装置を示す概略構成図である。
図7において、T1は、スラッジ31が貯蔵されたスラッジ貯蔵タンク、T2は、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31が移送される移送タンク、32は、スラッジ31の上澄み水、33は、空気吹き込み装置であり、空気供給源34、空気パイプ35および空気ノズル36からなっている。空気吹き込み装置33は、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31の上澄み水32に空気を吹き込んで、上澄み水32を局部的に攪拌し、これにより流動性を有するスラッジ液37を形成する。
P1は、スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ移送ポンプ、P2は、移送タンクT2内の上澄み水返還ポンプ、38は、スラッジ移送ポンプP1に接続され、移送タンクT2内に至るスラッジ液移送経路、39は、上澄み水返還ポンプP2に接続された上澄み水移送経路、40は、上澄み水移送経路39に接続された上澄み水噴出装置である。上澄み水噴出装置40は、上澄み水移送経路39からの上澄み水32を、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31に向けて上澄み水パイプ41に取り付けられた上澄み水噴出ノズル42から高圧水ジェットとして吹き付ける。
上記空気パイプ35、スラッジ液移送経路38、上澄み水移送経路39および上澄み水パイプ41は、何れも、放射線遮蔽手段44により遮蔽された点検孔43からスラッジ貯蔵タンクT1あるいは移送タンクT2に挿入されている。
45は、スラッジ貯蔵タンクT1に設置された監視カメラであり、スラッジ貯蔵タンクT1内のスラッジ液37の形成状態等を監視する。46は、移送タンクT2内に設置された監視カメラであり、移送タンクT2内の上澄み水32の形成状態等を監視する。47は、制御装置であり、監視カメラ45、46からの映像情報等に基づいて、空気吹き込み装置33、上澄み水噴出装置40、スラッジ液移送経路38および上澄み水移送経路39に取り付けられたバルブB1からB4等を操作して、スラッジ31の移送の一連の作業を制御する。
このように構成されている従来移送装置によれば、以下のようにして、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31が移送タンクT2内に移送される。
先ず、空気吹き込み装置33によって空気をスラッジ貯蔵タンクT1内の上澄み水に吹き込んで上澄み水を局部的に攪拌する。これによって、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31が粉砕され、スラッジ31上に流動性を有するスラッジ液37が形成される。
このようにして、スラッジ液37が形成されたら、このスラッジ液37をスラッジ移送ポンプP1により吸引してスラッジ液移送経路38を通して移送タンクT2に移送する。移送タンクT2内のスラッジ液37は、時間の経過に伴ってスラッジ31と上澄み水32とに分離する。
このようにして、移送タンクT2内に上澄み水32が溜まったら、この上澄み水32を上澄み水返還ポンプP2により吸引して上澄み水移送経路39を通して上澄み水噴出装置40に移送する。上澄み水噴出装置40は、上澄み水32を上澄み水パイプ41を通して上澄み水噴出ノズル42からスラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31に吹き付ける。これによりスラッジ31が粉砕されてスラッジ液37が形成される。
この後、再度、スラッジ液37をスラッジ移送ポンプP1により吸引してスラッジ液移送経路38を通して移送タンクT2に移送し、そして、移送タンクT2内の上澄み水32をスラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31に吹き付ける。
以上の操作を繰り返し行うことによって、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31を移送タンクT2に移送することができる。
特許第4356728号公報
上述のように、従来移送装置によれば、以下のような利点がもたらされる。
(1)スラッジ31の移送の一連の作業は、監視カメラ45、46からの映像情報等に基づいて、制御装置47が遠隔操作により行うので、作業者の放射線による被ばくを最小限に抑えることができる。
(2)高圧水ジェットによりスラッジ31を粉砕する場合には、スラッジ31を確実に粉砕することができる。なお、スラッジ31の最初の粉砕は、空気の吹き付けにより行う。
(3)スラッジ31の粉砕に用いる高圧水として、もともとスラッジ貯蔵タンクT1に溜まっていた上澄み水32を使用するので、放射性廃棄物の量が増加することはない。外部からの水を用いると、その分だけ、放射性廃棄物の量が増加する。
しかしながら、従来移送装置は、以下のような問題があった。
従来移送装置によれば、上述のようにして、スラッジ貯蔵タンクT1に貯蔵されたスラッジ31の大部分を移送タンクT2に移送することができるが、スラッジ移送ポンプP1の性能上、どうしてもスラッジ貯蔵タンクT1に少量のスラッジ液37が残留する。
従来、この残留スラッジの移送は、人手により行っていたので、被ばくのおそれがあった。
従って、この発明の目的は、スラッジ移送ポンプの性能上、スラッジ貯蔵タンクに残留する少量のスラッジ液を別のタンクに移送する際に、遠隔操作により被ばくのおそれなく安全かつ確実にスラッジ貯蔵タンクの残留スラッジ液を吸引することができる残留放射性スラッジ液吸引装置を提供することにある。
この発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、下記を特徴とするものである。
[1] 一方のタンク内の残留スラッジ液を他方のタンクに移送する際に、前記残留スラッジ液を吸引するための残留放射性スラッジ液吸引装置であって、吸引装置本体と、前記吸引装置本体に取り付けられた複数個の浮力体と、前記吸引装置本体に取り付けられた、前記残留スラッジ液を吸引する吸引ヘッドと、前記浮力体に取り付けられた空気噴射ノズルと、前記空気噴射ノズルに空気を供給する空気供給源とを備え、前記浮力体は、リング状の空気チューブと、前記空気チューブによって囲まれた空間内に設けられた浮力部材とから構成され、前記吸引装置本体は、前記浮力体の浮力によって、前記残留スラッジ液の液面上に浮上すると共に、前記空気供給源からの空気を前記空気噴射ノズルから噴射させることによって、前記残留スラッジ液の液面上を移動可能であることに特徴を有するものである。
[2] [1]に記載された残留放射性スラッジ液吸引装置において、前記浮力部材は、発泡スチロールからなっていることに特徴を有するものである。
[3] [1]または[2]に記載された残留放射性スラッジ液吸引装置において、前記吸引ヘッドは、上下動可能であることに特徴を有するものである。
[4] [1]から[3]の何れか1つに記載された残留放射性スラッジ液吸引装置において、前記浮力体は、多角形の各頂点に配され、前記吸引ヘッドは、少なくとも3個の前記浮力体によって囲まれていることに特徴を有するものである。
この発明によれば、スラッジ貯蔵タンクに残留する少量のスラッジ液を別のタンクに移送する際に、被ばくのおそれなく安全かつ確実にスラッジ貯蔵タンク内の放射性スラッジ液を吸引することができる。
この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置によりスラッジ貯蔵タンクのスラッジ液を吸引している状態を示す概略図である。 この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置を示す平面図である。 この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置を示す正面図である。 この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置の浮力体を示す断面図である。 この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置によりスラッジ液を吸引している状態を示す正面図である。 この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置の吸引ヘッドをスラッジ貯蔵タンクの底部まで下降させてスラッジ液を吸引している状態を示す正面図である。 従来移送装置を示す概略構成図である。
この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置によりスラッジ貯蔵タンクのスラッジ液を吸引している状態を示す概略図、図2は、この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置を示す平面図、図3は、この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置を示す正面図、図4は、この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置の浮力体を示す断面図である。
図1から図4において、T1は、一方のタンクとしてのスラッジ貯蔵タンクである。スラッジ貯蔵タンクT1内には、スラッジ貯蔵タンクT1から他方のタンクとしての移送タンク(図示せず)に、例えば、上記従来移送装置によりスラッジを移送した後のスラッジ液(L)が少量、残留している。なお、ここで、残留スラッジ液(L)は、スラッジ上の残留上澄み水(図7参照)のみの場合も含まれる。
1は、吸引装置本体、2は、吸引装置本体1に水平に取り付けられた複数個の浮力体である。浮力体2は、この例では、三角形の各頂点に1個づつ配されているが、三角形以外の多角形の各頂点に配しても良い。
浮力体2は、図4に示すように、空気が注入されたリング状のゴムチューブ3と、ゴムチューブ3の上部開口を閉塞する閉塞板4と、ゴムチューブ3と閉塞板4とにより形成された空間(S)内に入れられた発泡スチロール等からなる浮力部材7とからなり、閉塞板4には、空気チューブ6が接続されるプラグ5が取り付けられている。空間(S)には、空気チューブ6を介してスラッジ貯蔵タンクT1外に設置された空気供給源(図示せず)から空気が供給されるようになっている。空間(S)に供給された空気は、ゴムチューブ3と浮力部材7との間の隙間を通って浮力体2の下部から空気バブルとなって放出され、これによって、吸引装置本体1のバランス調整が行えるようになっている。
8は、残留スラッジ液(L)を吸引する吸引ヘッドであり、三角形の頂点に配された3個の浮力体2に囲まれるように吸引装置本体1に取り付けられている。吸引ヘッド8は、スラッジ貯蔵タンクT1内に吊り下げられた吸引ポンプ9に吸引パイプ10を介して接続されている。吸引ポンプ9により吸引された残留スラッジ液(L)は、移送パイプ11を介して上述した移送タンクに移送される。吸引ヘッド8は、吸引高さを調整するために、シリンダ12により吸引装置本体1に対して上下動可能である。シリンダ12は、前記空気供給源から供給される空気により遠隔操作される。シリンダ12によって吸引ヘッド8をこれがスラッジ貯蔵タンクT1の底部に接するまで下降させれば、吸引装置本体1による吸引位置を固定することができる。
13は、浮力体2に取り付けられた空気噴射ノズルである。空気噴射ノズル13は、それぞれ独立して空気チューブ14を介して前記空気供給源に接続されている。吸引装置本体1が浮上した状態で空気噴射ノズル13に空気を供給することによって、吸引装置本体1は、自在に残留スラッジ液(L)上を移動する。例えば、図2に示すように、2個の浮力体2(図中下部)に取り付けられた空気噴射ノズル13に空気を供給して、図中A方向に空気を噴射させると、吸引装置本体1は、図中B方向に前進する。空気噴射ノズル13への空気の供給は、遠隔操作される。
このように構成されている、この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置によれば、以下のようにして、スラッジ貯蔵タンクT1内の残留スラッジ液(L)が吸引され、移送タンク(図示せず)内に移送される。
図1に示すように、吸引ポンプ9をスラッジ貯蔵タンクT1内に吊り下げると共に、この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置を残留スラッジ液(L)の液面上に下ろす。吸引ヘッド8と吸引ポンプ9とは、吸引パイプ10により接続され、吸引ポンプ9と移送タンクとは移送パイプ11により接続されている。
図5に示すように、浮力体2により残留放射性スラッジ液吸引装置が残留スラッジ液(L)の液面上に浮いた状態で吸引ポンプ9を作動させる。これにより、残留スラッジ液(L)が吸引される。吸引された残留スラッジ液(L)は、移送パイプ11を通って移送タンクに移送される。
残留スラッジ液(L)の吸引場所を変える場合には、所望の空気噴射ノズル13から空気を噴射させる。これによって、残留放射性スラッジ液吸引装置は、任意の場所に移動させることができる。残留放射性スラッジ液吸引装置を移動させる必要があるのは、濃度が高く、一箇所のみでの吸引では、全ての残留スラッジ液(L)の吸引が円滑に行えない場合があるからである。
所望の場所に移動させた後は、上述したと同様にして、吸引ポンプ9を作動させて残留スラッジ液(L)を吸引する。
残留スラッジ液(L)の液面が下がった状態で、定位置で残留スラッジ液(L)を吸引する場合には、図6に示すように、シリンダ12を作動させて吸引ヘッド8をこれがスラッジ貯蔵タンクT1の底部に当るまで下降させる。これにより吸引装置本体1の位置が固定されるので、定位置での残留スラッジ液(L)の吸引が可能となる。
以上の操作は、全て、遠隔操作により行われる。
この発明の残留放射性スラッジ液吸引装置によれば、以上のようにして、スラッジ貯蔵タンクT1内の残留スラッジ液(L)が吸引され、移送タンク(図示せず)内に、被ばくのおそれなく安全かつ確実に移送される。
1:吸引装置本体
2:浮力体
3:ゴムチューブ
4:閉塞板
5:プラグ
6:空気チューブ
7:浮力部材
8:吸引ヘッド
9:吸引ポンプ
10:吸引パイプ
11:移送パイプ
12:シリンダ
13:空気噴射ノズル
14:空気チューブ
31:スラッジ
32:上澄み水
33:空気吹き込み装置
34:空気供給源
35:空気パイプ
36:空気ノズル
37:スラッジ液
38:スラッジ液移送経路
39:上澄み水移送経路
40:上澄み水噴出装置
41:上澄み水パイプ
42:上澄み水噴出ノズル
43:点検孔
44:放射線遮蔽手段
45:監視カメラ
46:監視カメラ
47:制御装置

Claims (4)

  1. 一方のタンク内の残留スラッジ液を他方のタンクに移送する際に、前記残留スラッジ液を吸引するための残留放射性スラッジ液吸引装置であって、
    吸引装置本体と、前記吸引装置本体に取り付けられた複数個の浮力体と、前記吸引装置本体に取り付けられた、前記残留スラッジ液を吸引する吸引ヘッドと、前記浮力体に取り付けられた空気噴射ノズルと、前記空気噴射ノズルに空気を供給する空気供給源とを備え、前記浮力体は、リング状の空気チューブと、前記空気チューブによって囲まれた空間内に設けられた浮力部材とから構成され、前記吸引装置本体は、前記浮力体の浮力によって、前記残留スラッジ液の液面上に浮上すると共に、前記空気供給源からの空気を前記空気噴射ノズルから噴射させることによって、前記残留スラッジ液の液面上を移動可能であることを特徴とする残留放射性スラッジ液吸引装置。
  2. 前記浮力部材は、発泡スチロールからなっていることを特徴とする、請求項1に記載の残留放射性スラッジ液吸引装置。
  3. 前記吸引ヘッドは、上下動可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載の残留放射性スラッジ液吸引装置。
  4. 前記浮力体は、多角形の各頂点に配され、前記吸引ヘッドは、少なくとも3個の前記浮力体によって囲まれていることを特徴とする、請求項1から3の何れか1つに記載の残留放射性スラッジ液吸引装置。
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