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JP5397751B2 - カメラおよび画像補正方法 - Google Patents
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Description

本発明は、撮影された画像に対する歪補正機能を有するカメラ、および、画像補正方法に関する。
デジタルカメラ等の撮像装置では、撮影光学系の歪曲収差によって撮像画像に歪み(ディストーション)を生じさせることが知られている。これは画像の中心付近と周辺部での結像倍率が異なることに起因するものであり、撮影光学系において、望遠位置による撮影では糸巻き型のディストーション、広角位置での撮影では樽型のディストーションが生じるものである。一方、デジタルカメラにおいては、画像をデジタルデータとして取得する特性を有しており、この画像データに対して画像処理(デジタル処理)を施すことでディストーションを補正する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1を参照)。これによりユーザはディストーションの軽減された撮影画像を得ることできるようになっている。
特開2008−99184号公報
しかしながら、上記のようにディストーションが補正されたとしても、これは平面的な被写体が歪みなく撮影できるというものであって、立体的な被写体を考えると依然として歪みが残存している。例えば、観光地などで記念写真や集合写真を撮影するような場合には、背景をできるだけ広く写し込みたいので撮影光学系に広角レンズが用いられることが多い。ところが、このようなとき広角で撮影するほど、図7に示すように、撮影画像200の周辺部に写り込む人物の像201が横に引き伸ばされ、太って写ってしまうという、いわゆる「パースペクティブディストーション」や「広角歪」と称される画像の歪みが発生する問題があり、このような歪みのない高品位な撮影画像を得ることが課題になっている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、撮影画像に生じる歪曲を高精度に低減することが可能な構成のカメラ、および画像補正方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係るカメラは、撮影光学系により画像を形成するカメラにおいて、撮影光学系の焦点距離と、撮影光学系への被写体からの光線の入射角とに基づいて、画像の歪曲を補正する際に、入射角に応じて歪曲補正量を変更する処理部を備え、処理部は、歪曲補正量を変更するための補正パターンを有し、補正パターンは、被写体から撮影光学系への入射角をθとし、撮影光学系の焦点距離をfとし、画像の中心から、画像の中心を通って互いに直交する画像の長辺方向および短辺方向のうちの少なくとも1方向に沿った像高をxとし、射影方式の変換係数をuとしたとき、式x=f(u+1)・sinθ/(u+cosθ)及び0.3<u<0.7の条件を満足する射影方式に従って歪曲補正量を変更する
述の発明において、処理部は更に、撮像光学系による画像の像高をyとしたとき、式y=f・tanθの条件を満足する射影方式に従って歪曲補正量を変更するもう一つの補正パターンを有することが好ましい。
さらに、上述の発明において、1方向が画像の長辺方向である構成が好ましい。
なお、上述の発明において、被写体中の顔を検出する顔検出部を更に備え、顔検出部により被写体の画像に顔が検出されたときに、処理部は、歪曲補正量を変更することが好ましい。
また、上述の発明において、被写体中の顔を検出する顔検出部を更に備え、顔検出部により被写体の画像の少なくとも周辺部に顔が検出されたときに、処理部は、歪曲補正量を変更するように構成してもよい。
また、上述の発明において、被写体に人を想定した人撮影モードを備え、人撮影モード適用時に、処理部は、歪曲補正量を変更する構成も好ましい。
また、上述の発明において、被写体に人を想定した人撮影モードと、被写体中の顔を検出する顔検出部とを備え、人撮影モードを適用し、顔検出部により被写体の画像の少なくとも周辺部に顔が検出されたときに、処理部は、歪曲補正量を変更する構成も好ましい。
また、本発明に係る画像補正方法は、撮影光学系により画像を形成する画像取得ステップと、撮影光学系の焦点距離と撮影光学系への被写体からの光線の入射角とに基づいて、画像の歪曲を補正する際に、入射角に応じて歪曲補正量を変更する補正量変更ステップとを有し、補正量変更ステップは、被写体から撮影光学系への入射角をθとし、撮影光学系の焦点距離をfとし、画像の中心から、画像の中心を通って互いに直交する画像の長辺方向および短辺方向のうちの少なくとも1方向に沿った像高をxとし、射影方式の変換係数をuとしたとき、式x=f(u+1)・sinθ/(u+cosθ)及び0.3<u<0.7の条件を満足する射影方式に従って歪曲補正量を変更する。
本発明によれば、歪曲が高精度に低減された均一な画像を得ることが可能な構成のカメラおよび画像補正方法を実現することができる。
本発明の一実施形態に係るカメラの外観を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。 本実施形態のカメラの構成を示すブロック図である。 画面周辺に写り込んだ被写体像の広角歪を説明するための模式図である。 本実施形態のカメラにおいて画像変換処理に適用される射影方式を説明するための模式図である。 本実施形態のカメラの動作を示すフローチャートである。 受光面上の座標系を示す模式図である。 従来のカメラで撮影した画像における広角歪を表す図である。
以下、図面を参照して本願の好ましい実施形態について説明する。本実施形態に係るデジタルカメラ1の外観図を図1に示しており、まず、この図面を参照しながらデジタルカメラ1の全体構成について説明する。
デジタルカメラ1は、略直方体形状をなすカメラ本体2の前面に、レンズ鏡筒4内に設けられた撮像レンズ3や、撮影光量が不足している場合(被写体が暗い場合)に補助光を発光するストロボ発光部5などを備えている。
カメラ本体2の上面には、レリーズボタン6、電源ボタン7、モードダイヤル8などが設けられている。レリーズボタン6は、半押し段階、全押し段階の2段階を検出可能なボタンであり、レリーズボタン6が半押し操作されると、自動露出調節(AE)や自動焦点調節(AF)などの撮影準備動作が行われ、レリーズボタン6が全押し操作されたときに、被写体の画像が記録される。電源ボタン7は、長押し操作されることでデジタルカメラ1の電源をON/OFFに切り換える。
モードダイヤル8は、回転操作によりデジタルカメラ1の動作モードを切り換えるようになっており、表示モード、設定モード、撮影モードの選択等、カメラの機能を変更することができるダイヤルである。デジタルカメラ1は撮影モードとして、ポートレートモード(人撮影モード)、遠景モード、夜景モード、スポーツモードなどを有しており、選択された撮影モードに応じて自動的に撮影条件を調節して、それぞれの撮影シーンに適した撮影を行うことができるようになっている。例えば、ポートレートモードは人物を主要被写体とする撮影モードであり、遠景モードは風景を被写体とする撮影モードである。
カメラ本体2の背面には、十字キー9、決定ボタン10、ズームボタン11、液晶モニタ12、光学式ファインダ13などが備えられている。十字キー9は、液晶モニタ12上に表示される各種メニューや画像等を選択する際に操作される。決定ボタン10は、十字キー9で選択された項目等を決定する際に操作されるボタンである。ズームボタン11は、撮影時に記録する画像を光学的、電子的に拡大、縮小するために操作されるボタンである。液晶モニタ12は、撮影時に被写体を動画像表示したり、撮影記録した画像や各種メニュー画面などを表示する液晶ディスプレイ(LCD)である。光学式ファインダ13は、被写界を光学的に確認するためのものである。
図2は、本実施形態に係るデジタルカメラ1の機能を示すブロック図である。デジタルカメラ1は、図2に示すように、撮像レンズ3、モータドライバ24、撮像素子25、画像処理部27、メモリカードスロットル31、操作部32、表示部33、液晶モニタ12、CPU40、顔検出部41、内部メモリ42、歪補正部44、およびデータバス50などを有している。なお、画像処理部27、メモリカードスロットル31、操作部32、表示部33、CPU40、および内部メモリ42は、データバス50を介して接続されている。また、当然ながらデジタルカメラ1には、他にもカメラの機能を実現するための回路部が備えられているが、その説明については省略する。
撮像レンズ3は、ズームレンズ21、フォーカスレンズ22、絞り23等で構成されており、被写体像を撮像素子25の受光面26上に結像させるための撮影光学系である。ズームレンズ21およびフォーカスレンズ22は、撮像レンズ3の光軸に沿って、広角側または望遠側の方向に移動自在に設けられている。ズームレンズ21は、撮像素子25に結像する光学像を拡大・縮小する(撮像倍率を変化させる)ために、ズームボタン11の押圧操作に応じてモータにて移動されるレンズである。フォーカスレンズ22は、ピントを調節するために、ズームボタン11の押圧操作やズームレンズ21の移動、レリーズボタン6の半押し操作に応じてモータにて移動されるレンズである。絞り23は、レリーズボタン6の半押し操作に応じて絞り開口面積を変化させて、撮像素子25に入射する被写界の光量を調節する。モータドライバ24は、CPU40の指令により各モータを駆動し、ズームレンズ21、フォーカスレンズ22を所定の位置に移動させるとともに、絞り23の開閉状態を制御する。
撮像素子25は、撮像レンズ3の背後に設けられており、撮像レンズ3によって受光面26に結像した被写体の光学像を電気信号に光電変換し、アナログの撮像信号を出力するCCDやCMOS等により構成される固体撮像素子である。受光面26は、横方向の長辺および縦方向の短辺を有する長方形状に形成されている。
画像処理部27は、撮像素子25から出力されたアナログの電気信号に対して、ノイズの除去やアナログ/デジタル変換してデジタル信号を生成する。また、画像処理部27は、デジタル変換されたデジタル信号に対して補間処理等を施して、液晶モニタ12に表示する表示用画像データや、記録用画像データ等を生成する。メモリカードスロットル31は、デジタルカメラ1に着脱自在に装着されるメモリカード(記憶媒体)内に撮影画像等のデータを書き込んだり、メモリカード内のデータを消去したりするためのスロットルである。
操作部32は、レリーズボタン6、電源ボタン7、モードダイヤル8、十字キー9、決定ボタン10、ズームボタン11などを有しており、レリーズボタン6の半押し操作、全押し操作等を検出する。表示部33は、CPU40の指令により画面データを生成し、デジタルカメラ1の背面側に設けられた液晶モニタ12にこの画像データを表示させる。
CPU40は、デジタルカメラ1で実行される種々の機能を実現するための制御プログラムを処理する回路である。CPU40は、CPU内メモリ、内部メモリ42に記憶された制御用プログラム読み出し、これを実行することで、デジタルカメラ1内の各部を統括的に制御する。
顔検出部41は、撮像素子25で撮像した画像データに対して、人物の特徴量を解析する人物抽出を行って、被写体の顔エリア等を検出する。顔検出部41は、例えば、人物の瞳(眼)抽出や、顔の輪郭抽出を実施することにより、撮影画像における人物の顔の大きさおよび位置を特定する。顔検出部41によって画像データに対して顔が認識されると、CPU40により撮像レンズ3の焦点を顔エリアに合わせる焦点調節制御や、顔エリアの露出を適正露出にする露出制御などが行われる。
内部メモリ42は、例えば、CPU40に各種処理を実行させるための制御用プログラム(ファームウェア)等を格納したROMや、撮像素子25により撮像された画像データ等の各種データを記憶するRAMなどから構成されている。内部メモリ42は、被写体の顔エリアを検出するために実行される顔検出プログラムを記憶しており、また、顔認識処理により得られた顔位置、顔の大きさ等の被写体の顔情報を記憶することができる。さらに、内部メモリ42のROMには、撮像された画像に対する歪曲の補正に用いられる歪補正テーブル43が格納されている。
歪補正テーブル43には、後述の歪補正部44によって、撮影した画像のディストーション補正をするときに読み出される歪曲補正関数の係数等が格納されている。
歪補正部44は、撮像レンズ3の歪曲収差によって生じるディストーションを補正するため、撮影した画像データに対して所定の歪曲補正関数を用いて画像変換処理を行う。例えば、歪曲補正関数dis(r)は多項式として、
dis(r)=A+A×r+A×r+A×r+・・・+A×r …(1)
で表すことができる。なお、rは画像変換処理前における画像の中心からの像高であり、A(A,A,A,A・・・)は各次数項での多項式係数(歪曲収差係数)であって歪補正テーブル43に格納されている。なお、これに限定されるものではなく、撮像レンズ3の歪曲収差データを撮像された画像の位置(画素位置)ごとにデータテーブル化して歪補正テーブル43に格納し、これを歪補正部44によって読み出して、撮影した画像データに対して画像変換処理(ディストーション補正)を行うように構成してもよい。
ところで、このように構成されるデジタルカメラ1において、通常、撮像レンズ3の射影方式は、撮像素子25の受光面26上での像高をr、撮像レンズ3の焦点距離をf、被写体からの入射角(半画角)をθとすると、
r=f×tanθ …(2)
に従う射影方式が用いられている。
このとき一般に、式(2)に従う射影方式により撮像された画像には、画像フレームの中心付近と周辺部とでの結像倍率の違いによる撮像レンズ3の歪曲収差によって、いわゆる糸巻型もしくは樽型のディストーションが生じる(特に、レンズの広角端では樽型のディストーションが発生し易い)。このようなディストーションを補正するには、前述したように歪補正部44により、撮影した画像データに対して式(1)に示す上述の歪曲補正関数dis(r)を用いて画像変換処理を行うことで、ディストーションが低減された画像を得ることできる。
しかしながら、これは平面的な被写体が歪みなく撮影できるというものであって、このようなディストーションとは別に立体的な被写体を考えた場合、画像フレーム周辺の被写体の像が引き伸ばされたような歪み(これは一般に、「パースペクティブディストーション」、もしくは「広角歪」と称されており、以下の説明では「広角歪」と称する)が生じるという問題を有している。
ここで、図3は画面周辺に写り込んだ被写体像の広角歪を説明するための模式図であり、この図を用いて広角歪が生じる様子を説明する。立体的な被写体として人物を想定した場合、人物の頭部は概ね球形状、胴体部は概ね円筒形状と考えることができ、図3に示すように、人物をデジタルカメラ1の正面側でほぼ横一列に整列させて撮影を行うと、周辺に写った人物は入射角をθとして、1/cosθだけ横に引き伸ばされて写ってしまう。
これは、撮像レンズ3のほぼ正面に位置する人物60aに対しては、この人物(球体もしくは円筒体で想定したもの)60aの直径となる線分P1P2および撮像レンズ中心P0により形成される三角形P0P1P2と、受光面26上に結像された線分P1P2の像P1′P2′および撮像レンズ中心P0により形成される三角形P0P1′P2′は相似形であるため、この人物60aの像は受光面26上に理想的な像として結像される。一方、周辺に位置する人物60bに対しては、この人物(球体もしくは円筒体で想定したもの)60bの直径となる線分P3P4および撮像レンズP0により形成される三角形P0P3P4と、受光面26上に結像された線分P3P4の像P3′P5および撮像レンズ中心P0により形成される三角形P0P3′P5′とは相似形とはならず、線分P3P4は、理想的に縮尺された線分P3′P4′よりも引き伸ばされた線分P3′P5′となって受光面26上に結像される。これが、図3に示すように、画面周辺に位置する人物の像が横に引き伸ばされて太って写ってしまう原因である。
このため、このような立体的な被写体像に対して広角歪を低減するためには、立体的(球状)な被写体に対して撮像素子25の受光面26上に結像される水平方向(横方向)と垂直方向(縦方向)の像の大きさが一致するような射影方式を選択すればよいことになる。そこで、本実施形態のデジタルカメラ1では、歪補正部44が、歪曲収差によるディストーション補正の他に、撮像素子25により撮像された画像データに対して次述の他の射影方式の画像に変換する画像変換処理を行うように構成されている。
図4は、歪補正部44によって画像変換処理を行うために本実施形態に適用される射影方式を説明するための模式図である。ここで、被写体(物界)を点Pを中心とした球61として表し、被写体像(像界)をこの球と接する平面62で表し、球61の中心Pと平面62(上の接点)との距離(すなわち球61の半径)を焦点距離fとして表したとき、式(2)に示す通常のレンズの射影方式(r=f・tanθ)は、点Pから平面62に至る直線L1で表すことができる。なお、図4においては、図示のようにXYZ直交座標系を設定しており、Y軸が紙面に対して直行する方向に設定され、X軸がY軸とともに平面に平行になるように設定され、Z軸が平面に対して直交する方向に設定されている。
一方、画像変換のための本射影方式は、任意の変数uを用いて、点PからZ軸に沿って距離f・uだけ離れた点Sから平面62(XY平面)に至る直線L2で表すことができ、この直線L2と平面62との交点の高さxが像界における被写体の像高となる。すなわち、Z軸と直線L2との角度をδとして、この射影方式を式化すると、
x=f(u+1)×tanδ …(3)
で表わされる。このとき、図4から、
tanδ=sinθ/(u+cosθ) …(4)
であることから、これを式(3)に代入してδを消去すると、結局xは、
x=f(u+1)・sinθ/(u+cosθ) …(5)
と表すことができる。
ここで、式(5)において、u=0のときはx=f・tanθとなり通常の射影方式、u=1のときはx=2f・sin(θ/2)となり立体射影方式、u=∞のときはx=f・sinθとなり正射影方式を表すこととなる。このため、uの値を適切に選択して最適な射影方式を導くことによって像高xを調節して、広角歪の低減された画像を得ることが可能になる。なお、以降の説明では、uを射影方式の変換係数と称する。
このとき、歪みのない画像を得る条件は、物界上で直径aの微小な円盤状に表される物体63の像を考えたとき、像界上でのこの像のX軸方向の大きさΔxとY軸方向の大きさΔyとが等しいこと、すなわち、
Δx=Δy …(6)
となることである。このときΔxは、一般に次式(7)で表すことができる。
Δx=a・f(u+1)(cos(θ−δ))
/((u+cosθ)・cosδ) …(7)
また、この式(7)において、三角関数の基本式を利用してδを消去するように変形すると、Δxは、
Δx=a・f(u+1)(u・cosθ+1)/(u+cosθ) …(8)
と変形することができる。
一方、物体63のY軸方向の像の大きさΔyについては、X軸(Y=0)近傍においては平面被写体の水平線(横線)が歪まないという条件から、次式(9)のように表すことができる。
Δy=a・f/cosθ …(9)
したがって、上記の条件式(6)であるΔx=Δyに、式(8)および式(9)を代入することで、次式(10)を得ることができる。
a・f(u+1)(u・cosθ+1)/(u+cosθ)
=a・f/cosθ …(10)
また、過程は省略するが、この式(10)を変形すると、式(10)は次式(11)のように簡素化される。
(cosθ+1)・u+(cosθ)・u−cosθ=0 ・・・(11)
方程式(10)からuについて解を導くと、
u=(−cosθ+(5cosθ+4cosθ)1/2
/(2(cosθ+1)) …(12)
となり、入射角θのみに依存する関数となることがわかる。
このとき式(12)において、θ=0°のときはu=0.5、0°<θ≦45°のときはu=0.46となり、上記条件の下ではこのu値が広角歪補正のための良好な値であることがわかる。なお、θが45°よりも大きい範囲ではuは0.46よりも小さな値となる。また、上述では説明の便宜のため、X軸近傍の画像における歪みを低減する条件を前提として説明したが、当然ながらX軸から離れた位置の画像に対してもuを適切に選択して広角歪を低減することが可能である。
以上のように、本実施形態においてuはθに依存する関数であり、広角歪の低減された均一な画像を得るため、像高xを表す式(5)に対してuが次式(13)の条件を満足することが好ましい。
0.3<u<0.7 …(13)
ここで、uが条件式(13)を満足するとき、式(5)において像高xは、
f・θ<x<f・tanθ …(14)
を満足し、uが条件式(13)内で適切に選択された本射影方式が、等角射影方式(x=f・θ)と、通常のレンズの射影方式(x=f・tanθ)との間の射影方式であることがわかる。
なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(13)の上限値を0.65にすることが好ましい。また、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(13)の下限値を0.35にすることが好ましい。
このように歪補正部44は、式(2)に示す射影方式により撮像された画像に対して、式(5)および(13)を満足するような射影方式の画像に変換する画像変換処理を実施するようになっており、適切に歪曲が低減された画像を簡単に得ることが可能になる。
また、本実施形態においては、撮影条件が、(a)モードダイヤル8により選択される撮影モードが人物を被写体として想定したポートレートモードのとき、(b)顔検出部41により撮像素子25で撮像された画像中に人物の顔が認識されたとき、(c)顔検出部41により画像の周辺部に人物の顔が認識されたとき、等に合致した場合に歪補正部44により画像変換処理を施すようにすることが好ましい。これは撮影される主要な被写体が人物である場合に撮影した画像に対して広角歪を補正することで、上述したような(特に画面周辺の)人物の像が引き伸ばされるという不具合を防止する効果を確実にするためである。
次に、以上のように構成される本実施形態に係るデジタルカメラ1の動作の一例について、図5および図6を追加参照して説明する。図5はデジタルカメラ1の撮影動作を示すフローチャート、図6は撮像素子25の受光面26(画像フレーム)の座標系を説明するための模式図である。
まず、撮影者が電源ボタン7を操作することによりデジタルカメラ1の電源がONとなり、動作モードが撮影モードに設定されると、CPU40は画像処理部27や表示部33などを制御して、液晶モニタ12に被写体の動画像をスルー画として表示させる。撮影者は液晶モニタ12に表示される動画像を確認し撮影構図を決定する。
液晶モニタ12にスルー画が表示されているときに、撮影者がレリーズボタン6を半押し操作して撮影準備を指示すると(ステップS101)、顔検出部41は画像処理部27から入力した画像に基づいて顔認識処理を実行する(ステップS102)。続いて撮影者がレリーズボタン6を全押し操作して撮影を指示すると、CPU40は撮影画像が適正露出となるように露光動作等の撮影処理を行う(ステップS103)。
そして、ステップS104においては、撮影前にモードダイヤル8により選択された撮影モードがポートレートモードであるか否かを判定し、ポートレートモードが選択されている場合には肯定判定されてステップS106に進む。一方、他の撮影モードが選択され否定判定されると、ステップS105に進んで、ステップS102における顔認識処理の結果、撮像された画像内に人物の顔が認識されたか否かを判定する。ここで、判定対象となる顔が認識された場合とは、位置を問わず画像フレーム内のいずれかで顔が認識された場合を意味するが、これに限定されるものではなく、画像フレーム周辺部でのみ顔が認識された場合としてもよい。ステップS102で顔認識がされ人物の顔が検出されている場合にはステップS105において肯定判定されて、ステップS106に進む。
ステップS106において、CPU40は撮像素子25から画像(撮像信号)を取得して画像処理部27に入力して、画像処理部27で前述した画像処理の施された画像データを取得する。次いで、歪補正部44は、撮像素子25の受光面26上の座標系を、受光面中心を基準としてX軸(撮像素子25の長辺(横)方向の軸)とY軸(撮像素子25の短辺(縦)方向の軸)とで表される直交座標系から極座標系に変換する座標変換処理を行う(ステップS107)。この座標変換処理では、受光面26上の任意の点(画素)Qの座標(x,y)を、次式(15)、(16)で表される極座標(r,α)に変換する。
r=(x+y1/2 ・・・(15)
α=atan(y/x) ・・・(16)
そして、歪補正部44は、この極座標(r,α)に座標変換された画像データに対して、撮像レンズ3の歪曲収差に基づくディストーション補正を行う(ステップS108)。ディストーション補正後の極座標(r′,α′)の各値は、上述した式(1)の歪曲補正関数dis(r)を利用して、
r′=r/(1+dist(r)) …(17)
α′=α …(18)
で表すことができる。なお、このディストーション補正では、基準軸X,Yとのなす角度α′は変化せず、補正後の像高r′の大きさのみが修正される。
次いで、この極座標(r′,α′)を再び受光面26に対応したXY座標系の座標(x′,y′)に再変換する(戻す)処理が行われる(ステップS109)。
x′=r′cosα′ …(19)
y′=r′sinα′ …(20)
ここまでが一般のディストーション補正の流れであり、ここからが本実施形態による広角歪補正の流れになる。なお、ここでは説明の便宜上、画像におけるX軸方向(長辺方向)の広角歪補正処理を一例として説明する。
まず、X軸方向に沿った画像中心からの距離(像高)x′に対して撮像レンズ3の焦点距離をfとすると、被写体からの入射角θは、
θ=atan(x/f) …(21)
で表すことができる(ステップS110)。ここで、画像中心からの距離x′については射影方式の変換係数uを用いて上述した条件式(5)に適用すると(ステップS111)、式(5)による射影方式の画像に変換処理した後の座標(x″,y″)は、次式(5)′および(22)で表される(ステップS112)。
x″=f(u+1)・sinθ/(u+cosθ) …(5)′
y″=y′ …(22)
このとき、式(5)′で表される射影方式の変換係数uを上述した条件式(13)の範囲内で適切に選択することで、X軸方向(横方向)に圧縮され広角歪が適切に補正された画像を得ることが可能になる。
一方、画像上で顔が検出されずステップS105で否定判定されると(すなわち、ステップS104およびS105において共に否定判定されると)、ステップS106′に進むこととなる。ここで、ステップS106′〜ステップS109′については、一般のディストーション補正の流れである前述したステップS106〜ステップS109での処理と同様であるので、その重複説明は省略する。
そして、CPU40は画像変換処理された画像データを圧縮処理して、内部メモリ42(RAM)に記録する(ステップS113)。なお、CPU40は撮影により取得されたこの画像を液晶モニタ12に一定時間だけ表示させる。これによりデジタルカメラ1における一連の撮影動作が終了する。
以上、本実施形態のデジタルカメラ1によれば、取得画像を式(5)等に示す射影方式の画像に変換する処理を行うことで広角歪を適切に補正することにより、水平および垂直方向の直線の歪みがなく、且つ、画面周辺の人物の歪みが低減された均一な画像を得ることができる。
なお、本実施形態のデジタルカメラ1では、水平および垂直線の歪みが改善されるものの、斜めに延びる線に対しては多少歪みが発生するおそれがあり、また、壁のタイル等の規則的な尺目を撮影したときには画面周辺での尺目がやや縦長になるおそれが考えられる。このため、本デジタルカメラ1は、主要な被写体を人物として撮影する場合に最も適している。
また、上述の実施例においては、撮像された画像に対してX軸方向(長辺方向)のみの広角歪の補正処理について説明したが、これに限定されるものではなく、Y軸方向(短辺方向)にも条件式(5)および(13)を適用して、Y軸方向、もしくはX,Y軸両方向に対する広角歪の補正を行ってもよい。
さらに、上述の実施形態においては、撮影モードがポートレートモードに選択されているときや、画像中に顔認識されたときに限って、歪補正部44が広角歪補正のための画像変換処理を実行しているが、これに限定されるものではなく、他の撮影モード(例えば、夜景ポートレートモード)が選択された場合に画像変換処理を行うように構成してもよい。
また、上述の実施形態においては、図2において説明の便宜上、顔検出部41および歪補正部44という機能ブロックを設けているが、本実施形態では所定の制御用プログラムに基づいてCPUが各機能を実現するようになっている。
さらに、通常の射影方式により撮像された画像に対して、前述したような所定の射影方式の画像に変換する画像変換処理は、デジタルカメラ1(の歪補正部)による処理に限定されるものではなく、カメラにより撮影取得した画像に対して、例えばCPUを有するコンピュータ(画像処理装置など)により行ってもよく、当然ながら同様の効果を得ることができる。
1 デジタルカメラ(カメラ)
3 撮像レンズ(撮影光学系)
8 モードダイヤル
25 撮像素子
26 受光面
40 CPU(処理部)
41 顔検出部
44 歪補正部(処理部)

Claims (8)

  1. 撮影光学系により画像を形成するカメラにおいて、
    前記撮影光学系の焦点距離と、前記撮影光学系への被写体からの光線の入射角とに基づいて、前記画像の歪曲を補正する際に、前記入射角に応じて歪曲補正量を変更する処理部を備え
    前記処理部は、前記歪曲補正量を変更するための補正パターンを有し、
    前記補正パターンは、前記被写体から前記撮影光学系への入射角をθとし、前記撮影光学系の焦点距離をfとし、前記画像の中心から、前記画像の中心を通って互いに直交する画像の長辺方向および短辺方向のうちの少なくとも1方向に沿った像高をxとし、射影方式の変換係数をuとしたとき、式
    x=f(u+1)・sinθ/(u+cosθ)
    0.3<u<0.7
    の条件を満足する射影方式に従って前記歪曲補正量を変更することを特徴とするカメラ。
  2. 前記処理部は更に、前記撮像光学系による画像の像高をyとしたとき、式
    y=f・tanθ
    の条件を満足する射影方式に従って前記歪曲補正量を変更するもう一つの補正パターンを有することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  3. 前記1方向が前記画像の長辺方向であることを特徴とする請求項1または2に記載のカメラ。
  4. 前記被写体中の顔を検出する顔検出部を更に備え、前記顔検出部により前記被写体の画像に顔が検出されたときに、前記処理部は、前記歪曲補正量を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカメラ。
  5. 前記被写体中の顔を検出する顔検出部を更に備え、前記顔検出部により前記被写体の画像の少なくとも周辺部に顔が検出されたときに、前記処理部は、前記歪曲補正量を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカメラ。
  6. 前記被写体に人を想定した人撮影モードを備え、前記人撮影モード適用時に、前記処理部は、前記歪曲補正量を変更することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のカメラ。
  7. 前記被写体に人を想定した人撮影モードと、前記被写体中の顔を検出する顔検出部とを備え、前記人撮影モードを適用し、前記顔検出部により前記被写体の画像の少なくとも周辺部に顔が検出されたときに、前記処理部は、前記歪曲補正量を変更することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカメラ。
  8. 撮影光学系により画像を形成する画像取得ステップと、
    前記撮影光学系の焦点距離と前記撮影光学系への被写体からの光線の入射角とに基づいて、前記画像の歪曲を補正する際に、前記入射角に応じて歪曲補正量を変更する補正量変更ステップとを有し、
    前記補正量変更ステップは、前記被写体から前記撮影光学系への入射角をθとし、前記撮影光学系の焦点距離をfとし、前記画像の中心から、前記画像の中心を通って互いに直交する画像の長辺方向および短辺方向のうちの少なくとも1方向に沿った像高をxとし、射影方式の変換係数をuとしたとき、式
    x=f(u+1)・sinθ/(u+cosθ)
    0.3<u<0.7
    の条件を満足する射影方式に従って前記歪曲補正量を変更することを特徴とする画像補正方法。
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