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JP5401337B2 - フェルール付き光ファイバの組立方法、フェルール接着作業用治具 - Google Patents
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JP5401337B2 - フェルール付き光ファイバの組立方法、フェルール接着作業用治具 - Google Patents

フェルール付き光ファイバの組立方法、フェルール接着作業用治具 Download PDF

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本発明は、光ファイバ先端にフェルールを接着固定してフェルール付き光ファイバを組み立てるフェルール付き光ファイバの組立方法、この組立方法に好適に使用できるフェルール接着作業用治具に関する。
従来から、光ファイバ心線、光ファイバ素線等の光ファイバ(被覆付き光ファイバ)の先端に組み立てられる単心用の光コネクタのフェルールとしては、光ファイバ先端(例えば光ファイバ先端に口出しした裸光ファイバ)が挿入されるキャピラリ状のものが広く用いられている(例えば特許文献1)。このフェルールの形成材料としては、例えばジルコニア製セラミックス、ガラス等を挙げることができる。
前記フェルールを光ファイバ先端に取り付けるには、該フェルールを貫通する微細孔であるファイバ孔に接着剤を充填しておき、光ファイバ先端を前記ファイバ孔に挿入し、前記接着剤の硬化によって接着固定することが一般的である。
特開平8−201654号公報
ところで、上述のキャピラリ状のフェルールのファイバ孔に光ファイバ先端を挿入して接着固定する作業は、従来から、作業者が手作業で行うことが一般的である。このため、光ファイバ先端をフェルールに挿入した後、接着剤が硬化するまでに、光ファイバに対してフェルールを前後(光ファイバ長手方向に移動)させたり、回してしまい、その結果、フェルールへの光ファイバの挿入長のばらつきや、フェルールのファイバ孔に挿入した光ファイバ先端の裸光ファイバのファイバ孔内面との摺動による傷付きが発生しやすいといった問題があった。
本発明は、前記課題に鑑みて、フェルールに光ファイバを挿入して接着固定する作業において、光ファイバのフェルールへの挿入長を確実に所望の長さとすることができ、しかも、接着剤が硬化するまで、光ファイバが挿入されたフェルールの光ファイバに対する前後動や回転を規制でき、その結果、フェルールに挿入した光ファイバ(裸光ファイバ)の傷付きも防止できるフェルール付き光ファイバの組立方法、フェルール接着作業用治具の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明では以下の構成を提供する。
発明の一つ態様は、光ファイバの先端部をフェルールに貫設されたファイバ孔に挿入して接着固定しフェルール付き光ファイバを組み立てる組立方法であって、光ファイバを把持したファイバホルダを、前記フェルールを保持するためのフェルールホルダが設けられた基台上にてスライド移動させて前記フェルールに向かって前進させることで、前記光ファイバの先端部を前記フェルールの前記ファイバ孔に挿入するとともに、前記光ファイバの先端部が前記フェルールのファイバ孔に挿入された状態で前記基台に設けられたスライド移動規制手段により前記ファイバホルダのスライド移動を規制するファイバ挿入工程と、このファイバ挿入工程の後、前記ファイバホルダのスライド移動を規制した状態を保ったまま前記フェルールの前記ファイバ孔内に充填しておいた接着剤を硬化させ、前記光ファイバ先端にフェルールを接着固定する接着固定工程を具備し、前記基台は、該基台上にて前記ファイバホルダを1直線上にスライド移動可能に案内するためのホルダ案内部と、前記フェルールホルダを脱着自在に取り付け可能なホルダ取付部と、を有し、前記ファイバ挿入工程にて、前記ホルダ取付部に取り付けた前記フェルールホルダに保持した前記フェルールの前記ファイバ孔に前記光ファイバの先端部を挿入することを特徴とするフェルール付き光ファイバの組立方法を提供する。
前記ホルダ取付部は、前記フェルールホルダの代わりにフェルールを取り付けるフェルールホルダとしても機能することを特徴とする方法としてもよい。
記スライド移動規制手段は、前記ファイバホルダと係合し且つ前記ファイバホルダを挟持力を以て保持することにより前記ファイバホルダのスライド移動を規制することを特徴とする方法としてもよい。
記光ファイバが裸光ファイバを被覆材によって覆った構成の被覆光ファイバであり、前記ファイバ挿入工程にて、前記被覆光ファイバの先端に口出ししておいた裸光ファイバを、前記フェルールのファイバ孔の一部であり前記フェルールの先端面に開口する位置決め孔部に挿入し、前記被覆光ファイバの前記被覆材によって覆われた部分である被覆部を、前記位置決め孔部に比べて径大に形成された被覆部収納孔部に挿入し、前記被覆部の先端が、前記位置決め孔部と前記被覆部収納孔部との間の境界部に位置する段差面あるいはテーパ面から後側にずれた位置となるように前記ファイバホルダのスライド移動を規制することを特徴とする方法としてもよい。
記ファイバ挿入工程にて、前記光ファイバの先端部を前記フェルールの前記ファイバ孔に挿入するとともに、前記光ファイバに外挿しておいたチューブの一部を前記ファイバ孔に挿入して、前記ファイバ孔後端の開口部から後側に前記チューブが延出された状態にし、この状態を保ったまま前記接着固定工程を行うことを特徴とする方法としてもよい。
前記フェルールホルダとして、前記ホルダ取付部に取り付けたときの前記フェルールの保持位置が、前記基台上にて前記ファイバホルダをスライド移動させる方向である前後方向において互いに異なるものを選択使用することを特徴とする方法としてもよい。
記フェルールホルダの前記基台に対する固定位置が、前記基台上にて前記ファイバホルダのスライド方向に変更可能であることを特徴とする方法としてもよい。
記接着固定工程の後に、前記フェルールの先端面を前記光ファイバのフェルールに内挿固定された部分とともに一括研磨して、フェルール先端と前記光ファイバの先端を含む連続する研磨面である接合端面を形成する研磨工程を具備することを特徴とする方法としてもよい。
発明の一つ態様は、光ファイバの先端部をフェルールに貫設されたファイバ孔に挿入して接着剤により接着固定する作業に用いられるフェルール接着作業用治具であって、光ファイバを把持したファイバホルダをスライド移動させるための上面を有する基台と、この基台に設けられ前記フェルールを保持するフェルールホルダと、前記ファイバホルダを基台上にてスライド移動させて前記フェルールに向かって前進させることで前記光ファイバの先端部を前記フェルールの前記ファイバ孔に挿入した状態で前記ファイバホルダのスライド移動を規制するためのスライド移動規制手段とを具備し、前記基台は該基台上にて前記ファイバホルダを1直線上にスライド移動可能に案内するためのホルダ案内部と、前記フェルールホルダを脱着自在に取り付け可能なホルダ取付部と、を有することを特徴とするフェルール接着作業用治具を提供する。
前記ホルダ取付部は、前記フェルールホルダの代わりにフェルールを取り付けるフェルールホルダとしても機能することを特徴とする構成としてもよい。
記スライド移動規制手段が、前記ファイバホルダと係合し且つ前記ファイバホルダを挟持力を以て保持する係合保持手段であることを特徴とする構成としてもよい。
前記ホルダ取付部は前記フェルールが取り出し可能に嵌め込まれるフェルール嵌合溝を有し、前記フェルールホルダは前記フェルールを保持するためのフェルール保持部を有するホルダ本体と、このホルダ本体に突設され前記ホルダ取付部の前記フェルール嵌合溝に取り出し可能に嵌め込むことで前記ホルダ取付部に保持される取付用棒状突片とを具備し、前記フェルールホルダを、その前記取付用棒状突片を前記ホルダ取付部の前記フェルール嵌合溝に嵌め込み、前記ホルダ本体が前記ホルダ取付部よりも前記基台前側に配置されるようにして前記ホルダ取付部に取り付けることで、前記フェルールホルダの前記フェルール保持部によって前記ホルダ取付部よりも前記基台前側にて前記フェルールをそのファイバ孔が前記取付用棒状突片の長手方向全長にわたって延在形成された溝あるいは貫通孔であるファイバ案内部と連通する位置に保持可能とされていることを特徴とする構成としてもよい。
本発明によれば、光ファイバを把持したファイバホルダを基台上にてスライド移動させて、基台に設けられたフェルールホルダに保持されたフェルールに向かって前進させ、前記光ファイバの先端部を前記フェルールのファイバ孔に挿入するとともに、ファイバホルダの前記基台上でのスライド移動を規制することで、フェルールのファイバ孔に挿入された光ファイバにフェルールのファイバ孔軸線方向への変位を生じさせることなく、前記フェルールの前記ファイバ孔内に充填しておいた接着剤を硬化させ、前記フェルールに光ファイバを接着固定することができる。
また、光ファイバのフェルールに対する接着固定が完了するまで、フェルールに対する光ファイバのファイバ孔軸線方向への位置ずれや、ファイバ孔軸線回りの回転が防止される結果、フェルールに挿入された光ファイバとフェルールのファイバ孔内面との間の摺動に起因する光ファイバの傷付きを防止することもできる。これにより、光ファイバの傷付きが光損失等の光特性に影響を与えることも防止でき、光ファイバ先端にフェルールを接着固定してなるフェルール付き光ファイバに所望の光特性を安定に確保できる。
本発明に係るフェルール付き光ファイバの組立方法に使用するフェルール接着作業用治具(脱着ホルダを取り付けていない状態)、ファイバホルダを示す斜視図である。 本発明に係るフェルール付き光ファイバの組立方法を説明する図であって、光ファイバを把持したファイバホルダを、フェルール接着作業用治具の基台上にて後側移動限界位置に設置した状態を示す側面図である。 図2のファイバホルダを後側移動限界位置から前側移動限界に移動して、光ファイバのファイバホルダ前側に突出された部分の先端部を、フェルール接着作業用治具の基台突設ホルダに保持したフェルールに挿入するファイバ挿入工程を説明する斜視図である。 図1のファイバホルダの構造を説明する斜視図である。 図1のファイバホルダを後端側から見た構造を示す図である。 図1のファイバホルダの構造を説明する分解斜視図である。 図1のフェルール接着作業用治具に脱着ホルダを取り付けてなる脱着ホルダ付きフェルール接着作業用治具を用いたフェルール付き光ファイバの組立方法を説明する図であって、光ファイバを把持したファイバホルダを基台上にて後側移動限界位置に設置した状態を示す斜視図である。 図7の脱着ホルダを示す斜視図である。 図7のファイバホルダを後側移動限界位置から前側移動限界に移動して、ファイバホルダに把持した光ファイバのファイバホルダ前側に突出された部分の先端部を、脱着ホルダのフェルール保持部に嵌め込んで固定したフェルールに挿入するファイバ挿入工程を説明する斜視図である。 本発明に係るフェルール付き光ファイバの組立方法に使用するフェルールの一例を説明する図であって、(a)はフェルールの構造を示す断面図、(b)は図10(a)のフェルールに光ファイバを挿入した状態を示す断面図、(c)はファイバ挿入工程及び接着固定工程を完了したフェルールの先端面を研磨する研磨工程を完了した状態を示す断面図である。 本発明に係るフェルール付き光ファイバの組立方法を説明する図であって、脱着ホルダを取り付けていないフェルール接着作業用治具の基台突設ホルダにフェルールを保持し、フェルール接着作業用治具の基台上にて後側移動限界位置にファイバホルダを設置した状態を示すモデル図(平面図)である。 図11のファイバホルダを後側移動限界位置から前側移動限界位置に移動して、光ファイバのファイバホルダ前側に突出された部分の先端部を、フェルール接着作業用治具の基台突設ホルダに保持したフェルールに挿入した状態を示すフモデル図(平面図)である。 本発明に係る接着固定工程の一例を説明するモデル図(平面図)である。 フランジ部品を装着した構成のフェルールを用いたファイバ挿入工程の一例を説明する斜視図である。 (a)はフランジ部品を装着した構成のフェルールの一例を説明する断面図、(b)は図15(a)のフェルールに光ファイバを挿入した状態を示す断面図である。 フランジ部品を装着した構成のフェルールにC形のスペーサを外嵌めしたスペーサ付きフェルールを基台突設ホルダに嵌め込んでフェルールのファイバ孔に光ファイバを挿入するファイバ挿入工程の一例を説明する斜視図である。 (a)、(b)は、光ファイバに外挿したチューブをフェルールのファイバ孔に挿入するフェルール付き光ファイバの組立方法を説明する断面図である。 (a)、(b)は、基台の別態様を説明する図である。 基台の別態様を説明する図であり、ファイバホルダを案内するための案内部として、ファイバホルダの断面門形のベース部材の一対の底側延在突部の間に収納される案内用突部が突設された構成の基台を示すモデル図である。 フランジ部品を装着した構成のフェルールの別態様を説明する側面図である。
以下、本発明に係る実施したフェルール付き光ファイバの組立方法、フェルール接着作業用治具について、図面を参照して説明する。
ここで説明するフェルール付き光ファイバの組立方法は、図2に示すように、フェルール接着作業用治具20(以下、単に治具とも言う)の基台21に設けられたフェルールホルダ22(第1フェルールホルダ。以下、基台突設ホルダとも言う)、あるいは図7に示すように前記治具20のフェルールホルダ22に脱着可能に取り付けたフェルールホルダ23(第2フェルールホルダ。以下、脱着ホルダとも言う)にフェルール2を保持し、光ファイバ1を把持したファイバホルダ10を治具20の前記基台21上にてフェルール2に向かってスライド移動(前進)させることで、前記光ファイバ1の前記ファイバホルダ10から突出させた先端部をキャピラリ状の前記フェルール2を貫通するファイバ孔2a(図1、図10(a)等参照)に挿入し(ファイバ挿入工程)、前記ファイバ孔2a内に設けられた接着剤6によって前記フェルール2に接着固定(接着固定工程)した後、光ファイバ1先端に接着固定されたフェルール2の先端面2bを前記光ファイバ1のフェルール2に内挿固定された部分とともに一括研磨して、図10(c)に示すようにフェルール2先端と前記光ファイバ1のフェルール2のファイバ孔2a内に位置する部分の先端とにわたって連続する研磨面である接合端面2dを形成(研磨工程)することで、光ファイバ1先端に接着固定されたフェルール2先端に接合端面2dを有するフェルール付き光ファイバ3(図10(c)参照)を得る(組み立てる)ものである。
なお、図2〜図9、図14、図16、図18(a)、(b)、図19において、上側を上、下側を下として説明する。
前記光ファイバ1は、単心の光ファイバ心線、光ファイバ素線といった、裸光ファイバ1aにその外周を覆う樹脂コーティング層である被覆材1bが形成されたもの(被覆光ファイバ)である。
図1等に示すように、前記フェルール2は、例えばSC形光コネクタ(JIS C 5973に制定されるF04形光コネクタ。SC:Single fiberCoupling optical fiber connector)、MU形光コネクタ(JIS C 5983に制定されるF14形光コネクタ。MU:Miniature-Unit coupling optical fiber connector)といった単心用光コネクタに用いられるキャピラリ状のフェルールである。このフェルール2は、例えばジルコニアセラミックス、ガラス等によって形成される。図10(a)等に示すように、前記ファイバ孔2aは、キャピラリ状のフェルール2の内側を貫通する貫通孔である。フェルール2の外周面は、前記ファイバ孔2aの軸線を中心とする円筒面となっている。
図1、図10(a)等に示すように、フェルール2の軸線方向片端の端面は、該フェルール2への光ファイバ1の挿入固定後の研磨によって、他のフェルールとの突き合わせ用の接合端面2d(図10(c)参照)とされる。この端面を、以下、先端面2bとも言う。また、フェルール2の軸線方向において前記先端面2bの側を先端側、反対側を後側として説明する。
前記フェルール付き光ファイバ3は、光ファイバ1をフェルール2に挿入して接着固定した後、フェルール2の先端面2bを研磨して接合端面2dとしたものである。フェルール先端面2bの研磨による接合端面2dの形成は、フェルール2と該フェルール2に内挿固定されている光ファイバ1とを一括研磨して、フェルール2先端に接合端面2dを形成するとともに、前記光ファイバ1に前記接合端面2dに連続する先端面(研磨面)を形成するものである。この研磨としては、例えばPC研磨(PC:Physical Contact)、APC研磨(APC:Angled Physical Contact)を採用できる。
図10(a)に示すように、前記ファイバ孔2aは、光ファイバ1先端に口出しされた裸光ファイバ1aを位置決めするための微細孔であり前記フェルール2の先端面2bに開口する位置決め孔部2a1と、この位置決め孔部2a1の後側(フェルール2における後側)に該位置決め孔部2a1に比べて径大に形成されフェルール2の後端面2cに開口する被覆部収納孔部2a2と、前記位置決め孔部2a1と被覆部収納孔部2a2との間に前記位置決め孔部2a1から被覆部収納孔部2a2側に行くにしたがって径大となるテーパ状に形成されたテーパ孔部2a3とを有して構成されている。
また、被覆部収納孔部2a2、テーパ孔部2a3は、位置決め孔部2a1の軸線と同軸に形成されている。
図10(b)、(c)に示すように、前記被覆部収納孔部2a2には、光ファイバ1の被覆材1bによって被覆された部分である被覆部が挿入される。また、被覆部収納孔部2a2の後端部は、ファイバ孔2aへの光ファイバ1の挿入を容易にするために後側に行くほど末広がりに拡張されたテーパ状のテーパ状後端開口部2a4とされている。
(ファイバホルダ)
まず、ファイバホルダ10について説明する。
図4等に示すように、前記ファイバホルダ10は、長板状のベース部材11と、このベース板部材11に枢着されて開閉可能に設けられた長板状の板状押さえ部材12とを具備し、光ファイバ1を前記ベース部材11と板状押さえ部材12との間に挟み込むようにして把持できる。
このファイバホルダ10において前記光ファイバ1は、前記ベース部材11の片面(以下、上面11aとも言う)に該ベース部材11の長手方向全長にわたって形成されたファイバ位置決め溝11bに収納した状態で、前記ベース部材11に重ね合わせるように閉じ合わせた板状押さえ部材12によって前記ベース部材11に押さえ込まれるようにして、ファイバホルダ10のベース部材11と板状押さえ部材12との間に把持される。
図4に示すように、前記ファイバ位置決め溝11bは、前記ベース部材11の上面11a(以下、ベース部材上面とも言う)における前記ベース部材11の長手方向に直交する幅方向の中央部に、前記ベース部材11の長手方向に沿って真っ直ぐに形成されている。
図示例のファイバホルダ10においてファイバ位置決め溝11bはV溝であるが、ファイバ位置決め溝11bとしてはベース部材上面11aから窪む溝であればよく、V溝に限定されず、例えば、丸溝(断面半円状の溝)、角溝等も採用可能である。
前記板状押さえ部材12は、ベース部材上面11aの幅方向と一致するベース部材11幅方向の片端に枢着されて、ベース部材11長手方向に延在する回転軸線を以てベース部材11に対して回転可能に取り付けられている。
図4〜図6に示すように、図示例のファイバホルダ10において、前記板状押さえ部材12は、具体的には、ベース部材11に枢着され前記ベース部材11に対して開閉される長板状の主板部13aに、前記ベース部材11に係脱可能に係合して前記主板部13aを前記ベース部材11に対して閉じ合わせた状態を維持するための係合片13bと、前記ファイバ位置決め溝11bに収納された前記光ファイバ1を前記ベース部材11に押さえ込んで前記ベース部材11との間に把持固定するための把持固定部13cとが設けられてなる押さえ部材本体13と、この押さえ部材本体13の前記主板部13aの、前記ベース部材11に閉じ合わせたときに前記ベース部材上面11aに対面配置される合わせ面13dとは反対の上面側に装着された弾性板14とを具備して構成されている。
そして、前記板状押さえ部材12は、前記押さえ部材本体13の主板部13cの長手方向両端に突設されている円柱状の突起である枢着用突起13eを、ベース部材11の幅方向の片側の端部(一側部)の前記ベース部材11長手方向に互いに離隔した2箇所に突設されたブラケット部11cに形成された軸受け凹所11dに軸回り回転自在に挿入することで、前記主板部13cの長手方向及び厚み方向に直交する方向である幅方向の片端(一側部)をベース部材11の一側部に枢着して、枢着用突起13eを回転軸としてベース部材11に対して回転可能、開閉可能に設けられている。
前記枢着用突起13eは、前記押さえ部材本体13の主板部13cの長手方向両端において前記主板部13cの一側部側の端部に突設されている。
なお、板状押さえ部材12をベース部材11の一側部に枢着して、ベース部材11に対してベース部材11長手方向に延在する回転軸線を以て回転可能、開閉可能に取り付けるための構成(枢着部)としては、上述のように押さえ部材本体13の主板部13aの長手方向両端の枢着用突起13eを、ベース部材11の一側部の長手方向両端に設けられたブラケット部11cの軸受け凹所11dに軸回り回転自在に挿入して軸支する構成に限定されない。例えば、前記ベース部材の一側部の長手方向両端に前記ブラケット部11cにかえて、板状押さえ部材を回転自在に軸支するための枢着用突起が突設された突部(枢支用突部)を突出状態に形成し、各枢支用突部の枢着用突起を板状押さえ部材の押さえ部材本体の主板部の一側部の長手方向両端に形成された軸受け凹所に挿入し、各枢支用突部の枢着用突起によって板状押さえ部材(詳細には押さえ部材本体の主板部)を回転自在に軸支した構成や、板状押さえ部材及びベース部材をこれら板状押さえ部材及びベース部材とは別体の棒状の回転軸を介して枢着した構成等も採用可能である。
図1〜図4に示すように、前記押さえ部材本体13(詳細にはその主板部13a)は、その前記ベース部材11の長手方向に沿う方向(長手方向)の寸法が、ベース部材11の長手方向寸法よりも若干短い長板状に形成されている。また、板状押さえ部材12は、前記ベース部材11に対して、押さえ部材本体13(詳細には主板部13a)の長手方向片端をベース部材11の長手方向片端に重ね合わせるようにして閉じられる。
以下、ベース部材11について、その長手方向両端のうち、押さえ部材本体13が重ね合わせられる側の端部を前端、反対側の端部を後端とも言う。また、ファイバホルダ10について、ベース部材11の前端側を前、後端側を後として説明する。
また、板状押さえ部材12についてベース部材11に重ね合わされる側、すなわち押さえ部材本体13における主板部13aの合わせ面13dが形成されている側を接合側、反対側を上面側として説明する。
図1〜図4に示すように、板状押さえ部材12は、その幅方向一側部、すなわち押さえ部材本体13の主板部13aの幅方向において一側部とは反対側の端部(他側部)に突設された係合片13bを、前記ベース部材11の幅方向において前記回転軸13側の一側部とは反対側の端部(他側部)に形成された係止突起11gに係合させることで、ベース部材11に閉じ合わせた状態(以下、閉状態とも言う)を維持できる。
図4〜図6に示すように、前記係合片13bは、前記押さえ部材本体13の主板部13aの他側部から接合側に突出された係合用突片部13b1を有している。そして、前記板状押さえ部材12は、ベース部材11に閉じ合わせたときに、前記ベース部材11の他側部側に配置される前記係合用突片部13b1の前記ベース部材11(詳細にはその他側部)に臨む側に突設されている係合突起13b2が、前記ベース部材11の他側部に突設された前記係止突起11gに係脱可能に係合(係止突起11gの下側に入り込み係止突起11gにその下側から当接)することで、ベース部材11に閉じ合わせた状態(閉状態)を維持できるようになっている。
前記係合片13bは、弾性連結部13fを介して押さえ部材本体13の主板部13aの他側部に支持されている。この係合片13bは、前記主板部13aの他側部に対して、前記弾性連結部13fの弾性変形によって、前記板状押さえ部材12のベース部材11に対する回転軸線に沿う軸線を中心とする若干の回転を許容して支持されており、この回転により、前記係合突起13b2の前記ベース部材11の前記係止突起11gに対する係脱が可能となっている。前記弾性連結部13fは、係合片13bを、主板部13aの他側部に対して若干の回転を許容して支持するヒンジ部、及び係合片13bを前記ベース部材11の他側部に弾性付勢してベース部材11の前記係止突起11gに対する係合突起13b2の係合状態を維持する弾性付勢部として機能する。
図示例の前記係合片13bは、前記弾性連結部13fを介して前記係合用突片部13b1とは反対の側に延出する操作レバー部13b3を有しており、この操作レバー部13b3を作業者が手指で操作することで主板部13aの他側部に対して回転させることができ、前記係合突起13b2の前記ベース部材11の前記係止突起11gに対する係脱操作を簡単に行える。
前記ベース部材11は、該ベース部材11に閉じ合わせた板状押さえ部材12の押さえ部材本体13の主板部13aが重ね合わされる把持板部11eと、この把持板部11eの後側に延出する後側延出部11fとを有している。板状押さえ部材12をベース部材11に閉じ合わせたとき、後側延出部11f上は板状押さえ部材12によって覆われず、露出状態が維持される。
ベース部材11の前記係合突起11gは、ベース部材11の他側部の前記把持板部11eに位置する部分に形成されている。
なお、図示例のベース部材11はプラスチック製の一体成形品であるが、ベース部材11の材質はプラスチックに限定されず金属等であっても良い。また、ベース部材としては、例えば互いに別体の部材からなる把持板部11eと後側延出部11fとを一体化した構成のもの等、複数部材からなる構成も採用可能である。
図示例の前記ベース部材11において、前記係止突起11gは、具体的には、ベース部材11の他側部側の側面(端面)から一側部側に切り込むように窪む切欠状の凹所11hの内面のうち、ベース部材11一側部側に位置する奥面11i(凹所奥面)に突設されている。前記凹所11hは、ベース部材11の他側部の前記把持板部11eに位置する部分に形成されている。
図示例の板状押さえ部材12の押さえ部材本体13はプラスチック製の一体成形品である。
前記板状押さえ部材12の前記押さえ部材本体13の主板部13aの他側部には、板状押さえ部材12をベース部材11に閉じ合わせたときにベース部材11の前記凹所11hに対応する位置に、主板部13aの他側部側の側面(端面)から一側部側に切り込むように窪む切欠状の凹所13hが形成されている。前記係合片13bはプレート状に形成されており、前記凹所13hの、前記押さえ部材本体13長手方向における両側に位置する内側面13iからそれぞれ突出されたロッド状の弾性連結部13fによって、主板部13aの合わせ面13dに垂直の仮想垂直面に沿い、及び主板部13aの長手方向に平行の向きで支持されている。
前記係合片13bは、主板部13aの長手方向に沿う両端が弾性連結部13fによって支持され、凹所13hの両側の内側面13iに突設された弾性連結部13fを介して主板部13aと繋がっている。そして、この係合片13bは、前記弾性連結部13fのねじり方向の弾性変形によって主板部13aの長手方向と平行(板状押さえ部材12のベース部材11に対する回転軸線とも平行)な軸線を以て主板部13aに対して若干の回転が許容されており、この回転によってベース部材11の前記係合突起11gに対して係脱可能となっている。
なお、弾性連結部としては、係合片13bを、主板部の長手方向と平行(換言すれば板状押さえ部材のベース部材に対する回転軸線と平行)な軸線を以て主板部に対して回転可能に支持するヒンジ部、及び係合片13bを前記ベース部材11の他側部に弾性付勢してベース部材11の前記係止突起11gに対する係合突起13b2の係合状態を維持する弾性付勢部として機能する構成であれば良く、その具体的構成には限定は無い。例えば、主板部の他側部と係合片との間に設けられた薄肉部等も採用可能である。
また、本発明に係る板状押さえ部材としては、係合片として弾性変形可能なものを採用し、弾性連結部を省略した構成とすることも可能である。
図4に示すように、板状押さえ部材12の前記押さえ部材本体13の主板部13aの幅方向中央部には、主板部13aの長手方向に沿って延在するスリット13jが形成されている。このスリット13jは、前記押さえ部材本体13の主板部13aの合わせ面13dとは反対の上面側に開口する上面側開口部から前記合わせ面13d側に行くにしたがって主板部13aの長手方向両側に拡張するテーパ状に形成されている。
ファイバホルダ10は、板状押さえ部材12(具体的には主板部13a)をベース部材11に閉じ合わせたときに、スリット13jの前記主板部13aの合わせ面13dに開口する開口部である合わせ面側開口部13mが、前記ベース部材11の位置決め溝11b上に配置されるようになっている。前記スリット13jは、その全長にわたって、ベース部材11の位置決め溝11bの溝幅と一致あるいは略一致する幅寸法に形成され、位置決め溝11bから浮き上がった光ファイバ1が入り込めるようになっており、位置決め溝11b上の光ファイバ1のベース部材11からの浮き上がりを許容する。
また、前記主板部13aの前記スリット13jを介して前記合わせ面13dの長手方向両端には、前記スリット13jの前記主板部13a長手方向に一致する延在方向両端に連通する押さえ側ファイバ溝13nが形成されている。前記スリット13jを介して両側の押さえ側ファイバ溝13nは、それぞれ主板部13a長手方向に沿って延在形成されており、また、その延在方向一端が前記スリット13jの合わせ面側開口部13mに連通し、延在方向他端が前記主板部13aの前端あるいは後端に開口されている。
主板部13aの長手方向両端の押さえ側ファイバ溝13nは、板状押さえ部材12(具体的には主板部13a)をベース部材11に閉じ合わせたときに、前記ベース部材11の位置決め溝11bの長手方向両端部上に配置される。
板状押さえ部材12は、押さえ部材本体13の主板部13aを、ベース部材11に閉じ合わせたときに、主板部13aの長手方向両端部の押さえ側ファイバ溝13nが形成された部分によって、ベース部材11の位置決め溝11b上の光ファイバ1が位置決め溝11bから脱落しないようにベース部材11に押さえ込むことができる。
前記スリット13jは主板部13aの厚みを貫通して形成されている。スリット13jのうち前記上面側開口部の延在方向両端から主板部13aの長手方向両端の前記押さえ側ファイバ溝13nまでの間に位置する部分は、前記押さえ側ファイバ溝13nから前記上面側開口部の側に行くにしたがって前記主板部13aの合わせ面13dからの深さが深くなるように形成されたテーパ溝部13kとされている。
また、主板部13aの押さえ側ファイバ溝13nが形成された部分であるファイバ押さえ部13pは、主板部13aをベース部材11に閉じ合わせたときに、ベース部材11の位置決め溝11b上の光ファイバ1の位置決め溝11bからの脱落を防止し、ベース部材11及び板状押さえ部材12の長手方向への光ファイバ1の移動を許容するものであり、前記光ファイバ1をベース部材11に強く押さえ込んで光ファイバ1をベース部材11に固定するものではない。主板部13aのファイバ押さえ部13pは、主板部13aをベース部材11に閉じ合わせたときに、ベース部材11の位置決め溝11b上の光ファイバ1の位置決め溝11bからの脱落を防止し、かつベース部材11及び板状押さえ部材12の長手方向への光ファイバ1の移動を許容するように、押さえ側ファイバ溝13nの深さが調整されている。
なお、ファイバ押さえ部13pは、主板部13aをベース部材11に閉じ合わせたときに、ベース部材11の位置決め溝11b上の光ファイバ1の位置決め溝11bから浮き上がりを規制する構成、光ファイバ1の位置決め溝11bからの若干の浮き上がりを許容する構成のいずれも採用可能である。
板状押さえ部材12はベース部材11に閉じ合わせたときに、主板部13aの後端部の把持固定部13c(図4参照)によって、ベース部材11の位置決め溝11b上の光ファイバ1をベース部材11に強く押さえ込んで光ファイバ1をベース部材11に固定する。
図4〜図6に示すように、前記把持固定部13cは、主板部13aの幅方向両端から接合側に張り出すように湾曲するアーチ形の湾曲片である。この把持固定部13cの両端の間の中央部は、主板部13aの合わせ面13dよりも接合側に張り出されており、主板部13aをベース部材11に重ね合わせるようにして閉じ合わせたときに、ベース部材11の位置決め溝11b上の光ファイバ1をベース部材11に押さえ込んで固定する。この把持固定部13cは弾性変形可能であり、位置決め溝11b上の光ファイバ1に押し付けられたときに、弾性変形により光ファイバ1に外周面に対する接触面積を増大して、ベース部材11及び板状押さえ部材12の長手方向への光ファイバ1の位置ずれを防止するグリップ力を容易に確保できる。これにより、押さえ部材本体13の主板部13aをベース部材11に重ね合わせるようにして閉じ合わせたときに、ベース部材11及び板状押さえ部材12の長手方向への光ファイバ1の移動を規制できる。
また、図4に示すように、図示例のファイバホルダ10にあっては、板状押さえ部材12の押さえ部材本体13の主板部13aをベース部材11に閉じ合わせたときに、前記把持固定部13cが、ベース部材上面11aの把持板部11e後端に位置する部分に位置決め溝11bを横切るように形成された横断溝11jに入り込んで、前記横断溝11jの平坦な溝底面11kに光ファイバ1を押し付けるようになっており、これにより、板状押さえ部材12の把持固定部13cとベース部材11との間に光ファイバ1をより確実に把持固定できるようになっている。
前記ファイバホルダ10によれば、例えば、図3に示すように、前記治具20の基台21上での該ファイバホルダ10のスライド移動によって、前記治具20のフェルールホルダ22に保持、固定したフェルール2のファイバ孔2aに、前記ファイバホルダ10に把持した光ファイバ1のファイバホルダ10から前側に突出させた部分1c(図1参照。以下、前側突出部、とも言う)の先端部を挿入する作業において、フェルール2の後端面2cへの光ファイバ1先端の突き当てや、ファイバ孔2aへの挿入抵抗などにより、光ファイバ1の前側突出部1cにファイバホルダ10後側への押し込み力が作用したときに、このファイバホルダ10に把持されている光ファイバ1のうち押さえ部材本体13の主板部13aの前後両端のファイバ押さえ部13p間に位置する部分が前記前側突出部1cに作用した押し込み力によってベース部材11からスリット13jに入り込むように浮き上がって撓み部を形成し得る。その結果、前記撓み部の形成に伴い、光ファイバ1の前側突出部1cのファイバホルダ10への押し込みが実現される。
光ファイバ1に形成された撓み部はスリット13jに収納される。
このように、光ファイバ1の前側突出部1cにファイバホルダ10後側への押し込み力が作用したときに、前記前側突出部1cのファイバホルダ10への押し込みが可能な構成であれば、光ファイバ1の前側突出部1cが過度の応力によって折損する等の不都合を防ぐことができる。
また、このファイバホルダ10にあっては、板状押さえ部材12のスリット13jよりも前側のファイバ押さえ部13p(図中、このファイバ押さえ部13pに符号13p1を付記する)のみならず、板状押さえ部材12のスリット13jよりも後側のファイバ押さえ部13p(図中、符号13p2を付記する)も、光ファイバ1をベース部材11及び板状押さえ部材12の長手方向への移動を許容してベース部材11に押さえ込むファイバ可動押え部となっているが、本発明に係るファイバホルダ10としては、例えば板状押さえ部材12のスリット13jよりも後側のファイバ押さえ部として光ファイバ1をベース部材11及び板状押さえ部材12に対して固定する構成を採用しても良い。例えば、スリット13jの後側に、ファイバ押さえ部13pにかえて既述の把持固定部13cを採用した構成等としても良い。
なお、スリット13jよりも前側のファイバ押え部13p1は摩擦抵抗の低い低摩擦に表面加工されていることが好ましい。
図4に示すように、ファイバホルダ10のベース部11には、前記位置決め溝11b内に突出して、ファイバホルダ10に把持された光ファイバ1に前記撓み部が形成されやすくするための撓み形成用突部11wが突設されている。
前記撓み形成用突部11wは、ベース部11の前後方向(長手方向)において、板状押さえ部材12のスリット13jを介して前後のファイバ押さえ部13pと対面する部分(把持板部11eの前後両端部)の間の位置に突設されており、ファイバホルダ10に把持され前記位置決め溝11bによって位置決めされた光ファイバ1の長手方向の一部を局所的に板状押さえ部材12側に僅かに押し上げる。このため、ファイバホルダ10に把持され位置決め溝11bに収納された光ファイバ1の前記撓み形成用突部11wの付近には、位置決め溝11bから僅かに浮き上がった浮き上がり部が形成される。なお、撓み形成用突部11wはベース部材上面11a上に突出しない。
したがって、前記ファイバホルダ10にあっては、光ファイバ1を把持した状態において前記光ファイバ1の該ファイバホルダ10から前側に突出した部分にファイバホルダ10後側への押し込み力が作用したとき、前記光ファイバ1の、板状押さえ部材12のスリット13jを介して前後のファイバ押さえ部13pの間に位置する部分の前記撓み形成用突部11w付近から撓みが形成されやすくなっており、光ファイバ1の撓み形成、それによる光ファイバ1のファイバホルダ10への押し込みが円滑になされる。
また、図1、図6に示すように、前記ファイバホルダ10は、板状押さえ部材12の押さえ部材本体13の主板部13aの上面側に装着された弾性板14の前記主板部13aに固定された固定部14bから延出する細長板状の可動板部14aが前記主板部13aのスリット13jの主板部13a上面側の開口部を覆うように配置されている。そして、このファイバホルダ10にあっては、該ファイバホルダ10に把持した光ファイバ1の前側突出部1cのファイバホルダ10後側への押し込みによって押さえ部材本体13の前後両端のファイバ押さえ部13p間にて光ファイバ1に形成された撓み部がスリット13jを介して前記弾性板14の前記可動板部14aを押し上げる(図3仮想線で示す可動板部14aを参照)ことで、ファイバホルダ10のベース部材11と板状押さえ部材12との間を開放しなくても、該ファイバホルダ10の外側から光ファイバ1に撓み部が形成されたことを簡単に作業者が視認できる。
このため、例えば、ファイバホルダ10に把持した光ファイバ1のファイバホルダ10から前側に突出させた部分の先端部を挿入する作業において、光ファイバ1のファイバホルダ10から前側に突出させた部分に、その先端のフェルール2の後端面2cへの突き当てや、ファイバ孔2aへ挿入する際の過度の挿入抵抗等によってファイバホルダ10への押し込みが生じたことを、可動板部14aの押し上げによって把握した後、直ちに、フェルール2への光ファイバ1の挿入作業を停止することで、光ファイバ1のファイバホルダ10から前側に突出させた部分を無理な曲げ等によって傷めたり折損するといった不都合を回避することも可能となる。
図1、図6に示すように、前記弾性板14は、具体的には、プラスチック製あるいは金属製の1枚の板状部材であり、細長板状の可動板部14aと、この可動板部14aの長手方向片端からその両側(幅方向両側)に張り出すように形成された板状(図示例では四角板状)の固定部14bとによって構成され、前記固定部14bのみを主板部13aに固定して押さえ部材本体13に取り付けられている。前記可動板部14aは前記主板部13aに固定されておらず、前記固定部14bに対する曲げ(撓み)変形により、前記主板部13aから浮き上がり方向に変位可能である。
前記弾性板14の前記可動板部14aは、板状押さえ部材12の押さえ部材本体13の主板部13aの上面側に該主板部13aの長手方向に沿って延在形成された弾性板収納溝13qに挿入して、前記弾性板収納溝13qの溝底面に開口する前記スリット13jの開口部(図6参照)を覆うように配置されている。
また、この弾性板14は、図5、図6に示すように、前記固定部14bの前記可動板部14aから両側(可動板部14aの幅方向両側)に張り出す部分を、前記押さえ部材本体13の主板部13aの前記弾性板収納溝13qの両側(幅方向両側)に位置する側壁部13rの後端部にその後端から切り込むスリット状に形成された弾性板固定部差し込み溝13sに差し込み、前記固定部14bを、弾性板固定部差し込み溝13sの前端(押さえ部材本体13後端から見た奥端)と前記主板部13aの前記弾性板収納溝13qの溝底面を形成する底板部13tの前記側壁部13rから後側へ延長された部分である底板後端部13u上に突設された爪状のストッパ突起13vとの間に嵌め込むようにして配置することで、前記固定部14bのみを主板部13aに固定して押さえ部材本体13に取り付けられている。
弾性板固定部差し込み溝13sは、前記弾性板収納溝13qの平坦な溝底面の延長上に形成されている。このため、弾性板14の固定部14bを弾性板固定部差し込み溝13sに押し込む作業は楽に行うことができる。
弾性板14は、前記固定部14bを前記弾性板固定部差し込み溝13sに押し込み、この固定部14bを、弾性板固定部差し込み溝13sの前端と主板部13aの底板部13tの底板後端部13u上に突設された爪状のストッパ突起13vとの間に嵌め込むようにして配置することで、前記ストッパ突起13vによって押さえ部材本体13から後側への抜け出しが規制され、押さえ部材本体13に対する装着状態が安定に保たれる。
前記可動板部14aは、光ファイバ1の撓み部によって容易に曲げ変形を与えることができる曲げ変形容易な、薄い板状に形成される。図示例の弾性板14はその全体が均一の板厚の板状部材であるが、例えば、固定部14bに比べて可動板部14aの板厚を薄くした構成等も採用可能である。
また、弾性板としては、例えば、細長板状の可動板部14aの長手方向片端の両面あるいは片面に板材を固定した構成の固定部の採用等、複数部材からなる構成としても良い。
図4、図6に示すように、前記弾性板収納溝13qは、主板部13aの長手方向中央部から後側に延在するように形成されており、前記主板部13aに形成されたスリット13jの前記弾性板収納溝13qから前側に延在する部分は弾性板14の可動板部14aによって覆われず、ファイバホルダ10外側からスリット13j内を観察するための観察窓13oとして機能する。
また、前記弾性板14の可動板部14aの固定部14b側端部には、弾性板14を介してスリット13j内をファイバホルダ10外側から観察するための窓孔14cが形成されている。この窓孔14cは、可動板部14aの弾性変形による固定部14bに対する曲げを生じやすく機能も果たす。
なお、ファイバホルダ10に把持した光ファイバ1の前側突出部1cのファイバホルダ10後側への押し込みによって押さえ部材本体13の前後両端のファイバ押さえ部13p間にて光ファイバ1に形成される撓み部は、押さえ部材本体13の前後両端のファイバ押さえ部13p間の中間位置付近を頂点とするように湾曲形成される。このため、弾性板14は、スリット13jの全長を覆うように配置されていなくても、可動板部14aがスリット13jのうち、押さえ部材本体13の前後両端のファイバ押さえ部13p間の中間位置及びその近傍に対応する部分を主板部13a上面側から覆うように配置されていれば、光ファイバ1に形成される撓み部による押し上げを効率良く行える。
(治具)
次に、治具20について説明する。
図1、図2に示すように、前記治具20は、基台21と、この基台21上に突設された一対の弾性片22aの間にフェルール2を把持して所定位置に保持する基台突設ホルダ22(第1フェルールホルダ)と、前記基台21に突設され、前記ファイバホルダ10に形成された係合部15に係脱可能に係合することで前記ファイバホルダ10の前記基台21上でのスライド移動を規制する弾性係合片24とを具備して構成されている。
図示例の治具20は、プレート状の前記基台21に前記基台突設ホルダ22と前記弾性係合片24とを一体に形成してなるプラスチック製の一体成形品である。
なお、前記治具20は、前記プレート状の前記基台21(図示例では後述の基台本体21p)に前記基台突設ホルダ22と前記弾性係合片24とが一体的に設けられた構成であれば良く、基台突設ホルダ22及び弾性係合片24のうちの一方又は両方が基台21に対して別体の部材である構成も採用可能である。
図1に示すように、前記基台21上には、該基台21の上面21a(以下、基台上面とも言う)上をスライド移動するファイバホルダ10を案内するための一対のガイド壁21bが互いに平行に延在形成されている。前記基台21はプレート状の基台本体21pを有し、前記一対のガイド壁21bは、前記基台21(基台本体21p)上の互いに離隔する2箇所に延在形成された突条状になっている。前記基台上面21aは、互いに離隔する一対のガイド壁21bの間に位置する。つまり、基台上面21aは、一対のガイド壁21bの間に位置する、基台本体21pの上面である。
前記ファイバホルダ10の前記ベース部材11は、その幅寸法が、治具20の基台21上の一対のガイド壁21b間の距離に揃えられており、一対のガイド壁21b間に挿入して一対のガイド壁21b間の前記基台上面21a上に載置できる。そして、前記ファイバホルダ10は、ベース部材11と板状押さえ部材12との間に光ファイバ1を把持した状態で、前記ベース部材11を前記基台上面21a上に載置するようにして一対のガイド壁21bの間に挿入して、前記基台21上にて一対のガイド壁21bの延在方向と一致する1直線(仮想直線)上にスライド移動させることができる。前記一対のガイド壁21bは、前記ファイバホルダ10を基台21上にて1直線上にスライド移動可能に案内するためのホルダ案内部として機能する。
図示例の治具20の前記基台21の一対のガイド壁21bの前記基台上面21aからの突出寸法は、ファイバホルダ10のベース部材11の厚み寸法よりも小さい。光ファイバ1を把持した前記ファイバホルダ10を治具20の基台21の一対のガイド壁21bの間に挿入して基台21(基台上面21a)上に設置したとき、前記ファイバホルダ10は、前記ベース部材11(さらに詳細には、後述の底側延在突部11s)のみがガイド壁21bに当接した状態で、一対のガイド壁21bに案内されて治具20の前後方向にスライド移動する。
なお、治具20について、一対のガイド壁21bの延在方向を、以下、前後方向とも言う。また、前記基台突設ホルダ22は、治具20の前後方向の片側の端部に設けられており、治具20について、前記基台突設ホルダ22が設けられている側を前、反対側を後、として説明する。治具20について、さらに言えば、図2において右側が前、左側が後である。
前記ガイド壁21bは、基台21の幅方向(基台上面21aの前後方向に直交する方向に一致)の両端に突設されている。
前記基台突設ホルダ22(弾性片22a)は治具20の基台21の前端部(基台本体21pの前端部)に突設されている。
ファイバホルダ10は、ベース部材11に板状押さえ部材12を閉じ合わせた状態で、その前後方向を治具20(基台21)の前後方向に揃えて治具20の基台21の一対のガイド壁21bの間に挿入することで基台21(基台上面21a)上に設置でき、基台21(基台上面21a)上にて、一対のガイド壁21bによって案内されながら基台21に対して前後方向にスライド移動、すなわち基台突設ホルダ22に対して進退動させることができる。
図1、図2に示すように、前記治具20とファイバホルダ10とを用いてフェルール2のファイバ孔2aに光ファイバ1を挿入する作業においては、光ファイバ1を把持したファイバホルダ10を、その後端が前端を介して治具20の基台突設ホルダ22とは反対の側に位置するようにして前後方向を治具20(基台21)の前後方向に揃えて治具20の基台21の一対のガイド壁21bの間に挿入して、基台21(基台上面21a)上に設置する。
図1、図2、図7等に示すように、図示例のファイバホルダ10は、治具20の基台21の一対のガイド壁21bの間に挿入して基台21(基台上面21a)上を前後方向(前方向あるいは後方向)にスライド移動させるとき、ベース部材11の前記ベース部材上面11aとは反対の底面側にベース部材11の幅方向両側に張り出すように突設され該ベース部材11の前端から後端に向かってベース部材11の長手方向に沿って延在する突条状の当接突部11mが治具20のガイド壁21bに当接(摺接)して一対のガイド壁21bによって案内されるようになっている。
図4、図5に示すように、ファイバホルダ10のベース部材11の把持板部11eは、細長板状のベース主板部11rの片面側の幅方向両端に、該ベース主板部11rの長手方向に沿ってベース主板部11rの全長(把持板部11eの全長)にわたって延在する突条状の底側延在突部11sが突設された断面概略門形に形成されている。当接突部11mは前記底側延在突部11sの一部である(後述)。
ベース部材11の後側延出部11fは、前記把持板部11eのベース主板部11rを把持板部11eから後側に延長するようにして把持板部11eから突出する板状片となっている。この後側延出部11fには、前記底側延在突部11sは形成されていない。
ベース部材上面11aは、ベース主板部11rの前記底側延在突部11sが突設されている側(底面側)とは反対側の面(以下、主板部上面とも言う)と、板状の前記後側延出部11fの片面であり前記ベース主板部11rの主板部上面の延長上に位置する面(後側延出部上面)とによって構成されている。前記底側延在突部11sは、ベース部材11の把持板部11eの長手方向全長にわたってその底面側に互いに平行に延在形成されている。
把持板部11eのうち、前記当接突部11mが幅方向両側に突設されている部分を、以下、前側板部11nとも言う。ベース主板部11rの前記前側板部11nに位置する部分(以下、前側主板部11pとも言う)は、該ベース主板部11rの前記前側主板部11pから後側に位置する部分である後側主板部11qに比べて幅狭の細長板状に形成されている。
一対の前記底側延在突部11sは、ベース部材11の長手方向(位置決め溝11bの延在方向と一致)に沿ってベース主板部11rに真っ直ぐに形成されている。前記把持板部11eのうち前記前側板部11nから後側の部分である後側板部11oにあっては、前記後側主板部11qの底面側の幅方向両端に突設されている一対の前記底側延在突部11sの互いに対面する内面側とは反対側に位置する外面が前記後側主板部11qの幅方向両側の側面と面一に形成されている。
また、一対の底側延在突部11sの前記前側板部11nに延在する部分は前側主板部11pの底面側の幅方向両端から該前側主板部11pの幅方向両側に張り出すように突設されている。前記前側板部11nの当接突部11mは、前記底側延在突部11sのうち前側板部11nに位置する部分であり、前記底側延在突部11sの一部である。
図2〜図4等に示すように、ベース部材11の前記凹所11h及び係合突起11gは前記前側板部11nに形成されている。前記ファイバホルダ10において、前記係合突起11gに係合した板状押さえ部材12の係合片13bは、ベース部材11の当接突部13mよりも前側主板部11pの側(ベース部材11の一側部側)に配置される。図示例のファイバホルダ10において、具体的には、前記係合突起11gに係合した前記係合片13bは、ベース部材11の凹所11hに入り込み、係合突起13b2が突設されている側の片面(内側面。ベース部材11の凹所11hの奥面11iに対面する面)とは反対側の面(外側面)が、ベース部材11他側部側の端面の延長上に揃う位置に配置される。
このため、ファイバホルダ10を治具20の基台21の一対のガイド壁21bの間に挿入して基台21(基台上面21a)上を前後方向にスライド移動させるとき、板状押さえ部材12の係合片13bは治具20のガイド壁21bに接触せず、ベース部材11の幅方向両側の底側延在突部11sがそれぞれ治具20の前記基台21の一対のガイド壁21bに当接することで、治具20幅方向におけるファイバホルダ10の位置決めがなされる。
なお、ファイバホルダ10について、ベース部材11の係合突起11gに係合された板状押さえ部材12の係合片13bがガイド壁21bに接触することを回避するための構成としては、例えば、ファイバホルダ10を治具20の基台21の一対のガイド壁21bの間に挿入して基台21(基台上面21a)上に設置したときに、ベース部材11の係合突起11gに係合された板状押さえ部材12の係合片13bがガイド壁21bから上方に離隔して配置されるようにした構成等も採用可能である。
また、ベース部材と該ベース部材に枢着されてベース部材に対して開閉する板状押さえ部材との間に光ファイバ1を把持した状態を維持するために、ベース部材に対する板状押さえ部材の閉状態(閉じ合わせた状態)を維持する構成(但し、板状押さえ部材のベース部材に対する開閉を可能とする構成)としては、上述のように板状押さえ部材12に突設された係合片13bをベース部材11の係合突起11gに係脱可能に係合させる構成に限定されない。例えば、ベース部材に、板状押さえ部材12に突設された係合突起に係脱可能に係合する係合片を突設した構成や、ベース部材及び板状押さえ部材の一方に磁石(永久磁石)を設け、この磁石がベース部材及び板状押さえ部材の他方に設けられた磁性部材を磁気吸着する吸着力によってベース部材に対する板状押さえ部材の閉状態を維持する構成等も採用可能である。
前記ファイバホルダ10の板状押さえ部材12の押さえ部材本体13の主板部13aの幅寸法は、ベース部材11の前側板部11nの幅寸法と揃えられており、ベース部材11の後側板部11oの幅寸法に比べて若干小さい。
前記ファイバホルダ10は、板状押さえ部材12をベース部材11に閉じ合わせたとき、ベース部材11の後側板部11oが板状押さえ部材12の幅方向両側に張り出す状態となるため、後側板部11oを、作業者が手指で把持することで治具20の基台21上での該ファイバホルダ10の前後動操作等を行うための操作用把持部として利用できる。
図2、図5に示すように、治具20の基台21後端部上には、ファイバホルダ10は、前記ベース主板部11rから一対の底側延在突部11sの間に突設されたストッパ当接突起11tが当接されることで、ファイバホルダ10の治具20に対する後側への移動を規制して、基台21上に設置したファイバホルダ10の基台21から後側への脱落を防止する後側ストッパ用突部25が突設されている。この後側ストッパ用突部25は具体的には基台21の基台本体21p上に突設されている。
一対のガイド壁21bの間に挿入して基台21上に配置したファイバホルダ10は、図2に示すように、前記ストッパ当接突起11tが基台21後端部上に突設された後側ストッパ用突部25にその前側から当接する位置が基台21に対する後側の移動限界位置(後側移動限界位置)である。一方、図3、図9に示すように、該後側移動限界位置から前側にずれた位置であり、前側板部11nの幅方向両側に突設されたスライド規制用係合突起11u(係合部)に基台21の幅方向両側の弾性係合片24が係合する位置が、ファイバホルダ10の基台21に対する前側の移動限界位置(前側移動限界位置)である。前記ファイバホルダ10は、基台21上でのスライド移動(前後動)によって、後側移動限界位置と前側移動限界位置とを切り換え可能である。
なお、図1に示すように、基台21上には、その幅方向両側に、前後方向に延在する突条状のレール部21cが突設されており、前記ファイバホルダ10はベース部材11底面側の幅方向両側に突設されている前記底側延在突部11sを載置して基台21上に設置される。そして、基台21上に設置したファイバホルダ10は、一対の前記底側延在突部11sが基台21の前記レール部21c上を摺動しつつ、基台21に対して前後方向にスライド移動される。
図2に示すように、図示例のファイバホルダ10のベース部材11の前記ストッパ当接突起11tは、具体的には、前記ベース主板部11rからその底面側に突出する突片部11t1に、ベース部材11の後側に突出する差し込み片部11t2が突設されたL字形に形成されている。前記ファイバホルダ10の後側移動限界位置は、前記ストッパ当接突起11tの差し込み片部11t2を、治具20の前記後側ストッパ用突部25にその前側に開口して形成された差し込み穴25a(図1、図2参照)に差し込み、突片部11t1を前記後側ストッパ用突部25にその前側から当接させたときの位置である。
図2に示すように、ファイバホルダ10のベース部材11の前記ストッパ当接突起11tは、ベース部材11の長手方向中央部、具体的には細長板状の前側板部11nの長手方向中央部の底面側に突設されている。
ファイバホルダ10は、光ファイバ1を把持した状態で基台21上に載置して後側移動限界位置に配置したときに、そのベース部材11の長手方向において前記ストッパ当接突起11tの突設位置付近及び該突設位置から前側の部分(前側板部11nの長手方向中央部及び該中央部から前側の部分)が一対のガイド壁21bの間にて基台21上に載置され、前記ストッパ当接突起11tの突設位置付近から後側の部分が基台21から後側に突出された状態となる。
基台21上に設置したファイバホルダ10を基台21上にて前後方向にスライド移動させる操作は、ベース部材11の後側板部11oを作業者が手指で把持して前記操作用把持部として利用することで手動で行うことができる。
図3、図9に示すように、前記ファイバホルダ10は、前側移動限界位置にあるとき、ベース部材11の後側板部11oはその大部分が基台21から後側に突出した状態となる。
したがって、基台21上に設置したファイバホルダ10は、常時、ベース部材11の後側板部11oが基台21から後側に突出した状態が維持されることから、ベース部材11の後側板部11oを作業者が手指で把持して前記操作用把持部として利用して、ファイバホルダ10を基台21上にて前後方向にスライド移動させる操作を手動で簡単かつ円滑に行うことができる。
光ファイバ1を把持した前記ファイバホルダ10は、基台21上の後側移動限界位置にあるとき、治具20の後側ストッパ用突部25の差し込み穴25aにベース部材11のストッパ当接突起11tの差し込み片部11t2が差し込まれることで、ファイバホルダ10の基台21からの浮き上がりが防止される。これにより、ファイバホルダ10が、基台21から後側に突出された部分の重量によって、後端部に比べて前端部が上方となるようにして基台21に対して傾動することを防ぐことができる。
基台21上に設置したファイバホルダ10の基台21から後側への突出寸法を長くしても基台21に対するファイバホルダ10の傾動を防げるから、基台21上に設置したファイバホルダ10のベース部材11の基台21から後側に突出された部分(例えば後側板部11o)を手指で把持してファイバホルダ10を基台21に対して前後方向に移動させる操作の作業性確保に鑑みてベース部材11の基台21から後側への突出寸法を充分に確保するべく、基台21の前後方向寸法を短くするといったことを容易に実現できる。
図3、図9に示すように、前記後側板部11oのベース部材11長手方向に沿う延在方向中央部に、その幅方向両側から中央部側に窪んで形成された凹み部11vは、作業者が後側板部11oを手指で把持して、ファイバホルダ10を基台21上にて前後方向にスライド移動させる操作を確実かつ円滑に行うことに有効に寄与する。
なお、後側板部11oとしては、凹み部11vが形成された構成に限定されず、例えば凹み部11vが形成されていない単純な板状、幅方向両側に厚み方向に延在する溝が複数本形成された構成や、複数の突部をドット状に突設した構成等も採用可能である。
また、後側板部11oは、その幅寸法を前側板部11nの幅寸法よりも若干小さくした構成としても良い。
図示例のファイバホルダ10にあっては、ベース部材11の後側延出部11fもファイバホルダの操作用把持部として利用可能である。この点、後側延出部11fを、その幅方向両側の側面に、凹み部11vを形成した構成、複数の溝を形成した構成、複数の突部をドット状に突設した構成等とすることができる。
また、ファイバホルダとしては、ベース部材11の後側板部11oを操作用把持部として機能させず、後側延出部11fのみを操作用把持部として機能させる構成となっているものも採用可能である。この場合、後側板部11oに凹み部11v等を形成する必要はない。また、ファイバホルダとしては、基台21に対して前側移動限界位置にあるとき後側板部の前後方向寸法の全長(あるいはほぼ全長)が基台21の一対のガイド壁21b間に挿入される構成としても良い。
把持板部11eの底側延在突部11sは、前記凹み部11vに対応する箇所で不連続になっていても良い。
図示例のファイバホルダ10は、前側移動限界位置にあるとき、ベース部材11の前側板部11nと後側板部11oの延在方向前端部(凹み部11vよりも前側に位置する部分)とが、治具20の基台21の一対のガイド壁21bの間に挿入されるようになっている。前記後側板部11oの前記凹み部11vを除く部分の幅寸法(すなわち後側板部11oの幅方向の最大寸法)は、前記前側板部11nの幅寸法(当接突部11mの前側主板部11pからの突出寸法を含む)と同じに揃えられているため、後側板部11oの延在方向前端部が基台21の一対のガイド壁21bの間に挿入されたときに、一対のガイド壁21bに当接することで、ファイバホルダ10の治具20に対するがたつき防止、一対のガイド壁21bによる位置決め状態の安定維持に有効に寄与する。
なお、本発明は、ファイバホルダ10として、前側移動限界位置にあるときに後側板部11oが基台21の一対のガイド壁21bの間に挿入されない構成となっているものを採用することも含む。
図1に示すように、治具20の弾性係合片24は、前記基台21前端部の幅方向両側に張り出された張出部26の基台21から離隔された箇所に突設されている。
図示例の治具20において、前記弾性係合片24は、具体的には、前記張出部26から突出するU字形の弾性片部24aと、この弾性片部24aの前記張出部26に繋がっている一端部(基端部)とは反対側の端部であり前記一端部に比べて基台21側に配置された他端部(先端部)から弾性片部24a一端部とは反対の側に張り出すように突出されファイバホルダ10のベース部材11のスライド規制用係合突起11uに係脱可能に係合する係合片部24bとを有している。U字形の前記弾性片部24aは、その両端部(一端部及び他端部)が上端、両端部の間の湾曲部の頂部が下端となるように形成されている。
図1に示すように、前記弾性係合片24の弾性片部24aの他端部は、基台突設ホルダ22と該基台突設ホルダ22から後側離隔した位置に設けられたガイド壁21b前端との間に設けられて、前記基台21のガイド壁21b上端部の基台21前後方向における仮想延長上に配置されている。弾性係合片24の前記係合片部24bは前記ガイド壁21b上端部の仮想延長から基台上面21a側に張り出すように突出されている。
前記弾性係合片24の弾性片部24aの他端部及び係合片部24bは、弾性片部24bの弾性変形によって、基台21幅方向に変位可能とされている。
ファイバホルダ10のベース部材11の前側板部11nの幅方向両側に突設されたスライド規制用係合突起11uは具体的には平面視三角形状の山形の突起である。前記治具20の弾性係合片24の係合片部24bは、弾性片部24aの他端部(先端部)から基台上面21a側に張り出す板状片であり、この係合片部24bには前記スライド規制用係合突起11uが嵌り込む切欠部24c(以下、嵌合切欠部とも言う)が形成されている。図1等に示す図示例の弾性係合片24の係合片部24bの嵌合切欠部24cは、三角形状になっているが、例えば円弧状(半円状を含む)や台形状等に形成されていても良い。
治具20の弾性係合片24は、係合片部24bの嵌合切欠部24cにファイバホルダ10のベース部材11の前記スライド規制用係合突起11uが嵌り込むことで前記スライド規制用係合突起11uに係合し、ファイバホルダ10の基台21上でのスライド移動(基台21前後方向へのスライド移動)を規制する。
前記治具20の弾性係合片24は本発明に係るスライド移動規制手段、係合保持手段として機能する。
ファイバホルダ10のベース部材11の前記スライド規制用係合突起11uが、治具20の弾性係合片24の係合片部24bの嵌合切欠部24cに嵌り込むことで、治具20の弾性係合片24が前記スライド規制用係合突起11uに係合し、基台21前後方向へのスライド移動が規制されるファイバホルダ10の位置が、ファイバホルダ10の前記基台21に対する前側移動限界位置である。
治具20の弾性係合片24と前記スライド規制用係合突起11uとの係合により前側移動限界位置に保持されたファイバホルダ10は、治具20の弾性係合片24を弾性変形させてベース部材11の前記スライド規制用係合突起11uに対する係合を解除する程度の変位力を与えて治具20に対して後側へ強制的に抜き出すことが可能である。
図示例の治具20の場合、ファイバホルダ10が前側移動限界位置にあるとき、ファイバホルダ10のベース部材11が治具20の両側の弾性係合片24間に挟み込まれるようにして保持される。このため、上述のようにファイバホルダ10に治具20に対して後側へ強制的に抜き出すための変位力を与えない限り、治具20の弾性係合片24と前記スライド規制用係合突起11uとの係合状態は容易に解除されず、ファイバホルダ10が前側移動限界位置に保持された状態が安定に保たれる。
ファイバホルダ10のベース部材11の前記スライド規制用係合突起11uは、ベース部材11の前側板部11nの前端部の幅方向両側に突設されている。また、前記スライド規制用係合突起11uは、ベース部材11の当接突部11mよりもベース部材上面11a側に形成されている。前記治具20の弾性係合片24の係合片部24bは、弾性片部24aから基台上面21a側に張り出すように突出されており、治具20の基台21上にて後側移動限界位置に配置したファイバホルダ10を前側移動限界位置に保持するべく前側へスライド移動させたときに、前記ファイバホルダ10のベース部材11の前記スライド規制用係合突起11uを治具20の弾性係合片24の係合片部24bの嵌合切欠部24cに確実に入り込ませることができる。
治具20の弾性係合片24の係合片部24bは、ファイバホルダ10(特に前側板部11n)を基台21に押さえ込んで、基台21からの浮き上がりを防ぐ押さえ片としての機能も果たす。すなわち、弾性係合片24の係合片部24bは、ファイバホルダ10が前側移動限界位置に配置されたとき、ファイバホルダ10のスライド規制用係合突起11uに係合するとともにベース部材11の当接突部11mに当接して、ファイバホルダ10(特に前側板部11n)を基台21に押さえ込み、基台21からの浮き上がりを防ぐようになっている。
この構成は、ファイバ挿入工程にてフェルール2のファイバ孔2aに挿入した光ファイバ1の前記フェルール2に対する変位防止に有効に寄与する。
図示例のファイバホルダ10において、ベース部材11の前記スライド規制用係合突起11uは、当接突部11mから上側に突出する突起状に形成されている。前記スライド規制用係合突起11uは当接突部11mから離隔されておらず、前記スライド規制用係合突起11uと当接突部11mとの間には隙間が存在しないが、ファイバホルダ10としては前記スライド規制用係合突起11uが当接突部11mからベース部材上面11a側に離隔した位置に設けられている構成も採用可能である。
治具の弾性係合片としては、基台21上にて後側移動限界位置から前側へスライド移動されたファイバホルダのスライド規制用係合突起と係合することで、ファイバホルダの基台21上でのスライド移動を規制できる構成のものであれば良く、図示例のように、前記基台21前端部から基台21幅方向に張り出すように突出された張出部26から延びるU字形の弾性片部24aと係合片部24bとからなる構成のものに限定されない。例えば、基台21前端部の基台21幅方向の端面(側面)から上方に延出する弾性片部の先端に係合片部が突設された構成等も採用可能である。
(脱着ホルダ付きフェルール接着作業用治具)
図7に示すように、既述のように前記治具20の基台突設ホルダ22には脱着ホルダ23を脱着可能に取り付けることができる。
治具20の基台突設ホルダ22に脱着ホルダ23を脱着可能に取り付けたものを、以下、脱着ホルダ付きフェルール接着作業用治具20A(但し、以下、脱着ホルダ付き治具とも言う)として説明する。この脱着ホルダ付き治具20Aも本発明に係る治具として機能するものである。
図7、図8に示すように、前記脱着ホルダ23は、前記フェルール2が取り出し可能に嵌め込まれるフェルール嵌合溝23bが形成された前記フェルール保持部23aを有するホルダ本体23cと、このホルダ本体23cに突設され前記基台突設ホルダ22の一対の弾性片22a間に取り出し可能に嵌め込むことで前記基台突設ホルダ22に保持される取付用棒状突片23dとを具備して構成されている。
前記フェルール保持部23aは、プレート状のホルダ本体23cの片面側に突設された断面C形の突片であり、その内側が前記フェルール2が取り出し可能に嵌め込まれる前記フェルール嵌合溝23bとされている。前記フェルール嵌合溝23bの内周面は、該フェルール嵌合溝23bに嵌め込まれるフェルール2の外周面に合致するように湾曲する円筒面状に形成されている。
前記取付用棒状突片23dは、前記ホルダ本体23cの前記フェルール保持部23aが突設されている前端部とは反対の後端部に立設された背板部23eから後側(フェルール保持部23aとは反対の側)に突出する棒状片である。前記背板部23eは、ホルダ本体23cの前記フェルール保持部23aが突設されている面(上面23f)の側に立ち上げるようにして突設されている。
なお、図示例の脱着ホルダ23は具体的にはプラスチック製の一体成形品であるが、これに限定されず、複数部材からなる構成としても良い。
また、脱着ホルダ23のフェルール保持部23aは、フェルール2が取り出し可能に嵌め込まれるフェルール嵌合溝23bが形成された構成であれば良く、必ずしも断面C形に形成されたものに限定されない。
前記脱着ホルダ23は、図7に示すように、取付用棒状突片23dを前記基台突設ホルダ22の一対の弾性片22a間のフェルール嵌合溝22bにその上側から押し込んで基台突設ホルダ22に把持固定させることで、治具20に取り付けることができる。また、前記脱着ホルダ23は、前記取付用棒状突片23dを前記基台突設ホルダ22に保持させるとともに、前記背板部23eを、前記治具20の前記基台21の前端部上に突設されて基台21幅方向において前記基台突設ホルダ22の両側に設けられた一対のホルダ保護壁21dの前記基台突設ホルダ22よりも前側に位置する部分である設けられた脱着ホルダ受け壁21eにその前側から当接させ、さらに、ホルダ本体23c後端部を、前記治具20の基台21の前記脱着ホルダ受け壁21eから前側に張り出した部分であるホルダ載せ台部21f上に載置して、治具20に対してぐらつくことなく安定に取り付けられる。
図7、図8に示すように、前記脱着ホルダ23は、前記ホルダ本体23cからその上面23fとは反対の底面側に突出する当接片部23gを有している。そして、この脱着ホルダ23は、前記取付用棒状突片23dを前記基台突設ホルダ22に保持させ、前記背板部23eを治具20の脱着ホルダ受け壁21eに当接させ、ホルダ本体23c後端部を治具20の基台21のホルダ載せ台部21f上に載置したときに、前記当接片部23gを治具20の基台21の前端に当接させることができ、これにより治具20に対するぐらつきをより確実に防止して治具20に取り付けることができる。
(フェルール付き光ファイバの組立方法の具体例)
次に、本発明に係るフェルール付き光ファイバの組立方法の具体例を説明する。
まず、治具20(脱着ホルダ23を取り付けていない治具20)を用いたフェルール付き光ファイバの組立方法を説明する。
ここで説明するフェルール付き光ファイバの組立方法は、まず、図1、図7に示すように、前記治具20の基台突設ホルダ22にフェルール2を嵌め込んで保持するとともに、光ファイバ1を把持したファイバホルダ10を治具20の基台21上に設置し、前記ファイバホルダ10を基台21上にてスライド移動させて、前記ファイバホルダ10に把持した光ファイバ1の前記ファイバホルダ10前端から突出させた部分である前側突出部1cを前記フェルール2のファイバ孔2aに挿入するファイバ挿入工程を行う(図3、図9、図12参照)。
このファイバ挿入工程において、前記ファイバホルダ10は、光ファイバ1を把持した状態で基台21上にて後側移動限界位置に設置した後、基台21上でのスライド移動によって後側移動限界位置から基台21前側へ移動させて前側移動限界位置に配置する。ファイバホルダ10を後側移動限界位置から前側移動限界位置に移動することで、光ファイバ1の前側突出部1cの先端部を前記フェルール2のファイバ孔2aに挿入する。
このファイバ挿入工程では、フェルール2は、基台突設ホルダ22あるいは脱着ホルダ23に嵌め込んで、治具20に対して、その先端面2bが前側、後端面2cが後側となる向きで取り付ける。
図1、図3では、フェルール2にC字形のスペーサ4(以下、C形スペーサとも言う)を取り外し可能に外嵌めしてなるスペーサ付きフェルール5を基台突設ホルダ22の一対の弾性片22a間のフェルール嵌合溝22bに押し込んで嵌め込み、フェルール2をC形スペーサ4を介して治具20に固定する構成を例示している。スペーサ付きフェルール5は、前記基台突設ホルダ22のフェルール嵌合溝22bにその上方から押し込んで、基台突設ホルダ22の一対の弾性片22a間にC形スペーサ4が把持されるようにする。これにより、フェルール2をC形スペーサ4を介して治具20にしっかりと固定できる。
また、前記スペーサ付きフェルール5は、基台突設ホルダ22の一対の弾性片22a間にその上方から押し込み、治具20の基台21から一対の弾性片22a間に突設されている支持突起22c(図1参照)上に載置(スペーサ4を支持突起22c上に載置)することで、フェルール2が、そのファイバ孔2aの軸線が、基台21上に設置したファイバホルダ10に把持されベース部材11の位置決め溝11b(図4参照)によって位置決めされた光ファイバ1の中心軸線(以下、位置決め軸線とも言う)の延長上に位置するように位置決めされるようになっている。
したがって、基台21にて後側移動限界位置に設置したファイバホルダ10を前側移動限界位置に移動したとき、ファイバホルダ10に把持された光ファイバ1のファイバホルダ10前端から、前記ベース部材11の位置決め溝11bによる光ファイバ1の位置決め軸線の延長上に突出された前側突出部1cを円滑にフェルール2のファイバ孔2aに挿入できる。
また、前記スペーサ付きフェルール5は、基台突設ホルダ22の一対の弾性片22a間のフェルール嵌合溝22bに、基台21から突出する一対の弾性片22aの突端のフェルール嵌合溝22b側に突設された押さえ突部22dよりも基台21側(下側)に配置されるように押し込むことで、前記押さえ突部22dによって支持突起22cに押さえ込まれ、上下方向のがたつきが防止される。
基台21上でのファイバホルダ10のスライド移動によってファイバホルダ10に把持された光ファイバ1を基台突設ホルダ22に保持されたフェルール2のファイバ孔2aに挿入作業において、前記光ファイバ1の前側突出部1cの曲げ癖等によって光ファイバ1先端部がフェルール2の後端面2cに突き当たったときや、フェルール2のファイバ孔2aの軸線に対する光ファイバ1先端部の僅かなずれ等に起因して光ファイバ1のファイバ孔2aへの挿入抵抗が過大となったときには、ファイバホルダ10内にて光ファイバ1に撓み部が形成されるとともに前記光ファイバ1の前側突出部1cのファイバホルダ10内への押し込みが生じることで、フェルール2とファイバホルダ10前端との間にて光ファイバ1に作用する曲げ力を緩和でき、前記曲げ力による光ファイバ1の折損等の不都合を防ぐことができる。
その結果、光ファイバ1先端の裸光ファイバ1aの口出しやファイバホルダ10による光ファイバ1の把持をやり直すことなく、基台21上のファイバホルダ10を基台21後側に移動してフェルール2への光ファイバ1の挿入作業を再実行する、といったことが可能である。
なお、C形スペーサ4としては、基台突設ホルダ22に固定するフェルールの外径に応じてフェルールにしっかりと外嵌めできるように内周面寸法が互いに異なる複数種類を用意して選択使用することが可能である。これにより、様々なフェルール外径に対応して、基台突設ホルダ22へのフェルールの固定、保持を実現できる。
C形スペーサ4の外周面は、その内側に嵌め込んだフェルールの軸線を中心とする円周上に位置する(円周に重なる)湾曲面とされている。但し、C形スペーサ4の外周面の湾曲半径は基台突設ホルダ22の一対の弾性片22a間の距離等の設計に応じて、基台突設ホルダ22に確実に把持可能なように設定されるものであり、複数種類のC形スペーサ4(内周面寸法が互いに異なる複数種類のC形スペーサ4)は、内周面寸法が互いに異なっていても、外周面の湾曲半径は同じに揃えられる。
また、フェルールとしては、治具20の基台突設ホルダ22の一対の弾性片22a間に、C形スペーサ4を外嵌めすることなく直接把持できる外径を有するものを採用することも可能である。この場合、フェルールを、C形スペーサ4を外嵌めすることなく、基台突設ホルダ22の一対の弾性片22a間に押し込んで一対の弾性片22aに直接把持させる。また、フェルールを、治具20の基台21から一対の弾性片22a間に突設されている支持突起22c(図1参照)上に載置することで、そのファイバ孔の軸線が、基台21上に設置したファイバホルダ10に把持されベース部材11の位置決め溝11b(図4参照)によって位置決めされた光ファイバ1の中心軸線の延長上に位置するように位置決めされる。
光ファイバ1は、ファイバホルダ10の長手方向全長よりも長さが充分に長いものを使用する。ファイバホルダ10は、光ファイバ1の被覆部を把持し、その前端から若干の突出寸法を確保して光ファイバ1(被覆部)が突出され、後端から光ファイバ1が延出されるようにする。
また、ファイバホルダ10は、その前端から突出する光ファイバ1の先端部の被覆材1bを除去して裸光ファイバ1aを口出しした状態で、治具20の基台21上に設置して後側移動限界位置に配置する。
ファイバホルダ10に把持された光ファイバ1のファイバホルダ10前端からの突出長及び裸光ファイバ1aの口出し長は、ファイバホルダ10を後側移動限界位置から移動して前側移動限界位置に保持したときに、図10(b)に示すように、光ファイバ1の被覆部がフェルール2の被覆部収納孔部2a2内に挿入され、光ファイバ1先端に口出しされた裸光ファイバ1aがフェルール2の位置決め孔部2a1を貫通して、フェルール2の先端面2bから突出される(図3、図9、図12参照)ようにする。また、光ファイバ1のファイバホルダ10前端からの突出長及び裸光ファイバ1aの口出し長の調整により、フェルール2の被覆部収納孔部2a2内に挿入された光ファイバ1の被覆部の被覆材1bの端面(先端面)が、フェルール2のファイバ孔2aのテーパ孔部2a3内面に当接しないようにする。
図10(a)に示すように、フェルール2のファイバ孔2aには光ファイバ1を挿入する前に予め液状の接着剤6を充填しておく。フェルール2のファイバ孔2aへの光ファイバ1の挿入は接着剤6が硬化前の液状の状態にて行う。
フェルール2のファイバ孔2a内に充填する接着剤6としては、特に限定は無いが、ここでは後述のように接着固定工程にて加熱することにより硬化する例えばエポキシ系樹脂組成物等の熱硬化性のものを使用する。
また、図3に示すように、基台21上にて前側移動限界位置に保持されたファイバホルダ10は基台突設ホルダ22の後側に離隔した位置に配置される。ファイバホルダ10と基台突設ホルダ22との間には、作業者が綿棒等の棒状あるいはシート状の清掃用部材を差し込んで、フェルール2のファイバ孔2aへの光ファイバ1の挿入によってファイバ孔2aからフェルール2の後端面2cに溢れ出た接着剤6の拭き取り作業等を行うための作業スペース(作業用空間)を確保できる。
このファイバ挿入工程では、後側移動限界位置から前側移動限界位置に移動させたファイバホルダ10のベース部材11の前記スライド規制用係合突起11uに治具20の弾性係合片24を係合させて、ファイバホルダ10の基台21上でのスライド移動を規制する。これにより、ファイバホルダ10に治具20後側への引っ張り力を作用させて、前記スライド規制用係合突起11uと治具20の弾性係合片24との係合を解除し、治具20後側へ強制的に抜き出さない限り、ファイバホルダ10は前側移動限界位置に安定保持される。
なお、ファイバホルダ10は、治具20の基台21のホルダ案内部(一対のガイド壁21b)によって基台21幅方向への位置ずれが規制されているため、前記スライド規制用係合突起11uと治具20の弾性係合片24との係合によって基台21上での前後方向のスライド移動、及び基台21からの浮き上がりが防止される結果、上述のように治具20後側へ強制的に抜き出さない限り、基台21に対して位置ずれを生じない。
ファイバ挿入工程が完了したら、治具20の弾性係合片24とファイバホルダ10のベース部材11の前記スライド規制用係合突起11uと係合によりファイバホルダ10の基台21上でのスライド移動を規制した状態のまま、フェルール2のファイバ孔2aに入れておいた接着剤6を硬化させて、光ファイバ1先端にフェルール2を接着固定する接着固定工程を行う。
ここでは具体的には、図13に示すように、加熱器7を用いて、治具20の基台突設ホルダ22が設けられている前端部とともに基台突設ホルダ22に保持したフェルール2を加熱して、フェルール2のファイバ孔2a内の熱硬化性樹脂組成物である接着剤6を硬化させ、光ファイバ1先端にフェルール2を接着固定する。
加熱器7としては、基台21に対するファイバホルダ10の保持状態(前側移動限界位置に保持された状態)、及び基台突設ホルダ22におけるフェルール2の保持状態を、ファイバ挿入工程完了時から変化させることなく保ったまま、前記フェルール2を加熱できるものであれば良く、特には限定は無い。
加熱器7としては、例えば図13に示すように、治具20を、基台突設ホルダ22に保持したフェルール2、及び基台21上に設置されたファイバホルダ10とともに、ファイバ挿入工程完了時の状態を保ったまま載置できるプレート状に構成され、基台21前端部を載置することで、基台21前端部、基台突設ホルダ22、フェルール2を一括して加熱してフェルール2のファイバ孔2a内の接着剤6を硬化させることができる加熱板7aを有する構成のものや、基台21前端部、基台突設ホルダ22、フェルール2を収納して加熱するための加熱室を有する構成のもの等を採用できる。
次いで、既述のように、光ファイバ1先端に接着固定されたフェルール2の先端面2bを前記光ファイバ1のフェルール2に内挿固定された部分とともに一括研磨して、図10(c)に示すようにフェルール2先端と前記光ファイバ1のフェルール2のファイバ孔2a内に位置する部分の先端とにわたって連続する研磨面である接合端面2dを形成する研磨工程を行う。この研磨工程は、例えば、フェルール2及びファイバホルダ10を治具20から取り外し、光ファイバ1の裸光ファイバ1aのフェルール2の先端面2bから突出された部分をカットした後、例えば円板状の研磨部材を回転駆動させる研磨盤等の研磨装置を用いてフェルール先端面2bを研磨する。
研磨工程の完了により、光ファイバ1先端に接着固定されたフェルール2先端に接合端面2dを有するフェルール付き光ファイバ3(図10(c)参照)が得られる。
本発明に係るフェルール付き光ファイバ3の組立方法は、図7、図9に示すように、前記治具20の基台突設ホルダ22に脱着ホルダ23を取り付けて組み立てた脱着ホルダ付き治具20Aを用いることも可能である。
この場合、フェルール付き光ファイバ3の組み立ては、まず、脱着ホルダ付き治具20Aの脱着ホルダ23のフェルール保持部23aにフェルール2を嵌め込んで保持するとともに、光ファイバ1を把持したファイバホルダ10を治具20の基台21上の後側移動限界位置に設置した後、前記ファイバホルダ10を基台21上でのスライド移動によって後側移動限界位置から前側移動限界位置へ移動して、前記光ファイバ1の前側突出部1cの先端部を前記フェルール2のファイバ孔2aに挿入するファイバ挿入工程を行う(図3、図9、図12参照)。次いで、フェルール2のファイバ孔2aに入れておいた接着剤6を硬化させて、光ファイバ1先端にフェルール2を接着固定する接着固定工程と、研磨工程とを行う。
図7、図9に示すように、ファイバ挿入工程では、ファイバホルダ10に把持された光ファイバ1のファイバホルダ10前端からの突出長及び裸光ファイバ1aの口出し長を、後側移動限界位置に設置したファイバホルダ10を前側移動限界位置に移動したときに、ファイバホルダ10に把持された光ファイバ1のファイバホルダ10前端から突出された部分である前側突出部1c(図中、符号1c2を付記する)の先端部に口出しされた裸光ファイバ1aがフェルール2の位置決め孔部2a1を貫通してフェルール2の先端面2bから突出され(図10(b)、図9参照)、かつ図10(b)に示すように前記光ファイバ1の被覆部がフェルール2の被覆部収納孔部2a2内に挿入されるように調整する。また、図10(b)に示すように、光ファイバ1のファイバホルダ10前端からの突出長及び裸光ファイバ1aの口出し長の調整により、フェルール2の被覆部収納孔部2a2内に挿入された光ファイバ1の被覆部の被覆材1bの端面(先端面)が、フェルール2のファイバ孔2aのテーパ孔部2a3に当接しないようにする。
但し、基台21上における前側移動限界位置に配置されたファイバホルダ10から脱着ホルダ23のフェルール保持部23aに保持されたフェルール2までの距離は、前側移動限界位置に配置されたファイバホルダ10と基台突設ホルダ22に保持されたフェルール2との間の距離よりも長いため、光ファイバ1の前側突出部1c2のファイバホルダ10前端からの突出長は、図1に示すようにファイバホルダ10に把持した光ファイバ1の先端部を脱着ホルダ23を取り付けていない治具20の基台突設ホルダ22に保持したフェルール2のファイバ孔2aに挿入する場合の光ファイバ1の前側突出部1c(図中符号1c1を付記する)のファイバホルダ10前端からの突出長よりも長くする。
図7、図9に示すように、脱着ホルダ23の取付用棒状突片23dには、その長手方向全長にわたって、ファイバホルダ10の後側移動限界位置から前側移動限界位置への移動に伴う前記光ファイバ1の前側突出部1c2の移動を案内するファイバ案内溝23h(ファイバ案内部)が形成されている。前記ファイバ案内溝23hは、基台突設ホルダ22に嵌め込んで取り付けた脱着ホルダ23の取付用棒状突片23dの上部の長手方向全長にわたって開口するように形成されている。また、図示例の前記ファイバ案内溝23hは、前記ファイバホルダ10に把持された光ファイバ1の前側突出部1c2を収納して、基台21上の前記ファイバホルダ10の位置決め溝11bが光ファイバ1を位置決めする位置決め軸線の延長上に位置決め可能なV溝、丸溝(断面半円状の溝)、角溝等(図示例ではV溝)である。
前記フェルール2は、脱着ホルダ23のフェルール保持部23aに嵌め込むことで、そのファイバ孔2aの軸線がファイバホルダ10の前記位置決め軸線の延長上に位置するように位置決めされた状態で保持される。
ファイバホルダ10を後側移動限界位置から前側移動限界位置に向かって前進移動したときには、前記光ファイバ1の前側突出部1c2が前記ファイバ案内溝23hによってファイバホルダ10の前記位置決め軸線の延長上に位置決めされた状態を保つことができ、これにより、フェルール2のファイバ孔2aに光ファイバ1の先端部(前側突出部1c2の先端部)を挿入する作業を円滑に行える。
このファイバ挿入工程では、光ファイバ1の前側突出部1c2のファイバホルダ10前端からの突出長を上述のように調整することで、ファイバホルダ10に把持した光ファイバ1の先端部を治具20(脱着ホルダ23を基台突設ホルダ22に取り付けていない治具)の基台突設ホルダ22に保持したフェルール2のファイバ孔2aに挿入する場合と同様に、ファイバホルダ10を後側移動限界位置から前側移動限界位置に移動するだけで、脱着ホルダ付き治具20Aの脱着ホルダ23のフェルール保持部23aに保持したフェルール2のファイバ孔2aにファイバホルダ10に把持した光ファイバ1の先端部を挿入できる。
前側移動限界位置に移動したファイバホルダ10は、該ファイバホルダ10のベース部材11のスライド規制用係合突起11uと治具20の弾性係合片24との係合によって基台21に固定され基台21上でのスライド移動が規制される。
また、図示例の脱着ホルダ23は、その前端に位置するフェルール保持部23aが、脱着ホルダ23後端の取付用棒状突片23dから前側に離隔させて設けられており、ホルダ本体23c上にて取付用棒状突片23dとフェルール保持部23aとの間に、作業者が手指をいれて、フェルール2のファイバ孔2aへの光ファイバ1の挿入によってファイバ孔2aからフェルール2の後端面2cに溢れ出た接着剤6の拭き取り作業等を行うための作業スペース(作業用空間)が確保されている。
なお、取付用棒状突片23dとフェルール保持部23aとの間に確保される作業用空間は、作業者の手指を差し込むことができず、作業者の手指に比べて格段に細い綿棒等の棒状あるいはシート状の清掃用部材を差し込んでフェルール2の後端面2cに溢れ出た接着剤6の拭き取り作業を行える程度の狭いものであっても良い。
前記接着固定工程は、例えば図13に例示した加熱器7等、加熱器を用いて前記フェルール2を加熱し、ファイバ孔2a内の熱硬化性樹脂組成物である接着剤を硬化させて、光ファイバ1先端にフェルール2を接着固定する。
この接着固定工程では、前記ファイバ挿入工程の完了後、治具20の弾性係合片24によってファイバホルダ10を基台21に固定して基台21上でのスライド移動を規制した状態、及び脱着ホルダ23のフェルール保持部23aにフェルール2を保持した状態を、フェルール2のファイバ孔2a内の接着剤の硬化完了まで保つ。
接着固定工程の完了後の研磨工程は、フェルール付き光ファイバ3の組み立てを、図1、図3に例示したように脱着ホルダ23を取り付けていない治具20の基台突設ホルダ22にフェルール2を保持してファイバ挿入工程を行った場合の接着固定工程完了後の既述の研磨工程と同様に行えば良い。例えば、脱着ホルダ付き治具20Aからファイバホルダ10とフェルール2とを取り外し、研磨装置を用いて行う。
但し、例えば、接着固定工程の完了後、治具20の弾性係合片24によってファイバホルダ10を基台21に固定して基台21上でのスライド移動を規制した状態、及び脱着ホルダ23のフェルール保持部23aにフェルール2を保持した状態を保ったまま、フェルール保持部23aから突出させたフェルール2の先端面2bに研磨を施し、その後に、脱着ホルダ付き治具20Aからのファイバホルダ10及びフェルール2の取り外しを行っても良い。
上述のフェルール付き光ファイバの組立方法によれば、図2に示すように脱着ホルダ23を取り付けていない治具20の基台突設ホルダ22、あるいは図7に示すように前記治具20の基台突設ホルダ22に脱着可能に取り付けた脱着ホルダ23のフェルール保持部23aにフェルール2を保持し、光ファイバ1を把持したファイバホルダ10を治具20の基台21上にてフェルール2に向かってスライド移動(前進)させることで、前記光ファイバ1の前側突出部1c先端部を前記フェルール2のファイバ孔2a(図10(a)等参照)に挿入するファイバ挿入工程を行った後、治具20の弾性係合片24によってファイバホルダ10を基台21に固定して基台21上でのスライド移動を規制した状態、及び脱着ホルダ23のフェルール保持部23aにフェルール2を保持した状態を保ったまま、フェルール2のファイバ孔2a内の接着剤の硬化させる接着固定工程を行うので、ファイバ挿入工程の完了後、接着固定工程が完了するまで、フェルール2に対する光ファイバ1の変位を防止できる。上述の治具20、ファイバホルダ10を用いたフェルール付き光ファイバの組立方法によれば、ファイバ挿入工程にてファイバホルダ10が基台21に対する前側移動限界位置に保持されることで、基台21上でのファイバホルダ10の移動のみならず、ファイバホルダ10に把持された光ファイバ1の前側突出部を中心とするフェルール2の光ファイバ1に対する軸回り回転も規制される。
その結果、光ファイバ1長手方向における目的位置にフェルール2を接着固定することができる。また、フェルール2に対する光ファイバ1の変位によって光ファイバ1(特に裸光ファイバ1a)やフェルール2のファイバ孔2a内面を傷付けるといった不都合を生じる心配も無い。
また、上述の治具20、ファイバホルダ10を用いたフェルール付き光ファイバの組立方法によれば、ファイバ挿入工程にてファイバホルダ10が基台21に対する前側移動限界位置に保持されることで、治具20の弾性係合片24によってファイバホルダ10の基台21からの浮き上がりや傾動も防止される。このため、ファイバホルダ10は治具20に対して位置ずれしないように固定された状態となるから、例えば治具20やファイバホルダ10に振動等が作用しても治具20に対するファイバホルダ10の位置ずれを防ぐことができ、フェルール2に対する光ファイバ1の変位をより確実に防止できる。
組み立ての完了したフェルール付き光ファイバは、光コネクタの組み立て等に用いることができる。
光コネクタを組み立てる場合は、光コネクタのハウジングを組み立てて、ハウジング内にフェルール付き光ファイバのフェルールを収納する。
なお、光コネクタの組み立てに用いるフェルール付き光ファイバとしては、フェルールとして、後述のようにフランジ部を有するフェルール(図15(a)、(b)、図20等参照)を用いて組み立てたものを好適に用いることができる。
前記治具20を用いたフェルール付き光ファイバの組立方法にあっては、図2に示すように脱着ホルダ23を取り付けていない治具20の基台突設ホルダ22、あるいは図7に示すように前記治具20の基台突設ホルダ22に脱着可能に取り付けた脱着ホルダ23のフェルール保持部23aに選択的にフェルール2を嵌合することで、基台21前後方向におけるフェルール2の保持位置を選択できる。
基台21前後方向におけるフェルール2の保持位置の選択は、例えば、図14、図15(a)、(b)に示すように、フェルールとして、キャピラリ状のフェルール本体81にスリーブ状のフランジ部品82が外挿固定され、前記フランジ部品82がフェルール本体81に固定された部分からフェルール本体81の先端面81aとは反対の後端側に延出する後側延出筒部82bを有する構成のもの(フェルール8。フランジ付きフェルール)を用いる場合、フェルール本体81後端から後側に延出する前記後側延出筒部82bの延出長に応じて行うことができる。
図15(a)、(b)に示すように、前記フェルール8には、前記フェルール本体81内側の貫通孔であり前記光ファイバ1先端に口出された裸光ファイバ1aが挿入されることで前記裸光ファイバ1aを円筒状のフェルール本体81の軸線上となるように位置決めする微細孔である位置決め孔部8a1と、この位置決め孔部81a1のフェルール本体81後端側に位置する部分を末広がりのテーパ状に拡張した構成のテーパ孔部8a3(本体後端テーパ状開口部)と、前記フランジ部品82の後側延出筒部82b内側の内孔であり光ファイバ1の被覆部を挿入できる被覆部収納孔部8a2とからなる貫通孔であるファイバ孔8aが貫設されている。
前記被覆部収納孔部8a2は、前記テーパ孔部8a3を介して前記位置決め孔部8a1と連通されている。また、被覆部収納孔部8a2、テーパ孔部8a2は、位置決め孔部8a1の軸線と同軸に形成されている。
前記フランジ部品82は、スリーブ状の筒部82aと、この筒部82aの前記フェルール本体81に外挿固定された部分の外周全周に亘って突設されたフランジ部82cとを有している。前記筒部82aのフェルール本体81後端から後側に延出された部分が、前記後側延出筒部82bである。
前記フランジ部82cは、フェルール8のフランジ部82aとして機能する。
前記フェルール8を用いたフェルール付き光ファイバ3Aの組み立ても、図1、図10(a)等を参照して説明した既述のフェルール2を用いたフェルール付き光ファイバの組み立ての場合と同様にファイバ挿入工程を行った後、接着固定工程、研磨工程を行うことで実現できる。つまり、フェルール2にかえてフランジ部品付きのフェルール8を用いて、ファイバ挿入工程、接着固定工程、研磨工程を行えば良い。
ファイバ挿入工程は、脱着ホルダ23を取り付けていない治具20(図1参照)の基台突設ホルダ22あるいは図14に示すように前記治具20の基台突設ホルダ22に脱着可能に取り付けた脱着ホルダ23のフェルール保持部23aに、前記フェルール8をそのフェルール本体81の先端面81aが前側、フランジ部品82の後側延出突部82bが後側となる向きで保持する。そして、光ファイバ1を把持したファイバホルダ10を基台21上にて後側移動限界位置から前側移動限界位置に移動させることで、図15(b)に示すように、光ファイバ1の前側突出部1cを、前記フェルール8のフランジ部品82の後側延出突部82b内側にその後端から挿入して、光ファイバ1先端(前側突出部1c先端)に口出しされた裸光ファイバ1aをフェルール本体81の位置決め孔部2a1に通し(貫通させ)、フェルール本体81の先端面2bから突出させる。
フェルール8を、脱着ホルダ23を取り付けていない治具20(図1参照)の基台突設ホルダ22に保持するときは、例えばフェルール8のフェルール本体81にC形スペーサ4を外嵌めして組み立てたスペーサ付きフェルール83(図16参照)を基台突設ホルダ22の弾性片22a間のフェルール嵌合溝22bに押し込んで嵌め込む。あるいは、C形スペーサ4を外嵌めしていないフェルール8の前記フェルール本体81を前記フェルール嵌合溝22bに直接押し込んで嵌め込む。
フェルール8を、前記治具20の基台突設ホルダ22に脱着可能に取り付けた脱着ホルダ23のフェルール保持部23aに保持する場合は、例えばC形スペーサ4を外嵌めしていないフェルール8の前記フェルール本体81を脱着ホルダ23のフェルール保持部23aのフェルール嵌合溝23bに直接押し込んで嵌め込む。また、フェルール本体81外径によっては(脱着ホルダ23のフェルール保持部23aのフェルール嵌合溝23b内径よりも小さい場合)、適宜寸法のC形スペーサを外嵌めしてスペーサ付きフェルールをフェルール保持部23aのフェルール嵌合溝23bに嵌め込んでも良い。
このファイバ挿入工程では、図15(b)に示すように、基台21上にて後側移動限界位置から前進移動させたファイバホルダ10を治具20の弾性係合片24によって前側移動限界位置に保持したときに、光ファイバ1の被覆部(被覆部の先端部)がフェルール8の被覆部収納孔部8a2内及びフランジ部品82の後側延出筒部82b内側の内孔に挿入され、光ファイバ1先端(前側突出部1c先端)に口出しておいた裸光ファイバ1aがフェルール本体81の位置決め孔部8a1を貫通してフェルール本体81の先端面2bから突出されるようにする。また、図15(b)は、光ファイバ1のファイバホルダ10前端からの突出長及び裸光ファイバ1aの口出し長の調整により、基台21上にてファイバホルダ10を後側移動限界位置から前進移動させたときに、フェルール2の被覆部収納孔部8a2内に挿入された光ファイバ1の被覆部の被覆材1bの端面(先端面)がフェルール本体81のテーパ孔部8a3に当接せず、テーパ孔部8a3内面から若干後側にずれた位置に配置されるようにした構成を例示している。
なお、図15(a)、(b)に示すように、前記フェルール8を用いてフェルール付き光ファイバ3Aを組み立てる場合、フェルール本体81のファイバ孔8aに接着剤を充填した状態でファイバ挿入工程を行うが、さらにフェルール本体81のファイバ孔8aのみならず、フェルール8の筒部82aの後側延出筒部82b内側(内孔)にも接着剤を充填した状態でファイバ挿入工程を行った後、接着固定工程を行うことが好ましい。
前記フェルール8を用いたフェルール付き光ファイバ3Aの組み立て作業(フェルール付き光ファイバの組立方法)においては、例えば、前記後側延出筒部82bの延出長が長く、脱着ホルダ23を取り付けていない治具20の基台突設ホルダ22に前記フェルール8を保持したとき、前記フェルール8の後側延出筒部82bに、基台21上にて後側移動限界位置から前側移動限界位置に移動したファイバホルダ10が当接してしまう場合に、前記基台突設ホルダ22に取付用棒状突片23dを嵌め込んで治具20に取り付けた脱着ホルダ23のフェルール保持部23aにフェルール8を嵌め込んで保持することで、ファイバ挿入工程を正常に行うといったことが可能である。
治具20に取り付けた脱着ホルダ23のフェルール保持部23aにフェルール8を嵌め込んで保持した場合は、基台突設ホルダ22にフェルール8を保持する場合に比べて前記後側延出筒部82bの延出長が長いフェルール8を使用してもファイバ挿入工程を正常に行うこと、すなわちファイバ挿入工程によって光ファイバ1の長手方向の目的位置にフェルール8が挿入された状態を確実に得ることが可能である。
なお、図16に示すように、フェルール8のフランジ部品82の前記後側延出筒部82bの延出長が短く(あるいは後側延出筒部82bが無い)、脱着ホルダ23を取り付けていない治具20の基台突設ホルダ22に前記フェルール8(図示例のフェルール8に符号8Aを付記する)を嵌め込んで保持しても、基台21上にて後側移動限界位置から前側移動限界位置に移動したファイバホルダ10が前記フェルール8の後側延出筒部82bに当接しない場合は、フェルール8を治具20の基台突設ホルダ22に保持した状態にてファイバ挿入工程を行うことが可能であることは言うまでも無い。
また、基台21前後方向におけるフェルール2の保持位置は、上述のように、フェルール8のフランジ部品82の後側延出筒部82bの延出長に応じて行うことに限定されず、例えば、接着固定工程の完了後に、ファイバホルダ10によって光ファイバ1を把持した状態のままファイバホルダ10を研磨装置のホルダ載せ台に設置し、光ファイバ1先端部に接着固定されたフェルールを研磨装置のフェルール固定部に固定して研磨工程を行う場合の研磨装置のホルダ載せ台とフェルール固定部との間の距離に応じて選択するなど、ファイバホルダ10によって光ファイバ1を把持した状態のまま行う後工程に応じて選択することが可能である。
また、本発明に係るフェルール付き光ファイバの組立方法にあっては、例えば図17(a)、(b)に示すように、ファイバ挿入工程にて、フェルール8のファイバ孔8aに、フランジ部品82の前記後側延出筒部82b内径(被覆部収納孔部8a2内径)に比べて格段に細い光ファイバ1、すなわち被覆部外径が後側延出筒部82b内径に比べて小さく、被覆部外径と後側延出筒部82b内径との差が被覆部収納孔部8a2内にて被覆部を遊動可能とするクリアランスを確保可能な大きさの光ファイバ1を挿入する場合に、ファイバホルダ10に把持された前記光ファイバ1(図中、この光ファイバに符号1Bを付記する)の前側突出部1cに合成樹脂製の柔軟なチューブ9を予め外挿しておき、基台21上にて前記ファイバホルダ10を後側移動限界位置から前側移動限界位置へ移動して光ファイバ1Bをフェルール8のファイバ孔8aに挿入するとともに、前記チューブ9をその長手方向の一部(片端側の一部)を前記フェルール8のファイバ孔8aに挿入して前記ファイバ孔8aに挿入された部分以外がフェルール本体8から後側に延出された状態とし、この状態を保ったまま前記接着固定工程を行っても良い。
なお、図示例の光ファイバ1Bの裸光ファイバ1aの径(外径)は、図15(b)等に例示した光ファイバ1Aの裸光ファイバ1aの径と同じである。
前記ファイバ挿入工程は、フェルール本体81のファイバ孔8aのみならず、フェルール8の筒部82aの後側延出筒部82b内にも接着剤を充填した状態にて行う。そして、接着固定工程にて光ファイバ1Bとともにチューブ9をフェルール8に接着固定する。
前記チューブ9は、具体的にはフェルール8のファイバ孔8aの被覆部収納孔部8a2に挿入する。
図17(a)、(b)に示すように、チューブ9は前記被覆部収納孔部8a2内での光ファイバ1Bの被覆部収納孔部8a2の軸線(ファイバ孔8aの軸線と一致)に対する軸ずれ、特に位置決め孔部8a1の軸線に対する軸ずれを抑え、被覆部収納孔部8a2の軸線に軸合わせした状態に配置するために、その外径がフェルール8の被覆部収納孔部8a2の内径と略同等(被覆部収納孔部8a2内径と一致又は僅かに小さい)、内径が光ファイバ1B外径と略同等(光ファイバ1B外径と一致又は僅かに大きい)ものを使用する。
また、チューブ9としては、フェルール8のファイバ孔8aへの挿入が完了した光ファイバ1Bのうち、前記ファイバ孔8a後端の開口部及びその近傍に位置する部分を収納して覆うことができる長さが確保された短尺のものを使用する。チューブ9の長さは、前記光ファイバ1Bの前側突出部1cのうち該前側突出部1c先端部に口出しされた裸光ファイバ1aを除く被覆部の長さと同等あるいはそれよりも短く設定される。図示例のチューブ9は、前側突出部1cの被覆部に比べて長さが短いものを使用している。
図17(a)、(b)に示すように、ファイバ挿入工程において、チューブ9は、その長手方向片端部をフェルール8の被覆部収納孔部8a2に挿入し、フェルール8のファイバ孔8aに挿入された部分以外がフェルール本体8から後側に延出された状態とすることで、前記光ファイバ1Bの前記ファイバ孔8a後端の開口部及びその近傍に位置する部分に被せた状態にする。そして、この状態を保ったまま前記接着固定工程を行うことで、光ファイバ1Bとともにチューブ9をフェルール8に接着固定する。
これにより、組み立ての完了したフェルール付き光ファイバ3(図中、このフェルール付き光ファイバに符号3Bを付記する)にあっては、フェルール8後端(後側延出筒部82b後端)から後側に延出状態の光ファイバ1Bに、フェルール8後端付近、すなわちフェルール8の後側延出筒部82bの後端付近にて作用する曲げ応力を前記チューブ9によって緩和することができる。このため、光ファイバ1Bを、フェルール8後端付近での屈曲、極端に小さい曲げ半径での曲げによって傷めるといった不都合を防止できる。
前記チューブ9は、フェルール8後端付近にて光ファイバ1Bを保護する保護チューブとして機能する。
図15(b)等に示すように、前記光ファイバ1Aはその外径(被覆部外径)がフェルール8のフランジ部品82の前記後側延出筒部82b内径と略同等(後側延出筒部82b内径と一致、あるいは僅かに小さい)であり、後側延出筒部82bに挿入した被覆部が後側延出筒部82b内面によって被覆部収納孔部8a2の軸線に対する軸ずれが抑えられ、被覆部収納孔部8a2の軸線に軸合わせされる。これに対し、図17(a)、(b)に示すように、前記光ファイバ1Aに比べて細い光ファイバ1Bは、後側延出筒部82b内側の被覆部収納孔部8a2に挿入されたチューブ9内面によって被覆部収納孔部8a2の軸線に軸合わせされる。
仮に、前記フェルール8のファイバ孔8aの被覆部収納孔部8a2に内挿された光ファイバ1Bの被覆部の、前記ファイバ孔8aの位置決め孔部8a1の軸線に対する軸ずれのずれ量が大きいと、光ファイバ1B先端に口出しされ前記フェルール8のファイバ孔8aの位置決め孔部8a1に内挿された裸光ファイバ1aの基端部(光ファイバ1B先端に口出しされた裸光ファイバ1aにおける光ファイバ1B被覆部側の端部)に作用する曲げ等の応力によって、裸光ファイバ1aの光特性に影響(損失増大等)を与えやすくなる。
これに対して、被覆部収納孔部8a2に内挿された光ファイバ1A、1Bの被覆部をフェルール8のファイバ孔8aの軸線に軸合わせできる構成であれば、光ファイバ1B先端に口出しされ前記フェルール8のファイバ孔8aの位置決め孔部8a1に内挿された裸光ファイバ1aの基端部に曲げ等の応力が作用することを抑える(あるいは解消する)ことができるため、光ファイバ1A、1Bの被覆部の位置決め孔部8a1の軸線に対する軸ずれが裸光ファイバ1aの光特性に影響を与えることを回避でき、所期の光特性を確実に得る点で有利である。
前記チューブ9は、後側延出筒部82b内側の被覆部収納孔部8a2内面と被覆部収納孔部8a2に内挿された光ファイバ1B(その被覆部)との間に介挿されて、前記被覆部収納孔部8a2内径に比べて径小の光ファイバ1Bの被覆部を被覆部収納孔部8a2の軸線と軸合わせした状態に配置するためのスペーサ(スペーサチューブ)として機能する。
したがって、光ファイバ先端部を挿入して接着固定するフェルールとして、被覆部収納孔部8a2内径が光ファイバの被覆部外径に比べて径大であり、被覆部収納孔部8a2内に挿入された光ファイバ被覆部と被覆部収納孔部8a2内面との間に被覆部収納孔部8a2内での光ファイバの遊動を可能にする程度のクリアランスが生じるものを採用する場合でも、前記チューブ9を被覆部収納孔部8a2に挿入することで、被覆部収納孔部8a2に内挿された光ファイバの被覆部を前記チューブ9によってファイバ孔8aの位置決め孔部8a1の軸線及び被覆部収納孔部8a2の軸線に軸合わせできる。
例えば、図17(a)、(b)等に示すように、フェルール8として、ファイバ孔8aに挿入された前記光ファイバ1Aの被覆部を前記ファイバ孔8aの軸線に軸合わせできる内径の後側延出筒部82bを有するもの(図15(b)参照)を採用し、このフェルール8のファイバ孔8aに、前記光ファイバ1Aに比べて細い光ファイバ1Bの先端部を挿入し接着固定してフェルール付き光ファイバ3Bを組み立てる場合でも、フェルール8の後側延出筒部82b内径や光ファイバ1B径(被覆部外径)に応じた内外径のチューブ9を用意して、既述のようにファイバ挿入工程にて前記チューブ9を前記フェルール8の後側延出筒部82b内側の被覆部収納孔部8a2に挿入することで、被覆部収納孔部8a2に内挿された光ファイバ1Bの被覆部をフェルール8のファイバ孔8aの軸線に軸合わせできる。
つまり、フェルール8の後側延出筒部82b内側の被覆部収納孔部8a2に対する前記チューブ9の挿入の要否選択や、前記フェルール8の後側延出筒部82b内側の被覆部収納孔部8a2に挿入するチューブ9の内径の選択(チューブ9外径は後側延出筒部82b内径と略同等)によって、フェルール8に挿入する光ファイバ1径(被覆部外径)に対応して、ファイバ挿入工程にて前記被覆部収納孔部8a2に挿入する光ファイバ1Bの被覆部のフェルール8のファイバ孔8aの軸線に対する軸合わせを実現できる。
例えば、被覆部径(外径)が0.9mmの光ファイバ心線である光ファイバ1Aの先端部に接着固定するフェルール8としては、後側延出筒部82b内径が1.0mmのものを好適に使用できる。このフェルール8を採用した場合、後側延出筒部82bに内挿された光ファイバ1Aの被覆部を後側延出筒部82bの軸線に軸合わせできる。
このフェルール8のファイバ孔8a(後側延出筒部82b内径が1.0mm)に、例えば径(被覆部外径)が0.4mmの光ファイバ心線、あるいは径(被覆部外径)が0.25mmの光ファイバ素線といった、前記光ファイバ1Aに比べて被覆部外径が格段に小さい光ファイバ1B先端部を挿入して接着固定し、フェルール付き光ファイバ3Bを組み立てる場合に、既述のようにファイバ挿入工程にて前記チューブ9を前記フェルール8の後側延出筒部82b内側の被覆部収納孔部8a2に挿入することで、被覆部収納孔部8a2に内挿された光ファイバ1Bの被覆部をフェルール8のファイバ孔8aの軸線に軸合わせできる。
前記チューブ9は、図10(a)に例示したように、キャピラリ状部材であるフェルール2自体に形成されたファイバ孔2aの被覆部収納孔部2a2にファイバ挿入工程にて光ファイバを挿入する場合にも使用できる。
また、本明細書において、フェルールの後側延出筒部は、その内側がファイバ孔の被覆部収納孔部とされた筒状部を指すものであり、図15(a)等に例示したフェルール8のように、フェルール本体81に外挿固定したフランジ部品82の筒部の一部である構成に限定されない。例えば図10(a)に例示したフェルール2においては、被覆部収納孔部2a2を内孔とする筒状部が後側延出筒部として機能する。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されす、その主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
上述の実施形態では、ファイバホルダ10の前記基台21上でのスライド移動(スライドによる前後動)を規制するために治具20、基台21に設けられるスライド移動規制手段、係合保持手段として、図1、図3等に示すように、ファイバホルダ10のベース部材11の幅方向両側に突設されたスライド規制用係合突起11uが嵌合可能な凹所である切欠部24cが形成された係合片部24bによって前記スライド規制用係合突起11uと係脱可能に係合し、しかも前記係合片部24bによって前記ファイバホルダ10の基台21からの浮き上がりをも規制する弾性係合片24を例示したが、本発明に係るスライド移動規制手段、係合保持手段としてはこれに限定されない。
スライド移動規制手段、係合保持手段としては、前記ファイバホルダに係脱可能に係合する構成や、ファイバホルダを基台上でのスライド移動によるフェルールホルダに対する進退方向(前後方向)に直交する方向の挟持力によって挟持可能かつ挟持状態を解除可能な構成など、基台上でのファイバホルダのスライド移動(スライドによる前後動)を規制した状態と、規制解除状態とを切り換え可能な構成であれば良い。ファイバホルダを挟持力によって挟持する構成のスライド移動規制手段(ファイバホルダとの係合は必須ではない)としては、例えば、基台の幅方向両側からファイバホルダを挟持可能な構成のものの他、基台に設けた押し付け部材によってファイバホルダを基台(詳細にはプレート状の基台本体)に押し付けて固定する構成(押し付け部材と基台との間に挟持する構成)のもの等も採用可能である。
また、スライド規制用係合突起としては、必ずしも、基台上でのスライド移動の規制時にファイバホルダの基台からの浮き上がりを規制する構成である必要は無い。
上述の実施形態では、治具20、基台21の前後方向におけるフェルールの保持位置を変更可能とするための構成として、治具20の基台突設ホルダ22に脱着可能な脱着ホルダ23を用いる構成を例示したが、本発明において、治具、基台の前後方向におけるフェルールの保持位置を変更可能とするための構成としては上述の実施形態の構成に限定されず、様々な構成を採用可能である。
例えば、図18(a)に示すフェルール接着作業用治具の基台21Aのように、その基台本体21pの前後方向(図18(a)左右)の片端部(前端部)に、該基台21A上からフェルールホルダ27(第1フェルールホルダ)を嵌め込むことで前記フェルールホルダ27を基台21A上に立設状態に保持できるホルダ嵌合穴21g(ホルダ取付部)が、前後方向の位置を互いに異ならせて複数箇所(図示例では2箇所)に設けられている構成の基台も採用可能である。フェルールホルダ27は、フェルールを脱着可能に保持するためのフェルール保持部27a(フェルール嵌合溝(図示略)が形成された部分)に、前記ホルダ嵌合穴21gに嵌め込むことができる挿入嵌合部27bを突設した構成であり、挿入嵌合部27bを前記ホルダ嵌合穴21gに嵌め込むことでフェルール保持部27aが基台21A上に立設状態に設けられる。挿入嵌合部27bは、基台21A上からホルダ嵌合穴21gに挿脱可能である。
また、図18(b)に示すように、図1等に例示した治具20の基台21(基台本体21p)の基台突設ホルダ22よりも前側の位置に、図18(a)に例示したフェルールホルダ27を嵌め込むことができるホルダ嵌合穴21gが設けられた構成の基台21Bを採用し、該基台21B上からフェルールホルダ27の挿入嵌合部27bを前記ホルダ嵌合穴21gに挿入して嵌合することで、フェルールホルダ27のフェルール保持部27aが基台21B上に立設状態に設けられるようにしても良い。前記フェルールホルダ27は本発明に係る第2フェルールホルダとして機能する。基台21Bに取り付けたフェルールホルダ27のフェルール保持部27aは、基台21B上に設置したファイバホルダにおける光ファイバの位置決め軸線上にフェルールを保持できる。このフェルール保持部27aに保持されたフェルールには、基台21B上でのファイバホルダの前進移動によって、ファイバホルダに把持された光ファイバの前側突出部の先端部を、基台突設ホルダ22のフェルール嵌合溝22bを介して挿入できる。
なお、基台にフェルールホルダを脱着可能に取り付けるためのホルダ取付部としては、図18(a)、(b)に例示したホルダ嵌合穴21gに限定されず、例えば、基台上に突設されフェルールホルダが外嵌めされる嵌合用突部等も採用可能である。
また、図18(a)に例示した基台21Aのように、基台前端部(基台本体21pの前端部)における前後方向の複数箇所にホルダ取付部を具備する構成の基台を用いる場合、基台に複数のフェルールホルダを取り付けてファイバ挿入工程を行っても良い。この場合、複数のフェルールホルダの内、最も基台後端側に位置するフェルールホルダが本発明に係る第1フェルールホルダ、他のフェルールホルダが本発明に係る第2フェルールホルダとして機能する。
また、ホルダ取付部としては、例えば、フェルールホルダの基台前後方向へのスライド移動を案内するためのレール部を有し、フェルールホルダを該フェルールホルダに突設した弾性係合爪による基台との係合やねじ止め等の取り付け手段によって基台前後方向の所望位置に取り付けでき、前記取り付け手段による取り付け状態を解除するとフェルールホルダの基台前後方向の移動が可能となり、基台に対するフェルールホルダの取り付け位置を変更できるようにした構成も採用可能である。
また、ホルダ取付部に脱着可能なフェルールホルダ(第1フェルールホルダ)は、前記ホルダ取付部に取り付けたときの前記フェルールの保持位置(換言すればフェルール保持部の位置)が、前記基台上にて前記ファイバホルダをスライド移動させる方向である前後方向において互いに異なるものを選択使用することができる。つまり、フェルールの選択使用によって、フェルールホルダによる基台前後方向におけるフェルールの保持位置を選択することが可能である。
ファイバホルダとしては、プレート状のベース部材と該ベース部材に枢着されて前記ベース部材に対して開閉する板状押さえ部材との間に光ファイバを把持できる構成のものであれば良く、その具体的構成には特に限定は無い。
但し、例えば図19に示すファイバホルダHのように、ベース部材H1としては、プレート状のベース主板部H11の片面(上面)に光ファイバ1を該ベース部材H1上に真っ直ぐに延在するように配置するための位置決め溝H12が延在形成されたものを用いることが好ましい。また、前記ベース部材H1としては、基台上にて基台幅方向へのがたつきを生じることなく、前後方向へのスライド移動を円滑にする点で、プレート状のベース主板部H11の底面側に前記位置決め溝H12の延在方向に沿って延在する一対の底側延在突部H13が互いに離隔した2箇所に突設された断面門形のものを採用することが好ましい。
なお、図19において、符号H2は板状押さえ部材、H3は前記板状押さえ部材H2をベース部材H1に枢着した枢着部である。また、図1、図4等に例示したファイバホルダ10も、図19に例示したファイバホルダHに該当することは言うまでも無い。
ファイバホルダを基台上にて1直線上にスライド移動可能に案内するための案内部としては、図1等に例示したように基台21(詳細には基台本体21p)の幅方向両端に突設されたガイド壁21bに限定されない。前記案内部としては、例えば図19に示すように、プレート状の基台本体21pの幅方向中央部に前後方向に延在する突条状に突設され、基台本体21p上に設置したファイバホルダHのベース部材H1の底面側にてその幅方向両端に突設された底側延在突部H13の間に収納される案内用突部21hも採用可能である。案内部として前記案内用突部21hを採用した基台21Cの基台本体21p上に設置したファイバホルダHは、そのベース部材H1の底面側の一対の底側延在突部H13が案内用突部21hの幅方向(図19左右)両端面に摺接することで、基台21C上にて案内用突部21hによって1直線上にスライド移動可能に案内される。
上述の実施形態では、第2フェルールホルダとして、図7〜図9に示すように、基台突設ホルダ22に脱着可能に嵌め込むことができる取付用棒状突片23dとフェルール保持部23aとを有し、取付用棒状突片23dを基台突設ホルダ22に嵌め込むことで基台に取り付けられ、前記フェルール保持部23aが基台突設ホルダ22の前側に配置される構成の脱着ホルダ23を例示したが、基台突設ホルダ22に取付用棒状突片を脱着可能に嵌め込んで基台に取り付けることができる脱着ホルダとしては図示例の構成に限定されない。例えば、図7〜図9に例示した脱着ホルダ23は、基台上のファイバホルダに把持された光ファイバの前側突出部をフェルール保持部23aに保持したフェルールのファイバ孔に導くためのファイバ案内部として、取付用棒状突片23dの全長にわたって延在形成されたファイバ案内溝23hを採用した構成になっているが、取付用棒状突片に形成するファイバ案内部としては、取付用棒状突片をその長手方向(軸線方向)に貫通する貫通孔を形成した構成も採用可能である。
また、図7〜図9に例示した脱着ホルダ23は、フェルール保持部が取付用棒状突片から離隔した位置に設けられた構成になっているが、本発明に係る脱着ホルダ(第2フェルールホルダ)としては、フェルール保持部が取付用棒状突片から離隔されておらず取付用棒状突片と一体に設けられている構成も採用可能である。
フェルールとしては、上述の実施形態に例示した構成に限定されず、様々な構成のものを用いることができる。
図1、図7等では、フランジ部を有していないフェルール2(フェルール本体)を用いる構成を例示したが、例えば、図20に示すように、前記フェルール2の長手方向(軸線方向)の中央部に金属製リングであるフランジ部品2eを外挿固定し、このフランジ部品2eをフランジ部(以下、フランジ部品2eをフランジ部とも言う)とする構成のフェルール2Aも採用可能である。
このフェルール2Aも、C形スペーサ4(図1等参照)を外嵌めしてスペーサ付きフェルールの状態で、フェルールホルダに嵌め込んで保持状態とすることが可能である。この場合、C形スペーサ4として、例えばフェルール本体2の前記フランジ部2eから前側(先端面2b側)に外嵌め可能なものを用いる。
本発明に係るフェルール付き光ファイバの組立方法、フェルール接着作業用治具は、キャピラリ状のフェルール本体を有して構成された単心用のフェルールのファイバ孔に光ファイバを挿入して、接着固定し、フェルール付き光ファイバを組み立てることのみならず、例えば、MT形光コネクタ(JIS C 5981に制定されるF12形光コネクタ。MT:Mechanically Transferable)のような多心用のフェルールのファイバ孔に光ファイバを挿入して接着固定し、フェルール付き光ファイバを組み立てることにも応用できる。
1、1A、1B…光ファイバ(フェルール本体)、1a…裸光ファイバ、1b…被覆材、1c、1c1、1c2…前側突出部、2…フェルール(フェルール本体)、2A…フェルール、2a…ファイバ孔、2a1…位置決め孔部、2a2…被覆部収納孔部、2a3…テーパ孔部、2a4…テーパ状後端開口部、2b…先端面、2c…後端面、2d…接合端面、2e…フランジ部品、3、3A、3B…フェルール付き光ファイバ、4…スペーサ(C形スペーサ)、5…スペーサ付きフェルール、6…接着剤、7…加熱器、8…フェルール(フランジ部品付きフェルール)、8a…ファイバ孔、8a1…位置決め孔部、8a2…被覆部収納孔部、8a3…テーパ孔部、81…フェルール本体、81a…先端面、82…フランジ部品、82a…筒部、82b…後側延出筒部、82c…フランジ部、9…チューブ、
10…ファイバホルダ、
20…フェルール接着作業用治具、20A…フェルール接着作業用治具(脱着ホルダ付きフェルール接着作業用治具)、21、21A、21B、21C…基台、21a…(基台の)上面、21b…案内部(ガイド壁)、21e…案内部(案内用突部)、21g…ホルダ取付部(ホルダ嵌合穴)、21h…案内部(案内用突部)、22…フェルールホルダ、第1フェルールホルダ、ホルダ取付部(基台突設ホルダ)、22a…弾性片、22b…フェルール嵌合溝、23…フェルールホルダ、第2フェルールホルダ(脱着ホルダ)、23a…フェルール保持部、23b…フェルール嵌合溝、23c…ホルダ本体、23d…取付用棒状突片、23e…背板部、23f…上面、23g…当接片部、23h…ファイバ案内部(ファイバ案内溝)、24…スライド移動規制手段、係合保持手段(弾性係合片)、H…ファイバホルダ。

Claims (12)

  1. 光ファイバの先端部をフェルールに貫設されたファイバ孔に挿入して接着固定しフェルール付き光ファイバを組み立てる組立方法であって、
    光ファイバを把持したファイバホルダを、前記フェルールを保持するためのフェルールホルダが設けられた基台上にてスライド移動させて前記フェルールに向かって前進させることで、前記光ファイバの先端部を前記フェルールの前記ファイバ孔に挿入するとともに、前記光ファイバの先端部が前記フェルールのファイバ孔に挿入された状態で前記基台に設けられたスライド移動規制手段により前記ファイバホルダのスライド移動を規制するファイバ挿入工程と、このファイバ挿入工程の後、前記ファイバホルダのスライド移動を規制した状態を保ったまま前記フェルールの前記ファイバ孔内に充填しておいた接着剤を硬化させ、前記光ファイバ先端にフェルールを接着固定する接着固定工程を具備し、
    前記基台は、該基台上にて前記ファイバホルダを1直線上にスライド移動可能に案内するためのホルダ案内部と、前記フェルールホルダを脱着自在に取り付け可能なホルダ取付部と、を有し、
    前記ファイバ挿入工程にて、前記ホルダ取付部に取り付けた前記フェルールホルダに保持した前記フェルールの前記ファイバ孔に前記光ファイバの先端部を挿入することを特徴とするフェルール付き光ファイバの組立方法。
  2. 前記ホルダ取付部は、前記フェルールホルダの代わりにフェルールを取り付けるフェルールホルダとしても機能することを特徴とする請求項1に記載のフェルール付き光ファイバの組立方法。
  3. 前記スライド移動規制手段は、前記ファイバホルダと係合し且つ前記ファイバホルダを挟持力を以て保持することにより前記ファイバホルダのスライド移動を規制することを特徴とする請求項1又は2に記載のフェルール付き光ファイバの組立方法。
  4. 前記光ファイバが裸光ファイバを被覆材によって覆った構成の被覆光ファイバであり、前記ファイバ挿入工程にて、前記被覆光ファイバの先端に口出ししておいた裸光ファイバを、前記フェルールのファイバ孔の一部であり前記フェルールの先端面に開口する位置決め孔部に挿入し、前記被覆光ファイバの前記被覆材によって覆われた部分である被覆部を、前記位置決め孔部に比べて径大に形成された被覆部収納孔部に挿入し、前記被覆部の先端が、前記位置決め孔部と前記被覆部収納孔部との間の境界部に位置する段差面あるいはテーパ面から後側にずれた位置となるように前記ファイバホルダのスライド移動を規制することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフェルール付き光ファイバの組立方法。
  5. 前記ファイバ挿入工程にて、前記光ファイバの先端部を前記フェルールの前記ファイバ孔に挿入するとともに、前記光ファイバに外挿しておいたチューブの一部を前記ファイバ孔に挿入して、前記ファイバ孔後端の開口部から後側に前記チューブが延出された状態にし、この状態を保ったまま前記接着固定工程を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のフェルール付き光ファイバの組立方法。
  6. 前記フェルールホルダとして、前記ホルダ取付部に取り付けたときの前記フェルールの保持位置が、前記基台上にて前記ファイバホルダをスライド移動させる方向である前後方向において互いに異なるものを選択使用することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のフェルール付き光ファイバの組立方法。
  7. 記フェルールホルダの前記基台に対する固定位置が、前記基台上にて前記ファイバホルダのスライド方向に変更可能であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のフェルール付き光ファイバの組立方法。
  8. 前記接着固定工程の後に、前記フェルールの先端面を前記光ファイバのフェルールに内挿固定された部分とともに一括研磨して、フェルール先端と前記光ファイバの先端を含む連続する研磨面である接合端面を形成する研磨工程を具備することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のフェルール付き光ファイバの組立方法。
  9. 光ファイバの先端部をフェルールに貫設されたファイバ孔に挿入して接着剤により接着固定する作業に用いられるフェルール接着作業用治具であって、
    光ファイバを把持したファイバホルダをスライド移動させるための上面を有する基台と、この基台に設けられ前記フェルールを保持するフェルールホルダと、前記ファイバホルダを基台上にてスライド移動させて前記フェルールに向かって前進させることで前記光ファイバの先端部を前記フェルールの前記ファイバ孔に挿入した状態で前記ファイバホルダのスライド移動を規制するためのスライド移動規制手段とを具備し、
    前記基台は該基台上にて前記ファイバホルダを1直線上にスライド移動可能に案内するためのホルダ案内部と、前記フェルールホルダを脱着自在に取り付け可能なホルダ取付部と、を有することを特徴とするフェルール接着作業用治具。
  10. 前記ホルダ取付部は、前記フェルールホルダの代わりにフェルールを取り付けるフェルールホルダとしても機能することを特徴とする請求項9に記載のフェルール接着作業用治具。
  11. 前記スライド移動規制手段が、前記ファイバホルダと係合し且つ前記ファイバホルダを挟持力を以て保持する係合保持手段であることを特徴とする請求項9又は10記載のフェルール接着作業用治具。
  12. 記ホルダ取付部は前記フェルールが取り出し可能に嵌め込まれるフェルール嵌合溝を有し、前記フェルールホルダは前記フェルールを保持するためのフェルール保持部を有するホルダ本体と、このホルダ本体に突設され前記ホルダ取付部の前記フェルール嵌合溝に取り出し可能に嵌め込むことで前記ホルダ取付部に保持される取付用棒状突片とを具備し、
    記フェルールホルダを、その前記取付用棒状突片を前記ホルダ取付部の前記フェルール嵌合溝に嵌め込み、前記ホルダ本体が前記ホルダ取付部よりも前記基台前側に配置されるようにして前記ホルダ取付部に取り付けることで、前記フェルールホルダの前記フェルール保持部によって前記ホルダ取付部よりも前記基台前側にて前記フェルールをそのファイバ孔が前記取付用棒状突片の長手方向全長にわたって延在形成された溝あるいは貫通孔であるファイバ案内部と連通する位置に保持可能とされていることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のフェルール接着作業用治具。
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