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JP5403682B2 - 濾過方法 - Google Patents
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Description

本発明は濾過方法に関する。
【0002】
大量の濾過対象液(懸濁液)を連続的に濾過・濃縮する固液分離技術が従来より開発されている。
本発明者は、懸濁液へ凝集剤ではなく、分散剤を添加することにより濾過が効率的に行えることを見出し、提案している(特許文献1)。
本願に関係する技術を開示する特許文献2及び特許文献3を参照されたい。
【特許文献1】 特開2005−66384号公報
【特許文献2】 特開昭63−51905号公報
【特許文献3】 特開2000−79304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献2には、筒状のフィルタへインナーロッドを挿入し、スパイラル状の流路を形成する技術が開示されている。
かかる濾過装置を用いて酸化鉄水洗液の濾過実験を行った。実験条件は次の通りである。
試料:酸化鉄水洗液
初期濃度:34mass%
供給圧力:0.4MPa
濾過装置10:図1参照
(1)フィルタ15:(孔径1.5μm、外径/内径:12/9mm、濾過長:300mm、)
(2)インナーロッド21:外径寸法が6mmのアクリルロッド(芯棒23)へ1.5mm太さのリード線をピッチ:10mmで巻回して、凸条部25を構成してなる
酸化鉄水洗液とは次のものを指す。
製鉄所で製造される鋼板は最終工程で、塩酸で表面を洗浄される。洗浄後の廃液から噴霧焙焼により塩酸が回収されるが、その時に酸化鉄が得られ、それを水洗いしたものが試料としての酸化鉄水洗液である。
【0004】
実験装置:図2参照
図2において、濾過対象液はタンク1に貯蔵されており、ポンプ3により濾過装置10とタンク1との間で循環される。即ち、濾過装置10を通過した濾過対象液は濾過装置10で濃縮されてタンク1へ戻される。濾過装置10を透過した単位時間当たりの水(濾液)の量を計測することにより、濾過速度を求めることができる。符号7は調圧弁である。
濾過実験を行った結果、流路に酸化鉄のスラリーが凝集して(図3参照)、図4に示す通り、10分弱で濾過ができなくなった(水洗液を濾過装置10へ流通させられなくなった)。
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、酸化鉄洗浄液へ分散剤を添加し、同一の濾過装置を用いて同一の条件で濾過実験を行ってみた。
その結果、驚くべきことに、濾過を長時間行うことができ、その結果、図5に示すように、濾過対象液の酸化鉄の濃度が20vol%、更には30vol%を超えるまでに濃縮することができた。
即ち、この発明の第1の局面は次のように規定される。
筒状のフィルタと、該筒状のフィルタへ挿入されるインナーロッドと、を備え、該インナーロッドとフィルタとの間にスパイラル状の流路が形成されている濾過装置へ濾過対象となる懸濁液を流通させる濾過方法であって、
前記懸濁液には分散剤が添加されている、ことを特徴とする懸濁液の濾過方法。
本発明者は、懸濁液に対する分散剤の添加量について検討した。
図6は分散剤(水ガラス)の添加量と懸濁液の状態との関係を示す。図6に示す写真は次のようにして撮影された。デスカップに酸化鉄洗浄液(約32mass%)を入れて、水ガラスを添加して手攪拌する。その後、図6に示す沈降管へ入れて24時間放置する。
図6より、水ガラスの添加量が1.2mg・g−1酸化鉄のとき、酸化鉄の粒子は水溶媒中で最も分散した状態となる(完全分散状態)。上澄み液において多数の酸化鉄の粒子が浮遊しているからである。
なお、分散剤には上記の水ガラスの他、ポリカルボン酸塩、各種界面活性剤を用いることができる。
1.2mg・g−1酸化鉄を超える水ガラスを添加すると、分散剤は過剰添加状態となる。
この明細書において、完全分散状態とは懸濁液の静止状態においてその上澄み液に多数の粒子が浮遊する状態をいい、そのときに添加される分散剤の量を当量という。過剰分散剤添加状態は、当該当量を超えた量の分散剤が懸濁液に添加された状態を指す。
図5の結果からわかる通り、懸濁液を分散剤の過剰添加状態とすると、懸濁液をより高濃度まで濃縮することができる。
これは、分散剤を過剰に添加することにより粒子が団子状により密に凝集し、その団子状凝集体が密に充填するためと考えられる。
濾過装置において、インナーロッドの芯棒の周面にスパイラル状の凸条部を設け、この凸条部の頂部を筒状フィルタの内周面へ当接させることによりスパイラル状の流路を形成することができる。即ち、このスパイラル流路は、フィルタの内周面、インナーロッドの凸条部周面、及びインナーロッドの芯棒の周面で規定される。
かかる構成を採用した場合、その製造が容易となり、安価な濾過装置を提供することができる。
流路の大きさは、フィルタの内径寸法、インナーロッドの芯棒の太さ、及び凸条部の高さ及びその幅で規定される。
凸条部はインナーロッドの全周へ連続的に形成されることが好ましいが、そのピッチや幅を適宜変更することも可能である。例えば、上流側のピッチを大きくし、下流側のピッチを小さくすることができる。これにより、フィルタの全域で濾過対象液の流速を一定に保つことができる。
この実施例では、凸条部を一条としているが、2条以上の凸条部を設けることも可能である。
凸条部の高さは、全域で均一にすることが好ましい。これにより、インナーロッドとフィルタとの芯合わせをすることができる。
フィルタに対して凸条部を有するインナーロッドを着脱自在とすると、既存の筒状フィルタへ当該インナーロッドを適用することが可能になる。これにより、濾過装置の汎用性が向上する。
着脱自在を現実化する一つの態様として、インナーロッドの形成材料の線膨張係数をフィルタのそれより大きくする。その結果、インナーロッドの凸条部の頂部の径(外径寸法)をフィルタの内周面の径(内径寸法)と同一か若しくはそれより多少大きく形成しておいて、インナーロッドを冷却し(フィルタを同時に冷却してもよい)、外径寸法の小さくなったインナーロッドをフィルタへ挿入する。その後、常温に戻せば、インナーロッドとフィルタとはしまり嵌めの状態になり、機械的に安定する。
一般的にフィルタはセラミック材料で形成されるので、セラミック材料より線膨張率の高い樹脂材料や金属材料でインナーロッドを形成することができる。
またインナーロッドを可撓性のある材料(アクリル樹脂等の合成樹脂材料)で形成することにより、フィルタへの作業が容易になる。
濾過装置の構成を示す断面図である。 濾過装置を評価する実験装置の構成を示す模式図である。 分散剤の添加の無い懸濁液(酸化鉄洗浄水)を濾過装置で濾過した後のインナーロッドの状態を示す図面代用写真である。 分散剤の添加の無い懸濁液(酸化鉄洗浄水)を濾過装置で濾過したときの経過時間と濾過速度の関係を示すグラフである。 分散剤を添加した懸濁液(酸化鉄洗浄水)を濾過装置で濾過したときの濾過速度と懸濁液濃度の関係を示すグラフである。 分散剤の添加量と懸濁液(酸化鉄洗浄水)の懸濁状態との関係を示す図面代用写真である。 実施例の濾過装置に使用状態を示す斜視図である。 濾過時間の長さを示すグラフである。 分散剤を添加した懸濁液(セリサイト懸濁液)の濾過時間の長さを示すグラフである。 分散剤を添加した懸濁液(セリサイト懸濁液)の濾過速度と懸濁液濃度との関係を示すグラフである。 分散剤を添加した懸濁液(セリサイト懸濁液)を濾過装置で濾過した後のインナーロッドの状態を示す図面代用写真である。 分散剤を過剰に添加した懸濁液(セリサイト懸濁液)の濾過速度と懸濁液濃度との関係を示すグラフである。 分散剤を過剰に添加した懸濁液(セリサイト懸濁液)を濾過装置で濾過した後のインナーロッドの状態を示す図面代用写真である。 分散剤を添加した懸濁液(セリサイト懸濁液、30vol%)の目詰まりによる濾過速度低下と養生液流通による濾過速度の回復を示すグラフである。 分散剤を添加した懸濁液(セリサイト懸濁液、20vol%)の目詰まりによる濾過速度低下と養生液流通による濾過速度の回復を示すグラフである。 濾過と養生を短時間で繰り返したときの濾過速度の変化を示すグラフである。 濾過速度と濃縮液流量との関係を示すグラフである。 アオコ水を濾過したときの濾過時間の長さを示すグラフである。 アオコ水を濾過した後のインナーロッドの状態を示す図面代用写真である。 2種類の濃度のアオコ水を濾過したときの濾過時間の長さを示すグラフである。 目つまりのないフィルタでの濾過速度の時間変化を示すグラフである。 超音波洗浄による目詰まり解消の効果を示すグラフである。
符号の説明
【0011】
10 濾過装置、15 フィルタ、21 インナーロッド、23 芯棒、25 凸条部、31 アウタケース
【発明を実施するための最良の形態】
図7は実施例の濾過システムを示し、図1に示した構成の濾過装置10が円筒状のアウタケース31へ挿着されている。
フィルタ15には孔径1.5μm、外径/内径:12/9mm、濾過長:300mm、を用いた。
このフィルタ15はセラミックス製であるので、その線膨張係数は約5〜10×10−6(1/℃)である。
フィルタ15の径、長さ、平均孔径は濾過対象液の特性、濾過作業の要求に応じて任意に選択することができる。屈曲したフィルタを用いることもできる。この場合、インナーロッドは可撓性のある材料で形成することが好ましい。
フィルタ15は図2に示した装置の配管35へ取付けられる(図7参照)。図中の参照番号31はアウタケースであり、フィルタ15を通して濾過された濾液を収集し、排出口33から外部へ排出させる。
フィルタ15の本数も濾過対象液の特性や濾過作業の要請に応じて任意に選択される。
インナーロッド21は、図1に示すように、樹脂製(アクリル樹脂:線膨張係数;7〜8×10−5(1/℃))の芯棒23(外径寸法6mm)へ1.5mm太さのリード線(線膨張係数;1〜2×10−5(1/℃))を巻回してなる。このリード線が凸条部25を構成する。リード線の頂部の外径寸法(9mm)とフィルタ15の内径寸法(9mm)とが等しく、リード線の頂部がフィルタ15の内周面へ当接する。リード線のピッチは10mmとした。
この実施例ではインナーロッドにおいて芯棒と凸条部とを別部材としたが、インナーロッドを射出成形することにより、両者を一体的に形成することができる。
上記の実施例では、インナーロッド21の外径寸法とフィルタ15の内径寸法とが等しいので、そのままの状態ではフィルタ15へインナーロッド21を挿入することができない。この実施例では、インナーロッド21とフィルタ15ともに冷蔵庫(約−5℃)へ12時間放置し、その後両者を嵌め併せた。このとき、インナーロッド21の形成材料の線膨張係数はフィルタ15の形成材料の線膨張係数より大きいので、当該冷却によりフィルタ15に比べて大きく収縮する。その結果、フィルタ15へインナーロッド21を容易に挿入することができる。
実験終了後においては、濾過装置10を再度冷却し、インナーロッド21を収縮させてフィルタ15より抜き取る。
このように、インナーロッドとフィルタ15とを着脱自在とすることにより、濾過装置10の内部の洗浄が容易になる。
ここに、フィルタ15は上市されているフィルタである。従って、インナーロッドを準備すれば、既存の設備のフィルタ15へ本発明を適用できることがわかる。
このように構成された濾過装置10によれば、インナーロッド21を挿入することにより、濾過対象液の流通する流路の径が小さくなる。その結果、流路を流通する濾過対象液に流速の勾配は生じず、流路壁面においても充分な流速が確保され、フィルタ15の内周面にスラリーが堆積することがない。
また、流路をスパイラル状としたので、その長さはフィルタ15の長さよりも長くなる。よって、フィルタ15において濾過対象液に接する面積が大きくなり(即ち、濾過面積が増大し)、濾過効率も向上する。
特に流路をスパイラルとすることにより、当該流路を流通する濾過対象液が常に攪拌状態(流れ方向以外の方向に力が掛っている状態)となるので、流路壁面(即ち、フィルタの内周面)へのスラリーの堆積をより確実に防止できる。
実施例の濾過装置10の濾過能力は図5に示すとおりである。
懸濁液に対して分散剤を当量以上添加したとき、好ましくは当量を超えて分散剤を添加したとき、20vol%、更には30vol%を越える高い濃度まで濾過(即ち濾過対象液の濃縮)を実行できる。
換言すれば、懸濁液(酸化鉄洗浄液)を過剰分散剤添加状態とすると、極めて長時間にわたり濾過を行うことが可能となる(図8参照)。なお、図8の例は、濃度32mass%の酸化鉄洗浄液を、濃度一定にして、濾過作業を行ったときの濾過速度と濾過時間との関係を示している。
濾過対象液の他の例としてセリサイトの水分散液についても上記と同様の検討を行った。他の濾過装置構成及び濾過条件は前の例と同一である。
濾過対象液(完全分散状態)
試料:セリサイト(平均粒子径 4μm)
初期濃度:1vol%
媒液:水道水
分散剤:水ガラス 0.3mg(g−セリサイト)−1
濾過圧力:0.2MPa
流量: 1500g・min−1
かかる濾過対象液の濾過結果を図9及び図10に示す。図11は濾過終了後のインナーロッドの状態を示す。図9は濾過速度と濾過時間との関係を示す。図9の結果から、長時間にわたり濾過を実行できることがわかる。濾過を長時間実行することにより、濾過対象液の濃度は濃縮され、図10に示すように、20vol%を超える濃度を達成できる。
濾過対象液を過剰分散剤添加状態とするため、上記の濾過対象液において水ガラスの添加量を次の通りとした。

分散剤:水ガラス 0.8mg(g−セリサイト)−1

かかる濾過対象液の濾過結果を図12に示す。図12の結果から、濾過対象液を過剰分散剤添加状態とすると、より高い濃度まで濾過を実行できることが確認できた。
図13は濾過終了後のインナーロッドの状態を示す。図13に示すように、濾過対象液を過剰分散剤添加状態とするとインナーロッドにケークが付着しないことがわかる。
本発明者の検討によれば、インナーロッドにケークが付着しなくても、フィルタ自体の目詰まりにより、濾過能力が低下することがわかった。フィルタの目詰まりは、懸濁液の濃度に依存せず、図14、図15に示すように、濾過運転時間に依存している。
図14では、初期濃度20vol%のセリサイト懸濁液(完全分散状態)を30vol%まで濃縮し、約240分連続運転する。その後、濾過対象液を初期濃度1vol%の懸濁液に代えると、濾過速度が徐々に回復している。
他方図15では、完全分散状態の濾過対象液を20vol%に制御して約240分連続運転する。その後、濾過対象液を初期濃度1vol%の懸濁液(完全分散状態)に代えると、上記と同様に濾過速度が徐々に回復している。換言すれば、濾過対象液の濃度にかかわらず、長時間濾過すると、フィルタに目詰まりが生じていることがわかる。
図14の例において、濾過装置の構成は既述のセリサイトの例と同一である。なお、高濃度(30vol%)の濾過対象液を濾過するときの供給圧力は0.4MPaとした。
図15の例においても、濾過装置の構成は既述のセリサイトの例と同一である。なお、高濃度(20vol%)の濾過対象液(完全分散状態)を濾過するときの供給圧力は0.4MPaとした。
他方、濾過対象液の1/10以下の濃度(濃度0も含む)懸濁液若しくは粒子を含まない溶媒(以下、これらを「養生液」と呼ぶ)を濾過装置へ流通させて養生すると、その濾過能力が回復し、再生されていくことがわかる。なお、懸濁液は完全分散状態若しくは過剰分散剤添加状態とする。
本発明者の検討によれば、高濃度の濾過対象液を濾過する場合は、10〜30分程度の比較的短いインターバルで、濾過と養生とを繰り返すことにより、濾過速度の低下を防ぐことができ、結果として高いスループットの濾過作業を実行できる。
図16の例では、20vol%の濾過対象液(完全分散状態)と1vol%の養生液(完全分散状態)とを交互に20分ずつ実施例の濾過装置に流通させたときの、濾過速度と経過時間との関係を示す。なお、濾過対象液の供給圧力は0.5MPa、養生液の供給圧力は0.4MPaとした。
図16の例では、濾過対象液の濾過速度の低下が防止でき、結果として濾過対象液の処理量を多くすることができる。
実施例の濾過装置を用いて濾過対象液(完全分散状態)の流速を変化させたとき(圧力一定)の濾過速度の変化を図17に示す。なお、図17において、▲で示されるデータは平均粒子径が4μmのセリサイトを試料としている。なお、濾過対象液の濃度変化によるデータのバラツキを防止するため、この実験においては、アウタケース21の排出口23から排出された濾液をタンク1へ戻している。
図17の結果から、濾過対象液の流量に濾過速度が比例していることがわかる。これにより、実施例の濾過装置を用いれば濾過対象液の濾過(若しくは濃縮)の制御を容易に行なうことができる。
以上の例では、筒状のフィルタと、該筒状のフィルタへ挿入されるインナーロッドと、を備え、該インナーロッドとフィルタとの間にスパイラル状の流路が形成される濾過装置へ流通させる濾過対象液へ過剰に分散剤を添加することにより、長時間濾過、高濃度濾過が達成できたことを説明してきた。
本発明者の検討によれば、アオコを含んだ水を濾過対象液とした場合にも、この発明の濾過装置によれば、長時間濾過が可能になった(図18参照)。
酸化鉄洗浄液用と同じスペックの濾過装置10を用い、0.3mass%のアオコを含んだ水を0.6MPa、循環流量21L・min−1の条件で濾過した結果を図18は示している。図19は、濾過作業終了後のインナーロッドの状態を示す。
酸化鉄洗浄液用と同じスペックの濾過装置10を用い、0.3mass%のアオコを含んだ水を0.4MPa、循環流量21L・min−1の条件で濾過し原液を3倍の濃度まで濃縮した。その後、フィルタを1時間超音波洗浄し、3倍濃度の液を一定濃度に維持して濾過を実行した。結果を図20に示す。
図20の結果から、アオコを濾過対象とするときはフィルタの目詰まり回復に超音波洗浄が有効であることがわかる。
超音波洗浄による目詰まり解消の効果をセリサイト懸濁液についても検証してみた。
試料粉体にセリサイト(FSN;平均粒子径4μm:三信鉱工株式会社製)、分散媒には水道水、分散剤には水ガラスを使用し、それらを撹拌して1vol%の懸濁液を調製した。水ガラスの量はセリサイト100gに対して30mgの割合で添加した。
図14に示した実験と同じ条件で濃縮した30vol%懸濁液をろ過したフィルタにおいて超音波洗浄前でどれほどの目詰まりがあるか、また、超音波洗浄後でどれほど回復するかを調べるために、1時間の超音波洗浄を行う前と後でそれぞれ1vol%のセリサイト懸濁液をろ過した。
目詰まりのないフィルタ(バージンフィルタ)で1vol%のセリサイト懸濁液をろ過したろ過速度を図21に示す。このろ過速度と今回の結果を比較した。
実験結果を図22に示す。30vol%の高濃度でろ過を行うと目詰まりが多く起こり、ろ過速度はかなり低下することがわかった。しかし、1時間の超音波洗浄後のろ過速度と図21の目詰まりのないフィルタでのろ過速度を比較すると、ほぼ同じろ過速度になっていることから高濃度まで濃縮を行っても、超音波洗浄で十分にろ過速度が回復することがわかった。
超音波洗浄の条件(周波数、時間等)はフィルタは濾過対象に応じて適宜選択することができる。この実施例では出力300W、周波数38kHzの超音波洗浄機によりフィルタを1時間超音波洗浄した。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。

Claims (5)

  1. 筒状のフィルタと、該筒状のフィルタへ挿入されるインナーロッドと、を備え、該インナーロッドとフィルタとの間にスパイラル状の流路が形成されている濾過装置へ濾過対象となる懸濁液を流通させる濾過方法であって、
    前記懸濁液は酸化鉄若しくはセリサイトが水に分散したものであり、
    前記懸濁液には分散剤が添加されている、ことを特徴とする懸濁液の濾過方法。
  2. 前記懸濁液へ前記分散剤が最も分散した状態とするのに添加される量以上添加されている、ことを特徴とする請求項1に記載の濾過方法。
  3. 前記懸濁液へ前記分散剤が最も分散した状態とするのに添加される量を超えて添加されている、ことを特徴とする請求項2に記載の濾過方法。
  4. 前記濾過装置へ前記懸濁液と養生液を繰り返し流通させる、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の濾過方法。
  5. 前記濾過装置へ前記懸濁液を流通させた後、前記濾過装置のフィルタを超音波洗浄する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の濾過方法。
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