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JP5405362B2 - タイヤベーストレッド用ゴム組成物 - Google Patents
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JP5405362B2 - タイヤベーストレッド用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤのトレッドゴム部におけるベースゴム層であるベーストレッドに用いられるゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
空気入りタイヤのトレッドに要求される特性として、耐摩耗性と、低燃費性に寄与する低発熱性がある。ベーストレッドは、接地面となるキャップトレッドの半径方向内側に配される内部部材であるが、キャップトレッドの摩耗により接地面として露出した状態で使用されることもある。そのため、ベーストレッドにおいても、耐摩耗性と低発熱性が要求される。また、内部部材であるベーストレッドは、タイヤの加硫成形時に加硫遅延部となりやすい。特に、トラックやバスなどに用いられる重荷重用タイヤにおいては、トレッドゴムが厚いことから、より一層加硫遅延部となりやすく、加硫速度の向上が求められている。
ゴム組成物の耐摩耗性を改良するための手法としては、カーボンブラックなどの充填剤の配合量を増加させることが最も簡単であることから、一般的に試みられている。しかしながら、充填剤を増量すると、耐摩耗性は改良されるものの、低発熱性が悪化したり、未加硫粘度が上昇して加工性が悪化するといった問題がある。
また、低発熱性を改良するための手法として、無機充填剤を減量することが最も一般的な方法であるが、耐摩耗性が悪化するという問題がある。このように耐摩耗性と低発熱性のバランスを崩すのは容易ではない。
下記特許文献1には、破壊特性、ウェットグリップ性及び発熱性や加工性を損なうことなく、耐摩耗性及び耐老化性を改良するために、ジエン系ゴムに、単糖類、二糖類以上の多糖類並びにこれらの誘導体から選ばれた糖類を配合することが開示されている。しかしながら、糖類単独では、耐摩耗性の改良効果は十分でなく、また、糖類の配合量が増加するにつれて、低発熱性が損なわれたり、破断強度が低下するといった問題がある。
ところで、タイヤ用ゴム組成物にポリマレイミド化合物を配合することが知られており、例えば、下記特許文献2には、ポリマレイミド化合物とともに、CTAB吸着比表面積が165〜230m/gである小粒径シリカとを配合することが開示されている。また、下記特許文献3には、ビスマレイミドとともにヒドラジドを配合することが開示され、下記特許文献4には、ビスマレイミドとともにポリアニリンを配合することが開示されている。しかしながら、特許文献2では、ポリマレイミド化合物は小粒径シリカと併用することで、湿熱老化後のスチールコードとの接着性を改良しつつ、耐熱老化性を向上させるために配合されており、また、特許文献3,4では、ポリマレイミド化合物は動的貯蔵弾性率E’を高めるために配合されており、耐摩耗性の改良を意図したものではない。
一方、下記特許文献5には、トレッドゴムの耐摩耗性を改良するために、アリル化合物とポリマレイミド化合物を配合することが開示されている。しかしながら、この文献では、耐摩耗性を改良するためにアリル化合物との併用を必須とするものであり、ポリマレイミド化合物単独では、耐摩耗性は却って悪化することが開示されている(段落0022の表2及び段落0023の表3における比較例5参照)。
特開平11−071481号公報 特開2007−238728号公報 特開2001−049047号公報 特開2001−049033号公報 特開平08−183882号公報
上記特許文献3,4にも開示されているように、ポリマレイミド化合物は硫黄反応の反応性を低下させるため、これを配合すると長時間加硫が必要となり、生産性が悪化する。そのため、加硫遅延部となる内部部材でポリマレイミド化合物を配合するためには、加硫反応を向上させる必要がある。加硫速度を速くする手法としては、加硫促進剤を多く配合することが挙げられるが、その場合、耐カットチップ性が悪化する等の問題があり、配合する量は限られる。
本発明は、以上の点に鑑み、加工性、低発熱性、生産性の悪化を抑えながら、耐摩耗性を向上することができるタイヤベーストレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意検討していく中で、ジエン系ゴムに、ポリマレイミド化合物を配合し、更に糖類を配合することで、加工性、低発熱性を損なうことなく、耐摩耗性を向上することができ、また、ポリマレイミド化合物の配合による加硫反応の阻害を、糖類の配合により加硫速度を向上して生産性の悪化を抑えることができることを見い出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。
すなわち、本発明に係るタイヤベーストレッド用ゴム組成物は、ジエン系ゴムからなるゴム成分100質量部に対し、1分子中にマレイミド基を2個以上有するポリマレイミド化合物0.1〜5質量部と、糖類0.1〜5質量部と、硫黄0.3〜3質量部を配合してなるものである。
本発明に係る空気入りタイヤは、かかるゴム組成物を用いてなるベーストレッドを備えたものである。
本発明に係るタイヤベーストレッド用ゴム組成物であると、加工性、低発熱性、生産性の悪化を抑えながら、耐摩耗性を向上することができる。そのため、ゴム組成物調製時の加工性を損なうことなく、しかもタイヤ加硫成形時に加硫遅延部となりやすいベーストレッドでの加硫遅延を解消して生産性の悪化を抑えながら、ベーストレッドの低発熱性と耐摩耗性のバランスを向上することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明に係るゴム組成物において、ゴム成分となるジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。特に限定するものではないが、ジエン系ゴムとしては、天然ゴムを主成分とするものが好ましく、すなわち、天然ゴム単独、又は天然ゴム50質量%以上と、他のジエン系ゴム(好ましくはBR、SBR)50質量%以下とのブレンドであることが好ましい。
本発明に係るゴム組成物に配合されるポリマレイミド化合物は、1分子中にマレイミド基を2個以上有するものである。ここで、マレイミド基とは、マレイミドからイミノ基の水素原子を取り去ってなる1価の基であり、環上の炭素に結合した水素が置換基で置換されたものであってもよい。
詳細には、1分子中にマレイミド基を2個有するものとしては、種々のビスマレイミドを用いることができ、具体的には、下記一般式(4)で表されるビスマレイミドが挙げられる。
Figure 0005405362
式中、Rは、芳香環を有する炭素数6〜30の2価の有機基を示し、より好ましくは炭素数が6〜24である。
このようなビスマレイミドとしては、例えば、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド(大和化成工業(株)製「BMI−3000」)、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−o−フェニレンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド(大和化成工業(株)製「BMI−7000」)、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド(大和化成工業(株)製「BMI−1000」)、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド(大和化成工業(株)製「BMI−5100」)、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド(即ち、2,2’−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、大和化成工業(株)製「BMI−4000」)、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’−ジフェニルスルフォンビスマレイミドなどが挙げられる。また、上記式(4)以外のビスマレイミドとして、例えば、1,6’−ビスマレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサンなどが挙げられる。
上記式(4)中のRは、より好ましくは、置換基としてアルキル基を有してもよいフェニレン基、又は、置換基としてアルキル基を有してもよいジフェニルアルカンから誘導させる2価の芳香族基(即ち、2つのフェニル基の水素原子がそれぞれ1個ずつ失われて生ずる2価の基)である。前者の例としては、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−o−フェニレンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド等が挙げられ、後者の例としては、N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド等のN,N’−ジフェニルメタンビスマレイミド、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド等が挙げられる。
また、1分子中にマレイミド基を3個以上有するものとしては、例えば、アニリン、ホルムアルデヒド及び無水マレイン酸を縮合して得られるポリフェニルメタンマレイミド(大和化成工業(株)製「BMI−2000」)などが挙げられる。
これらのポリマレイミド化合物は、それぞれ1種で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリマレイミド化合物の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5質量部とすることができ、好ましくは0.3〜4質量部、より好ましくは0.5〜3質量部である。ポリマレイミド化合物の配合量が0.1質量部未満では、その添加効果が不十分である。また、配合量が5質量部を超えると、耐摩耗性の改良効果が頭打ちとなり更なる改良効果が得られず、また加硫速度が遅くなって生産性が悪化する。
本発明に係るゴム組成物には、上記ポリマレイミド化合物とともに、糖類が配合される。糖類としては、例えば、D−グルコース、D−フルクトース、D−ガラクトース、D−マンノース、D−キシロースなどの単糖類、マルトース、ラクトース、スクロース、セロビオースなどの二糖類、デンプン、デキストリンなどの三糖類以上の多糖類、また、これらの誘導体、例えば、糖アルコール、デオキシ糖、アミノ糖、配糖体、ウロン酸などが挙げられる。
これらの中でも糖類としては、グルコースに第1級アルコールを反応させてなるアルキル基変性糖誘導体が好ましく用いられる。第1級アルコールとしては、炭素数が1〜25の飽和アルコールを用いることが好ましい。従って、アルキル基変性糖誘導体としては、アルキル基の炭素数が1〜25であるアルキル−D−グルコピラノシドを用いることが好ましい。該グルコピラノシドとしては、α型(すなわち、アルキル−α−D−グルコピラノシド)でも、β型(すなわち、アルキル−β−D−グルコピラノシド)でもよく、また両者の混合物でもよい。ここで、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基が挙げられる。
アルキル基変性糖誘導体として、特に好ましくは、下記一般式(1)で表されるアルキル−D−グルコピラノシドを用いることであり、特に好ましくは下記一般式(2)で表されるアルキル−α−D−グルコピラノシドを用いることである。
Figure 0005405362
Figure 0005405362
上記式(1)及び(2)中、nは0〜24の整数である。(n+1)で表されるアルキル基の炭素数は、これが大きすぎると、グルコース部分の寄与が小さくなって添加効果がパラフィンオイルに近づく傾向となるため、25以下であることが好ましい。nは、より好ましくは、0〜12の整数であり、更に好ましくは、4〜10の整数である。
アルキル−D−グルコピラノシドは、下記式(3)のように、ブドウ糖に第1級アルコールを反応させることで得られるものである。この反応は、例えば、ブドウ糖と第1級アルコールとを塩酸及びカチオン交換樹脂の存在下に加熱反応させる方法(特公昭50−13770号公報参照)、触媒としてカチオン交換樹脂(スチレンとジビニルベンゼンを重縮合して製造した三次元高分子基体に交換基としてスルホン酸基を結合させたもの)を固定床として用いてブドウ糖と第1級アルコールを反応させる方法(特開平6−92984号公報参照)、触媒としてトランスグルコシダーゼ(α−グルコシダーゼ)を用いてブドウ糖と第1級アルコールを反応させる方法(特開平7−87992号公報参照)、ブドウ糖と第1級アルコールとを粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライトなど)の存在下で反応させる方法(特開平10−204095号公報参照)などにより行うことができる。
Figure 0005405362
糖類の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5質量部とすることができ、好ましくは0.5〜5質量部、より好ましくは1〜4質量部である。糖類の配合量が0.1質量部未満では、その添加効果が不十分であり、逆に、配合量が5質量部を超えると、低発熱性が悪化する。
本発明に係るゴム組成物には、加硫剤として硫黄が、ゴム成分100質量部に対して0.3〜3質量部にて配合される。硫黄の配合量が0.3質量部未満であると、加硫速度が遅く生産性に劣り、また、低発熱性、耐摩耗性、破断強度が悪化する。逆に、硫黄の配合量が3質量部を超えると、耐スコーチ性が悪化してしまう。硫黄としては、特に限定されず、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、オイル処理硫黄などを用いることができる。
本発明に係るゴム組成物には、カーボンブラックやシリカなどの補強性の充填剤を配合することができる。充填剤の配合量は、ゴム成分100質量部に対して30〜45質量部であることが好ましい。充填剤の配合量が少なすぎると、耐摩耗性を確保することが難しくなり、逆に、充填剤の配合量が多すぎると、未加硫粘度が上昇して加工性が悪化したり、低発熱性が損なわれるおそれがある。
充填剤としては、カーボンブラックを主成分とすること、即ちカーボンブラックを50質量%以上含むことが好ましい。より好ましくは、カーボンブラック単独、又は、カーボンブラック50質量%以上と、シリカ50質量%以下とを併用することである。
カーボンブラックとしては、特に限定するものではないが、低発熱性と耐摩耗性を両立するため、窒素吸着比表面積(NSA)が80〜135m/gであり、DBP吸油量が100〜140ml/100gであるものが好ましく用いられる。ここで、窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K6217−2に準じて測定される値であり、DBP(ジブチルフタレート)吸油量は、JIS K6217−4に準じて測定される値である。
シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸),乾式シリカ(無水ケイ酸)等が挙げられ、中でも破壊特性と低発熱性の点から湿式シリカが好ましい。なお、シリカを配合する場合、シランカップリング剤を併用してもよい。
本発明に係るゴム組成物には、上述した各成分の他に、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤、軟化剤、ワックス、加硫促進剤、加硫助剤、樹脂類など、タイヤ用ゴム組成物において一般に使用される各種添加剤を配合することができる。
本発明に係るゴム組成物は、通常に用いられるバンバリーミキサーやニーダなどのゴム用混合機を用いて、常法に従い混練することで調製することができる。
本発明に係るゴム組成物は、空気入りタイヤのベーストレッドに用いられるものである。すなわち、キャップゴム層とベースゴム層とからなる2層構造のトレッドゴム部を備える空気入りタイヤにおいて、ベースゴム層を形成するゴムとして用いられる。より詳細には、カーカスのクラウン部外周に配されたベルトのタイヤ半径方向外側に、トレッドゴム部を備え、該トレッドゴム部が、接地面となるキャップゴム層(キャップトレッド)と、その半径方向内側においてベルトとの間に配されたベースゴム層(ベーストレッド)とで構成された空気入りタイヤにおいて、該ベースゴム層を形成するゴム組成物として用いられる。対象となるタイヤとしては、乗用車用タイヤであってもよいが、耐摩耗性に対する要求が高く、しかも、トレッドゴムが厚くて生産性が問題となりやすい重荷重用タイヤのベーストレッドに用いることがより好適である。
該タイヤの製造は、常法に従い行うことができる。すなわち、上記ゴム組成物は、ロールやミキサー等の混合機で混合され、シート状にしたものを、キャップゴム層を形成する未加硫のシート状ゴムとともに積層し、常法に従い加硫成形することにより、ベースゴム層として形成され、空気入りタイヤが得られる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1,2に示す配合に従って、常法に従い、ゴム組成物を調製した。詳細には、まず第一混合段階で、ジエン系ゴムに対し、硫黄及び加硫促進剤を除く他の配合剤を添加し混練し、次いで、得られた混練物に、最終混合段階で、硫黄及び加硫促進剤を添加し混練して、ゴム組成物を調製した。表1,2中の各成分は以下の通りである。
・NR:天然ゴム、RSS3号
・カーボンブラック:ISAF、東海カーボン(株)製「シースト6」(NSA=119m/g、DBP=114ml/100g)
・シリカ:東ソー・シリカ(株)製「ニップシールAQ」
・シランカップリング剤:デグサ社製「Si69」
・ポリマレイミド化合物1:N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、大和化成工業(株)製「BMI−1000」
・ポリマレイミド化合物2:N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、大和化成工業(株)製「BMI−3000」
・アルキル基変性糖誘導体1:デシル−α−D−グルコピラノシド、式(2)中のn=9、群栄化学工業(株)製「GS−AG10S」
・アルキル基変性糖誘導体2:オクチル−α−D−グルコピラノシド、式(2)中のn=7、群栄化学工業(株)製「GS−AG8S」
・アルキル基変性糖誘導体3:ヘキシル−α−D−グルコピラノシド、式(2)中のn=5、群栄化学工業(株)製「GS−AG6S」
・ブドウ糖:ナカライテスク(株)製「D−(+)−グルコース」
・硫黄:鶴見化学工業株式会社製「粉末硫黄」
各ゴム組成物には、共通配合として、ゴム成分100質量部に対して、亜鉛華(三井金属鉱業(株)製「亜鉛華1号」)3質量部、ステアリン酸(日油(株)製「ビーズステアリン酸」)2質量部、老化防止剤(住友化学工業(株)製「アンチゲン6C」)0.5質量部、加硫促進剤CBS(大内新興化学工業(株)製「ノクセラーCZ−G」)1.1質量部を配合した。
得られた各ゴム組成物について、加工性、生産性、スコーチ性を評価するとともに、150℃×30分で加硫して所定形状の試験片を作製し、得られた試験片を用いて、低発熱性、耐摩耗性、破断強度を測定・評価した。各測定・評価方法は次の通りである。
・加工性:JIS K6300−1に準じて、100℃でのムーニー粘度ML(1+4)を測定し、比較例1を100とした指数で表示した。指数が小さいほど粘度が低く、加工性に優れることを示す。
・生産性t90:JIS K6300−2に準拠した振動式加硫試験機を用いて150℃で測定し、t90(分)を求めた。この値が小さいほど加硫速度が速いことを示す。
・スコーチ性:JIS K6300−1に準拠したムーニースコーチ試験機を用い、予熱1分、温度125℃で測定時のt5値を求め、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、ヤケが生じにくく、耐スコーチ性に優れることを示す。
・低発熱性:JIS K6394に準じて、東洋精機製スペクトロメータを用いて、温度60℃、周波数50Hz、初期歪み10%、動歪み2%の条件で損失係数tanδを測定し、比較例1の値を100とした指数で表示した。指数が小さいほどtanδが小さく、発熱しにくいこと、即ち低発熱性に優れることを示す。
・耐摩耗性:JIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機を用い、スリップ率30%、負荷荷重40N、落砂量20g/分の条件で摩耗試験を実施した。結果は、比較例1の摩耗量を100とした指数(「比較例1の摩耗量」×100/「各試験片の摩耗量」)で表示した。指数が大きいほど、耐摩耗性に優れる。
・破断強度(MPa):JIS K6251に準拠して引張試験(ダンベル3号)を実施した。
Figure 0005405362
Figure 0005405362
結果は表1,2に示す通りであり、重荷重用タイヤのベーストレッド用ゴム組成物のコントロールである比較例1に対し、ポリマレイミド化合物を単独で添加した比較例2では、低発熱性は改良されたものの、生産性が悪化し、また耐摩耗性の改良効果は認められなかった。また、コントロールである比較例1に対して、糖類としてアルキル基変性糖誘導体を単独で添加した比較例3では、生産性は向上したものの、耐摩耗性の改良効果は小さく、また低発熱性が悪化していた。
これに対し、糖類とともにポリマレイミド化合物を組み合わせて添加した実施例1〜10では、加工性、低発熱性、生産性、耐スコーチ性及び破断強度を実質的に悪化させることなく、耐摩耗性が大幅に改良されており、低発熱性と耐摩耗性のバランスを向上することができた。特に、実施例4,5と実施例6とを対比すると明らかなように、ポリマレイミド化合物とアルキル基変性糖誘導体を組み合わせて用いることにより、ポリマレイミド化合物とブドウ糖を組み合わせた場合に比べて、低発熱性と耐摩耗性と破断強度のバランスをより一層向上することができた。
なお、比較例4では、糖類を過剰に配合したため、生産性は改良したものの、低発熱性が悪化した。比較例5では、ポリマレイミド化合物を過剰に配合したため、生産性が悪化した。比較例6では、硫黄の配合量が少なすぎて、低発熱性、破断強度、生産性、更には耐摩耗性も悪化した。比較例7では、硫黄の配合量が多すぎて、耐スコーチ性が悪化した。
本発明のゴム組成物は、乗用車用タイヤや、トラック・バス用などの重荷重用タイヤなどの各種空気入りタイヤのベーストレッドに用いることができ、特には、重荷重用タイヤのベーストレッドに好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. ジエン系ゴムからなるゴム成分100質量部に対し、1分子中にマレイミド基を2個以上有するポリマレイミド化合物0.1〜5質量部と、糖類0.1〜5質量部と、硫黄0.3〜3質量部を配合してなるタイヤベーストレッド用ゴム組成物。
  2. 前記糖類が、グルコースに第1級アルコールを反応させてなるアルキル基変性糖誘導体であることを特徴とする請求項1記載のタイヤベーストレッド用ゴム組成物。
  3. 前記アルキル基変性糖誘導体が下記一般式(1)で表されるアルキル−D−グルコピラノシドである請求項2記載のタイヤベーストレッド用ゴム組成物。
    Figure 0005405362
    (式中、nは0〜24の整数である。)
  4. 前記ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを50質量%以上含む充填剤を30〜45質量部配合してなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤベーストレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物を用いてなるベーストレッドを備えた空気入りタイヤ。
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