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JP5407592B2 - 誘電体セラミックおよびその製造方法ならびに積層セラミックコンデンサ - Google Patents
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誘電体セラミックおよびその製造方法ならびに積層セラミックコンデンサ Download PDF

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Description

この発明は、誘電体セラミックおよびその製造方法ならびにこの誘電体セラミックを用いて構成される積層セラミックコンデンサに関するもので、特に、積層セラミックコンデンサの信頼性を高めるための改良に関するものである。
積層セラミックコンデンサの小型化かつ大容量化の要求を満たす有効な手段の1つとして、積層セラミックコンデンサに備える誘電体セラミック層の薄層化を図ることがある。しかし、誘電体セラミック層の薄層化が進むに従って、誘電体セラミック層の1層あたりの電界強度がより高くなる。よって、用いられる誘電体セラミックに対して、より一層の信頼性、特に負荷試験において、より高い寿命特性が求められる。
たとえば主成分がチタン酸バリウム系の誘電体セラミックについて、その信頼性を向上するため、副成分としてV(バナジウム)を添加する技術が、たとえば特開平6−215979号公報(特許文献1)、特開2000−311828号公報(特許文献2)および特開2004−35388号公報(特許文献3)において提案されている。
特許文献1では、BaTiO−Y−MgO−V−[MnOまたはCrまたはCo]−BaCaSiOからなる組成が提案されている。ここで、VはVとして添加されることに注目される。
特許文献2では、BaTiO−Y−[CaOまたはMgO]−V−MnO−BaCaSiOからなる組成が提案されている。ここでも、VはVとして添加されることに注目される。
特許文献3では、BaTiO−[YまたはHoまたはDyまたはYb]−MgCO−Mn−Cr−BaCaSiOからなる組成が提案されている。ここでは、Vは、Mnとともに、Mn化合物として添加されることに注目される。
しかしながら、上述した特許文献1ないし3に記載の誘電体セラミックを用いた場合であっても、以下のような問題に遭遇することがある。すなわち、誘電体セラミック層がたとえば厚み1μm以下と薄くなると、たとえばBaTiO粉末の平均粒径を150nm以下とするなど、誘電体セラミック原料の粉末の粒径を1μm以下と細かくしなければならない。すると、焼成時の誘電体セラミック原料の反応性が高まり、粒成長が促進され、その結果、信頼性が低下する。特に、VがBaTiOと反応することにより、粒成長が生じていると考えられる。
特開平6−215979号公報 特開2000−311828号公報 特開2004−35388号公報
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得る、誘電体セラミックおよびその製造方法ならびにこの誘電体セラミックを用いて構成される積層セラミックコンデンサを提供しようとすることである。
この発明は、ABO(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、R(RはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYから選ばれる少なくとも1種)、M(MはMn、Cu、Ni、Cr、Al、Mgから選ばれる少なくとも1種)、VおよびSiを含有する、誘電体セラミックの製造方法にまず向けられる。
この発明に係る誘電体セラミックの製造方法は、誘電体セラミック原料を作製する工程と、誘電体セラミック原料を焼成する工程とを備え、誘電体セラミック原料を作製する工程は、BaとVとを含むBa−V化合物を準備する工程と、ABO粉末にBa−V化合物粉末を添加する工程とを含むことを特徴としている。
上記Ba−V化合物は、Ba、BaVOおよびBaVOから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
この発明は、また、上記ABOを主成分とし、副成分として、上記R、上記M、VおよびSiを含有する、誘電体セラミックにも向けられる。
この発明に係る誘電体セラミックは、ABOの組成を有する主相粒子に加え、BaおよびVを含むBa−V結晶性酸化物粒子が存在していることを特徴としている。
上記Ba−V結晶性酸化物粒子の組成は、たとえば、Ba、BaVOおよびBaVOから選ばれる少なくとも1種である。
この発明は、さらに、積層された複数の誘電体セラミック層、および誘電体セラミック層間の特定の界面に沿って形成された複数の内部電極をもって構成される、コンデンサ本体と、コンデンサ本体の外表面上の互いに異なる位置に形成され、かつ内部電極の特定のものに電気的に接続される、複数の外部電極とを備える、積層セラミックコンデンサにも向けられる。
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、誘電体セラミック層が、上述したこの発明に係る誘電体セラミックからなることを特徴としている。
この発明によれば、高電界強度下での信頼性に優れた誘電体セラミックを得ることができる。この発明に係る誘電体セラミックは、特に厚み1μm以下の誘電体セラミック層を備える積層セラミックコンデンサに適用されたとき、顕著な効果を発揮する。この理由は、次のように推測される。
Vが単独でBaTiOと反応すると、BaTiOが粒成長しやすく、信頼性が低下する。これに対して、この発明のように、VをBaとの化合物の状態で添加することにより、VがBaTiOと反応した際も、BaTiOが粒成長しにくくなるためであると推測している。なお、BaTiOが粒成長しにくくなる理由については、解明されていない。
このようなことから、この発明に係る誘電体セラミックを用いて誘電体セラミック層を構成した積層セラミックコンデンサによれば、その信頼性を向上させることができる。
この発明に係る誘電体セラミックを用いて構成される積層セラミックコンデンサ1を図解的に示す断面図である。
図1を参照して、まず、この発明に係る誘電体セラミックが適用される積層セラミックコンデンサ1について説明する。
積層セラミックコンデンサ1は、積層された複数の誘電体セラミック層2と誘電体セラミック層2間の特定の界面に沿って形成される複数の内部電極3および4とをもって構成される、コンデンサ本体5を備えている。内部電極3および4は、たとえばNiを主成分としている。
コンデンサ本体5の外表面上の互いに異なる位置には、第1および第2の外部電極6および7が形成される。外部電極6および7は、たとえばAgまたはCuを主成分としている。図1に示した積層セラミックコンデンサ1では、第1および第2の外部電極6および7は、コンデンサ本体5の互いに対向する各端面上に形成される。内部電極3および4は、第1の外部電極6に電気的に接続される複数の第1の内部電極3と第2の外部電極7に電気的に接続される複数の第2の内部電極4とがあり、これら第1および第2の内部電極3および4は、積層方向に関して交互に配置されている。
なお、積層セラミックコンデンサ1は、2個の外部電極6および7を備える2端子型のものであっても、多数の外部電極を備える多端子型のものであってもよい。
このような積層セラミックコンデンサ1において、誘電体セラミック層2は、ABO(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、R(RはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYから選ばれる少なくとも1種)、M(MはMn、Cu、Ni、Cr、Al、Mgから選ばれる少なくとも1種)、VおよびSiを含有する、誘電体セラミックから構成される。
上記のように、誘電体セラミックは、Vを副成分として含むが、この誘電体セラミックのための原料の作製工程において、ABO粉末を準備するとともに、BaとVとを含む、Ba、BaVOまたはBaVOのようなBa−V化合物を予め準備しておき、ABO粉末に上記Ba−V化合物粉末を添加する、といった配合手順が採用される。
より具体的には、ABOが、たとえば固相合成法、水熱合成法、または加水分解法などにより作製され、所望の粒径が得られる温度で熱処理される。ABOのための素材および添加成分の化合物形態は、酸化物、炭酸物、塩化物、または金属有機化合物など、いずれでもよい。
他方、Ba化合物とV化合物とを所定のモル比となるように秤量した後、混合し、熱処理することによって、Ba−V化合物が作製される。
次いで、上記ABOおよびBa−V化合物に、その他の副成分、および必要に応じて組成補正用のBa化合物を加えて混合することによって、誘電体セラミック原料が得られる。
積層セラミックコンデンサ1を製造するため、上記のようにして得られた誘電体セラミック原料を用いてセラミックスラリーを作製し、このセラミックスラリーからセラミックグリーンシートを成形し、これら複数枚のセラミックグリーンシートを積層することによって、コンデンサ本体5となるべき生の積層体を得、この生の積層体を焼成する工程が実施される。この生の積層体を焼成する工程において、上述のように配合された誘電体セラミック原料が焼成され、焼結した誘電体セラミックからなる誘電体セラミック層2が得られる。
誘電体セラミック層2を構成する焼結した誘電体セラミックにおいて、ABOの組成を有する主相粒子に加え、BaおよびVを含むBa−V結晶性酸化物粒子が存在していることもある。このBa−V結晶性酸化物粒子の組成は、たとえば、Ba、BaVOおよびBaVOから選ばれる少なくとも1種である。
なお、この発明に係る誘電体セラミックにおいて、主成分であるABOのAとBとのモル比は、1:1からずれていてもよい。主成分をABOで表わしたとき、mは、好ましくは、0.96〜1.03の範囲で変えることができる。mの調整は、AOもしくはBOの添加、またはBa−V化合物のBa量の調整によって行なうことができる。
また、この発明に係る誘電体セラミックにおいて、副成分の含有量は特に限定されるものではないが、好ましくは、主成分であるABOを100モル部としたとき、Rが0.4〜3.0モル部、Mが0.5〜3.5モル部、Vが0.05〜0.5モル部、およびSiが0.1〜3.5モル部である。
以下に、この発明に基づいて実施した実験例について説明する。
[実験例1]
(A)セラミック原料の作製
まず、BaCOおよびTiOの各粉末を、BaTiOの組成になるように秤量した後、ボールミルにより混合し、1150℃の温度で熱処理し、主成分であるBaTiOを得た。このBaTiOの平均粒径は0.15μmであり、Ba/Ti比は1.004であった。
他方、BaCOおよびVの各粉末を、3:1、2:1および4:1の各モル比になるように秤量した後、ボールミルにより混合し、1100℃の温度で熱処理し、表1に示すように、実施例1ではBaの結晶性酸化物、実施例2ではBaVOの結晶性酸化物、および実施例3ではBaVOの結晶性酸化物をそれぞれ得た。なお、比較例では、Vの粉末をそのまま用いた。これらの平均粒径はともに0.05μmであった。
Figure 0005407592
次に、上記BaTiOと、上記Ba、BaVOもしくはBaVOまたはVとに加え、Dy、MgO、MnOおよびSiO、ならびに、必要に応じて、m値(=Ba/Ti比)補正用のBaCOを、実施例1〜3および比較例の各々について、以下の配合となるよう秤量した後、ボールミルにより混合し、誘電体セラミック原料を得た。
(1)実施例1
100(Ba1.004TiO)−0.6Dy−0.9MgO−0.05MnO−1.4SiO−0.1Ba−0.1BaCO
(2)実施例2
100(Ba1.004TiO)−0.6Dy−0.9MgO−0.05MnO−1.4SiO−0.2BaVO−0.2BaCO
(3)実施例3
100(Ba1.004TiO)−0.6Dy−0.9MgO−0.05MnO−1.4SiO−0.2BaVO
(4)比較例
100(Ba1.004TiO)−0.6Dy−0.9MgO−0.05MnO−1.4SiO−0.1V−0.4BaCO
上記比較例は特に実施例1に対応するものである。Vを、実施例1ではBaとして添加したが、比較例ではBaCOとVとして添加した。このように、実施例1と比較例とは、Vの添加方法が異なるだけであり、すべての構成組成比率は互いに同じである。
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記セラミック原料に、ポリビニルブチラール系バインダおよびエタノールを加えて、ボールミルにより湿式混合することによって、セラミックスラリーを作製した。
次に、このセラミックスラリーを、ドクターブレード法により、シート状に成形し、矩形のセラミックグリーンシートを得た。
次に、上記セラミックグリーンシート上に、Niを主体とする導電性ペーストをスクリーン印刷し、内部電極となるべき導電性ペースト膜を形成した。
次に、導電性ペースト膜が形成されたセラミックグリーンシートを、導電性ペースト膜の引き出されている側が互い違いになるように複数枚積層し、コンデンサ本体となるべき生の積層体を得た。
次に、生の積層体を、N雰囲気中にて300℃の温度に加熱し、バインダを燃焼させた後、酸素分圧が10−10MPaのH−N−HOガスからなる還元性雰囲気中にて、1200℃の温度で2時間焼成し、焼結したコンデンサ本体を得た。
次に、焼結後のコンデンサ本体の両端面にB−LiO−SiO−BaO系ガラスフリットを含有するCuペーストを塗布し、N雰囲気中において800℃の温度で焼き付け、内部電極と電気的に接続された外部電極を形成し、試料となる積層セラミックコンデンサを得た。
このようにして得られた積層セラミックコンデンサの外形寸法は、幅1.2mm、長さ2.0mm、厚さ1.0mmであり、内部電極間に介在する誘電体セラミック層の厚みが0.8μmであった。また、有効誘電体セラミック層の層数は100層であり、セラミック層1層あたりの内部電極の対向面積は1.6mmであった。
(C)特性の評価
次に、得られた積層セラミックコンデンサについて、表2に示すように、室温での誘電率ε、DF(tan δ)、耐電圧(DC破壊電界強度)、および高温負荷寿命を評価した。
静電容量から計算される上記誘電率εおよびDF(tan δ)は、温度25℃、1kHz、および0.5Vrmsの条件下で測定した。
耐電圧(DC破壊電界強度)については、直流電圧に対する耐電圧を100V/秒の昇圧速度で測定した。
また、高温負荷寿命については、温度150℃にて、8Vの電圧(10kV/mmの電界強度)を印加する高温負荷寿命試験を100個の試料について実施し、1000時間経過するまでに、絶縁抵抗値が200kΩ以下になった試料を不良と判定し、不良個数を求めた。
Figure 0005407592
表2からわかるように、実施例1〜3によれば、誘電体セラミック層の厚みが0.8μmというように薄層化されても、3500以上の高い誘電率εを保ちながら、同時に、高い耐電圧を有し、150℃、10kV/mmという厳しい条件下でも優れた信頼性を示した。
これに対して、比較例は、実施例1〜3に比べて、耐電圧および信頼性の点で劣っていた。
[実験例2]
実験例2では、副成分の種類、含有量を変化させた。
(A)セラミック原料の作製
組成式:[100BaTiO]+aRO3/2+bMO+cVO5/2+dSiOにおいて、RおよびMの内訳、ならびにm、a、b、cおよびdの各値を、表3に示すようにしたことを除いて、実験例1における実施例1の場合と同様にして、誘電体セラミック原料を得た。なお、表3における試料1は、実験例1における実施例1と同じである。
Figure 0005407592
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体セラミック原料を用い、実験例1の場合と同様にして、各試料に係る積層セラミックコンデンサを作製した。
(C)特性の評価
実験例1の場合と同様にして、特性の評価を行なった。その結果が表4に示されている。
Figure 0005407592
表4からわかるように、すべての試料において、3500以上の高い誘電率εを保ちながら、同時に、高い耐電圧を有し、150℃、10kV/mmという厳しい条件下でも優れた信頼性を示した。
[実験例3]
実験例3では、主成分ABOについて、Aサイトにおいて、Ba以外にCaおよび/またはSrを含む場合、Bサイトにおいて、Ti以外にZrおよび/またはHfを含む場合について評価した。
(A)セラミック原料の作製
表5に示す「Aサイト置換成分」および「Bサイト置換成分」を適用したことを除いて、実験例1における実施例1の場合と同様にして、誘電体セラミック原料を得た。なお、表5における試料1は、実験例1における実施例1と同じである。
Figure 0005407592
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体セラミック原料を用い、実験例1の場合と同様にして、各試料に係る積層セラミックコンデンサを作製した。
(C)特性の評価
実験例1の場合と同様にして、特性の評価を行なった。その結果が表6に示されている。
Figure 0005407592
表6からわかるように、主成分原料を表5のように変更しても、すべての試料において、3500以上の高い誘電率εを保ちながら、同時に、高い耐電圧を有し、150℃、10kV/mmという厳しい条件下でも優れた信頼性を示した。
[実験例4]
実験例4では、Siを含有する焼結助剤として、Siのみを含むもの以外の種々の焼結助剤について評価した。
(A)セラミック原料の作製
焼結助剤成分を表7に示した組成および含有量に変更したことを除いて、実験例1における実施例1の場合と同様にして、誘電体セラミック原料を得た。なお、表7における試料1は、実験例1における実施例1と同じである。
Figure 0005407592
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体セラミック原料を用い、実験例1の場合と同様にして、各試料に係る積層セラミックコンデンサを作製した。
(C)特性の評価
実験例1の場合と同様にして、特性の評価を行なった。その結果が表8に示されている。
Figure 0005407592
表8からわかるように、焼結助剤を表7のように変更しても、すべての試料において、3500以上の高い誘電率εを保ちながら、同時に、高い耐電圧を有し、150℃、10kV/mmという厳しい条件下でも優れた信頼性を示した。
[実験例5]
実験例5では、不純物の影響を評価した。
原料作製等、積層セラミックコンデンサの製造過程において、Zr、Zn、Ag、Hf、Co、Ni、Na、Cu、W、Fe、Mo、PdおよびYなどが誘電体セラミック中に不純物として混入する可能性があり、これらが、結晶粒子内および結晶粒子間を占める結晶粒界に存在する可能性がある。また、積層セラミックコンデンサの焼成工程などにおいて、内部電極成分が誘電体セラミック中の結晶粒子内および結晶粒子間を占める結晶粒界に拡散し存在する可能性がある。実験例5は、これらの不純物の影響を評価しようとするものである。
なお、上記不純物のうちのYは、通常の副成分としても含まれることが予定されているが、実験例5では、Yを含まない組成でも、不純物としてYが含まれてくる可能性もあるので、念のため、不純物としてのYも考慮している。
(A)セラミック原料の作製
実験例1における実施例1の組成に、表9に示した不純物成分を加えたことを除いて、実験例1における実施例1の場合と同様にして、誘電体セラミック原料を得た。なお、表9における試料1は、実験例1における実施例1と同じである。
Figure 0005407592
(B)積層セラミックコンデンサの作製
上記誘電体セラミック原料を用い、実験例1の場合と同様にして、各試料に係る積層セラミックコンデンサを作製した。
(C)特性の評価
実験例1の場合と同様にして、特性の評価を行なった。その結果が表10に示されている。
Figure 0005407592
表10からわかるように、表9のような不純物が混入しても、すべての試料において、3500以上の高い誘電率εを保ちながら、同時に、高い耐電圧を有し、150℃、10kV/mmという厳しい条件下でも優れた信頼性を示した。
1 積層セラミックコンデンサ
2 誘電体セラミック層
3,4 内部電極
5 コンデンサ本体
6,7 外部電極

Claims (5)

  1. ABO(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、R(RはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYから選ばれる少なくとも1種)、M(MはMn、Cu、Ni、Cr、Al、Mgから選ばれる少なくとも1種)、VおよびSiを含有する、誘電体セラミックの製造方法であって、
    誘電体セラミック原料を作製する工程と、
    前記誘電体セラミック原料を焼成する工程と
    を備え、
    誘電体セラミック原料を作製する工程は、BaとVとを含むBa−V化合物を準備する工程と、ABO粉末に前記Ba−V化合物粉末を添加する工程とを含む、
    誘電体セラミックの製造方法。
  2. 前記Ba−V化合物は、Ba、BaVOおよびBaVOから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の誘電体セラミックの製造方法。
  3. ABO(Aは、Baを必ず含み、さらにCaおよびSrの少なくとも一方を含むことがある。Bは、Tiを必ず含み、さらにZrおよびHfの少なくとも一方を含むことがある。)を主成分とし、副成分として、R(RはLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、LuおよびYから選ばれる少なくとも1種)、M(MはMn、Cu、Ni、Cr、Al、Mgから選ばれる少なくとも1種)、VおよびSiを含有する、誘電体セラミックであって、
    ABOの組成を有する主相粒子に加え、BaおよびVを含むBa−V結晶性酸化物粒子が存在している、誘電体セラミック。
  4. 前記Ba−V結晶性酸化物粒子の組成は、Ba、BaVOおよびBaVOから選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の誘電体セラミック。
  5. 積層された複数の誘電体セラミック層、および前記誘電体セラミック層間の特定の界面に沿って形成された複数の内部電極をもって構成される、コンデンサ本体と、
    前記コンデンサ本体の外表面上の互いに異なる位置に形成され、かつ前記内部電極の特定のものに電気的に接続される、複数の外部電極と
    を備え、
    前記誘電体セラミック層は、請求項3または4に記載の誘電体セラミックからなる、
    積層セラミックコンデンサ。
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