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JP5408145B2 - 超音波探触子、および超音波診断装置 - Google Patents
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超音波探触子、および超音波診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、超音波探触子、および超音波診断装置に関する。
超音波診断装置は超音波パルス反射法により、体表から生体内の軟組織の断層像を低侵襲に得る医療用画像機器である。この超音波診断装置は、他の医療用画像機器に比べ、小型で安価、X線などの被爆がなく安全性が高い、ドップラー効果を応用して血流イメージングが可能等の特長を有している。そのため、循環器系(心臓の冠動脈)、消化器系(胃腸)、内科系(肝臓、膵臓、脾臓)、泌尿科系(腎臓、膀胱)、及び産婦人科系などで広く利用されている。
このような医療用超音波診断装置に使用される超音波探触子は、高感度、高解像度の超音波の送受信を行うために、PZTと呼ばれる無機圧電素子が一般的に使用される。この場合、送信用圧電素子の振動モードとしては、単一型探触子であるシングル型または複数の探触子を2次元配置したアレイ型探触子がよく使用される。アレイ型は精細な画像を得ることができるので、診断検査のための医療用画像として広く普及している。
一方、高調波信号を用いたハーモニックイメージング診断は、従来のBモード診断では得られない鮮明な診断像が得られることから標準的な診断方法となりつつある。
ハーモニックイメージングは、基本波に比較して下記のような多くの利点を有している。
1.サイドローブレベルが小さいことにより、S/N比が良くコントラスト分解能が良くなること。
2.周波数が高くなることによって、ビーム幅が細くなり横方向分解能が良くなること。
3.近距離では音圧が小さく、音圧の変動が少ないため、多重反射が起こらないこと。
4.焦点以遠の減衰は基本波並みであり、高調波の周波数を基本波とする超音波に比べ深速度を大きく取れること。
などである。
ハーモニックイメージングに用いるアレイ型超音波探触子の具体的な構造として、送信用圧電振動子と受信用圧電振動子とを別体とし、超音波の送信時と受信時における動作を分離したアレイ型超音波探触子が提案されている。
このようなアレイ型超音波探触子に用いられる受信用圧電振動子は、高調波信号を高感度で受信できることが望ましい。しかしながら、無機圧電素子の送受信周波数は無機圧電素子の厚さに依存するため、受信する周波数が高周波になるほど無機圧電素子を小型に加工する必要があり、製造が困難であった。
このような問題を解決するため、本発明者らは、シート状の圧電セラミックを単層または積層した構造の送信用圧電素子と受信用のシート状の圧電素子を単層または積層させ、送信と受信を別々の圧電素子に分離するとともに、受信用に高感度有機圧電素子材料を使用することにより高感度な超音波探触子を得る方法を提案している(特許文献1、2、3参照)。
一方、超音波探触子に用いる圧電素子の電極と配線部材との接続方法は重要であり、接続方法によっては超音波探触子から送受信する信号品質が劣化したり、接続の信頼性が悪くなったり、超音波診断装置の性能や信頼性にも影響する。
そのため、圧電素子に側面電極を形成し、リード線とはんだ付けする方法(例えば、特許文献4、5参照)や、信号用フレキシブルプリント基板を圧電素子の電極とハンダ付け、導電性接着剤による接着等により接続する方法(例えば、特許文献6、7参照)が提案されている。
また、超音波探触子を小型化するため、圧電素子の両面に積層された電極に、圧電素子の積層部分より延出する電極取り出し部を形成する方法も開示されている(特許文献8参照)。
特開2008−188415号公報 国際公開第2007/145073号 国際公開第2008/010509号 特許第3313171号公報 特開平7−194517号公報 特許第3280677号公報 特開平11−276479号公報 特許第3304560号公報
しかしながら、より高い周波数の高調波を送受信するためには、圧電素子に形成する電極をできるだけ薄くする必要があるため、圧電素子の電極と配線部材とを、少ないスペースで信頼性高く接続することが困難になってきた。
特許文献4、5のようにリード線による接続は、ハーモニックイメージングに用いるアレイ型超音波探触子ではリード線と接続するスペースが限られるため歩留まりが悪く、用いることができない。
また、特許文献6、7のようにフレキシブルプリント基板と圧電素子の面に形成された電極とを直接接合する方法では、接合することによって圧電素子の固有振動周波数が変化し、音響特性が劣化するので、より高い高調波の超音波を送受信するためには適さない。
特許文献8に開示されている方法では、圧電素子の音響特性に影響を及ぼさないよう非常に薄い金属薄膜から成る電極を用いると、電極の延出している部分が振動によりひび割れることがある。特に、電極の延出している部分を折り曲げて実装すると、ひび割れが発生しやすい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、圧電素子の電極と配線部材とを信頼性高く接続することができる超音波探触子、および信頼性の高い超音波探触子を具備する超音波診断装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有するものである。
1.少なくとも一層の超音波を送信する送信素子層と、厚さ方向に対向する両面にそれぞれ電極が形成された超音波を受信する少なくとも一層の受信素子層と、音響インピーダンスの整合を図る少なくとも一層の整合層と、が前記超音波を送信する方向に向けてこの順に積層された超音波探触子であって、
前記受信素子層の両面に形成された前記電極をそれぞれ挟む上層および下層は、
それぞれエレベーション方向に前記受信素子層より突出した突出部を備え、
前記受信素子層の両面に形成された前記電極は、前記突出部の前記上層及び前記下層と対向する面にそれぞれ延長して形成されており、
基板材の両面に導電部が形成された回路基板を有し、
前記回路基板は、
前記上層の突出部の面に形成された前記電極と、前記受信素子層の端面と、前記下層の突出部の面に形成された前記電極と、に囲まれた凹部に少なくとも一部が挿入され、前記基板材の両面に形成された前記導電部のうち一方の導電部は前記上層の前記突出部に形成された前記電極に接続され、他方の導電部は前記下層の前記突出部に形成された前記電極に接続されていることを特徴とする超音波探触子。
2.少なくとも一層の超音波を送信する送信素子層と、厚さ方向に対向する両面にそれぞれ電極が形成された超音波を受信する少なくとも一層の受信素子層と、音響インピーダンスの整合を図る少なくとも一層の整合層と、が前記超音波を送信する方向に向けてこの順に積層された超音波探触子であって、
前記受信素子層の両面に形成された前記電極をそれぞれ挟む上層および下層は、
それぞれエレベーション方向に前記受信素子層より突出した突出部を備え、
前記受信素子層に形成された前記電極のうち少なくとも一方は、前記突出部の前記上層または前記下層と対向する面に延長して形成されており、
基板材の厚さ方向に対向する面に導電部が形成された回路基板を有し、
前記回路基板は、
前記上層の突出部の面または前記上層の突出部の面に形成された前記電極と、前記受信素子層の端面と、前記下層の突出部の面または前記下層の突出部の面に形成された前記電極と、に囲まれた凹部に少なくとも一部が挿入され、前記基板材の面に形成された前記導電部は、前記上層または前記下層の前記突出部に形成された前記電極の少なくとも一方に接続されており、
前記凹部に挿入される前記回路基板の先端部は、
前記基板材の厚さ方向に対向する両面が前記導電部に覆われていないことを特徴とする超音波探触子。
.前記上層の前記突出部のエレベーション方向の長さは、前記上層のエレベーション方向の長さの2%以上、且つ、前記下層の前記突出部のエレベーション方向の長さは、前記下層のエレベーション方向の長さの2%以上であり、
前記受信素子層の長さは、
前記上層および前記下層のエレベーション方向の長さのそれぞれ80%以上であることを特徴とする前記1または2に記載の超音波探触子。
.前記回路基板の前記凹部に挿入される前記導電部を含む部分の厚みは、
前記受信素子層の厚みの80%以上、100%未満であることを特徴とする前記1からの何れか1項に記載の超音波探触子。
.前記1からの何れか1項に記載の超音波探触子を有することを特徴とする超音波診断装置。
本発明によれば、受信素子層の両面に形成された電極をそれぞれ挟む上層および下層は、それぞれエレベーション方向に前記受信素子層より突出した突出部を備え、両面に形成された電極のうち少なくとも一方は、上層または下層の突出部まで延長して形成され、上層または下層の対向する面に接合されている。このようにすると、圧電素子の電極と配線部材とを信頼性高く接続することができる超音波探触子、および信頼性の高い超音波探触子を具備する超音波診断装置を提供することができる。
実施形態における超音波診断装置100の外観構成を示す図である。 実施形態における超音波診断装置100の電気的な構成を示すブロック図である。 第1の実施形態の超音波探触子のヘッド部の構成を示す断面図である。 第1の実施形態の凹部17と回路基板25との接続を示す断面図である。 凹部17に挿入された回路基板25の部分の拡大断面図である。 第2の実施形態の受信素子層3とフレキシブル基板との接続を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(超音波診断装置および超音波探触子の各構成および動作)
図1は、実施形態における超音波診断装置の外観構成を示す図である。図2は、実施形態における超音波診断装置の電気的な構成を示すブロック図である。
超音波診断装置100は、図略の生体等の被検体に対して超音波(超音波信号)を送信し、受信した被検体で反射した超音波の反射波(エコー、超音波信号)から被検体内の内部状態を超音波画像として画像化し、表示部45に表示する。
超音波探触子1は、被検体に対して超音波(超音波信号)を送信し、被検体で反射した超音波の反射波を受信する。超音波探触子1は、図2に示すように、ケーブル33を介して超音波診断装置本体31と接続されており、送信回路42、受信回路43と電気的に接続されている。
送信回路42は、制御部46の指令により、超音波探触子1へケーブル33を介して電気信号を送信し、超音波探触子1から被検体に対して超音波を送信させる。
受信回路43は、制御部46の指令により、超音波探触子1からケーブル33を介して、被検体内からの超音波の反射波に応じた電気信号を受信する。
画像処理部44は、制御部46の指令により、受信回路43が受信した電気信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像として画像化する。
表示部45は、液晶パネルなどから成り、制御部46の指令により、画像処理部44が画像化した超音波画像を表示する。
操作入力部41は、スイッチやキーボードなどから構成され、ユーザが診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報等のデータを入力するために設けられている。
制御部46は、CPU、メモリなどから構成され、操作入力部41の入力に基づいてプログラムされた手順により超音波診断装置100各部の制御を行う。
図3は、第1の実施形態の超音波探触子のヘッド部の構成を示す断面図である。
以降の説明では図中のX、Y、Zで示す座標軸に基づいて説明する。X方向はエレベーション方向(ダイシングを行う方向)であり、Z軸正方向は超音波を送信する方向である。また、Z軸方向は積層方向である。以降、積層順に各部を説明する。
図3に示す超音波探触子1は、バッキング材5の上に第4電極15、送信素子層2、第3電極14、中間層13、第2電極10、受信素子層3、第1電極9、整合層6、音響レンズ7の順に積層されている。
送信素子層2は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの無機圧電材料から成る圧電素子であり、互いに厚み方向に対向する両面にそれぞれ第3電極14、第4電極15を備えている。送信素子層2の厚みは320μm程度である。
第3電極14、第4電極15は、図示せぬコネクタによりケーブル33と接続され、ケーブル33を介して送信回路42と接続する。第3電極14、第4電極15に電気信号を入力すると圧電素子が振動し、送信素子層2からZ軸正方向に超音波を送信するように構成されている。
第3電極14、第4電極15の厚みは、1〜2μm程度である。第3電極14、第4電極15の厚みは、音響特性上はできるだけ薄い方が良いが、薄すぎると電極にひび割れ等が発生し、信頼性を損なうので0.1〜10μmの範囲、好ましくは0.1〜5μmにすることが望ましい。特に超音波を送信する側の、第4電極15は音響特性上できるだけ薄くすることが望ましい。
第3電極14、第4電極15は、金、銀、アルミなどの金属材料を用いて、送信素子層2の両面に蒸着法やフォトリソグラフィー法を用いて成膜する。
中間層13は、樹脂材料により形成されている。中間層13は、第2電極10と第3電極14とを結合するとともに、受信素子層3が被検体で反射した超音波の反射波を受信して振動した際に、送信素子層2が共振して振動しないように受信素子層3の振動を吸収するために設けられている。
中間層13に用いる樹脂材料としては、例えばポリビニルブチラール、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、エポキシ、オキセタン、などを用いることができる。さらにこれらの樹脂には、特性を調整するための微粒子などを添加してもよい。
中間層13の厚みは、求める感度や周波数特性により選択されるが、例えば180〜190μm程度である。また、求める感度や周波数特性によっては中間層13を省略することもできる。
受信素子層3は、有機圧電材料から成る複数の圧電素子から構成されている。
受信素子層3に用いる有機圧電材料として、例えば、フッ化ビニリデンの重合体を用いることができる。また例えば、有機圧電材料は、フッ化ビニリデン(VDF)系コポリマを用いることができる。このフッ化ビニリデン系コポリマは、フッ化ビニリデンと他の単量体との共重合体(コポリマ)であり、他の単量体としては、3フッ化エチレン(TrFE)、テトラフルオロエチレ(TeFE)、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、パーフルオロアルコキシエチレン(PAE)およびパーフルオロヘキサエチレン等を用いることができる。
一般に、無機圧電材料の圧電素子は、基本波の周波数に対する2倍程度の周波数帯域の超音波しか受信することができないが、有機圧電材料の圧電素子は、基本波の周波数に対する例えば4〜5倍程度の周波数帯域の超音波を受信することができ、受信周波数帯域の広帯域化に適している。このような超音波を広い周波数に亘って受信可能な特性を持つ有機圧電素子21によって超音波信号が受信されるので、本実施形態における超音波探触子1および超音波診断装置100は、比較的簡単な構造で周波数帯域を広帯域にすることができる。
受信素子層3の厚さは、受信すべき超音波の周波数や有機圧電材料の種類等によって適宜に設定されるが、例えば、中心周波数15MHzの超音波を受信する場合、受信素子層3の厚さは、約35〜40μmである。
このような受信素子層3は、有機圧電材料の溶液から流延して所定の厚さの膜を作製し、加熱して結晶化を行った後、所定の大きさのシート状に成形して作製する。
受信素子層3の厚み方向(Z軸方向)に互いに対向する両面には、それぞれ第1電極9、第2電極10が形成されている。
第1電極9、第2電極10の厚みは、1〜2μm程度である。受信素子層3の電極は、音響特性上できるだけ薄い方が良いが、薄すぎると電極にひび割れ等が発生し、信頼性を損なうので0.1〜10μmの範囲、好ましくは0.1〜5μmにすることが望ましい。受信素子層3は、周波数の高い高調波を受信するため、特に第1電極9、第2電極10ともに音響特性上できるだけ薄くすることが望ましい。
第1電極9、第2電極10は、金、銀、アルミなどの金属材料を用いて、蒸着法やフォトリソグラフィー法により成膜する。受信素子層3に用いる電極、特に第1電極9は、高調波を感度良く受信するため極めて薄く形成する必要がある。そのため、金属材料として導電性の良い金を用いることが望ましい。
第1電極9、第2電極10は、ケーブル33を介して受信回路43と接続する。
受信素子層3が被検体で反射した超音波の反射波を受信して振動すると、反射波に応じて圧電素子に第1電極9、第2電極10の間に電気信号が発生する。第1電極9、第2電極10の間に発生した電気信号は、ケーブル33を介して受信回路43で受信され、画像処理部44で画像化される。
整合層6は、各層の各々の音響インピーダンスの中間の音響インピーダンスを有し、音響インピーダンスの整合を図る。本実施形態では、整合層6が単層の例を図示しているが、多層の場合でも良い。単層の場合、整合層6の厚みは例えば140μm程度である。
音響レンズ7は、シリコーンや樹脂から成り、発信または受信した超音波を所定の距離に収束させる。
バッキング材5の上に、第3電極14と第4電極15とが形成された送信素子層2、中間層13、第1電極9と第2電極10とが形成された受信素子層3、整合層6の順に、接着剤により接着して図3のように積層する。積層後、整合層18から超音波放射方向と反対の方向に向かってX軸方向にダイシングを行い、バッキング材と第4電極の接着層からさらにZ軸負方向にダイシングを行う。ダイシングによりできた溝部に、シリコーン樹脂などから成る充填剤を充填した後、最上層に音響レンズ7を接着する。
本実施形態では、受信素子層3に形成された第1電極9と第2電極10を挟む上層は整合層6であり、下層は中間層13である。整合層6と中間層13とは、図3に示すように受信素子層3より突出した突出部18a、18bと突出部19a、19bを備えている。
また、第1電極9は、突出部18a、18bの中間層13と対向する面まで延長して形成され、第2電極10は、突出部19a、19bの整合層6と対向する面まで延長して形成されている。
このように、第1電極9を突出部18a、18bの中間層13と対向する面まで延長して形成する方法について先に説明する。
整合層6の第1電極9と対向する面の少なくとも突出部18a、18bの部分に、予め蒸着法やフォトリソグラフィー法により金、銀、アルミなどの金属材料を用いて電極となる金属薄膜を成膜する。
後に行う積層工程で、受信素子層3に形成された第1電極9と、整合層6に形成された金属薄膜と、を導電性接着剤等により接合し、第1電極9を突出部18a、18bまで延長する。
第2電極10を突出部19a、19bの整合層6と対向する面まで延長して形成することも同様の方法で実現できる。
中間層13の第2電極10と対向する面の少なくとも突出部19a、19bの部分に、予め蒸着法やフォトリソグラフィー法により金、銀、アルミなどの金属材料を用いて電極となる金属薄膜を成膜する。後に行う積層工程で、受信素子層3に形成された第2電極10と、整合層6に形成された金属薄膜と、を導電性接着剤等により接合し、第2電極10を突出部19a、19bまで延長する。
なお、本実施形態では、突出部18a、18bと突出部19a、19bが受信素子層3の両側に設けられている例を説明するが、特に限定されるものではなくどちらか一方でも良い。また、以降の説明で突出部18a、18bや突出部19a、19bに共通する点についてはa、bによる区別を行わず突出部18、突出部19と表記する。
整合層6のエレベーション方向(X軸方向)の長さはL1、中間層13のエレベーション方向の長さはL3、であり受信素子層3の端面から突出している突出部18のエレベーション方向の長さはL2、突出部19のエレベーション方向の長さはL4である。本実施形態では、L1=L3、L2=L4として以下説明する。
凹部17は、突出部18の面に形成された第1電極9と、前記受信素子層の端面と、突出部19の面に形成された第2電極10と、に囲まれた凹部であり、次に説明するよう凹部17に回路基板を挿入して第1電極9、第2電極10と接続する。
突出部17、18の両面に形成されている第1電極9、第2電極10を回路基板25と接続する例を図4、図5用いて説明する。
図4は、第1の実施形態の凹部17と回路基板25との接続を示す断面図、図5は、凹部17に挿入された回路基板25の部分の拡大断面図である。
回路基板25は、ポリイミドなどから成る基板材20の両面に銅箔などから成る導電部21、22を形成した両面基板である。図4、5に示すように回路基板25は、凹部17に一部が挿入され、基板材20の両面に形成された導電部21と導電部22とは、導電性接着剤などの接合部材26により第1電極9と第2電極10とにそれぞれ接続されている。
このように、本実施形態では、第1電極9が突出部18に、第2電極10が突出部19の面に形成されているので、フレキシブル基板25を凹部17に挿入することにより容易に接続できるとともに、接続後に振動などにより第1電極9、第2電極10がひび割れることがない。また、このことにより超音波診断装置100の信頼性を高めることができる。
ダイシング後の第1電極9と第2電極10のY軸方向の間隔Pは非常に狭いので、回路基板25a、25bの第1電極9、第2電極10と接続する部分の配線パターンを等間隔にすると実装が困難である。本実施形態では、図示せぬ回路基板25a、25bの第1電極9、第2電極10と接続する部分のパターン間隔を2倍の2Pにし、回路基板25aと回路基板25bのY軸方向のパターンが交互に受信素子層3の両側に設けられた電極と接続するようにパターニングしている。
本実施形態では、このように両面フレキシブル基板を用いて、凹部17に形成された第1電極9と導電部21、第2電極10と導電部22とをそれぞれ接続させることにより、高密度実装を行っている。
なお、第1電極9、第2電極10との接続は、両面フレキシブル基板に限らず片面フレキシブル基板やそのほかの配線材を用いても良い。また、突出部18a、18bの何れか一方の面に第1電極9を形成し、突出部19a、19bの何れか一方の面に第2電極10を形成しても良い。
図5に示すように、回路基板25の先端部24の厚さ方向に対向する両面は、導電部21と導電部22に覆われていない。このようにすると、先端部24を受信素子層3の端面3aに突き当たるまで挿入しても、導電部21または導電部22が端面3aと導通することがないので実装作業が容易になる。
受信素子層3の端面から突出している突出部18a、18bのエレベーション方向(X軸方向)の長さL2は、上層である整合層6のエレベーション方向の長さL1の2%以上にするとともに、受信素子層3の端面から突出している突出部19a、19bのエレベーション方向の長さL4も、下層である中間層13のエレベーション方向の長さL3の2%以上にすることが好ましい。
L2、L4がL1、L3の2%未満では、導電部21、導電部22がそれぞれ第1電極9、第2電極1と接合する面積が少なく、振動などにより外れたり導通が不良になるため後に説明するように不良率が急に高くなる。
突出部18a、18bのエレベーション方向の長さL2、突出部19a、19bのエレベーション方向の長さL4をあまり長くすると、超音波探触子の外形に比べて受信素子層3のエレベーション方向の長さが短くなり効率が悪くなる。そのため、受信素子層3の長さは、整合層6および中間層13のエレベーション方向の長さの80%以上になるよう、突出部18、突出部19の長さを決定することが好ましい。
図5に示すt1は、受信素子層3の厚み、t2は、導電部21、導電部22を含む回路基板25の厚みである。t2は、t1の80%以上、100%未満にすることが好ましい。t2がt1の80%未満では、注入する接合部材26の量が多くなり組立が難しい。また、t2がt1の100%以上では回路基板25の挿入ができなくなったり、接合部材26を入れることができなくなる。
本実施形態では、受信素子層3の上層および下層に突出部18、突出部19を設け、凹部17に回路基板25を挿入して接続する例を説明したが、同様の方法で送信素子層2の第3電極14、第4電極15も回路基板と接続することができる。すなわち、送信素子層2の上層である中間層13と、下層であるバッキング材5に突出部を設け、第3電極14、第4電極15をそれぞれの突出部の対向する面に形成し、凹部に回路基板を挿入すれば良い。このようにすると、第3電極14、第4電極15と回路基板との接続を容易に行うことができる。
第2の実施形態は、図6のように中間層13の無い超音波探触子1に本発明を適用した例である。図6は、第2の実施形態の受信素子層3とフレキシブル基板との接続を示す断面図である。
図6に示す超音波探触子1は、バッキング材5の上に第4電極15、送信素子層2、第2電極10、受信素子層3、第1電極9、整合層6、音響レンズ7の順に積層されている。
第3電極14と中間層13は省かれ、第2電極10が送信素子層2と受信素子層3との共通電極になっている。
本実施形態では、受信素子層3に形成された第1電極9と第2電極10を挟む上層は整合層6であり、下層は送信素子層2である。整合層6と送信素子層2とは、受信素子層3より突出した突出部18と突出部19を備えている。
第1電極9と第2電極10は、突出部18と突出部19までそれぞれ延長して形成され、それぞれ突出部18と突出部19の整合層6と送信素子層2とが対向する面にそれぞれ接合されている。
なお、本実施形態でも、突出部18と突出部19が受信素子層3の両側に設けられている例を説明するが、特に限定されるものではなくどちらか一方でも良い。
図6は、第1の実施形態と同様に、突出部18の面に形成された第1電極9と、前記受信素子層の端面と、突出部19の面に形成された第2電極10と、に囲まれた凹部に回路基板25を挿入して第1電極9、第2電極10と接続した状態である。
このように、本発明は、中間層13の無い超音波探触子1にも適用することができる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
図3に示す構成の超音波探触子1を受信素子層3のエレベーション方向(X方向)の長さを変えてそれぞれ100個試作し、図4のように回路基板25を接続して信頼性試験を行った。
試作した超音波探触子1は、次のように作製した。
送信素子層2は、PZTを材料として、X方向の長さ(L3)10mm、Y方向の長さ55mm、Z方向の長さ(厚み)320μmのシート状にラップ仕上げで作製した。
次に、送信素子層2の両面に、金を真空蒸着して0.3μm厚の第3電極14と第4電極15とを作製した。
中間層13は、ポリビニルブチラールを材料としてX方向の長さ(L4)10mm、Y方向の長さ55mm、Z方向の長さ(厚み)を185μmに成形した。その後、中間層13と受信素子層3が接する中間層13の表面に、表面抵抗が20Ω以下になるように金、またはアルミニウムを蒸着塗布して0.3μm厚の第2電極10を作製した。
受信素子層3は、フッ化ビニリデン(以下VDF)とトリフルオロエチレン(以下3FE)のモル比率が75:25であるポリフッ化ビニリデン共重合体粉末(重量平均分子量29万)を50℃に加熱したエチルメチルケトン(以下MEK)、ジメチルホルムアミド(以下DMF)の9:1混合溶媒に溶解した液をガラス板上に流延した。その後、50℃にて溶媒を乾燥させ、厚さ約140μm、融点155℃のフィルム(有機圧電材料)を得た。
このフィルムをチャックにかかる荷重が測定できるロードセル付きの一軸延伸機によって、室温で4倍に延伸した。4倍延伸終了時点での延伸軸方向の張力は、単位幅(mm)あたり2.2Nであった。延伸した長さを保ったまま延伸機を加熱し、135℃で1時間熱処理を行った。その後、張力が0にならないように、チャック間距離を制御しながら(弛緩処理)、室温まで冷却した。得られた熱処理後のフィルムの膜厚は40μmであった。
その後、Y方向の長さ55mmは一定で、X方向の長さを9.7、9.62、9.6、9.0、8.0、7.8、7.0mmの7種類に変え、シート状に成形した。ここで得られたフィルムの両面に、表面抵抗が20Ω以下になるように金、またはアルミニウムを蒸着塗布して両面に0.3μm厚の表面電極(第1電極9と第2電極9)付の試料を得た。
続いて、この電極に室温にて、0.1Hzの交流電圧を印加しながら分極処理を行った。分極処理は低電圧から行い、最終的に電極間電場が100MV/mになるまで徐々に電圧をかけて行った。最終的な分極量は、圧電材料をコンデンサと見たてた際の残留分極量、すなわち膜厚、電極面積、印加電場に対する電荷蓄積量から求め、前記の各大きさの有機圧電材料を得た。
整合層18の受信素子層と接する整合層18の表面に、表面抵抗が20Ω以下になるように金、またはアルミニウムを蒸着塗布して0.3μm厚の第1電極9を作製した。
バッキング材5の上に、第3電極14と第4電極15とが形成された送信素子層2、中間層13、第1電極9と第2電極10とが形成された受信素子層3、整合層18の順に、接着剤により接着して図3のようにL2=L4になるよう積層する。積層後、整合層18から超音波放射方向と反対の方向に向かってダイシングを行い、バッキング材と第4電極の接着層からさらにZ軸負方向に100μmの深さまでダイシングを行った。
最後に最上層に、シリコーンから成形した音響レンズ7を接着し、受信素子層3のX方向の長さが7種類の超音波探触子1のヘッド部を作製した。
回路基板25は、ポリイミドから成る基板材20の厚みが20μm、銅箔から成る導電部21、22の厚みがそれぞれ9μmの両面フレキシブル基板を用いた。したがって、導電部21、22を含む回路基板25の厚みt2は、38μmである。
回路基板25を凹部17に挿入し、接合部材26として導電性接着剤を用いて第1電極9と第2電極10とにそれぞれ接着した。
このようにして作製した回路基板25と接合した8種類の超音波探触子1の信頼性試験を行って信頼性を確認した。本実施例ではL2/L1=L4/L3であり、8種類の超音波探触子1は、L2/L1がそれぞれ1.5%、1.9%、2.0%、5%、10%、11%、15%になっている。また、受信素子層3のエレベーション方向の長さは、L1またはL4に対し、97%、96.2%、96%、90%、80%、78%、70%である。
[比較例1]
比較例では、受信素子層3を実施例と同じ方法で成膜した後、X方向の長さ10mm、Y方向の長さ50mmに切断したものを用いた。また、第1電極9と第2電極10とはX方向の長さを20mmに成膜した。そのほかの構成要素は実施例と同じものであり、同様の手順で積層して接着して作製した。
積層後、第1電極9と第2電極10の受信素子層3から突出した部分は、回路基板25の導電部21、22と導電性接着剤を用いて接着し、100個の超音波探触子1を作製した。比較例では、L2/L1は0%である。
[実験方法]
試作した実施例の超音波探触子1と比較例の超音波探触子1とを加振台の上に載せ、振動試験を行った。試験後、超音波発信器から15MHzの超音波を、実施例と比較例の超音波探触子1に向けて送信し、回路基板25の端子から受信素子層3の受信した信号のレベルを測定した。信号のレベルが規定電圧の20%以下の超音波探触子1を不良と判定し、実施例、比較例それぞれの条件で不良率を算出した。
[実験結果]
実験結果を表1に示す。
比較例では不良率が35%も発生するのに対し、実施例では5%以下であり信頼性が向上している。また、L2/L1が2%以上の実施例では不良率は0%であり、非常に信頼性が高い。
また、受信素子層3のエレベーション方向の長さが、L1またはL4に対し、80%以上の場合は、所定の受信信号レベルが得られることが確認できた。
以上このように、本発明によれば、圧電素子の電極と配線部材とを信頼性高く接続することができる超音波探触子、および信頼性の高い超音波探触子を具備する超音波診断装置を提供することができる。
1 超音波探触子
2 送信素子
3 受信素子
5 バッキング材
6 整合層
9 第1電極
10 第2電極
13 中間層
14 第3電極
15 第4電極
17 凹部
18、19 突出部
20 基板材
21、22 導電部
23 カバーレイ
24 先端部
25 回路基板
26 接合部材
31 超音波診断装置本体
33 ケーブル
41 操作入力部
42 送信回路
43 受信回路
44 画像処理部
45 表示部
46 制御部
100 超音波診断装置

Claims (5)

  1. 少なくとも一層の超音波を送信する送信素子層と、厚さ方向に対向する両面にそれぞれ電極が形成された超音波を受信する少なくとも一層の受信素子層と、音響インピーダンスの整合を図る少なくとも一層の整合層と、が前記超音波を送信する方向に向けてこの順に積層された超音波探触子であって、
    前記受信素子層の両面に形成された前記電極をそれぞれ挟む上層および下層は、
    それぞれエレベーション方向に前記受信素子層より突出した突出部を備え、
    前記受信素子層の両面に形成された前記電極は、前記突出部の前記上層及び前記下層と対向する面にそれぞれ延長して形成されており、
    基板材の両面に導電部が形成された回路基板を有し、
    前記回路基板は、
    前記上層の突出部の面に形成された前記電極と、前記受信素子層の端面と、前記下層の突出部の面に形成された前記電極と、に囲まれた凹部に少なくとも一部が挿入され、前記基板材の両面に形成された前記導電部のうち一方の導電部は前記上層の前記突出部に形成された前記電極に接続され、他方の導電部は前記下層の前記突出部に形成された前記電極に接続されていることを特徴とする超音波探触子。
  2. 少なくとも一層の超音波を送信する送信素子層と、厚さ方向に対向する両面にそれぞれ電極が形成された超音波を受信する少なくとも一層の受信素子層と、音響インピーダンスの整合を図る少なくとも一層の整合層と、が前記超音波を送信する方向に向けてこの順に積層された超音波探触子であって、
    前記受信素子層の両面に形成された前記電極をそれぞれ挟む上層および下層は、
    それぞれエレベーション方向に前記受信素子層より突出した突出部を備え、
    前記受信素子層に形成された前記電極のうち少なくとも一方は、前記突出部の前記上層または前記下層と対向する面に延長して形成されており、
    基板材の厚さ方向に対向する面に導電部が形成された回路基板を有し、
    前記回路基板は、
    前記上層の突出部の面または前記上層の突出部の面に形成された前記電極と、前記受信素子層の端面と、前記下層の突出部の面または前記下層の突出部の面に形成された前記電極と、に囲まれた凹部に少なくとも一部が挿入され、前記基板材の面に形成された前記導電部は、前記上層または前記下層の前記突出部に形成された前記電極の少なくとも一方に接続されており、
    前記凹部に挿入される前記回路基板の先端部は、
    前記基板材の厚さ方向に対向する両面が前記導電部に覆われていないことを特徴とする超音波探触子。
  3. 前記上層の前記突出部のエレベーション方向の長さは、前記上層のエレベーション方向の長さの2%以上、且つ、前記下層の前記突出部のエレベーション方向の長さは、前記下層のエレベーション方向の長さの2%以上であり、
    前記受信素子層の長さは、
    前記上層および前記下層のエレベーション方向の長さのそれぞれ80%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波探触子。
  4. 前記回路基板の前記凹部に挿入される前記導電部を含む部分の厚みは、
    前記受信素子層の厚みの80%以上、100%未満であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の超音波探触子。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の超音波探触子を有することを特徴とする超音波診断装置。
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