以下、本明細書に開示された発明の実施の態様について、図面を参照して説明する。但し、本明細書に開示された発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本明細書に開示された発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に示す図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
本実施の形態を、図1(A)〜図1(F)を用いて説明する。
まず単結晶半導体基板101を用意する。単結晶半導体基板101には、市販の半導体基板を用いることができ、例えば、単結晶シリコン基板、単結晶ゲルマニウム基板、単結晶シリコンゲルマニウム基板など、第14族元素でなる単結晶半導体基板を用いることができる。また、ガリウムヒ素やインジウムリン等の化合物半導体基板も用いることができる。
また、もちろん、単結晶半導体基板101は、円形のウエハに限定されるものではなく、様々な形状の単結晶半導体基板を用いることができる。例えば、円形、長方形、五角形、六角形などの多角形の基板を用いることができる。もちろん、市販の円形状の単結晶半導体ウエハを単結晶半導体基板101に用いることも可能である。円形状の単結晶半導体ウエハには、シリコンやゲルマニウムなどの半導体ウエハ、ガリウムヒ素やインジウムリンなどの化合物半導体ウエハなどがある。
単結晶半導体ウエハの代表例は、単結晶シリコンウエハであり、直径5インチ(125mm)、直径6インチ(150mm)、直径8インチ(200mm)、直径12インチ(300mm)サイズ、直径400mm、直径450mmの円形のウエハを用いることができる。また、長方形の単結晶半導体基板は、市販の円形状の単結晶半導体ウエハを切断することで形成することができる。基板の切断には、ダイサー或いはワイヤソー等の切断装置、レーザ切断、プラズマ切断、電子ビーム切断、その他任意の切断手段を用いることができる。また、基板として薄片化する前の半導体基板製造用のインゴットを、その断面が長方形になるように直方体状に加工し、この直方体状のインゴットを薄片化することでも、長方形状の単結晶半導体基板を製造することができる。
また、単結晶半導体基板101の厚さは特に限定されないが、単結晶半導体基板101を再利用することを考慮すれば、厚い方が1枚の原料ウエハからより多くの単結晶半導体層を形成することができるため、好ましい。市場に流通している単結晶シリコンウエハの厚さは、そのサイズはSEMI規格に準じており、例えば直径6インチのウエハは膜厚625μm、直径8インチのウエハは膜厚725μm、直径12インチのウエハは775μmとされている。なお、SEMI規格のウエハの厚さは公差±25μmを含んでいる。もちろん、原料となる単結晶半導体基板101の厚さはSEMI規格に限定されず、インゴットをスライスするときに、その厚さを適宜調節することができる。もちろん、再利用された単結晶半導体基板101を用いるときには、その厚さは、SEMI規格よりも薄くなる。
本実施の形態の単結晶半導体基板101の形状は矩形とするが、これに限定されるものではなく、様々な形状の単結晶半導体基板を用いることができる。例えば、矩形の他、三角形、五角形、六角形などの多角形の基板を用いることができる。市販の円盤状の半導体ウエハを単結晶半導体基板101に用いることも可能である。
矩形の単結晶半導体基板101は、市販の円形状のバルク単結晶半導体基板を切断することで形成することができる。基板の切断には、ダイサー或いはワイヤソー等の切断装置、レーザ切断、プラズマ切断、電子ビーム切断、その他任意の切断手段を用いることができる。また、基板として薄片化する前の半導体基板製造用のインゴットを、その断面が矩形になるように直方体状に加工し、この直方体状のインゴットを薄片化することでも、矩形状の単結晶半導体基板101を製造することができる。
なお、単結晶半導体基板101に、単結晶シリコン基板のような結晶構造がダイヤモンド構造の第14族元素でなる基板を用いる場合は、その主表面の面方位は、(100)であっても良いし、(110)面であってもよいし、(111)であってもよい。
主表面が(110)面の単結晶半導体基板101を用いると、その主表面には、他の面方位に比べて原子が密に配列しているため、後の工程で形成される単結晶半導体層106の平坦性が向上する。したがって、主表面が(110)面の単結晶半導体層106を用いて作製したトランジスタは、小さいS値、高電界効果移動度などの、優れた電気的特性を有する。なお、主表面が(110)面の単結晶半導体基板は、(100)面の単結晶半導体基板よりも比較してヤング率が大きく、劈開しやすいという長所がある。
次に単結晶半導体基板101上に絶縁層105を形成する。絶縁層105は下記の膜の単層構造、あるいは、2層以上の多層構造とすることができる。その厚さは5nm以上400nm以下とすることができる。
絶縁層105を構成する膜には、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化ゲルマニウム膜、窒化ゲルマニウム膜、酸化窒化ゲルマニウム膜、窒化酸化ゲルマニウム膜などのシリコンまたはゲルマニウムを組成に含む絶縁膜を用いることができる。また、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウムなどの金属の酸化物でなる絶縁膜、窒化アルミニウムなどの金属の窒化物でなる絶縁膜、酸化窒化アルミニウム膜などの金属の酸化窒化物でなる絶縁膜、窒化酸化アルミニウム膜などの金属の窒化酸化物でなる絶縁膜を用いることもできる。
なお、酸化窒化シリコン膜とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、Siが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコン膜とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、濃度範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、Siが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。但し、酸化窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、Si及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
絶縁層105を構成する絶縁膜は、CVD法、スパッタ法、単結晶半導体基板101を酸化するまたは窒化するなどの方法により形成することができる。
後の工程で形成される基板114が、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属などの半導体装置の信頼性を低下させる不純物元素を含むので、このような不純物元素が基板114から、単結晶半導体層106に拡散することを防止できるような膜として、絶縁層105を設けることが好ましい。また絶縁層105は単層でもよいし二層以上の積層構造を有していてもよい。
絶縁層105として、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜の単層膜、あるいはこれらの組み合わせによる積層膜を形成すればよい。またこのような膜を含ませることで、絶縁層105をバリア層として機能させることができる。
例えば、絶縁層105を単層構造のバリア層として形成する場合、厚さ5nm以上200nm以下の窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜で形成することができる。
例えば、絶縁層105を単層構造とする場合は、バリア層として機能する膜で絶縁層105を形成することが好ましい。この場合、厚さ5nm以上200nm以下の窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜で、単層構造の絶縁層105を形成することができる。
絶縁層105を、バリア層を1層含む2層構造の膜とする場合は、上層は、ナトリウムなどの不純物をブロッキングするためのバリア層で構成する。上層は、厚さ5nm〜200nmの窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜で形成することができる。バリア層として機能するこれらの膜は、不純物の拡散を防止するブロッキング効果が高いが、内部応力が高い。そのため、単結晶半導体基板101と接する下層の絶縁膜には、上層の絶縁膜の応力を緩和する効果のある膜を選択することが好ましい。このような絶縁膜には、酸化シリコン膜、および単結晶半導体基板101を熱酸化して形成した熱酸化膜などがある。下層の絶縁膜の厚さは5nm以上300nm以下とすることができる。
あるいは絶縁層105は、単結晶半導体基板101の表面を酸化して形成された酸化膜でもよい。例えば、塩素(Cl)を含む気体、例えば、塩化水素(HCl)を含む気体やジクロロエチレン(Dichloroeyheren)を含む気体中で、単結晶半導体基板101を加熱して、単結晶半導体基板101の表面に酸化膜を形成してもよい。
次に、図1(A)に示すように、絶縁層105を介して、電界で加速された水素イオンを含むイオンビーム102を単結晶半導体基板101に照射して、単結晶半導体基板101の表面から所定の深さの領域に、損傷領域103を形成する(図1(B)参照)。イオンビーム102は、ソースガスを励起して、ソースガスのプラズマを生成し、プラズマから電界の作用により、プラズマに含まれるイオンを引き出すことで生成される。
損傷領域103が形成される領域の深さは、イオンビーム102の加速エネルギーとイオンビーム102の入射角によって調節することができる。加速エネルギーは加速電圧、ドーズ量などにより調節できる。イオンの平均侵入深さとほぼ同じ深さの領域に損傷領域103が形成される。イオンを添加する深さで、単結晶半導体基板101から剥離される単結晶半導体層106の厚さが決定される。この単結晶半導体層106の厚さが20nm以上500nm以下、好ましくは20nm以上200nm以下になるように、損傷領域103が形成される深さを調節する。
単結晶半導体基板101へのイオンビーム照射には、H3 +イオンを添加するため、質量分離を伴わないイオンドーピング法を用いる。質量分離を伴わないイオンドーピング法は、質量分離を伴うイオン注入法に比べて単結晶半導体基板101に損傷領域103を形成するタクトタイムを短縮できる点で好ましい。
単結晶半導体基板101を、イオンドーピング装置の処理室に搬入する。イオンドーピング装置の主要な構成は、被処理物を配置するチャンバ、所望のイオンを発生させるイオン源、およびイオンを加速し、照射するための加速機構である。イオン源は、所望のイオン種を生成するためのソースガスを供給するガス供給装置、ソースガスを励起して、プラズマを生成させるための電極などで構成される。プラズマを形成するための電極として、フィラメント型の電極や容量結合高周波放電用の電極などが用いられる。
加速機構は、引出電極、加速電極、減速電極、接地電極等の電極など、およびこれらの電極に電力を供給するための電源などで構成される。加速機構を構成する電極には複数の開口やスリットが設けられており、イオン源で生成されたイオンは電極に設けられた開口やスリットを通過して加速される。
なお、イオンドーピング装置の構成は上述したものに限定されず、必要に応じた機構が設けられる。イオンドーピング装置の処理室でソースガスを励起してプラズマを生成する。このプラズマ中からイオン種を引き出し、加速してイオンビーム102を生成し、そのイオンビーム102を、複数の単結晶半導体基板101に照射することで、所定の深さにイオンが高濃度に添加され、損傷領域103が形成される。
ソースガスに水素(H2)を用いる場合、水素ガスを励起してH+、H2 +、H3 +を含むプラズマを生成することができる。ソースガスから生成されるイオン種の割合は、プラズマの励起方法、プラズマを発生させる雰囲気の圧力、ソースガスの供給量などを調節することで、変化させることができる。プラズマ中にイオン種H+イオン、H2 +イオン、H3 +イオンの総量に対してH3 +イオンが50%以上含まれることが好ましい。より好ましくは、イオン種H+イオン、H2 +イオン、H3 +イオンの総量に対して、プラズマ中のH3 +イオンの割合を80%以上とする。
そのため、プロセスガスをプラズマ励起して生成された全てのイオン種をチャンバ内に配置された被処理体に照射する非質量分離型の装置であるイオンドーピング装置を用いる。例えば、H2ガスを供給する。プラズマソースガスとしてH2ガスが供給されたイオンドーピング装置では、H2が励起され、水素イオンであるH+イオンや、H2 +イオンが生成される。また、イオンドーピング装置では、プラズマが生成される領域中に、分子状水素(H2)を多く存在させることで、プラズマ中にH3 +を生成させることが容易にできる。
H3 +の生成には、H2+H+→H3 +との反応が生じることが重要である。よって、H2+H+→H3 +という反応をプラズマ中で発生させる確率を高めることで、プラズマ中に存在するH3 +の割合を高くすることができる。イオンドーピング装置では、プラズマ中に分子状水素(H2)を多く存在させることが容易であるため、H2+H+→H3 +という反応をプラズマ中で発生させる確率が高くなり、H3 +の割合が高いプラズマを生成することができる。
一方、質量分離を伴うイオン注入法では、H3 +が50%以上、さらに80%以上とすることは困難である。イオン注入法を用いるイオン注入装置は、プラズマ中のイオン種を質量分離し、ある特定の質量のイオン種を被処理体に照射する装置であり、イオンドーピング装置とは非質量分離型の装置であり、大きく異なっている。イオン注入装置では、プラズマが生成される領域の圧力が小さく、水素ガスが励起されてH+イオン、およびH2 +イオンが生成されると、これらのイオン種はプラズマの生成領域から直ちに引き抜かれるため、プラズマ中でH2+H+→H3 +という反応が起こりにくく、水素ガスから生成されるH3 +イオンの割合が極端に低い。
H3 +は他の水素イオン種(H+、H2 +)よりも、水素原子の数が多く、その結果質量が大きいため、同じエネルギーで加速される場合、H+、H2 +よりも単結晶半導体基板101のより浅い領域に添加される。よって、イオンビーム102に含まれるH3 +の割合を高くすることにより、水素イオンの平均侵入深さのばらつきが小さくなるので、単結晶半導体基板101において、水素の深さ方向の濃度プロファイルはより急峻になり、そのプロファイルのピーク位置を浅くすることができる。また、同じ深さに水素原子を1つ添加する場合、H3 +イオンの加速電圧は、H+イオンの加速電圧の3倍にすることも可能である。イオンの加速電圧を大きくできれば、イオンの照射工程のタクトタイムを短縮することが可能となり、生産性やスループットの向上を図ることができる。
水素ガスを用いて、イオンドーピング法で添加を行う場合、加速電圧10kV以上200kV以下、ドーズ量1×1016ions/cm2以上6×1016ions/cm2以下とすることができる。この条件で水素イオンを添加することで、イオンビーム102に含まれるイオン種および、その割合にもよるが、損傷領域103を単結晶半導体基板101の深さ50nm以上500nm以下の部分に形成することができる。
例えば、単結晶半導体基板101が単結晶シリコン基板であり、絶縁層105が、厚さ50nmの酸化窒化シリコン膜と厚さ50nmの窒化酸化シリコン膜の積層膜の場合、ソースガスが水素であり、加速電圧40kV、ドーズ量2.2×1016ions/cm2の条件では、単結晶半導体基板101から厚さ120nm程度の単結晶半導体層106を剥離することができる。
また、絶縁層105を厚さ100nmの酸化窒化シリコン膜とし、他は同じ条件で水素イオンをドープすると、単結晶半導体基板101から厚さ70nm程度の単結晶半導体層106を剥離することができる。
単結晶半導体基板101に、局所的に高濃度の水素イオンを添加するとすると、結晶構造が乱されて微小な空孔が形成される。後の工程で、比較的低温の熱処理を行うことにより損傷領域103に含まれる水素ガスの圧力が上昇し、損傷領域103に沿って分離される(あるいは「剥離される」ともいう)ことにより単結晶半導体層106を形成することができる。
イオンビーム102のソースガスにヘリウム(He)を用いることもできる。ヘリウムを励起して生成されるイオン種がHe+が殆どであるため、質量分離を伴わないイオンドーピング法でも、He+を主なイオンとして単結晶半導体基板101に添加することができる。よって、イオンドーピング法で、効率良く、微小な空孔を損傷領域103に形成することができる。
ヘリウムを用いて、イオンドーピング法で添加を行う場合、加速電圧10kV以上200kV以下、ドーズ量1×1016ions/cm2以上6×1016ions/cm2以下とすることができる。
またイオンビーム102のソースガスに、アルゴン(Ar)を用いることも可能である。
ソースガスに塩素ガス(Cl2ガス)、フッ素ガス(F2ガス)などのハロゲンガスを用いることもできる。
なお本実施の形態では、損傷領域103の形成により単結晶半導体層106を単結晶半導体基板101から剥離するスマートカット(Smart−Cut)(SOITEC社の登録商標)法を用いる場合について示すが、ELTRAN(Epitaxial Layer Transfer)(キャノン株式会社の登録商標)、誘電体分離法、PACE(Plasma Assisted Chemical Etching)法などの、他の貼り合わせ法を用いて単結晶半導体層106と基板114を貼り合わせるようにしても良い。
また、例えば、単結晶半導体基板101上に絶縁層105を形成せず、さらに単結晶半導体基板101上に、損傷領域103の代わりにポーラス状の単結晶半導体層を形成し、さらにポーラス状の単結晶半導体層上に、単結晶半導体層106の代わりに、エピタキシャル成長により密度の高い単結晶半導体層を形成してもよい。またポーラス状の単結晶半導体層は、単結晶半導体基板101を陽極酸化することによって形成してもよい。
次に溶融ガラスを用いた基板114の形成方法について説明する。図1(C)に示すように、容器111内に加熱された、液状ガラスよりも密度の高い液体、例えば溶融スズ112を用意する。次いで溶融スズ112上に、ガラスの成分を含む高温の液体、すなわち液状ガラス113を流し、液状ガラス113を板状にする。
板状の液状ガラス113の温度を保ったまま、あるいは板状の液状ガラス113の温度を少々下げた状態で、板状の液状ガラス113の上に損傷領域103の形成された単結晶半導体基板101を、絶縁層105と液状ガラス113を向かい合わせるように設ける(図1(D)参照)。
さらに板状の液状ガラス113及び単結晶半導体基板101を徐冷することで、ガラス基板である基板114を形成すると同時に基板114と単結晶半導体基板101を接合させ、容器111から取り出す(図1(E)参照)。基板114を形成すると同時に基板114と単結晶半導体基板101を接合させた後、さらに徐冷して、扱うのに十分低い温度、例えば室温まで温度を下げた後に、容器111から取り出してもよい。
溶融した液状ガラス113の温度は、通常1500℃〜1600℃程度の高温に達するが、このような高温はシリコンの融点(1414℃)に近く、この温度にて接合させるとシリコンの結晶性に影響を与える恐れがあるため、やや温度を下げた状態、例えばシリコンの融点1414℃以下の状態で接合を行う方がよい。
溶融した液状ガラス113の温度よりやや低い温度とは、水素イオンを添加したことにより低下した単結晶半導体層106の結晶性を回復するのに十分な温度である必要がある。溶融した液状ガラス113は、すでに1500℃〜1600℃程度に達しているので、室温から加熱してそのような温度に上げるよりは、作製コストを抑えることができ、工程時間が短くてすむ。
また単結晶半導体基板101の全面が、絶縁層105を介して液状ガラス113に接しているので、液状ガラス113からの熱が単結晶半導体基板101の全面に均一に伝わる。これにより単結晶半導体層106の結晶性を回復する。液状ガラス113及び単結晶半導体基板101の接合時の温度は、好ましくは1000℃以上1400℃以下であるとよい。
また本実施の形態では、液状ガラス113を浮かせるために溶融スズ112を用いているが、溶融スズ112の代わりにガラスよりも密度の高い液体であればどのようなものを用いてもよい。
さらに、本実施の形態では、液状ガラス113上に、損傷領域103を形成した単結晶半導体基板101を設けたが、上下関係は特に重要ではなく、損傷領域103を形成した単結晶半導体基板101上に液状ガラス113を流し込んでから固めてもよい。
上記の工程は、1000℃以上の高温で行われるため、作業工程中に、損傷領域103に沿って、単結晶半導体基板101と単結晶半導体層106が分離する(図1(F)参照)。
なお、ポーラス状の単結晶半導体層を形成した場合は、ポーラス状の単結晶半導体層に沿って、単結晶半導体基板101と密度の高い単結晶半導体層を分離する。
温度上昇によって損傷領域103に形成されている微小な孔では、水素ガスの圧力が上昇する。圧力の上昇により、損傷領域103の微小な孔に体積変化が起こり、損傷領域103に亀裂が生じるので、損傷領域103に沿って単結晶半導体基板101が分離される。これにより基板114上に絶縁層105を介して単結晶半導体層106が形成される。
また剥離後の単結晶半導体基板101は、さらなる単結晶半導体層106の形成に繰り返し用いることが可能である。
本実施の形態により、均一な特性を有する単結晶半導体層106を、少ない作製工程で基板114上に形成することが可能となる。
[実施の形態2]
本実施の形態を、図13(A)〜図13(D)及び図14を用いて説明する。
まず実施の形態1に基づいて、図1(A)に示す絶縁層105の形成(図13(A)参照)及び図1(B)に示す損傷領域103の形成(図13(B)参照)までを行う。
ガラス基板である基板151と絶縁層105が接するように、損傷領域103が形成された単結晶半導体基板101を基板151上に設置する。
次いで単結晶半導体基板101と基板151を、例えば300℃以上で加熱し、絶縁層105を介して、単結晶半導体基板101を基板151を接合させる。あるいはさらに高温、例えば600℃程度まで温度を上げて、あらかじめ単結晶半導体基板101を分離しておいてもよい。
続いて液状ガラスよりも密度の高い液体、例えば溶融スズ112が入った容器111内で、溶融スズ112の上に基板151を浮かべる。溶融スズ112は、スズが溶融する温度まで既に加熱されており、かつ、ガラス基板である基板151の軟化点以下の温度に保たれている。
溶融スズ112上に浮かべられた基板151は、その軟化点以上の温度にて加熱される。その結果、基板151と単結晶半導体基板101の間にある異物などの接合不良の要因が基板151の中に溶かし込まれる。さらに単結晶半導体層106の結晶性も回復させる。
なお、ガラス基板である基板151は、軟化点以上の温度で加熱されても、溶融スズ112に浮かべられているため、平坦性を保つことができる。ただし、ガラス基板である基板151の端部は変形してしまう恐れがある。その場合は、単結晶半導体基板101に対して、基板151の面積を十分大きくして、単結晶半導体層106を剥離、徐冷後に基板151の変形した端部を分断してしまえばよい。また基板151の面積と容器111中の溶融スズの表面積が同じになるような容器111を用いれば、ガラス基板である基板151の端部が変形するのを防ぐことができ、基板151の形状が維持できる。
基板151と単結晶半導体基板101の間、あるいは基板151と絶縁層105との界面にミクロンサイズの異物が存在している状態で接合を行い、後の工程で加熱処理を行うと、単結晶半導体層106にミリサイズの穴が空いてしまう。
ミクロンサイズの異物とは、基板151上の洗浄してもとれないパーティクルであったり、また絶縁層105上の、絶縁層105を成膜したときの成膜材料の残留物等が挙げられる。異物により絶縁層105等中に微小なクラックが発生し、その後酸による処理を行うと、酸が微小なクラックに浸透して、ガラス基板である基板151を溶かしてしまい、基板151中に空洞108が発生する。
基板151に空洞108が発生すると、レーザ照射による加熱工程の際に、空洞内の空気圧が加熱により体積膨張し、空洞108上方の絶縁層105及び単結晶半導体層106が飛んで抜け落ちてしまい、ミリサイズの穴が空いてしまう(図14参照)。
単結晶半導体層106に穴が空いてしまうのを避けるためには、基板151と単結晶半導体基板101の間、あるいは基板151と絶縁層105との界面の異物を無くしてしまえばよい。
以上から、異物を基板151中に溶かし込むと、単結晶半導体層106に穴が空いてしまうことを防ぐことができる。特に、絶縁層105を単結晶半導体基板101上に成膜すると、成膜工程で異物が発生してしまう恐れがあるので、異物を基板151中に溶かし込むことは有用である。
ガラス基板である基板151の軟化点以上の温度にて加熱することにより、損傷領域103に沿って、単結晶半導体基板101と単結晶半導体層106が分離する(図13(D)参照)。もしこの加熱工程により単結晶半導体基板101と単結晶半導体層106が分離しない場合は、さらなる加熱工程を行うか、物理的な力を加えるにより、分離させればよい。
[実施の形態3]
本実施の形態を、図2(A)〜図2(D)、図3(A)〜図3(D)を用いて説明する。
まず実施の形態1に基づいて、図1(D)までの作製工程を行う(図2(A)参照)。次いで、単結晶半導体基板101の絶縁層105を介して液状ガラス113に接していない方の面、すなわち単結晶半導体基板101の絶縁層105が形成されていない方の面(本明細書では、「裏面」と呼ぶ)に、接着材115を介して基板116を配置する(図2(B)参照)。また接着材を用いず、オプティカルコンタクトなどで接合してもよい。なお本明細書では、基板116を単結晶半導体基板101を支える基板という意味で、基板支持部、あるいは、支持基板とも呼ぶ。
基板116は、図2(B)の工程時の温度、例えば1500℃〜1600℃の温度で溶融しない材料であればよい。基板116として、例えばステンレス基板、石英基板などが挙げられる。接着材115は、図2(B)の工程時の温度、例えば1500℃〜1600℃の温度であっても、単結晶半導体基板101及び基板116を接着できるものであればよい。
次いで損傷領域103に沿って、単結晶半導体層106と単結晶半導体基板101を分離する(図2(C)参照)。実施の形態1では、単結晶半導体基板101を容器111から取り出してから剥離していたが、本実施の形態では、容器111に入った状態で剥離を行う。実施の形態1では、剥離を行った後、単結晶半導体基板101と単結晶半導体層106が重なってしまい、単結晶半導体層106の表面に傷が付く恐れがあるが、本実施の形態ではそのようなことは起こらない。
次いで容器111から、単結晶半導体層106を有する基板114を取り出す(図2(D)参照)。
また図1(D)に示す工程時ではなく、接着材115と基板116を、単結晶半導体基板101の裏面に配置してから、液状ガラス113上に単結晶半導体基板101を設けてもよい。その方法を図3(A)〜図3(D)を用いて説明する。
まず接着材115を介して基板116を、単結晶半導体基板101の裏面に配置する(図3(A)参照)。
次いで溶融スズ112上に液状ガラス113を流し込み、基板116を裏面に配置した単結晶半導体基板101を、絶縁層105を介して液状ガラス113上に設ける(図3(B)参照)。
後は図2(C)〜図2(D)に示す作製工程と同様に、単結晶半導体層106と単結晶半導体基板101を分離し(図3(C)参照)、容器111から、単結晶半導体層106を有する基板114を取り出す(図3(D)参照)。
本実施の形態では、均一な特性を有する単結晶半導体層106を基板114上に形成することを、さらに短い作製工程時間で行うことができる。
[実施の形態4]
本実施の形態を図12(A)〜図12(E)を用いて説明する。本実施の形態では、実施の形態1とは異なる作製工程で、単結晶半導体層を得ることができる。
まず実施の形態1に基づいて、図1(A)に示す絶縁層105の形成(図12(A)参照)及び図1(B)に示す損傷領域103の形成(図12(B)までを行う。
次いで室温で容器111内に、液状ガラスよりも密度の高い液体材料の固体、例えば、固体のスズを設け、さらに固体のスズの上に固体のガラスを設ける。固体のガラスと絶縁層105が接するように、損傷領域103が形成された単結晶半導体基板101を固体のガラス上に設置する。
固体のガラス上に単結晶半導体基板101が設置された状態で、容器111全体を室温から始めて1000℃以上に昇温する。固体のスズは溶融して溶融スズ112となり、また固体のガラスは板状の液状ガラス113となる(図12(C)参照)。
さらに図1(E)と同様に、板状の液状ガラス113及び単結晶半導体基板101を徐冷することで、ガラス基板である基板114を形成すると同時に基板114と単結晶半導体基板101を接合させ、容器111から取り出す(図12(D)参照)。
以上の工程は、1000℃以上の高温で行われるため、作業工程中に、損傷領域103に沿って、単結晶半導体基板101と単結晶半導体層106が分離する(図12(E)参照)。
[実施の形態5]
本実施の形態では、実施の形態1〜実施の形態4に基づいて得られた単結晶半導体層106を用いて半導体装置を作製する方法を、図4(A)〜図4(F)、図5(A)〜図5(D)を使用して説明する。
まず実施の形態1〜実施の形態4に基づいて、基板114上の絶縁層105及び単結晶半導体層106を得る(図4(A)参照)。次いで、基板114上の単結晶半導体層106をエッチングして島状半導体膜121と島状半導体膜122を形成する(図4(B)参照)。
島状半導体膜121と島状半導体膜122には、しきい値電圧を制御するために、ホウ素、アルミニウム、ガリウムなどのp型を付与する不純物元素、もしくはリン、ヒ素などのn型を付与する不純物元素を添加してもよい。例えば、p型を付与する不純物元素としてホウ素を添加する場合、5×1016cm−3以上1×1017cm−3以下の濃度で添加すればよい。
しきい値電圧を制御するための不純物元素の添加は、単結晶半導体層106に対して行ってもよいし、島状半導体膜121と島状半導体膜122に対して行ってもよい。
また、しきい値電圧を制御するための不純物の添加を、単結晶半導体層106を剥離する前の単結晶半導体基板101に対して行ってもよい。もしくは、しきい値電圧を大まかに調整するための不純物元素の添加を、単結晶半導体層106を剥離する前の単結晶半導体基板101に対して行った上で、しきい値電圧を微調整するために、単結晶半導体層106に対して、または島状半導体膜121と島状半導体膜122に対しても行うようにしてもよい。
例えば、単結晶半導体基板101に弱いp型の単結晶シリコン基板を用いた場合を例に、この不純物元素の添加方法の一例を説明する。まず、単結晶半導体層106をエッチングする前に、単結晶半導体層106全体にホウ素を添加する。このホウ素の添加は、pチャネル型トランジスタのしきい値電圧を調節することを目的とする。ドーパントガスにB2H6を用い、1×1016〜1×1017/cm3の濃度でホウ素を添加する。ホウ素の濃度は、活性化率などを考慮して決定される。たとえば、ホウ素の濃度は6×1016/cm3とすることができる。
次に、単結晶半導体層106をエッチングして、島状半導体膜121及び島状半導体膜122を形成する。そして、島状半導体膜121のみにホウ素を添加する。この2回目のホウ素の添加は、nチャネル型トランジスタのしきい値電圧を調節することを目的とする。ドーパントガスにB2H6を用い、1×1016〜1×1017/cm3の濃度でホウ素を添加する。たとえば、ホウ素の濃度は6×1016/cm3とすることができる。
なお、単結晶半導体基板101に、pチャネル型トランジスタまたはnチャネル型トランジスタの一方のしきい値電圧に適した導電型および抵抗を有する基板が用いることができる場合は、しきい値制御をするための不純物添加の工程を1回にすることができ、島状半導体膜121あるいは島状半導体膜122の一方にしきい値電圧の制御のための不純物元素を添加すればよい。
次に島状半導体膜121及び島状半導体膜122を覆うように、ゲート絶縁膜123を形成する。PECVD法またはスパッタリング法などを用い、酸化珪素、窒化酸化珪素、窒化珪素、酸化ハフニウム、酸化アルミニウムまたは酸化タンタルを含む膜を、単層で、または積層させることで、ゲート絶縁膜123を形成する。
本実施の形態では、ゲート絶縁膜123は、PECVD法を行うことにより、島状半導体膜121及び島状半導体膜122の表面を覆って薄い膜厚、例えば20nmの膜厚で形成することができる。
また、高密度プラズマ処理により島状半導体膜121及び島状半導体膜122の表面を酸化または窒化することで形成してもよい。高密度プラズマ処理は、例えばHe、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスとを用いて行う。この場合プラズマの励起をマイクロ波により行うことで、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。
このような高密度のプラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、島状半導体膜121及び島状半導体膜122の表面を酸化または窒化することにより、1〜50nm、望ましくは5〜30nmの絶縁膜が島状半導体膜121及び島状半導体膜122それぞれの表面に形成される。
あるいは島状半導体膜121及び島状半導体膜122を熱酸化させることで、ゲート絶縁膜123を形成するようにしてもよい。その場合はゲート絶縁膜123は、島状半導体膜121及び島状半導体膜122それぞれの表面に形成される。
あるいは、水素を含んだゲート絶縁膜123を形成した後、350℃以上450℃以下の温度による加熱処理を行うことで、ゲート絶縁膜123中に含まれる水素を、島状半導体膜121及び島状半導体膜122中に拡散させるようにしてもよい。この場合、ゲート絶縁膜123は、プロセス温度を350℃以下で、PECVD法で窒化シリコンまたは窒化酸化シリコンを堆積することで形成することができる。
島状半導体膜121及び島状半導体膜122に水素を供給することで、島状半導体膜121及び島状半導体膜122中、およびゲート絶縁膜123と島状半導体膜121及び島状半導体膜122の界面での、電荷捕獲中心となるような結晶欠陥を効果的に低減することができる。
次に、ゲート絶縁膜123上に導電膜を形成した後、導電膜をエッチングすることで、島状半導体膜121及び島状半導体膜122の上方に、それぞれゲート電極125及びゲート電極126を形成する(図4(D)参照)。
ゲート電極125及びゲート電極126となる導電膜の形成には、CVD法、スパッタリング法等を用いることができる。導電膜は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等を用いることができる。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いてもよい。または、半導体膜に導電性を付与するリン等の不純物元素を添加した、多結晶珪素などの半導体を用いて形成してもよい。
また本実施の形態では、ゲート電極125及びゲート電極126を単層の導電膜で形成しているが、本実施の形態はこの構成に限定されない。ゲート電極125及びゲート電極126は積層された複数の導電膜で形成されていてもよい。3つ以上の導電膜を積層する積層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
例えばゲート電極125及びゲート電極126を2つの導電膜の積層で形成した場合、2つの導電膜の組み合わせとして、1層目に窒化タンタルまたはタンタル(Ta)を、2層目にタングステン(W)を用いることができる。上記例の他に、窒化タングステンとタングステン、窒化モリブデンとモリブデン、アルミニウムとタンタル、アルミニウムとチタン等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、2層の導電膜を形成した後の工程において、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層の導電膜の組み合わせとして、例えば、n型を付与する不純物がドーピングされた珪素とニッケルシリサイド、n型を付与する不純物がドーピングされたSiとWSix等も用いることができる。
なお、ゲート電極125及びゲート電極126を形成する際に用いるマスクとして、レジストの代わりに酸化珪素、窒化酸化珪素等をマスクとして用いてもよい。この場合、酸化珪素、窒化酸化珪素等をエッチングする工程が加わるが、エッチング時におけるマスクの膜減りがレジストよりも少ないため、所望の幅を有するゲート電極125及びゲート電極126を形成することができる。またマスクを用いずに、液滴吐出法を用いて選択的にゲート電極125及びゲート電極126を形成してもよい。
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出または噴出することで所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。
また、ゲート電極125及びゲート電極126は、導電膜を形成後、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いる。エッチング条件(コイル型の電極層に印加される電力量、基板側の電極層に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することにより、所望のテーパ形状を有するようにエッチングすることができる。また、テーパ形状は、マスクの形状によっても角度等を制御することができる。なお、エッチング用ガスとしては、塩素、塩化ホウ素、塩化珪素もしくは四塩化炭素などの塩素系ガス、四フッ化炭素、フッ化硫黄もしくはフッ化窒素などのフッ素系ガスまたは酸素を適宜用いることができる。
次に、ゲート電極125及びゲート電極126をマスクとして、一導電型を付与する不純物元素を、それぞれ島状半導体膜121及び島状半導体膜122に添加する。本実施の形態では、島状半導体膜121にn型を付与する不純物元素(例えばリンまたはヒ素)を添加する。また島状半導体膜122にp型を付与する不純物元素(例えばホウ素)を添加する。
なお、n型を付与する不純物元素を島状半導体膜121に添加するときには、n型を付与する不純物元素が添加されないように、島状半導体膜122はマスク等で覆う。また、p型を付与する不純物元素を島状半導体膜122に添加するときには、p型を付与する不純物元素の添加が添加されないように、島状半導体膜121はマスク等で覆う。
あるいは、先に島状半導体膜121及び島状半導体膜122に、p型もしくはn型のいずれか一方を付与する不純物元素を添加した後、一方の島状半導体膜のみに選択的により高い濃度でp型もしくはn型のうちの他方を付与する不純物元素のいずれか一方を添加するようにしてもよい。
この不純物元素の添加工程により、島状半導体膜121にn型の低濃度不純物領域132a及び低濃度不純物領域132bが形成され、島状半導体膜122には、p型の高濃度不純物領域134a及び高濃度不純物領域134bが形成される。また、島状半導体膜121において、ゲート電極125と重なる領域は、チャネル形成領域131となる。また島状半導体膜122において、ゲート電極126と重なる領域は、チャネル形成領域133となる(図4(E)参照)。
次に、ゲート電極125の側面にサイドウォール135a及びサイドウォール135b、ゲート電極126の側面にサイドウォール136a及びサイドウォール136bを形成する。
サイドウォール135a及びサイドウォール135b、並びに、サイドウォール136a及びサイドウォール136bは、例えば、ゲート絶縁膜123、並びにゲート電極125及びゲート電極126を覆うように新たに絶縁膜を形成し、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより、新たに形成された絶縁膜を部分的にエッチングすることで形成することができる。
この異方性エッチングにより、新たに形成された絶縁膜が部分的にエッチングされ、ゲート電極125の側面にサイドウォール135a及びサイドウォール135b、並びに、ゲート電極126の側面にサイドウォール136a及びサイドウォール136bが形成される。なお、この異方性エッチングにより、ゲート絶縁膜123も部分的にエッチングされ、ゲート電極125並びにサイドウォール135a及びサイドウォール135bの下にゲート絶縁膜138が、ゲート電極126並びにサイドウォール136a及びサイドウォール136bの下にゲート絶縁膜139が形成される(図4(F)参照)。
サイドウォール135a及びサイドウォール135b並びにサイドウォール136a及びサイドウォール136bを形成するための絶縁膜は、PECVD法やスパッタリング法等により、シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜や、有機樹脂などの有機材料を含む膜を、1層または2層以上積層して形成することができる。本実施の形態では、膜厚100nmの酸化シリコン膜をPECVD法によって形成する。酸化シリコン膜のエッチングガスには、CHF3とヘリウムの混合ガスを用いることができる。なお、サイドウォール135a及び135b並びにサイドウォール136a及びサイドウォール136bを形成する工程は、これらに限定されるものではない。
次に、ゲート電極125並びにサイドウォール135a及びサイドウォール135bをマスクとして、島状半導体膜121にn型を付与する不純物元素を添加する。この工程では、島状半導体膜122はマスク等で覆い、島状半導体膜121にn型を付与する不純物元素を添加する。
上記不純物元素の添加により、島状半導体膜121に一対のn型の高濃度不純物領域141a及び高濃度不純物領域141bが自己整合的に形成される(図5(A)参照)。
次に、島状半導体膜122を覆うマスクを除去した後、加熱処理を行い、島状半導体膜121に添加したn型を付与する不純物元素、および島状半導体膜122に添加したp型を付与する不純物元素を活性化する。
島状半導体膜121には、チャネル形成領域131、低濃度不純物領域132a及び低濃度不純物領域132b、ソース領域及びドレイン領域である高濃度不純物領域141a及び高濃度不純物領域141bが形成されている。島状半導体膜121上には、ゲート絶縁膜138、さらにゲート絶縁膜138上には、ゲート電極125並びにサイドウォール135a及びサイドウォール135bが形成されている。
島状半導体膜122には、チャネル形成領域133、ソース領域及びドレイン領域である高濃度不純物領域134a及び高濃度不純物領域134bが形成されている。また島状半導体膜122上には、ゲート絶縁膜139、さらにゲート絶縁膜139上には、ゲート電極126並びにサイドウォール136a及びサイドウォール136bが形成されている。
なお、サイドウォール135a、サイドウォール135b、サイドウォール136a、サイドウォール136bは、必要がなければ形成しなくてもよい。またその場合、高濃度不純物領域141a及び高濃度不純物領域141bを形成するための一導電性を付与する不純物元素の添加は、サイドウォール135a及びサイドウォール135bの代わりにレジストマスクを用いて行い、不純物元素添加後にレジストマスクを除去すればよい。
また、サイドウォール135a、サイドウォール135b、サイドウォール136a、サイドウォール136bを形成しない場合は、ゲート絶縁膜123をエッチングしないので、ゲート絶縁膜123が島状半導体膜121および島状半導体膜122を覆っていてもよい。
なお、ソース領域及びドレイン領域の抵抗を下げるために、島状半導体膜121の高濃度不純物領域141a及び高濃度不純物領域141b、島状半導体膜122の高濃度不純物領域134a及び高濃度不純物領域134bをシリサイド化して、シリサイド層を形成してもよい。
シリサイド化は、島状半導体膜121及び島状半導体膜122に金属を接触させ、加熱処理によって、島状半導体膜中のシリコンと金属とを反応させてシリサイド化合物を生成すればよい。
この金属にはコバルトまたはニッケルが好ましく、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、Hf(ハフニウム)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ネオジム(Nb)、クロム(Cr)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等を用いることができる。島状半導体膜121及び島状半導体膜122の厚さが薄い場合には、島状半導体膜121及び島状半導体膜122の表面だけでなく、底部までシリサイド反応を進めてもよい。シリサイド化のための加熱処理には、抵抗加熱炉、RTA装置、マイクロ波加熱装置、またはレーザ照射装置を用いることができる。
次に島状半導体膜121及び島状半導体膜122、ゲート電極125及びゲート電極126、サイドウォール135a、サイドウォール135b、サイドウォール136a、サイドウォール136bを覆うように、層間絶縁膜142を形成する。
層間絶縁膜142として、水素を含む絶縁膜を形成する。本実施の形態では、層間絶縁膜142として、モノシラン、アンモニア、N2Oを含むソースガスを用いて、PECVD法で形成した膜厚600nm程度の窒化酸化シリコン膜を形成する。
水素を層間絶縁膜142に含ませることで、層間絶縁膜142から水素を拡散させて、島状半導体膜121及び島状半導体膜122の未結合手を終端させることができるからである。また、層間絶縁膜142を形成することで、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物が島状半導体膜121及び島状半導体膜122へ侵入するのを防ぐことができる。具体的に層間絶縁膜142として、窒化珪素、窒化酸化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などを用いる。
次に、層間絶縁膜142上に層間絶縁膜147を形成する(図5(B)参照)。層間絶縁膜147は、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンホウ素ガラス)、アルミナ等を用いることができる。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、またはアリール基のうち少なくとも1種を有していてもよい。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、層間絶縁膜147を形成してもよい。
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち、少なくとも1種を有していてもよい。
層間絶縁膜147の形成には、その材料に応じて、CVD法、スパッタ法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコータ、カーテンコータ、ナイフコータ等を用いることができる。
次に、窒素雰囲気中で、400℃〜450℃程度(例えば、410℃)の加熱処理を1時間程度行い、層間絶縁膜142から水素を拡散させ、島状半導体膜121及び島状半導体膜122の未結合手を水素で終端する。なお、単結晶半導体層106は、非晶質シリコン膜を結晶化した多結晶シリコン膜とくらべて非常に欠陥密度が小さいため、この水素による終端処理を短時間にすることができる。
次に、島状半導体膜121の高濃度不純物領域141a及び高濃度不純物領域141b、並びに、島状半導体膜122の高濃度不純物領域134a及び高濃度不純物領域134bが、それぞれ一部露出するように、層間絶縁膜142および層間絶縁膜147にコンタクトホールを形成する。コンタクトホールの形成は、CHF3とHeの混合ガスを用いたドライエッチング法で行うことができるが、これに限定されるものではない。
そして、コンタクトホールを介して島状半導体膜121の高濃度不純物領域141a及び141bにそれぞれ接する電極143a及び電極143b、並びに、島状半導体膜122の高濃度不純物領域134a及び高濃度不純物領域134bにそれぞれ接する電極144a及び電極144bを形成する。
以上の工程により、島状半導体膜121、ゲート絶縁膜138、ゲート電極125、サイドウォール135a及びサイドウォール135b、電極143a及び電極143bを有するnチャネル型トランジスタ145が形成される。また島状半導体膜122、ゲート絶縁膜139、ゲート電極126、サイドウォール136a及びサイドウォール136b、電極144a及び電極144bを有するpチャネル型トランジスタ146が形成される(図5(C)参照)。
電極143a及び電極143b、並びに、電極144a及び電極144bは、CVD法やスパッタリング法等により形成することができる。具体的に電極143a及び電極143b、並びに、電極144a及び電極144bとして、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、炭素(C)、珪素(Si)等を用いることができる。また上記金属を主成分とする合金を用いても良いし、上記金属を含む化合物を用いてもよい。電極143a及び電極143b、並びに、電極144a及び電極144bは、上記金属が用いられた膜を単層または複数積層させて形成することができる。
アルミニウムを主成分とする合金の例として、アルミニウムを主成分としニッケルを含むものが挙げられる。また、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素または珪素の一方または両方とを含むものも例として挙げることができる。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、電極143a及び電極143b、並びに、電極144a及び電極144bを形成する材料として最適である。
特にアルミニウムシリコン(Al−Si)膜の形状をエッチングで加工する場合は、エッチング用のマスクを形成する際のレジストベークにおけるヒロックの発生をアルミニウム膜に比べて防止することができる。また、珪素(Si)の代わりに、アルミニウム膜に0.5%程度のCuを混入させてもよい。
電極143a及び電極143b、並びに、電極144a及び電極144bは、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデンまたはモリブデンの窒化物を用いて形成された膜である。アルミニウムシリコン(Al−Si)膜を間に挟むようにバリア膜を形成すると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生をより防止することができる。
また、還元性の高い元素であるチタンを用いてバリア膜を形成すると、島状半導体膜121及び島状半導体膜122上に薄い酸化膜ができていたとしても、バリア膜に含まれるチタンがこの酸化膜を還元し、電極143a及び電極143b、並びに、電極144a及び電極144bと、島状半導体膜121及び島状半導体膜122とがそれぞれ良好なコンタクトをとることができる。
またバリア膜を複数積層するようにして用いてもよい。その場合、例えば、電極143a及び電極143b、並びに、電極144a及び電極144bを下層からTi、窒化チタン、Al−Si、Ti、窒化チタンの5層構造とすることができる。
また電極143a及び電極143b、並びに、電極144a及び電極144bとして、WF6ガスとSiH4ガスから化学気相成長法で形成したタングステンシリサイドを用いてもよい。また、WF6を水素還元して形成したタングステンを、電極143a及び電極143b、並びに、電極144a及び電極144bとして用いてもよい。
本実施の形態では、nチャネル型トランジスタ145とpチャネル型トランジスタ146が、それぞれゲート電極125及びゲート電極126を1つずつ有する場合を例示しているが、本明細書に開示された発明はこの構成に限定されない。本明細書に開示された発明で作製されるトランジスタは、ゲートとして機能する電極を複数有し、なおかつ該複数の電極が電気的に接続されているマルチゲート構造のトランジスタとすることができる。また、このトランジスタは、プレナ構造のトランジスタとすることができる。
またnチャネル型トランジスタ145の電極143b及びpチャネル型トランジスタ146の電極144aを接続して電極148とし、nチャネル型トランジスタ145とpチャネル型トランジスタ146をCMOS回路149としてもよい(図5(D)参照)。CMOS回路149は、様々な駆動回路や処理回路に用いることができる。
なお、本明細書に開示された発明の単結晶半導体層は、単結晶半導体基板を薄片化した層であるため、配向のばらつきがない。そのため、単結晶半導体層を用いて作製される複数のトランジスタのしきい値電圧や移動度などの電気的特性のばらつきを小さくすることができる。また、結晶粒界が殆どないため、結晶粒界に起因するリーク電流を抑え、また、半導体装置の省電力化を実現することができる。したがって、信頼性の高い半導体装置を作製することができる。
[実施の形態6]
本実施の形態を、図6、図7、図8(A)〜図8(B)、図9(A)〜図9(B)、図10(A)〜図10(C)、図11(A)〜図11(C)を用いて説明する。本実施の形態では、実施の形態1〜実施の形態4に基づいて形成した単結晶半導体層を、実施の形態5に応用して得られたトランジスタやCMOS回路を、様々な半導体装置に応用した例について述べる。
まず、半導体装置の一例として、マイクロプロセッサについて説明する。図6はマイクロプロセッサ200の構成例を示すブロック図である。
マイクロプロセッサ200は、演算回路201(Arithmetic logic unit。ALUともいう)、演算回路制御部202(ALU Controller)、命令解析部203(Instruction Decoder)、割込制御部204(Interrupt Controller)、タイミング制御部205(Timing Controller)、レジスタ206(Register)、レジスタ制御部207(Register Controller)、バスインターフェース208(Bus I/F)、読み出し専用メモリ209、およびメモリインターフェース210を有している。
バスインターフェース208を介してマイクロプロセッサ200に入力された命令は、命令解析部203に入力され、デコードされた後、演算回路制御部202、割込制御部204、レジスタ制御部207、タイミング制御部205に入力される。演算回路制御部202、割込制御部204、レジスタ制御部207、タイミング制御部205は、デコードされた命令に基づき、様々な制御を行う。
演算回路制御部202は、演算回路201の動作を制御するための信号を生成する。また、割込制御部204は、マイクロプロセッサ200のプログラム実行中に、外部の入出力装置や周辺回路からの割り込み要求を処理する回路であり、割込制御部204は、割り込み要求の優先度やマスク状態を判断して、割り込み要求を処理する。レジスタ制御部207は、レジスタ206のアドレスを生成し、マイクロプロセッサ200の状態に応じてレジスタ206の読み出しや書き込みを行う。タイミング制御部205は、演算回路201、演算回路制御部202、命令解析部203、割込制御部204、およびレジスタ制御部207の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えば、タイミング制御部205は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えている。図6に示すように、内部クロック信号CLK2は他の回路に入力される。
図6に示すマイクロプロセッサ200のそれぞれの電気回路は、図5(C)に示すトランジスタや、図5(D)に示すCMOS回路を用いて作製することが可能である。
次に、非接触でデータの送受信を行う機能、および演算機能を備えた半導体装置の一例を説明する。図7は、このような半導体装置の構成例を示すブロック図である。図7に示す半導体装置211は、無線通信により外部装置と信号の送受信を行って動作する演算処理装置として機能する。
図7に示すように、半導体装置211は、アナログ回路部212とデジタル回路部213を有している。アナログ回路部212として、共振容量を有する共振回路214、整流回路215、定電圧回路216、リセット回路217、発振回路218、復調回路219と、変調回路220を有している。デジタル回路部213は、RFインターフェース221、制御レジスタ222、クロックコントローラ223、インターフェース224、中央処理ユニット225、ランダムアクセスメモリ226、読み出し専用メモリ227を有している。
半導体装置211の動作の概要は以下の通りである。アンテナ228が受信した信号は共振回路214により誘導起電力を生じる。誘導起電力は、整流回路215を経て容量部229に充電される。この容量部229はセラミックコンデンサーや電気二重層コンデンサーなどのキャパシタで形成されていることが好ましい。容量部229は、半導体装置211を構成する基板に集積されている必要はなく、他の部品として半導体装置211に組み込むこともできる。
リセット回路217は、デジタル回路部213をリセットし初期化する信号を生成する。例えば、電源電圧の上昇に遅延して立ち上がる信号をリセット信号として生成する。発振回路218は、定電圧回路216により生成される制御信号に応じて、クロック信号の周波数とデューティー比を変更する。復調回路219は、受信信号を復調する回路であり、変調回路220は、送信するデータを変調する回路である。
例えば、復調回路219はローパスフィルタで形成され、振幅変調(ASK)方式の受信信号を、その振幅の変動をもとに、二値化する。また、送信データを振幅変調(ASK)方式の送信信号の振幅を変動させて送信するため、変調回路220は、共振回路214の共振点を変化させることで通信信号の振幅を変化させている。
クロックコントローラ223は、電源電圧または中央処理ユニット225における消費電流に応じてクロック信号の周波数とデューティー比を変更するための制御信号を生成している。電源電圧の監視は電源管理回路230が行っている。
アンテナ228から半導体装置211に入力された信号は復調回路219で復調された後、RFインターフェース221で制御コマンドやデータなどに分解される。制御コマンドは制御レジスタ222に格納される。制御コマンドには、読み出し専用メモリ227に記憶されているデータの読み出し、ランダムアクセスメモリ226へのデータの書き込み、中央処理ユニット225への演算命令などが含まれている。
中央処理ユニット225は、インターフェース224を介して読み出し専用メモリ227、ランダムアクセスメモリ226、制御レジスタ222にアクセスする。インターフェース224は、中央処理ユニット225が要求するアドレスより、読み出し専用メモリ227、ランダムアクセスメモリ226、制御レジスタ222のいずれかに対するアクセス信号を生成する機能を有している。
中央処理ユニット225の演算方式は、読み出し専用メモリ227にOS(オペレーティングシステム)を記憶させておき、起動とともにプログラムを読み出し実行する方式を採用することができる。また、専用回路で演算回路を構成して、演算処理をハードウェア的に処理する方式を採用することもできる。ハードウェアとソフトウェアを併用する方式では、専用の演算回路で一部の演算処理を行い、プログラムを使って、残りの演算を中央処理ユニット225が処理する方式を適用できる。
図7に示す半導体装置211のそれぞれの電気回路は、図5(C)に示すトランジスタや、図6(D)に示すCMOS回路を用いて作製することが可能である。
次に、図8(A)〜図8(B)および図9(A)〜図9(B)を用いて、半導体装置の構成例として表示装置について説明する。
図8(A)〜図8(B)は、液晶表示装置の構成例を示す図面である。図8(A)は液晶表示装置の画素の平面図であり、図8(B)は図8(A)のA−A’の断面図である。
図8(A)において、島状半導体膜259は、単結晶半導体層106から形成されており、画素のトランジスタ241を構成する。画素は、島状半導体膜259、島状半導体膜259と交差している走査線245、走査線245と交差している信号線248a、画素電極249、画素電極249と島状半導体膜259を電気的に接続する電極248bを有する。
図8(B)に示すように、基板114上に、絶縁層105、島状半導体膜259、ゲート絶縁膜244が形成されている。島状半導体膜259は、単結晶半導体層106をエッチングして形成される。島状半導体膜259には、チャネル形成領域242、n型の不純物領域243が形成されている。トランジスタ241のゲート電極は走査線245に含まれ、ソース電極またはドレイン電極の一方は信号線248aに含まれている。
島状半導体膜259、ゲート絶縁膜244、走査線245を覆って層間絶縁膜246を形成する。層間絶縁膜246は、層間絶縁膜142に基づいて形成すればよい。層間絶縁膜246上には、層間絶縁膜247を形成する。層間絶縁膜247は、層間絶縁膜147に基づいて形成すればよい。
層間絶縁膜247上には、信号線248a、電極248b、画素電極249が設けられている。層間絶縁膜247上には、柱状スペーサ251が形成され、信号線248a、電極248b、画素電極249および柱状スペーサ251を覆って、配向膜252が形成されている。
基板256には、対向電極255、対向電極255を覆う配向膜254が形成されている。柱状スペーサ251は、基板114と基板256の隙間を維持するために形成される。柱状スペーサ251によって形成される隙間に、液晶層253が形成されている。
信号線248aおよび電極248bと不純物領域243との接続部は、コンタクトホールの形成によって層間絶縁膜247に段差が生じるので、この接続部では液晶層253の液晶の配向が乱れやすい。そのため、この段差部に柱状スペーサ251を形成して、液晶の配向の乱れを防ぐ。
次に、エレクトロルミネセンス表示装置(以下、EL表示装置という)について、図9(A)〜図9(B)を用いて説明する。図9(A)はEL表示装置の画素の平面図であり、図9(B)は図9(A)のB−B’で示した画素の表示制御用トランジスタ261の断面図である。
図9(A)に示すように、画素は、選択用トランジスタ281、表示制御用トランジスタ261、走査線285、信号線288a、および電流供給線268b、画素電極269を含む。エレクトロルミネセンス材料を含んで形成される層(EL層)が一対の電極間に挟んだ構造の発光素子が各画素に設けられている。発光素子の一方の電極が画素電極269である。
選択用トランジスタ281は、単結晶半導体層106からなる島状半導体膜279を有する。島状半導体膜279には、不純物領域283a及び不純物領域283bが形成されている。選択用トランジスタ281において、ゲート電極は走査線285に含まれ、ソース電極またはドレイン電極の一方は信号線288aに含まれ、他方は電極288bとして形成されている。
表示制御用トランジスタ261は、ゲート電極265が電極288bと電気的に接続され、ソース電極またはドレイン電極の一方は、画素電極269に電気的に接続される電極268aとして形成され、ソース電極またはドレイン電極の他方は、電流供給線268bに含まれている。
表示制御用トランジスタ261はpチャネル型トランジスタであり、単結晶半導体層106からなる島状半導体膜289を有する。
図9(B)に示すように、島状半導体膜289には、チャネル形成領域262、p型の不純物領域263a及び不純物領域263bが形成されている。島状半導体膜289上にはゲート絶縁膜264が形成されている。表示制御用トランジスタ261のゲート電極265を覆って、層間絶縁膜266及び層間絶縁膜267が形成されている。層間絶縁膜267上に、信号線288a、電流供給線268b、電極288b、電極268aなどが形成されている。
また、層間絶縁膜267上には、電極268aに電気的に接続されている画素電極269が形成されている。画素電極269は周辺部が絶縁性の隔壁層271で囲まれている。画素電極269上にはEL層272が形成され、EL層272上には対向電極273が形成されている。補強板として基板275が設けられており、基板275は樹脂層274により基板114に固定されている。
本明細書に開示された発明に基づいて、様々な電気機器を作製することができる。電気機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポなど)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍など)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDVD(digital versatile disc)などの画像データを表示する表示装置を備えた装置などが含まれる。
図10(A)〜図10(C)及び図11(A)〜図11(C)を用いて、電気機器の具体的な態様を説明する。図10(A)は携帯電話機301の一例を示す外観図である。この携帯電話機301は、表示部302、操作スイッチ303などを含む。表示部302に、図8(A)〜図8(B)で説明した液晶表示装置または図9(A)〜図9(B)で説明したEL表示装置を適用することで、表示むらが少なく画質の優れた表示部302とすることができる。また携帯電話機301内の様々な電気回路に図5(C)のトランジスタあるいは図5(D)のCMOS回路を用いることができる。
また、図10(B)は、デジタルプレーヤ311の構成例を示す外観図である。デジタルプレーヤ311は、表示部312、操作部313、イヤホン314などを含んでいる。イヤホン314の代わりにヘッドホンや無線式イヤホンを用いることができる。表示部312に、図8(A)〜図8(B)で説明した液晶表示装置または図9(A)〜図9(B)で説明したEL表示装置を適用することで、画面サイズが0.3インチから2インチ程度の場合であっても、高精細な画像および多量の文字情報を表示することができる。またデジタルプレーヤ311内の様々な電気回路に図5(C)のトランジスタあるいは図5(D)のCMOS回路を用いることができる。
また、図10(C)は、電子ブック321の外観図である。この電子ブック321は、表示部322、操作スイッチ323を含んでいる。電子ブック321にはモデムを内蔵していてもよいし、図7の半導体装置211を内蔵させて、無線で情報を送受信できる構成としてもよい。表示部322には、図8(A)〜図8(B)で説明した液晶表示装置、または図9(A)〜図9(B)で説明したEL表示装置を適用することで、高画質の表示を行うことができる。また電子ブック321内の様々な電気回路に図5(C)のトランジスタあるいは図5(D)のCMOS回路を用いることができる。
図11(A)〜図11(C)は図10(A)に示した携帯電話とは異なる例を示す。図11(A)〜図11(C)は本明細書に開示された発明を適用したスマートフォン携帯電話の構成の一例であり、図11(A)が正面図、図11(B)が背面図、図11(C)が展開図である。
スマートフォン携帯電話は、筐体351及び筐体352二つの筐体で構成されている。スマートフォン携帯電話は、携帯電話と携帯情報端末の双方の機能を備えており、コンピュータを内蔵し、音声通話以外にも様々なデータ処理が可能な所謂スマートフォンである。
筐体351において、表示部361、スピーカ362、マイクロフォン363、操作キー364、ポインティングデバイス365、表面カメラ用レンズ366、外部接続端子367等を備えている。筐体352において、イヤホン端子358、キーボード371、外部メモリスロット372、裏面カメラ373、ライト374等を備えているなどにより構成されている。また、アンテナは筐体351内部に内蔵されている。
また、上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置等を内蔵していてもよい。
図11(A)に見られる重なり合った筐体351と筐体352は、スライドし図11(C)のように展開する。表示部361には、図8(A)〜図8(B)に示される液晶表示装置あるいは図9(A)〜図9(B)に示されるEL表示装置を組み込むことが可能であり、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。またスマートフォン携帯電話の内部の電気回路に、図5(C)に示されるトランジスタ、あるいは、図5(D)に示されるCMOS回路を用いることが可能である。
表示部361と表面カメラ用レンズ366を同一の面に備えているため、テレビ電話が可能である。また、表示部361をファインダとして、裏面カメラ373及びライト374で静止画及び動画の撮影が可能である。スピーカ362及びマイクロフォン363は音声通話に限らず、テレビ電話、録音、再生等の用途に使用できる。
操作キー364では、電話の発着信、電子メール等の簡単な情報入力、画面のスクロール、カーソル移動等が可能である。書類の作成、携帯情報端末としての使用等、取り扱う情報が多い場合はキーボード371を用いると便利である。
さらに、図11(A)に示す重なり合った筐体351と筐体352を、スライドして図11(C)のように展開し、携帯情報端末として使用することもできる。その場合は、キーボード371、ポインティングデバイス365を用い円滑な操作が可能である。
外部接続端子367はACアダプタ及びUSBケーブル等の各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータ等とのデータ通信が可能である。
また、外部メモリスロット372に記録媒体を挿入しより大量のデータ保存及び移動に対応できる。
また、上記機能構成に加えて、赤外線通信機能、USBポート、テレビ受信機能等を備えたものであってもよい。