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JP5409326B2 - 上層基地局及び無線通信システム - Google Patents
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Description

本発明は、上層基地局及び無線通信システムに関する。
無線通信システムで使用される基地局は、一般にマクロセルと呼ばれるセル半径が数km〜10km程度のセルで通信エリアを構築するが、遮蔽物や基地局の立地条件などにより、マクロセル内に通信感度の悪いエリアが形成される場合がある。近年では、マクロセルの全領域で高速通信を保証可能なセル構造として、マクロセル内に存在する低感度エリアに、マイクロセルと呼ばれるセル半径が数百m〜1km程度の小型セル用の基地局を配置して成るヘテロジーニアスネットワークが実用化されている。
小型セル用の基地局を用いる技術としては、例えば、下記特許文献1には、売店や飲食店等の商業施設内などに、複数のフェムトセル(セル半径が数十m程度の小型セル)を数珠つなぎに隣接配置し、隣接するフェムトセル間での移動局のハンドオーバを許可した際、移動局が在圏していないフェムトセルの基地局無線送信を停止させ、移動局がフェムトセル内に移動した時、当フェムトセルに隣接するフェムトセルの基地局無線送信を開始する技術が開示されている。
特開2009−159355号公報
上記特許文献1の技術は、複数のセルが数珠つなぎに隣接配置されている場合には有効であるが、マクロセル内に複数の小型セル(マイクロセル、ピコセル或いはフェムトセル)が存在するヘテロジーニアスネットワークにおいては、マクロセルと小型セルとが隣接した位置関係にないため、当技術を適用することはできない。また、隣接フェムトセル数が多くなると、その分、実際には接続しない(ハンドオーバするかしないか不明な)隣接フェムトセルの基地局無線送信が開始されるため、無駄な電力消費が生じることになる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上層セル内に複数の下層セルが配置された無線通信システムの消費電力を最小限に抑えることの可能な上層基地局及び無線通信システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る上層基地局は、上層セル内に複数の下層セルが配置された無線通信システムにおいて前記上層セルを形成する上層基地局であって、前記上層セル内に存在する無線端末との通信を実現する上層無線部と、前記下層セルを形成する下層基地局との通信を実現する上層局間通信部と、現在通信中の無線端末との通信接続条件を満足する前記下層基地局に対し、前記上層局間通信部を介して省電力モードから通常動作モードへの切替えを指示する上層制御部と、を備え、前記上層制御部は、前記無線端末との通信によって取得した前記無線端末の使用周波数及び位置情報を基に、前記無線端末の使用周波数に対応可能な下層基地局であって、且つ当該無線端末が下層セル内に位置する下層基地局があった場合、前記通信接続条件を満足する下層基地局として判断することを特徴とする。
また、本発明に係る上層基地局において、前記上層制御部は、前記無線端末の位置情報を基に、前記現在通信中の無線端末が下層セル内に位置する下層基地局があった場合、前記通信接続条件を満足する下層基地局として判断することを特徴とする。
また、本発明に係る上層基地局において、前記上層制御部は、前記無線端末の通信種別及び位置情報を基に、前記通信種別がデータ通信であって、且つ当該無線端末が下層セル内に位置する下層基地局があった場合、前記通信接続条件を満足する下層基地局として判断することを特徴とする。
また、前記上層制御部は、前記通信種別が音声通信の場合には、前記位置情報に関わらず、前記通信接続条件を満足する下層基地局は存在しないと判断することを特徴とする。
また、前記上層制御部は、前記無線端末の使用周波数に対応可能な下層基地局が存在しない場合、前記位置情報に関わらず、前記通信接続条件を満足する下層基地局は存在しないと判断することを特徴とする。
また、本発明に係る上層基地局において、前記上層制御部は、自局の通信負荷が規定値以上の場合に、前記通信接続条件を満足する下層基地局が存在するか否かの判断を行うことを特徴とする。
本発明に係る無線通信システムは、上層セル内に複数の下層セルが配置された構造を採用し、前記上層セルを形成する上層基地局及び前記複数の下層セルの各々を形成する複数の下層基地局を備える無線通信システムであって、前記上層基地局は、前記上層セル内に存在する無線端末との通信を実現する上層無線部と、前記下層セルを形成する下層基地局との通信を実現する上層局間通信部と、現在通信中の無線端末との通信接続条件を満足する前記下層基地局に対し、前記上層局間通信部を介して省電力モードから通常動作モードへの切替えを指示する上層制御部と、を備え、前記上層制御部は、前記無線端末との通信によって取得した前記無線端末の使用周波数及び位置情報を基に、前記無線端末の使用周波数に対応可能な下層基地局であって、且つ当該無線端末が下層セル内に位置する下層基地局があった場合、前記通信接続条件を満足する下層基地局として判断することを特徴とする。
本発明によれば、上層基地局において現在通信中の無線端末との通信接続条件を満足すると判断された下層基地局のみを、省電力モードから通常動作モードへ切替えるため、システム全体の消費電力を最小限に抑えることが可能となる。
本発明の一実施形態に係る無線通信システム1のブロック構成図である。 上層基地局UB及び下層基地局LB1〜LB8の内部ブロック構成図である。 上層基地局UBの通信動作を表すフローチャートである。 下層基地局LBの通常動作モード時及びパワーセーブモード時における通信動作を表すフローチャートである。 無線端末を含む無線通信システム1の全体通信動作の具体例を表すシーケンスチャートである。 無線端末を含む無線通信システム1の全体通信動作の具体例に関する補足説明図である。 無線端末を含む無線通信システム1の全体通信動作の具体例に関する補足説明図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における無線通信システム1の構成概略図である。この図1に示すように、無線通信システム1は、例えば次世代高速通信規格であるLTE(Long Term Evolution)に準拠したLTEシステムであり、上層セルUS内に複数(本実施形態では8個)の下層セルLS1〜LS8が配置されたヘテロジーニアスネットワークを採用している。
LTEシステムとは、ダウンリンク通信にOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を、アップリンク通信にSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)を用い、ユーザ端末に対してRB(Resource Block)単位で無線リソースの割り当てを行うものである。なお、RBとは、例えば、12サブキャリア分の帯域幅(=180kHz)と7シンボル分の時間幅(=1スロット長0.5ms)で構成された、無線リソースの最小割当単位である。
このようなLTEシステム等の高速無線通信システムでは、スループット向上のために、ヘテロジーニアスネットワークを形成し、SNの確保や基地局負荷の分散を図っている。本実施形態では、上層セルUSとして、セル半径が数km〜10km程度のマクロセルを想定し、下層セルLS1〜LS8として、セル半径が数百m〜1km程度のマイクロセルを想定する。なお、下層セルLS1〜LS8は、マイクロセルよりも小型のフェムトセル、或いはピコセル等であっても良い。
このような無線通信システム1は、上層セルUSを形成する上層基地局UBと、下層セルLS1〜LS8のそれぞれを形成する8基の下層基地局LB1〜LB8とを備えている。上層基地局UBは、上層セルUS内に存在する無線端末(図示省略)との無線通信が可能であると共に、通信ケーブル(図示省略)によって各下層基地局LB1〜LB8と通信可能に接続されている。また、下層基地局LB1〜LB8は、それぞれの自局の下層セルLS1〜LS8内に存在する無線端末(図示省略)との無線通信が可能である。
なお、以下では、説明の便宜上、下層基地局LB1〜LB8のそれぞれを区別する必要がない場合には下層基地局LBと総称し、また、下層セルLS1〜LS8のそれぞれを区別する必要がない場合には下層セルLSと総称する。
図2は、上層基地局UB及び下層基地局LB1〜LB8の内部ブロック構成図である。なお、図2では、下層基地局LB3を代表的に用いて、下層基地局LBの内部構成を図示しているが、他の下層基地局LBも同様な内部構成を備えている。この図2に示すように、上層基地局UBは、上層無線部11、上層局間通信部12、上層記憶部13及び上層制御部14を備えている。また、下層基地局LB3は、下層無線部21、下層局間通信部22、下層記憶部23及び下層制御部24を備えている。
上層基地局UBにおいて、上層無線部11は、上層制御部14による制御の下、ダウンリンク通信ではOFDMAを、アップリンク通信ではSC−FDMAを用いて、上層セルUS内に存在する無線端末との無線通信を実現するものである。具体的には、この上層無線部11は、ダウンリンク通信時において、上層制御部14から入力されるベースバンド信号から送信用のOFDM信号を生成し、そのOFDM信号をアンテナ11aを介して無線端末に送信する。また、この上層無線部11は、アップリンク通信時において、アンテナ11aを介して無線端末から受信したSC−FDM信号をベースバンド信号に変換して上層制御部14に出力する。
上層局間通信部12は、通信ケーブルCを介して各下層基地局LB1〜LB8の下層局間通信部22と通信可能に接続されており、上層制御部14による制御の下、各下層基地局LB1〜LB8との有線通信を実現するものである。上層記憶部13は、上層制御部14にて実行される基地局制御プログラムや各種設定データを予め記憶していると共に、パケットデータをバッファリングするバッファとしての機能を有している。
上層制御部14は、上層記憶部13に記憶されている基地局制御プログラムに従って上層基地局UBの通信動作を統括制御するものである。また、この上層制御部14は、本実施形態における特徴的な機能として、現在通信中の無線端末との通信接続条件を満足する下層基地局LBに対し、上層局間通信部12を介してパワーセーブモード(省電力モード)から通常動作モードへの切替え指示(以下、モード切替指示と称す)を送信する機能を有している。なお、通信接続条件の一つには、下層基地局LBの通信可能エリア(下層セルLS)に現在通信中の無線端末が位置するという条件がある。
なお、本実施形態において、上層制御部14は、無線端末との通信によって取得可能な端末属性情報に基づいて、通信接続条件を満足する下層基地局LBが存在するか否かを判断する。具体的には、上層制御部14は、上記の端末属性情報として取得した無線端末の位置情報を基に、現在通信中の無線端末が下層セルLS内に位置する下層基地局LBがあった場合、通信接続条件を満足する下層基地局LBとして判断する。なお、端末属性情報には、現在通信中の無線端末の位置情報に加えて、音声通信・データ通信等の通信種別、無線端末の使用周波数などがある。
一方、下層基地局LB3(他の下層基地局LBも同様)において、下層無線部21は、下層制御部24による制御の下、ダウンリンク通信ではOFDMAを、アップリンク通信ではSC−FDMAを用いて、下層セルLS3内に存在する無線端末との無線通信を実現するものである。具体的には、この下層無線部21は、ダウンリンク通信時において、下層制御部24から入力されるベースバンド信号から送信用のOFDM信号を生成し、そのOFDM信号をアンテナ21aを介して無線端末に送信する。また、この下層無線部21は、アップリンク通信時において、アンテナ21aを介して無線端末から受信したSC−FDM信号をベースバンド信号に変換して下層制御部24に出力する。
下層局間通信部22は、通信ケーブルCを介して上層基地局UBの上層局間通信部12と通信可能に接続されており、下層制御部24による制御の下、上層基地局UBとの有線通信を実現するものである。下層記憶部23は、下層制御部24にて実行される基地局制御プログラムや各種設定データを予め記憶していると共に、パケットデータをバッファリングするバッファとしての機能を有している。
下層制御部24は、下層記憶部13に記憶されている基地局制御プログラムに従って下層基地局LB3の通信動作を統括制御するものである。また、この下層制御部24は、本実施形態における特徴的な機能として、上層基地局UBから下層局間通信部22を介してモード切替指示を受信した場合に、自局の動作モードをパワーセーブモード(省電力モード)から通常動作モードへ切替える一方、下層無線部21による無線端末との通信が終了した場合に、自局の動作モードをパワーセーブモードへ切替える機能を有している。
なお、本実施形態において、パワーセーブモードとは、下層無線部21への電源供給を停止して無線通信動作を実施不能(電波送受信不能)とし、下層制御部24の機能を、上層基地局UBからのモード切替指示を待ち受ける待ち受け機能のみに制限するモードである。つまり、パワーセーブモード時における下層基地局LB3の電力は、そのほとんどが下層制御部24のモード切替指示の待ち受け機能に消費されるため、消費電力量は極微量となる。
次に、上記のように構成された上層基地局UB及び下層基地局LBの通信動作について詳細に説明する。
<上層基地局UBの通信動作>
まず、上層基地局UBの通信動作について説明する。図3は、上層基地局UBの通信動作を表すフローチャートである。この図3に示すように、上層基地局UBの上層制御部14は、上層無線部11を介して無線端末から接続要求を受信すると(ステップS1)、その接続要求を送信してきた無線端末との通信接続の確立処理を行う(ステップS2)。
そして、上層制御部14は、ステップS2によって無線端末との通信接続が確立すると、上層無線部11を介して、その無線端末に対して位置情報送信要求を送信する(ステップS3)。この位置情報送信要求とは、無線端末に対して現在位置を示す位置情報を送信するように要求するための信号である。無線端末は、例えばGPS(Global Positioning System)機能などの自端末の位置情報を検出する機能を備えており、上記の位置情報送信要求に応じて、自端末の現在位置を示す位置情報を上層基地局UBへ送信する。
上層制御部14は、上層無線部11を介して無線端末から位置情報を取得すると(ステップS4)、取得した位置情報に基づいて、通信接続条件を満足する下層基地局LBが存在するか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、上層制御部14は、取得した位置情報を基に、現在通信中の無線端末が下層セルLS内に位置する下層基地局LBがあった場合、通信接続条件を満足する下層基地局LBとして判断する。
上記ステップS5において「Yes」の場合、つまり通信接続条件を満足する下層基地局LBが存在する場合、上層制御部14は、通信接続条件を満足する下層基地局LBに対し、上層局間通信部12を介してモード切替指示を送信する(ステップS6)。一方、上記ステップS5において「No」の場合、つまり通信接続条件を満足する下層基地局LBが存在しない場合、上層制御部14は、モード切替指示を送信することなく、後述のステップS8へ移行する。
そして、上層制御部14は、現在通信中の無線端末から切断要求を受信したか否か(換言すれば、ハンドオーバが成功したか否か)を判断し(ステップS7)、「Yes」の場合には、現在通信中の無線端末との通信接続の切断処理を行う(ステップS8)。一方、上記ステップS5において「No」の場合、または、上記ステップS7において「No」の場合、上層制御部14は、引き続き無線端末との通信接続を維持して通常の通信動作(例えば、音声通信或いはデータ通信)を行う(ステップS9)。
そして、上層制御部14は、無線端末との通信が終了したか否かを判断し(ステップS10)、「No」の場合には、ステップS3に戻って位置情報の再取得を行い、「Yes」の場合には、ステップS8に移行して無線端末との通信接続の切断処理を行う。
上層制御部14は、無線端末から接続要求を受信する度に上記のステップS1〜S10を繰り返し実施する。つまり、上層基地局UBは、無線端末との通信接続を確立すると、その無線端末との通信接続条件を満足する下層基地局LBが存在するか否かを判断し、存在しなければ自局にて無線端末との通信を実施する一方、通信が終了するまで通信接続条件を満足する下層基地局LBが存在するか否かの判断を繰り返す(無線端末が移動する可能性があるため)。
そして、上層基地局UBは、通信接続条件を満足する下層基地局LBが存在する場合、その下層基地局LBに対してモード切替指示を送信して、当該下層基地局LBの動作モードをパワーセーブモードから通常動作モードへ切替える。ここで、無線端末は、通常動作モードに移行した下層基地局LBの下層セルLS内に存在するため、その下層基地局LBに対してハンドオーバを行い、ハンドオーバに成功すれば、上層基地局UBに切断要求を送信する。そして、上層基地局UBは、無線端末から切断要求を受信した場合、ハンドオーバに成功したと看做して通信接続を切断する。
<下層基地局LBの通信動作>
続いて、下層基地局LBの通信動作について説明する。図4(a)は、通常動作モード時における下層基地局LBの通信動作を表すフローチャートであり、図4(b)は、パワーセーブモード時(待ち受け動作時)における下層基地局LBの通信動作を表すフローチャートである。
まず、図4(a)に示すように、通常動作モード時において、下層基地局LBの下層制御部24は、下層無線部21を介して無線端末から接続要求を受信すると(ステップS11)、その接続要求を送信してきた無線端末との通信接続の確立処理を行い(ステップS12)、通信接続を確立した無線端末と通常の通信動作を行う(ステップS13)。なお、ステップS11における接続要求とは、ハンドオーバ時に無線端末から送信される接続要求も含む。
そして、下層制御部24は、現在通信中の無線端末から切断要求を受信したか否か(換言すれば、ハンドオーバが成功したか否か)を判断し(ステップS14)、「Yes」の場合には、現在通信中の無線端末との通信接続の切断処理を行う(ステップS15)。そして、下層制御部24は、他に通信中の無線端末が無いか否か(換言すれば、自局の無線通信が全て終了したか否か)を判断し(ステップS16)、「Yes」の場合には、自局の動作モードをパワーセーブモードに切替え(ステップS17)、「No」の場合には、自局の動作モードを通常動作モードに維持する。
一方、上記ステップS14において「No」の場合、下層制御部24は、無線端末との通信が終了したか否かを判断し(ステップS18)、「No」の場合には、ステップS13に戻って無線端末との通信を継続し、「Yes」の場合には、ステップS15に移行して無線端末との通信接続の切断処理を行う。
下層制御部24は、通常動作モード時において、無線端末から接続要求を受信する度に上記のステップS11〜S18を繰り返し実施する。つまり、下層基地局LBは、通常動作モード時において、無線端末から接続要求を受信すると、その無線端末との通信接続を確立して通常の通信を行い、自局の無線通信が全て終了した場合に、自局の動作モードをパワーセーブモードに切替えて、自局の消費電力を最小限に抑える。
続いて、図4(b)に示すように、パワーセーブモード時において、下層基地局LBの下層制御部24は、下層局間通信部22を介して、上層基地局UBからモード切替指示を受信したか否かを判断し(ステップS21)、「No」の場合には、ステップS21の処理を繰り返す。一方、このステップS21において「Yes」の場合、つまり上層基地局UBからモード切替指示を受信した場合、下層制御部24は、自局の動作モードを通常動作モードへ切替える(ステップS22)。なお、下層制御部24は、モード切替指示を受信した場合において、既に通常動作モードであった場合には何もしない。
このように、パワーセーブモード時における下層基地局LBは、モード切替指示の受信を待ち受ける待ち受け動作のみを行っているため、消費電力量は極微量となる。
<無線端末を含む無線通信システム1の全体通信動作の具体例>
次に、上述した上層基地局UB及び下層基地局LBの通信動作を前提として、無線端末を含む無線通信システム1の全体通信動作の具体例について説明する。なお、本具体例では、初期状態として、上層セルUS内に無線端末が存在せず、各下層基地局LB1〜LB8はそれぞれパワーセーブモードに切替わっているものと想定する(但し、上層基地局UBは常時通常動作している)。そして、そのような初期状態から、下層セルLS3に無線端末(以下、無線端末の符号をTとする)が侵入し、その後、その無線端末Tが下層セルLS4に移動した場合を想定する。
図5は、上記の想定の下に、無線端末T、上層基地局UB、下層基地局LB3及びLB4の相互間通信を表したシーケンスチャートである。この図5に示すように、無線端末Tは、下層セルLS3に侵入すると(図6(a)参照)、上層基地局UBに対して接続要求を送信する(ステップS31)。上層基地局UBは、無線端末Tから接続要求を受信すると、無線端末Tとの通信接続を確立し(ステップS32)、通信接続確立後、無線端末Tに対して位置情報送信要求を送信する(ステップS33)。
無線端末Tは、上層基地局UBから位置情報送信要求を受信すると、GPS機能によって検出した自端末の現在位置を示す位置情報を上層基地局UBに送信する(ステップS34)。上層基地局UBは、無線端末Tから取得した位置情報に基づいて、通信接続条件を満足する下層基地局LBは下層基地局LB3であると判断し、下層基地局LB3に対してモード切替指示を送信する(ステップS35)。
下層基地局LB3は、上層基地局UBからモード切替指示を受信すると、自局の動作モードをパワーセーブモードから通常動作モードへ切替える(ステップS36:図6(b)参照)。一方、上層基地局UBは、無線端末Tの周辺基地局の電波強度の報告を受けて無線端末Tのハンドオーバを決定し、上層基地局UBから下層基地局LB3にハンドオーバがなされる(ステップS37)。
下層基地局LB3は、無線端末Tから接続要求を受信すると、無線端末Tとの通信接続を確立する(ステップS38)。無線端末Tは、下層基地局LB3との通信接続確立後、上層基地局UBに対して切断要求を送信する(ステップS39)。上層基地局UBは、無線端末Tから切断要求を受信すると、無線端末Tとの通信接続を切断する(ステップS40)。その後、無線端末Tと下層基地局LB3との間で通常の通信が実施される(ステップS41)。
ここで、無線端末Tと下層基地局LB3との間で通信が終了する前に、無線端末Tが下層セルLS3から下層セルLS4に移動したと想定する(図7(a)参照)。この場合、無線端末Tは、下層基地局LB3から受信している電波の強度が低下し、下層基地局LB3は、無線端末Tの周辺基地局の電波強度の報告を受けて無線端末Tのハンドオーバを決定し、下層基地局LB3から上層基地局UBにハンドオーバがなされる(ステップS42)。
上層基地局UBは、無線端末Tから接続要求を受信すると、無線端末Tとの通信接続を確立する(ステップS43)。無線端末Tは、上層基地局UBとの通信接続確立後、下層基地局LB3に対して切断要求を送信する(ステップS44)。下層基地局LB3は、無線端末Tから切断要求を受信すると、無線端末Tとの通信接続を切断する(ステップS45)。これにより、下層基地局LB3は、自局の無線通信が全て終了したと判断し、自局の動作モードをパワーセーブモードに切替える(ステップS46)。
一方、上層基地局UBは、無線端末Tに対して位置情報送信要求を送信し(ステップS47)、無線端末Tは、GPS機能によって検出した自端末の現在位置を示す位置情報を上層基地局UBに送信する(ステップS48)。上層基地局UBは、無線端末Tから取得した位置情報に基づいて、通信接続条件を満足する下層基地局LBは下層基地局LB4であると判断し、下層基地局LB4に対してモード切替指示を送信する(ステップS49)。
下層基地局LB4は、上層基地局UBからモード切替指示を受信すると、自局の動作モードをパワーセーブモードから通常動作モードへ切替える(ステップS50:図7(b)参照)。一方、上層基地局UBは、無線端末Tの周辺基地局の電波強度の報告を受けて無線端末Tのハンドオーバを決定し、上層基地局UBから下層基地局LB4にハンドオーバがなされる(ステップS51)。
下層基地局LB4は、無線端末Tから接続要求を受信すると、無線端末Tとの通信接続を確立し(ステップS52)、無線端末Tは、下層基地局LB4との通信接続確立後、上層基地局UBに対して切断要求を送信する(ステップS53)。上層基地局UBは、無線端末Tから切断要求を受信すると、無線端末Tとの通信接続を切断し(ステップS54)、その後、無線端末Tと下層基地局LB4との間で通常の通信が実施される(ステップS55)。
以下、同様に、無線端末Tが下層セルLS4から移動すると、一旦、上層基地局UBと無線端末Tとの間で通信接続が確立され(この時、下層基地局LB4はパワーセーブモードに戻る)、通信接続条件を満足する下層基地局LBが見つかれば、その下層基地局LBが通常動作モードに復帰して、無線端末Tとの通信を担うことになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、上層基地局UBにおいて現在通信中の無線端末Tとの通信接続条件を満足すると判断された下層基地局LBのみを、パワーセーブモードから通常動作モードへ切替えるため、システム全体の消費電力を最小限に抑えることが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、以下のような変形例が挙げられる。
(1)上記実施形態では、GPS機能を搭載した無線端末Tを想定し、GPS機能によって検出された位置情報を無線端末Tから取得する場合を例示したが、必ずしも全ての無線端末TにGPS機能が搭載されているわけではない。そこで、上層基地局UBに、無線端末Tの位置情報に類似する情報、例えば無線端末Tまでの距離や無線端末Tの位置する方向などを検出する機能を設けて良い。
(2)上記実施形態では、上層基地局UBにおいて、無線端末Tの端末属性情報として位置情報を取得し、この位置情報に基づいて無線端末Tが下層セルLS内に位置する下層基地局LBを、通信接続条件を満足する下層基地局LBとして判断する場合を例示したが、例えば、端末属性情報として位置情報に加えて、無線端末Tが要求する通信が音声通信なのかデータ通信なのかを示す通信種別を取得しても良い。
この場合、上層制御部14は、端末属性情報として取得した通信種別及び位置情報を基に、現在通信中の無線端末Tの通信種別がデータ通信であって、且つ当該無線端末Tが下層セルLS内に位置する下層基地局LBがあった場合、通信接続条件を満足する下層基地局LBとして判断する。さらに、この場合、上層制御部14は、無線端末Tの通信種別が音声通信の場合には、位置情報に関わらず、通信接続条件を満足する下層基地局LBは存在しないと判断する。
つまり、通信トラフィック量が大きいデータ通信を要求する無線端末Tが上層基地局UBにアクセスしてきた場合には、上層基地局UBへのアクセス数が多くなる程、上層基地局UBの通信負荷が大幅に増大するため、その無線端末Tが通信接続可能な(無線端末Tが下層セルLS内に位置する)下層基地局LBを通常動作モードへ切替え、無線端末Tの接続先を下層基地局LBに切替えることにより、システム全体における基地局負荷の分散を図る。
一方、通信トラフィック量が小さい音声通信を要求する無線端末Tが上層基地局UBにアクセスしてきた場合には、上層基地局UBへのアクセス数が多くなっても、上層基地局UBの通信負荷はそれほど大きくならないため、無線端末Tの位置に関わらず、通信接続条件を満足する下層基地局LBは存在しないと判断する(つまり通常動作モードへの切替えを実施しない)ことにより、システム全体のさらなる低消費電力化を図ることができる。
(3)上記(2)の変形例では、端末属性情報として通信種別及び位置情報を取得する場合を例示したが、この他、例えば、端末属性情報として位置情報に加えて、無線端末Tの使用周波数を取得しても良い。この場合、上層制御部14は、端末属性情報として取得した使用周波数及び位置情報を基に、現在通信中の無線端末Tの使用周波数に対応可能な下層基地局LBであって、且つ当該無線端末Tが下層セルLS内に位置する下層基地局LBがあった場合、通信接続条件を満足する下層基地局LBとして判断する。さらに、この場合、上層制御部14は、無線端末Tの使用周波数に対応可能な下層基地局LBが存在しない場合、位置情報に関わらず、通信接続条件を満足する下層基地局LBは存在しないと判断する。
つまり、下層基地局LB1〜LB8の全てが無線端末Tの使用周波数に対応可能な基地局であるとは限らないため、無線端末Tの使用周波数に対応可能な下層基地局LBが存在しない場合には、位置情報に関わらず、通常動作モードへの切替えを実施しないことにより、システム全体のさらなる低消費電力化を図ることができる。
(4)上述したように、上層基地局UBの通信負荷がそれほど大きくない場合には、必ずしも下層基地局LBを通常動作モードへ切替える必要はない。そこで、上層制御部14に、自局の通信負荷が規定値以上の場合に、通信接続条件を満足する下層基地局LBが存在するか否かの判断を行う機能を設けても良い。これにより、上層基地局UBの通信負荷が規定値未満の小さい場合では、下層基地局LBを通常動作モードへ切替えることがなくなり、システム全体のさらなる低消費電力化を期待できる。なお、このような機能は、上記実施形態、(2)の変形例及び(3)の変形例のそれぞれについて適用できる。
(5)上記実施形態では、上層セルUSとして、セル半径が数km〜10km程度のマクロセルを想定し、下層セルLS1〜LS8として、セル半径が数百m〜1km程度のマイクロセルを想定して説明したが、上層セルUS及び下層セルLS1〜LS8のセル半径は上記の数値に限定されず、また、上層セルUS内における下層セルの配置数も8個に限定されない。つまり、上層セルUS内に複数の下層セルLSが配置されたヘテロジーニアスネットワークを採用する無線通信システムであれば、本発明を適用することが可能である。
(6)上記実施形態では、本発明に係る無線通信システムとして、次世代高速通信規格であるLTEに準拠したLTEシステムを例示して説明したが、これ限らず、WiMAX等、マルチキャリア通信を採用した他の通信規格を用いる無線通信システムであれば、本発明を適用することが可能である。
1…無線通信システム、UB…上層基地局、11…上層無線部、12…上層局間通信部、13…上層記憶部、14…上層制御部、LB(LB1〜LB8)…下層基地局、21…下層無線部、22…下層局間通信部、23…下層記憶部、24…下層制御部、US…上層セル、LS(LS1〜LS8)…下層セル、T…無線端末

Claims (7)

  1. 上層セル内に複数の下層セルが配置された無線通信システムにおいて前記上層セルを形成する上層基地局であって、
    前記上層セル内に存在する無線端末との通信を実現する上層無線部と、
    前記下層セルを形成する下層基地局との通信を実現する上層局間通信部と、
    現在通信中の無線端末との通信接続条件を満足する前記下層基地局に対し、前記上層局間通信部を介して省電力モードから通常動作モードへの切替えを指示する上層制御部と、
    を備え
    前記上層制御部は、前記無線端末との通信によって取得した前記無線端末の使用周波数及び位置情報を基に、前記無線端末の使用周波数に対応可能な下層基地局であって、且つ当該無線端末が下層セル内に位置する下層基地局があった場合、前記通信接続条件を満足する下層基地局として判断することを特徴とする上層基地局。
  2. 前記上層制御部は、前記無線端末の位置情報を基に、前記現在通信中の無線端末が下層セル内に位置する下層基地局があった場合、前記通信接続条件を満足する下層基地局として判断することを特徴とする請求項記載の上層基地局。
  3. 前記上層制御部は、前記無線端末の通信種別及び位置情報を基に、前記通信種別がデータ通信であって、且つ当該無線端末が下層セル内に位置する下層基地局があった場合、前記通信接続条件を満足する下層基地局として判断することを特徴とする請求項記載の上層基地局。
  4. 前記上層制御部は、前記通信種別が音声通信の場合には、前記位置情報に関わらず、前記通信接続条件を満足する下層基地局は存在しないと判断することを特徴とする請求項記載の上層基地局。
  5. 前記上層制御部は、前記無線端末の使用周波数に対応可能な下層基地局が存在しない場合、前記位置情報に関わらず、前記通信接続条件を満足する下層基地局は存在しないと判断することを特徴とする請求項記載の上層基地局。
  6. 前記上層制御部は、自局の通信負荷が規定値以上の場合に、前記通信接続条件を満足する下層基地局が存在するか否かの判断を行うことを特徴とする請求項に記載の上層基地局。
  7. 上層セル内に複数の下層セルが配置された構造を採用し、前記上層セルを形成する上層基地局及び前記複数の下層セルの各々を形成する複数の下層基地局を備える無線通信システムであって、
    前記上層基地局は、
    前記上層セル内に存在する無線端末との通信を実現する上層無線部と、
    前記下層セルを形成する下層基地局との通信を実現する上層局間通信部と、
    現在通信中の無線端末との通信接続条件を満足する前記下層基地局に対し、前記上層局間通信部を介して省電力モードから通常動作モードへの切替えを指示する上層制御部と、
    を備え、
    前記上層制御部は、前記無線端末との通信によって取得した前記無線端末の使用周波数及び位置情報を基に、前記無線端末の使用周波数に対応可能な下層基地局であって、且つ当該無線端末が下層セル内に位置する下層基地局があった場合、前記通信接続条件を満足する下層基地局として判断することを特徴とする無線通信システム。
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