JP5413610B2 - 液晶配向剤および液晶配向膜の形成方法 - Google Patents
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Description
このような液晶セルにおいては、液晶分子を基板面に対し所定の方向に配向させるため、基板表面に液晶配向膜を設ける必要がある。この液晶配向膜は、通常、基板表面に形成された有機膜表面をレーヨン等の布材で一方向にこする方法(ラビング法)により形成されている。しかし、液晶配向膜の形成をラビング処理により行うと、工程内でほこりや静電気が発生し易いため、配向膜表面にほこりが付着して表示不良発生の原因となるという問題があった。特にTFT(Thin Film Transistor)素子を有する基板の場合には、発生した静電気によってTFT素子の回路破壊が起こり、歩留まり低下の原因となるという問題もあった。さらに、今後ますます高精細化される液晶表示素子においては、画素の高密度化に伴い基板表面に凹凸が生じるために、均一にラビング処理を行うことが困難となりつつある。
液晶セルにおける液晶を配向させる別の手段として、基板表面に形成したポリビニルシンナメート、ポリイミド、アゾベンゼン誘導体等の感光性薄膜に偏光または非偏光の放射線を照射することにより、液晶配向能を付与する光配向法が知られている。この方法によれば、静電気やほこりを発生することなく、均一な液晶配向を実現することができる(特開平6−287453号公報、特開平10−251646号公報、特開平11−2815号公報、特開平11−152475号公報、特開2000−144136号公報、特開2000−319510号公報、特開2000−281724号公報、特開平9−297313号公報、特開2003−307736号公報、特開2004−163646号公報および特開2002−250924号公報)。
ところで、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型等の液晶セルにおいては、液晶配向膜は、液晶分子を基板面に対して所定の角度で傾斜配向させる、プレチルト角特性を有する必要がある。光配向法により液晶配向膜を形成する場合においては、プレチルト角は、通常、照射する放射線の基板面への入射方向を基板法線から傾斜させることにより付与される。
一方、上記とは別の液晶表示素子の動作モードとして、負の誘電異方性を有する液晶分子を基板に垂直に配向させる垂直(ホメオトロピック)配向モードも知られている。この動作モードでは、基板間に電圧を印加して液晶分子が基板に平行な方向に向かって傾く際に、液晶分子が基板法線方向から基板面内の一方向に向かって傾くようにする必要がある。このための手段として、例えば、基板表面に突起を設ける方法、透明電極にストライプを設ける方法、ラビング配向膜を用いることにより液晶分子を基板法線方向から基板面内の一方向に向けてわずかに傾けておく(プレチルトさせる)方法等が提案されている。
前記光配向法は、垂直配向モードの液晶セルにおいて液晶分子の傾き方向を制御する方法としても有用であることが知られている。すなわち、光配向法により配向規制能およびプレチルト角発現性を付与した垂直配向膜を用いることにより、電圧印加時の液晶分子の傾き方向を均一に制御できることが知られている(特開2003−307736号公報、特開2004−163646号公報、特開2004−83810号公報、特開平9−211468号公報および特開2003−114437号公報)。
このように、光配向法により製造した液晶配向膜は、各種の液晶表示素子に有効に適用されうるものである。しかしながら、従来の光配向膜には、大きなプレチルト角を得るのに必要な放射線照射量が多いという問題があった。例えば、アゾベンゼン誘導体を含有する薄膜に光配向法によって液晶配向能を付与する場合十分なプレチルト角を得るためにはその光軸が基板法線から傾斜された放射線を10,000J/m2以上照射しなければならないことが報告されている(特開2002−250924号公報および特開2004−83810号公報ならびにJ.of the SID 11/3,2003,p579)。
また、光配向法により製造した液晶配向膜は、主成分である重合体の側鎖に感光性部位を有するものであるところ、従来知られている光配向性材料では、側鎖の感光性部位が液晶パネル製造工程における加熱時(特にポストベーク時)に熱分解が起こる可能性を払拭できず、問題となっている。
以上のように、少ない放射線照射量の光配向法により良好な液晶配向能、優れた電気特性および高い耐熱性を有する液晶配向膜を形成することができ、ポストベーク時の熱分解の問題を起こさない液晶配向剤はこれまでに知られていない。
本発明によれば本発明の上記目的および利点は、第1に、
ポリアミック酸、ポリイミドおよびポリアミック酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体、
ただし前記重合体は、下記式(1)または(2)
(式(1)中のR1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であるか、あるいはR1およびR2は互いに結合して環を形成していてもよく、R3はフッ素原子またはシアノ基であり、aは0〜4の整数であり、「*」は結合手であることを表し、
式(2)中のR4は炭素数1〜40のアルキル基または脂環式基を含む炭素数3〜40の1価の有機基であり、ただし前記アルキル基の水素原子の一部または全部はフッ素原子で置換されていてもよく、R5はフッ素原子またはシアノ基であり、bは0〜4の整数であり、「*」は結合手であることを表す。)
で表される基を有する、
を含有する液晶配向剤によって達成され、第2に、
基板上に、上記の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成し、該塗膜に放射線を照射する液晶配向膜の形成方法によって達成される。
上記式(1)のR1およびR2の1価の有機基としては、例えば下記式(R−1)
R6−W−* (R−1)
(式(R−1)中、R6は炭素数1〜40アルキル基または脂環式基を含む炭素数3〜40の1価の有機基であり、ただし前記アルキル基の水素原子の一部または全部はフッ素原子で置換されていてもよく、Wは単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合またはアミド結合であり、「*」は結合手であることを表す。)
で表される基を有する1価の有機基を挙げることができる。R6の炭素数1〜40のアルキル基の例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ラウリル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、4,4,4−トリフロロブチル基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル、4,4,5,5,6,6,6−ヘプタフルオロヘキシル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2−(パーフルオロブチル)エチル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基、2−(パーフルオロデシル)エチル基等を挙げることができる。R6の脂環式基を含む炭素数3〜40の1価の有機基としては、例えばコレステニル基、コレスタニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
上記式(1)におけるR1およびR2としては、R1が上記式(R−1)で表される基であり且つR2が水素原子であるか、あるいはR1およびR2が互いに結合して炭素原子数4〜8の環を形成し、その環のいずれかの炭素原子(好ましくはピロリジン環を構成する炭素原子以外のもの)に上記式(R−1)で表される基が結合しているものが好ましい。
上記式(1)におけるR3としてはフッ素原子が好ましく、aとしては0、1または4が好ましい。
上記式(2)における好ましいR4は、上記式(R−1)のR6について述べたところと同様である。上記式(2)におけるR5としてはフッ素原子が好ましく、bとしては0、1または4が好ましい。
上記式(1)または(2)で表される基は、ポリアミック酸、ポリイミドまたはポリアミック酸エステルの側鎖にあることが好ましい。
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸は、例えばテトラカルボン酸二無水物と、下記式(3)
(式(3)中、R1,R2、R3およびaは、それぞれ、上記式(1)におけるのと同義であり、cは0〜10の整数であり、cが0のときX1は単結合であり、cが1〜10の整数のときX1は単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合またはアミド結合である。)
で表される化合物および下記式(4)
(式(4)中、R4,R5およびbは、それぞれ、上記式(2)におけるのと同義であり、X2は単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合またはアミド結合であり、dは0〜10の整数であり、dが0のときX3は単結合であり、dが1〜10の整数のときX3は単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合またはアミド結合である。)
で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むジアミンとを反応させることにより合成することができ、上記式(1)または(2)で表される基を有するポリイミドは、例えば上記のポリアミック酸を脱水閉環することにより合成することができる。
<テトラカルボン酸二無水物>
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸またはポリイミドを合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−8−メチル−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、下記式(T−1)〜(T−4)
のそれぞれで表されるテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物および脂環式テトラカルボン酸二無水物;
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、下記式(T−5)〜(T−8)
のそれぞれで表されるテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸またはポリイミドを合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物は、上記のうち、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−8−メチル−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物および上記式(T−1)、(T−2)、(T−5)〜(T−8)のそれぞれで表されるテトラカルボン酸二無水物よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、「特定テトラカルボン酸二無水物」という。)を含むものであることが好ましい。
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸またはポリイミドを合成するために用いられるテトラカルボン酸二無水物は、上位の如き特定テトラカルボン酸二無水物を、全テトラカルボン酸二無水物に対して、20モル%以上含むものであることが好ましく、50モル%以上含むものであることがより好ましく、特に80モル%以上含むものであることが好ましい。
<ジアミン>
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸またはポリイミドを合成するために用いられるジアミンは、上記式(3)で表される化合物および上記式(4)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含むものである。
上記式(3)で表される化合物の好ましいものとして、例えば下記式(3A)〜(3C)
(式(3A)〜(3C)中、R3およびaは、それぞれ、上記式(1)におけるのと同義であり、R6およびWは、それぞれ上記式(R−1)におけるのと同義であり、X1およびcは、それぞれ上記式(3)におけるのと同義である。)
のそれぞれで表される化合物を挙げることができる。
上記式(3)、(4)および(3A)〜(3C)において、右側のジアミノフェニル基は、2,4−ジアミノフェニル基、2,5−ジアミノフェニル基または3,5−ジアミノフェニル基であることが好ましい。
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸またはポリイミドを合成するためのジアミンとしては、上記式(3)で表される化合物および上記式(4)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種のみを用いてもよく、あるいは上記式(3)で表される化合物および上記式(4)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種のほかにその他のジアミンを含むものであってもよい。
ここで使用することのできるその他のジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、6−(4−カルコニルオキシ)ヘキシルオキシ(2,4−ジアミノベンゼン)、6−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)ヘキシルオキシ(2,4−ジアミノベンゼン)、8−(4−カルコニルオキシ)オクチルオキシ(2,4−ジアミノベンゼン)、8−(4’−フルオロ−4−カルコニルオキシ)オクチルオキシ(2,4−ジアミノベンゼン)、1−ドデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−テトラデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−ペンタデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−ヘキサデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−オクタデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−コレステリルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、テトラデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、ペンタデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、ヘキサデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、オクタデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、コレステリルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、コレスタニルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、(2,4−ジアミノフェノキシ)パルミテート、(2,4−ジアミノフェノキシ)ステアリレート、(2,4−ジアミノフェノキシ)−4−トリフルオロメチルベンゾエート、下記式(D−1)〜(D−5)
(式(D−4)中のyは2〜12の整数であり、式(D−5)中のzは1〜5の整数である。)
のそれぞれで表されるジアミン化合物等の芳香族ジアミン;
ジアミノテトラフェニルチオフェン等のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;
メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンおよび脂環式ジアミン;
ジアミノヘキサメチルジシロキサン等のジアミノオルガノシロキサン等を挙げることができる。これら他のジアミンは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
上記芳香族ジアミンのベンゼン環は、一つまたは二つ以上の炭素数1〜4のアルキル基(好ましくはメチル基)で置換されていてもよい。
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸またはポリイミドを合成するためのジアミンに含まれる他のジアミンは、上記のうち、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、1−ヘキサデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−オクタデシルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−コレステリルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1−コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、オクタデシルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、コレステリルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)、コレスタニルオキシ(3,5−ジアミノベンゾイル)および上記式(D−1)〜(D−5)のそれぞれで表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種(以下、「他の特定ジアミン」という。)であることが好ましい。
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸またはポリイミドを合成するために用いられるジアミンは、上記式(3)で表される化合物および上記式(4)で表される化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を、全ジアミンに対して、10モル%以上含むものであることが好ましく、30モル%以上含むものであることがより好ましく、50モル%以上含むものであることがさらに好ましい。
<ポリアミック酸の合成>
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸は、上記の如きテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより合成することができる。
上記ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンに含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
上記ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において、好ましくは−20〜150℃、より好ましくは0〜100℃の温度条件下において、好ましくは0.5〜240時間行われる。ここで、有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール系溶媒を挙げることができる。有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量(b)が反応溶液の全量(a+b)に対して好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%となるような量である。
以上のようにして、上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。
この反応溶液はそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したポリアミック酸を精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。
ポリアミック酸を脱水閉環してポリイミドとする場合には、上記反応溶液をそのまま脱水閉環反応に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで脱水閉環反応に供してもよく、または単離したポリアミック酸を精製したうえで脱水閉環反応に供してもよい。
ポリアミック酸の単離は、上記反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧下乾燥する方法、あるいは、反応溶液をエバポレーターで減圧留去する方法により行うことができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解し、次いで貧溶媒で析出させる方法、あるいは、エバポレーターで減圧留去する工程を1回または数回行う方法により、ポリアミック酸を精製することができる。
<ポリイミドの合成>
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリイミドは、上記の如くして得られたポリアミック酸の有するアミック酸構造を脱水閉環することにより製造することができる。このとき、アミック酸構造の全部を脱水閉環して完全にイミド化してもよく、あるいはアミック酸構造のうちの一部のみを脱水閉環してアミック酸構造とイミド構造とが併存する部分イミド化物としてもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、(i)ポリアミック酸を加熱する方法により、または(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。
上記(i)のポリアミック酸を加熱する方法における反応温度は、好ましくは50〜200℃であり、より好ましくは60〜170℃である。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると得られるイミド化重合体の分子量が低下する場合がある。ポリアミック酸を加熱する方法における反応時間は、好ましくは0.5〜48時間であり、より好ましくは2〜20時間である。
一方、上記(ii)のポリアミック酸の溶液中に脱水剤および脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸構造単位の1モルに対して0.01〜20モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。しかし、これらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとするのが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は好ましくは0〜180℃、より好ましくは10〜150℃であり、反応時間は好ましくは0.5〜20時間であり、より好ましくは1〜8時間である。
上記方法(i)において得られるポリイミドは、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、あるいは得られるポリイミドを精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。一方、上記方法(ii)においては、ポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤および脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したポリイミドを精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。反応溶液から脱水剤および脱水閉環触媒を除くには、例えば溶媒置換等の方法を適用することができる。ポリイミドの単離、精製は、ポリアミック酸の単離、精製方法として上記したのと同様の操作を行うことにより行うことができる。
<ポリアミック酸エステルの合成>
上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸エステルは、ポリアミック酸と、下記式(5)
(式(5)中、R1,R2、R3およびaは、それぞれ、上記式(1)におけるのと同義であり、Z1は水酸基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、eは1〜10の整数である。)
で表される化合物または下記式(6)
(式(6)中、R4,R5およびbは、それぞれ、上記式(2)におけるのと同義であり、Z2は水酸基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、fは0〜10の整数であり、fが0のときX4は単結合であり、fが1〜10の整数のときX4は単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合またはアミド結合である。)
で表される化合物とを、好ましくは有機溶媒中、必要に応じて触媒の存在下で反応させることにより合成することができる。
上記ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより合成することができる。
ここで使用されるテトラカルボン酸二無水物としては、上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸を合成するために使用されるテトラカルボン酸二無水物として上述したところと同様である。
使用されるジアミンとしては、上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸を合成するために使用されるジアミンとして上記に例示した化合物と同じものをあげることができる。ここで使用されるジアミンは、上記式(3)で表される化合物および上記式(4)で表される化合物のいずれをも含まないものであることが好ましい。また、ここで使用されるジアミンは、上記に例示した如き他の特定ジアミンを、全ジアミンに対して、20モル%以上含むものであることが好ましく、50モル%以上含むものであることがより好ましく、80モル%以上含むものであることがさらに好ましい。
上記式(5)におけるZ1および上記式(6)におけるZ2としては、それぞれ、臭素原子またはヨウ素原子であることが好ましい。
上記式(5)におけるeおよび上記式(6)におけるfとしては、それぞれ、1〜6の整数であることが好ましい。
上記式(5)で表される化合物としては、例えば下記式(5A)〜(5C)
(式(5A)〜(5C)中、R3およびaは、それぞれ、上記式(1)におけるのと同義であり、R6およびWは、それぞれ、上記式(R−1)におけるのと同義であり、Z1およびeは、それぞれ、上記式(5)におけるのと同義である。)
のそれぞれで表される化合物を挙げることができる。
ポリアミック酸と、上記式(5)で表される化合物または上記式(6)で表される化合物とを反応するにあたって使用される上記式(5)で表される化合物または上記式(6)で表される化合物の割合は、ポリアミック酸の有するアミック酸構造の数に対して、10〜1,000モル%であることが好ましく、30〜200モル%であることがより好ましく、特に50〜100モル%であることが好ましい。
反応に際して使用される好ましい有機溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド等を挙げることができる。
反応に際して使用される好ましい触媒は、式(5)中のZ1または式(6)中のZ2の種類によって異なる。
Z1またはZ2が塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である場合の触媒としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムプロポキシド、ナトリウムブトキシド、カリウムブトキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基触媒を挙げることができる。
Z1またはZ2が水酸基である場合の触媒としては、例えばジシクロヘキシルカルボジイミドおよびクロロギ酸メチル等の脱水触媒を挙げることができる。これらの脱水触媒は、必要に応じて、ジメチルアミノピリジン等の助触媒と組み合わせて使用してもよい。
これら触媒の使用割合は、ポリアミック酸100重量部に対して、1〜50重量部であることが好ましく、5〜30重量部であることがより好ましい。
上記の如くして上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸エステルを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、これをそのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリアミック酸エステルを単離したうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、または単離したポリアミック酸エステルを精製したうえで液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸エステルの単離、精製は、ポリアミック酸の単離、精製方法として上記したのと同様の操作を行うことにより行うことができる。
<その他の成分>
本発明の液晶配向剤は、ポリアミック酸、ポリイミドおよびポリアミック酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体、ただし前記重合体は上記式(1)または(2)で表される基を有する、を必須の成分として含有するが、それ以外に本発明の効果および利点を損なわない限りにおいて、さらにその他の成分を含有してもよい。かかるその他の成分としては、例えば他の重合体、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下「エポキシ化合物」という。)、官能性シラン化合物、界面活性剤等を挙げることができる。
上記他の重合体は、形成される液晶配向膜の電気特性をより改善する目的で本発明の液晶配向剤中に含有されることができる。他の重合体としては、例えば上記式(1)または(2)で表される基を有さないポリアミック酸(以下、「他のポリアミック酸」という。)およびこれを脱水閉環してなるポリイミド(以下、「他のポリイミド」という。)等を挙げることができる。
他の重合体の使用割合は、上記式(1)または(2)で表される基を有する重合体の合計(上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸、上記式(1)または(2)で表される基を有するポリイミドおよび上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸エステルの合計をいう。以下同じ。)100重量部に対して、好ましくは1,000重量部以下であり、より好ましくは500重量部以下である。
上記エポキシ化合物は、本発明の液晶配向剤から形成される液晶配向剤の基板表面に対する接着性をより向上する観点から使用することができ、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンN,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン等を好ましいものとして挙げることができる。また、エポキシ化合物とともに、エポキシ基の架橋反応を効率良く起こす目的で、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等の塩基触媒を併用してもよい。
エポキシ化合物の配合割合は、全重合体の合計(上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸、上記式(1)または(2)で表される基を有するポリイミドおよび上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸エステルならびに他の重合体の合計をいう。以下同じ。)100重量部に対して、好ましくは40重量部以下であり、より好ましくは0.1〜30重量部である。塩基触媒の使用割合は、上記式(1)または(2)で表される基を有する重合体の合計100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部であり、より好ましくは0.1〜5重量部である。
上記官能性シラン化合物は、得られる液晶配向膜の基板との接着性を向上する目的で使用することができる。官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができ、さらに特開昭63−291922号公報に記載されている如き、テトラカルボン酸二無水物とアミノ基を有するシラン化合物との反応物等を挙げることができる。
官能性シラン化合物の含有割合としては、全重合体の合計100重量部に対して、好ましくは50重量部以下であり、より好ましくは20重量部以下である。
上記界面活性剤としては、例えばノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン界面活性剤、ポリアルキレンオキシド界面活性剤、含フッ素界面活性剤等を挙げることができる。
本発明の液晶配向剤が界面活性剤を含有する場合、その含有割合としては、液晶配向剤の全量の100重量部に対して、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは1重量部以下である。
<液晶配向剤>
本発明の液晶配向剤は、上記の如き重合体および任意的に添加されるその他の成分が、好ましくは有機溶媒中に溶解含有されて構成される。
本発明の液晶配向剤に使用することのできる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることができる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用することができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して併用することができる。
本発明の液晶配向剤に使用される特に好ましい有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテル等を挙げることができる。これらは単独で使用することができ、または2種以上を混合して使用することができる。特に好ましい溶媒組成は、前記の溶媒を組み合わせて得られる組成であって、配向剤中で重合体が析出せず、かつ、配向剤の表面張力が25〜40mN/mの範囲となるような組成である。
本発明の液晶配向剤の固形分濃度、すなわち液晶配向剤中の溶媒以外の全成分の重量が液晶配向剤の全重量に占める割合は、粘性、揮発性等を考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。本発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜を形成するが、固形分濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得難い場合がある。一方、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得難く、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が不足する場合がある。特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に採用する方法によって異なる。例えばスピンナー法による場合には1.5〜4.5重量%の範囲が特に好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それによって溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とするのが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜5重量%の範囲とし、それによって溶液粘度を3〜15mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは、0℃〜200℃、より好ましくは20℃〜60℃である。
<液晶配向膜の形成方法>
本発明の液晶配向剤は、光配向法により液晶配向膜を形成するために好適に使用することができる。
液晶配向膜を形成する方法としては、例えば基板上に本発明の液晶配向膜の塗膜を形成し、次いで該塗膜に光配向法により液晶配向能を付与する方法を挙げることができる。
まず、パターン状の透明導電膜が設けられた基板の透明導電膜側に、本発明の液晶配向剤を、例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法等の適宜の塗布方法により塗布する。そして、該塗布面を、予備加熱(プレベーク)し、次いで焼成(ポストベーク)することにより塗膜を形成する。プレベーク条件は、例えば40〜120℃において0.1〜5分であり、ポストベーク条件は、好ましくは120〜300℃、より好ましくは150〜250℃において、好ましくは5〜200分、より好ましくは10〜100分である。ポストベーク後の塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
前記基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスの如きガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネートの如きプラスチックからなる透明基板等を用いることができる。
前記透明導電膜としては、SnO2からなるNESA膜、In2O3−SnO2からなるITO膜等を用いることができる。これらの透明導電膜のパターニングには、フォト・エッチング法や透明導電膜を形成する際にマスクを用いる方法等が用いられる。
液晶配向剤の塗布に際しては、基板または透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板および透明導電膜上に、予め官能性シラン化合物、チタネート等を塗布しておいてもよい。
次いで、前記塗膜に直線偏光もしくは部分偏光された放射線または無偏光の放射線を照射し、場合によってさらに150〜250℃の温度で好ましくは1〜120分間加熱処理を行うことにより、液晶配向能を付与する。ここで、放射線としては、例えば150nm〜800nmの波長の光を含む紫外線および可視光線を用いることができるが、300nm〜400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。用いる放射線が直線偏光または部分偏光している場合には、照射は基板面に垂直の方向から行っても、プレチルト角を付与するために斜め方向から行ってもよく、また、これらを組み合わせて行ってもよい。無偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向である必要がある。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザー等を使用することができる。前記の好ましい波長領域の紫外線は、前記光源を、例えばフィルター、回折格子等と併用する手段等により得ることができる。
放射線の照射量としては、好ましくは1J/m2以上10,000J/m2未満であり、より好ましくは10〜3,000J/m2である。なお、従来知られている液晶配向剤から形成された塗膜に光配向法により液晶配向能を付与する場合、10,000J/m2以上の放射線照射量が必要であった。しかし本発明の液晶配向剤を用いると、光配向法の際の放射線照射量が3,000J/m2以下、さらに1,000J/m2以下であっても良好な液晶配向性を付与することができ、液晶表示素子の製造コストの削減に資する。
なお、本発明における「プレチルト角」とは、基板面と平行な方向からの液晶分子の傾きの角度を表す。
<液晶表示素子の製造方法>
本発明の液晶配向剤を用いて形成される液晶表示素子は、例えば以下のようにして製造することができる。
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより、液晶セルを製造する。
液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。
第一の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより、液晶セルを製造することができる。
第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に例えば紫外光硬化性のシール材を塗布し、さらに液晶配向膜面上に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶セルを製造することができる。
いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶注入時の流動配向を除去することが望ましい。
そして、その両面に、偏光板をその偏光方向がそれぞれ基板の液晶配向膜の配向容易軸と所定の角度をなすように貼り合わせることにより、液晶表示素子とする。液晶配向膜が水平配向性である場合、液晶配向膜が形成された2枚の基板における、照射した直線偏光放射線の偏光方向のなす角度およびそれぞれの基板と偏光板との角度を調整することにより、TN型またはSTN型液晶セルを有する液晶表示素子を得ることができる。一方、液晶配向膜が垂直配向性である場合には、液晶配向膜が形成された2枚の基板における配向容易軸の方向が平行となるようにセルを構成し、これに、偏光板を、その偏光方向が配向容易軸と45°の角度をなすように張り合わせることにより、垂直配向型液晶セルを有する液晶表示素子とすることができる。
前記シール剤としては、例えばスペーサーとしての酸化アルミニウム球および硬化剤を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。
前記液晶としては、例えばネマティック型液晶、スメクティック型液晶等を用いることができるが、このうちネマティック型液晶が好ましい。TN型液晶セルまたはSTN型液晶セルの場合、正の誘電異方性を有するネマティック型液晶が好ましく、例えばビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶等が用いられる。また前記液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエートコレステリルカーボネート等のコレステリック液晶;商品名C−15、CB−15(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメート等の強誘電性液晶等を、さらに添加して使用することもできる。
一方、垂直配向型液晶セルの場合には、負の誘電異方性を有するネマティック型液晶が好ましく、例えばジシアノベンゼン系液晶、ピリダジン系液晶、シッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶等が用いられる。
液晶セルの外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏光板等を挙げることができる。
かくして製造された本発明の液晶表示素子は、表示特性、信頼性等の諸性能に優れるものである。
<上記式(3)で表される化合物の合成>
実施例1(化合物(3A−1)の合成)
下記スキーム1
に従って化合物(3A−1)の合成を行った。
(化合物(3A−1a)の合成)
還流管、窒素導入管およびディーンスターク管を備えた1Lのナスフラスコに、デシルこはく酸無水物72g、4−アミノ桂皮酸49g、トリエチルアミン70mL、トルエン500mLおよびテトラヒドロフラン200mLを仕込み、36時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物につき、希塩酸および水で順次に洗浄を行った後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールおよびテトラヒドロフランの混合溶剤で再結晶を行うことにより、化合物(3A−1a)の白色結晶(純度99%)を72g得た。
(化合物(3A−1b)の合成)
窒素導入管および温度計を備えた500mLの三口フラスコに、化合物(3A−1a)19g、3,5−ジニトロベンジルクロリド11g、炭酸カリウム21g、ヨウ化ナトリウム15gおよびN,N−ジメチルホルムアミド150mLを仕込み、90℃で5時間反応を行った。反応終了後、反応混合物に酢酸エチル300mLを加えて、水で3回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(3A−1b)の淡黄色結晶を19g得た。
(化合物(3A−1)の合成)
窒素導入管および還流管を備えた500mLの三口フラスコに、化合物(3A−1b)17g、塩化すず2水和物68gおよび酢酸エチルを200mLを仕込み、4時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物にフッ化カリウム水溶液を加え、析出物をろ過により除いた後、分液して水層を除去した後、有機層をフッ化カリウム水溶液および水で順次に洗浄を行い、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(3A−1)の淡黄色結晶を12g得た。
実施例2(化合物(3A−2)の合成)
下記スキーム2
に従って化合物(3A−2)の合成を行った。
(化合物(3A−2a)の合成)
還流管を備えた200mLのナスフラスコに、化合物(3A−1a)19g、N,N−ジメチルホルムアミド0.1gおよび塩化チオニル100mLを仕込み、80℃で1時間反応を行った。反応終了後、反応混合物から塩化チオニルを減圧下で留去した後、残存物に塩化メチレン200mLを加え、有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、塩化メチレンを減圧下で留去し、テトラヒドロフランを200mL加えた(これを「反応液1」とする)。
一方、滴下ロートおよび温度計を備えた500mLの三口フラスコに、2,4−ジニトロフェノール9.2g、炭酸カリウム14g、テトラブチルアンモニウム0.48gおよび水100mLを仕込んで氷冷した。ここに、上記の反応液1を30分以上かけて滴下し、氷冷したまま2時間反応を行った。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを300mL加え、水で3回洗浄を行い、硫酸マグネシウムで乾燥を行った後、濃縮し、さらにエタノールで再結晶を行うことにより、化合物(3A−2a)の淡黄色結晶を23g得た。
(化合物(3A−2)の合成)
窒素導入管および還流管を備えた500mLの三口フラスコに、化合物(3A−2a)17g、塩化すず2水和物68gおよび酢酸エチルを200mLを仕込み、4時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物にフッ化カリウム水溶液を加え、析出物をろ過により除いた後、分液して水層を除去した後、有機層をフッ化カリウム水溶液および水で順次に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(3A−2)の淡黄色結晶を13g得た。
実施例3(化合物(3B−1)の合成)
下記スキーム3
に従って化合物(3B−1)の合成を行った。
(化合物(3B−1a)の合成)
還流管を備えた2Lのナスフラスコに1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物198g、塩化チオニル500mLおよびN,N−ジメチルホルムアミド2mLを仕込み、80℃で1時間還流下に反応を行った。反応終了後、減圧で塩化チオニルを除去し、残存物に塩化メチレンを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水で順次に洗浄を行った後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮、乾固した後、テトラヒドロフラン500mLを加えた。
一方、滴下ロート、温度計および窒素導入管を備えた3Lの三口フラスコに4,4−5,5,5−ペンタフルオロペンタノール178g、ピリジン160mLおよびテトラヒドロフラン1.5Lを仕込み、氷浴で冷却した。ここに、上述のように1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物と塩化チオニルとの反応物を含有するテトラヒドロフラン溶液をゆっくり滴下した後、室温でさらに4時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、酢酸エチルにより抽出を行なった。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで有機層から溶媒を除去し、残存物をヘキサンおよび酢酸エチルからなる混合溶媒に溶解してシリカカラムで精製し、さらに溶媒を除去して乾固することにより、化合物(3B−1a)268gを得た。
(化合物(3B−1b)の合成)
ディーンスターク管を備えた200mLのナスフラスコに化合物(3B−1a)241g、4−アミノ桂皮酸109g、トリエチルアミン190mL、4−ジメチルアミノピリジン16g、トルエン1Lおよびテトラヒドロフラン2Lを仕込み、24時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物を希塩酸水および水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、メタノールで再結晶することにより、桂皮酸誘導体(3B−1b)のを78g得た。
(化合物(3B−1c)の合成)
窒素導入管、温度計を備えた500mLの三口フラスコに化合物(3B−1b)25g、3,5−ジニトロベンジルクロリド11g、炭酸カリウム21g、ヨウ化ナトリウム15g、N,N−ジメチルホルムアミド150mLを加え90℃で5時間反応させた。反応終了後、酢酸エチルを300mL加えて、水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(3B−1c)の淡黄色結晶を25g得た。
化合物(3B−1)の合成
窒素導入管、還流管を備えた500mLの三口フラスコに化合物(3B−1c)21g、塩化すず2水和物68gおよび酢酸エチルを200mL加え4時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物にフッ化カリウム水溶液を加え、析出物をろ過により除いた後、分液して水層を除去した後、有機層をフッ化カリウム水溶液および水で順次に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(3B−1)の淡黄色結晶を15g得た。
実施例4(化合物(3C−1)の合成)
下記スキーム4
に従って化合物(3C−1)の合成を行った。
(化合物(3C−1a)の合成
還流管、ディーンスターク管および窒素導入管を備えた2Lの三口フラスコに、5−ヒドロキシフタル酸90gおよびジエチルベンゼン500mLを仕込み、1時間還流を行った。続いて、4−アミノ桂皮酸80gおよびテトラヒドロフラン500mLを加えて、さらに12時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物を希塩酸および水で順次に分液洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、酢酸エチルおよびテトラヒドロフランの混合溶剤で再結晶することにより、化合物(3C−1a)を95g得た。
(化合物(3C−1b)の合成)
500mLのナス型フラスコに、化合物(3C−1a)75g、炭酸カリウム70gおよびN−メチル−2−ピロリドン150mLを仕込み、室温で1時間撹拌を行った後、4,4,4−トリフルオロ−1−ヨードブタン59gを加えて室温で24時間撹拌下に反応を行った。反応終了後、水を1L加えて沈殿を回収し、これをヘキサンおよび酢酸エチルからなる混合溶媒に溶解してシリカカラムで精製し、さらに溶媒を除去して乾固することにより、化合物(3C−1b)を50g得た。
(化合物(3C−1c)の合成)
窒素導入管および温度計を備えた500mLの三口フラスコに、化合物(3C−1b)21g、3,5−ジニトロベンジルクロリド11g、炭酸カリウム21g、ヨウ化ナトリウム15gおよびN,N−ジメチルホルムアミド150mLを仕込み、90℃で5時間反応を行った。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを300mL加え、水で3回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(3C−1c)の淡黄色結晶を20g得た。
(化合物(3C−1)の合成)
窒素導入管および還流管を備えた500mLの三口フラスコに、化合物(3C−1c)18g、塩化すず2水和物68gおよび酢酸エチルを200mL加え、4時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物にフッ化カリウム水溶液を加え、析出物をろ過により除いた後、分液して水層を除去した後、有機層をフッ化カリウム水溶液および水で順次に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(3C−1)の淡黄色結晶を12g得た。
<上記式(4)で表される化合物の合成>
実施例5(化合物(4−1)の合成)
下記スキーム5
に従って化合物(4−1)の合成を行った。
(化合物(4−1a)の合成)
温度計および窒素導入管を備えた2Lの三口フラスコに、4−ニトロ桂皮酸49g、4,4,4−トリフルオロ−1−ヨードブタン60g、炭酸カリウム70gおよび1−メチル−2−ピロリドン750mLを仕込み、50℃で1時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを加えて抽出した。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、乾固することにより、化合物(4−1a)を70g得た。
(化合物(4−1b)の合成)
温度計および窒素導入管を備えた2Lの三口フラスコに化合物(4−1a)70g、塩化すず2水和物270gおよびエタノール750mLを仕込み、70℃で1時間撹拌して反応を行った。反応終了後、反応混合物を氷水に注ぎ、2Mの水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルを加えた後に沈殿物を除去した。ろ液に酢酸エチルを加えて抽出して有機層を得た。この有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮、乾固することにより、化合物(4−1b)を60g得た。
(化合物(4−1c)の合成)
還流管および窒素導入管を備えた200mLのナスフラスコに、化合物(4−1b)60g、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物44gおよび酢酸500mLを仕込み、1時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物を酢酸エチルにより抽出して有機層を得た。この有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮、乾固し、酢酸エチルおよびヘキサンからなる混合溶剤で再結晶を行うことにより、化合物(4−1c)の白色結晶(純度98.3%)を55g得た。
化合物(4−1d)
窒素導入管、温度計を備えた500mLの三口フラスコに、化合物(4−1c)23g、3,5−ジニトロベンジルクロリド11g、炭酸カリウム21g、ヨウ化ナトリウム15g、N,N−ジメチルホルムアミド150mLを加え90℃で5時間反応を行った。反応終了後、反応混合物に酢酸エチルを300mL加えて、水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(4−1d)の淡黄色結晶を21g得た。
(化合物(4−1)の合成)
窒素導入管、還流管を備えた500mLの三口フラスコに、化合物(4−1d)19g、塩化すず2水和物68gおよび酢酸エチルを200mL加え4時間還流下に反応を行った。反応終了後、反応混合物にフッ化カリウム水溶液を加え、析出物をろ過により除いた後、分液して水層を除去した後、有機層をフッ化カリウム水溶液および水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮した後、エタノールで再結晶することにより、化合物(4−1)の淡黄色結晶を13g得た。
<上記式(5)で表される化合物の合成>
実施例6(化合物(5A−1)の合成)
下記スキーム6
に従って化合物(5A−1)の合成を行った。
還流管を備えた200mLのナスフラスコに、化合物(3A−1a)19g、N,N−ジメチルホルムアミド0.1gおよび塩化チオニル100mLを仕込み、80℃で1時間反応を行った。反応終了後、反応混合物から塩化チオニルを減圧下で留去し、残存物に塩化メチレン200mLを加えて水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、塩化メチレンを減圧下で留去し、さらにテトラヒドロフランを200mL加えた(これを反応液2とする)。
一方、滴下ロートおよび温度計を備えた500mLの三口フラスコに、2−ブロモエタン6.2g、トリエチルアミン5.1gおよびテトラヒドロフラン50mLを仕込んで氷冷した。次に、この反応液に、上記反応液2を30分以上かけて徐々に滴下し、そのまま2時間反応を行った。反応終了後、反応混合物に酢酸エチル300mLを加え、有機層を水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、さらにエタノールで再結晶することにより、化合物(5A−1)の淡黄色結晶を18g得た。
<上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸の合成>
実施例7
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物4.5g(0.02モル)およびジアミンとして化合物(3A−1)10g(0.02モル)をN−メチル−2−ピロリドン44gに溶解し(反応濃度25重量%)、室温で5日間反応を行うことにより、ポリアミック酸(CPA−1)を含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は27mPa・sであった。
実施例8〜11
上記実施例7において、化合物(3A−1)の代わりに、表1に示すジアミンをそれぞれ0.02モルずつ使用したほかは、実施例7と同様に反応濃度が25重量%になるようにして反応を行い、ポリアミック酸(CPA−2)〜(CPA−5)をそれぞれ含有する溶液を得た。各溶液につき、ポリアミック酸濃度10重量%のN−メチル−2−ピロリドン溶液として測定した溶液粘度を、表1に記した。
実施例12
実施例7で得られたポリアミック酸(CPA−1)を含有する溶液29gに、ピリジン0.79g、無水酢酸0.82gおよびN−メチル−2−ピロリドン116gを加え、110℃で4時間脱水閉環反応を行った。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなN−メチル−2−ピロリドンで溶媒置換(本操作により、脱水閉環反応に使用したピリジンおよび無水酢酸を系外に除去した。)することにより、イミド化率約50%のポリイミド(CPI−1)を10重量%含有する溶液約72gを得た。この溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えてポリイミド濃度4.5重量%として測定した溶液粘度は約8mPa・sであった。
<他のポリアミック酸の合成例>
合成例1
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物109g(0.50モル)および1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物98g(0.50モル)ならびにジアミンとして4,4−ジアミノジフェニルエーテル200g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン230gおよびγ−ブチロラクトンからなる混合溶媒に2,060gに溶解し、40℃で3時間反応を行った後、γ−ブチロラクトン1,350gを追加することにより、ポリアミック酸(PA−1)を10重量%含有する溶液約3,800gを得た。この溶液の溶液粘度は200mPa・sであった。
合成例2
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物98g(0.50モル)およびピロメリット酸二無水物109g(0.50モル)ならびにジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルメタン198g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン230gおよびγ−ブチロラクトン2,060gからなる混合溶媒に溶解し、40℃で3時間反応を行った後、γ−ブチロラクトン1,350gを追加することにより、ポリアミック酸(PA−2)を10重量%含有する溶液約4,000gを得た。この溶液の溶液粘度は125mPa・sであった。
合成例3
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196g(1.0モル)およびジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン225gおよびγ−ブチロラクトン2,021gからなる混合溶媒に溶解し、40℃で4時間反応を行った後、γ−ブチロラクトン1,321gを追加することにより、ポリアミック酸(PA−3)を10重量%含有する溶液約3,900gを得た。この溶液の溶液粘度は210mPa・sであった。
合成例4
テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物196g(1.0モル)およびジアミンとして2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル212g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン370gおよびγ−ブチロラクトン3,300gからなる混合溶媒に溶解し、40℃で3時間反応を行うことにより、ポリアミック酸(PA−4)を10重量%含有する溶液約4,000gを得た。この溶液の溶液粘度は160mPa・sであった。
合成例5
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物224g(1.0モル)およびジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルエーテル108g(1.0モル)をN−メチル−2−ピロリドン2988gに溶解し、40℃で4時間反応を行うことにより、ポリアミック酸(PA−5)を10重量%含有する溶液約3,300gを得た。この溶液の溶液粘度は200mPa・sであった。
<上記式(1)または(2)で表される基を有するポリアミック酸エステルの合成>
実施例13
合成例5で得たポリアミック酸(PA−5)を含有する溶液100gに化合物(5A−1)18g、炭酸カリウム4.1g、ヨウ化カリウム0.50gおよびN−メチル−2−ピロリドン560gを加え、100℃で7時間反応を行った。反応終了後、反応混合物を水3Lに注ぎ生成した沈殿を回収した。この沈殿をN−メチル−2−ピロリドン150mLに溶解して得た溶液を1.5Lのエタノールに注いで生じた沈殿を回収、乾燥することにより。ポリアミック酸エステル(CPAE−1)を得た。
<液晶配向剤の調製>
実施例14
上記式(1)または(2)で表される基を有する重合体として上記実施例7で得たポリアミック酸(CPA−1)を含有する溶液の(CPA−1)に換算して100重量部に相当する量と、他の重合体として上記合成例1で得たポリアミック酸(PA−1)を含有する溶液の(PA−1)に換算して400重量部に相当する量とを合わせ、これにγ−ブチロラクトン、1−メチル−2−ピロリドンおよびブチルセロソルブを加え、溶媒組成がγ−ブチロラクトン/1−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ=20/30/50(重量比)、固形分濃度が3.0重量%の溶液とした。
この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、液晶配向剤A−1を調製した。
実施例15〜27
上記式(1)または(2)で表される基を有する重合体および他の重合体の種類および量を、それぞれ表2に記載のとおりとしたほかは上記実施例14と同様にして液晶配向剤A−2〜A−14をそれぞれ調製した。
なお、実施例24および25においては他の重合体を含有する溶液を使用しなかった。
実施例28
上記式(1)または(2)で表される基を有する重合体として上記実施例7で得たポリアミック酸(CPA−1)を含有する溶液の(CPA−1)に換算して100重量部に相当する量と、他の重合体として上記合成例4で得たポリアミック酸(PA−1)を含有する溶液の(PA−4)に換算して400重量部に相当する量とを合わせ、ここにエポキシ化合物として下記式(E−1)
で表される化合物50重量部(全重合体の合計100重量部に対して10重量部に相当する。)を加え、さらにγ−ブチロラクトン、1−メチル−2−ピロリドンおよびブチルセロソルブを加えて溶媒組成がγ−ブチロラクトン/1−メチル−2−ピロリドン/ブチルセロソルブ=20/30/50(重量比)、固形分濃度が3.0重量%の溶液とした。
この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、液晶配向剤A−15を調製した。
実施例29
上記実施例28において、エポキシ化合物として、下記式(E−2)
で表される化合物を使用したほかは、上記実施例28と同様にして液晶配向剤A−16を調製した。
<液晶配向膜の形成および垂直配向型液晶表示素子の製造>
ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、上記実施例14で調製した液晶配向剤A−1をスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で200℃で1時間ポストベークして膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いでてこの塗膜表面に、Hg−Xeランプおよびグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/m2を、基板法線から40°傾いた方向から照射して液晶配向膜とした。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を1対(2枚)作成した。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、1対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各基板の紫外線の光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間の間隙に、ネガ型液晶(メルク社製MLC−6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の紫外線の光軸の基板面への射影方向と45°の角度をなすように貼り合わせることにより垂直配向型液晶表示素子を製造した。
この液晶表示素子につき、以下の方法により評価した。評価結果は表3に示した。
<液晶表示素子の評価方法>
(1)液晶配向性の評価
上記で製造した液晶表示素子につき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を偏光顕微鏡により観察し、異常ドメインのない場合を「良」とした。
(2)プレチルト角の評価
上記で製造した液晶表示素子につき、T.J.Scheffer et.al.J.Appl.Phys.vo.19,p2013(1980)に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法によりプレチルト角を測定した。
(3)電圧保持率の評価
上記で製造した液晶表示素子に、5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置は(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
(4)耐熱性の評価
上記<液晶配向膜の形成および垂直配向型液晶表示素子の製造>において、と膜形成の際のオーブンによる加熱温度を250℃としたほかは上記と同様にして液晶表示素子を製造した。得られた液晶表示素子につき、良好な液晶配向性を示したもの(均一な黒表示を示したもの)を「良」とし、光漏れが認められたものを「不良」として評価した。
実施例31〜43
使用した液晶配向剤の種類を表3に記載の通りとしたほかは、実施例30と同様にしてそれぞれ液晶配向膜を形成し、垂直配向型液晶表示素子を製造して評価した。
結果は表3に示した。
実施例44
<液晶配向膜の形成およびTN配向型液晶表示素子の製造>
上記実施例21で調製した液晶配向剤A−8を、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上にスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1分間プレベークを行った後、オーブン内で180℃にて1時間ポストベークすることにより、膜厚0.1μmの塗膜を形成した。この塗膜の表面に、Hg−Xeランプおよびグランテーラープリズムを用いて、313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/m2を基板法線から40°傾いた方向から照射することにより、液晶配向能を付与して液晶配向膜を形成した。
上記と同じ操作を繰り返し、液晶配向膜を透明導電膜面上に有するガラス基板を1対(2枚)作製した。
この1対の基板のそれぞれ液晶配向膜を形成した面の周囲部に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、偏光紫外線照射方向が直交となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間加熱して接着剤を熱硬化した。次いで、基板の間隙に液晶注入口よりポジ型のネマティック型液晶(メルク社製、MLC−6221、カイラル剤入り)を注入して充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入日を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で10分加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を、その偏光方向が互いに直交し、かつ、液晶配向膜の偏光方向と平行となるように貼り合わせることにより、TN配向型液晶表示素子を製造した。
この液晶表示素子の液晶配向性および電圧保持率につき、実施例30と同様にして評価したところ液晶配向性は「良」、電圧保持率は98%であった。また、上記の<液晶配向膜の形成およびTN配向型液晶表示素子の製造>において、塗膜形成の際のオーブンによる加熱温度を250℃としたほかは、上記と同様にしてTN配向型液晶表示素子を製造した。この液晶表示素子の液晶配向性につき、上記と同様にして評価したところ、良好なTN配向性を示しており十分な耐熱性があることがわかった。
実施例45
使用した液晶配向剤の種類を上記実施例23で調製したA−10に代えたほかは、実施例44と同様にして液晶配向膜を形成し、TN配向型液晶表示素子を製造して評価した。
この液晶表示素子の液晶配向性および電圧保持率につき、実施例30と同様にしてそれぞれ評価したところ液晶配向性は「良」、電圧保持率は98%であった。
また、上記の<液晶配向膜の形成およびTN配向型液晶表示素子の製造>において、塗膜形成の際のオーブンによる加熱温度を250℃としたほかは、上記と同様にしてTN配向型液晶表示素子を製造した。この液晶表示素子の液晶配向性につき、上記と同様にして評価したところ、良好なTN配向性を示しており十分な耐熱性があることがわかった。
本発明の液晶配向剤は、光配向法を適用しうる液晶配向剤として従来知られている液晶配向剤と比較して、少ない放射線照射量で優れた液晶配向性および電気特性を有する液晶配向膜を形成することができる。さらに、形成される液晶配向膜の耐熱性が高いため、熱分解を伴うことなく液晶パネルの製造を行うことができる。
それゆえ、この液晶配向膜を液晶表示素子に適用した場合、液晶表示素子を従来より安価に製造でき、しかも得られる液晶表示素子は、その表示特性、信頼性等の諸性能に優れるものとなる。したがって、これらの液晶表示素子は種々の装置に有効に適用でき、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表示板、ワードプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビ等の装置に好適に用いることができる。
Claims (8)
- ポリアミック酸、ポリイミドおよびポリアミック酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体、
ただし前記重合体は、下記式(1)または(2)
(式(1)中のR1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または1価の有機基であるか、あるいはR1およびR2は互いに結合して環を形成していてもよく、R3はフッ素原子またはシアノ基であり、aは0〜4の整数であり、「*」は結合手であることを表し、
式(2)中のR4は炭素数1〜40のアルキル基または脂環式基を含む炭素数3〜40の1価の有機基であり、ただし前記アルキル基の水素原子の一部または全部はフッ素原子で置換されていてもよく、R5はフッ素原子またはシアノ基であり、bは0〜4の整数であり、「*」は結合手であることを表す。)
で表される基を側鎖に有する、
を含有することを特徴とする、液晶配向剤。 - 上記式(1)において、
R1が下記式(R−1)
R6−W−* (R−1)
(式(R−1)中、R6は炭素数1〜40アルキル基または脂環式基を含む炭素数3〜40の1価の有機基であり、ただし前記アルキル基の水素原子の一部または全部はフッ素原子で置換されていてもよく、Wは単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合またはアミド結合であり、「*」は結合手であることを表す。)
で表される基であって且つR2が水素原子であるか、あるいは
R1およびR2が互いに結合して炭素原子数4〜8の環を形成し、その環のいずれかの炭素原子(好ましくはピロリジン環を構成する炭素原子以外のもの)に上記式(R−1)で表される基が結合している、
請求項1に記載の液晶配向剤。 - 上記重合体が、テトラカルボン酸二無水物と、下記式(4)
(式(4)中、R4,R5およびbは、それぞれ、上記式(2)におけるのと同義であり、X2は単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合またはアミド結合であり、dは0〜10の整数であり、dが0のときX3は単結合であり、dが1〜10の整数のときX3は単結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、チオエステル結合またはアミド結合である。)
で表される化合物を含むジアミンとを反応させて得られるポリアミック酸および該ポリアミック酸をイミド化してなるポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の液晶配向剤。 - 基板上に、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成し、該塗膜に放射線を照射することを特徴とする、液晶配向膜の形成方法。
- 上記式(1)または(2)で表される基を側鎖に有するポリアミック酸、ポリイミドまたはポリアミック酸エステル。
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