JP5414310B2 - 自動車強電部品用ヒートシンク、それを用いたヒートシンクユニット及び自動車強電部品用ヒートシンクの製造方法 - Google Patents
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図2において、自動車強電部品用ヒートシンク200は、冷却媒体が流通する冷却通路10と、熱源100と接触する接触部20と、この接触部の裏面部22から一体的に突出した放熱フィン30とを有する。そして、この放熱フィン付の裏面部22が上記冷却通路10の一部を構成する。
なお、この自動車強電部品用ヒートシンクは後述するアルミニウム合金から構成されている。
これらの成分と特性を有するアルミニウム合金は、この熱伝導率と機械的強度の特性により放熱効率の高い自動車強電部品用ヒートシンクを実現する。また、以下に示す鋳造性に関する値を実現することが可能である。
上述のように、該アルミニウム合金には、Si、Mg、Feが含まれるが、その好ましい含有割合は、Siが5.0〜10.0質量%、Mgが0.1〜0.5質量%、Feが0.3〜0.6質量%であり、より好ましくはSiが6.0〜9.0質量%、Mgが0.1〜0.4質量%、Feが0.3〜0.6質量%である。
一方、Siの含有量が増加するとアルミニウム合金の熱伝導率が低下するため、含有量が10%を超えると所望の熱伝導率が得られない場合がある。また過剰のSiはアルミウム合金の伸展性も低下させる傾向にある。
一方、Feの含有量が増加すると、アルミニウム合金の熱伝導率及び伸展率が低下するため、含有量が0.6%を超えると熱伝導率が低下する傾向にある。
図2に示すように、本発明のヒートシンクユニットは、自動車強電部品用ヒートシンク200と熱源100とを有する。また熱源100は自動車強電部品用ヒートシンク200と接触して備えられることが好ましい。
上記熱源は、上述のように、例えば、インバータ、モータ、コンバータ及びコンデンサなどの自動車用強電部品である。
この製造方法は、上に説明した特定の成分比を有するアルミニウム合金を材料として、上述のような自動車強電部品用ヒートシンクを製造する方法であり、上記の放熱フィンをダイカスト工法で一体成型し、次いで、時効処理を施すものである。
表1に示す各成分比及び特性を有するアルミニウム合金を溶解し、ダイカスト工法にて、図1及び図2に示す自動車強電部品用ヒートシンクを製造した。得られた各例の自動車強電部品用ヒートシンクについて、時効処理(300℃)を行い、次いで後述する測定法により、熱伝導率(レーザーフラッシュ法)及び硬さ(HRF:ロックウェル式硬度のFスケール)について、時効処理の前後で測定を行った。その結果を表1に示す。
また硬さの値が低いものは、溶湯流動長(ADC12合金比)においても、良好な結果が得られなかった。
表3に示すアルミニウム合金(成分比及び特性については表1参照)を用いて、熱源(ヒーター)との接触面積に対応する裏面の放熱面積が異なる3種類の自動車強電部品用ヒートシンクをダイカスト工法により一体成型した。そして、冷却媒体として水を用いて、これらの自動車強電部品用ヒートシンクの放熱効率を評価した。表3に各自動車強電部品用ヒートシンクの形状及び放熱効率の評価結果を示す。
表1に示した合金(合金No.1,4及び9(表1参照))を用いて、ダイカスト工法による一体成型後の時効処理温度及び時間を変化させ、時効処理前後の熱伝導率、硬さ、及び時効処理後の固溶量を測定した。時効処理条件及び測定結果を表4に示す。
以下に上記の実施例及び比較例において用いた性能の測定方法について説明する。
(A)溶湯流動長
本発明の溶湯流動長評価は、図3に示すシェル砂スパイラル型を用いた方法により行った。すなわち、シェル砂により蚊取り線香状に構成されたキャビティ内に、700℃の所定組成溶湯を所定位置から流し込んだ際の溶湯流動長を測定した。
本発明の熱伝導率評価は、レーザーフラッシュ法により行った。すなわち、レーザー発振器からレーザー光を発射し、試料の表面に直接当て、試料の裏面から出てくる熱量とその時間を測定し、比熱(Cp)と熱拡散率(α)を導き出し、式(1)にて熱伝導率(λ)を算出した。
・熱伝導率: λ = α ・ Cp ・ ρ ・・・(1)
(ρ:試料の密度)
なお、熱拡散率αはt1/2(最高温度上昇ΔTmの1/2に達する時間)と厚さLから式(2)を用いて算出した。
・α=0.1388L2/t1 /2 ・・・(2)
本発明の硬さ評価は、ロックウェル硬さ試験にて行った。硬さの評価は、深さの零点として初試験力を負荷した点を基準とし、更に試験力を負荷してから再び初試験力に戻し、その前後2回の初試験力におけるくぼみ深さの差h(mm)を測定して硬さ値を算出した。
本発明のアルミ母相中の固溶量は、熱ブタノール法によりアルミニウムマトリクスを溶解し、溶解溶液中の対象元素を原子吸光法により定量化することにより測定した。
本発明の放熱効率は、図4に示すように、熱源下面温度及び冷却媒体温度を熱電対にて測定し、それらの測定値の差から放熱効率を算出した。
20 接触部
21 接触面
22 裏面部
23 接触面と対応する裏面
30 放熱フィン
31 接触面と対応する裏面に突設されたフィン
100 熱源
200 自動車強電部品用ヒートシンク
Claims (7)
- 冷却媒体が流通する冷却通路と、熱源と接触する接触部と、この接触部の裏面部から一体的に突出した放熱フィンとを有し、この放熱フィン付の裏面部が上記冷媒通路の一部を構成する構造を有するアルミニウム合金製の自動車強電部品用ヒートシンクであって、
上記アルミニウム合金は、Si、Mg、Feと、残部アルミニウムと、不可避的不純物とから成り、且つ、熱伝導率182〜200W/mK及び硬さ38〜62HRFの特性を有し、
上記熱源と上記接触部との接触面と対応する裏面における放熱面積が、この接触面の面積の3〜20倍である、
ことを特徴とする自動車強電部品用ヒートシンク。 - 上記アルミニウム合金のアルミニウム母相中へのSi固溶量が0.50質量%以下、Mg固溶量が0.20質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動車強電部品用ヒートシンク。
- 上記アルミニウム合金のアルミニウム母相中へのSi固溶量が0.20質量%以下、Mg固溶量が0.10質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動車強電部品用ヒートシンク。
- 上記アルミニウム合金は、5.0〜10.0質量%のSiと、0.1〜0.5質量%のMgと、0.3〜0.6質量%のFeと、残部アルミニウムと、不可避的不純物とから成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の自動車強電部品用ヒートシンク。
- 上記アルミニウム合金は、6.0〜9.0質量%のSiと、0.1〜0.4質量%のMgと、0.3〜0.6質量%のFeと、残部アルミニウムと、不可避的不純物とから成ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の自動車強電部品用ヒートシンク。
- 請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の自動車強電部品用ヒートシンクと、熱源とを有するヒートシンクユニットであって、
上記熱源が自動車用強電部品である、
ことを特徴とするヒートシンクユニット。 - 請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の自動車強電部品用ヒートシンクを製造するに当たり、
溶湯流動長がADC12合金に対して60〜75%である上記アルミニウム合金の溶湯をダイカスト工法で上記放熱フィンに一体成型した後、時効処理温度が300〜350℃である時効処理を施すことを特徴とする自動車強電部品用ヒートシンクの製造方法。
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