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JP5433799B2 - 組物装飾体 - Google Patents
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Description

本発明は、ガラス等からなる剛性の透明材料層に湾曲面形状部を形成したもとで、この透明材料層の表面と裏面に所定の加工を施すことにより奥行きのある立体的なモアレ模様にダイナミックな形状変化を発現させた固形装飾体に関する。
又、本発明は、ベース体と載置体とを組み合わせた時に、両者間に介在する空気層を利用して、両者の相対位置を少し変位させるだけで、奥行きのある立体的なモアレ模様が自由に発現したり消失したりする組物装飾体に関する。
従来、プラスチック製の薄い透明シート等を用いて、いわゆるモアレ模様を発現させる装飾シートが提案されている。
特開平9−207254号公報。 例えば上記の特許文献1には、モアレ模様を発現させるための典型的な構成例が示されている。即ち、透明性シートの表面には複数の凸レンズ状の突起を連続した任意のパターンで設け、該シートの裏面には表面と同じ連続パターンを持つ模様を表面の連続パターンに対して変位させて印刷した装飾シートである。
このように、薄い透明材料の表面に複数の凸レンズ状の突起を連続パターンで設け、その裏面には同様のパターンであるが少し変位した連続パターンで模様点等を形成すると、薄いシート状であるにも関わらず、奥行きを感じさせる立体的なモアレ模様を発現することが知られている。
ところで、従来、この種のモアレ模様を発現させた装飾体は、例えばプラスチック製のシート材等のように、シート状のもの、あるいは少なくとも平坦な形状の透明材料を用いている。
この場合、モアレ模様は奥行きのある立体感を示すとは言え、模様自体としては単調な水玉模様や斑点模様として現われ、模様自体の変化がない。
そこで本発明は、模様自体のダイナミックな変化を伴うモアレ模様を発現させた装飾体を提供することを目的とする。
(第1発明)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、少なくとも一部を凹状の湾曲面形状部及び/又は凸状の湾曲面形状部とした剛性の透明材料層の表面に任意の連続分布パターンで凸レンズ状の突起を形成すると共に、前記透明材料層の裏面には前記凸レンズ状の突起の連続分布パターンに対して変位させた連続分布パターンを持つ模様点を表現した、固形装飾体である。
本願発明者は、従来のモアレ模様を発現させた装飾体がもっぱら平坦な形状の透明材料である点に着目した。そして、このような透明材料に凹状あるいは凸状の湾曲面形状を与えたとき、モアレ模様の模様点が湾曲面部において形状変化を伴って発現するため、全体として従来に見られないタイプのモアレ模様となることを見出した。
即ち、透明材料層の平坦面形状部では従来と同様のモアレ模様が発現するが、湾曲面形状部では、モアレ模様の模様点が特異な形状変化を示す。しかも、凹状の湾曲面形状部と、凸状の湾曲面形状部とでは形状変化の内容が異なる。これらの効果は、後述の実施例において具体的に示されている。
凹状や凸状の湾曲面形状を与えるためには、透明材料が柔軟なシート材料ではなくガラス等の剛性の透明材料である必要がある。従って、透明材料の表面に凸レンズ状の突起を形成し、及び裏面に模様点を表現する手法も、従来の透明なプラスチック製シートの場合とは異なる手法を用いる必要がある。第1発明の完成に当たっては、これらの新しい手法も開発した。
第1発明において、透明材料の種類は、剛性材料である限りにおいて限定されない。好ましくは、透明なガラス質の材料や透明な硬質プラスチック材料を例示することができる。
凸レンズ状の突起の連続分布パターンと模様点の連続分布パターンとを変位させる形態としては、例えば前記特許文献1の図1に示すように、両者の連続分布の配列方向角度を少し異ならせる形態や、あるいは両者の連続分布の配列ピッチを少し異ならせる形態を例示することができる。
(第2発明)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る凹状の湾曲面形状部及び/又は凸状の湾曲面形状部と、これらの湾曲面形状部に隣接する異なる断面形状部との境界部において、湾曲率を次第に変化させている、固形装飾体である。
第2発明によれば、平坦面形状部と、凹状の湾曲面形状部と、凸状の湾曲面形状部との相互の境界部において、湾曲率を次第に変化させる中間的な湾曲率部分を設けているので、平坦面や湾曲面の各形状部分の模様点の形状変化が次第に移り変わり、全体として連続的でスムーズな形状変化となる。
(第3発明)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る模様点を表現した透明材料層の裏面に任意の材料からなる裏面層を更に形成した、固形装飾体。
固形装飾体においては、第3発明のように、模様点を表現した透明材料層の裏面に任意の材料からなる裏面層を更に形成することもできる。この裏面層によって、例えば、モアレ模様に対するバックグラウンド(背景)となる地模様、地色、スリガラス様の光学効果等を自由に表現することができる。
なお、透明材料層の表面にも、前記した凸レンズ状の突起に加えて、任意の模様等を形成することができる。これらの模様等は、モアレ模様に対する前景として現れる。
(第4発明)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る固形装飾体がガラス皿である、固形装飾体である。
固形装飾体の具体的な物品種は限定されないが、例えば第4発明のように、特異なモアレ模様を伴う各種用途のガラス皿を提供することができる。
(第5発明)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、ベース体と、このベース体の載置座部に載置させる載置体とからなる組物装飾体であって、
前記載置体は、少なくとも底板部が透明材料からなると共に、この底板部の表面又は裏面には任意の連続分布パターンで凸レンズ状の突起を形成しており、前記ベース体の載置座部の表面には前記載置体の凸レンズ状の突起と同様の連続分布パターンを持つ模様点を表現した、組物装飾体である。
本願発明者は、従来のモアレ模様を発現させた装飾体が、物品としては専ら一体物であった点にも着目した。これらの場合は、装飾体のモアレ模様の発現構造が固定されているため、発現するモアレ模様も固定的であり、しかもモアレ模様が発現したり消失したりするという変化性はない。
ところが、第5発明のように、一方の物品の底面に凸レンズ状の突起を連続パターンで設け、他方の物品の表面に連続パターンで模様点を形成すると、これらの物品を重ねたときにのみ、装飾体のモアレ模様の発現構造が構成される。その際、載置体の透明な底板部、又は載置体とベース体との間の空気層が透明材料層として機能する。しかも載置体とベース体との重なり方を任意に変えることができるので、これによって、凸レンズ状の突起の連続分布パターンと模様点の連続分布パターンとを変位させたり一致させたりして、モアレ模様を自由に発現させたり消失させたりすることができる。重なり方の変化としては、例えば両者間の平面上での回転方向のズレを与えることが考えられる。
(第6発明)
上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、前記第5発明に係る載置体とベース体が、(1)飲み物用カップとその受け皿、(2)透明容器とランチョンマット、(3)透明容器と陶板、(4)透明板と透明板、又は(5)透明板と陶板である、組物装飾体である。
組物装飾体の具体的な物品種は限定されないが、例えば第6発明の(1)〜(5)に列挙するような組物装飾体を好ましく例示することができる。
本発明に係る固形装飾体によって、従来のような単調な水玉模様や斑点模様等のモアレ模様ではなく、模様点が湾曲面形状部において特異な形状変化を示す新しいタイプのモアレ模様を発現させることができる。
本発明の組物装飾体によって、組物を重ねたときにのみモアレ模様が発現し、しかも組物の重なり方の変化によってモアレ模様が発現したり消失したりする装飾体を提供することができる。
実施例1の固形装飾体の全体形状を示す図である。
実施例1の固形装飾体の微細構造を示す図である。
実施例1の固形装飾体の平面写真を示す図である。
実施例2の固形装飾体の平面写真を示す図である。
実施例の組物装飾体を示す図である。
以下に本発明の実施例を説明する。本発明の技術的範囲はこれらの実施例によって制約されない。
(実施例1:固形装飾体その1)
本実施例に係る固形装飾体1は透明なガラス皿である。このガラス皿の用途は限定されず、菓子類の載せ皿、コーヒーカップの受け皿、装飾用の置物その他の任意の目的に使用できる。
まず、固形装飾体1の全体形状について説明する。図1(a)の斜視図に示すように、固形装飾体1は全体として扁平な円形の受け皿の形状である。図1(a)のX−X線に沿う断面図である図1(b)に示すように、固形装飾体1の中央部は平坦形状部2とされ、また、平坦形状部2の周囲の部分のほとんどは、上方へ向かって次第にせり上がる(即ち凹状の)湾曲面形状部3とされている。平坦形状部2の周囲の部分のうち、図の右側に示す一部の部分は、凸状に盛り上がった湾曲面形状部4とされている。
これらの平坦形状部2、凹状の湾曲面形状部3及び凸状の湾曲面形状部4は、それらの境界部において湾曲率を次第に変化させることにより、滑らかな形状変化を示すように形成されているが、各形状部ごとに境界部でハッキリと平坦面や凹凸の湾曲面形状が切り替わるように形成されていても良い。
次に、固形装飾体1の微細構造について説明する。平坦形状部2の表面の一部を拡大して示した図2(a)と、そのY−Y線にう沿う断面図である図2(b)に示すように、ガラス製の固形装飾体1の表面には、任意の連続分布パターンにて、多数の微細な凸レンズ状の突起5を形成している。このような多数の突起5の形成方法は限定されないが、例えば、固形装飾体1の表面に所定の連続分布パターンとなるように無機ガラスの粉末や粒子を印刷し、その後に好適な温度で焼成するという方法を採用することができる。
一方、固形装飾体1の裏面には、上記の突起5の連続分布パターンと類似した連続分布パターンにて、多数の微細な模様点6を表現している。模様点6の色彩や形状は任意に設計できる。固形装飾体1の裏側面には、スリガラス状の底面外観を呈するガラス材料層である裏面層7を更に形成している。この裏面層7はなくても良い。
なお、模様点6の連続分布パターンは、突起5に比較して分布のピッチが僅かに大きい(図ではピッチの差を誇張して表現している)。その結果、模様点6の連続分布パターンは突起5の連続分布パターンに対して変位するので、透明な固形装飾体1の表面に奥行きのある立体的なモアレ模様が発現する。
なお、模様点6の連続分布パターンを突起5の連続分布パターンに対して変位させる手段として、上記の他にも、両者を同一のピッチで形成するが、連続分布の配向方向を僅かに異ならせる、という手段も可能である。
多数の模様点6の形成方法は限定されないが、例えば、突起5の場合と同様の手法により、固形装飾体1の裏面に所定の連続分布パターンとなるように所望の色彩の無機顔料の粉末や粒子を印刷し、その後に好適な温度で焼成するという方法を採用できる。突起5と模様点6を同時に焼成できることは勿論である。
上記のような突起5と模様点6は、平坦形状部2だけでなく、凹状の湾曲面形状部3及び凸状の湾曲面形状部4にも全く同様にして形成されている。そして、平坦形状部2に発現するモアレ模様は従来のものと同様であるが、凹凸の湾曲面形状部には従来にないユニークなモアレ模様が発現する。
固形装飾体1の表面側の電子複写機によるコピー写真を図3に示す。モアレ模様を縦断するように白い線状部分が走っているが、これは電子複写機の照明光が反射したものであり、固形装飾体1の表面模様ではない。図3の斑点模様は、実際には明るいブルーの色彩を持っている。図3に見られるように、平坦形状部2には一般的なモアレ模様が見られるが、その模様の斑点が、凹状の湾曲面形状部3においては、放射方向に引き伸ばされ、拡大された斑点に変化している。更に、凸状の湾曲面形状部4においては、その頂上部から斑点模様が流れ出しているかのように見える斑点形状のダイナミックな連続変化が見られる。
(実施例2:固形装飾体その2)
本実施例に係る固形装飾体8は、その表面側の電子複写機によるコピー写真である図4に示すように四角形のガラス皿であって、中央の大半の部分はほぼ平坦な平坦形状部9とされ、4辺を構成する周縁部が次第にせり上がる(即ち凹状の)湾曲面形状部10とされている。表面の模様を分断するように走る白い線状部分は、図3の場合と同様、電子複写機の照明光が反射したものである。
図4においては、特に4隅の隅部11において、2辺の湾曲面形状部10が合流して特徴ある湾曲面形状となるため、隅部11から斑点模様が流れ出しているかのように見える斑点形状のダイナミックな連続変化が見られる。
なお、本実施例の固形装飾体8では、その表面上に更に適宜な模様の模様層12を形成しているため、模様層12の形成部分ではモアレ模様がある程度隠れ、あるいは完全に隠れている。
(実施例3:組物装飾体)
本実施例に係る組物装飾体13は、それらの中央縦断面図である図5(a)に示すように、受け皿状のベース体14と、このベース体14の載置座部15に載置させる載置体16とからなっている。ベース体14と載置体16はいずれも円形の平面形状を持ち、ベース体14は不透明な陶器製であり、載置体16は透明なガラス製である。これらには、適宜な部分に美麗な模様が付与されている。
図5(a)におけるベース体14の載置座部15と、載置体16の底板部17との一部分の拡大断面図である図5(b)に示すように、底板部17の裏面には、任意の連続分布パターンにて、多数の凸レンズ状の突起18を形成している。このような多数の突起18は、例えば実施例1の場合と同様にして形成することができる。
一方、ベース体14の載置座部15の表面には、上記した突起18の連続分布パターンと同じ連続分布パターンで、多数の微細な模様点19を表現している。模様点19の色彩や形状は、任意に設計できる。模様点19の形成方法も限定されないが、例えば、実施例1の場合と同様にして形成することができる。
図5(b)に示す状態では、個々の突起18と模様点19とが完全に重なることとなるように、ベース体14と、載置体16とが相対位置している。従って、突起18の連続分布パターンと、模様点19の連続分布パターンとは互いに変位していないため、モアレ模様は発現しない。
しかし、例えば載置座部15上の載置体16を回転させると、上記の変位が実現すると共に、載置座部15と載置体16との間の薄い厚みの空気層が実施例1における透明なガラス層と同様に機能して、モアレ模様が発現する。そのまま引き続いて回転させると、そのモアレ模様が再度消失する。更に、モアレ模様の発現状態は、載置体16の回転角の大きさに応じて連続的に変化する。これらのモアレ模様のダイナミックな連続変化は、従来には見られなかったものである。
なお、多数の凸レンズ状の突起18は載置体16の底板部17における表面に形成することもできる。この場合も、上記と同様の効果が確保される。
本発明によって、モアレ模様のダイナミックな変化を伴う固形装飾体あるいは組物装飾体が提供される。
1、8 固形装飾体
2、9 平坦形状部
3、10 凹状の湾曲面形状部
4 凸状の湾曲面形状部
5、18 突起
6、19 模様点
13 組物装飾体
14 ベース体
15 載置座部
16 載置体
17 底板部

Claims (2)

  1. ベース体と、このベース体の載置座部に載置させる載置体とからなる組物装飾体であって、
    前記載置体は、少なくとも底板部が透明材料からなると共に、この底板部の表面又は裏面には任意の連続分布パターンで凸レンズ状の突起を形成しており、前記ベース体の載置座部の表面には前記載置体の凸レンズ状の突起と同様の連続分布パターンを持つ模様点を表現したことを特徴とする組物装飾体。
  2. 前記載置体とベース体が、(1)飲み物用カップとその受け皿、(2)透明容器とランチョンマット、(3)透明容器と陶板、(4)透明板と透明板、又は(5)透明板と陶板であることを特徴とする請求項1に記載の組物装飾体。
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