JP5435543B2 - 人体の部位別の質量および重心の測定方法 - Google Patents
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Description
関節モーメントを推定するためには、人体の部位別の質量、重心および慣性モーメント
を測定することが必要である。測定した質量などと、運動時に人体の各部位に働く加速度および関節まわりの角加速度とから関節モーメントを推定することができるからである。
従来、人体の部位別の質量、重心および慣性モーメントを測定するには、個人ごとに測定する方法がないため、解剖などから得られた統計的なデータを用いて推定していた。
しかるに、人体の部位別の質量などは個体差があるため、本来は個人ごとに測定すべきであり、統計的なデータを用いると、個人ごとの正確な関節モーメントを推定することができないという問題がある。
また、部位ごとに測定装置を用意する必要があるため、小さい部位の質量を測定することが困難であるという問題がある。
さらに、各部位の重心や慣性モーメントを測定できず、これのみでは関節モーメントを推定することができないという問題がある。
M/g=Σmixi+m’x’
(gは重力加速度、miは測定点の質量、m’は測定点以外の被測定者の質量、x’はm’の重心の前記任意の点からの距離、Σは測定点の総和を示す。)
の式を用いて、前記第2ステップにより得られたデータから、前記部位の測定点における質量miを、M/gを従属変数、xiを独立変数、miを偏回帰変数とした重回帰分析により推定する第3ステップと、前記測定点の質量miの総和から前記部位の質量を求める第4ステップと、前記測定点の質量miと位置とから前記部位の重心を求める第5ステップとを順に行うことを特徴とする。
第2発明の人体の部位別の質量および重心の測定方法は、第1発明において、前記第1ステップにおいて、1つの部位に対して2つの測定点を設定することを特徴とする。
第3発明の人体の部位別の質量および重心の測定方法は、第1発明において、前記第1ステップにおいて、1つの部位に対して3つの測定点を設定することを特徴とする。
第4発明の人体の部位別の質量および重心の測定方法は、第1発明において、前記第1ステップにおいて、1つの部位に対して4つ以上の測定点を同一平面上にならないように設定することを特徴とする。
第5発明の人体の部位別の質量および重心の測定方法は、第1発明において、前記第1ステップにおいて、1つの部位にのみ測定点を設定することを特徴とする。
第6発明の人体の部位別の質量および重心の測定方法は、第1発明において、前記第1ステップにおいて、複数の部位に測定点を設定することを特徴とする。
第7発明の人体の部位別の質量および重心の測定方法は、第1発明において、前記第2ステップにおいて、鉛直床反力を測定し、前記第3ステップにおいて、前記鉛直床反力が基準値よりも大きいもしくは小さい場合は、重回帰分析に用いるデータから取り除くことを特徴とする。
第8発明の人体の部位別の質量および重心の測定方法は、被測定者の部位に、該部位の質量が集中していると仮定する測定点を設定する第1ステップと、前記測定点の基準姿勢からの変位x i (iは測定点の番号を示す。)と、前記基準姿勢の被測定者の床反力の重心位置を基準点とし、該基準点周りの被測定者の体全体により加えられるモーメントMとを、前記測定点を設定した部位のみ姿勢を変化させながら断続的に測定する第2ステップと、
M/g=Σmixi
(gは重力加速度、m i は測定点の質量、Σは測定点の総和を示す。)
の式を用いて、前記第2ステップにより得られたデータから、前記部位の測定点における質量miを、M/gを従属変数、x i を独立変数、m i を偏回帰変数とした重回帰分析により推定する第3ステップと、前記測定点の質量m i の総和から前記部位の質量を求める第4ステップと、前記測定点の質量m i と位置とから前記部位の重心を求める第5ステップとを順に行うことを特徴とする。
第9発明の人体の部位別の質量および重心の測定方法は、被測定者の部位に、該部位の質量が集中していると仮定する測定点を設定する第1ステップと、前記測定点の基準姿勢からの変位x i (iは測定点の番号を示す。)と、任意の点周りの被測定者の体全体により加えられるモーメントMとを、前記測定点を設定した部位のみ姿勢を変化させながら断続的に測定する第2ステップと、
(dM/dt)/g=Σmi(dxi/dt)
(dM/dtはモーメントMの時間微分、dxi/dtは変位xiの時間微分、gは重力加速度、m i は測定点の質量、Σは測定点の総和を示す。)
の式を用いて、前記第2ステップにより得られたデータから、前記部位の測定点における質量miを、(dM/dt)/gを従属変数、(dx i /dt)を独立変数、m i を偏回帰変数とした重回帰分析により推定する第3ステップと、前記測定点の質量m i の総和から前記部位の質量を求める第4ステップと、前記測定点の質量m i と位置とから前記部位の重心を求める第5ステップとを順に行うことを特徴とする。
第10発明の人体の部位別の質量および重心の測定方法は、被測定者の全ての部位に、該部位の質量が集中していると仮定する測定点を設定する第1ステップと、前記測定点の基準姿勢からの変位x i (iは測定点の番号を示す。)と、任意の点周りの被測定者の体全体により加えられるモーメントMとを、前記測定点を設定した部位の姿勢を変化させながら断続的に測定する第2ステップと、
M/g=Σmixi+(Fz-Σmi)xN
(gは重力加速度、m i は測定点の質量、Fzは鉛直床反力、Nは測定点の数、ΣはN番目の測定点以外の測定点の総和を示す。)
の式を用いて、前記第2ステップにより得られたデータから、前記部位の測定点における質量miを、M/gを従属変数、x i を独立変数、m i を偏回帰変数とした重回帰分析により推定する第3ステップと、前記測定点の質量m i の総和から前記部位の質量を求める第4ステップと、前記測定点の質量m i と位置とから前記部位の重心を求める第5ステップとを順に行うことを特徴とする。
第2発明によれば、1つの部位に対して2つの測定点が設定されているので、測定点の質量の測定結果から、2つの測定点を結ぶ線上のどの位置に重心があるかを求めることができる。
第3発明によれば、1つの部位に対して3つの測定点が設定されているので、測定点の質量の測定結果から、3つの測定点からなる平面上のどの位置に重心があるかを求めることができる。
第4発明によれば、1つの部位に対して4つ以上の測定点が設定されているので、測定点の質量の測定結果から、3次元空間上のどの位置に重心があるかを求めることができる。
第5発明によれば、1つの部位にのみ測定点が設定されているので、測定装置が単純となり、測定データから質量および重心を求めることも容易となる。
第6発明によれば、複数の部位に測定点が設定されているので、短時間で多数の部位の質量および重心を求めることができる。
第7発明によれば、被測定者が十分静的でない場合の測定データを重回帰分析から取り除くことができるので、より正確に測定点の質量を推定することができる。
第8発明によれば、Mを基準点周りの被測定者の体全体により加えられるモーメントとすることで、偏回帰変数を1つ消去することができるので、重回帰分析の精度を向上させることができる。
第9発明によれば、微分することにより測定点以外の被測定者の質量m’の項を消去することができ、偏回帰変数を1つ消去することができるので、重回帰分析の精度を向上させることができる。
第10発明によれば、mNの項を消去することにより、偏回帰変数を1つ消去することができるので、重回帰分析の精度を向上させることができる。
つぎに、本発明に係る測定方法に用いる代表的な測定装置について図面に基づき説明する。
図1に示すように、本発明に係る測定方法に用いる代表的な測定装置は、主に床反力計と3次元動作解析装置とで構成される。
ここで、床反力とは人体が床から受ける力を意味し、静止時の力の大きさはその人体が体重により床を押す力の大きさと等しくなる。また、床反力は床と人体との接触面に分布を有するが、その床反力の分布の重心が加重中心である。
そのため、床反力計および3次元動作解析装置を制御し、データを収集する制御装置(図示せず)と、収集したデータを後述する方法で解析する電子計算機(図示せず)などが、必要に応じて用いられる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
1つの部位の質量および重心を測定する方法が基本となるので、はじめにその実施形態について説明する。
まず、被測定者の測定する1つの部位に3次元動作解析装置用のマーカーを取り付ける。後述するように、このマーカーの位置にその部位の質量が集中していると仮定して、各マーカー位置の質量を測定し、各マーカー位置の質量の総和からその部位の質量を、各マーカー位置の質量の分布からその部位の重心を求めるのである。
本実施形態において、マーカー位置は特許請求の範囲に記載の「測定点」に相当する。
図2に示すように、例えば前腕を測定する場合、前腕は梁状の部材であり、その重心は梁の軸上にあると予想されるので、肘付近と手首付近の2か所にマーカーを取り付ければよい。マーカー位置の質量の測定結果から、2つのマーカーを結ぶ線上のどの位置に重心があるかを求めることができる。
つまり、平面状の部位に限らずとも、立体的な形状の部位に対して3つのマーカーを取り付けて、3次元空間上の重心位置を求めることも可能である。
つぎに、被測定者が床反力計の上に乗り、加速度が重力加速度に比べて十分小さくなるようにマーカーを取り付けた部位のみをゆっくり動かし、同時にマーカーの位置を3次元動作解析装置で、床反力を床反力計により測定する。マーカーの位置と床反力の測定データは、部位の姿勢を変えながら断続的に収集する。すなわち、測定したい部位の姿勢を様々に変化させ、各姿勢に対する床反力とマーカーの位置を測定するのである。
つぎに、収集した測定データから各マーカー位置の質量を推定する。
図5および図6に示すように、測定する部位の測定開始時の姿勢を基準姿勢とし、その基準姿勢での被測定者の床反力の重心位置(加重中心)を基準点とする。なお、基準姿勢は測定開始時の姿勢とする必要はなく、測定の都合に合わせて任意のタイミングに測定した任意の姿勢に設定してもよい。後述するとおり、基準姿勢からのマーカー位置の変位、基準点からの加重中心の変位が測定できればよいからである。特許請求の範囲に記載の「基準姿勢」は、任意の基準となる姿勢を意味する。
すなわち式3の残差を
特許請求の範囲に記載の「基準値」は、被測定者が十分静的でない場合の測定データを取り除くための、鉛直床反力Fzに対する任意の値を意味する。
この場合、式3、式4には、測定する部位以外の被測定者の質量m’の項が現れ、
つぎに、マーカー位置の質量miとマーカー位置とから、その部位の重心xg、yg,、zgを求める。重心は以下の式で与えられる。
また、1つの部位のみの測定では、測定装置が単純となり、測定データから質量および重心を求めることも容易となる。
他の部位の質量を測定するためには、マーカーを付け替えて以上の方法を繰り返すことで測定することもできる。
つぎに、複数の部位の質量および重心を同時に測定する方法について説明する。
まず、被測定者の複数の部位に3次元動作解析装置用のマーカーを取り付ける。被測定者の体のすべての部位にマーカーを取り付け、すべての部位を同時に測定することも可能であるが、マーカーの数が多いと、マーカー位置の質量の測定精度が落ちるため、上腕と前腕、大腿と下腿というように、部位を限定する方が好ましい。各部位のマーカーの取り付け方は前述の方法と同様である。
前述の方法と同様に、被測定者が床反力計の上に乗り、加速度が重力加速度に比べて十分小さくなるようにマーカーを取り付けた部位のみをゆっくり動かし、同時にマーカーの位置を3次元動作解析装置で、床反力を床反力計により測定する。マーカーの位置と床反力の測定データは、部位の姿勢を変えながら断続的に収集する。
つぎに、収集した測定データから各マーカー位置の質量を推定する。
複数の部位にマーカーが取り付けられているので、前記の式3、式4の代わりに次式を用いる。
式24、式25を用いて重回帰分析を行った後、mMN以外の質量の推定値mjiを用いて式23からmMNを求めることができる。
式20、式21もしくは式24、式25を用いて推定された各マーカー位置の質量mjiから、各部位の質量および重心を求める。その方法は前述と同様であるので説明を省略する。
また、複数の部位の質量および重心を同時に測定することができるので、短時間で多数の部位の質量および重心を求めることができる。
以上の実施形態では、荷重センサとして床反力計を用い、3次元位置測定装置として3次元動作解析装置を用いたが、これに代わる装置を用いてもよい。
3次元位置測定装置としては、例えば、被測定者の各関節にゴニオメーターを取り付け関節の角度を測定し、その測定値と事前に測定した被測定者の各部位の長さとから各部位の3次元位置を計算して求めてもよい。この場合、床と接触する足から質量などを測定する部位までの各部位の長さと、各関節の角度を測定することが必要である。
あるいは、ジャイロ,加速度計,地磁気センサを組み合わせたセンサを被測定者が身に着け、その測定値から地球を基準とした3次元位置を求めてもよい。
いずれの3次元位置測定装置の場合においても、3次元位置の測定方法以外は、本発明に係る測定方法は同じである。
また、人体をモデル化して運動をシミュレーションすることが様々な分野で行われているが、本発明の測定方法により得られた部位別の質量および重心は、個人ごとの運動をシミュレーションする際のパラメータとしても利用される。
Claims (10)
- 被測定者の部位に、該部位の質量が集中していると仮定する測定点を設定する第1ステップと、
前記測定点の基準姿勢からの変位xi(iは測定点の番号を示す。)と、
任意の点周りの被測定者の体全体により加えられるモーメントMとを、
前記測定点を設定した部位のみ姿勢を変化させながら断続的に測定する第2ステップと、
M/g=Σmixi+m’x’
(gは重力加速度、miは測定点の質量、m’は測定点以外の被測定者の質量、x’はm’の重心の前記任意の点からの距離、Σは測定点の総和を示す。)
の式を用いて、前記第2ステップにより得られたデータから、前記部位の測定点における質量miを、M/gを従属変数、xiを独立変数、miを偏回帰変数とした重回帰分析により推定する第3ステップと、
前記測定点の質量miの総和から前記部位の質量を求める第4ステップと、
前記測定点の質量miと位置とから前記部位の重心を求める第5ステップとを順に行う
ことを特徴とする人体の部位別の質量および重心の測定方法。 - 前記第1ステップにおいて、
1つの部位に対して2つの測定点を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の人体の部位別の質量および重心の測定方法。 - 前記第1ステップにおいて、
1つの部位に対して3つの測定点を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の人体の部位別の質量および重心の測定方法。 - 前記第1ステップにおいて、
1つの部位に対して4つ以上の測定点を同一平面上にならないように設定する
ことを特徴とする請求項1記載の人体の部位別の質量および重心の測定方法。 - 前記第1ステップにおいて、
1つの部位にのみ測定点を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の人体の部位別の質量および重心の測定方法。 - 前記第1ステップにおいて、
複数の部位に測定点を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の人体の部位別の質量および重心の測定方法。 - 前記第2ステップにおいて、
鉛直床反力を測定し、
前記第3ステップにおいて、
前記鉛直床反力が基準値よりも大きいもしくは小さい場合は、重回帰分析に用いるデータから取り除く
ことを特徴とする請求項1記載の人体の部位別の質量および重心の測定方法。 - 被測定者の部位に、該部位の質量が集中していると仮定する測定点を設定する第1ステップと、
前記測定点の基準姿勢からの変位x i (iは測定点の番号を示す。)と、
前記基準姿勢の被測定者の床反力の重心位置を基準点とし、該基準点周りの被測定者の体全体により加えられるモーメントMとを、
前記測定点を設定した部位のみ姿勢を変化させながら断続的に測定する第2ステップと、
M/g=Σmixi
(gは重力加速度、m i は測定点の質量、Σは測定点の総和を示す。)
の式を用いて、前記第2ステップにより得られたデータから、前記部位の測定点における質量miを、M/gを従属変数、x i を独立変数、m i を偏回帰変数とした重回帰分析により推定する第3ステップと、
前記測定点の質量m i の総和から前記部位の質量を求める第4ステップと、
前記測定点の質量m i と位置とから前記部位の重心を求める第5ステップとを順に行う
ことを特徴とする人体の部位別の質量および重心の測定方法。 - 被測定者の部位に、該部位の質量が集中していると仮定する測定点を設定する第1ステップと、
前記測定点の基準姿勢からの変位x i (iは測定点の番号を示す。)と、
任意の点周りの被測定者の体全体により加えられるモーメントMとを、
前記測定点を設定した部位のみ姿勢を変化させながら断続的に測定する第2ステップと、
(dM/dt)/g=Σmi(dxi/dt)
(dM/dtはモーメントMの時間微分、dxi/dtは変位xiの時間微分、gは重力加速度、m i は測定点の質量、Σは測定点の総和を示す。)
の式を用いて、前記第2ステップにより得られたデータから、前記部位の測定点における質量miを、(dM/dt)/gを従属変数、(dx i /dt)を独立変数、m i を偏回帰変数とした重回帰分析により推定する第3ステップと、
前記測定点の質量m i の総和から前記部位の質量を求める第4ステップと、
前記測定点の質量m i と位置とから前記部位の重心を求める第5ステップとを順に行う
ことを特徴とする人体の部位別の質量および重心の測定方法。 - 被測定者の全ての部位に、該部位の質量が集中していると仮定する測定点を設定する第1ステップと、
前記測定点の基準姿勢からの変位x i (iは測定点の番号を示す。)と、
任意の点周りの被測定者の体全体により加えられるモーメントMとを、
前記測定点を設定した部位の姿勢を変化させながら断続的に測定する第2ステップと、
M/g=Σmixi+(Fz-Σmi)xN
(gは重力加速度、m i は測定点の質量、Fzは鉛直床反力、Nは測定点の数、ΣはN番目の測定点以外の測定点の総和を示す。)
の式を用いて、前記第2ステップにより得られたデータから、前記部位の測定点における質量miを、M/gを従属変数、x i を独立変数、m i を偏回帰変数とした重回帰分析により推定する第3ステップと、
前記測定点の質量m i の総和から前記部位の質量を求める第4ステップと、
前記測定点の質量m i と位置とから前記部位の重心を求める第5ステップとを順に行う
ことを特徴とする人体の部位別の質量および重心の測定方法。
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