JP5446793B2 - 感光性樹脂組成物、およびこれを用いた物品、及びネガ型パターン形成方法 - Google Patents
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Description
半導体集積回路やプリント基板上の回路パターン形成は、素材表面へのレジスト剤の造膜、所定箇所への露光、エッチング等による不要箇所の除去、基板表面の洗浄作業等の煩雑で多岐に亘る工程を経て行われることから、回路パターンの製造工程を簡略化するために、露光、現像によるパターン形成後も必要な部分のレジストを絶縁材料としてそのまま残して用いることができる耐熱感光性材料が望まれている。これらの材料として、ポリイミドをベースポリマーとした耐熱感光性材料が提案されている。
本発明に用いられる上記式(1)、又は式(2)で表される光塩基発生剤は、200〜500nmの波長の光を感光して効率よく第1級アミンを発生させ、そして加熱により触媒活性の高いアミジンを発生させることができるので、塩基の作用によって最終生成物への反応が促進されるポリイミド前駆体に対して、非常に有効な感光性成分として作用する。
本発明によれば、従来、露光部と未露光部の間で溶解性のコントラストを取りにくかったポリイミド前駆体についても、溶解阻害剤、溶解抑制剤の適用なしで良好なパターン形状を得ることができる。
特に、本発明に係る感光性組成物は、主にパターン形成材料(レジスト)として用いられ、それによって形成されたパターンは、永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する成分として機能し、例えば、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材、又は建築材料を形成するのに適している。
上記ネガ型パターン形成方法においては、ポリイミド前駆体と、光塩基発生剤として上記一般式(1)または一般式(2)で表されるような光塩基発生剤を組み合わせて用いることにより、感光性樹脂組成物からなる塗膜又は成形体の表面を現像液から保護するためのレジスト膜を用いずに、現像を行うネガ型パターン形成が可能である。
なお、本発明において、光塩基発生剤の結合を開裂させる光、電磁波とは、光分解反応を引き起こすことが可能なものであればよく、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
特に前記本発明に係る上記式(1)、式(2)で表される光塩基発生剤は、触媒活性の高いアミジンを発生させることができるので、感光性樹脂組成物における塩基発生剤の添加量を少なくすることが可能であり、相対的にポリイミドの量を多くすることができるので、永久膜として用いられるポリイミド膜のアウトガス発生の低減、耐熱性、機械特性等の物性が優れたものとなる。或いは、従来と同量の塩基発生剤を用いると、感光性樹脂組成物の感度を向上させることが可能である。
本発明によれば、従来、露光部と未露光部の間で溶解性のコントラストを取りにくかったポリイミド前駆体について、溶解阻害剤、溶解抑制剤の適用なしで良好なパターン形状を得ることができる。
また、本発明に用いられる光塩基発生剤は、感光前において、塩基性がないため、反応組成物中に含有させておいても、反応性組成物の貯蔵安定性を低下するということがない。また、本発明に用いられる光塩基発生剤は、熱に対しても安定であり、光を照射しない限り、加熱しても塩基を発生しにくい。従って、本発明の感光性樹脂組成物は、貯蔵安定性が高いというメリットもある。
本発明の感光性樹脂組成物には、一般式(1)で表される光塩基発生剤、及び/又は、一般式(2)で表される光塩基発生剤が用いられる。
R1及びR2のうち、炭素数1〜18(1〜12が好ましく、さらに好ましくは1〜8である。)のアルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル及びn−オクタデシル等)、分岐アルキル基(イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、イソヘキシル、2−エチルヘキシル及び1,1,3,3−テトラメチルブチル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)及び架橋環式アルキル基(ノルボルニル、アダマンチル及びピナニル等)が含まれる。R1及びR2は同じであっても、異なっていてもよい。アルキル基としては、以上の他に、アルキル基の水素原子の一部を水酸基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜18のアルコキシ基、及び/又は、炭素数1〜18のアルキルチオ基等で置換した置換アルキル基も含まれる。置換されたアルキル基には、例えば、アリールアルキル基(ベンジル等)が含まれる。
nは、2〜3の整数であり、第1級アミンからアミジンへの環化反応の容易さ等の観点から、3が好ましい。
上記一般式(1)、又は一般式(2)において、Aは、光を吸収する置換基であって、光を吸収することにより、A-O-CO-NH−(CH2)n−部分が、式(3’)又は式(4’)で表される化合物と、二酸化炭素と、式(5)又は式(6)とに分解する。そして、式(5)又は式(6)の部分が、1級アミンとして発生する。
また、アシル基は、有機酸からヒドロキシル基が除去されてつくられる基であり、一般式はRCO−(ここでRは、水素原子、或いは、脂肪族、脂環族、及び/又は芳香族の基)で表される。炭素数1〜18のアシル基としては、例えばホルミル、アセチル、オクタデシロイル等に加え、ベンゾイル、ナフタノイル等の炭素数7〜18のアロイル基も含まれる。
また、炭素数1〜18のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、デシルオキシ、オクタデシルオキシ、イソオクタデシルオキシが挙げられ、炭素数1〜18のアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ及びオクチルチオ等が挙げられる。
また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。
qが2以上の場合、すべてのR4が同じでも、全て異なってもよく、一部異なってもよい。
カーバメート結合を形成するには、アルコール(A−OH)と、第1級アミンと、カーバメート結合形成剤(ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン及びN,N’−カルボニルジイミダゾール等)と反応させることにより達成できる(反応条件等は公知のものでよい)。
カーバメート結合形成剤のうち、安全性等の観点から、N,N’−カルボニルジイミダゾールが好ましい。
他の置換基(R4)を持つニトロベンズアルデヒドやベンゼンは、公知の有機化学反応(フリーデルクラフト反応等)により得てもよいし、市場(和光純薬工業株式会社等)から得てもよい。
以上の反応条件等は公知の範囲と同様である。
R2は一般式(1)、(2)と同様である。R5は炭素数1〜8のアルキルが含まれる。
エステルのうち、メチル酢酸、メチルプロピオン酸、エチル酢酸及びエチルプロピオン酸が好ましく、さらに好ましくはメチル酢酸及びメチルプロピオン酸である。
アルケンニトリルのうち、2−プロピレンニトリルが好ましい。
中でも前記光塩基発生剤は、436nm、及び405nmの波長の電磁波のうち少なくとも1つの波長に吸収を有するだけでなく、405nmの波長の電磁波に対して光分解性を有することが好ましい。436nm、及び405nmの波長の電磁波のうち少なくとも1つの波長に吸収を有していてもこのような波長の電磁波に対して光分解性を有しない場合もある。
405nmの波長の電磁波に対して光分解性を有するかどうかは、例えば、i線(波長:365nm)を全く通さないフィルターを介して高圧水銀灯を用いて光塩基発生剤に照射して、光塩基発生剤が分解するか否か、或いは塩基性物質を発生させるか否かを観測することによって判断できる。
本発明に用いるポリイミド前駆体は、なんらかの溶媒(有機溶剤、又は水溶液)に可溶なものであることが好ましい。溶媒(有機溶剤、又は水溶液)に可溶なものであると、ポリイミド前駆体の当該溶媒に対する溶解性を変化させることにより、その可溶な溶媒を現像液として用いて、適宜、有機溶剤、塩基性水溶液、酸性水溶液、又は中性水溶液による現像をすることが可能になる。
ここで、ある溶媒に可溶とは、具体的には、基板上に形成された塗膜の25℃における当該溶媒に対する溶解速度が、100Å/sec以上を目安とする。当該溶解速度は1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。
例えば、塩基性水溶液に可溶なものは、具体的には、基板上に形成された塗膜の25℃における0.1wt%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する溶解速度が、100Å/sec以上である。当該溶解速度は1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。さらには、より一般的に用いられる現像液である2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、100Å/sec以上であることが好ましく、1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。上記定義による溶解速度が100Å/secより小さい場合、現像時間が遅くなり作業性、生産性が悪くなると共に、露光部、未露光部間の溶解性コントラストが得にくくなる。
したがって、本発明の感光性樹脂組成物のある溶媒に対しての溶解速度は、25℃における当該溶媒に対する溶解速度が、100Å/sec以上であることが好ましく、1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。
単位時間当たりの溶解速度は、上記の方法と同様にして求められ、感光性樹脂組成物の塗膜にパターン露光を行い、露光後の加熱を行った後に、露光部、未露光部の溶解速度を、それぞれ求める。
このような塩基性物質の存在の有無により反応温度差が出来る場合には、反応温度差を利用して、塩基性物質と共存するポリイミド前駆体のみが最終生成物へと反応する適切な温度で加熱することにより、塩基性物質と共存するポリイミド前駆体のみが最終生成物へと反応しある溶媒への溶解性が変化する。従って、塩基性物質の存在の有無によって、ポリイミド前駆体のある溶媒への溶解性を変化させることが可能となり、ひいては当該溶媒を現像液として用いて現像によるパターニングが可能になる。よって、本発明に用いられるポリイミド前駆体としては、塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進され、且つ、加熱により溶解性が、加熱前に比べて低く変化するポリイミド前駆体が好適に用いられる。
ポリアミック酸は、酸2無水物とジアミンを溶液中で混合するのみで得られるので、1段階の反応で合成することができ、合成が容易で低コストで入手できるので好ましい。
副次的な効果として、用いるポリイミド前駆体がポリアミック酸である場合、塩基性物質の触媒効果によりイミド化に要する温度が低くても充分な為、最終キュア温度を300℃未満、更に好ましくは250℃以下まで下げることが可能である。従来のポリアミック酸はイミド化するために最終キュア温度を300℃以上とする必要があった為、用途が制限されていたが、最終キュア温度を下げることが可能になったことによって、より広範囲の用途に適用が可能である。
ここで、全芳香族ポリイミド前駆体とは、芳香族酸成分と芳香族アミン成分の共重合、又は、芳香族酸/アミノ成分の重合により得られるポリイミド前駆体及びその誘導体である。また、芳香族酸成分とは、ポリイミド骨格を形成する4つの酸基が全て芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族アミン成分とは、ポリイミド骨格を形成する2つのアミノ基が両方とも芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族酸/アミノ成分とはポリイミド骨格を形成する酸基とアミノ基がいずれも芳香族環上に置換している化合物である。ただし、後述する原料の具体例から明らかなように、全ての酸基又はアミノ基が同じ芳香環上に存在する必要はない。
さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、及びイソプロペニル基のいずれか1種又は2種以上を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接又は置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(III)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
また、最終的に得られるポリイミドを光導波路、光回路部品として用いる場合には、芳香環の置換基としてフッ素を導入すると1μm以下の波長の電磁波に対しての透過率を向上させることができる。
ここで、選択されるジアミンは耐熱性の観点より芳香族ジアミンが好ましいが、目的の物性に応じてジアミンの全体の60モル%、好ましくは40モル%を超えない範囲で、脂肪族ジアミンやシロキサン系ジアミン等の芳香族以外のジアミンを用いても良い。
このようにして合成されるポリイミド前駆体は、最終的に得られるポリイミドに耐熱性及び寸法安定性を求める場合には、芳香族酸成分及び/又は芳香族アミン成分の共重合割合ができるだけ大きいことが好ましい。具体的には、イミド構造の繰り返し単位を構成する酸成分に占める芳香族酸成分の割合が50モル%以上、特に70モル%以上であることが好ましく、イミド構造の繰り返し単位を構成するアミン成分に占める芳香族アミン成分の割合が40モル%以上、特に60モル%以上であることが好ましく、全芳香族ポリイミドであることが特に好ましい。
露光波長に対してポリイミド前駆体の透過率が高いということは、それだけ、光のロスが少ないということであり、高感度の感光性樹脂組成物を得ることができる。
ここで用いている分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値のことをいい、ポリイミド前駆体そのものの分子量でも良いし、無水酢酸等で化学的イミド化処理を行った後のものでも良い。
感光性樹脂組成物を溶解、分散又は希釈する溶剤としては各種の汎用溶剤を用いることが出来る。また、ポリイミド前駆体としてポリアミック酸を用いる場合には、ポリアミック酸の合成反応により得られた溶液をそのまま用い、そこに必要に応じて他の成分を混合しても良い。
増感剤と呼ばれる化合物の具体例としては、チオキサントン及び、ジエチルチオキサントンなどのその誘導体、シアニン及び、その誘導体、メロシアニン及び、その誘導体、クマリン系及び、その誘導体、ケトクマリン及び、その誘導体、ケトビスクマリン、及びその誘導体、シクロペンタノン及び、その誘導体、シクロヘキサノン及び、その誘導体、チオピリリウム塩及び、その誘導体、キノリン系及び、その誘導体、スチリルキノリン系及び、その誘導体、チオキサンテン系、キサンテン系及び、その誘導体、オキソノール系及び、その誘導体、ローダミン系及び、その誘導体、ピリリウム塩及び、その誘導体等が挙げられる。
クマリン、ケトクマリン及び、その誘導体の具体例としては、3−(2’−ベンゾイミダゾール)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)等が挙げられる。
チオキサントン及び、その誘導体の具体例としては、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
本発明ではこれらの増感剤を1種または2種以上使用することができる。
中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスホアミド、N−アセチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等の極性溶媒が好適なものとして挙げられる。
また、上記増感剤の配合量はポリイミド前駆体の固形分100重量部に対して50重量部未満とすることが好ましく、30重量部未満とすることがより好ましい。また、最終的に得られる樹脂硬化物に求められる諸物性の低下を防ぐため、前記本発明に係る式(1)、(2)で表される光塩基発生剤と増感剤の合計がポリイミド前駆体100重量部に対して50重量部以下であることが望ましい。
また、その他の任意成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の固形分全体に対し、0.1重量%〜20重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満だと、添加物を添加した効果が発揮されにくく、20重量%を超えると、最終的に得られる樹脂硬化物の特性が最終生成物に反映されにくい。なお、感光性樹脂組成物の固形分とは溶剤以外の全成分であり、液状のモノマー成分も固形分に含まれる。
例えば、本発明の感光性樹脂組成物から得られるポリイミドの窒素中で測定した5%重量減少温度は、250℃以上が好ましく、300℃以上がさらに好ましい。特に、はんだリフローの工程を通るような電子部品等の用途に用いる場合は、5%重量減少温度が300℃以下であると、はんだリフローの工程で発生した分解ガスにより気泡等の不具合が発生する恐れがある。
ここで、5%重量減少温度とは、熱重量分析装置を用いて重量減少を測定した時に、サンプルの重量が初期重量から5%減少した時点(換言すればサンプル重量が初期の95%となった時点)の温度である。同様に10%重量減少温度とはサンプル重量が初期重量から10%減少した時点の温度である。
また、本発明によれば、ポリイミド前駆体に前記本発明に係る式(1)、(2)で表される光塩基発生剤を混合するだけという簡便な手法で感光性ポリイミド樹脂組成物を得ることができることから、コストパフォーマンスにも優れる。
さらには、電磁波の照射により発生したアミン、アミジンの触媒効果により、イミド化等の最終生成物への反応に要する処理温度を低減できる為、プロセスへの不可や製品への熱によるダメージを低減することが可能である。
本発明に係るネガ型パターン形成方法は、前記本発明に係る感光性樹脂組成物からなる塗膜又は成形体の表面に、所定のパターン状に電磁波を照射し、必要に応じて熱処理等の後処理を行って、前記塗膜又は成形体の電磁波照射部位の溶解性を選択的に低下させた後、現像することを特徴とする。
本発明に係る感光性樹脂組成物を何らかの支持体上に塗布し、所定のパターン状に電磁波を照射すると、露光部においてのみ、前記光塩基性物質が分解して塩基性物質を生成する。塩基性物質は、露光部のポリイミド前駆体の最終生成物への反応を促進する触媒として作用する。
熱処理等の後処理は、例えば、塩基性物質と共存する露光部のポリイミド前駆体に対してのみ、最終生成物へ反応させる処理とする。従って、熱処理をする場合には、例えば、塩基性物質が存在する露光部と、塩基性物質が存在しない未露光部とで、ポリイミド前駆体の環化率が異なるようになる温度で行うことが好ましい。
具体的には、例えば、120〜200℃で、1分〜20分加熱を行う。
この熱処理は、公知の方法であればどの方法でもよく、具体的に例示すると、空気、又は窒素雰囲気下の循環オーブン、ホットプレートによる加熱などが挙げられるが、特に限定されない。
塩基性水溶液としては、特に限定されないが、例えば、濃度が、0.01重量%〜10重量%、好ましくは、0.05重量%〜5重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液の他、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチルアンモニウムなどの水溶液等が挙げられる。
溶質は、1種類でも2種類以上でも良く、全体の重量の50%以上、さらに好ましくは70%以上、水が含まれていれば有機溶媒等を含んでいても良い。
また、有機溶剤としては、特に限定されないが、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを、単独であるいは2種類以上を組み合わせて添加してもよい。現像後は水にて洗浄を行う。この場合においてもエタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えても良い。
4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコールの合成
500mlマイヤーフラスコに、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド(和光純薬工業株式会社)9.0g、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社)1.7g及びメタノール400mlを入れ、室温(約25℃)にて3時間撹拌した後、得られた反応液を、400mlの水が入った3Lビーカーに撹拌下にて滴下すると黄色懸濁液となった。この黄色懸濁液にクロロホルム200mlを加え抽出操作を行い、有機層を分取しロータリーエバポレーターで溶媒を減圧下にて留去し、淡黄色固体を得た。この固体を酢酸エチル30mlに溶解して再結晶を行い、淡黄色結晶8.0gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この淡黄色結晶が4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコールであることを確認した。
1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エタノールの合成
(1)4,5−ジメトキシ−2−ニトロアセトフェノン(中間体1)の合成
200mlマイヤーフラスコに濃硝酸90ml入れ、冷水浴にて系内の温度を18〜22℃に保ちながら、4,5−ジメトキシアセトフェノン(和光純薬工業株式会社)15.0gを1時間かけて投入した後、同温度にて1時間撹拌し、反応液を1200mlの水の入った3Lビーカーに撹拌下にて30分かけて滴下すると淡黄色の固体が析出した。この固体を吸引ろ過し淡黄色固体を得た。この淡黄色固体をエタノール250mlに溶解し再結晶を行い淡黄色針状結晶(中間体1)8.4gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この淡黄色針状結晶が4,5−ジメトキシ−2−ニトロアセトフェノン(中間体1)であることを確認した。
500mlマイヤーフラスコに、(中間体1)10.0g、テトラヒドロホウ酸ナトリウム1.7g及びメタノール400mlを入れ、室温(約25℃)にて3時間撹拌した後、得られた反応液を400mlの水が入った3Lビーカーに撹拌下にて滴下すると黄色懸濁液となった。この黄色懸濁液にクロロホルム200mlを加え抽出操作を行い、有機層を分取しロータリーエバポレーターで溶媒を減圧下にて留去し、淡黄色固体を得た。この淡黄色固体を酢酸エチル30mlに溶解し再結晶操作を行い、淡黄色結晶8.6gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この淡黄色結晶が1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エタノールであることを確認した。
1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチル−プロパノールの合成
(1)1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メチル−プロパノン(中間体2)の合成
滴下ロート、温度計及びマグネチックスターラーを備えた500mlの三口ガラスフラスコを窒素置換し、塩化アルミニウム(和光純薬工業株式会社)6.68g、1,2−ジメトキシベンゼン(和光純薬工業株式会社)5.52g及びジクロロメタン30mlを仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながら氷浴で冷却し、0〜5℃の混合液を得た。
一方、イソブチリルクロリド(東京化学工業株式会社)4.50gをジクロロメタン10mlに溶解させて、イソブチリルクロリドのジクロロメタン溶液を得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この黄色オイル状物が1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メチル−プロパノン(中間体2)であることを確認した。
合成例2(1)において「4,5−ジメトキシアセトフェノン15.0g」を「(中間体2)17.0g」に変更したこと以外、合成例2(1)と同様にして、淡黄色結晶(中間体3)16.0gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この淡黄色結晶が1−(3,4−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチル−プロパノン(中間体3)であることを確認した。
合成例2(2)において「(中間体1)10.0g」を「(中間体3)12.0g」に変更したこと以外、合成例2(2)と同様にして、淡黄色結晶10.0gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この淡黄色結晶が1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチル−プロパノールであることを確認した。
1−(2−ニトロ−4.5−ジメトキシフェニル)−1−(2−ニトロフェニル)−メタノールの合成
滴下ロート、温度計及びマグネチックスターラーを備えた300mlの三口ガラスフラスコを窒素置換し、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド3.0g及びテトラヒドロフラン200mlを入れ溶解させ、氷浴にて0℃まで冷やした後、2−ニトロ−フェニルリチウム(和光純薬工業株式会社)5、0gを液温が5℃を超えないように滴下ロートより滴下し、液温が5℃以下で3時間撹拌した。その後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を300ml及びジエチルエーテル300mlを投入し、1時間撹拌後、有機層を分取した。有機層を水200mlにて3回洗浄し、有機層を分取、ロータリーエバポレーターで溶媒を減圧下にて留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色固体2.0gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この黄色固体が1−(2−ニトロ−4.5−ジメトキシフェニル)−1−(2−ニトロフェニル)−メタノールであることを確認した。
2−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)プロパノールの合成
(1)4,5−ジメトキシエチルベンゼン(中間体4)の合成
滴下ロート、温度計及びマグネチックスターラーを備えた500mlの三口ガラスフラスコを窒素置換し、塩化アルミニウム(和光純薬工業株式会社)6.68g、1,2−ジメトキシベンゼン(和光純薬工業株式会社)5.52g及びジクロロメタン30mlを仕込み、マグネチックスターラーで撹拌しながら氷浴で冷却し、0〜5℃の混合液を得た。
一方、エチルクロリド(東京化学工業株式会社)3.0gをジクロロメタン10mlに溶解させて、エチルクロリドのジクロロメタン溶液を得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この黄色オイル状物が4,5−ジメトキシエチルベンゼン(中間体4)であることを確認した。
合成例2(1)において「4,5−ジメトキシアセトフェノン15.0g」を「(中間体4)10.0g」に変更したこと以外、合成例2(1)と同様にして、淡黄色結晶(中間体5)8.0gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この黄色結晶が2−エチル−4,5−ジメトキシ−ニトロベンゼン(中間体5)であることを確認した。
100ml二口ナスフラスコを窒素置換し、これに、(中間体5)3.0g及びジメチルスルホキシド30mlを入れ、室温(約25℃)にて溶解させた後、パラホルムアルデヒド(和光純薬工業株式会社)1.0g及びt−ブトキシカリウム(和光純薬工業株式会社)1.0gを入れ室温(約25)にて3時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて中和し、ジクロロメタン及び水を加えて30分撹拌した後、有機層を分取し、有機層を水200mlにて3回洗浄し、有機層を分取、ロータリーエバポレーターで溶媒を減圧下にて留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色固体2.0gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この黄色固体が2−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)プロパノールであることを確認した。
N−(3−アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタムの合成
100mlマイヤーフラスコに、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、サンアプロ株式会社、「DBU」は同社の登録商品である)15g及び水10gを加え、80℃で2時間加熱撹拌した後、減圧乾燥機にて水を留去し、透明油状物16.5gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この透明油状物がN−(3−アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタムであることを確認した。
N−(3−アミノプロピル)−4−ペンタンラクタムの合成
100mlマイヤーフラスコに、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN、サンアプロ株式会社)15g及び水10gを加え、80℃で2時間加熱撹拌した後、減圧乾燥機にて水を留去し、透明油状物16.5gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この透明油状物がN−(3−アミノプロピル)−4−ペンタンラクタムであることを確認した。
N−(3−アミノプロピル)−N−メチルアセトアミドの合成
(1)N−(3−アミノプロピル)−アセトアミド(中間体6)の合成
100mlマイヤーフラスコに、プロピレンジアミン(和光純薬工業株式会社)3.0g及びメチル酢酸(和光純薬工業株式会社)1.0gを入れ、室温(約25℃)にて3時間撹拌して、透明油状物4.0gを得た。
この透明油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、透明油状物(中間体6)を得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この透明油状物がN−(3−アミノプロピル)−アセトアミドであることを確認した。
100mlマイヤーフラスコに、(中間体6)4.0g及びビス(1,1−ジメチルエチル)ジカルボナート2.0g(和光純薬工業株式会社)を入れ、室温(約25℃)にて3時間攪拌して、アミノ基をBoc基で保護した。その後、ジメチル硫酸(和光純薬工業株式会社)1.0gを加え、室温(約25℃)にて3時間撹拌した後、2N塩酸5.0gを加え、室温(約25℃)にて1時間攪拌し、フラスコの底に沈んだ透明油状物を分離して、透明油状物4.0gを得た。
なお、1H−NMRによる分析の結果、この透明油状物がN−(3−アミノプロピル)−N−メチルアセトアミドであることを確認した。
N−(N’−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタムの合成
滴下ロート、温度計及びマグネチックスターラーを備えた100mlの三口ガラスフラスコを窒素置換し、N,N’−カルボニルジイミダゾール(東京化学工業株式会社)1.78g及びN,N−ジメチルホルムアミド5mlを加えて懸濁させ、懸濁液をマグネチックスターラーで撹拌しながら氷浴で冷却し、0〜5℃の懸濁液を得た。
一方、合成例1で得た「4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール」2.13gをN,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶解させて、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコールのDMF溶液を得た。
N−(N’−((1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エトキシ)カルボニル)アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタムの合成
製造例1において「合成例1で得た4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール2.13g」を「合成例2で得た1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エタノール2.3g」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、本発明に用いられる光塩基発生剤(2)(淡黄色固体3.3g)を得た。
N−(N’−((1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチル−プロポキシ)カルボニル)アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタムの合成
製造例1において「合成例1で得た4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール2.13g」を「合成例3で得た1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−2−メチル−プロパノール2.6g」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、本発明に用いられる光塩基発生剤(3)(淡黄色固体3.5g)を得た。
N−(N’−((1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−1−(2−ニトロフェニル)メトキシ)カルボニル)アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタムの合成
製造例1において「合成例1で得た4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール2.13g」を「合成例4で得た1−(2−ニトロ−4.5−ジメトキシフェニル)−1−(2−ニトロフェニル)−メタノール3.0g」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、本発明に用いられる光塩基発生剤(4)(淡黄色固体4.0g)を得た。
N−(N’−((1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エトキシ)カルボニル)アミノプロピル)−4−ペンタンラクタムの合成
製造例1において「合成例1で得た4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール2.13g」を「合成例2で得た1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エタノール2.3g」に変更したこと、「合成例6で得たN−(アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタム2.40g」を「合成例7で得たN−(3−アミノプロピル)−4−ペンタンラクタム2.30g」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、本発明に用いられる光塩基発生剤(5)(淡黄色固体4.0g)を得た。
N−(N’−((2−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)プロポキシ)カルボニル)アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタムの合成
製造例1において「合成例1で得た4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール2.13g」を「合成例5で得た2−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)プロパノール3.2g」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、本発明に用いられる光塩基発生剤(6)(淡黄色固体4.0g)を得た。
N−(N’−((1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エトキシ)カルボニル)アミノプロピル)−N−メチルアセトアミドの合成
製造例1において「合成例1で得た4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルアルコール2.13g」を「合成例2で得た1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エタノール2.3g」に変更したこと、「合成例6で得たN−(アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタム2.40g」を「合成例8で得たN−(3−アミノプロピル)−N−メチルアセトアミド2.00g」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、本発明に用いられる光塩基発生剤(7)(淡黄色固体3.0g)を得た。
窒素置換した500mL4つ口セパラブルフラスコに、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.0g(100mmol)および脱水N,N−ジメチルアセトアミド200mLを入れ、氷浴下で撹拌して溶解させた。この溶液に3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.4g(100mmol)を加え、氷浴下で2時間攪拌した。反応溶液をアセトンにより再沈殿し、濾取して得られた沈殿物を室温で8時間減圧乾燥することにより、ポリアミド酸(ポリイミド前駆体1)を白色固体として定量的に得た。
N−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)−2,6−ジメチルピペリジンの合成
製造例1において「合成例6で得たN−(アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタム2.40g」を「2,6−ジメチルピペリジン1.50g」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、比較光塩基発生剤(H1)(淡黄色固体2.0g)を得た。
(1)モル吸光係数の測定
光塩基発生剤(1)〜(3)、及び比較光塩基発生剤(H1)をそれぞれ、電子天秤を用いて秤量し、メスフラスコを用いることにより、濃度10−4mol/Lのアセトニトリル溶液を調製した。この溶液を石英セル(光路長1cm)に入れ、分光光度計(島津製作所社製UV−2550)により190〜800nmの波長範囲での紫外−可視吸収スペクトルを測定した。スペクトルで得られた吸光度から、下式によりモル吸光係数を算出した。結果を表1に示す。本発明に用いられる光塩基発生剤(2)、(3)は波長365および405nmの光を効率よく吸収することが分かった。
(2−1)
本発明の光塩基発生剤が、露光することにより第1級アミンを生じ、さらにこの第1級アミンを加熱することにより、アミジンを発生することを以下のように確認した。
その後、1H−NMR(300MHz)分析を行い、本発明に用いられる光塩基発生剤(1)が分解し、第1級アミン{N−(アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタム}が生成したことを確認した{ベンジル位のプロトンのシグナル5.30ppm(s、2H)が消失し、N−(アミノプロピル)−6−ヘプタンラクタムのシグナルを確認した。}。
NMRデータ:3.30(m、4H)、3.20(t、2H)、2.40(t、2H)、1.50−1.80(m、8H)
アミジン:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
[塩基発生剤(5)]
NMRデータ:3.50(m、4H)、3.40(t、2H)、2.60(t、2H)、1.50−1.80(m、4H)
アミジン:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
[塩基発生剤(7)]
NMRデータ:3.30(t、2H)、2.70(s、3H)、1.90(s、3H)、1.60(m、2H)、1.00(t、2H)
アミジン:N−メチル−2−メチル−1,3−ジアザシクロ−2−エン
なお、第1級アミンのアミジンへの転換率(モル%)は、第1級アミンとアミジンとのプロトン積分値から算出した。
光塩基発生剤(1)〜(3)、及び比較光塩基発生剤(H1)について、石英製NMRチューブ中に電子天秤を用いて1.0mg秤量し、重アセトニトリル0.5mLを加え溶解させた。このサンプルに、350nm以下の波長を透過しないフィルター1を介して高圧水銀灯(ウシオ電機社製SPOT CURE SP―III 250UA、ランプ型番:USH−255BY)の全波長をフィルター通過前100J/cm2(i線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)、フィルター通過後18.2J/cm2(i線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)光を照射し、照射前後のNMRスペクトルの比較を行うことにより、i(365nm)線以上の波長領域における光分解性の評価を行った。同様に、380nm以下の波長を透過しないフィルター2を介して高圧水銀灯の全波長をフィルター通過前100J/cm2(i線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)、470J/cm2(h線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−101、受光器:UVD−405PD)、フィルター通過後0J/cm2(i線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−150、受光器:UVD−S365)、160J/cm2(h線換算:紫外線照度計:ウシオ電機社製UIT−101、受光器:UVD−405PD)光を照射し、照射前後のNMRスペクトルを比較することにより、h線(405nm)以上の波長領域における光分解性の評価を行った。図1にフィルター1とフィルター2の透過率曲線を示す。光分解性の評価結果を表3に示す。
光塩基発生剤(1)〜(3)、及び比較光塩基発生剤(H1)について、DTG−60(島津製作所製)を用いて30℃から600℃まで昇温速度10℃/minでTG−DTA測定を行った。5%重量減少温度を算出し、耐熱性の評価を行った。耐熱性の評価結果を表4に示す。
光塩基発生剤(1)を0.12g、上記ポリイミド前駆体1を1g、N,N−ジメチルアセトアミド8.2gに溶解させ、本発明の感光性樹脂組成物(感光性樹脂組成物1)を得た。
光塩基発生剤(2)を0.12g、上記ポリイミド前駆体1を1g、N,N−ジメチルアセトアミド8.2gに溶解させ、本発明の感光性樹脂組成物(感光性樹脂組成物2)を得た。
光塩基発生剤(3)を0.12g、上記ポリイミド前駆体1を1g、N,N−ジメチルアセトアミド8.2gに溶解させ、本発明の感光性樹脂組成物(感光性樹脂組成物3)を得た。
光塩基発生剤(4)を0.12g、上記ポリイミド前駆体1を1g、N,N−ジメチルアセトアミド8.2gに溶解させ、本発明の感光性樹脂組成物(感光性樹脂組成物4)を得た。
比較光塩基発生剤(H1)を0.12g、上記ポリイミド前駆体1を1g、N,N−ジメチルアセトアミド8.2gに溶解させ、感光性樹脂組成物(比較感光性樹脂組成物1)を得た。
(比較例2)
比較光塩基発生剤(H1)を0.15g、上記ポリイミド前駆体1を1g、N,N−ジメチルアセトアミド8.2gに溶解させ、感光性樹脂組成物(比較感光性樹脂組成物1)を得た。
(1)アミンのイミド化促進効果
上記ポリイミド前駆体1を1g、N,N−ジメチルアセトアミド8.2gに溶解することによりポリイミド前駆体ワニスを調製した。調製したワニスに、ジアザビシクロウンデセンをポリイミド前駆体1の固形分に対して、1、3、5、又は7wt%加えた樹脂組成物を4つ調製した。各樹脂組成物を各々クロムめっきされたガラス板上に乾燥後膜厚4μmになるようにスピンコートし、100℃のホットプレート上で10分間乾燥させた後、180℃で10分間加熱した。各塗膜のIRスペクトルを測定することにより、各サンプルのイミド化率を測定した。また、シクロヘキシルアミンをポリイミド前駆体1の固形分に対して、1、3、5,7wt%加えた樹脂組成物についても、同様にサンプルを作製し、IRスペクトルを測定し、比較を行った。
感光性樹脂組成物1を、ガラス板上に最終膜厚4μmになるようにスピンコートし、100℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本科研製、MA−1100)でi線換算で、2J/cm2の紫外−可視光線照射を行い、その後、170℃のホットプレート上で5分加熱したのち、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%溶液にイソプロパノールを10wt%添加した溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。さらに、それらのサンプルを300℃で1時間加熱しイミド化を行った。
感光性樹脂組成物2を、ガラス板上に最終膜厚2μmになるようにスピンコートし、100℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本科研製、MA−1100)でi線換算で、1J/cm2の紫外−可視光線照射を行い、その後、170℃のホットプレート上で5分加熱したのち、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%溶液にイソプロパノールを10wt%添加した溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。さらに、それらのサンプルを300℃で1時間加熱しイミド化を行った。
感光性樹脂組成物3を、ガラス板上に最終膜厚2μmになるようにスピンコートし、100℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本科研製、MA−1100)でi線換算で、1J/cm2の紫外−可視光線照射を行い、その後、170℃のホットプレート上で5分加熱したのち、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%溶液にイソプロパノールを10wt%添加した溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。さらに、それらのサンプルを300℃で1時間加熱しイミド化を行った。
感光性樹脂組成物4を、ガラス板上に最終膜厚5μmになるようにスピンコートし、100℃のホットプレート上で10分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本科研製、MA−1100)でi線換算で、1J/cm2の紫外−可視光線照射を行い、その後、170℃のホットプレート上で5分加熱したのち、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド 2.38%溶液にイソプロパノールを10wt%添加した溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。さらに、それらのサンプルを300℃で1時間加熱しイミド化を行った。
この結果から、本発明の感光性樹脂組成物は、良好なパターンを形成することできることが明らかとなった。
また、同様に比較感光性樹脂組成物1を用いてパターン形成を行ったが、露光部においてもパターン膜が残存せずパターンを得ることができなかった。光塩基発生剤の添加量を増やした比較感光性樹脂組成物2を用いてパターン形成を行ったところ2J/cm2の照射によりパターン形成することが可能であった。
Claims (14)
- 一般式(1)又は一般式(2)で表される光塩基発生剤、及びポリイミド前駆体を含有する、感光性樹脂組成物。
(R1及びR2は水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基又は炭素数6〜12のアリール基であり、nは2〜3の整数、mは3〜5の整数、Aは一般式(3)又は一般式(4)で表される基である。)
(R3は、水素原子、フェニル基、又は炭素数1〜8のアルキル基、或いは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜18のアシル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、水酸基、及びハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも1種の置換基を有するフェニル基を表し、R4は炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数2〜18のアルキニル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜18のアシル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のアルキルチオ基、水酸基又はハロゲン原子を表し、qは1〜4の整数、qが2〜4の場合、R4は同じでも異なってもよい。) - 前記ポリイミド前駆体は、それ自体が塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進されるものである、請求項1乃至3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリイミド前駆体は、それ自体が塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進され、且つ、加熱により溶解性が変化するものである、請求項1乃至4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 更に、増感剤を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリイミド前駆体がポリアミック酸である、請求項1乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光塩基発生剤が350nm以上の波長の電磁波に対して光分解性を有する、請求項1乃至7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光塩基発生剤が400nm以上の波長の電磁波に対して光分解性を有する、請求項1乃至8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記光塩基発生剤の5%重量減少温度が170℃以上である、請求項1乃至9のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 塗料又は印刷インキ、或いは、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料の形成材料として用いられる、請求項1乃至10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記請求項1乃至11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又はその硬化物により少なくとも一部分が形成されている、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料いずれかの物品。
- 前記請求項1乃至11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる塗膜又は成形体の表面に、所定のパターン状に電磁波を照射し、前記塗膜又は成形体の電磁波照射部位の溶解性を選択的に低下させた後、現像する、ネガ型パターン形成方法。
- 電磁波を照射後、加熱処理を行って、前記塗膜又は成形体の電磁波照射部位の溶解性を選択的に低下させる、請求項13に記載のネガ型パターン形成方法。
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