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JP5450010B2 - ハニカム構造体 - Google Patents
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Description

本発明は、ハニカム構造体に関し、さらに詳しくは、缶体に収納して排気ガスを排出するための配管に装着したときに、ハニカム構造体と缶体との間から排ガスが漏れることを防止することができるハニカム構造体に関する。
化学、電力、鉄鋼等の様々な分野において、環境対策や特定物質の回収等のために使用される触媒装置用の担体、又はフィルタとして、耐熱性、耐食性に優れるセラミック製のハニカム構造体が採用されている。特に、近時では、ハニカム構造体は、両端面のセル開口部を交互に目封止して目封止ハニカム構造体とし、ディーゼル機関等から排出される粒子状物質(PM:パティキュレートマター)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)として盛んに用いられている。そして、高温、腐食性ガス雰囲気下で使用されるハニカム構造体の材料としては、耐熱性、化学的安定性に優れた、炭化珪素(SiC)、コージェライト、チタン酸アルミニウム(AT)等が好適に用いられている。
炭化珪素は、熱膨張率が比較的大きいため、炭化珪素を骨材として形成されるハニカム構造体は、大きなものを形成すると使用時に熱衝撃により欠陥が生じることがある。また、捕集した粒子状物質を燃焼除去する際の熱衝撃により欠陥が生じることがある。そのため、炭化珪素を骨材として形成されるハニカム構造体については、所定の大きさ以上のものを製造する場合、通常、複数の小さい目封止ハニカム構造体のセグメント(ハニカムセグメント)を作製し、それらセグメントを接合して、一つの大きい接合体を作製し、その外周を粗加工、研削して円筒状等の所望の形状の目封止ハニカム構造体としている(例えば、特許文献1,2参照)。そして、セグメントの接合は接合材を用いて行い、所定のセグメントの側面(外周面)に接合材を塗布して、複数のセグメントをその側面同士で接合している。それにより、複数のセグメントが接合部を介して接合されたハニカム構造体が得られる。
特開2003−291054号公報 特開2001−96117号公報
従来のように、複数のセグメントを接合して、一つの大きい接合体を作製し、その外周を粗加工、研削して円筒状等の所望の形状の目封止ハニカム構造体を作製する場合、粗加工、研削によって原料のロスが発生するという問題があった。また、研削等の余分な工程を要するため、生産効率が低下するという問題があった。
また、底面が円形や楕円形の筒状の目封止ハニカム構造体は、四角い空間に搭載する場合には、空間の角の部分が空いてしまい、搭載空間が無駄になるという問題もあった。これに対し、底面が四角形の筒状の目封止ハニカム構造体であれば、四角い空間に搭載する場合に、空間の角の部分にも目封止ハニカム構造体が配置されるため、搭載空間を無駄にすることがない。このような底面が四角形の筒状の目封止ハニカム構造体は、自動車のような狭い空間に搭載する場合であって、その空間形状が四角形に近いものである場合に、当該狭い空間を有効に利用することができる。
しかし、底面が四角形の筒状の目封止ハニカム構造体は、クッション材等を当該目封止ハニカム構造体の側面に配した状態で缶体等に収納して使用する場合に、目封止ハニカム構造体の角部とクッション材等との間に隙間が形成されるという問題があった。このような隙間が形成されると、排ガスが、目封止ハニカム構造体によって処理されずに当該隙間を通って排出されるという問題が生じる。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、缶体に収納して排気ガスを排出するための配管に装着したときに、ハニカム構造体と缶体との間から排ガスが漏れることを防止することができるハニカム構造体を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、以下のハニカム構造体を提供する。
[1] 流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と最外周に位置する外周壁とを有し、流体の入口側の端面における所定のセルの開口部と、流体の出口側の端面における残余のセルの開口部に目封止部を有する四角柱状のハニカムセグメントを、複数個備え、前記複数個のハニカムセグメントは、セル密度が15.5〜62.0セル/cmであり、かつ、セルの延びる方向に直交する断面において、前記外周壁が円弧状の角部を有する四角形であり、前記複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置されると共に、前記対向する側面同士が接合部により接合され、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状が四角形であり、全体形状における四隅に配置された前記ハニカムセグメントの前記角部の中で、全体形状における頂点を形成する前記角部が、2セルピッチの長さ以上、前記ハニカムセグメントの一辺の長さ以下の半径の円弧状に形成され、セルの延びる方向に直交する断面において、前記四隅に配置されたハニカムセグメントを除く前記ハニカムセグメントの全ての前記角部が、1セルピッチの長さ以上、3セルピッチの長さ未満の半径の円弧状に形成され、セルの延びる方向に直交する断面において、前記全体形状における頂点を形成する円弧状の前記角部の半径が、前記四隅に配置されたハニカムセグメントを除く前記ハニカムセグメントの全ての円弧状の前記角部の半径よりも大きいハニカム構造体。
[2] 複数個の前記ハニカムセグメントのうち、前記四隅に配置されたハニカムセグメントを除く前記ハニカムセグメントが、全て同じ形状である[1]に記載のハニカム構造体。
[3] 複数個の前記ハニカムセグメントが、全て同じ形状である[1]に記載のハニカム構造体。
本発明のハニカム構造体によれば、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状が四角形であり、全体形状における四隅に配置されたハニカムセグメントの角部の中で、全体形状における頂点を形成する角部が、「2セルピッチの長さ以上、ハニカムセグメントの一辺の長さ以下」の半径の円弧状に形成され、更に、セルの延びる方向に直交する断面において、四隅に配置されたハニカムセグメントを除くハニカムセグメントの全ての角部が、1セルピッチの長さ以上、3セルピッチの長さ未満の半径の円弧状に形成され、更に、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状における頂点を形成する円弧状の角部の半径が、四隅に配置されたハニカムセグメントを除くハニカムセグメントの全ての円弧状の角部の半径以上の長さであるため、缶体に収納して排気ガスの配管に装着したときに、ハニカム構造体と缶体との間から排ガスが漏れることを防止することができるとともに、ハニカム構造体に応力がかかって僅かに変形した場合に、隣接して配置されるハニカムセグメントの角部同士が接触することを防止することができる。また、ハニカム構造体の外周の凹凸を小さくすることができる。
本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 本発明のハニカム構造体の一の実施形態の、セルの延びる方向に直交する断面を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体の一実施形態を構成するハニカムセグメントの、セルの延びる方向に直交する断面の一部を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体の一実施形態を構成するハニカムセグメントの、一方の端面の一部を示す平面図である。 本発明のハニカム構造体の一実施形態を構成するハニカムセグメントの、セルの延びる方向に平行な断面の一部を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体の他の実施形態の、セルの延びる方向に直交する断面を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の、セルの延びる方向に直交する断面を示す模式図である。 本発明のハニカム構造体の一の実施形態を缶体に収納した状態を示し、セルの延びる方向に直交する断面を示す模式図である。
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
(1)ハニカム構造体:
本発明のハニカム構造体の一の実施形態は、図1〜図4に示すように、流体の流路となる複数のセル1を区画形成する多孔質の隔壁2と最外周に位置する外周壁3とを有し、流体の入口側の端面11における所定のセル1の開口部と、流体の出口側の端面12における残余のセル1の開口部に目封止部6を有する四角柱状のハニカムセグメント4を、複数個備え、複数個のハニカムセグメント4が、互いの側面5同士が対向するように隣接して配置されると共に、対向する側面5同士が接合部13により接合され、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状が四角形であり、「全体形状における四隅(四つの「ハニカム構造体100の角の位置22」)に配置されたハニカムセグメント」の角部7(各ハニカムセグメントは、1つの角部7R及び3つの角部7rを有する)の中で、全体形状における頂点21を形成する角部7(7R)が、2セルピッチPの長さ以上、ハニカムセグメント4の一辺の長さL以下の半径の円弧状に形成され、セルの延びる方向に直交する断面において、四隅(四つの、ハニカム構造体100の角の位置22)に配置されたハニカムセグメント4を除くハニカムセグメント4の全ての角部7(7r)が、1セルピッチPの長さ以上、3セルピッチPの長さ未満の半径の円弧状に形成され、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状における頂点を形成する「円弧状の角部7(7R)」の半径が、四隅に配置されたハニカムセグメントを除くハニカムセグメントの全ての「円弧状の角部7(7r)」の半径以上の長さのものである。
たものである。
図1は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。図2は、本発明のハニカム構造体の一の実施形態の、セルの延びる方向に直交する断面を示す模式図である。図3は、本発明のハニカム構造体の一実施形態を構成するハニカムセグメントの、セルの延びる方向に直交する断面の一部を示す模式図である。図4は、本発明のハニカム構造体の一実施形態を構成するハニカムセグメントの、一方の端面の一部を示す平面図である。図1においては、隔壁、セル及び目封止部は省略されている。
このように、本実施形態のハニカム構造体100は、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状が四角形であり、全体形状における四隅に配置されたハニカムセグメントの角部の中で、全体形状における頂点を形成する角部が、「2セルピッチの長さ以上、ハニカムセグメントの一辺の長さ以下」の半径の円弧状に形成されているため、缶体に収納して排気ガスの配管に装着したときに、ハニカム構造体100と缶体との間から排ガスが漏れることを防止することができる。つまり、底面が四角形の筒状(以下、「四角柱状」と称することがある)のハニカム構造体100の、セルの延びる方向に直交する断面における四つの頂点(角)が、所定の大きさの円弧状に形成されているため、ハニカム構造体100を、クッション材等を側面に配した状態で缶体等に収納して使用する場合に、ハニカム構造体100の四つの頂点(角)と、クッション材等との間に隙間が形成されることが防止され、排ガスが漏れることを防止することができる。更に、セルの延びる方向に直交する断面において、四隅に配置されたハニカムセグメントを除くハニカムセグメントの全ての角部が、1セルピッチの長さ以上、3セルピッチの長さ未満の半径の円弧状に形成されるとともに、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状における頂点を形成する円弧状の角部の半径が、四隅に配置されたハニカムセグメントを除くハニカムセグメントの全ての円弧状の角部の半径以上の長さであるため、ハニカム構造体に応力がかかって僅かに変形した場合に、隣接して配置されるハニカムセグメントの角部同士が接触することを防止することができるとともに、ハニカム構造体の外周の凹凸を小さくすることができる。
また、本実施形態のハニカム構造体100は四角柱状であるため、自動車等の狭い空間(特に四角い空間)の中で、排ガスの流れる方向(セルの延びる方向)に直交する断面の面積を、最大限広くすることができる。それにより、一定の体積の空間において最大限の煤(粒子状物質)堆積容量を確保することができ、煤の堆積の初期段階及び煤が一定量堆積した後のそれぞれにおける、排ガスが通過する際の圧力損失を低くすることが可能となる。例えば、底面の一辺が143.8mm(四つの頂点が、「ハニカムセグメントの一辺の長さ」の半径の円弧状)の本実施形態のハニカム構造体100と、底面の直径が143.8mmの円柱状のハニカム構造体とを比較すると、煤堆積容量は、本実施形態のハニカム構造体100が円柱状のハニカム構造体の1.1倍であり、圧力損失は、本実施形態のハニカム構造体100が円柱状のハニカム構造体に対して10%低減される。
ここで、「角部7(7R)が、「2セルピッチPの長さ以上、ハニカムセグメント4の一辺の長さL以下」の半径の円弧状に形成され」とは、角部7(ハニカム構造体の頂点に位置する、ハニカムセグメントの角部7R)が、図1、図2に示すように円弧状に形成され、その円弧の半径が「セルピッチPの2つ分の長さ以上、ハニカムセグメント4の一辺の長さL以下」であることを意味する。また、「セルの延びる方向に直交する断面において、四隅に配置されたハニカムセグメントを除くハニカムセグメントの全ての角部7(7r)が、1セルピッチの長さ以上、3セルピッチの長さ未満の半径の円弧状に形成される」とは、角部7(ハニカム構造体の四隅(角の位置)を構成しないハニカムセグメントの角部7r)が、図1、図2に示すように円弧状に形成され、その円弧の半径が「セルピッチPの1つ分の長さ以上、セルピッチPの3つ分の長さ未満」であることを意味する。また、「セルピッチ」とは、図3に示すように、1つのセルの幅Wに、「隔壁の厚さTの1/2」を2倍した値、を加えた長さ(即ち、セルピッチ=W+T)である。また、「ハニカムセグメント4の一辺の長さ」は、セルの延びる方向に直交する断面において、ハニカムセグメント4の角部が円弧状ではなく、ハニカムセグメント4が、直線のみから形成された通常の四角形である、と仮定した場合の一辺の長さのことである。
尚、本実施形態のハニカム構造体100は、セルの延びる方向に直交する断面において、セルの形状は正方形であり、ハニカムセグメント4の形状も正方形である。セルの形状が長方形の場合、セルの幅Wは、縦と横の平均の長さとする。また、ハニカムセグメントの形状が長方形の場合、ハニカムセグメント4の一辺の長さLは、縦と横の平均の長さとする。また、セル形状が六角形や八角形の場合、セルの幅Wは、対向する2辺間の距離の中で最短の長さとする。例えば、六角形の場合、対向する2辺が3組存在するが、当該3組の対向する2辺間の距離の中で最短の距離である。
本実施形態のハニカム構造体100は、複数の「目封止部を有する四角柱状のハニカムセグメント4」が、互いの側面5同士が対向するように隣接して配置されると共に、対向する側面5同士が接合部13により接合された構造である。そして、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状が四角形であり、正方形又は長方形が好ましい。また、本実施形態のハニカム構造体100の、セルの延びる方向に直交する断面における全体形状は、自動車等の搭載空間の大きさ、形状によって、適宜好ましい形状の四角形とすることができる。
本実施形態のハニカム構造体100は、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状が四角形であり、「全体形状における四隅(四つの「ハニカム構造体100の角の位置22」)に配置されたハニカムセグメント」の角部7(各ハニカムセグメントは、1つの角部7R及び3つの角部7rを有する)の中で、全体形状における頂点21を形成する角部7R(以下、「頂点に位置する角部7R」と称することがある。)が、「2セルピッチPの長さ」以上、「ハニカムセグメント4の一辺の長さL」以下の半径の円弧状に形成されており、当該「頂点に位置する角部7R」が、「2セルピッチPの長さ」以上、「ハニカムセグメント4の一辺の長さLの1/2」以下の半径の円弧状に形成されていることが好ましく、2セルピッチPの長さ以上、5セルピッチPの長さ未満の半径の円弧状に形成されていることが更に好ましい。「頂点に位置する角部7R」が、「2セルピッチPの長さ」より小さい半径の円弧状に形成されていると、ハニカム構造体を、側面にクッション材等を配して缶体等に収納して使用する場合に、「頂点に位置する角部7R」と、クッション材等との間に隙間が形成されるため好ましくない。特に、使用時の振動等により隙間が形成され、大きくなるため好ましくない。また、「頂点に位置する角部7R」が、「ハニカムセグメント4の一辺の長さL」を超える半径の円弧状に形成されていると、排ガスが通過する方向に直交する断面の面積が小さくなるため、排ガスを処理するときに、圧力損失が大きくなり易いため好ましくない。また、この場合、円弧状の部分と、直線状の部分との繋ぎ目が、滑らかな繋がりにならないため、クッション材等との間に隙間が形成され易くなるため好ましくない。
また、本実施形態のハニカム構造体100は、セルの延びる方向に直交する断面において、「全体形状における四隅(四つの「ハニカム構造体100の角の位置22」)に配置されたハニカムセグメント」の角部7(各ハニカムセグメントは、1つの角部7R及び3つの角部7rを有する)の中で、「頂点に位置する角部7R」を除く角部7(角部7r)が、1セルピッチの長さ以上、3セルピッチの長さ未満の半径の円弧状に形成され、頂点を形成する円弧状の角部7Rの半径が、四隅に配置されたハニカムセグメントを除くハニカムセグメントの全ての円弧状の角部7rの半径以上の長さであることが好ましい。これにより、ハニカム構造体に応力がかかって僅かに変形した場合に、隣接して配置されるハニカムセグメントの角部同士が接触することを防止することができ、更に、ハニカム構造体の外周の凹凸を小さくすることができる。
本実施形態のハニカム構造体100は、セルの延びる方向に直交する断面において、「四隅(四つの「ハニカム構造体100の角の位置22」)に配置されたハニカムセグメント4」を除くハニカムセグメント4(以下、「四隅以外のハニカムセグメント」と称することがある。)の全ての角部7rが、「1セルピッチPの長さ」以上、「3セルピッチPの長さ」未満の半径の円弧状に形成されたものである。このように、「四隅以外のハニカムセグメント」の全ての角部7rが、「1セルピッチPの長さ」以上、「3セルピッチPの長さ」未満の半径の円弧状に形成されていることにより、隣接して配置されるハニカムセグメントの角部同士が接触することを防止することができる。「四隅以外のハニカムセグメント」の全ての角部7rが、「1セルピッチPの長さ」より小さい半径の円弧状に形成されていると、ハニカム構造体に応力がかかって僅かに変形した場合に、隣接して配置されるハニカムセグメントの角部7r同士が接触して、当該角部7rが破損するため好ましくない。また、「四隅以外のハニカムセグメント」の全ての角部7rが、「3セルピッチPの長さ」以上の、大きい半径の円弧状に形成されていると、ハニカム構造体のセルの延びる方向(排ガスが流れる方向)に直交する断面において、接合部の割合が多くなり、排ガスを処理できる面積(断面積)が小さくなり、これにより排ガスを処理する隔壁の面積も小さくなるため好ましくない。このように排ガスを処理する面積(断面積及び隔壁面積)が小さくなると、排ガスを処理するときの圧力損失が大きくなり、排ガスの処理量が少なくなる。ここで、「3セルピッチPの長さ」未満とは、セルピッチPの3倍の長さ未満のことである。尚、「1セルピッチPの長さ」は、セルピッチPの1倍の長さのことである。また、頂点を形成する円弧状の角部7Rの半径が、四隅に配置されたハニカムセグメントを除くハニカムセグメントの全ての円弧状の角部7rの半径以上の長さであることが好ましい。これにより、ハニカム構造体の外周の凹凸を小さくすることができる。
本実施形態のハニカム構造体100は、複数個のハニカムセグメント4のうち、四隅に配置されたハニカムセグメント4を除くハニカムセグメント4(四隅以外のハニカムセグメント)が、全て同じ形状であることが好ましい。これにより、ハニカム構造体100の外周において、ハニカム構造体100の「4つの頂点部分」以外の部分においても、排ガスが漏れるのを防止することができる。また、外周の凹凸を低減することができる。
本実施形態のハニカム構造体100は、複数のハニカムセグメント4が、全て同じ形状である。そのため、各セグメントの形状(大きさ)のばらつきが小さく、ハニカム構造体100の全体形状において、外周の凹凸(セグメント間の繋ぎ目における凹凸等)が少なくなる。これにより、ハニカム構造体100の外周において、ハニカム構造体100の「4つの頂点部分」以外の部分においても、排ガスが漏れるのを防止することができる。また、全てのハニカムセグメント4の形状を同じにすることにより、全てのセグメントを同一原料で一時期に形成することができる。そのため、ハニカムセグメント間の特性(気孔率、強度、隔壁厚さ、セルピッチ等)を揃えることができ、その結果、寸法のばらつきも小さくすることが出来る。また、各ハニカムセグメントの製造ロットが同じであるため、ハニカム構造体を製造した後にもハニカムセグメントの製造履歴を追跡し易い。
このように、複数のハニカムセグメント4が、全て同じ形状である場合、当該ハニカムセグメント4は、セルの延びる方向に直交する断面において、4つの角部が、「2セルピッチPの長さ」以上、「3セルピッチPの長さ」未満の半径の円弧状に形成されたものである。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの材料としては、セラミックが好ましく、強度及び耐熱性に優れることより、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、鉄−クロム−アルミニウム系合金からなる群から選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。これらの中でも、炭化珪素又は珪素−炭化珪素系複合材料が特に好ましい。炭化珪素は、熱膨張率が比較的大きいため、炭化珪素を骨材として形成されるハニカム構造体は、大きなものを形成すると使用時に熱衝撃により欠陥が生じることがあったが、本発明のハニカム構造体は、複数のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置され、対向する側面同士が接合部により接合された構造であるため、炭化珪素の熱膨張による応力が接合部により緩和され、ハニカム構造体の欠陥の発生を防止することができる。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメント(ハニカムセグメントを構成する隔壁)は、多孔質であることが好ましい。ハニカムセグメントの気孔率は30〜80%であることが好ましく、40〜65%であることが更に好ましい。気孔率をこのような範囲とすることにより、強度を維持しながら圧力損失を小さくすることができる。気孔率が30%未満であると、圧力損失が上昇することがある。気孔率が80%を超えると、強度が低下したり、熱伝導率が低下したりすることがある。気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントは、平均細孔径が5〜50μmであることが好ましく、7〜35μmであることが更に好ましい。平均細孔径をこのような範囲とすることにより、粒子状物質(PM)を効果的に捕集することができる。平均細孔径が5μm未満であると、粒子状物質(PM)により目詰まりを起こしやすくなることがある。平均細孔径が50μmを超えると、粒子状物質(PM)がフィルターに捕集されず通過することがある。平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの材質が炭化珪素である場合、炭化珪素粒子の平均粒径が5〜100μmであることが好ましい。このような平均粒径とすることにより、フィルターに好適な気孔率、気孔径に制御しやすいという利点がある。平均粒径が5μmより小さいと、気孔径が小さくなり過ぎ、100μmより大きいと気孔率が大きくなり過ぎることがある。気孔径が小さ過ぎると粒子状物質(PM)により目詰まりを起こしやすくなることがあり、気孔率が大き過ぎると圧力損失が上昇することがある。原料の平均粒径は、JIS R 1629に準拠した方法で測定した値である。
本実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメントのセル形状(ハニカム構造体のセルの延びる方向(セルが延びる方向)に対して垂直な断面におけるセル形状)は、四角形、六角形又は八角形が好ましく、正方形又は長方形が更に好ましい。また、ハニカム構造体の中心軸方向(セルの延びる方向)に直交する断面において、断面積の大きい八角形のセルと、断面積の小さい四角形のセルとが交互に並んだ構造も好ましい態様である。このように、ハニカムセグメントを、断面積の大きい八角形のセルと、断面積の小さい四角形のセルとが交互に並んだ構造とした場合には、流体(排ガス)の入口側の端面において、断面積の小さい四角形のセルの開口部を目封止し、流体(排ガス)の出口側の端面において、断面積の大きい八角形のセルの開口部を目封止することが好ましい。これにより、流体(排ガス)の入口側の端面の、断面積の大きい八角形のセルの開口部(目封止部が配設されていない開口部)から排ガスを流入させ、多孔質の隔壁を透過させて、断面積の小さい四角形のセルの開口部(目封止部が配設されていない開口部)から排ガスを排出するようにすることができる。そして、これにより、断面積の大きい八角形のセルの内部の、表面積の大きな隔壁表面に排ガス中の粒子状物質を捕集することができるため、粒子状物質による流入側セル(断面積の大きい八角形のセル)の閉塞を抑制することができる。
尚、断面積の大きい八角形のセルの断面形状は、八角形に限定されず、四角形等であってもよく、「角部が円弧状の四角形」も好ましい態様である。断面積の大きなセル(例えば、断面積の大きな八角形のセル)の面積は、断面積の小さなセル(例えば、断面積の小さな四角形のセル)の面積の1.2〜2.5倍であることが好ましい。1.2倍より小さいと、流入側セル(断面積の大きなセル)の閉塞防止効果が低下することがある。2.5倍より大きいと、流出側のセル(断面積の小さなセル)の断面積が小さくなるため、圧力損失が大きくなることがある。
また、本実施形態のハニカム構造体100においては、セルの延びる方向に直交する断面において、セルの幅W(図3を参照)が0.5〜2.5mmであることが好ましく、0.8〜2.0mmであることが更に好ましい。セルの幅Wが0.5mmより小さいと、排ガスを処理するときの圧力損失が低下することがある。セルの幅Wが2.5mmより大きいと、排ガスを処理する隔壁の面積が小さくなり、排ガスを処理する能力が低下することがある。
また、本実施形態のハニカム構造体100においては、隔壁の厚さT(図3を参照)が、0.2〜0.5mmであることが好ましく、0.25〜0.45mmであることが更に好ましい。隔壁の厚さTが、0.2mmより薄いと、ハニカム構造体の強度が低下することがある。隔壁の厚さTが0.5mmより厚いと、排ガスを処理する隔壁の面積が小さくなり、排ガスを処理する能力が低下することがあり、また、排ガスを処理するときの圧力損失が増大することがある。
また、本実施形態のハニカム構造体100においては、ハニカムセグメントのセル密度は、15.5〜62.0セル/cm(100〜400セル/inch)であることが好ましく、23.2〜54.3セル/cm(150〜350セル/inch)であることが更に好ましい。15.5セル/cm(100セル/inch)、より小さいと、隔壁の厚さが厚くなりすぎるか、又はセルの幅が大きくなりすぎることがある。62.0セル/cm(400セル/inch)より大きいと、隔壁の厚さが薄くなりすぎるか、又はセルの幅が小さくなりすぎることがある。
また、本実施形態のハニカム構造体のセルの延びる方向に直交する断面において、配置されているハニカムセグメントの個数は、6〜144個であることが好ましく、16〜100個であることが更に好ましい。ハニカムセグメントの大きさは、セルの延びる方向に直交する断面の面積が3〜25cmであることが好ましく、9〜21cmであることが更に好ましい。3cmより小さいと、ハニカム構造体にガスが流通するときの圧力損失が大きくなることがあり、25cmより大きいと、ハニカムセグメントの破損防止効果が小さくなることがある。
本実施形態のハニカム構造体は、図2、図4及び図5に示すように、ハニカムセグメント4の、流体の入口側の端面11における所定のセル1の開口部と、流体の出口側の端面における残余のセル1の開口部に目封止部6を有する。そして、所定のセル1と残余のセル1とが、ハニカムセグメントの端面に市松模様が形成されるように、交互に配置されていることが好ましい。図5は、本発明のハニカム構造体の一実施形態を構成するハニカムセグメントの、セルの延びる方向に平行な断面の一部を示す模式図である。
本実施形態のハニカム構造体を構成する接合部13は、隣接するハニカムセグメント間に配置され、ハニカムセグメントが接合部13により接合されている。接合部13は、隣接するハニカムセグメントの対向する側面の全体に配置されることが好ましい。接合部13の材料は、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材を加えたものに水を加えて混練したもの等が好ましい。
接合部13の厚さは、0.2〜2.0mmであることが好ましく、0.5〜1.5mmであることが更に好ましい。0.2mmより薄いと、ハニカムセグメントを接合する力が弱くなることがあり、更に、隣接するハニカムセグメント同士が接触することがある。2.0mmより厚いと、排ガスが通過する方向(セルの延びる方向)に直交する断面において、接合部13の面積が大きくなるため、排ガスを流すときに、圧力損失が大きくなることがある。尚、接合部13の厚さが隣接するハニカムセグメント間の距離になる。
本実施形態のハニカム構造体は、複数個のハニカムセグメント4(接合された複数個のハニカムセグメント4)全体を取り囲むように形成された外周部を備えてもよい。外周部を備えることにより、ハニカム構造体の外周の凹凸をより少なくすることができる。外周部の厚さは、0.1〜4.0mmであることが好ましく、0.3〜1.0mmであることが更に好ましい。0.1mmより薄いと、外周コートを行うときにクラックが発生し易くなることがある。4.0mmより厚いと、排ガスを流すときに、圧力損失が大きくなることがある。
本実施形態のハニカム構造体の全体の大きさは、特に限定されず、所望の大きさとすることができる。具体的には、ハニカム構造体の底面の一辺の長さが80〜300mmであることが好ましく、120〜250mmであることが更に好ましい。また、ハニカム構造体のセルの延びる方向の長さは、100〜400mmであることが好ましく、115〜310mmであることが更に好ましい。
本発明のハニカム構造体の他の実施形態は、図6に示すように、上記本発明のハニカム構造体の一の実施形態において、セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状における四隅に配置されたハニカムセグメント4の角部7の中で、頂点21(ハニカム構造体101の全体形状における頂点)を形成する角部7Rが、「3セルピッチの長さを超える長さ」の半径の円弧状に形成されたものである。本実施形態のハニカム構造体101は、全体形状における四隅に配置されたハニカムセグメント4の形状が、当該四隅に配置されたハニカムセグメント4以外のハニカムセグメント4の形状と、異なる形状である。つまり、セルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体101の四隅に配置されたハニカムセグメント4の、頂点21に位置する角部7Rの円弧の半径が、「他のハニカムセグメント4」の角部7rの円弧の半径より大きく形成されている。図6は、本発明のハニカム構造体の他の実施形態の、セルの延びる方向に直交する断面を示す模式図である。
このように、セルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体101の四隅に配置されたハニカムセグメント4の、頂点21に位置する角部7Rの円弧の半径だけが、「他のハニカムセグメント4」の角部7rの円弧の半径より大きく形成されていることにより、ハニカム構造体を、クッション材等を側面に配した状態で缶体等に収納して使用する場合に、ハニカム構造体101の四つの頂点(角)と、クッション材等との間に隙間が形成されることを、より効果的に防止することができ、排ガスが漏れることをより効果的に防止することができる。これは、セルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体101の四隅に配置されたハニカムセグメント4の、頂点21に位置する角部7Rの円弧の半径だけを大きくするため、当該頂点21に位置する角部7Rの円弧の半径を、クッション材等の材質、硬さ等の特性に、より適合させることができるからである。
本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態は、図7に示すように、上記本発明のハニカム構造体の一の実施形態において、セルの延びる方向に直交する断面において、一部のハニカムセグメント4の形状が異なるものである。具体的には、4個×4個のハニカムセグメントの中で、ハニカム構造体102の対向する2辺を形成する4個(一列)+4個(一列)のハニカムセグメントの、セルの延びる方向に直交する断面の形状が長方形であり、その他の4個(一列)+4個(一列)のハニカムセグメントの、セルの延びる方向に直交する断面の形状が正方形である。本実施形態のハニカム構造体102は、このように、使用条件に応じて、適宜、ハニカムセグメントの形状を変えることができる。図7は、本発明のハニカム構造体の更に他の実施形態の、セルの延びる方向に直交する断面を示す模式図である。
(2)ハニカム構造体の製造方法:
次に、本発明のハニカム構造体の一実施形態の製造方法について説明する。
(2−1)ハニカムセグメントの作製;
まず、セラミック原料にバインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して成形原料とする。セラミック原料としては、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素−コージェライト系複合材料、リチウムアルミニウムシリケート、チタン酸アルミニウム、鉄−クロム−アルミニウム系合金からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、炭化珪素又は珪素−炭化珪素系複合材料が好ましい。珪素−炭化珪素系複合材料とする場合、炭化珪素粉末及び金属珪素粉末を混合したものをセラミック原料とする。セラミック原料の含有量は、成形原料全体に対して30〜90質量%であることが好ましい。
バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。これらの中でも、メチルセルロースとヒドロキシプロポキシルセルロースとを併用することが好ましい。バインダの含有量は、成形原料全体に対して2〜20質量%であることが好ましい。
水の含有量は、成形原料全体に対して5〜50質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等を用いることができる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。界面活性剤の含有量は、成形原料全体に対して0〜5質量%であることが好ましい。
造孔材としては、焼成後に気孔となるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、澱粉、発泡樹脂、吸水性樹脂、シリカゲル等を挙げることができる。造孔材の含有量は、成形原料全体に対して0〜20質量%であることが好ましい。
次に、成形原料を混練して坏土を形成する。成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。
次に、坏土を押出成形してハニカム成形体を複数個形成する。押出成形に際しては、所望のセグメント形状、セグメントの配置、セル形状、隔壁厚さ、セル密度等を有する口金を用いることが好ましい。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。ハニカム成形体は、流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と最外周に位置する外周壁とを有するものである。
ハニカム成形体の隔壁厚さ、セル密度、外周部の厚さ等は、乾燥、焼成における収縮を考慮し、作製しようとする本発明のハニカム構造体の構造に合わせて適宜決定することができる。
得られたハニカム成形体について、焼成前に乾燥を行うことが好ましい。乾燥の方法は特に限定されず、例えば、マイクロ波加熱乾燥、高周波誘電加熱乾燥等の電磁波加熱方式と、熱風乾燥、過熱水蒸気乾燥等の外部加熱方式とを挙げることができる。これらの中でも、成形体全体を迅速かつ均一に、クラックが生じないように乾燥することができる点で、電磁波加熱方式で一定量の水分を乾燥させた後、残りの水分を外部加熱方式により乾燥させることが好ましい。乾燥の条件として、電磁波加熱方式にて、乾燥前の水分量に対して、30〜90質量%の水分を除いた後、外部加熱方式にて、3質量%以下の水分にすることが好ましい。電磁波加熱方式としては、誘電加熱乾燥が好ましく、外部加熱方式としては、熱風乾燥が好ましい。
次に、ハニカム成形体のセルの延びる方向における長さが、所望の長さではない場合は、両端面(両端部)を切断して所望の長さとすることが好ましい。切断方法は特に限定されないが、丸鋸切断機等を用いる方法を挙げることができる。
次に、ハニカム成形体を焼成して、ハニカム焼成体を作製することが好ましい。焼成の前に、バインダ等を除去するため、仮焼成を行うことが好ましい。仮焼成は大気雰囲気において、400〜500℃で、0.5〜20時間行うことが好ましい。仮焼成及び焼成の方法は特に限定されず、電気炉、ガス炉等を用いて焼成することができる。焼成条件は、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気において、1300〜1500℃で、1〜20時間加熱することが好ましい。
次に、得られたハニカム焼成体の、流体の入口側の端面における所定のセルの開口部と、流体の出口側の端面における残余のセルの開口部に目封止部を形成し、ハニカムセグメントを作製する。目封止部を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法を挙げることができる。ハニカム焼成体の一方の端面にシートを貼り付けた後、当該シートの目封止部を形成しようとするセルに対応した位置に穴を開ける。そして、目封止部の構成材料をスラリー化した目封止用スラリーに、ハニカム焼成体の当該シートを貼り付けた端面に浸漬し、シートに開けた孔を通じて、目封止部を形成しようとするセルの開口部内に目封止用スラリーを充填する。
そして、ハニカム焼成体の他方の端面については、一方の端面において目封止を施さなかったセルについて、上記一方の端面に目封止部を形成した方法と同様の方法で目封止部を形成する(目封止用スラリーを充填する)。目封止用スラリーは、ハニカム成形体のセラミック原料にメチルセルロースなどのバインダと造孔材を加えて、混合したものを使用することが好ましい。目封止部を形成した後に、上記焼成条件と同様の条件で焼成を行うことが好ましい。また、目封止部の形成は、ハニカム成形体を焼成する前に行ってもよい。
(2−2)ハニカム構造体の作製;
所定数のハニカムセグメントを接合材で接合し、乾燥させて、複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置されると共に、対向する側面同士が接合部により接合されたハニカム構造体を形成する。接合部は、対向する側面全体に配設されることが好ましい。接合部は、ハニカムセグメントが熱膨張、熱収縮したときに、体積変化分を緩衝する(吸収する)役割を果たすとともに、各ハニカムセグメントを接合する役割を果たす。
接合材をハニカムセグメントの側面に塗布する方法は、特に限定されず、刷毛塗り等の方法を用いることができる。
接合材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材を加えたものに水を加えて混練したスラリー等を挙げることができる。
ハニカム構造体を接合材で接合し、乾燥させた後に、外周コート処理を行い、最外周に外周部が配設されたハニカム構造体としてもよい。外周部を配設することにより、ハニカム構造体の外周の凹凸をより少なくすることができる。外周コート処理の方法としては、外周コート材をハニカムセグメント接合体の最外周に塗布して、乾燥させる方法を挙げることができる。外周コート材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤、水等を混合したもの等を用いることができる。また、外周コート材を塗布する方法は、特に限定されず、ハニカム構造体をろくろ上で回転させながらゴムへら等でコーティングする方法等を挙げることができる。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
参考例1)
セラミックス原料として、SiC粉、金属Si粉を80:20の質量割合で混合し、これに、成形助材としてメチルセルロース及びヒドロキシプロポキシメチルセルロース、造孔材として澱粉と吸水性樹脂、界面活性剤及び水を添加して混練し、真空土練機により四角柱状の坏土を作製した。
得られた四角柱状の坏土を押出成形機を用いて、流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と最外周に位置する外周壁とを有ハニカム成形体を形成した。得られたハニカム成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥し、両端面を所定量切断した。
得られたハニカム成形体を、熱風乾燥機を用いて120℃で5時間乾燥し、その後、大気雰囲気にて脱臭装置付き大気炉を用いて約450℃で5時間かけて脱脂し、その後、Ar不活性雰囲気にて約1450℃で5時間焼成して、SiC結晶粒子がSiで結合された、多孔質のハニカム焼成体を得た。ハニカム焼成体の平均細孔径は13μmであり、気孔率は41%であった。平均細孔径および気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
得られたハニカム焼成体について、流体の入口側の端面における所定のセルの開口部と、流体の出口側の端面における残余のセルの開口部に目封止部を形成した後に、上記焼成条件と同じ条件でハニカム焼成体を焼成し、ハニカムセグメントを形成した。得られたハニカムセグメントは、底面が一辺36.2mmの正方形であり、セルの延びる方向における長さが200mmであった。また、セル密度は46セル/cm(300セル/平方インチ)であり、隔壁の厚さは0.31mmであった。セルピッチは1.47mmであった。また得られたハニカムセグメントの、セルの延びる方向に直交する断面における、4つの角部は、半径1.5mmの円弧状とした。
得られたハニカムセグメントを、図1、図2に示すハニカム構造体のように、4個×4個の並びになるようにして、接合材で接合し、乾燥させてハニカム構造体を得た。接合材としては、接合材全体に対して、水を30質量%、アルミノシリケート無機繊維を30質量%、SiC粒子を30質量%含有するものを用いた。尚、接合材に含有されるその他の成分は、有機バインダ、発泡樹脂および分散剤であった。接合材の厚さは、1.0mmであった。
得られたハニカム構造体は、底面が一辺147.8mmの正方形、セルの延びる方向における長さが200mmの、四角柱状であった。
得られたハニカム構造体について、以下の方法で、「外周の凹凸」、「排ガスの漏れ」及び「圧力損失」の評価を行った。結果を表1に示す。
尚、表1において、「セル構造」は、セル密度を示す。また、「ハニカムセグメントの構成」の欄における「全部同一」は、ハニカム構造体を構成する全てのハニカムセグメントが同じ形状であり、且つ同じ製造ロットであることを示す。ここで、同一原料ロットで調合、混合・混練の後、押し出し成形・乾燥し、連続的に焼成した場合を、「製造ロットが同じ」であるとする。また、「ハニカムセグメントの構成」の欄における「四隅のみ相違」は、ハニカム構造体の四隅に位置する4つのハニカムセグメントが、四隅以外のハニカムセグメントとは異なる形状であることを示す。そして、ハニカム構造体の四隅に位置する4つのハニカムセグメントが同じ製造ロットであり、四隅以外のハニカムセグメントが同じ製造ロットである。また、「底面正方形と底面長方形との組合せ」は、図7に示すような、セルの延びる方向に直交する断面において、ハニカム構造体の対向する2辺に沿って底面長方形のハニカムセグメントがそれぞれ4個ずつ配置され、その間に底面正方形のハニカムセグメント8個が2列に並ぶように配置された構造を意味する。また、「ロット2種類」とは、ハニカム構造体を構成するハニカムセグメントの形状は、同じであるが、2種類の製造ロットのハニカムセグメントを使用していることを意味する。
また、「四隅以外のハニカムセグメントの底面の形状」の欄において、1つの数値「X」が記載されている場合(例えば、参考例1では、X=36.2)は、ハニカム構造体の四隅以外を構成するハニカムセグメントの底面が、一辺「X(mm)」の正方形であることを意味する。そして、2つの数値の積「Y×Z」の形で記載されている場合(例えば、参考では、Y×Z=36.2×18.0)は、ハニカム構造体の四隅以外を構成するハニカムセグメントの底面が、「Y(mm)×Z(mm)」の長方形であることを意味する(例えば、参考では、「36.2mm×18.0mm」の長方形)。尚、「ハニカムセグメントの構成」の欄が「全部同一」の場合は、「ハニカム構造体の四隅のハニカムセグメントの底面の形状」も「四隅以外のハニカムセグメントの底面の形状」と同じとなる。また、「ハニカムセグメントの構成」の欄が「底面正方形と底面長方形との組合せ」の場合は、図7に示すようなハニカムセグメントの配置になるため、「四隅以外のハニカムセグメントの底面の形状」に、「36.1」と「36.2×18.3」の2つが記載されている。
また、「四隅のハニカムセグメントの底面の形状」の欄において、1つの数値「X」が記載されている場合(例えば、実施例では、X=36.2)は、ハニカム構造体の四隅を構成する4個のハニカムセグメントの底面が、一辺「X(mm)」の正方形であることを意味する。そして、2つの数値の積「Y×Z」の形で記載されている場合(例えば、参考では、Y×Z=36.2×18.3)は、ハニカム構造体の四隅を構成するハニカムセグメントの底面が、「Y(mm)×Z(mm)」の長方形であることを意味する(例えば、参考では、「36.2mm×18.3mm」の長方形)。
また、「円弧状の角部の半径」における「頂点に位置する角部Rの半径」の欄は、ハニカム構造体の4隅に位置するハニカムセグメントの、「ハニカム構造体の頂点を形成する円弧状の角部」の当該円弧の半径を示す。尚、「C面取:0.2」は、角を基点として、一辺(角部を挟む辺)が0.2mmの三角形(二等辺三角形)でコーナーをカットした寸法を意味する。また、「円弧状の角部の半径」における「頂点以外の部分に位置する角部rの半径」の欄は、ハニカム構造体を構成する全てのハニカムセグメントの角部の中で、「ハニカム構造体の頂点に位置する角部」を除いた角部の半径を示す。
(外周の凹凸)
ハニカム構造体の外周の凹凸寸法は、マイクロスコープにて拡大して測定した。
(排ガスの漏れ)
ハニカム構造体を、図8に示すように、クッション材31を外周に配して缶体32に入れる。そして、ハニカム構造体を挿入した缶体を、4気筒直噴ディーゼルエンジン(排気量2000cc)の排気管に繋ぐ。そして、「ディーゼルエンジンを90分運転して粒子状物質をハニカム構造体に捕集させ、その後「捕集された粒子状物質を燃焼させる」再生を行う」という操作を500回繰り返し、クッション材と缶体の、粒子状物質の付着状態を観察する。クッション材又は缶体に粒子状物質が付着している場合を、付着「あり」として不合格とした。付着「なし」を合格とした。尚、クッション材31としては、無膨張マットを用いた。缶体としては、ステンレス鋼製の円筒状の部材を使用した。
(圧力損失)
ハニカム構造体に、10Nm/分の速度で空気(25℃)を流し、ハニカム構造体の流入側の端面部分と、ハニカム構造体の流出側の端面部分とで、空気の圧力を測定した。流入口の圧力から流出口の圧力を差し引いた値を圧力損失(初期圧力損失)とした。
Figure 0005450010
(実施例参考例2〜5、比較例1〜7)
ハニカムセグメント及び接合部の条件を表1に示すように変化させた以外は参考例1と同様にしてハニカム構造体を作製した。参考例1の場合と同様にして、上記方法で、「外周の凹凸」、「排ガスの漏れ」及び「圧力損失」の評価を行った。結果を表1に示す。
表1より、実施例1〜8、参考例1〜5のハニカム構造体は、外周の凹凸も小さく、排ガスの漏れもなく、圧力損失も小さいことがわかる。比較例1,2,5,6のハニカム構造体は、ハニカムセグメントの角部の円弧が小さいため、排ガスの漏れが生じていることが分かる。また、比較例3のハニカム構造体は、ハニカムセグメントの角部が、「C面取:0.2」であるため、排ガスの漏れが生じていることが分かる。また、比較例4,7のハニカム構造体は、全てのハニカムセグメントの角部が大きな円弧状であるため、圧力損失が大きいことがわかる。
本発明のハニカム構造体は、化学、電力、鉄鋼等の様々な分野において、環境対策や特定物資の回収等のために使用される触媒装置用の担体、又はフィルタとして好適に利用することができる。
1:セル、2:隔壁、3:外周壁、4:ハニカムセグメント、5:側面、6:目封止部、7,7r,7R:角部(ハニカムセグメントの角部)、11:流体の入口側の端面、12:流体の出口側の端面、13:接合部、21:頂点、22:角の位置(ハニカム構造体の角の位置)、31:クッション材、32:缶体、100,101,102:ハニカム構造体、L:ハニカムセグメントの一辺の長さ、P:セルピッチ、T:隔壁の厚さ、W:セルの幅。

Claims (3)

  1. 流体の流路となる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と最外周に位置する外周壁とを有し、流体の入口側の端面における所定のセルの開口部と、流体の出口側の端面における残余のセルの開口部に目封止部を有する四角柱状のハニカムセグメントを、複数個備え、
    前記複数個のハニカムセグメントは、セル密度が15.5〜62.0セル/cmであり、かつ、セルの延びる方向に直交する断面において、前記外周壁が円弧状の角部を有する四角形であり、
    前記複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置されると共に、前記対向する側面同士が接合部により接合され、
    セルの延びる方向に直交する断面において、全体形状が四角形であり、全体形状における四隅に配置された前記ハニカムセグメントの前記角部の中で、全体形状における頂点を形成する前記角部が、2セルピッチの長さ以上、前記ハニカムセグメントの一辺の長さ以下の半径の円弧状に形成され、
    セルの延びる方向に直交する断面において、前記四隅に配置されたハニカムセグメントを除く前記ハニカムセグメントの全ての前記角部が、1セルピッチの長さ以上、3セルピッチの長さ未満の半径の円弧状に形成され、
    セルの延びる方向に直交する断面において、前記全体形状における頂点を形成する円弧状の前記角部の半径が、前記四隅に配置されたハニカムセグメントを除く前記ハニカムセグメントの全ての円弧状の前記角部の半径よりも大きいハニカム構造体。
  2. 複数個の前記ハニカムセグメントのうち、前記四隅に配置されたハニカムセグメントを除く前記ハニカムセグメントが、全て同じ形状である請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 複数個の前記ハニカムセグメントが、全て同じ形状である請求項1に記載のハニカム構造体。
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