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JP5451358B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description

本発明は、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品として、その利便性や装着感、さらには吸収性能の向上等を目的に構造や材料が工夫され、多種・多様なものが開発されてきている。その一つとして、通常の生理用ナプキンの形状を有するナプキン本体部に対し、これとは別体の液保持性の吸収体部が適用され、この吸収体部が肌側になるよう前記本体部に重さね合わされたものがある。このナプキンにおいて上記肌側の吸収体部は本体部に一部において固定されながらナプキンの長手方向中央部では分離可能にされて、これにより装着者の動きや下着の動きとは独立して上記吸収体部が身体に適合し、股間との密着性を高めることができる。
例えば特許文献1には、上下2層の吸収体を有し、その上層吸収体部が長手方向の両端部において長手方向に伸縮可能な弾性部材を介して本体部側の下層吸収体に連結されたものが開示されている。これにより、肌側の上層吸収体部が非応力下において該下層吸収体から上方に離隔して位置するようにされ、弾性部材の働きにより身体の動きに追従可能とされている。
また特許文献2には、ナプキンの本体部と、前記本体部に重ね合わせられ、長手方向の両端が本体部に固定された肌側の吸収体部を備えたものが開示されている。このナプキンにおいて、前記肌側の吸収体部と前記本体部とはその長手方向を揃えて配設されている。この生理用ナプキンでは、上記接合部間において肌側の吸収体部の長さが本体部より長くされており、装着時に余分な部分を折畳む等して使用することで、吸収体のフィット性が高まるとされている。
また特許文献3には、前記特許文献2と類似した構造を有するが、前記吸収体部と本体部とが前記長手方向の一方の端部において接合され、他端部側においては両者が接合されていない状態で使用しうるものが開示されている。このナプキンにおいては、前記吸収体部の非接合端を下着に接着して着用し、肌への密着性を高めることができるとされる。
特開平11−104168号公報 特開2008−246092号公報 特開2008−246093号公報
特許文献1〜3に開示された生理用ナプキンにより、肌側の吸収体部が着用者の身体に積極的に当接するように作用し、身体や下着の動きとは独立した良好なフィット感が得られる。特に、身体に密着するような強いサポート性を有しないルーズショーツと組み合わせて装着したときには、その下着の動きに対しても肌側の吸収体が排泄ポイントからズレにくく漏れ等の心配が小さくなる。しかし、特許文献1〜3では下着側の吸収体が生かされにくく、少ない吸収量に適用させやすくなり、特に特許文献2,3で提案されているものでは、着用状態や場所によっては本体部から独立して変形ないし移動可能となったことで、かえって肌側の吸収体部がズレたりヨレたりしてしまうことが考えられる。特に、着用者の好みや運動の程度、使用状況や組み合わせる下着の種類等に合った形で、肌に密着した吸収体部の横方向への動きを調節し抑制したものを選ぶことができれば、一層着用感を良化し漏れ等を的確に防止することができる。
本発明は、上述したような本体部それと部分的に分離し独立して変形可能な状態で重合する肌側吸収部とを具備する吸収性物品に特有の課題の解決に鑑み、該構造を有する吸収性物品の肌側の吸収体部の幅方向への動きを的確に抑え、身体への密着性が高く、かつ横漏れを起こしにくい吸収性物品を提供する。また、身体側だけでなく、下着側の吸収体の利用を高めることでより漏れにくい吸収性物品を提供する。
上記の課題は、第1吸収層を内在する本体部と、第2吸収層を内在する肌側の吸収体部とがともに長手方向を揃えて重合されてなる、長手方向とこれに直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、前記肌側の吸収体部は前記吸収性物品の前後端部で本体部と接合されており、該本体部の内部にある第1吸収層の幅は、前記吸収体部の内部にある第2吸収層の幅より広くされ、前記吸収性物品の長手方向中央において前記第1吸収層の厚さは前記第2吸収層の厚さより薄くされており、前記吸収性物品の長手方向排泄部より後方部には前記本体部と前記吸収体部とが接合されていない部分があり、前記吸収性物品には、前記本体部側から離間して肌側に起立可能であり、前記吸収体部の幅方向両側外方に位置する、長手方向に延びる防漏壁があり、該防漏壁には複数の伸縮弾性部材が長手方向に伸長状態で配設され、かつ該防漏壁の自由端側には肌面と面で当接しうる平面状部が形成されており、前記吸収性物品を長手方向に伸長したときの吸収性物品の非肌当接面から前記吸収体部の厚さ位置までの半値厚さ(h)は、自然状態における前記防漏壁の起立高さ(h)より低い(h<h)吸収性物品により解決された。
本発明の吸収性物品は、本体部それと部分的に分離し独立して変形可能な状態で重合する肌側吸収部とを具備する吸収性物品において、その肌側の吸収体部の幅方向への動きを的確に抑え、身体への密着性が高く、かつ横漏れを起こしにくい。また、身体側だけでなく、下着側の吸収体の利用を高めることでより漏れにくいという効果を奏する。
本発明の吸収性物品の一実施形態(実施形態1)である生理用ナプキンを一部切欠して模式的に示す斜視図である。 図1に示した生理用ナプキンのA−A線断面の拡大断面図である。 図1に示した生理用ナプキンのB−B線断面の拡大断面図である。 図1に示した生理用ナプキンのC−C線断面の拡大断面図である。 図1に示した生理用ナプキンの本体部と吸収体部と防漏壁の起立基部との関係を模式化して示した平面図である。 図1に示した生理用ナプキンの第1吸収層と第2吸収層との関係を着用状態(a)及び伸長状態(b)として模式化して示した側面図である。 本発明の吸収性物品の別の実施形態(実施形態2)である生理用ナプキンについて、図1のA−A線断面に相当する断面を示した拡大断面図である。 図7に示した生理用ナプキンにおける図1のB−B線断面に相当する断面の拡大断面図である。 図7に示した生理用ナプキンにおける図1のC−C線断面に相当する断面の拡大断面図である。 図7に示した生理用ナプキンの第1吸収層及び第2吸収層と防漏壁の起立基部との関係を模式化して示した平面図である。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態(実施形態1)である生理用ナプキンに基づき図面を参照して説明する。図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキンを一部切欠して模式的に示す斜視図である。図2〜4は、図1に示した生理用ナプキンのそれぞれA−A線断面、B−B線断面、C−C線断面の拡大断面図である。
本実施形態のナプキン10は、液保持性の本体部1と液保持性の吸収体部2とで構成されている。この本体部1に対し、その肌面側には、本体部内部の第1吸収層12より幅が狭い吸収体部2が配置されている。該生理用ナプキン10は実質的に縦長の吸収性物品であり、その長手方向を揃えて前記本体部1と吸収体部2とが重合している。
より具体的には、本実施形態の生理用ナプキン10は、本体部1として肌当接面を形成する液透過性の表面シート11、非肌当接面を形成する液不透過性又は撥水性の裏面シート13、及びこれら両シート12及び13の間に介在された液保持性の第1吸収層12を備える。さらに、本体部1の幅方向両側方の肌面側にはサイドシート14が配設されており、その長手方向中央で幅方向中央よりの部分は本体部1に接合されておらず自由端Wtとされている。これによりこの部分は着用状態で身体側に起立可能とされ、弾性部材18とサイドシート14とにより形成される防漏壁Wをなすようにされている。さらに、上述のように本体部1の肌当接面側には、前方接合部31(補助線Aより後方端Dに向かう部分で吸収体部2と本体部1とが重合した部分である。補助線A−Dで区画される領域を「前方端部領域A−D」という。)及び後方接合部32(補助線Cより後方端Fに向かう部分で吸収体部2と本体部1とが重合した部分である。補助線C−Fで区画される領域を「後方端部領域C−F」という。)により本体部1に対し部分的に接合された吸収体部1が配置されている。このようにして生理用ナプキン10は実質的に縦長の形状をしており、排泄部位Qを含むナプキンの中央領域A−Cでは接合部が形成されておらず、本体部1と吸収体部2とが分離し独立して変形可能とされている。この吸収体部2は内部の第2吸収層22とこれを覆う被覆シート21により構成され、この部材自身において液等の吸収保持性を有している。吸収体部2については、その変形例として液通過性の吸収体用の裏面シート(図示せず)を用いて、これを本体部側に配設するようにしてもよい。
本発明においては、特に断らない限り、人体に接触する側を肌面側ないし肌当接面側あるいは表面側といい、下着に接する側を非肌面側ないし非肌当接面側あるいは裏面側という。また、装着時に人体の前側に位置する方向を前方といいその端部を前端部とし、後側に位置する方向を後方といいその端部を後端部として説明する。また、吸収性物品の表面又は裏面の法線方向を厚みないし厚さ方向といいその量を厚さという。さらに、吸収性物品の平面視において相対的に長さのある方向を長手方向といい、この長手方向と直交する方向を幅方向という。なお、前記長手方向は典型的には装着状態において人体の前後方向と一致する。
表面シート11及び裏面シート13は、本体部内部の第1吸収層12よりも大きな寸法を有し、第1吸収層12の長手方向前後端それぞれから延出し、それらの延出部の端部において互いにヒートシール等により接合されてエンドシール部33が形成されている。このエンドシール33は上記本体部1及び吸収体部2との接合部28も一部包含するように形成されており、該両者の接合も担っている。上記表面シート11は、第1吸収層12の肌当接面側の略全域を被覆しており、第1吸収層12の長手方向に沿った両側部でサイドシートと繋がって、第1吸収層12の非肌当接面側における左右両側部にまで達している。裏面シート13は、第1吸収層12の長手方向に沿った両側縁から外方に延出してサイドシートとともにフラップ部mを形成している。さらに、裏面シート13の非肌当接面側における第1吸収層12の下方に位置する所定箇所や、サイドウイング部nの非肌当接面に、ナプキン10を下着等の着衣に固定する図示しない粘着部が設けられている。これらの粘着部は、ホットメルト粘着剤を所定箇所に塗布することにより設けられており、ナプキン10の使用前においてはフィルム、不織布、紙などからなる図示しない剥離シートによって被覆されている。
本実施形態において防漏壁Wは、本体部1の表面シート12上に起立基部Wkを有し、起立壁部Wと複数の弾性部材により肌面側に向かう面状に形成された自由端Wt側の平面状部Wを有している(図3参照)。本実施形態において防漏壁Wは断面C字状ないしコの字状の形状を有しており、自由端部Wtがナプキンの幅方向外方側に向かう形状を有している。防漏壁の起立時の高さ(h)は、本体部11と吸収体21が接合されていない離間部分、つまり排泄領域Qを含む部分において両者が接触状態であるときの高さとして、吸収体部2の第2吸収層22の半値厚み位置の高さ(h)より高いことが好ましい(図3及び図6参照)。このようにすることで、離間部分をなし肌側に隆起する吸収体部2が装着開始時から使用時において、本体部1からズレることなく、動作への追従が一層良好なものとなる。上記のように本実施形態においては、第2吸収層22は第1吸収層12から離間可能となっているが、装着状態において少なくとも半値厚み位置の高さ(h)以上、好ましくは第2吸収層22より高い防漏壁によって、第2吸収層22の動きを適度に制御できる点で好ましい。なお、本発明において吸収体の厚み及び防漏壁高さは特に断らない限り以下のようにして測定する。
[吸収体の厚み及び防漏壁高さの測定方法]
吸収体部2の第2吸収層22の半値厚み位置の高さ(h)は、吸収性物品を平面展開した状態(第1吸収層12と第2吸収層22が接触した状態)の断面で基本的に荷重をかけないで計測するが、上層下層間に隙間が開いてしまう場合、50g程度のアクリル板などで荷重して隙間のないように計測する。防漏壁の起立時の高さ(h)は、防漏壁の弾性部材18による収縮による湾曲状態で計測する。
本実施形態においては、良好な吸収体部2の隆起作用と、過度に皺を生じさせないこととを考慮し、ナプキン長手方向における分離可能部分(補助線A−C間)の距離は50〜100mmであることが好ましい。これにより、上述した作用が効果的に発揮され、追従性が良く、しかも装着感が良好となる。さらに本実施形態においては、吸収体部2の非肌面側が液透過性とされているため、本体部1側への液の移行が生じやすく第1吸収層12へ液が導かれそこで吸収保持できるため好ましい。また、本実施形態において、吸収体部2の第2吸収層22は、排泄部領域Qに比べ長手方向前端部領域A−D及び前端部領域C−Fにおいて薄く形成されている。このようにすることで、吸収体部2やその被覆シート21の皺を抑え好ましく、また防漏壁による動きの抑制効果が高まり、分離可能部分における吸収体部2と本体部1との接触を促し液移動性を高める観点から好ましい。
本実施形態ではその作用効果を奏する重要な特徴として、図1〜図4あるいは図5に示すように、前方部側においては防漏壁Wの基部Wkと吸収体部2の側端縁2sとの距離Pを維持して固定され、後方へ行くほど、つまり中央部の距離Pから後方部側の距離Pとなるにつれ、その距離が短くなるようにされている。このようにすることで、前方部にかけての吸収体部2の幅方向への動きが抑制され、排泄部領域Qからおしりの方向(ナプキン後方端部領域C−F)にかけて吸収体部2のズレやヨレが抑えられる。一方、着用者の腹側での吸収体部2の幅方向への動きは適度な自由度が保たれ、例えばルーズショーツを着用したときや、着用者にそれなりの動きがあるときにも、吸収体部2が排泄ポイントの肌の起伏に沿って適合し的確な液の吸収保持性能と良好な着用感が得られる。なお、図5ではナプキン本体1の全体の輪郭を実線で表し、さらにその肌側に配置された吸収体部2の輪郭を実線で表している。これに対し防漏壁の起立基部Wk及び接合部31,32を一点鎖線で表している。
本実施形態において第2吸収層22は第1吸収層12より幅が狭くされて身体の起伏にフィットしやすくされており、その幅は60〜80mmであることが好ましい。また、第2吸収層の幅は、本体部1上に形成された左右の防漏壁Wの起立基部Wk(図3参照)の間隔Pk、あるいは前後端部領域の接合部端部Wi(図2、図4参照)の間隔Pi,Pjより狭くされている。第2吸収層の幅は適宜、45〜70mmの範囲で設定したり、さらに狭く20〜50mmの範囲で設定したりしてもよい。一方、本体部1内部の第1吸収層12は、ナプキンの長手方向の中央において、肌側吸収体部1内部の第2吸収層22より厚みh22(図3参照)が薄く、第1吸収層12の厚みh12は5mm以下であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。両吸収層の長手方向中央における厚みの差は特に限定されないが、1〜5mmであることが好ましく、2〜4mmであることがより好ましい。吸収層は使用時の動きに追従しやすい柔軟性と撓み易さを有していることが好ましい。第1吸収層と第2吸収層の吸収保持量は特に限定されず、例えば本体部の第1吸収層12の方が、吸収体部の第2吸収層22よりその総吸収量が低くされていてもよいし、あるいはその逆でもよい。
本実施形態において、本体部1と吸収体部2とを接合する接合部31,32は各部材の境界に塗布された粘着剤により形成されている。また、その変形例として本体部1と吸収体2にヒートシール等による断面凹状の溝加工を施すことで、接合部33を形成し両部材を強固に固定することができる。粘着剤により接合部を形成する場合は、接合位置に粘着剤を塗布することで形成でき、溝加工による場合は、排泄部を取り囲む環状形状とすることが好ましい。幅方向成分によって接合部33を形成し、長手方向成分は本体部にのみ形成されるよう施すことで、ナプキン長手方向中央の排泄領域Q周辺において、本実施形態のように吸収体部2が本体部1とは独立に隆起し離間可能とすることができる。この他、排泄領域の周辺に溝加工を施さないようにすることで接合部のある部分とない部分とを形成することができる。また、粘着剤塗布領域に溝加工することでより安定した接合部を形成することができる。
本実施形態においては、上記のようなナプキンの長手方向における起立基部Wkと吸収体部2の側端縁2sとの距離(この距離を特に「ズレ抑制距離」ということがある。)が前後で異なるようにされており、具体的にはズレ抑制距離がP<P<Pの関係になるようにされている。このような防漏壁の起立形態とするために、本実施形態においては長手方向中央における防漏壁Wから連続するシート材面(サイドシートが賦型されてなす面)が表面シート11もしくはサイドシート自身と接着剤36及び38で接着され、その起立状態をなすようにされている。本実施形態においては、特にこの起立状態を前後で支持するよう、起立壁固着部Wa,Wcにおいて第1吸収層12の側端縁12sの位置から固着部端部Wiにかけて接着剤37を解してサイドシート14どうしが接着され、そこから吸収体部側端縁2sまでの距離Pa,Pcが異なるようにされている。具体的には前方端部領域A−Dにおける起立壁固着部Waは図2に示すようにPaと長めに設定され、他方、後方端部領域C−Fにおける距離Pcは短くなるようにされている。距離PaとPcとの差は特に限定されないが、通常の生理用ナプキンの寸法を考慮して上記のズレ抑制距離として良好な機能を発揮させることを考慮し、その差を2〜10mmとすることが好ましく、3〜5mmとすることがより好ましい。なお、本実施形態においては、起立部固着部Wa,Wb及び防漏壁Wは必要な箇所を接着剤により接着固定することで形成したが、この部分の接着は接着剤によらずにヒートシール等によって行ってもよい。
なお、本発明において、上記ズレ抑制距離が前後において異なるとは、吸収性物品の長手方向における所定の位置とそれより前方もしくは後方の位置とで相対的に異なっていればよく、その位置は特に限定されない。好ましくは、吸収性物品の略中央(図中で補助線B)を挟んで前後において異なることが好ましく、防漏壁が起立する部分で前方端部領域の近傍と後方端部領域の近傍とで異なることがより好ましい。ただし、その距離の前後への変化の仕方は本実施形態のように一様であっても、前後に偏っていてもよい。
本実施形態においては、防漏壁Wの自由端部においてサイドシート14が巻き込むようにして2条の弾性部材18が互いにやや離間し配されている(図3参照)。このようにすることで、吸収体部2の動きの抑制を一層効果的に行うことができる。特に本実施形態においては、防漏壁Wの可撓線Wu付近に弾性部材18が配されているため、面状部Wと起立壁部Wとが安定した形状で形成され、吸収体2の動きの抑制効果が一層高く、また防漏壁自由端部側での肌面への高い密着追従性が得られ好ましい。
本実施形態のナプキン10においては、上述したように粘着剤塗布や溝加工により前方端部領域A−Dだけでなく後方端部領域C−Fにおいても吸収体部2が本体部1に接着固定部31,32を介して接合されている。このことで、いずれか一方が接合されているものに対し装着が簡便化されるため好ましい。また、図6に示すように、ナプキン10を装着したときに本体部1が湾曲変形すると、これに合わせて前方及び後方で接合された吸収体部2が逆に湾曲する力が作用する。前方部及び後方部のいずれかのみが接合されている場合には、このような力は作用しない。図6は、説明を複雑化しないように、本体部1と吸収体部2との動きをその内部の第1吸収層11及び第2吸収層12が仮に接合されたものして、その動きを示したものである。ここに示されるように、着用者の肌面がないとして考えれば、吸収体部2は肌面側に大きく隆起するように本体部1とは独立して分離変形するが、実際は着用者の肌に当接する。すなわち、図6は上述のように力の作用を示すモデル図として理解することができる。本実施形態においては、このように肌側に押し付けるような力が吸収体部2に発生することで排泄ポイントの肌の起伏に適度に強く当たり、液漏れ防止性と高いフィット感とが得られる。しかも、装着状態では通常、吸収体部2は防漏壁自由端Wtの位置より非肌面側に押され本体部1とほぼ当接する位置に配され、したがって吸収体部2の最大幅位置と防漏壁Wとが互いに干渉するような位置関係となる。そして本実施形態においては、上記のようにズレ抑制距離Pがズレ防止距離Pより狭くされたため、効果的におしりの方で、吸収体部2に防漏壁が当たりその幅方向の動きを抑制する。
次に、図7〜図10に基づいて、本発明の吸収性物品の別の実施形態(実施形態2)としての生理用ナプキン20について説明する。部材や構造において上記実施形態1と共通するものについては同一の符号を用い、また特に説明しない点については先の実施形態1と同様である。本実施形態2においは、防漏壁Wの起立基部Wkが、前方から後方に向かうほど広くなっている。すなわち、後方端側のズレ抑制距離Pが相対的に広く、次いで中央のズレ抑制距離P、前方のズレ抑制距離Pとなるにつれその距離が短くなるようにされている。すなわち、本実施形態2におけるズレ抑制距離の長手方向の調節状態は、上記実施形態1とは逆の関係にされている。本実施形態2のようにすることで、むしろ後方では吸収体部2の動きを拘束しすぎず、変形ないし分離自由度を保ち、一方、前方の幅方向への動きを抑えた設定とすることができる。本実施形態1と本実施形態2との関係のように幅方向の動きを長手方向の前後で適宜調節することができ、例えば、本実施形態1のような設定のものは、排泄部領域に追従性を有し、排泄部後方での移動感を抑える機能を有することで、例えば長さが270〜350mm程度の就寝時以外にも使用でき、吸収量が多く求められるような利用に適している。他方、本実施形態2の設定のものは、排泄部から後方に移動の自由性を有することで、330mm〜400mmを超える様な比較的活動的な動きの少ない就寝時の積極的な利用に適している。
本実施形態においては、さらに特徴的な部分として、図7及び図10に示したように前方端部領域A−D側の防漏壁固着部の固着端部Wiが吸収体部2に乗り上げるように配置され接着固定されている。したがって、この部分の固着端部Wiから吸収体部の側端縁2sまでの距離Pとしては、その他の距離P,Pとの関係でいうと吸収体部の側端縁2sに対してマイナス側になるように設定されている。このように、防漏壁Wから連続するサイドシート4の面が吸収体部2の側部を包むようにされ、防漏壁の自由端部分が内方に向けられ支持されているため、補助線AとBとの間には防漏壁に自由端部周辺の平面状部が形成されない部分が作出され、特にズレ抑制距離P示したあたりでの吸収体部2の幅方向の動きの抑制力がより大きくなるようにされている。その結果、本実施形態によれば、排泄領域Q周辺での吸収体部2の左右の動きによるズレやヨレを極めて効果的に抑えることができる。
以下に、本実施形態におけるナプキン10における構成材料について以下に説明する。
本体部1の表面シート11及び吸収体部2の被覆シート21は、同様のものを使用することができ、開孔フィルムや不織布が好ましい。特に、熱融着成分と高融点成分との好ましい組み合わせとしては、ポリエチレンとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンとポリプロピレン、低融点のポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンとポリブチレンテレフタレート等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。芯鞘型複合繊維は、同芯タイプの他、偏芯タイプのもの、を用いた20〜30g/mのエアスルー法による不織布が、肌触りや湾曲により発生する皺の影響低減の点から好ましい。
吸収体部2の第2吸収層22としては、パルプ単独、パルプと他の繊維の複合体(繊維材料の複合体)、繊維材料と高吸収性ポリマーによる複合体を用いる事が好ましく、これらの繊維/粒子材料を紙や不織布で包み込んでシート物とすると、加工性が容易となり、前述した排泄部を厚くする構成にも適用しやすい。本体部1の第1吸収層12としては、上記第2吸収層22と同様に構成することができるが、吸収体部2で吸収できなかった液を保持し、装着時の柔軟性を良好とする観点から、乾式パルプシートや不織布間に高吸収性ポリマーを挟みこんだポリマーシート等、吸収体吸収部材より薄く形成でき、シートとしての柔軟性や低座屈性発現しやすい一体的なシート構造体が好ましい。
本体部1の裏面シート13は、液難透過性を有する材料であれば良く、15〜30g/m程度の透湿性や非透湿性のフィルム材料、繊維材料を使用することができ、下着に固定するための粘着剤の転写の容易性からは、フィルム材料が好ましい。
吸収体部の裏面シート13としては、液通過性であることが好ましく、表面シートと同じ材料を使用することができる。しかしながら、分離時の液滲みによる液拡散を抑える観点から、吸収部の側部域では液難透過性を有し、中央域で液透過性を有する事が好ましく、このような材料として、疎水性のスパンボンド不織布、あるいはスパンボンド不織布とメルトブロー不織布の複合シートの中央に開孔処理や親水化処理をおこなったシートが好ましい。
防漏壁Wを形成するサイドシート14としては、疎水性や撥水性を有する繊維材料が肌触りと防漏性の点から好ましく、疎水処理されたエアスルー法の不織布や、疎水性のスパンボンド不織布、あるいはスパンボンド不織布とメルトブロー不織布の複合シートが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、前記実施形態のナプキンは、外方へその自由端が伸びていく防漏壁形態であったが、自由端が内方へ伸びていくものであったり、起立壁部の自由端側に面で接合する平面状部がある断面T字形状の防漏壁形態であったりしてもよい。また、表面シート11及び被覆シート21には、凹凸構造や開孔形状及びそれらの複合構造が形成されているものを用いてもよい。
1 本体部
11 表面シート
12 第1吸収層
13 裏面シート
14 サイドシート
15 フラップ部
16 接合部
17 サイドウイング部
18 弾性部材
2 吸収体部
21 被覆シート
22 第2吸収層
10、20 生理用ナプキン(吸収性物品)
31、32 接合部
33 エンドシール部
35 第1接着部
36 第2接着部
W 防漏壁
Q 排泄領域

Claims (2)

  1. 第1吸収層を内在する本体部と、第2吸収層を内在する肌側の吸収体部とがともに長手方向を揃えて重合されてなる、長手方向とこれに直交する幅方向とを有する吸収性物品であって、
    前記肌側の吸収体部は前記吸収性物品の前方端部領域と後方端部領域において本体部と接合されており、
    該本体部の内部にある第1吸収層の幅は、前記吸収体部の内部にある第2吸収層の幅より広くされ、前記吸収性物品の長手方向中央において前記第1吸収層の厚さは前記第2吸収層の厚さより薄くされており、
    前記吸収性物品の長手方向に関して、前記前方端部領域と後方端部領域の間の、排泄部を含む中央領域内は前記本体部と前記吸収体部とが接合されておらず
    前記吸収性物品には、前記本体部側から離間して肌側に起立可能であり、前記吸収体部の幅方向両側外方に位置する、長手方向に延びる防漏壁があり、該防漏壁の基部と前記吸収体部の側端部との距離が、前記吸収性物品の前方部から後方部に向かうにつれ短くなっていて、該防漏壁には複数の伸縮弾性部材が長手方向に伸長状態で配設され、かつ該防漏壁の自由端側には肌面と面で当接しうる平面状部が形成されており、
    前記吸収性物品を長手方向に伸長したときの吸収性物品の非肌当接面から前記吸収体部の厚さ位置までの半値厚さ(h)は、自然状態における前記防漏壁の起立高さ(h)より低い(h<h)吸収性物品。
  2. 前記吸収体部は、吸収性物品の長手方向中央における排泄領域の厚みが、その前方端部領域及び後方端部領域の厚みに比べ厚くされている請求項1項に記載の吸収性物品。
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