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JP5452718B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description

本発明は、半導体装置に関するものであり、特に炭化珪素を用いた接合障壁ショットキーダイオードに適用して有効な技術に関するものである。
炭化珪素半導体(SiC)は、シリコン半導体と比べてバンドギャップが大きく、絶縁破壊電界は1桁程度大きいという特徴を持つため、パワーデバイスとして有望視されている。特に多数キャリアのみで動作するユニポーラ型整流素子のショットキーダイオードは、デバイスの構成上スイッチング動作時の逆方向電流(リカバリ電流)が流れないため、パワーモジュールの損失低減技術として有効である。
ショットキーダイオードの整流作用は、金属の仕事関数と半導体の電子親和力の差によって生じるショットキー障壁によってなされている。ショットキー障壁高さの高い金属材料を用いることで逆方向漏れ電流を小さくすることができるが、同時に順方向立ち上がり電圧は高くなる。また、ショットキー障壁高さの低い金属材料を用いることで順方向立ち上がり電圧を低くすることができるが、同時に逆方向漏れ電流は大きくなる。
一方、逆方向電圧印加時に金属/半導体界面(以下、ショットキー界面と呼ぶ)にかかる電界を緩和することで逆方向漏れ電流を抑制する構造として、ショットキー界面部に複数の接合障壁を設ける接合障壁(Junction Barrier)ショットキーダイオード(以下、JBSダイオードと呼ぶ)と呼ばれる構造が提案されている。逆方向電圧印加時に接合障壁部から空乏層が伸び、ショットキー界面の電界を緩和することができる。この構造を図19に例示する。図19において、1は炭化珪素n+基板を、2はnドリフト層を、3はp+領域を、5はアノード電極を、6はカソード電極を示している。JBSダイオードは逆方向漏れ電流を低減できる一方で、順方向動作時に低電圧で動作するショットキーダイオード領域の面積が小さくなるため、順方向動作時の抵抗が高くなってしまう。JBSダイオードにおける順方向動作時の抵抗増加を抑制する構造として、接合障壁に囲まれた領域の不純物濃度を高くする構造が開示されている(特許文献1)。この構造を図20に例示する。図19との違いは、nドリフト層よりも高い不純物濃度を有するn型半導体領域4が設けられている点である。この構造によって接合障壁形成領域の抵抗を下げることができる。
特許第3987957号
しかし、これらの検討はあくまでも理想的なショットキー界面を形成することができた場合に有効な方法である。ショットキーダイオードの逆方向特性はショットキー界面状態に非常に敏感であり、界面付近に異物や欠陥などが存在すると逆方向漏れ電流は急激に大きくなってしまい、所望の整流作用は得られなくなる。一般的にショットキーダイオードはPNダイオードと比べて良品率は低くなる。エピタキシャル成長やイオン注入によってドリフト層の内部に接合障壁を形成するPNダイオードと比べ、ドリフト層の表面に金属膜を形成するショットキーダイオードは、異物や製造工程中のプロセス欠陥の影響を受けやすいためである。異物や欠陥の分布をランダムと仮定すると、良品率Y(ここでは、逆方向特性に異常なくチップを作製できる確率を示す)はポアソン分布で考えられ、下記の数式で示される。
(数式)
Y=exp(−DA)
D:逆方向特性に異常をきたす異物や欠陥の密度
A:ショットキー界面の面積
図21に、数式1で示した良品率Yとショットキー界面の面積Aの関係を、欠陥密度Dに対してプロットしたものを示す。例えば、ショットキー界面の面積Aが0.1cmのとき、D=1個/cmの場合良品率Yは90%程度となるが、D=10個/cmの場合Yは40%以下と大幅に減少することが分かる。この値に、JBS構造やチップ周辺に形成される電界集中緩和構造に用いられている接合障壁領域の総面積に対応する良品率を掛け合わせた値が、JBSダイオードの良品率と考えることができる。
上述のように、ショットキーダイオードはショットキー界面特性に敏感なため、大面積の耐圧良品チップを作製するのは非常に困難である。そこで良品率を向上するには、JBS構造における接合障壁領域を大きくしてショットキー界面領域を極力小さくすることが有効であると考えられる。しかしこの場合、順方向動作時に接合障壁領域下部に十分に電流が広がらず、オン電圧が上昇してしまうという問題がある。
解決しようとする問題点は、JBSダイオードの順方向動作時において接合障壁領域下部に十分に電流が広がらないため、オン電圧が上昇してしまう点である。
本発明は、JBS構造ダイオードのオン抵抗の上昇を抑えるため、接合障壁領域下部にn型ドリフト層濃度よりも相対的に高濃度なn領域を有する構造とする。代表的な本願発明を以下に列記する。
本発明は、第1導電型の炭化珪素基板と、炭化珪素基板上に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型のドリフト層と、ドリフト層内の表面に所定の間隔で形成された、第1導電型と反対の第2導電型を有する複数の第1半導体領域と、ドリフト層とショットキー接続するショットキー電極と、炭化珪素基板の裏面とオーミック接続するオーミック電極と、第1半導体領域と炭化珪素基板との間の領域に、第1不純物濃度より高い第2不純物濃度を有する、第1導電型の第2半導体領域と、を備える半導体装置である。
また、別の本発明は、第1導電型の炭化珪素基板と、炭化珪素基板上に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型の第1半導体層と、第1半導体層上に形成された、第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する第1導電型の第2半導体層と、第2半導体層内の表面に所定の間隔で形成された、第1導電型と反対の第2導電型を有する複数の第1半導体領域と、第2半導体層とショットキー接続するショットキー電極と、炭化珪素基板の裏面とオーミック接続するオーミック電極と、を備える半導体装置である。
また、別の本発明は、第1導電型の炭化珪素基板と、炭化珪素基板上に形成され、第1不純物濃度を有する第1導電型の第1半導体層と、第1半導体層上に形成された、第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する第1導電型の第2半導体層と、第2半導体層内の表面に所定の間隔で形成された、第1導電型と反対の第2導電型を有する複数の第1半導体領域と、第2半導体層内に形成され、上面から見て複数の前記第1半導体領域を取り囲みように配置された第2導電型を有する第2半導体領域と、第2半導体層とショットキー接続するショットキー電極と、炭化珪素基板の裏面とオーミック接続するオーミック電極と、を備える半導体装置である。
本発明の半導体装置は、接合障壁領域下部にn型ドリフト層よりも相対的に低抵抗なn領域を有しているため、接合障壁領域下部まで電流が広がることでJBSダイオードのオン電圧の上昇を抑えられる。
本発明の実施の形態1における半導体装置の断面構造を示す説明図であり、図22のA−A’切断面における断面図である。 本発明の実施の形態1における半導体装置の製造工程の一例を示す、製造工程中の断面構造説明図である。 図2に続く半導体装置の製造工程中の断面構造説明図である。 ドリフト層抵抗の上昇率とショットキー界面の割合の関係を示す説明図である。 ドリフト層抵抗の上昇率と接合障壁領域幅の関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態1の効果を示す説明図である。 本発明の実施の形態1の効果を示す説明図である。 本発明の実施の形態2における半導体装置の断面構造を示す説明図であり、図22のB−B’切断面における断面図であり、(a)はショットキー電極が絶縁膜10に乗り上げない場合、(b)はショットキー電極が絶縁膜10に乗り上げる場合の断面図である。 本発明の実施の形態3における半導体装置の断面構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態3における他の半導体装置の断面構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態3における半導体装置の製造工程の一例を示す、製造工程中の断面構造説明図である。 図11に続く半導体装置の製造工程中の断面構造説明図である。 本発明の実施の形態4における半導体装置の断面構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態4における半導体装置の製造工程の一例を示す、製造工程中の断面構造説明図である。 図14に続く半導体装置の製造工程中の断面構造説明図である。 本発明の実施の形態5における半導体装置の断面構造を示す説明図である。 本発明の実施の形態5における半導体装置の製造工程の一例を示す、製造工程中の断面構造説明図である。 図16に続く半導体装置の製造工程中の断面構造説明図である。 従来の半導体装置の断面構造を示す説明図である。 従来の半導体装置の断面構造を示す説明図である。 良品率とショットキー界面の面積の関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における半導体装置の上面構造を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。特に異なる実施の形態間で機能が対応するものについては、形状、不純物濃度や結晶性等で違いがあっても同じ符号を付すこととする。又、断面図ではダイオードの主要部分のみを示しており、通常チップ周辺に形成されている電界集中緩和構造などを含めた周辺部分は省略されている。又、説明の便宜上、n型半導体基板を用いた例のみ説明するが、p型半導体基板を用いた場合であっても、本発明に含まれる。この場合には、n型をp型と、p型をn型と読み替えればよい。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における半導体装置の断面構造を示す説明図である。本実施の形態1による半導体装置は、第1導電型(n型)の高不純物濃度(n型)SiC基板1上に形成される第1導電型の低不純物濃度(n型)SiCドリフト層2と、第2導電型(p型)のp型半導体領域3と、nドリフト層2表面に設けられたショットキー電極5と、nSiC基板1裏面に設けられたオーミック電極6とを備えているJBSダイオードである。さらに、このダイオードは、p型半導体領域3の下側かつSiC基板との間の領域に、相対的にnドリフト層2(nSiC半導体層8)より高い不純物濃度のn型半導体領域4を備えている。このため、順方向動作時においてp型半導体領域3の下部に十分に電流が広がることが可能で、オン電圧の上昇を抑えることができる。本実施の形態1では、p型半導体領域3の下側のn型半導体領域4は、p型半導体領域3と接触して配置され、また、n型半導体領域4はnドリフト層2の表面全体に形成されているため、p型半導体領域3の間の領域にも存在する。なお、Wはドリフト層の厚さを示し、Sは複数配置されたp型半導体領域3同士の間隔を示し、Pはp型半導体領域3の幅を示す。
図2から図3は本実施の形態1の製造工程の一例を示す、製造工程中の断面構造説明図である。
まず、図2に示すようにnSiC基板1上に低不純物濃度のnSiC層8を、nSiC層8上に相対的にnSiC層8よりも高い不純物濃度のn半導体領域4をエピタキシャル成長で形成したSiC基板を準備する。ここでは、nSiC層8とn半導体領域4の積層膜をnドリフト層2と定義する。
SiC基板1の不純物濃度は、1×1018〜1×1019cm−3程度の範囲が用いられる。SiC基板の主面は(0001)面、(000−1)面、(11−20)面などがよく用いられるが、本願発明は、SiC基板のこれらの主面の選択によらず、その効果を奏することが出来る。
SiC基板1上のnSiC層8の仕様としては、設定している耐圧仕様によって異なってくるが、不純物濃度は基板と同一の導電型で1×1015〜4×1016cm−3程度の範囲で、厚さは3〜80μm程度の範囲で用いられる。
次に、図3に示すように、通例のリソグラフィとドライエッチングにより、マスク材料7にパターンを形成する。ここではマスク材料7は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成したSiOを用いている。また、通常マスク材料7は、縞状パターン、島状パターン、多角形状パターン、格子状パターンなどに加工されるが、本願発明は、一定の幅と間隔でパターニングされるのであれば、どのような形状でもその効果を奏することが出来る。マスク材料7にパターン形成した後、イオン12の注入により、n-ドリフト層2の表面にp型半導体領域3を形成する。p型半導体領域3の不純物濃度は、1018〜1020cm−3程度で、接合深さは0.3〜2.0μm程度の範囲で用いられる。p型のドーパントとしては、通常Al(アルミ)やB(ホウ素)が用いられる。ここでは、ドーパントとしてAlを用い、総ドーズ量1.8×1014cm−2を35〜145keVの加速エネルギーで多段注入を行い、表面付近の不純物濃度が9×1018cm−3程度、接合深さが0.55〜0.7μm程度となるようにp型半導体領域3を形成した。
こうして、p型半導体領域3を形成した後は、p型半導体領域3の形成と同様の手順で、チップの外周部にp型不純物によるガードリング9を形成した(図22参照)。さらに、通常行われる注入不純物の活性化アニールを行い、nSiC基板の裏面のオーミック電極6およびnドリフト層2表面のショットキー電極5を形成し、ショットキー電極5を所望のサイズにパターニング加工することで、図1に示した本願発明の半導体装置の主要部分が完成する。
なお、表面保護や電極端からの放電を防止する目的で、表面にSiOなどの絶縁膜10を形成し、電極端子用に電極上部の一部の領域をパターニング加工して開口部11を形成することで、半導体装置が完成する(図22参照)。図22は本実施の形態1の上面構造を示す説明図である。なお、この上面図は当該半導体装置の主要部分の配置関係を示すものであり、全層の位置や寸法を正確に示すものではない。また、配置関係を見やすくするため、電極など一部の層は記載していない。ここでは、JBS構造として、p型半導体領域3がライン状に一定の間隔で並んだ縞状パターンを示しているが、上述のように、一般的にJBS構造として用いられる、島状パターン、多角形状パターン、格子状パターンなどであっても良い。p型の半導体領域9は、複数のp型半導体領域3を取り囲むように形成されている。図1は、図22のA−A’切断面における断面図である。 ここでは、ダイオードの主要部分のみを説明したが、通常チップ周辺に形成されている、FLR(Field Limiting Ring)やJTE(Junction Termination Extension)などの電界集中緩和構造や、チャネルストッパは、図3に示したp型半導体領域3形成の前、または後に、通例のリソグラフィとドライエッチング、およびイオン注入を用いて形成される。
本実施の形態1では、n半導体領域4をエピタキシャル成長で形成したSiC基板を用いたが、nドリフト層2にn型不純物の多段イオン注入を行って、n半導体領域4を形成しても良い。n型不純物としては、N(窒素)やP(リン)が一般的に用いられるが、n型のドーパントとして寄与するものであれば、他の元素でも適用できる。この場合、n型不純物をイオン注入する領域はSiC基板全面にしても良く、またショットキー電極を形成する領域に限定しても良い。また、n型不純物のイオン注入は、注入不純物の活性化アニール工程の前に実施すれば良く、図3のp型半導体領域3の形成工程を行った後にn半導体領域4を形成しても良い。
また、本実施の形態1では、マスク材料にSiOを適用したが、例えば窒化シリコン膜やレジスト材料でもよく、イオン注入時のマスクとなる材料であれば、その他の材料でも適用できる。
また、本実施の形態1では、注入不純物の活性化アニールを実施した後、すぐに裏面および表面の電極形成を行ったが、注入不純物の活性化アニールを実施した後に酸化処理を行い、nドリフト層2の表面に入ったダメージ層を除去する犠牲酸化工程を行ってもよい。
また、本実施の形態1では、注入不純物の活性化アニールを実施した後、すぐに裏面および表面の電極形成を行ったが、nドリフト層2の表面にCVD法でSiOなどの表面保護膜を形成し、nドリフト層2の表面を保護しても良い。この場合、表面保護膜を形成した後、ショットキー電極を形成する領域のみ開口するように加工する。また、前述の犠牲酸化工程を行った後に表面保護膜を形成しても良い。次に、本発明の効果の一例を図4から図7のシミュレーション結果を用いて説明する。ここで、JBS構造を有するダイオードのnドリフト層抵抗をR、ショットキーダイオードのnドリフト層抵抗をRSBD、JBS構造におけるp型半導体領域3の幅をP、間隔をS、n−ドリフト層2の厚さをWと定義している。
また、nドリフト層2は耐圧の異なる2種類の仕様を示している。1つは耐圧600Vを想定した不純物濃度が1×1016cm−3、厚さが5μmのn-ドリフト層であり、もう1つは耐圧3.3kVを想定した不純物濃度が3×1015cm−3、厚さが30μmのn-ドリフト層である。
図4は、従来のJBSダイオードの抵抗上昇率R/RSBDと、ショットキー界面割合S/(S+P)の関係を示している。p接合領域の間隔Sは、逆方向電圧印加時のショットキー電極界面電界を十分に緩和し、逆方向漏れ電流を低減する観点から決定される。ここでは、耐圧600Vを想定したnドリフト層2の仕様ではS=2μm、耐圧3.3kVを想定したn-ドリフト層2の仕様では3μmを標準寸法として設定した。また、ドリフト層の抵抗変化の比較のために、耐圧600Vのnドリフト層2の仕様でS=6μmの寸法についても計算したが、このSの仕様はショットキー界面電界の緩和効果を考慮した値ではない。図4から、JBS構造とすることで、n-ドリフト層2表面の電流経路は制限されるため、ショットキー界面の割合が減るほどに抵抗上昇率R/RSBDが増加しているのが分かる。しかし、nドリフト層2の仕様や間隔Sの寸法によって、ショットキー界面の割合に対するドリフト層抵抗の上昇率の感度は異なっている。つまり、電流がp型半導体領域下部まで十分に広がらなくなり、抵抗上昇率R/RSBDが急激に増加するポイントは、p型半導体領域の幅Pと間隔Sの割合だけでは決まらないことを示している。
図5は、従来のJBSダイオードの抵抗上昇率R/RSBDと、接合領域幅のドリフト層厚さに対する割合W/Pの関係を示している。図5では、W/Pの値が大きいときは、緩やかにほぼ一定の割合で抵抗上昇率R/RSBDは増加しているが、W/P≦4の領域になると抵抗上昇率R/RSBDが急激に増加しているのが分かる。これは、JBS構造の抵抗増加を決める因子はp型半導体領域の幅Pとドリフト層の厚さWで決まっており、P≧W/4の関係では、電流がp型半導体領域3の下部まで十分に広がらなくなることを示している。
図6は、本実施の形態1の構造を適用した場合の効果の一例を示している。図6では簡便のため、n型半導体領域4を電流分散層と表示しているが、同じ層を示している。すなわち、電流分散層と表記されているものは、本発明に係るn型半導体領域4を設けた場合のデータであり、表記のないものは、従来のSBDである。耐圧600Vを想定したnドリフト層2の仕様は、nSiC層8が不純物濃度1×1016cm−3の厚さ5μm、n型半導体領域4が3×1016cm−3の2μmの積層膜となっている。また、耐圧3.3kVを想定したnドリフト層2の仕様は、nSiC層8が3×1015cm−3の30μm、n型半導体領域4が1.5×1016cm−3の2μmの積層膜となっている。n型半導体領域4を追加したnドリフト層2の抵抗上昇率は、n型半導体領域4がない場合のn-ドリフト層2のショットキーダイオードの抵抗RSBDで規格化している。このため、積層膜の不純物濃度や厚さの関係で、W/Pが大きい場合の抵抗上昇率R/RSBDはnドリフト層2の仕様によって違いが見られる。しかし、どちらのnドリフト層2の仕様においても、抵抗上昇率の急増するポイントW/P=4よりも小さい場合において、従来構造と比べて抵抗の上昇が抑制されていることが分かる。すなわち、本発明に係るn型半導体領域4を設けた場合には、特にPがWの1/4倍よりも広い設計において抵抗の上昇を抑制する効果が顕著になることが分かる。PとWの関係に寄らずn型半導体領域4を設けることで一定の効果が得られるが、PをWの1/4倍よりも広くすることでより顕著な効果が得られ、PをWの1/4倍より広くすることが望ましい。
図7は、本実施の形態1の構造を適用した場合の効果の一例を示しており、n型半導体領域4を追加したnドリフト層2の抵抗上昇率を、同一のnドリフト層2の構造を持つショットキーダイオードの抵抗RSBDで規格化した場合を示している。各nドリフト層2の仕様について、W/P=3程度まで、抵抗上昇率R/RSBDはほぼ一定の割合で緩やかに増加していることが分かる。これは、n型半導体領域4を追加した本願発明の構造により、p型半導体領域3の幅Pを大きくしても、p型半導体領域3下部まで十分に電流が広がっているためである。また、従来構造と比べると、上昇率の急増するポイントW/P=3よりも小さい場合においても抵抗の増加は緩やかであり、W/P=1の場合でも抵抗上昇率は1.5程度であり、実用可能な範囲に抑えられている。すなわち、本発明に係るn型半導体領域4を設けることによって、従来W/P=4程度であった抵抗の上昇率の急増ポイントをW/P=3程度まで下げることができる。また、従来のW/P=1では抵抗の上昇率が高く実用的でなかった設計値をn型半導体領域4を設けることによって、実用的な範囲の設計値に抑えることができる。よって、上昇率が急増する前の領域を用いる場合には、PをWの1/4倍より大きく1/3倍より小さくすることが望ましく、また、上昇率が急増した後の領域である1/3倍より大きい場合であっても、この上昇率を低く抑えることができる。
本実施の形態1では、n型半導体領域4の膜厚が2μmの場合を用いて説明したが、n型半導体領域4の濃度および膜厚は、任意の値に設定できる。つまりは、nSiC層8よりも高濃度であり、また逆方向特性が所望の耐圧を示すことができる範囲で設定する。同様に、膜厚を薄く、もしくは厚くしてもよい。
また、本実施の形態1では、JBS構造におけるp型半導体領域3の間隔Sを、耐圧600Vを想定したnドリフト層2の仕様ではS=2μm、耐圧3.3kVを想定したnドリフト層2の仕様ではS=3μmとして設定したが、順方向動作時においてオン電圧が極端に上昇しない範囲であれば、間隔Sを狭く設定しても良い。本実施の形態1では、nドリフト層2の表面に相対的に高い不純物濃度のn型半導体領域4を有するため、通常の間隔Sよりも大幅に狭く設定することが可能である。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1についてショットキー電極5端近辺の構造について、さらにn型半導体領域4を設けた構造である。図8は、図22のB−B’切断面における断面図であり、JBSダイオードのショットキー電極5端近辺の断面構造を示している。図8に示しているように、ショットキー電極5端の構造としては、(a)n型SiCドリフト層2上にショットキー電極5を形成し、p型半導体領域(ガードリング)9上で端部が形成されるように電極を加工する構造と、(b)n型SiCドリフト層2上に形成した絶縁膜10を通例のリソグラフィとドライエッチングもしくはウェットエッチングにより加工し、ショットキー電極5を形成し、p型半導体領域(ガードリング)9の上部であり絶縁膜10上で端部が形成されるように電極を加工する構造が一般的に用いられる。ここでp型半導体領域(ガードリング)9は、ショットキー電極5端部、もしくは電極と絶縁膜10の境界部分に電界が集中しないように設けられている。いずれの場合でも、ショットキー電極の端部若しくはショットキー電極と絶縁膜10の境界部分(ショットキー電極の端部)は、このp型半導体領域上に配置されている。ここでは、p型半導体領域(ガードリング)9を、p型半導体領域3とは別工程で形成された領域として示しているが、p型半導体領域3と同一工程で形成しても良い。いずれの場合においても、p型半導体領域(ガードリング)9をn型半導体領域4内に形成することで、順方向動作時においてp型半導体領域(ガードリング)9の下部に十分に電流が広がることが可能であり、実施の形態1の効果と同様にショットキー電極5端近辺のオン電圧の上昇を抑えることができる。
なお、本実施の形態1では、絶縁膜10にSiOを適用したが、一般的な絶縁性を有した材料であれば良く、例えば窒化シリコン膜やポリイミド、またこれらの異なる絶縁膜からなる積層膜でもよい。
(実施の形態3)
図9は本発明の実施の形態3における半導体装置の断面構造を示す説明図である。また、図10に本実施の形態3における他の半導体装置の断面構造の説明図を示す。図9との違いは、n型半導体領域4がp型半導体領域3の幅と同じという点である。この違いは、製造工程における若干の変更によって実現することができる。本実施の形態3の実施の形態1との違いは、n型半導体領域4がp型半導体領域3の下部領域のみに形成されている点であり、製造工程が異なる。しかし、その効果は、程度の違いはあるが本質的に実施の形態1で示したものと同様である。
図11から図12は本実施の形態3の製造工程の一例を示す、製造工程中の断面構造説明図である。
実施の形態1と同様の手順で、nSiC基板1上に低不純物濃度のnドリフト層2をエピタキシャル成長で形成したSiC基板を準備する。nSiC基板1やnドリフト層2は、実施の形態1と同様の不純物濃度や厚さの範囲の仕様を用いる。
次に、図11に示すように、通例のリソグラフィとドライエッチングにより、マスク材料7にパターンを形成する。マスク材料7やその加工パターンは、実施の形態1と同様のものを用いる。マスク材料7にパターン形成した後、イオン12の注入により、nドリフト層2の表面にp型半導体領域3を形成する。また、イオン注入時の加速エネルギーや総ドーズ量は、実施の形態1と同様のものを用いる。
次に、p型半導体領域3形成時のマスク材料7を加工・縮小してn型不純物のイオン注入を行い、n半導体領域4を形成する。ここではマスク材料7は、CVD法で形成したSiOを用いているため、加工には希釈したフッ酸を用いている。マスク材料7のエッチング量には特に規定はなく、n型半導体領域4の幅がp型半導体領域3の幅より広くなれば良い。n型半導体領域4の不純物濃度は、相対的にn−ドリフト層2の不純物濃度より高濃度であれば良く、ピーク不純物濃度がp型半導体領域3下部のPN接合位置近辺となるように設定する。n型のドーパントとしては、通常N(窒素)やP(リン)が用いられる。ここでは、ドーパントとしてNを用い、総ドーズ量1.8×1012cm−2を360〜480keVの加速エネルギーで多段注入を行い、ピーク不純物濃度が7×1016cm−3程度となるようにn型半導体領域4を形成した。また、電流分散層となるn型半導体領域4の幅を広くするため、より高い加速エネルギー、例えば700keV程度までで多段注入を行っても良いが、n型不純物のイオン注入条件は、設定耐圧の逆方向電圧印加時のPN接合リークの大きさで決める必要がある。
こうして、n型半導体領域4を形成した後は、通常行われる注入不純物の活性化アニールを行い、nSiC基板の裏面のオーミック電極6およびnドリフト層2表面のショットキー電極5を形成し、ショットキー電極5を所望のサイズにパターニング加工することで、図9に示した本願発明の半導体装置が完成する。
ここでは、ダイオードの主要部分のみを説明したが、通常チップ周辺に形成されている電界集中緩和構造は、図11から図12に示した製造工程の前、間、または後に、通例のリソグラフィとドライエッチング、およびイオン注入を用いて形成される。
本実施の形態3では、p型半導体領域3を形成した後n型半導体領域4を形成したが、その形成順序は逆でも良い。その場合、n型半導体領域4を形成した後、マスク材料7を追加で堆積し、通例のドライエッチングによるエッチバック処理を行うことで、n型半導体領域4よりも幅の狭いp型半導体領域3形成用のマスク材料7が形成される。
また、本実施の形態3では、n型半導体領域4の幅をp型半導体領域3の幅よりも広く形成したが、同一マスクパターンで形成しても良い。この場合、マスク材料7を再加工する工程を省略することができるので、工程を簡略化することができる。図10に断面構造を例示する。
また、本実施の形態3では、注入不純物の活性化アニールを実施した後、すぐに裏面および表面の電極形成を行ったが、注入不純物の活性化アニールを実施した後に酸化処理を行い、nドリフト層2の表面に入ったダメージ層を除去する犠牲酸化工程を行ってもよい。
また、本実施の形態3では、注入不純物の活性化アニールを実施した後、すぐに裏面および表面の電極形成を行ったが、nドリフト層2の表面にCVD法でSiOなどの表面保護膜を形成し、nドリフト層2の表面を保護しても良い。この場合、表面保護膜を形成した後、ショットキー電極を形成する領域のみ開口するように加工する。また、前述の犠牲酸化工程を行った後に表面保護膜を形成しても良い。
(実施の形態4)
図13は本発明の実施の形態4における半導体装置の断面構造を示す説明図である。実施の形態3で示した図9との違いは、n型半導体領域4がp型半導体領域3の側面にも配置され、nドリフト層2の表面まで形成されてショットキー接続している点である。なお、隣接するn型半導体領域と所定の間隔が設けられて配置されている。しかし、その効果は、程度の違いはあるが本質的に実施の形態1で示したものと同様である。
図14から図15は本実施の形態4の製造工程の一例を示す、製造工程中の断面構造説明図である。
実施の形態3との違いは、図15のn型半導体領域4形成時のイオン注入条件である。低加速エネルギーから多段注入を行うことで、n型半導体領域4をnドリフト層2の表面まで形成している。
また、本実施の形態4の別の製造方法として、nドリフト層2を通例のドライエッチングによりトレンチ形状に加工した後、n型半導体領域4となるSiC層、p型半導体領域3となるSiC層をエピタキシャル成長し、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、nドリフト層2の表面まで平坦化研磨を実施する方法がある。この場合、n型半導体領域4およびp型半導体領域3を、イオン注入を用いずに形成することができるので、不純物濃度の制御やその幅を正確に制御することが出来る。
(実施の形態5)
図16は本発明の実施の形態5における半導体装置の断面構造を示す説明図である。実施の形態3で示した図9との違いは、n型半導体領域4がそれぞれ分断されずに、1つの層として形成されている点である。すなわち、p型半導体領域3の間であって、ショットキー電極5とSiC基板1の間にも配置されている。さらに、ショットキー電極5と所定の距離離れて配置されている。しかし、その効果は、程度の違いはあるが本質的に実施の形態1で示したものと同様である。
図17から図18は本実施の形態5の製造工程の一例を示す、製造工程中の断面構造説明図である。
実施の形態3との違いは、図18のn型半導体領域4形成時の注入領域である。本実施の形態5では、JBS構造を形成する領域全面にn型不純物をイオン注入することで、n型半導体領域4を形成している。
また、本実施の形態5の別の製造方法として、nドリフト層2の表面に、n型半導体領域4、nドリフト層2と同一の不純物濃度のnSiC層をエピタキシャル成長した後、p型半導体領域3をイオン注入により形成する方法がある。この場合、n型半導体領域4の不純物濃度と厚みを制御よく形成することが出来る。
以上、本発明について実施の形態1〜5を用いて説明した。実施の形態2では、実施の形態1を用いて説明したが、実施の形態2は実施の形態3〜5の形態についても適用でき、その場合には、図8のp型半導体領域3とp型半導体領域9との間のn型半導体領域4の配置を夫々の実施の形態3〜5のn型半導体領域4の配置に置き換えればよい。
1 n型SiC基板
2 n型SiCドリフト層
3 p型半導体領域
4 n型半導体領域
5 ショットキー電極
6 オーミック電極
7 マスク材料
8 n−型SiC層
9 ガードリング
10 絶縁膜
11 開口部
12 イオン

Claims (16)

  1. 第1導電型の炭化珪素基板と、
    前記炭化珪素基板上に形成され、第1不純物濃度を有する前記第1導電型のドリフト層と、
    前記ドリフト層内の表面に所定の間隔で形成された、前記第1導電型と反対の第2導電型を有する複数の第1半導体領域と、
    前記ドリフト層とショットキー接続するショットキー電極と、
    前記炭化珪素基板の裏面とオーミック接続するオーミック電極と、
    前記第1半導体領域と前記炭化珪素基板との間の領域に、前記第1不純物濃度より高い第2不純物濃度を有する、前記第1導電型の第2半導体領域と、
    前記ドリフト層内に配置され、上面から見て複数の前記第1半導体領域を取り囲むように配置された前記第2導電型の第3半導体領域と、
    を備え、
    前記ショットキー電極の端部は、前記第3半導体領域上に配置され、
    前記第2半導体領域は、前記第3半導体領域と前記炭化珪素基板との間の領域にも配置されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域と接触して配置されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記ショットキー電極は、前記第1半導体領域の表面にも設けられていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域の間であって、前記ショットキー電極と前記炭化珪素基板との間にも配置されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項4記載の半導体装置において、
    前記ショットキー電極は、前記第2半導体領域とショットキー接続されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項4記載の半導体装置において、
    前記第2半導体領域は、前記ショットキー電極と所定の距離離れて配置されていることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域の幅よりも広い幅を有することを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域の側面にも配置され、
    前記第2半導体領域は、隣接する第2半導体領域と所定の間隔が設けられて、配置されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1半導体領域の幅は、前記ドリフト層の厚さの1/4倍よりも広いことを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第3半導体領域と前記炭化珪素基板との間の領域に配置された前記第2半導体領域は、前記第3半導体領域と接触して配置されていることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項10記載の半導体装置において、
    前記第3半導体領域に接触して配置された第2半導体領域と前記炭化珪素基板との間には、前記ドリフト層の一部が介在していることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11記載の半導体装置において、
    前記炭化珪素基板は第3不純物濃度を有し、前記第3不純物濃度は前記第1不純物濃度よりも高いことを特徴とする半導体装置。
  13. 第1導電型の炭化珪素基板と、
    前記炭化珪素基板上に形成され、第1不純物濃度を有する前記第1導電型の第1半導体層と、
    前記第1半導体層上に形成された、前記第1不純物濃度よりも高い第2不純物濃度を有する前記第1導電型の第2半導体層と、
    前記第2半導体層内の表面に所定の間隔で形成された、前記第1導電型と反対の第2導電型を有する複数の第1半導体領域と、
    前記第2半導体層内に形成され、上面から見て複数の前記第1半導体領域を取り囲むように配置された前記第2導電型を有する第2半導体領域と、
    前記第2半導体層とショットキー接続するショットキー電極と、
    前記炭化珪素基板の裏面とオーミック接続するオーミック電極と、
    を備え、
    前記ショットキー電極の端部は、前記第2半導体領域上に配置され、
    前記第2半導体層は、前記第2半導体領域と前記第1半導体層との間の領域にも配置されていることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項13記載の半導体装置において、
    ドリフト層は前記第1半導体層と前記第2半導体層により構成され、
    前記第1半導体領域の幅は、前記ドリフト層の厚さの1/4倍よりも広いことを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項13記載の半導体装置において、
    前記第2半導体領域は、ガードリングであることを特徴とする半導体装置。
  16. 請求項13記載の半導体装置において、
    前記炭化珪素基板は第3不純物濃度を有し、前記第3不純物濃度は前記第1不純物濃度よりも高いことを特徴とする半導体装置。
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