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JP5454250B2 - タイヤ加硫用モールドの製造方法 - Google Patents
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本発明は、タイヤ加硫用モールドの製造方法に関し、さらに詳しくは、簡単な加工によって石膏鋳型の破損防止と石膏鋳型からのサイプ用ブレードの抜けを防止することができ、この破損防止および抜け防止に用いる部材を繰り返し使用することが可能なタイヤ加硫用モールドの製造方法に関するものである。
タイヤ加硫用モールドを製造する方法として、マスター型を作成し、このマスター型の表面形状を転写したゴム型を製造し、次いでゴム型の表面形状を転写した石膏鋳型を製造し、次いで石膏鋳型の表面に溶融金属を流し込んで石膏鋳型の表面形状を転写したモールドを鋳造する石膏モールド法が知られている。近年、タイヤに対する様々な要求性能からタイヤ加硫用モールドも複雑な形状になってきている。石膏モールド法においては、タイヤ加硫用モールドが複雑な形状になって、石膏鋳型に微細な突起部分等が形成される場合には、石膏鋳型をゴム型から離型する際に、この突起部分等が破損することがある。
そこで、このような石膏鋳型の破損を防止するために、様々な方法が提案されている(特許文献1参照)。例えば、特許文献1の図7に記載されているように、サイプを形成するための細骨部材に補強材を一体的に設け、この細骨部材の一部をゴム型の必要部分に埋設するとともに、補強材を露出した状態にして、石膏を流し込んで石膏鋳型を製造する。この方法によれば、石膏鋳型の補強材が埋設された部分周辺は、補強材によって補強されるため、石膏鋳型をゴム型から離型させる際に石膏鋳型が破損し難くなる。しかしながら、この方法では、特別に補強材を一体的に付設した細骨部材を用意する必要がある。そして、加硫用モールドが完成した後に不要になる補強材の部分を切断し、切断した部分を仕上げ加工する必要あるため、作業が煩雑になるという問題がある。切断した補強材は、使い捨てになるという問題もある。
別の方法として、特許文献1の図5に記載されているように、細骨部材に補強材を接着剤で接合することも提案されている。この方法では、細骨部材に補強材を接合するために時間を要するという問題がある。また、加硫用モールドが完成した後に、細骨部材に接着した補強材を分離させるために時間を要するという問題も生じる。
石膏鋳型に埋設される補強材は、特許文献1の図9に記載されているように貫通孔やスリットを設けることにより、細骨部材を石膏鋳型から抜け難くするアンカー効果を発揮する。しかしながら、特許文献1に記載されているような板状の補強材では、十分なアンカー効果を得ることは難しい。
特開平11−170267号公報
本発明の目的は、簡単な加工によって石膏鋳型の破損防止と石膏鋳型からのサイプ用ブレードの抜けを防止することができ、この破損防止および抜け防止に用いる部材を繰り返し使用することが可能なタイヤ加硫用モールドの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のタイヤ加硫用モールドの製造方法は、マスター型の表面にゴム材料を流し込んでマスター型の表面形状を転写したゴム型を製造し、次いでゴム型の表面に石膏を流し込んでゴム型の表面形状を転写した石膏鋳型を製造し、次いで石膏鋳型の表面に溶融金属を流し込んで石膏鋳型の表面形状を転写したモールドを鋳造するタイヤ加硫用モールドの製造方法において、石膏鋳型を製造する工程で、サイプ用ブレードに設けた貫通孔に挿通した金属線材を、捩じり合わせることにより取り付けた金属線材付きサイプ用ブレードを、この金属線材の全体をゴム型の表面に露出させて、ゴム型の表面の所定位置に植設した状態にして、このゴム型の表面に石膏を流し込んで前記石膏鋳型を製造し、前記石膏鋳型の表面形状を転写したモールドを鋳造した後で、前記金属線材を、その捩じり合わせを解いて前記サイプ用ブレードから除去することを特徴とする。
本発明によれば、石膏鋳型を製造する工程で、サイプ用ブレードに設けた貫通孔に挿通した金属線材を、捩じり合わせることにより取り付けた金属線材付きサイプ用ブレードを使用し、石膏鋳型の表面を転写したモールドを鋳造した後で、金属線材を、その捩じり合わせを解いてサイプ用ブレードから除去するので、サイプ用ブレードに対する金属線材の取り付けおよび取外しが簡単な加工になる。この金属線材は、使い捨てにはならず、繰り返し使用することができる。
また、金属線材の全体をゴム型の表面に露出させて、ゴム型の表面の所定位置に植設した状態にして、このゴム型の表面に石膏を流し込んで石膏鋳型を製造するので、この金属線材の全体が石膏鋳型に埋設される。金属線材が埋設された部分周辺は、金属線材によって補強されるため、石膏鋳型をゴム型から離型させる際に石膏鋳型が破損し難くなる。また、金属線材を捩じり合わせているので、サイプ用ブレードが石膏鋳型から抜け難くなり、優れたアンカー効果を得ることができる。
前記金属線材としては、例えば、鈍し鉄線、銅線またはアルミニウム合金線を用いることができる。鈍し鉄線等は変形させ易いので、捩じり合わせや捩じり合わせの解し作業を迅速に行なうことができる。前記金属線材は、例えば、両端の開き角度が30°〜120°になるように、捩じり合わせる。このようにした場合、金属線材による石膏鋳型に対する補強効果およびサイプ用ブレードに対するアンカー効果が良好になる。
前記金属線材の捩じり合わせた後のサイプ用ブレードからの突出長さは、例えば、5mm〜30mmにする。この長さにした場合、捩じり合わせや捩じり合わせの解し作業がし易くなり、また、金属線材による石膏鋳型に対する補強効果およびサイプ用ブレードに対するアンカー効果が得やすくなる。
本発明に使用するサイプ用ブレードと金属線材を例示する正面図である。 図1の側面図である。 石膏鋳型を製造する工程を断面で例示する説明図である。 モールドを鋳造する工程を断面で例示する説明図である。 鋳造されたモールドを例示する断面図である。
以下、本発明のタイヤ加硫用モールドの製造方法を、図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1、図2に例示するように、本発明に用いるサイプ用ブレード1には、上下二段に貫通孔2a、2bが設けられている。貫通孔2a、2bの数は、サイプ用ブレード1の大きさ等によって異なるが、それぞれ1個〜3個程度である。
下段の貫通孔2aには金属線材3が挿通されて、その両端部が互いに捩じり合わされることにより取り付けられている。金属線材3と貫通孔2aの外径はほぼ同じであり、その外径は、例えば、0.5mm〜1.0mm程度である。
金属線材3の捩じり回数は特に限定されないが、例えば、1回〜5回程度である。上段の貫通孔2bは、サイプ用ブレード1が、後述するタイヤ加硫用モールド6(以下、モールド6という)から抜けることを防止するために設けられている。
図1では、1本の金属線材3のみがサイプ用ブレード1に取り付けられているが、それぞれの貫通孔2aに金属線材3を取り付けることができる。また、貫通孔2aの数を増やして、取り付ける金属線材3の本数をさらに増やすこともできる。即ち、少なくとも1本の金属線材3を取り付ければよく、安定性を確保するには2本以上の金属線材3を取り付けることが好ましい。
サイプ用ブレード1の材質は、例えば、ステンレス鋼、一般炭素鋼、銅、アルミニウム合金、その他の金属である。金属線材3としては、鈍し鉄線、銅線、アルミニウム合金線等を用いることができる。鈍し鉄線等を使用した場合は、変形させ易いので、捩じり合わせや捩じり合わせの解し作業を迅速に行なうことができる。
次に、この金属線材付きサイプ用ブレード1を用いてモールド6を製造する手順を説明する。
まず、マスター型の表面にゴム材料を流し込んでマスター型の表面形状を転写したゴム型4を製造する。次いで、図3に例示するように、上述した金属線材付きサイプ用ブレード1を、金属線材3の全体をゴム型4の表面に露出させるようにして、ゴム型4の表面の所定位置に植設した状態にする。この状態で、ゴム型4の表面に石膏Pを流し込んでゴム型4の表面形状を転写した石膏鋳型5を製造する。したがって、製造された石膏鋳型5には、金属線材3の全体が埋設されることになる。
そのため、石膏鋳型5の金属線材3が埋設された部分周辺は、金属線材3によって効果的に補強され、石膏鋳型5をゴム型4から離型させる際に石膏鋳型5が破損し難くなる。また、金属線材3は捩じり合わされて複雑な形状になっているので、板状部材に比してサイプ用ブレード1が石膏鋳型5から抜け難くなる。即ち、優れたアンカー効果を得ることができる。
この石膏鋳型5は乾燥させる際に、200℃以上に加熱することがある。そのため、乾燥工程で金属線材3が溶融しないように、金属線材3の融点は250℃以上であることが好ましい。
次いで、図4に例示するように、石膏鋳型5の表面に、例えば、アルミニウム材料等の溶融金属Mを流し込んで石膏鋳型5の表面形状を転写したモールド6を鋳造する。流し込んだ溶融金属Mが固化した後、石膏鋳型5を除去すると石膏鋳型5の表面形状を転写したモールド6になる。
この段階では、サイプ用ブレード1には、金属線材3が取り付けられたままになっているので、図5に例示するように、金属線材3を、その捩じり合わせを解いてサイプ用ブレード1から除去する。
本発明では上記のとおり、貫通孔2aに挿通した金属線材3を、捩じり合わせることによりサイプ用ブレード1に取り付け、除去する際には、その捩じり合わせを解けばよいので、サイプ用ブレード1に対する金属線材3の取り付けおよび取外しが簡単な加工になる。また、金属線材3は、使い捨てにはならず、繰り返し使用することが可能になる。
金属線材3をサイプ用ブレード1に取り付ける際には、金属線材3の両端の開き角度Aが、30°〜120°になるように捩じり合わせることが好ましい。開き角度Aをこの範囲にすると、金属線材3による石膏鋳型5に対する補強効果が向上する。また、サイプ用ブレード1が石膏鋳型5から一段と抜け難くなり、優れたアンカー効果を得ることができる。
金属線材3のサイプ用ブレード1からの突出長さは、5mm〜30mm程度が好ましい。この突出長さとは、捩じり合わせた後の金属線材3がサイプ用ブレード1の貫通孔2aから突出している長さである。この範囲の突出長さであれば、金属線材3の捩じり合わせや捩じり合わせの解し作業がさらに容易になる。また、石膏鋳型5に埋設される金属線材3の長さが増大するので、石膏鋳型5に対する補強効果を向上させ易くなる。同様の理由から、サイプ用ブレード1が石膏鋳型5から抜け難くなり、アンカー効果も得やすくなる。
本発明は、例えば、長さ25mm以上のサイプ用ブレード1を使用してモールド6を製造する場合に適用するとよい。
1 サイプ用ブレード
2a、2b 貫通孔
3 金属線材
4 ゴム型
5 石膏鋳型
6 モールド
M 溶融金属
P 石膏

Claims (4)

  1. マスター型の表面にゴム材料を流し込んでマスター型の表面形状を転写したゴム型を製造し、次いでゴム型の表面に石膏を流し込んでゴム型の表面形状を転写した石膏鋳型を製造し、次いで石膏鋳型の表面に溶融金属を流し込んで石膏鋳型の表面形状を転写したモールドを鋳造するタイヤ加硫用モールドの製造方法において、石膏鋳型を製造する工程で、サイプ用ブレードに設けた貫通孔に挿通した金属線材を、捩じり合わせることにより取り付けた金属線材付きサイプ用ブレードを、この金属線材の全体をゴム型の表面に露出させて、ゴム型の表面の所定位置に植設した状態にして、このゴム型の表面に石膏を流し込んで前記石膏鋳型を製造し、前記石膏鋳型の表面形状を転写したモールドを鋳造した後で、前記金属線材を、その捩じり合わせを解いて前記サイプ用ブレードから除去することを特徴とするタイヤ加硫用モールドの製造方法。
  2. 前記金属線材が、鈍し鉄線、銅線またはアルミニウム合金である請求項1に記載のタイヤ加硫用モールドの製造方法。
  3. 前記金属線材を、両端の開き角度が30°〜120°になるように、捩じり合わせる請求項1または2に記載のタイヤ加硫用モールドの製造方法。
  4. 前記金属線材の捩じり合わせた後のサイプ用ブレードからの突出長さが5mm〜30mmである請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ加硫用モールドの製造方法。
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