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JP5454285B2 - 色素増感型太陽電池用電極、色素増感型太陽電池用電極のシールド膜形成用樹脂組成物、シールド膜及びその形成方法、並びに色素増感型太陽電池 - Google Patents
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色素増感型太陽電池用電極、色素増感型太陽電池用電極のシールド膜形成用樹脂組成物、シールド膜及びその形成方法、並びに色素増感型太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、色素増感型太陽電池用電極、色素増感型太陽電池用電極のシールド膜形成用樹脂組成物、シールド膜及びその形成方法、さらにシールド膜を有する色素増感型太陽電池に関する。
色素増感型太陽電池は、スイスのグレッツェルらにより開発されたものであり、光電変換効率が高く、製造コストが安いなどの利点を持つため、新しいタイプの太陽電池として注目を集めている(例えば、特開平1−220380号公報;ミカエル・グレッツェル(M.Graetzel)らによるネイチャー(Nature)誌(英国)、1991年、第353号、p.737を参照)。色素増感型太陽電池は、透明電極基板上に酸化物半導体微粒子からなる光増感色素が担持された酸化物半導体多孔膜を有する作用電極と、この作用電極に対向して設けられた対向電極と、作用電極と対向電極との間に電解液が充填されることにより形成された電解質層(電荷移動層)とを備えている。このような色素増感型太陽電池においては、太陽光などの入射光を吸収した光増感色素により酸化物半導体微粒子が増感され、光エネルギーを電力に変換する光電変換素子として機能する。
色素増感型太陽電池で用いられる透明電極基板としては、スズ添加酸化インジウム(ITO)やフッ素添加酸化スズ(FTO)などの透明導電膜を、高歪点ガラス等の基材の表面に成膜したものが一般的である。スズ添加酸化インジウム(ITO)やフッ素添加酸化スズ(FTO)は、透明性、電解液による腐食に対する耐性、及び成膜容易性などの観点から、好ましく用いられている。しかしながら、ITOやFTOの比抵抗は、10−4[Ω・cm]オーダー程度と、銀や金などの金属の比抵抗に比べて約100倍もの値を示すことから、特に大面積の作用電極とした場合に、光電変換効率の低下を招く一因となっている。
透明電極基板の抵抗を下げる手法として、透明導電膜(ITO、FTOなど)の厚みを大きくすることが考えられるが、抵抗値が十分に下がるほどの膜厚にした場合、透明導電膜による光吸収が大きくなってしまう。この場合、透明導電膜での入射光の透過効率が著しく低下するため、光電変換効率の低下が生じやすい。この問題に対する解決策として、透明電極基板の表面に、開口率を著しく損なわない程度に金属配線を設けることにより、透明電極基板の抵抗の低下を図る検討がなされている(特開2003−203681号公報参照)。
しかしながら、この場合電解液による金属配線の腐食が発生し、時間の経過と共に透明電極基板の抵抗が大きくなるため、光電変換効率の低下につながる事態となる。従って、このように透明電極基板の表面に金属配線を設ける際には、少なくとも金属配線の表面部分が、何らかの遮蔽層により保護されている必要がある。この遮蔽層は、金属配線を緻密に被覆でき、電解質層を構成する電解液に対する耐食性に優れることが要求される。
上記状況を鑑み、特開2005−197176号公報には、色素増感型太陽電池用電極に設けられた金属配線を電解液による腐食から保護するために、導電性粒子(ITO、ATO、ZnO等)を含むアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの透明樹脂からなる有機膜を、この電極の最上層に形成する技術が開示されている。しかし、導電性粒子が透明樹脂溶液に不均一に分散されているために、金属配線の段差を有する基板上に均一な厚みの塗膜を形成することが困難である。その結果、有機膜の欠損が生じたり、金属配線が存在しない部分まで有機膜が形成されることになるため、光電変換効率が低下するという不都合がある。
また、特開2005−197176号公報には、色素増感型太陽電池用電極に設けられた金属配線の表面部分を覆うように、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の透明樹脂からなる有機膜を形成する技術が開示されている。しかし、金属配線の段差を有する基板に対して、スクリーン印刷やグラビヤ印刷の手法により、金属配線が存在する部分のみに正確に樹脂組成物を塗布することは非常に困難である。このような塗布方法を採用した場合でも、やはり金属配線の一部に有機膜の欠損が生じたり、金属配線が存在しない不必要な部分にまで有機膜が形成されることになり、光電変換効率の低下を招来するという不都合がある。
従って、色素増感型太陽電池において、金属配線の段差を有する基板に対して正確に塗布することが可能であると共に、高い光電変換効率を維持しつつ優れた耐食性を有するシールド膜を形成することができるシールド膜形成用組成物の開発が強く望まれている。なお、色素増感型太陽電池における金属配線の段差を有する基板に対して、バー塗布法、スピンコート法、スリットダイ法などによる塗布、及びそれに続くフォトマスクを介した露光・現像によってシールド膜を形成可能な樹脂組成物は知られていない。
特開平1−220380号公報 特開2003−203681号公報 特開2005−197176号公報
ミカエル・グレッツェル(M.Graetzel)らによるネイチャー(Nature)誌(英国)、1991年、第353号、p.737
本発明は、上記のような事情に基づいてなされたものであり、基材上に金属配線層が形成された色素増感型太陽電池用電極において、金属配線の段差を有する基板上に正確に塗布することが可能であり、高い光電変換効率を維持しつつ、電解液による腐食に対して優れた耐食性を有するシールド膜を形成することができる感放射線性を有する樹脂組成物を提供することである。さらに、塗布工程及び加熱工程という比較的簡易な工程のみで、低コストにシールド膜を形成可能な樹脂組成物、及びこの耐食性を有するシールド膜を備えた光電変換効率に優れる色素増感型太陽電池用電極を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、
樹脂組成物の硬化物からなるシールド膜を備える色素増感型太陽電池用電極であって、
上記樹脂組成物が、[A]カルボキシル基、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する共重合体、及び[B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を含有することを特徴とする色素増感型太陽電池用電極である。
上記樹脂組成物の硬化物からなるシールド膜の形成は、塗布工程及び加熱工程という比較的簡易な工程のみで、低コストにシールド膜を形成可能であり、シールド膜は電解質溶液からの耐食性に優れ、このシールド膜を用いた色素増感型太陽電池用電極は、光電変換効率に優れる。
上記樹脂組成物は、[B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物をさらに含有することが好ましく、この[B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート及び3官能以上の(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらに、上記樹脂組成物は、[C]感放射線性重合開始剤を含有することが好ましく、この、[C]感放射線性重合開始剤としては、O−アシルオキシム化合物及び/又はアセトフェノン化合物であることが好ましい。これらの化合物を用いることによって、膜の欠損がなく、金属配線の耐食性に優れるシールド膜が得られる。
また、本発明に係る樹脂組成物は、
[A]カルボキシル基、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する共重合体を含む色素増感型太陽電池用電極のシールド膜形成用樹脂組成物である。当該樹脂組成物は、色素増感型太陽電池用電極のシールド膜の形成材料として好適に用いることができる。
当該樹脂組成物は、
[B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物、及び
[C]感放射線性重合開始剤
をさらに含有するとよい。当該樹脂組成物は、高い感放射線性を有するため色素増感型太陽電池用電極のシールド膜形成のために用いる場合、金属配線の段差を有する基板上で、金属配線が存在する部分にのみ均一な厚みのシールド膜を形成することが可能である。従って、当該樹脂組成物を用いて形成したシールド膜は、金属配線を電解液による腐食から効果的に保護し、また、このシールド膜を用いた色素増感型太陽電池用電極は、高い光電変換効率を維持することができる。
[B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート及び3官能以上の(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、[C]感放射線性重合開始剤としては、O−アシルオキシム化合物及び/又はアセトフェノン化合物であることが好ましい。これらの化合物を用いることによって、露光時の重合反応性が高められ、正確な形状及び優れた耐食性を有するシールド膜が得られる。
従って、当該樹脂組成物を用いて形成されたシールド膜及びこのシールド膜を有する色素増感型太陽電池(光電変換素子)は、感放射線性を利用した露光・現像によって、金属配線が存在する部分にのみシールド膜が正確に形成されるため、高い光電変換効率を有している。
本発明の色素増感型太陽電池用電極のシールド膜の形成方法は、
(1)導電性基板及びこの導電性基板の表面側の金属配線層を備えた積層体に、少なくとも金属配線層の全体が覆われるように、硬化性樹脂組成物の塗膜を形成する工程、及び
(2)工程(1)で形成された塗膜を加熱する工程
を有している。当該形成方法は、塗布工程及び加熱工程の比較的簡易な工程のみを必要とし、低コストにシールド膜を形成することができる。
その他の本発明の色素増感型太陽電池用電極のシールド膜の形成方法としては、
(1’)導電性基板及びこの導電性基板の表面側の金属配線層を備えた積層体に、少なくとも金属配線層の全体が覆われるように、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の樹脂組成物の塗膜を形成する工程、
(3)工程(1’)で形成した塗膜の金属配線層上に積層されている部分のみに放射線を照射する工程、
(4)工程(3)で放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び
(2’)工程(4)で現像された塗膜を加熱する工程
を有している。なお、ここで導電性基板の「表面」とは、この導電性基板を含んで構成される色素増感型太陽電池における対向電極の側の面を意味する。感放射線性を有する当該樹脂組成物を用いた色素増感型太陽電池用電極のシールド膜を形成する方法は、感放射線性を利用した露光・現像によってパターンを形成するため、金属配線が存在する部分にのみ均一な厚みのパターンを容易に形成することが可能である。従って、当該方法によれば電解液による腐食に対する十分な耐性を有するシールド膜を形成することができる。
以上説明したように、感放射線性を有する当該樹脂組成物は、感放射線性を利用した露光・現像によってパターンを形成するため、色素増感型太陽電池用電極における金属配線の段差を有する基板上で、金属配線が存在する部分にのみに均一な厚みのシールド膜を形成することが可能である。また、感放射線性を有する当該樹脂組成物は、上述のように金属配線の箇所にのみ正確にシールド膜を形成することができるため、十分な耐食性を有するシールド膜が得られる。従って、感放射線性を有する当該樹脂組成物は色素増感型太陽電池用電極のシールド膜の形成材料として好適に用いることができる。さらに本発明の感放射線性を有しない樹脂組成物は、塗布工程及び加熱工程という比較的簡易な工程のみで低コストにシールド膜を形成可能な樹脂組成物、及びこの耐食性を有するシールド膜を備えた光電変換効率に優れる色素増感型太陽電池用電極を提供することができる。
図1は、本発明のシールド膜を備えた色素増感太陽電池の電極基板を製造する方法(実施例)の各行程を示す模式的断面図である。 図2は、図1の電極基板を用いて色素増感太陽電池を製造する方法(実施例)の各工程を示す模式的断面図である。
色素増感型太陽電池
本発明の色素増感型太陽電池は導電性基板、この導電性基板上に積層される作用電極、この作用電極上に配設される対向電極及びこれらの電極間に配設される電荷移動層を主に備えている。この作用電極は、周囲(下面を除く)にシールド膜を有する金属配線層と、この金属配線層間に配設される多孔質酸化物半導体層とを備えている。
導電性基板としては、実質的に透明である材質が用いられる。導電性基材の光の透過率は50%以上であることが好ましく、80%以上であることが特に好ましい。導電性基板としてはそれ自体が導電性を有する基材、又は表面に透明導電膜を有する基材を用いることができる。表面に透明導電膜を有する基材としては、ガラス板、酸化チタンやアルミナ等のセラミックスの研磨板、プラスチックシートを使用することができる。プラスチックシートに用いられるプラスチックの例としては、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリカーボネート,ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルホン、環状ポリオレフィン、フェノキシ樹脂、ブロム化フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
透明導電膜を構成する導電性材料としては、公知の金属や金属酸化物等からなる無機系導電性材料、ポリマー系導電性材料等を使用することができる。これらの導電性材料の中でも、入手容易性及び導電性などの観点から、無機系導電性材料が好ましく用いられている。無機系導電性材料の例としては、白金、金、銀、銅、亜鉛、チタン、アルミニウム、ロジウム、インジウム等の金属;導電性カーボン、スズ添加酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、アンチモン添加酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)等の金属酸化物を挙げることができる。最も一般的な無機系導電性材料は、スズ添加酸化インジウム(ITO)及びフッ素添加酸化スズ(FTO)である。透明導電膜の膜厚は、0.01〜10μm程度が好ましく、0.05〜5μm程度がさらに好ましい。
金属配線層は、導電性基板の集電効率を向上し、さらに導電性を上げるために導電性基板上に配置される。この金属配線層は、上記のように形成されたシールド膜を有する。金属配線層の材質としては、金、銀、銅、白金、アルミニウム、ニッケル、インジウム、チタン、タングステンなどが挙げられる。金属配線層の形状は、特に限定されないが、格子状、縞状、櫛状等のパターンが採用され、光が導電性基板を均一に透過するように配設することが好ましい。格子状のパターンを有する金属配線層が、最も一般的に用いられる。
多孔質酸化物半導体膜は、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブなどの半導性を示す金属酸化物微粒子の集合体により構成されている。多孔質酸化物半導体膜は、内部に無数の微細な空孔を有し、表面に微細な凹凸を有する多孔質体であって、その厚みは5〜50μmである。この多孔質酸化物半導体は、典型的には、導電性基板上の金属配線層が配設されていない箇所に設置される。
酸化物半導体多孔質膜は、例えば、平均粒径が5〜50nmである上記の金属酸化物の微粒子を分散したコロイド液や分散液(溶媒として水及び/又は有機溶媒を使用)等を、導電性基板上に、スクリーンプリント、インクジェットプリント、ロールコート、ドクターコート、スプレーコートなどの公知の塗布手段により塗布し、300〜800℃で焼結する方法によって形成することができる。この酸化物半導体多孔質膜には、光増感色素が坦持されている。
光増感色素としては、可視光領域及び/または赤外光領域に吸収を有し、半導体の伝導帯より高い最低空準位を有するものが好ましい。光増感色素の例としては、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、シアニジン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ローダミン系色素等が挙げられる。また、光増感色素としては、金属錯体色素も好ましく使用される。金属錯体色素を構成する金属の例としては、Cu、Ni、Fe、Co、V、Sn、Si、Ti、Ge、Cr、Zn、Ru、Mg、Al、Pb、Mn、In、Mo、Y、Zr、Nb、Sb、La、W、Pt、Ta、Ir、Pd、Os、Ga、Tb、Eu、Rb、Bi、Se、As、Sc、Ag、Cd、Hf、Re、Au、Ac、Tc、Te、Rh等の種々の金属を挙げることができる。好ましい金属錯体色素の例としては、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素またはルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。
対向電極としては、上記の導電性基板と同様に、それ自体が導電性を有する基材の単層構造、又はその表面に対極導電膜を有する基材を用いることができる。後者の場合、導電性材料及び基材としては、上記の導電性基板の場合と同様のものを用いることができる。対向電極としては、I イオン等の酸化反応やその他のレドックスイオンの還元反応を十分な速さで行わせる触媒能を持ったものを使用することが好ましい。対向電極の例としては、白金電極、導電性材料表面に白金メッキや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等を挙げることができる。
電荷移動層は、光増感色素の酸化体に電子を補充する機能を有する電荷輸送材料を含有する層である。電荷移動層を構成する電荷輸送材料の例としては、酸化還元対イオンが溶解した溶剤や酸化還元対イオンを含有する常温溶融塩等の電解液、酸化還元対イオンの溶液をポリマーマトリックスや低分子ゲル化剤等に含浸させたゲル状の擬固体化電解質等が挙げられる。
酸化還元対イオンの例としては、I/I 系、Br/Br 系等の酸化還元対イオンを含有させたもの、フェロシアン酸塩/フェリシアン酸塩、フェロセン/フェリシニウムイオン、コバルト錯体等の金属錯体等の金属酸化還元系;アルキルチオール−アルキルジスルフィド、ビオロゲン色素、ハイドロキノン/キノン等の有機酸化還元系;ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール/アルキルジスルフィド等のイオウ化合物等を挙げることができる。溶剤の例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物;3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物;エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類;メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類;テトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、スルフォラン等の非プロトン極性物質などを挙げることができる。また溶融塩電解質の例としては、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリウム塩等のヨウ素塩を含む電解質を挙げることができる。
電荷移動層を作用電極と対向電極との間に形成する方法としては、例えば作用電極と対向電極とを対向配置してから両電極間に電解液を充填して電荷移動層とする方法、半導体電極又は対向電極の上に電解液を滴下あるいは塗布することにより電荷移動層を形成し、次いで電荷移動層の上に他方の電極を重ね合わせる方法等を用いることができる。
このような色素増感型太陽電池(光電変換素子)は、本発明の樹脂組成物を用いた露光・現像によって、基板上の金属配線が存在する部分にのみシールド膜が正確に形成されるため、高い光電変換効率を有する。
樹脂組成物
本発明による色素増感型太陽電池用電極のシールド膜形成用樹脂組成物は、[A]カルボキシル基、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する共重合体(以下、「[A]共重合体」と称することがある。)を含む。また、[B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物(以下、「[B]重合性化合物」と称することがある。)、[C]感放射線性重合開始剤をさらに含有するとよく、必要に応じて、その他の任意成分を含有する。以下、各成分について説明する。
[A]共重合体
[A]共重合体は、カルボキシル基、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する。[A]共重合体が、これらの反応性官能基を有することにより、膜の欠損がなく、金属配線の耐食性に優れたシールド膜を形成できる。また、本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合、露光し硬化反応させる際の[A]共重合体間の重合反応性や、[A]共重合体と[B]重合性化合物との間の重合反応性が高められ、結果的に所望の形状を有するシールド膜を容易に形成することができる。
カルボキシル基又はエポキシ基などの反応性官能基を有する共重合体は、これらの反応性官能基を有するラジカル重合性モノマーとその他のラジカル重合性モノマーとを共重合することによって合成することができる。(メタ)アクリロイル基を有する共重合体は、水酸基を有するラジカル重合性モノマーとその他のラジカル重合性モノマーとを共重合した後、(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物を反応させることによって合成することができる。[A]共重合体は、カルボキシル基、エポキシ基、(メタ)アクリロイル基等の反応性官能基を有するラジカル重合性モノマーから誘導される構成単位をこれらのラジカル重合性モノマー及びその他のラジカル重合性モノマーから誘導される構成単位の合計に基づいて、好ましくは10〜90質量%、特に好ましくは20〜80質量%含有している。[A]共重合体において、反応性官能基を有するラジカル重合性モノマーから誘導される構成単位を10〜90質量%とすることによって、本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合、露光する際の硬化反応性を高めることができる。
カルボキシル基を有するラジカル重合性モノマーの例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のモノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;
前記ジカルボン酸の酸無水物などを挙げることができる。
エポキシ基を有するラジカル重合性モノマーの例としては、
4−メタクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソランアクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−メチルグリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等のアクリル酸エポキシアルキルエステル;
メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−2−メチルグリシジル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等のメタクリル酸エポキシアルキルエステル;
α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸−6,7−エポキシヘプチル等のα−アルキルアクリル酸エポキシアルキルエステル;
o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル;
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−メチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン等のオキセタニル基を有するメタクリル酸エステル;
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン等のオキセタニル基を有するアクリル酸エステルなどを挙げることができる。
これらのエポキシ基を有するラジカル重合性モノマーの中でも、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸−2−メチルグリシジル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、3−メチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリロイルオキシメチルオキセタンが、他のラジカル重合性モノマーとの共重合反応性、及び本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合の現像性の観点から、特に好ましい。
水酸基を有するラジカル重合性モノマーの例としては、
アクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルエステル、アクリル酸−4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシルメチルエステル等のアクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;
メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピルエステル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチルエステル、メタクリル酸−5−ヒドロキシペンチルエステル、メタクリル酸−6−ヒドロキシヘキシルエステル、メタクリル酸−4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシルメチルエステル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどを挙げることができる。
これらの水酸基を有するラジカル重合性モノマーのうち、その他のラジカル重合性モノマーとの共重合反応性及び(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物との反応性の観点から、アクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチルエステル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチルエステル、アクリル酸−4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシルメチルエステル、メタクリル酸−4−ヒドロキシメチル−シクロヘキシルメチルエステルが好ましい。
水酸基を有するラジカル重合性モノマー及びその他のラジカル重合性モノマーの共重合体と反応させる(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物の例としては、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のアクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体を挙げることができる。2−アクリロイルオキシエチルイソシアネートの市販品の例としては、カレンズAOI(昭和電工(株)製)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートの市販品の例としては、カレンズMOI(昭和電工(株)製)を挙げることができる。
カルボキシル基、エポキシ基、水酸基等の反応性官能基を有するラジカル重合性モノマーと共重合させるその他のラジカル重合性モノマーの例としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸i−プロピル等のアクリル酸アルキルエステル;
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル;
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸−2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、アクリル酸イソボルニル等のアクリル酸脂環式エステル;
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸−2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、メタクリル酸イソボルニル等のメタクリル酸脂環式エステル;
アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸のアリールエステル及びアクリル酸のアラルキルエステル;
メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸のアリールエステル及びメタクリル酸のアラルキルエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジアルキルエステル;
メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフリル、メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−メチル等の酸素1原子を含む不飽和複素五員環メタクリル酸エステル及び不飽和複素六員環メタクリル酸エステル;
4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン等の酸素2原子を含む不飽和複素五員環メタクリル酸エステル;
4−アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2、2−ジエチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロペンチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシエチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシプロピル−2−メチル
−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシブチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン等の酸素二原子を含む不飽和複素五員環アクリル酸エステル;
スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、4−イソプロペニルフェノール等のビニル芳香族化合物;
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のN位−置換マレイミド;
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等のその他の不飽和化合物を挙げることができる。
これらのその他のラジカル重合性モノマーのうち、スチレン、4−イソプロペニルフェノール、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、1,3−ブタジエン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、メタクリル酸ベンジル等が、上記の反応官能基を有するラジカル重合性モノマーとの共重合反応性、及び本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合の現像性の点で好ましい。
[A]共重合体の共重合体のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算数平均分子量(以下、「Mn」という。)は、好ましくは2×10〜1×10、より好ましくは5×10〜5×10である。共重合体のMnを2×10〜1×10とすることによって、本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合、露光する際の硬化反応性を向上させることができる。
また、[A]共重合体の分子量分布「Mw/Mn」(ここで「Mw」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量である。)は、好ましくは5.0以下、より好ましくは3.0以下である。共重合体のMw/Mnを5.0以下とすることにより、本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合、現像する際に所望の形状のシールド膜をより正確に形成することが可能となる。
[A]共重合体の共重合体を製造するための重合反応に用いられる溶媒としては、例えばアルコール類、エーテル類、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素類、ケトン類、他のエステル類などを挙げることができる。
これらの溶媒としては、
アルコール類として、例えばメタノール、エタノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノールなど;
エーテル類として、例えばテトラヒドロフランなど;
グリコールエーテルとして、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど;
ジエチレングリコールアルキルエーテルとして、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなど;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとして、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなど;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとして、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートなど;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートとして、例えばプロピレンモノグリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネートなど;
芳香族炭化水素類として、例えばトルエン、キシレンなど;
ケトン類として、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなど;
他のエステル類として、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類をそれぞれ挙げることができる。
これらの溶媒のうち、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、メトキシ酢酸ブチルが好ましく、特に、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシ酢酸ブチルが好ましい。
[A]共重合体を製造するための重合反応に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用できる。ラジカル重合開始剤としては例えば
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;
ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物;及び
過酸化水素が挙げられる。
ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。
[A]共重合体を製造するための重合反応において、分子量を調整するために、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整剤の具体例としては、
クロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;
n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;
ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;
ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
[B]重合性化合物
[B]重合性化合物は、本発明の樹脂組成物に好適に用いられる。[B]重合性化合物の好ましい例としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、又は3官能以上の(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらの化合物を用いることによって、本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合、露光し硬化反応させる際の[B]重合性化合物の化合物間の重合反応性や、[A]共重合体と[B]重合性化合物との間の重合反応性が高められ、結果的に、正確な形状及び優れた耐食性を有するシールド膜を得ることが可能となる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。これらの単官能(メタ)アクリレートの市販品の例としては、アロニックスM−101、同M−111、同M−114(東亞合成(株)製)、KAYARAD TC−110S、同TC−120S(日本化薬(株)製)、ビスコート158、同2311(大阪有機化学工業(株)製)等が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの2官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えばアロニックスM−210、同M−240、同M−6200(東亞合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX−220、同R−604(日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ−[3−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ビス−(メタ)アクリロイルオキシメチル−プロポキシ)−2,2−ビス−(メタ)アクリロイルオキシメチル−プロピル]エステルなどが挙げられる。これらの3官能以上の(メタ)アクリレートの市販品としては、例えばアロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060(東亞合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(大阪有機化学工業(株)製)などが挙げられる。
これらのエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物のうち、樹脂組成物の硬化性改善の観点から、3官能以上の(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。その中でもトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ−[3−(3−アクリロイルオキシ−2,2−ビス−アクリロイルオキシメチル−プロポキシ)−2,2−ビス−アクリロイルオキシメチル−プロピル]エステルが特に好ましい。これらのエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
樹脂組成物における[B]重合性化合物の使用量は、[A]共重合体100質量部に対して、好ましくは50〜300質量部、さらに好ましくは60〜250質量部である。[B]重合性化合物の使用量を50〜300質量部とすることにより、形成されるシールド膜の基板に対する密着性、電解液に対する耐食性等の諸特性がより高度なレベルでバランスされた樹脂組成物が得られる。
[C]感放射線性重合開始剤
[C]感放射線性重合開始剤は、本発明の樹脂組成物に好適に用いられる。[C]感放射線性重合開始剤としては、放射線に感応して[B]重合性化合物の重合を開始しうる活性種を生じる成分である限り、特に限定されるものではない。このような[C]感放射線性重合開始剤としては、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物などを挙げることができる。
感放射線性重合開始剤として用いられるO−アシルオキシム化合物としては、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)などを挙げることができる。
これらのO−アシルオキシム化合物の好ましい例としては、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)を挙げることができる。これらのO−アシルオキシム化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
感放射線性重合開始剤として用いられるアセトフェノン化合物の例としては、α−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物を挙げることができる。
α−アミノケトン化合物の例としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどを挙げることができる。
α−ヒドロキシケトン化合物の例としては、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどを挙げることができる。
これらのアセトフェノン化合物のうちα−アミノケトン化合物が好ましく、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンが特に好ましい。これらのアセトフェノン化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
感放射線性重合開始剤として用いられるビイミダゾール化合物のとしては、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどを挙げることができる。
これらのビイミダゾール化合物の中でも、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが特に好ましい。これらのビイミダゾール化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の樹脂組成物において、[C]感放射線性重合開始剤としてビイミダゾール化合物を使用する場合、これを増感するために、ジアルキルアミノ基を有する脂肪族又は芳香族化合物(以下、「アミノ系増感剤」という。)を添加することができる。
かかるアミノ系増感剤としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどを挙げることができる。これらのアミノ系増感剤のうち、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが特に好ましい。上記アミノ系増感剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
さらに、ビイミダゾール化合物とアミノ系増感剤とを併用する場合、水素ラジカル供与剤としてチオール化合物を添加することができる。ビイミダゾール化合物は、アミノ系増感剤によって増感されて開裂し、イミダゾールラジカルを発生するが、そのままでは高い重合開始能が発現しない場合がある。しかし、ビイミダゾール化合物とアミノ系増感剤とが共存する系に、チオール化合物を添加することにより、イミダゾールラジカルにチオール化合物から水素ラジカルが供与される。その結果、イミダゾールラジカルが中性のイミダゾールに変換されると共に、重合開始能の高い硫黄ラジカルを有する成分が発生し、それにより、本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合、露光の際の硬化反応性が高められ、結果として、所望の形状を有するシールド膜を容易に形成することができる。
かかるチオール化合物の例としては、
2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾールなどの芳香族チオール化合物;
3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸メチルなどの脂肪族モノチオール化合物;
ペンタエリストールテトラ(メルカプトアセテート)、ペンタエリストールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)などの2官能以上の脂肪族チオール化合物を挙げることができる。これらのチオール化合物のうち、特に2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましい。
樹脂組成物においてビイミダゾール化合物とアミノ系増感剤とを併用する場合、アミノ系増感剤の添加量は、ビイミダゾール化合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部であり、より好ましくは1〜20質量部である。アミノ系増感剤の添加量を0.1〜50質量部とすることによって、本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合、露光の際の硬化反応性がより高められる。
また、ビイミダゾール化合物、アミノ系増感剤、及びチオール化合物を併用する場合、チオール化合物の添加量としては、ビイミダゾール化合物100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部であり、より好ましくは1〜20質量部である。チオール化合物の添加量を0.1〜50質量部とすることによって、露光時の硬化反応性がさらに改善され、所望の形状を有するシールド膜を得ることがより容易となる。
[C]感放射線性重合開始剤は、O−アシルオキシム化合物及びアセトフェノン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましく、O−アシルオキシム化合物及びアセトフェノン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種、並びにビイミダゾール化合物を含有することがより好ましい。
[C]感放射線性重合開始剤の使用量は、[A]共重合体100質量部に対して、好ましくは5〜200質量部、さらに好ましくは5〜100質量部である。[C]感放射線性重合開始剤の使用量を5〜200質量部とすることによって、本発明の樹脂組成物が感放射線性である場合、露光時における硬化反応性を高めることができる。
また、[C]感放射線性重合開始剤の感放射線性重合開始剤におけるO−アシルオキシム化合物及びアセトフェノン化合物の割合としては、[C]感放射線性重合開始剤の感放射線性重合開始剤の全量に対して、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは45質量%以上であり、特に好ましくは50質量%以上である。このような割合でO−アシルオキシム化合物及びアセトフェノン化合物を使用することによって、低露光量の場合でも高い硬化反応性が得られ、結果的により正確な形状を有するシールド膜を形成することが可能となる。
その他の任意成分
本発明の樹脂組成物は、上記の[A]共重合体、[B]重合性化合物及び[C]感放射線性重合開始剤に加え、所期の効果を損なわない範囲内で必要に応じて[G]密着助剤、[H]界面活性剤等の添加剤を含有することができる。
本発明の樹脂組成物においては、形成されるシールド膜と基板との密着性を向上させるために[G]密着助剤を使用することができる。このような密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく使用される。官能性シランカップリング剤の例としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤などが挙げられる。官能性シランカップリング剤の具体例としてはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
[G]密着助剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。[G]密着助剤の使用量は、[A]共重合体の共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部、さらに好ましくは1〜25質量部である。[G]密着助剤の使用量を0.1〜30質量部とすることによって、形成されるシールド膜の基材に対する密着性を十分高いレベルに保つことができる。
本発明の樹脂組成物においては、塗膜形成時の塗布性をさらに向上させるために、[H]界面活性剤を使用することができる。好ましい界面活性剤の例としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の例としては、1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル等のフルオロエーテル類;パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム;1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカン等のフルオロアルカン類;フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム類;フルオロアルキルオキシエチレンエーテル類;フルオロアルキルアンモニウムヨージド類;フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル類;パーフルオロアルキルポリオキシエタノール類;パーフルオロアルキルアルコキシレート類;フッ素系アルキルエステル類等を挙げることができる。
これらのフッ素系界面活性剤の市販品としては、BM−1000、BM−1100(BM CHEMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141,同S−145、同S−382,同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、FTX−218((株)ネオス製)等の市販品を挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤の例としては、市販されている商品名で、SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428、DC−57、DC−190(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、KP341(信越化学工業(株)製)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(新秋田化成(株)製)等を挙げることができる。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンジアルキルエステル、(メタ)アクリル酸系共重合体類などが挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等が挙げられる。ポリオキシエチレンアリールエーテルの例としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルが挙げられる。ポリオキシエチレンジアルキルエステルの例としてはポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸系共重合体類の例としては、市販されている商品名で、ポリフローNo.57、同No.90(共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
[H]界面活性剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。[H]界面活性剤の使用量は、[A]共重合体100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部、さらに好ましくは0.05〜3質量部である。界面活性剤の使用量を0.01〜5質量部とすることにより、形成されるシールド膜表面の膜荒れの発生が抑制され、均一な塗布膜を形成することができる。
樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、上記の[A]共重合体、[B]重合性化合物、及び[C]感放射線性重合開始剤、並びに任意成分([G]密着助剤及び/又は[H]界面活性剤など)を均一に混合することによって調製される。通常、樹脂組成物は、好ましくは適当な溶媒に溶解されて溶液状態で保存され、使用される。例えば溶媒中で、[A]共重合体、[B]重合性化合物及び[C]感放射線性重合開始剤、並びに任意成分を所定の割合で混合することにより、溶液状態の樹脂組成物を調製することができる。
樹脂組成物の調製に用いられる溶媒としては、上記の[A]共重合体、[B]重合性化合物及び[C]感放射線性重合開始剤、並びに任意成分([G]密着助剤及び/又は[H]界面活性剤など)の各成分を均一に溶解し、かつ各成分と反応しないものである限り、特に限定されるものではない。このような溶媒としては、[A]共重合体を製造するために使用できる溶媒として例示した溶媒と同様のものを挙げることができる。
このような溶媒のうち、各成分の溶解性、各成分との非反応性、塗膜形成の容易性等の点から、例えばアルコール類、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、エステル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが好ましく用いられる。これらのうち、例えばベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−又は3−メトキシプロピオン酸メチル、2−又は3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテートが特に好ましく使用できる。
さらに、形成される塗膜の膜厚の面内均一性を高めるため、前記溶媒と共に高沸点溶媒を併用することもできる。この併用できる高沸点溶媒としては、例えば、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。これらの高沸点溶媒のうち、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
樹脂組成物の溶媒として、高沸点溶媒を併用する場合、その使用量は、溶媒全量に対して50質量%以下、好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下とすることができる。高沸点溶媒の使用割合を50質量%以下とすることによって、塗膜の膜厚均一性を高めると同時に、放射線感度の低下を抑制することができる。
樹脂組成物を溶液状態として調製する場合、溶液中に占める溶媒以外の成分(すなわち[A]共重合体、[B]重合性化合物及び[C]感放射線性重合開始剤並びにその他の任意成分の合計量)の割合は、使用目的や所望の膜厚等に応じて任意に設定することができるが、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは15〜35質量%である。このようにして調製された樹脂組成物の溶液は、孔径0.2μm程度のミリポアフィルタなどを用いて濾過した後、使用に供することもできる。
色素増感型太陽電池電極のシールド膜の形成
次に上記の樹脂組成物を用いて、本発明のシールド膜を形成する方法について述べる。当該シールド膜の形成方法は、
(1)導電性基板及びこの導電性基板の表面側の金属配線層を備えた積層体に、少なくとも金属配線層の全体が覆われるように、請求項6に記載の樹脂組成物の塗膜を形成する工程、
(2)工程(1)で形成された塗膜を加熱する工程
を含む色素増感型太陽電池用電極のシールド膜の形成方法。
をこの順に含む。
(1)樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程
この工程においては、導電性基板及びこの導電性基板の表面側の金属配線層を備えた積層体の上に、本発明の樹脂組成物の溶液を塗布した後、塗布面を加熱(プレベーク)することにより、塗膜を形成する。塗布は、少なくとも、導電性基板の表面側の金属配線層の全体が覆われるように行う。プレベークの条件は、各成分の種類や配合割合などによっても異なるが、好ましくは70〜110℃で1〜10分間程度である。塗膜のプレベーク後の膜厚は、好ましくは0.1〜5.0μmであり、より好ましくは0.3〜2.0μm程度である。
塗布に用いる組成物溶液の固形分濃度は、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜35質量%である。組成物溶液の塗布方法としては、特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット塗布法などの適宜の方法を採用することができる。これらの塗布法の中でも、特にバー塗布法又はスリットダイ塗布法が好ましい。バー塗布法又はスリットダイ塗布法で組成物溶液の塗布を行うことによって、金属配線層の段差を有する基板に対しても、欠損のないシールド膜を形成することができる。
(2)加熱工程
上記(1)の工程後に、ホットプレートやクリーンオーブンなどの適当な加熱装置により、塗膜に対して加熱処理(ポストベーク処理)を実施する。加熱温度としては150〜250℃程度が好ましく、加熱時間としては、ホットプレート使用の場合は5〜30分間程度、クリーンオーブン使用の場合は30〜90分間程度が好ましい。このようにして色素増感型太陽電池用電極の上に所望の形状を有するシールド膜を形成することができる。
このように、樹脂組成物を用い、塗膜形成工程及び加熱工程によってシールド膜を形成することで、色素増感型太陽電池用電極における基板上で、シールド膜を形成することができる。当該形成方法は、塗布工程及び加熱工程の比較的簡易な工程のみを必要とし、低コストにシールド膜を形成することができる。
その他の本発明の色素増感型太陽電池用電極のシールド膜の形成方法としては、(1’)導電性基板及びこの導電性基板の表面側に金属配線層を備えた積層体に、少なくとも金属配線層の全体が覆われるように、感放射線性を有する当該樹脂組成物の塗膜を形成する工程、
(3)工程(1’)で形成した塗膜の金属配線層上に積層されている部分のみに放射線を照射する工程、
(4)工程(3)で放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び
(2’)工程(4)で現像された塗膜を加熱する工程
をこの順に含む。
(1’)感放射線性を有する樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程
この工程においては、導電性基板及びこの導電性基板の表面側の金属配線層を備えた積層体の上に、感放射線性を有する当該樹脂組成物の溶液を塗布した後、塗布面を加熱(プレベーク)することにより、塗膜を形成する。塗布は、少なくとも、導電性基板の表面側の金属配線層の全体が覆われるように行う。プレベークの条件は、各成分の種類や配合割合などによっても異なるが、好ましくは70〜110℃で1〜10分間程度である。塗膜のプレベーク後の膜厚は、好ましくは0.1〜5.0μmであり、より好ましくは0.3〜2.0μm程度である。
塗布に用いる組成物溶液の固形分濃度は、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは10〜40質量%であり、さらに好ましくは15〜35質量%である。組成物溶液の塗布方法としては、特に限定されず、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット塗布法などの適宜の方法を採用することができる。これらの塗布法の中でも、特にバー塗布法又はスリットダイ塗布法が好ましい。バー塗布法又はスリットダイ塗布法で組成物溶液の塗布を行うことによって、金属配線層の段差を有する基板に対しても、欠損のないシールド膜を形成することができる。
(3)塗膜に放射線を照射する工程
次いで、所定のパターンを有するフォトマスクを介して、上記の工程(1’)で形成した塗膜の金属配線層上に積層されている部分のみに露光する。露光に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等が挙げられる。これらの放射線の中でも、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましく、特に波長365nmの紫外線を含む放射線が好ましい。
露光量は、放射線の波長365nmにおける強度を照度計(Optical Associates Inc.製の「OAI model 356」)を用いて測定した値として、好ましくは100〜10,000J/m、より好ましくは500〜3,000J/mである。
(4)現像工程
次いで、上記(3)の工程で放射線を照射された塗膜を現像することにより、放射線の非照射部分を除去して、所定のパターンを形成する。現像に使用される現像液としては、アルカリ(塩基性物質)の水溶液が好ましく用いられる。使用可能なアルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等が挙げられる。上記のアルカリ水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
現像方法としては、液盛り法、ディッピング法、シャワー法等のいずれでもよく、現像時間は、好ましくは10〜180秒間程度である。現像後、例えば流水洗浄を30〜90秒間行った後、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のパターンが形成される。
(2’)加熱工程
上記(4)の現像工程後に、ホットプレートやクリーンオーブンなどの適当な加熱装置により、パターニングされた塗膜に対して加熱処理(ポストベーク処理)を実施する。加熱温度としては150〜250℃程度が好ましく、加熱時間としては、ホットプレート使用の場合は5〜30分間程度、クリーンオーブン使用の場合は30〜90分間程度が好ましい。このようにして、色素増感型太陽電池用電極の上に所望の形状を有するシールド膜を形成することができる。
このように、感放射線性を有する当該樹脂組成物を用い、塗膜形成工程、放射線照射工程(露光工程)、現像工程及び加熱工程によってパターンを形成することで、色素増感型太陽電池用電極における金属配線の段差を有する基板上で、金属配線が存在する部分にのみ均一な厚みのシールド膜を形成することができる。このような方法によれば、金属配線が存在する部分にのみ正確にシールド膜を形成することが可能であり、導電性基板または酸化物半導体層上にシールド膜が誤って形成されることが確実に防止されるため、金属配線上でシールド膜の欠損を生じることがない。また、このように形成されたシールド膜を有する金属配線は、シールド膜の欠損がないことから、電解液に対して高度な耐食性を発揮することができる。
以下、合成例及び実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記において測定した数平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)は、東ソー(株)製のGPCクロマトグラフ「HLC−8020」(TSKgel α−M 1本、TSKgel α−2500 1本)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶媒:N,N−ジメチルホルムアミド、カラム温度:35℃の分析条件において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
共重合体の製造
[合成例1]
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部と、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル200質量部とを仕込んだ。引き続きメタクリル酸グリシジル40質量部、スチレン18質量部、メタクリル酸20質量部及びN−シクロヘキシルマレイミド22質量部を仕込み、窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.1質量%であった。得られた共重合体の数平均分子量は7,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2であった。
[合成例2]
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部を仕込んだ。引き続き3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン40質量部、スチレン10質量部、メタクリル酸30質量部及びN−シクロヘキシルマレイミド20質量部を仕込み、窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(A−2)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は、33.1質量%であった。得られた共重合体の数平均分子量は7,300であり、分子量分布(Mw/Mn)は2であった。
[合成例3]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル5質量部及びメトキシ酢酸ブチル250質量部を仕込み、引き続いてメタクリル酸18質量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル25質量部、スチレン5質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチルエステル30質量部及びメタクリル酸ベンジル22質量部を仕込んで、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ溶液の温度を80℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、固形分濃度28.8質量%の共重合体(β−1)を含む重合体溶液を得た。
次いで、共重合体(β−1)を含む重合体溶液に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製の「カレンズMOI」)14質量部と4−メトキシフェノール0.1部とを添加した後、40℃で1時間、さらに60℃で2時間攪拌して反応させた。2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート由来のイソシアネート基と共重合体(β−1)の水酸基の反応の進行を、IR(赤外線吸収)スペクトルにより確認した。当初の共重合体(β−1)を含む重合体溶液、1時間反応後の溶液及び40℃で1時間さらに60℃で2時間反応後の溶液それぞれのIRスペクトルで、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのイソシアネート基に由来する2270cm−1付近のピークが減少している様子を確認した。この反応により、固形分濃度30.0質量%の共重合体(A−3)を含む重合体溶液を得た。得られた共重合体の数平均分子量は、7,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2であった。
[比較合成例1]
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部とを仕込んだ。引き続き、スチレン10質量部及びメタクリル酸メチル90質量部を仕込み、窒素置換した後ゆるやかに撹拌を始めた。溶液温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体(a−1)を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は34.0質量%であった。得られた共重合体の数平均分子量は8,500であり、分子量分布(Mw/Mn)は2であった。
樹脂組成物の調製
[実施例1]
[A]共重合体として、合成例1の共重合体(A−1)を含む重合体溶液(共重合体100質量部(固形分)に相当する量)、[B]重合性化合物として(B−1)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製の「KAYARAD DPHA」)100質量部、[C]感放射線性重合開始剤として(C−1)2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の「イルガキュア379」)20質量部、[G]密着助剤として(G−1)γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10.0質量部、[H]界面活性剤として(H−1)界面活性剤である(株)ネオス製の「FTX−218」0.2質量部を加え、さらに固形分濃度が22質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過して樹脂組成物の溶液(S−1)を調製した。
[実施例2〜13、比較例1]
[A]〜[C]及びその他の任意成分として、表1に記載のとおりの種類及び量を使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物の溶液(S−2)〜(S−13)及び(s−1)を調製した。
色素増感太陽電池の電極基板の作成
図1に示す手順に従って、色素増感型太陽電池の電極基板を作成した。
(1)透明導電基板の作成
塩化スズ(IV)五水和物のエタノール溶液中にフッ化アンモニウムの飽和水溶液を加えて溶解し、FTO(フッ素添加酸化スズ)膜用原料液を作製した。次いで、基材1(高歪点ガラス)の裏面が接するように350℃のヒータプレート上の置き、1時間にわたりヒータプレートで加熱しながら、スプレーノズルを用いてFTO膜用原料液を基材1の表面上に噴霧してFTOからなる透明導電膜2(膜厚0.05〜5μm)を形成した。このようにして基板1の表面に透明導電膜2が形成された透明導電基板を得た(図1(a)参照)。透明導電膜2の膜厚は0.2μmであった。
(2)金属配線層の形成
上記(1)で透明導電膜2が形成された透明導電基板上に、格子状の孔版を使用し、スクリーン印刷装置(ニューロング精密工業株式会社製の「HR−320」により、印刷用銀ペースト(焼結後の体積抵抗率が3×10−6[Ω・cm]のもの)の格子状パターンの塗膜を形成した。次いで、25℃で10分間静置した後、130℃で10分間乾燥し、さらに最高温度510℃で2時間焼成することにより、銀からなる格子状の金属配線層3を形成した。ここで、金属配線層3は、回路幅(設計値)300μm、膜厚10μmとし、集電端子から格子状に延びる形状にて形成した(図1(b)参照)。
(3)多孔質酸化物半導体層の形成
上記(2)と同様のスクリーン印刷により、透明導電膜2が形成された透明導電基板上の金属配線層3の間に、酸化チタンペースト(固形分20質量%のエタノール分散体)の塗工を行った。次いで、450℃で1時間焼成して、格子状の金属配線層3の間に多孔質酸化物半導体層4を形成した(図1(c)参照)。
(4)金属配線層のシールド膜の形成
バー塗布用の自動塗工装置(テスター産業(株)製のPI−1210自動塗工装置I型)を用いて、上記(3)で作成した積層体の表面の全体に、実施例1の樹脂組成物の溶液(S−1)の塗膜5を形成し(図1(d)参照)、次いで90℃で5分間溶剤を揮発乾燥させた。上記(2)で使用した格子状の孔版と同じ設計サイズのフォトマスクを介して、高圧水銀灯からの紫外線を、365nmでの露光量が1,000J/mとなるように照射した。露光後の塗膜の膜厚は0.6μmであった。次いで、この塗膜を水酸化カリウム水溶液で現像し、さらに180℃で1時間クリーンオーブンにて焼成した。これにより、格子状の金属配線層の表面に、シールド膜6を有する電極基板7を作成した(図1(e)参照)。シールド膜6の膜厚は0.5μmであった。以下、この電極基板を「試料電極基板1」と称する。
実施例1の樹脂組成物の溶液(S−1)に代えて、実施例2〜12の樹脂組成物の溶液(S−2)〜(S−12)を用いる以外は上記と同様にして、(1)〜(4)の工程を行うことにより、電極基板を作成した。これらの電極基板を「試料電極基板2」〜「試料電極基板12」と称する。また、実施例1の樹脂組成物の溶液(S−1)に代えて、実施例13の樹脂組成物の溶液(S−13)を用い、かつ、露光工程及び現像工程を実施しない以外は上記と同様にして、電極基板を作成した。この電極基板を「試料電極基板13」と称する。
比較例1の樹脂組成物の溶液(s−1)100質量部に対して、ITO微粒子(住友金属鉱山(株)製の「X−500」シリーズ)を20質量部分散させ、ITO微粒子を含有する樹脂組成物溶液を調製した。実施例1の樹脂組成物の溶液(S−1)に代えて、このITO微粒子を含有する樹脂組成物溶液を用いる以外は上記と同様にして、(1)〜(4)の工程を行うことにより、電極基板を作成した。この電極基板を「比較試料電極基板1」と称する。なお、比較例1の樹脂組成物は感放射線性を有するものではないため、上記(4)の工程における露光及び現像を省略した。
上記の(1)〜(3)の工程を行い、上記(4)の工程(シールド膜の形成)を行わずに電極基板を作成した(比較例2)。このようなシールド膜を有しない電極基板を「比較試料電極基板2」と称する。
なお、表1において、それぞれの化合物を示す略号はそれぞれ以下のものを表す。
B−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製の「KAYARAD DPHA」)
B−2:コハク酸モノ−[3−(3−アクリロイルオキシ−2,2−ビス−アクリロイルオキシメチル−プロポキシ)−2,2−ビス−アクリロイルオキシメチル−プロピル]エステル
C−1:2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の「イルガキュア379」)
C−2:エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製の「イルガキュアOX02」)
G−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
H−1:フッ素系界面活性剤((株)ネオス製の「FTX−218」)
色素増感太陽電池の作成
上記の試料電極基板1〜13及び比較試料電極基板1〜2を用い、図2に示す手順に従って、色素増感太陽電池(光電変換素子)を以下の方法で作製した。
(a)光増感色素の吸着
試料電極基板1〜13及び比較試料電極基板1〜2の各々を、濃度5質量%の光増感色素ルテニウムビピリジン錯体(N719色素)のアセトニトリル/t−ブタノール溶液(質量比1:1)中に、25℃で24時間以上浸漬することによって、試料電極基板の多孔質酸化物半導体層の表面に光増感色素を吸着させ、光増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層8を有する作用電極とした(図2(f)参照)。
(b)対向電極付けと電解質溶液の注入
スパッタ形成したTi箔を表面に有する白金層を対向電極9として用い、これを上記(a)で作成した作用電極上に重ねた。不活性ガスを充填した循環精製型グローブボックス内にて、ヨウ素電解質溶液10を作用電極と対向電極の隙間から、スポイトで注入した。ヨウ素電解質溶液10としては、メトキシアセトニトリル中に0.5Mの1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨウ化物と0.05Mのヨウ素とを溶解し、さらに、適量のヨウ化リチウムと4−t−ブチルピリジンとを加えたものを用いた(図2(g)参照)。
(c)封止
上記(b)で作成した試料から電解質がこぼれないように、接着性フィルム11(デュポン社製の「サーリン」)を用い、両電極を120℃の加熱プレスにて貼り合せることで封止し、色素増感太陽電池(試料電極基板1〜13及び比較試料電極基板1の各々に対応したもの)を作成した(図2(h)参照)。
色素増感太陽電池の評価
(I)試料電極基板上でのシールド膜の欠損の有無の確認
金属配線上にシールド膜を有する試料電極基板1〜13及び比較試料電極基板1について、肉眼により、ナトリウムランプ下でシールド膜表面の外観を観察した。シールド膜が形成されていない部分をシールド膜の欠損とし、欠損の有無を評価した。シールド膜の欠損がない場合を○、シールド膜の欠損が確認された場合を×とした。結果を表1に示す。
(II)光電変換効率(η)の測定
色素増感型太陽電池の出力特性は、JIS C8913:1998のシリコン結晶系太陽電池セルの出力測定方法に準拠した方法で測定した。300Wソーラーシュミレーター(山下電装株式会社製の「YSS−80」)に、AM1.5G相当のエアマスフィルターを組み合わせ、2次基準Si太陽電池で100mW/cmの光量に調整して測定用光源とし、色素増感型太陽電池(試料電極基板1〜13及び比較試料電極基板1〜2の各々に対応したもの)に光照射しながらポテンショスタット(北斗電工株式会社製の「HSV−100」)を使用してI−Vカーブ特性を測定し、I−Vカーブ特性から得られた開放電圧(Voc;単位V)、短絡電流(Isc;単位mA/cm)、フィルファクター(FF;無単位)を導出した。そして、短絡電流密度(Jsc;単位mA/cm)、及び光電変換効率(η;単位%)を以下の式(1)、(2)を用いて算出した。このように算出された光電変換効率の値が4%以上であれば、金属配線の腐食が発生せず、また、ヨウ素電解質溶液が退色せず、光電変換効率が良好であると言える。結果を表1に示す。なおここで AM1.5Gとは、太陽光が大気を通過する距離を表す。赤道直下での太陽光が大気を通過する距離であるAM1.0Gが基準とされ、AM1.5Gは東京での値に相当する。
Figure 0005454285
Figure 0005454285
(III)シールド膜を有する金属配線の耐食性の評価
上記(II)の光電変換効率(η)の測定を行った直後に、シールド膜を有する金属配線の外観検査を行った。肉眼により、金属配線を観察し、腐食や配線の変色を確認し、変化が無かった場合には「良好/○」、変化(腐食や変色)が見られた場合には「不良/×」として評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005454285
表1に示された結果から明らかなように、感放射線性を有する当該樹脂組成物を用いて形成したシールド膜を有する色素増感型太陽電池(実施例1〜12)は、従来技術の樹脂組成物を用いて形成したシールド膜を有する色素増感型太陽電池(比較例1)や、シールド膜を有しない色素増感型太陽電池(比較例2)と比べて、光電変換効率が良好であると同時に、シールド膜の欠損が全くなく、また電解液に対する高い耐食性を有することが分かった。特に、実施例1〜4の結果からは、任意成分である[G]密着助剤及び/又は[H]界面活性剤を用いることによって、さらに光電変換効率が向上することが分かった。また、実施例4〜12の結果からは、種々の[A]〜[C]を用いた場合においても、良好な特性が得られることが分かった。このように、感放射線性を有する当該樹脂組成物を用いることによって、色素増感型太陽電池用電極における金属配線の段差を有する基板上で、金属配線が存在する部分にのみ正確にシールド膜を形成することが可能であり、優れた光電変換効率を維持しつつ、高い耐食性を得ることができる。さらに、実施例13の結果から、本発明の感放射線性を有しない樹脂組成物を用いて形成したシールド膜は、欠損が全くなく、また電解液に対する高い耐食性を有し、このシールド膜を有する色素増感型太陽電池についても、良好な光電変換効率を有することが分かった。
感放射線性を有する当該樹脂組成物では、感放射線性を利用した露光・現像によってパターンを形成するため、色素増感型太陽電池用電極における金属配線の段差を有する基板上で、金属配線が存在する部分にのみ均一な厚みのシールド膜を形成することが可能である。また、感放射線性を有する当該樹脂組成物は、金属配線の箇所にのみ正確にシールド膜を形成することができるため、膜の欠損がなく、十分な耐食性を有する。このシールド膜を有する色素増感型太陽電池用電極は高い光電変換効率を有する。従って、感放射線性を有する当該樹脂組成物は、色素増感型太陽電池用電極のシールド膜の形成材料として好適に用いることができる。さらに本発明の感放射線性を有しない樹脂組成物は、塗布工程及び加熱工程という比較的簡易な工程のみで、低コストにシールド膜を形成可能な樹脂組成物、及びこの耐食性を有するシールド膜を備えた光電変換効率に優れる色素増感型太陽電池用電極を提供することができる。
1 基板
2 透明導電膜
3 金属配線層
4 多孔質酸化物半導体層
5 塗膜
6 シールド膜
7 シールド膜を有する電極基板
8 光増感色素が担持された多孔質酸化物半導体層
9 対向電極
10 ヨウ素電解質溶液
11 接着性フィルム

Claims (12)

  1. 樹脂組成物の硬化物からなるシールド膜を備える色素増感型太陽電池用電極であって、
    上記樹脂組成物が、[A]カルボキシル基、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する共重合体、及び[B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を含有することを特徴とする色素増感型太陽電池用電極。
  2. [B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物が、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート及び3官能以上の(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である請求項に記載の色素増感型太陽電池用電極。
  3. 上記樹脂組成物が、[C]感放射線性重合開始剤をさらに含む請求項又は請求項に記載の色素増感型太陽電池用電極。
  4. [C]感放射線性重合開始剤が、O−アシルオキシム化合物及び/又はアセトフェノン化合物である請求項に記載の色素増感型太陽電池用電極。
  5. [A]カルボキシル基、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基からなる群より選択される少なくとも1種の反応性官能基を有する共重合体、及び[B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物を含有する色素増感型太陽電池用電極のシールド膜形成用樹脂組成物。
  6. [C]感放射線性重合開始剤
    をさらに含有する請求項に記載の樹脂組成物。
  7. [B]エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物が、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート及び3官能以上の(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である請求項5又は請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. [C]感放射線性重合開始剤が、O−アシルオキシム化合物及び/又はアセトフェノン化合物である請求項又は請求項に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項から請求項のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成される色素増感型太陽電池用電極のシールド膜。
  10. 請求項に記載のシールド膜を備える色素増感型太陽電池。
  11. (1)導電性基板及びこの導電性基板の表面側の金属配線層を備えた積層体に、少なくとも金属配線層の全体が覆われるように、請求項に記載の樹脂組成物の塗膜を形成する工程、及び
    (2)工程(1)で形成された塗膜を加熱する工程
    を有する色素増感型太陽電池用電極のシールド膜の形成方法。
  12. (1’)導電性基板及びこの導電性基板の表面側の金属配線層を備えた積層体に、少なくとも金属配線層の全体が覆われるように、請求項から請求項のいずれか1項に記載の樹脂組成物の塗膜を形成する工程、
    (3)工程(1’)で形成した塗膜の金属配線層上に積層されている部分のみに放射線を照射する工程、
    (4)工程(3)で放射線を照射された塗膜を現像する工程、及び
    (2’)工程(4)で現像された塗膜を加熱する工程
    を有する色素増感型太陽電池用電極のシールド膜の形成方法。
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