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JP5455808B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description

本発明は、車両の制御装置に関し、特に、駆動源としての電動モータの出力トルクを制御する技術に関する。
電動モータを駆動源として搭載した電気自動車が知られている。電動モータには、バッテリおよびキャパシタなどの蓄電装置から電力が供給される。回生制動時には、電動モータが発電した電力が蓄電装置に充電される。
電気自動車は、エンジンを駆動源として搭載した車両とは異なり、アクセル開度が零であるときに駆動源としての電動モータの出力トルクを零にすることが可能である。しかしながら、アクセル開度が零であるときに電動モータの出力トルクを零にすると、エンジンを搭載した車両のようなクリープトルクを得ることができない。そのため、登坂路での発進時などにおいて、運転者の意図に反して車両が後退する可能性がある。そこで、クリープトルクを発生するように電動モータを制御することが提案されている。
特開2007−185070号公報(特許文献1)は、エンジンに加えて電動モータを駆動源として搭載したハイブリッド車において、クリープトルクを発生するように電動モータを制御することを開示する。
特開2007−185070号公報
電動モータに加えてエンジンを駆動源として搭載したハイブリッド車であれば、エンジンの出力トルクまたは摩擦などにより車両の後退がある程度防止される。したがって、登坂路での後退を防止するのに必要なクリープトルクは大きくはない。
しかしながら、電動モータのみを駆動源として有する電気自動車は、エンジンの出力トルクまたは摩擦など利用して車両の後退を防止することができない。したがって、電気自動車は、ハイブリッド車に比べて登坂路において後退し易い。
電気自動車の後退を防止すべく、常に大きなクリープトルクを発生するように電動モータを制御すると、消費される電力が増大する。そのため、蓄電装置に蓄えられた電力を使い切るまでに電気自動車が走行可能な距離が短くなり得る。また、クリープトルクを大きくすると、低速走行時の加速度が大きくなる。そのため、ドライバビリティが悪化し得る。よって、常に大きなクリープトルクを発生することによって登坂路における車両の後退を防止することは好ましくない。
また、車両を前進させる方向にクリープトルクを発生している状態で車両が後退すると、電動モータが発電する。蓄電装置の残存容量が低ければ、発電された電力を蓄電装置に充電することが可能である。しかしながら、蓄電装置が満充電状態である場合は、蓄電装置のさらなる充電を避けることが好ましい。充電を避けるべく、たとえば蓄電装置の充電電力を制限すると、電動モータが発電可能な電力が制限される。すなわち、クリープトルクが制限される。そのため、必要であるときにクリープトルクが大きくなるよう制御したとしても、蓄電装置が満充電状態である場合には十分なクリープトルクを得ることができない。よって、登坂路において車両が後退し得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、蓄電装置の残存容量が大きい場合において車両の後退を抑制することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、駆動源としての電動モータと、電動モータに電気的に接続された蓄電装置とが搭載され、蓄電装置の充電電力の絶対値が制限値の絶対値以下に制限される車両の制御装置である。制御装置は、蓄電装置の残存容量が大きいほど、絶対値が小さくなるように、蓄電装置の充電電力の制限値を算出するための手段と、制限値の絶対値が小さいほど出力トルクの絶対値が大きくなるように電動モータを制御するための制御手段とを備える。
この構成によると、蓄電装置の残存容量が大きいほど、絶対値が小さくなるように蓄電装置の充電電力の制限値が算出される。制限値の絶対値が小さいほど、電動モータの出力トルクが大きくされる。そのため、蓄電装置の残存容量が大きい場合には、電動モータの出力トルクを大きくすることによって、たとえば登坂路での車両の後退が抑制される。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、制御手段は、制限値の絶対値が小さいほど、アクセル開度が零であるときの出力トルクの絶対値が大きくなるように電動モータを制御する。
この構成によると、蓄電装置の残存容量が大きい場合には、アクセル操作をしなくても、電動モータの出力トルクが大きくされる。そのため、たとえば登坂路での発進時において、ブレーキペダルからアクセルペダルに足が移動する間、車両の後退が抑制される。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、出力トルクは、基準として定められた値に、制限値の絶対値が小さいほど絶対値が大きくなるように定められた係数を乗算することにより定められる。
この構成によると、電動モータの出力トルクは、基準値に、制限値に応じた係数を乗算することにより算出される。これにより、出力トルクを算出するための演算が簡略にされる。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、制御手段は、路面の勾配が大きいほど出力トルクの絶対値が大きくなるように電動モータを制御するとともに、制限値の絶対値が小さいほど出力トルクの絶対値が大きくなるように電動モータを制御する。
この構成によると、路面の勾配が大きい場合には、電動モータの出力トルクの絶対値がさらに大きくされる。逆に、路面の勾配が小さい場合には、電動モータの出力トルクの絶対値が小さくされる。そのため、勾配に応じた最適なトルクが得られる。また、たとえば登坂路においては、勾配に応じて大きくされた出力トルクが、さらに制限値に応じて大きくされる。そのため、車両の後退がより確実に抑制される。
電気自動車を示す概略構成図である。 電気自動車の電気システムを示す図(その1)である。 電気自動車の電気システムを示す図(その2)である。 充電ケーブルのコネクタを示す図である。 蓄電システムを示す図である。 ECUの機能ブロック図である。 ECUが実行する処理を示すフローチャートである。 クリープトルクを示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、電気自動車について説明する。この電気自動車には、電動モータ100と、電動モータ100に電気的に接続されたバッテリスタック110とが搭載される。電気自動車は、バッテリスタック110から電力が供給された電動モータ100を駆動源として走行する。電動モータ100に加えて内燃機関を搭載したハイブリッド車を用いるようにしてもよい。
電動モータ100は、ECU(Electronic Control Unit)120により制御される。ECU120は複数のECUに分割するようにしてもよい。
電動モータ100は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルを備える、三相交流回転電機である。電動モータ100は、バッテリスタック110に蓄えられた電力により駆動する。
電動モータ100の出力トルクは、減速機102を介して駆動輪104に伝えられる。これにより、電動モータ100は車両を走行させる。電気自動車の回生制動時には、減速機102を介して駆動輪104により電動モータ100が駆動され、電動モータ100が発電機として作動する。これにより電動モータ100は、制動エネルギを電力に変換する回生ブレーキとして作動する。電動モータ100により発電された電力は、バッテリスタック110に蓄えられる。
本実施の形態においては、一例として、車両を前進させる方向に作用する出力トルクは正値として表わされる。車両を後進させる方向に作用する出力トルクは負値として表わされる。なお、車両を前進させる方向に作用する出力トルクおよび車両を後進させる方向に作用する出力トルクの両方を正値として表わしてもよい。
バッテリスタック110は、複数のバッテリセルを一体化したバッテリモジュールを、さらに複数直列に接続して構成された組電池である。バッテリスタック110は、互いに並列に接続される。バッテリスタック110には、電動モータ100の他、車両の外部の電源から供給される電力が充電される。
バッテリスタック110の容量(充電可能な最大充電量)は、同じもしくは略同じである。電気自動車の蓄電システムは、バッテリスタック110を含む。
図2を参照して、電気自動車の電気システムについてさらに説明する。電気自動車には、コンバータ200と、インバータ210と、システムメインリレー230と、充電器240と、インレット250とが設けられる。
コンバータ200は、リアクトルと、二つのnpn型トランジスタと、二つダイオードとを含む。リアクトルは、各バッテリの正極側に一端が接続され、2つのnpn型トランジスタの接続点に他端が接続される。
2つのnpn型トランジスタは、直列に接続される。npn型トランジスタは、ECU120により制御される。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにダイオードがそれぞれ接続される。
なお、npn型トランジスタとして、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。npn型トランジスタに代えて、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いることができる。
バッテリスタック110から放電された電力を電動モータ100に供給する際、電圧がコンバータ200により昇圧される。逆に、電動モータ100により発電された電力をバッテリスタック110に充電する際、電圧がコンバータ200により降圧される。
インバータ210は、U相アーム、V相アームおよびW相アームを含む。U相アーム、V相アームおよびW相アームは並列に接続される。U相アーム、V相アームおよびW相アームは、それぞれ、直列に接続された2つのnpn型トランジスタを有する。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードがそれぞれ接続される。そして、各アームにおける各npn型トランジスタの接続点は、電動モータ100の各コイルの中性点とは異なる端部にそれぞれ接続される。
インバータ210は、バッテリスタック110から供給される直流電流を交流電流に変換し、電動モータ100に供給する。また、インバータ210は、電動モータ100により発電された交流電流を直流電流に変換する。
システムメインリレー230は、バッテリスタック110とコンバータ200との間に設けられる。システムメインリレー230が開いた状態であると、バッテリスタック110が電気システムから遮断される。システムメインリレー230が閉じた状態であると、バッテリスタック110が電気システムに接続される。
システムメインリレー230の状態は、ECU120により制御される。たとえば、ECU120が起動すると、システムメインリレー230が閉じられる。ECU120が停止する際、システムメインリレー230が開かれる。
充電器240は、システムメインリレー230とコンバータ200との間に接続される。図3に示すように、充電器240は、AC/DC変換回路242と、DC/AC変換回路244と、絶縁トランス246と、整流回路248とを含む。
AC/DC変換回路242は、単相ブリッジ回路から成る。AC/DC変換回路242は、ECU120からの駆動信号に基づいて、交流電力を直流電力に変換する。また、AC/DC変換回路242は、コイルをリアクトルとして用いることにより電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路としても機能する。
DC/AC変換回路244は、単相ブリッジ回路から成る。DC/AC変換回路244は、ECU120からの駆動信号に基づいて、直流電力を高周波の交流電力に変換して絶縁トランス246へ出力する。
絶縁トランス246は、磁性材から成るコアと、コアに巻回された一次コイルおよび二次コイルを含む。一次コイルおよび二次コイルは、電気的に絶縁されており、それぞれDC/AC変換回路244および整流回路248に接続される。絶縁トランス246は、DC/AC変換回路244から受ける高周波の交流電力を一次コイルおよび二次コイルの巻数比に応じた電圧レベルに変換して整流回路248へ出力する。整流回路248は、絶縁トランス246から出力される交流電力を直流電力に整流する。
ECU120は、車両外部の電源からバッテリスタック110への充電が行なわれるとき、充電器240を駆動するための駆動信号を生成して充電器240へ出力する。
インレット250は、たとえば電気自動車の側部に設けられる。インレット250には、電気自動車と外部の電源402とを連結する充電ケーブル300のコネクタ310が接続される。
電気自動車と外部の電源402とを連結する充電ケーブル300は、コネクタ310と、プラグ320と、CCID(Charging Circuit Interrupt Device)330とを含む。
充電ケーブル300のコネクタ310は、電気自動車に設けられたインレット250に接続される。コネクタ310には、スイッチ312が設けられる。充電ケーブル300のコネクタ310が、電気自動車に設けられたインレット250に接続された状態でスイッチ312が閉じると、充電ケーブル300のコネクタ310が、電気自動車に設けられたインレット250に接続された状態であることを表わすコネクタ信号CNCTがECU120に入力される。
スイッチ312は、充電ケーブル300のコネクタ310を電気自動車のインレット250に係止する係止金具に連動して開閉する。係止金具は、コネクタ310に設けられたボタンを操作者が押すことにより揺動する。
たとえば、充電ケーブル300のコネクタ310が電気自動車に設けられたインレット250に接続した状態で、操作者が、図4に示すコネクタ310のボタン314から指を離した場合、係止金具316が電気自動車に設けられたインレット250に係合するとともに、スイッチ312が閉じる。操作者がボタン314を押すと、係止金具316とインレット250との係合が解除されるとともに、スイッチ312が開く。なお、スイッチ312を開閉する方法はこれに限らない。
図3に戻って、充電ケーブル300のプラグ320は、家屋に設けられたコンセント400に接続される。コンセント400には、電気自動車の外部の電源402から交流電力が供給される。
CCID330は、リレー332およびコントロールパイロット回路334を有する。リレー332が開いた状態では、電気自動車の外部の電源402から電気自動車へ電力を供給する経路が遮断される。リレー332が閉じた状態では、電気自動車の外部の電源402から電気自動車へ電力を供給可能になる。リレー332の状態は、充電ケーブル300のコネクタ310が電気自動車のインレット250に接続された状態でECU120により制御される。
コントロールパイロット回路334は、充電ケーブル300のプラグ320がコンセント400、すなわち外部の電源402に接続され、かつコネクタ310が電気自動車に設けられたインレット250に接続された状態において、コントロールパイロット線にパイロット信号(方形波信号)CPLTを送る。パイロット信号は、コントロールパイロット回路334内に設けられた発振器から発振される。
コントロールパイロット回路334は、充電ケーブル300のプラグ320がコンセント400に接続されると、コネクタ310が電気自動車に設けられたインレット250から外されていても、一定のパイロット信号CPLTを出力し得る。ただし、コネクタ310が電気自動車に設けられたインレット250から外された状態で出力されたパイロット信号CPLTを、ECU120は検出できない。
充電ケーブル300のプラグ320がコンセント400に接続され、かつコネクタ310が電気自動車のインレット250に接続されると、コントロールパイロット回路334は、予め定められたパルス幅(デューティサイクル)のパイロット信号CPLTを発振する。
パイロット信号CPLTのパルス幅により、供給可能な電流容量が電気自動車に通知される。たとえば、充電ケーブル300の電流容量が電気自動車に通知される。パイロット信号CPLTのパルス幅は、外部の電源402の電圧および電流に依存せずに一定である。
一方、用いられる充電ケーブルの種類が異なれば、パイロット信号CPLTのパルス幅は異なり得る。すなわち、パイロット信号CPLTのパルス幅は、充電ケーブルの種類毎に定められ得る。
本実施の形態においては、充電ケーブル300により電気自動車と外部の電源402とが連結された状態において、外部の電源402から供給された電力がバッテリスタック110に充電される。バッテリスタック110の充電時には、システムメインリレー230、CCID330内のリレー332が閉じられる。
図5を参照して、バッテリスタック110についてさらに説明する。バッテリスタック110の電圧は、電圧センサ140により検出される。バッテリスタック110の入出力電流は、電流センサ150により検出される。
バッテリスタック110の残存容量(SOC:State Of Charge)は、監視ユニット160により算出される。監視ユニット160は、バッテリスタック110の電圧およびバッテリスタック110の入出力電流などに基づいて、バッテリスタック110の残存容量を算出する。
監視ユニット160は、ECU120の一部として実装してもよい。バッテリスタック110の残存容量を算出する方法には、周知の一般的は方法を利用すればよいため、ここではそれらの詳細な説明は繰り返さない。
本実施の形態においては、バッテリスタック110の残存容量を示すデータが、ECU120に入力される。
ECU120は、バッテリスタック110の残存容量を用いて、バッテリスタック110への充電を制御する。たとえば、残存容量が大きい場合は、バッテリスタック110への充電が制限される。同様に、ECU120は、バッテリスタック110の残存容量を用いて、バッテリスタック110からの放電を制御する。たとえば、残存容量が小さい場合は、バッテリスタック110からの放電が制限される。
たとえば、バッテリスタック110の残存容量および温度などをパラメータに有するマップに従って、バッテリスタック110の充電電力の制限値WINおよび放電電力の制限値WOUTが算出される。マップは、実験およびシミュレーションなどの結果に基づいて、開発者により予め作成される。なお、制限値を算出する方法はこれらに限らない。
本実施の形態において、放電電力の制限値WOUTは正値として算出され、充電電力の制限値WINは負値として算出される。したがって、放電電力は正値で表わされ、充電電力は負値で表わされる。放電電力の制限値WOUTおよび充電電力の制限値WINの両方を正値として算出するようにしてもよい。すなわち、放電電力および充電電力の両方を正値で表わすようにしてもよい。
たとえば、バッテリスタック110の残存容量が大きいほど、絶対値が小さくなるように、充電電力の制限値WINが算出される。逆に、バッテリスタック110の残存容量が大きいほど、絶対値が大きくなるように、放電電力の制限値WOUTが算出される。
バッテリスタック110の充電電力の絶対値は、制限値WINの絶対値以下に制限される。言い換えると、バッテリスタック110の充電電力は、制限値WIN以上に制限される。
同様に、バッテリスタック110の放電電力の絶対値は、制限値WOUTの絶対値以下に制限される。言い換えると、バッテリスタック110の放電電力は、制限値WOUT以下に制限される。
本実施の形態においては、さらに、充電電力の制限値WINに応じたクリープトルクTCを発生するように、電動モータ100が制御される。
図6を参照して、ECU120がクリープトルクTCを制御する機能について説明する。なお、以下に説明する機能はソフトウエアにより実現するようにしてもよく、ハードウェアにより実現するようにしてもよい。
ECU120は、算出部500と、制御部502とを備える。
算出部500は、バッテリスタック110の充電電力の制限値WINを算出する。前述したように、バッテリスタック110の残存容量が大きいほど、絶対値が小さくなるように、制限値WINが算出される。
制御部502は、制限値WINの絶対値が小さいほど出力トルクの絶対値が大きくなるように電動モータ100を制御する。
より具体的には、制限値WINの絶対値が小さいほど、アクセル開度が零であるときの出力トルク、すなわちクリープトルクTCの絶対値が大きくなるように電動モータ100を制御する。前進走行レンジにおいては、クリープトルクTCは、出力トルクの下限値を示す。逆に、後進走行レンジにおいては、クリープトルクTCは、出力トルクの上限値を示す。
さらに、制御部502は、路面の勾配が大きいほどクリープトルクTCの絶対値が大きくなるように電動モータ100を制御するとともに、制限値WINの絶対値が小さいほどクリープトルクTCの絶対値が大きくなるように電動モータ100を制御する。
登坂路では、路面の勾配が大きいほどクリープトルクTCが大きくなるように電動モータ100が制御されるとともに、制限値WINが大きいほど(絶対値が小さいほど)クリープトルクTCが大きくなるように電動モータ100が制御される。
クリープトルクTCをどの程度大きくするかは、実験およびシミュレーションの結果に応じて定められる。クリープトルクTCの他、アクセル開度が零よりも大きいときの出力トルクの絶対値を、制限値WINに応じて大きくするようにしてもよい。
図7を参照して、クリープトルクTCを制御するためにECU120が実行する処理について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU120は、アクセル開度に応じて、要求トルクTPABSを算出する。要求トルクTPABSは、運転者が要求するトルクを表わす。たとえば、車速およびアクセル開度をパラメータに有するマップに従って、要求トルクTPABSが算出される。アクセル開度が大きいほど絶対値が大きくなるように要求トルクTPABSが算出される。アクセル開度が零である場合、要求トルクTPABSは零である。走行レンジが前進走行レンジ(たとえばDレンジ)である場合、要求トルクTPABSは正値として算出される。走行レンジが後進走行レンジ(たとえばRレンジ)である場合、要求トルクTPABSは負値として算出される。なお、要求トルクTPABSを算出する方法はこれに限らない。
S102にて、ECU120は、勾配を推定する。勾配は、たとえばアクセル開度から予測される加速度と、車両の実際の加速度とをパラメータに有するマップに基づいて推定される。なお、勾配を推定する方法には周知の一般的な方法を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰り返さない。
S104にて、ECU120は、クリープトルクTCのベース値TCBを算出する。クリープトルクTCのベース値TCBは、クリープトルクTCの基準として定められる。クリープトルクTCのベース値TCBは、たとえば車速に応じて算出される。一例として、走行レンジが前進走行レンジである場合、ベース値TCBは、車速が低い(車速の絶対値が小さい)ほど絶対値が大きくなるように、正値として算出される。たとえば、車速が零であるときにベース値TCBが最大となり、予め定められた車速においてベース値TCBが零になる。走行レンジが後進走行レンジである場合、ベース値TCBは、車速が低い(車速の絶対値が小さい)ほど絶対値が大きくなるように、負値として算出される。たとえば、車速が零であるときにベース値TCBが最小(ベース値TCBの絶対値が最大)となり、予め定められた車速においてベース値TCBが零になる。ベース値STPを算出する方法はこれらに限らない。クリープトルクTCのベース値TCBは一定値であってもよい。
S106にて、ECU120は、勾配に応じた係数Kを算出する。たとえば、勾配および車速をパラメータに有するマップに従って、係数Kが算出される。路面の勾配が大きいほど絶対値が大きくなるよう係数Kが算出される。本実施の形態においては、係数Kは正値として算出される。したがって、路面の勾配が大きいほど大きくなるように係数Kが算出される。車速が零以上の領域、すなわち停車中または車両が前進走行中には、車速が大きくなるほど小さくなるように係数Kが算出される。係数Kを算出する方法はこれらに限らない。
S108にて、ECU120は、充電電力の制限値WINに応じた係数KWINを算出する。充電電力の制限値WINの絶対値が小さいほど絶対値が大きくなるように、係数KWINが算出される。たとえば、係数KWINは正値として算出される。したがって、充電電力の制限値WINが大きい(絶対値が小さい)ほど大きくなるように係数KWINが算出される。
S110にて、ECU120は、クリープトルクTCを算出する。より具体的には、クリープトルクTCのベース値TCBに、勾配に応じた係数Kおよび充電電力の制限値WINに応じた係数KWINを乗算することにより、クリープトルクTCが算出される。したがって、クリープトルクTCは、下記の式1のように表わされる。
TC=TCB・K・KWIN…(1)
したがって、図8に示すように、たとえば登坂路においては、充電電力の制限値WINが大きい(絶対値が小さい)ほど、大きなクリープトルクTCが算出される。
図7に戻って、S112にて、ECU120は、車両の走行レンジがRレンジであるか否かが判断される。Rレンジであると(S112にてYES)、処理はS114に移される。もしそうでないと(S112にてNO)、処理はS116に移される。
S114にて、ECU120は、要求トルクTPABS、下限値TMINおよびクリープトルクTCを用いて、電動モータ100の出力トルクのガード処理を実行する。より具体的には、要求トルクTPABSが下限値TMIN以下である場合、電動モータ100の出力トルクが下限値TMINになるように制御される。要求トルクTPABSが下限値TMINより大きく、クリープトルクTC以下である場合、電動モータ100の出力トルクが要求トルクTPABSになるように制御される。要求トルクTPABSがクリープトルクTCより大きい場合、電動モータ100の出力トルクがクリープトルクTCになるように制御される。
S116にて、ECU120は、要求トルクTPABS、クリープトルクTCおよび上限値TMAXを用いて、電動モータ100の出力トルクのガード処理を実行する。より具体的には、要求トルクTPABSが上限値TMAXより大きい場合、電動モータ100の出力トルクが上限値TMAXになるように制御される。要求トルクTPABSがクリープトルクTCより大きく、上限値TMAX以下である場合、電動モータ100の出力トルクが要求トルクTPABSになるように制御される。要求トルクTPABSがクリープトルクTC以下である場合、電動モータ100の出力トルクがクリープトルクTCになるように制御される。
したがって、登坂路において、走行レンジが前進走行レンジ(たとえばDレンジ)であり、かつアクセル開度が零であると、電動モータ100は、前述の図8に示すように、充電電力の制限値WINが大きい(絶対値が小さい)ほど、大きなクリープトルクTCを出力する。
よって、バッテリスタック110の残存容量が大きい場合には、電動モータ100の出力トルクを大きくすることによって、登坂路での車両の後退が抑制される。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 電動モータ、110 バッテリスタック、120 ECU、140 電圧センサ、150 電流センサ、160 監視ユニット、500 算出部、502 制御部。

Claims (3)

  1. 駆動源としての電動モータと、前記電動モータに電気的に接続された蓄電装置とが搭載され、前記蓄電装置の充電電力の絶対値が制限値の絶対値以下に制限される車両の制御装置であって、
    前記蓄電装置の残存容量が大きいほど、絶対値が小さくなるように、前記制限値を算出するための手段と、
    前記制限値の絶対値が小さいほどアクセル開度が零であるときの出力トルクの絶対値が大きくなるように前記電動モータを制御するための制御手段とを備える、車両の制御装置。
  2. 前記アクセル開度が零であるときの前記電動モータの出力トルクは、基準として定められた値に、前記制限値の絶対値が小さいほど絶対値が大きくなるように定められた係数を乗算することにより定められる、請求項1記載の車両の制御装置。
  3. 前記制御手段は、路面の勾配が大きいほど前記アクセル開度が零であるときの出力トルクの絶対値が大きくなるように前記電動モータを制御するとともに、前記制限値の絶対値が小さいほど出力トルクの絶対値が大きくなるように前記電動モータを制御する、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
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