本発明は、無線通信システムに関するものである。
従来、近距離通信無線に関する規格であるIEEE802.15規格にしたがって、ビーコン信号を先頭に設けたスーパーフレームを用いて、親ノードと子ノードとの間の通信を行う無線通信システムがある(例えば、特許文献1参照)。
IEEE802.15.4規格では、基本的にCSMA/CA(Carrier Sense MultipleAccess/Collision Avoidance)を採用しているが、CSMA/CAの問題点を克服するために、スーパーフレームSF1を用いている。
スーパーフレームSF1は、図5(a)に示すように、16個のタイムスロットで構成された仮想的な通信時間割りであり、ネットワーク上の各ノードは、任意の時間ではなく、所定のタイミングにのみ送受信可能となる。16個のタイムスロットは、親ノードから子ノードへの下り方向のスロット数「1」のビーコン信号スロットTS0と、競合アクセススロットTSaと、保証タイムスロットTSb(GTS:Guaranteed Time Slot)とで構成される。競合アクセススロットTSaは、スロット数「8〜15」で構成され、保証タイムスロットTSbはスロット数「0〜7」で構成される。図5(a)では、競合アクセススロットTSaを1スロット〜9スロット、保証タイムスロットTSbを10スロット〜15スロットで構成している。
なお、ビーコン信号スロットTS0の出現周期(ビーコン信号の送信周期)であるビーコン周期L1は、
L1=15.36ms×2N (0≦ビーコンオーダN≦14) ………(1)式
となる。
また、スーパーフレームSF1において、ビーコン信号スロットTS0、競合アクセススロットTSa、保証タイムスロットTSbの各タイムスロットからなるスーパーフレーム期間L2は、
L2=15.36ms×2M (0≦スーパーフレームオーダM≦14) ……(2)式
となる。
また、スーパーフレーム期間L2が終了してから、次のビーコン信号スロットTS0が開始されるまでは不活性期間Tcとなる。
ビーコン信号スロットTS0は、スーパーフレームSF1の先頭のスロットであり、ビーコンフレーム(ビーコン信号)が親ノードから子ノードへ送信され、親ノード−子ノード間の通信同期に用いられる。
競合アクセススロットTSaは、ビーコン信号スロットTS0に続くCAP(Contention Access Period)である競合アクセス期間Ta内で利用でき、通信路に一定時間継続して信号が流れていなければ送信可能になるCSMA/CA方式で通信を行う。この競合アクセススロットTSaは、どのノードも自由に使用できるが、CSMA/CA方式によって他のノードと競合する必要があるので、データ伝送の遅延時間を保証できない。
保証タイムスロットTSbは、コーディネータである親ノードから許可を得た子ノードのみが使用できるタイムスロットであり、CFP(Contention Free Period)である非競合アクセス期間Tb内で利用できる。保証タイムスロットTSbは、コーディネータから許可を得たノードのみが使用できるので、信号の衝突を避けることができ、QoS(Quality of Service)を確保したデータ伝送が可能になる。
現状のIEEE802.15.4規格では、スタートポロジのネットワークでのみビーコンフレームを利用でき、子ノード2Bから親ノード1Bへのデータ伝送は、図6に示すように、プッシュ型のデータ伝送となる。
図6において、親ノード1Bは、ビーコン周期L1で、ビーコンフレームを送信する(S101,S102)。子ノード2Bは、このビーコンフレームを受信して、スーパーフレームSF1との同期をとり、さらにはスーパーフレームSF1の各タイムスロットの割り付け状況を把握する。そして、子ノード2Bは、競合アクセススロットTSaまたは保証タイムスロットTSbを利用して、データ伝送を行う(S103)。なお、図6、図7において、親ノード1、子ノード2と表記しているが、親ノード1は、従来の親ノード1Bだけでなく、後述の親ノード1Aを含み、子ノード2は、従来の子ノード2Bだけでなく、後述の子ノード2Aを含むものとする。
子ノード2Bは、親ノード1Bに対するデータ送信用の保証タイムスロットTSbが割り付けられている場合、非競合アクセス期間Tb内の保証タイムスロットTSbを利用することによって、他の子ノードと競合することなく、親ノード1Bへデータ送信できる。
しかし、子ノード2Bは、保証タイムスロットTSbを利用することができない場合、競合アクセス期間Ta内の競合アクセススロットTSaを利用して、CSMA/CA方式で通信を行う必要がある。この場合のCSMA/CA方式は、クリアチャンネルの判定を行うが、データの送信開始タイミングは、スーパーフレームSF1のスロット開始時刻と合わせなければならない。
また、オプションとして、親ノード1Bは、子ノード2Bからのデータを受信した場合、ACK信号を子ノード2Bへ返送してもよい(S104)。
次に、親ノード1Bから子ノード2Bへのデータ伝送は、図7に示すように、プル型のデータ伝送となる。
図7において、親ノード1Bは、ビーコン周期L1で、ビーコンフレームを送信する(S111,S112)。子ノード2Bは、このビーコンフレームを受信して、スーパーフレームSF1との同期をとり、ビーコンフレーム内に記述されているペンディング情報を解読する。親ノード1Bは、子ノード2B宛のデータ(蓄積データ)を一時格納しており、ペンディング情報とは、この蓄積データの有無を子ノード2Bへ知らせるための情報である。子ノード2Bは、親ノード1Bに自己宛の蓄積データがある場合、親ノード1Bに対して、データ送信要求を送信する(S113)。
親ノード1Bは、データ送信要求を受信した後に、受信動作から送信動作への切替に必要な12シンボル(0.192ms)が経過した時点において、ACK信号を子ノード2Bへ返信する(S114)。さらに、親ノード1Bは、ACK信号に続いて、蓄積データを子ノード2Bへ送信する(S115)。子ノード2Bは、親ノード1Bから蓄積データを受信した後に、ACK信号を親ノード1Bへ返信する(S116)。親ノード1Bは、子ノード2BからACK信号を受信すると、子ノード2B宛の蓄積データを削除する。
上記のような親ノード1Bおよび子ノード2Bによって構成される無線通信システムの例として、火災警報システムがある。図8は、火災警報システムの構成例を示し、1台の親ノード1Bが監視装置を構成し、複数台の子ノード2Bが火災感知器を構成している。
親ノード1Bは、図9(a)に示すように、電源部101と、制御部102と、無線送受信部103と、表示操作部104と、アンテナ105とを備える。電源部101は、商用電源を駆動電源に変換する機能を有し、親ノード1Bの各部に駆動電源を供給する。制御部102は、親ノード1Bの各部の動作を監視制御するとともに、子ノード2Bとの間で授受される各信号の作成、解析を行う。無線送受信部103は、アンテナ105を介して、無線信号を送受信する変復調機能を有する。表示操作部104は、タッチパネル機能を有する液晶画面、および火災の発生を報知する警報音を鳴動するスピーカ装置等で構成され、各種操作を行うとともに、火災の発生状況を表示、音声報知する。
子ノード2Bは、図9(b)に示すように、電池部201と、制御部202と、無線送受信部203と、火災感知部204と、音声出力部205と、電源スイッチ206と、アンテナ207とを備える。電池部201は、子ノード2Bの各部に駆動電源を供給する。制御部202は、子ノード2Bの各部の動作を監視制御するとともに、親ノード1Bとの間で授受される各信号の作成、解析を行う。無線送受信部203は、アンテナ207を介して、無線信号を送受信する変復調機能を有する。火災感知部204は、熱および煙の少なくとも一方を検出することによって、火災の発生を検知する。音声出力部205は、火災の発生を報知する警報音を鳴動する機能を有する。電源スイッチ206は、電池部201から無線送受信部203への電源供給を導通・遮断する。
そして、子ノード2Bでは、火災感知部204が火災を検知した場合、音声出力部205が警報音を鳴動させるとともに、無線送受信部203が、火災発生を通知する火災発生信号を親ノード1Bへ送信する。火災発生信号を受信した親ノード1Bでは、表示操作部104が火災の発生状況を表示、音声報知するとともに、無線送受信部103が、火災を検知していない他の子ノード2Bへ警報信号を送信する。そして、親ノード1Bから警報信号を受信した他の子ノード2Bも、音声出力部205が警報音を鳴動させることによって、複数の子ノード2Bが一斉に警報音を鳴動させるので、火災の発生を迅速且つ確実に報知することができる。
この子ノード2Bから親ノード1Bへの火災発生信号の送信は、上記図6のデータ伝送モデルにしたがって行われる。また、親ノード1から子ノード2Bへの警報信号の送信は、上記図7のデータ伝送モデルにしたがって行われる。
ここで、子ノード2Bは、電池部201による電池駆動であり、電池寿命を長くするために、火災感知部204が火災を検知していない間は、電源スイッチ206をオフにして、電池部201から無線送受信部203への電源供給を遮断しておく。すなわち、火災を検知していない間は、所謂スリープモードに移行して、省電力動作を行う。そして、火災感知部204が火災を検知した場合、電源スイッチ206がオンして、電池部201から無線送受信部203への電源供給路を導通させ、子ノード2Bは、スリープモードから通常モードに移行する。電池部201から駆動電源を供給された無線送受信部203は、制御部202からの指示によって、火災発生信号を送信する。
また、スーパーフレームSF1のビーコン信号スロットTS0内で親ノード1Bから子ノード2Bへ送信されるビーコンフレームは、IEEE802.15.4規格にしたがって、図3(b)に示す構造を有する。スーパーフレームSF1で用いるビーコンフレームは、フレームコントロール領域31、シーケンス領域32、アドレス領域33、MAC層データペイロード領域34、チェックサム領域35の各フィールドからなる。
MAC層データペイロード領域34は、さらに、スーパーフレーム領域341、GTS領域342、ペンディング領域343、ビーコンペイロード領域344で構成されている。
スーパーフレーム領域341は、スーパーフレームSF1およびビーコンを定義する情報が格納されている。具体的には、ビーコン周期L1を決めるビーコンオーダN、スーパーフレーム期間L2を決めるスーパーフレームオーダM、競合アクセス期間Ta内の競合アクセススロットTSaのスロット数等の各情報が、スーパーフレーム領域341に格納される。
GTS領域342は、定義された保証タイムスロットTSbの情報が格納されている。具体的には、保証タイムスロットTSbのデータ伝送方向、割り付けられたノードのアドレス、開始スロット、使用されるスロット数等の各情報が、GTS領域342に格納される。
ペンディング領域343は、親ノード1Bのペンディング情報が格納されている。親ノード1Bは、子ノード2B宛のデータ(蓄積データ)を一時格納しており、ペンディング情報とは、この蓄積データの有無を子ノード2Bへ知らせるための情報である。具体的には、親ノード1Bが一時格納しているメッセージの数、およびその宛先アドレスが、例えばアドレスリストとして格納される。
ビーコンペイロード領域344は、IEEE802.15.4規格では、使い方を特に規定していない。
そして、子ノード2Bは、受信したビーコンフレームのスーパーフレーム領域341に格納されているビーコンオーダNを上記(1)式に適用することで、ビーコンフレームの送信タイミングを把握できる。そして、子ノード2Bは、ビーコン周期L1毎にスリープモードから通常モードに移行する。この通常モード時において子ノード2Bは、例えば、ビーコンフレーム内に記述されているペンディング情報を解読する。子ノード2Bは、親ノード1Bに自己宛の蓄積データ(例えば、警報信号)がある場合、親ノード1Bに対してデータ送信要求を送信し、親ノード1Bから蓄積データ(例えば、警報信号)を取得する。
さらに、親ノード1Bは、一定時間毎(例えば24時間毎)に、子ノード2Bへ生存確認要求を送信する。子ノード2Bは、生存確認要求の送信周期毎に、電源スイッチ206がオンして、電池部201から無線送受信部203への電源供給路を導通させ、スリープモードから通常モードに移行する。そして、子ノード2Bは、生存確認要求に対してACK信号を返信した後、再びスリープモードに移行する。
IEEE802.15.4規格にしたがうと、データ内容の取得を目的としない生存確認についても、図7に示す親ノード1Bから子ノード2Bへのデータ伝送のシーケンス(ステップS113〜S116)を実行しなければならない。
すなわち、現状の生存確認では、子ノード2Bから親ノード1Bへのデータ送信要求(S113)、親ノード1Bから子ノード2BへのACK信号の返信(S114)、親ノード1Bから子ノード2Bへのデータ送信(S115)、子ノード2Bから親ノード1BへのACK信号の返信(S116)が必要となっている。すなわち、現状の生存確認に要する時間は長くなり、子ノード2Bが通常モードで動作する期間も長くなる。したがって、子ノード2Bの駆動電源である電池の消費電流量も大きくなり、電池交換のサイクルが短くなってしまう。
また、ステップS113における子ノード2Bから親ノード1Bへのデータ送信要求を、競合アクセススロットTSaを用いて行った場合、CSMA/CA方式を用いているため、通信路に信号が流れている場合は送信不可能となり、待機する必要がある。そして、子ノード2Bは、この待機している間も通常モードで動作する必要があり、電池部201の消費電流量が大きくなる。例えば図5(b)は、子ノード2Bが競合アクセス期間Taの全期間に亘って通常モードで動作した場合の消費電流の波形を示す。
また、ステップS113における子ノード2Bから親ノード1Bへのデータ送信要求を、保証タイムスロットTSbを用いて行った場合、競合アクセス期間Taも通常モードで動作する必要があり、電池部201の消費電流量が大きくなる。例えば図5(c)は、子ノード2Bが10スロットの保証タイムスロットTSbを用いてデータ送信要求を行った場合の消費電流の波形を示す。
このように、IEEE802.15.4規格にしたがって動作する従来の無線通信システムにおいて生存確認を行う場合、電池動作する子ノード2Bは、通常モードで動作する期間が長く、スリープモードで動作する期間が短くなり、電池寿命が短くなっていた。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、生存確認を行う場合、電池動作する子ノードがスリープモードで動作する期間が長く、電池寿命を長くすることができる無線通信システムを提供することにある。
本発明の無線通信システムは、複数の子ノードと、前記子ノードの各々との間で無線通信を行う親ノードとで構成され、前記親ノードと前記子ノードとは、少なくとも、前記親ノードから前記子ノードへの下り方向の通信を行うビーコン信号スロットと、複数の前記子ノードが互いに競合する競合アクセススロットとで構成される第1の送信フレームを用いて、無線通信を行い、前記親ノードは、前記ビーコン信号スロット内でビーコン信号を送信し、前記子ノードは、前記ビーコン信号を受信した時点を基準にして、前記親ノードとの間で通信を行うスロットを決定する無線通信システムにおいて、前記親ノードは、前記ビーコン信号スロットと、このビーコン信号スロットに続いて設けられて、予め割り付けられたいずれか1つの前記子ノードのみが利用することができる保証タイムスロットとを含むとともに、前記競合アクセススロットを含まない第2の送信フレームを用いて、前記子ノードに受信確認信号の返信を要求する生存確認要求、および前記生存確認要求の送信先となる前記子ノードの各々に対する前記保証タイムスロットの割り付け状況を示す割付情報を前記ビーコン信号スロット内で送信し、前記第2の送信フレームの前記保証タイムスロットの数を、前記生存確認要求の送信先となる前記子ノードの数と同数に設定し、前記子ノードは、前記生存確認要求を受信した場合、自己に割り付けられた前記保証タイムスロット内で、前記受信確認信号を前記親ノードへ返信することを特徴とする。
この発明において、前記親ノードは、前記第2の送信フレームを用いて、前記ビーコン信号スロット内で、前記生存確認要求の送信周期を示す確認周期情報を送信し、前記子ノードは、消費電力を抑制して動作するスリープモードと、消費電力を抑制することなく動作する通常モードとのいずれかのモードで動作し、前記生存確認要求の送信周期に同期して前記スリープモードから前記通常モードに移行することが好ましい。
この発明において、前記生存確認要求は、前記ビーコン信号のビーコンペイロードに格納されることが好ましい。
この発明において、前記生存確認要求および前記確認周期情報は、前記ビーコン信号のビーコンペイロードに格納されることが好ましい。
以上説明したように、本発明では、生存確認を行う場合、電池動作する子ノードがスリープモードで動作する期間が長く、電池寿命を長くすることができるという効果がある。
(a)は実施形態の無線通信システムの全体構成を示す構成図であり、(b)は、生存確認に用いるスーパーフレームを示すフォーマット図である。
(a)は実施形態の親ノードの構成を示すブロック図であり、(b)は実施形態の子ノードの構成を示すブロック図である。
(a)は実施形態のビーコンフレームを示すフォーマット図であり、(b)は従来のビーコンフレームを示すフォーマット図である。
実施形態の親ノード−子ノード間における生存確認処理のデータ伝送モデルを示すシーケンス図である。
(a)は従来のスーパーフレームを示すフォーマット図であり、(b)(c)は電池の消費電流を示す波形図である。
従来の子ノードから親ノードへのデータ伝送モデルを示すシーケンス図である。
従来の親ノードから子ノードへのデータ伝送モデルを示すシーケンス図である。
従来の無線通信システムの全体構成を示す構成図である。
(a)は従来の親ノードの構成を示すブロック図であり、(b)は従来の子ノードの構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
図1(a)は、本実施形態の無線通信システムの構成を示し、親ノード1Aと、複数の子ノード2Aとで構成される。なお、本実施形態では、火災警報システムを例示し、1台の親ノード1Aが監視装置を構成し、複数台の子ノード2Aが火災感知器を構成している。
親ノード1Aは、図2(a)に示すように、電源部11と、制御部12と、無線送受信部13と、表示操作部14と、アンテナ15とを備える。電源部11は、商用電源を駆動電源に変換する機能を有し、親ノード1Aの各部に駆動電源を供給する。制御部12は、親ノード1Aの各部の動作を監視制御するとともに、子ノード2Aとの間で授受される各信号の作成、解析を行う。無線送受信部13は、アンテナ15を介して、無線信号を送受信する変復調機能を有する。表示操作部14は、タッチパネル機能を有する液晶画面、および火災の発生を報知する警報音を鳴動するスピーカ装置等で構成され、各種操作を行うとともに、火災の発生状況を表示、音声報知する。
子ノード2Aは、図2(b)に示すように、電池部21と、制御部22と、無線送受信部23と、火災感知部24と、音声出力部25と、電源スイッチ26と、アンテナ27とを備える。電池部21は、子ノード2Aの各部に駆動電源を供給する。制御部22は、子ノード2Aの各部の動作を監視制御するとともに、親ノード1Aとの間で授受される各信号の作成、解析を行う。無線送受信部23は、アンテナ27を介して、無線信号を送受信する変復調機能を有する。火災感知部24は、熱および煙の少なくとも一方を検出することによって、火災の発生を検知する。音声出力部25は、火災の発生を報知する警報音を鳴動する機能を有する。電源スイッチ26は、電池部21から無線送受信部23への電源供給を導通・遮断する。
そして、子ノード2Aでは、火災感知部24が火災を検知した場合、音声出力部25が警報音を鳴動させるとともに、無線送受信部23が、火災発生を通知する火災発生信号を親ノード1Aへ送信する。火災発生信号を受信した親ノード1Aでは、表示操作部14が火災の発生状況を表示、音声報知するとともに、無線送受信部13が、火災を検知していない他の子ノード2Aへ警報信号を送信する。そして、親ノード1Aから警報信号を受信した他の子ノード2Aも、音声出力部25が警報音を鳴動させることによって、複数の子ノード2Aが一斉に警報音を鳴動させるので、火災の発生を迅速且つ確実に報知することができる。
ここで、子ノード2Aは、電池部21による電池駆動であり、電池寿命を長くするために、火災感知部24が火災を検知していない間は、電源スイッチ26をオフにして、電池部21から無線送受信部23への電源供給を遮断しておく。すなわち、火災を検知していない間は、所謂スリープモードに移行して、省電力動作を行う。そして、火災感知部24が火災を検知した場合、電源スイッチ26がオンして、電池部21から無線送受信部23への電源供給路を導通させ、子ノード2Aは、スリープモードから通常モードに移行する。電池部21から駆動電源を供給された無線送受信部23は、制御部22からの指示によって、火災発生信号を送信する。
そして、子ノード2Aから親ノード1Aへの火災発生信号の送信は、従来と同様に、IEEE802.15.4規格にしたがった図6のデータ伝送モデルにしたがって行われる。また、親ノード1Aから子ノード2Aへの警報信号の送信も、従来と同様に、IEEE802.15.4規格にしたがった図7のデータ伝送モデルにしたがって行われる。
さらに、親ノード−子ノード間における上記火災発生信号、上記警報信号の送受信は、従来と同様に、IEEE802.15.4規格にしたがった図5(a)のスーパーフレームSF1を用いている。なお、スーパーフレームSF1が、本発明の第1の送信フレームに相当する。
本実施形態において、ビーコン信号スロットTS0内で親ノード1Aから子ノード2Aへ送信されるビーコンフレーム(本発明のビーコン信号に相当する)は、図3(a)に示す構造を有する。スーパーフレームSF1のビーコン信号スロットTS0においても、図3(a)のビーコンフレームが用いられる。このビーコンフレームは、従来と同様に(図3(b)参照)、フレームコントロール領域31、シーケンス領域32、アドレス領域33、MAC層データペイロード領域34、チェックサム領域35の各フィールドからなる。さらに、MAC層データペイロード領域34も、従来と同様に、スーパーフレーム領域341、GTS領域342、ペンディング領域343、ビーコンペイロード領域344で構成されている。
そして、子ノード2Aは、従来と同様に、受信したビーコンフレームのスーパーフレーム領域341に格納されているビーコンオーダNを上記(1)式に適用することで、ビーコン周期L1を求めて、ビーコンフレームの送信タイミングを把握できる。そして、子ノード2Aは、ビーコン周期L1毎にスリープモードから通常モードに移行する。この通常モード時において子ノード2Aは、例えば、ビーコンフレーム内に記述されているペンディング情報を解読する。子ノード2Aは、親ノード1Aに自己宛の蓄積データ(例えば、警報信号)がある場合、親ノード1Aに対してデータ送信要求を送信し、親ノード1Aから蓄積データ(例えば、警報信号)を取得する。
さらに、親ノード1Aは、一定時間毎(例えば24時間毎)に、子ノード2Aへ生存確認要求を送信する。子ノード2Aは、生存確認要求の送信周期毎に、電源スイッチ26がオンして、電池部21から無線送受信部23への電源供給路を導通させ、スリープモードから通常モードに移行する。そして、子ノード2Aは、生存確認要求に対してACK信号を返信した後、再びスリープモードに移行する。
以下、この親ノード1A−子ノード2A間で行われる生存確認処理について説明する。
まず、親ノード1A−子ノード2A間における生存確認処理は、図1(b)に示すスーパーフレームSF2を用いている。なお、スーパーフレームSF2が、本発明の第2の送信フレームに相当する。
スーパーフレームSF2は、16個のタイムスロットで構成された仮想的な通信時間割りであり、ネットワーク上の各ノードは、任意の時間ではなく、所定のタイミングにのみ送受信可能となる。16個のタイムスロットは、親ノード1Aから子ノード2Aへの下り方向のスロット数「1」のビーコン信号スロットTS0と、スロット数「0〜15」の保証タイムスロットTSb(GTS:Guaranteed Time Slot)とで構成される。図1(b)では、保証タイムスロットTSbを1スロット〜6スロットで構成している。
また、ビーコン信号スロットTS0、保証タイムスロットTSbの各タイムスロットからなるスーパーフレーム期間L2が終了してから、次のスーパーフレームSF1,SF2のビーコン信号スロットTS0が開始されるまでは不活性期間Tcとなる。
ビーコン信号スロットTS0は、スーパーフレームSF2の先頭のスロットであり、ビーコンフレームが親ノード1Aから子ノード2Aへ送信され、親ノード1A−子ノード2A間の通信同期に用いられる。
保証タイムスロットTSbは、コーディネータである親ノード1Aから許可を得た子ノード2Aのみが使用できるタイムスロットであり、CFP(Contention Free Period)である非競合アクセス期間Tb内で利用できる。保証タイムスロットTSbは、コーディネータから許可を得たノードのみが使用できるので、信号の衝突を避けることができ、QoS(Quality of Service)を確保したデータ伝送が可能になる。
そして、スーパーフレームSF2のビーコン信号スロットTS0においても、スーパーフレームSF1と同様に、図3(a)に示すビーコンフレームが用いられる。スーパーフレームSF2のビーコン信号スロットTS0内で親ノード1Aから子ノード2Aへ送信されるビーコンフレームは、ビーコンペイロード領域344に、生存確認領域344aと、ビーコン周期領域344bとを設けている。すなわち、IEEE802.15.4規格では、使い方を特に規定していないビーコンペイロード領域344を利用している。
親ノード1Aの制御部12は、生存確認を行う場合、生存確認領域344aに「1」を格納して、生存確認専用のスーパーフレームSF2を用いる。また、親ノード1Aの制御部12は、生存確認を行わない場合、生存確認領域344aに「0」を格納し、スーパーフレームSF1を用いて、上記火災発生信号および警報信号等の送受信を行う。
ビーコン周期領域344bは、生存確認領域344aに「1」を格納したビーコンフレームの送信周期を設定する。すなわち、生存確認処理の実行周期を設定している。
なお、ビーコンペイロード領域344において、「1」を設定した生存確認領域344aが、本発明の生存確認要求に相当する。また、ビーコンペイロード領域344において、ビーコン周期領域344bが、本発明の確認周期情報に相当する。
そして、このようなスーパーフレームSF2を用いて、図4のデータ伝送モデルにしたがって、親ノード1A−子ノード2A間の生存確認処理が行われる。
まず、親ノード1Aは、生存確認領域344aに「1」を格納したビーコンフレームを、スーパーフレームSF2を用いて送信する(S1,S2)。このスーパーフレームSF2における保証タイムスロットTSbのスロット数は、生存確認を行う子ノード2A(生存確認要求の送信先となる子ノード2A)の台数と同数に設定される。したがって、スーパーフレームSF2のスーパーフレーム期間L2は、生存確認を行うために必要な最短期間に設定される。すなわち、スーパーフレームSF2の不活性期間Tcが長くなって、子ノード2Aが、生存確認のための通信に要する期間が短縮され、電池部24の消費電流量を低減させることが可能となる。
子ノード2Aは、このビーコンフレームを受信して、スーパーフレームSF2との同期をとり、さらにはスーパーフレームSF2の各タイムスロットの割り付け状況を把握した後に、保証タイムスロットTSbを利用して、ACK信号の返信を行う(S3)。なお、このステップS3で返信するACK信号が、本発明の受信確認信号に相当する。
具体的に、子ノード2Aは、受信したビーコンフレームの生存確認領域344aを参照して、生存確認領域344aに「1」が設定されていれば、生存確認要求であると認識する。次に、子ノード2Aは、受信したビーコンフレームのGTS領域342において定義されている保証タイムスロットTSbの情報を参照し、自己に割り付けられた保証タイムスロットTSbを用いて、ACK信号を返信する。親ノード1Aは、子ノード2AからACK信号を受信することによって、ネットワーク内における子ノード2Aの生存確認を行うことができる。なお、ビーコンフレームのGTS領域342が、本発明において、生存確認要求の送信先となる子ノードの各々に対する保証タイムスロットの割り付け状況を示す割付情報に相当する。
また、子ノード2Aは、ステップS3におけるACK信号の返信を完了した時点で、通常モードからスリープモードに移行することによって、スリープモードの期間を長くして、電池部24の消費電流量をより低減させることが可能となる。
また、子ノード2Aは、保証タイムスロットTSbを用いて、生存確認のACK信号を返信するので、他の子ノード2Aと競合することなく、親ノード1AへACK信号を返信できる。すなわち、生存確認要求を再送することなく、生存確認処理を短期間で完了させることができる。したがって、子ノード2Aは、電池部24の消費電流量をより低減させることが可能となる。
また、親ノード1A−子ノード2A間の生存確認処理に用いられる図4のデータ伝送モデルは、従来の生存確認処理に用いられる伝送モデル(図7参照)に比べて、ステップ数が少なく、簡略化されている。したがって、子ノード2Aは、生存確認のための通信に要する期間が短縮され、電池部24の消費電流量をより低減させることが可能となる。
さらに、子ノード2Aは、受信したビーコンフレームのビーコン周期領域344bを参照することによって、スーパーフレームSF2を用いた生存確認処理の実行周期を把握できる。したがって、生存確認処理の実行周期毎にスリープモードから通常モードに移行することが可能となる。
このように、本実施形態では、生存確認専用のスーパーフレームSF2(図1(b)参照)と、生存確認要求を含むビーコンフレーム(図3(a)参照)を用いて、生存確認処理を行う。而して上記のように、生存確認を行う場合に、生存確認のための通信に要する期間が短縮され、電池動作する子ノード2Aがスリープモードで動作する期間を長くし、電池寿命を長くすることができる無線通信システムを提供することができるのである。
1A 親ノード
2A 子ノード
SF2 スーパーフレーム(第2の送信フレーム)
TS0 ビーコン信号スロット
TSb 保証タイムスロット
Tb 非競合アクセス期間
Tc 不活性期間
L1 ビーコン周期
L2 スーパーフレーム期間