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JP5459148B2 - 虚像表示装置用の導光板及び虚像表示装置 - Google Patents
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JP5459148B2 - 虚像表示装置用の導光板及び虚像表示装置 - Google Patents

虚像表示装置用の導光板及び虚像表示装置 Download PDF

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本発明は、頭部に装着して使用するヘッドマウントディスプレイ等に用いられる導光板及びこれを組み込んだ虚像表示装置に関する。
近年、ヘッドマウントディスプレイのように虚像の形成及び観察を可能にする虚像表示装置として、導光板によって表示素子からの映像光を観察者の瞳に導くタイプのものが種々提案されている。このような虚像表示装置用の導光板として、全反射を利用して映像光を導くとともに、導光板の主面に対して所定角度をなして互いに平行に配置される複数の部分反射面にて映像光を反射させ導光板から取り出すことによって、映像光を観察者の網膜に到達させるものが知られている(特許文献1参照)。このような導光板の複数の部分反射面を形成する方法として、2つの断面櫛歯状の透明基板を準備し、透明基板のうちの一方の斜面にコーティングを施した後に、2つの透明基板の斜面を重ね合わせる方法等が考えられている(同上図33等参照)。また、同様の技術として、映像光を取り出すために、断面鋸歯状の部分に反射層を形成するものも知られている(特許文献2参照)。
特表2003−536102号公報 特開2004−157520号公報
上記のような複数の部分反射面を有する導光板において、部分反射面の平坦性を高く保つことは、品質の良い画像光の取り出しのために不可欠である。部分反射面を形成するための平坦な部分は、金属型を用いた射出成形等によって作製されるため、当該金属型やその元型の表面において平坦性を高くすることが重要となるが、表面の形状によっては加工上の平坦度を高めることが容易でなく、あえて平坦度を高めようとすると作製コストが非常に掛かる場合がある。特に、複数の部分反射面が断面鋸歯状等となるように配置される場合、型の製作時に加工用バイトに不安定な振動が発生して型面が劣化しやすくなり、転写時の離型性の低下によって型寿命が低下したり製造スループットが悪くなったりすることがある。
そこで、本発明は、型の高精度化や長寿命化並びに製造スループットの向上を図り、作製コストを低減できる虚像表示装置用の導光板及びこれを組み込んだ虚像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る導光板は、(a)画像光を内部に取り込む光入射部と、(b)対向して延びる第1及び第2の全反射面を有し、光入射部から取り込まれた画像光を第1及び第2の全反射面での全反射により導く導光部と、(c)第1の反射面と第1の反射面に対して所定角度をなす第2の反射面とをそれぞれ有するとともに所定の配列方向に配列される複数の反射ユニットを備え、複数の反射ユニットを構成する各反射ユニットにおいて、第1の反射面により導光部を経て入射する画像光を反射するとともに第2の反射面により第1の反射面で反射された画像光をさらに反射する光路の折り曲げによって、画像光を外部へ取出し可能にする画像取出部と、(d)画像取出部を経た画像光を外部に射出する光射出部と、を備える導光板であって、(e)各反射ユニットにおいて、第1の反射面と第2の反射面とが、光射出部側にそれぞれ傾いた状態で互いに対向し鋭角をなして配置され、光射出部に向かって広がるテーパー状の溝を形成している。ここで、第1の反射面と第2の反射面とが光射出部側にそれぞれ傾くとは、光射出部に対して垂直な面を基準面とし、この基準面から傾斜していることを言う。また、第1の反射面及び第2の反射面について、光射出部に向かって広がるテーパー状の溝を形成しているとは、第1の反射面と第2の反射面とが光射出面にそれぞれ対向するように傾斜する際に、両面の間隔が光射出部に近づくにつれて大きくなっているように傾いていることを言う。また、全反射とは、全ての光が内面で反射されて伝達される場合のみでなく、全反射条件が満たされる面上にミラーコートや、半透過のアルミ膜によるハーフミラー膜等を施して反射する場合等も含まれるものとする。
上記導光板において、画像取出部を構成する第1及び第2の反射面に対応する平坦部分は、所定の傾斜角度で光射出部側にそれぞれ傾いた形状となる。従って、成形時に光射出部の反対側即ち第1の全反射面側に露出する第1の反射面や第2の反射面の裏側は、いずれも露出側に向くように傾いたものとなる。言い換えると、第1の反射面や第2の反射面の裏側の面が、深さ方向即ち光射出側に広がっているテーパー状部分の面と同等のものとなっている。このため、当該平坦部分に相当する箇所の型部分の作製において、平坦度を高く保つことが比較的容易であり、また、例えば射出成形等によって型から成形された当該平坦部分を、容易に離型することができる。当該平坦部分を離型しやすくすることで、離型時における導光板の変形を抑制できるだけでなく、型の負担を抑制して型の長寿命化や導光板の製造スループットの向上を図ることができる。以上により、導光板の作製コストを低減できる。
本発明の具体的な側面では、画像取出部の第1の反射面が、導光部の第1の全反射面の法線方向と複数の反射ユニットの配列方向との双方に垂直な方向を回転の軸方向として第1の全反射面に垂直な面に対して所定の傾斜角度で光射出部側に傾いている。ここで、第1の反射面が光射出部側に傾いているとは、反射を行う表側の面が光射出部側に向いて傾いていること即ち、当該表側の面と光射出部を構成する面とのなす角が90度より小さくなっていることを言う。この場合、製造スループットにおける問題を比較的生じやすい第1の反射面の作製において、平坦度を高く保ちかつ対応する平坦部分を離型しやすいものにできる。
本発明の具体的な側面では、画像取出部の第2の反射面の光射出部側への傾きが、第1の反射面よりも大きい。この場合、上記平坦部分をより離型しやすくできる。
本発明のさらに別の側面では、第1の反射面の上記所定の傾斜角度が、複数の反射ユニットの配列方向についての位置に応じて変化している。この場合、位置に応じて傾斜角度を適宜定めることで、例えば、画像取出部に相当する箇所の離型性を高めることが可能となる。
本発明のさらに別の側面では、第1の反射面の上記所定の傾斜角度が、0.5°以上5°以下である。この場合、離型の容易性を確保し、かつ、画像取出部から射出される画像光の特性を良好に保つことができる。
本発明のさらに別の側面では、第1の反射面の上記所定の傾斜角度をα、第1の反射面に対して第2の反射面のなす上記所定角度をβ、光射出部から取り出された画像光の水平画角をθとして、次の関係
Figure 0005459148
を満たす。この場合、各反射ユニットにおいて第1の反射面で反射された光を確実に第2の反射面で反射させることができ、光の利用効率の低下を抑制できる。
本発明のさらに別の側面では、各反射ユニットに入射した画像光が、画像取出部を1回だけ通過して光路を折り曲げられることによって、虚像光として光射出部から射出される。この場合、画像取出部において、画像光のうち観察者にとって有効な成分である虚像光を他の反射ユニットの透過によって損失させることなく取り出すことができる。
本発明のさらに別の側面では、第2の反射面が、導光部の第1の全反射面に対して30°から40°までの角度をなす。この場合、第2の反射面を経て取り出される画像光の極端な輝度低下を抑えることができる。
本発明のさらに別の側面では、第1及び第2の反射面が、一部の光を透過可能な部分反射面である。この場合、観察者に外界像をシースルーで観察させる虚像表示装置に適用することができる。
上記課題を解決するため、本発明に係る虚像表示装置は、(a)上記いずれかに記載の導光板と、(b)導光板に導かれる画像光を形成する画像形成装置と、を備える。この場合、上記いずれかに記載の導光板を用いることで、虚像表示装置は、これを構成する導光板の製造スループットの向上や型の長寿命化を図り、作製コストを低減できる。
(A)は、実施形態に係る虚像表示装置を示す断面図であり、(B)及び(C)は、実施形態に係る導光板の正面図及び平面図である。 (A)は、画像取出部の構造及び画像取出部における画像光の光路について説明するための模式的な図であり、(B)は、画像取出部の奥側での反射の様子を示す図であり、(C)は、画像取出部の入口側での反射の様子を示す図である。 画像取出部の一部を拡大した図である。 (A)は、導光板の製造工程の一例のうち射出成形の工程を説明する概念図であり、(B)は、製造工程のうち保護層形成の工程を説明する概念図である。 (A)は、元型作成の切削加工の工程の様子を説明するための斜視図であり、(B)は、平面図であり、(C)は、比較例の図である。 切削加工により削り出された元型の鋸歯状の平坦面の具体的状態を示す図である。 第2実施形態に係る導光板について説明するための模式的な図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る虚像表示装置用の導光板及び導光板を組み込んだ虚像表示装置について説明する。
〔A.導光板及び虚像表示装置の構造〕
図1(A)に示す本実施形態に係る虚像表示装置100は、ヘッドマウントディスプレイに適用されるものであり、画像形成装置10と、導光板20とを一組として備える。なお、図1(A)は、図1(B)に示す導光板20のA−A断面と対応する。
虚像表示装置100は、観察者に虚像による画像光を認識させるとともに、観察者に外界像をシースルーで観察させるものである。画像形成装置10と導光板20とは、通常観察者の右眼および左眼に対応して一組ずつ設けられるが、右眼用と左眼用とでは左右対称であるので、ここでは左眼用のみを示し、右眼用については図示を省略している。なお、虚像表示装置100は、全体としては、例えば一般の眼鏡のような外観(不図示)を有するものとなっている。
画像形成装置10は、画像表示素子である液晶デバイス11と、光束形成用のコリメートレンズ12とを備える。液晶デバイス11は、光源(不図示)からの照明光を空間的に変調して、動画像等の表示対象となるべき画像光を形成する。コリメートレンズ12は、液晶デバイス11上の各点から射出された画像光を平行状態の光束にする。なお、コリメートレンズ12のレンズ材料は、ガラスやプラスチックのいずれとすることもできる。
図1(A)〜図1(C)に示すように、本実施形態に係る導光板20は、導光板本体部20aと、入射光折曲部21と、画像取出部23とを備える。導光板20は、画像形成装置10で形成された画像光を虚像光として観察者の眼EYに向けて射出し、画像として認識させるものである。
導光板20の全体的な外観は、図中YZ面に平行に延びる平板である導光板本体部20aによって形成されている。また、導光板20は、長手方向の一端において導光板本体部20aに埋め込まれた多数の微小ミラーによって構成される画像取出部23を有し、長手方向の他端において導光板本体部20aを拡張するように形成されたプリズム部PS及びこれに付随する入射光折曲部21を有する構造となっている。
導光板本体部20aは、光透過性の樹脂材料等により形成され、YZ面に平行で画像形成装置10に対向する表側の平面上に、画像形成装置10からの画像光を取り込む光入射部である光入射面ISと、画像光を観察者の眼EYに向けて射出させる光射出部である光射出面OSとを有している。導光板本体部20aは、そのプリズム部PSの側面として光入射面ISの他に矩形の斜面RSを有し、当該斜面RS上には、これを被覆するようにミラー層21aが形成されている。ここで、ミラー層21aは、斜面RSと協働することにより、光入射面ISに対して傾斜する入射光折曲部21として機能する。また、導光板本体部20aにおいて、光射出面OSの裏側の平面に沿って微細構造である画像取出部23が形成されている。
導光板本体部20aの光入射面ISに対向し傾斜して配置されるミラー層21aとしての入射光折曲部21は、導光板本体部20aの上記斜面RS上にアルミ蒸着等の成膜を施すことにより形成され、入射光を反射し光路を略直交方向に近い所定方向に折り曲げるための反射面として機能する。つまり、入射光折曲部21は、光入射面ISから入射し全体として+X方向に向かう画像光を、全体として−X方向に偏った+Z方向に向かわせるように折り曲げることで、画像光を導光板本体部20a内に確実に結合させる。
また、導光板本体部20aは、入口側の入射光折曲部21から奥側の画像取出部23にかけて、入射光折曲部21を介して内部に入射させた画像光を画像取出部23に導くための導光部22を有している。
導光部22は、平板状の導光板本体部20aの主面であり互いに対向しYZ面に対して平行に延びる2平面として、入射光折曲部21で折り曲げられた画像光をそれぞれ全反射させる第1の全反射面22aと第2の全反射面22bとを有している。ここでは、第1の全反射面22aが画像形成装置10から遠い裏側にあるものとし、第2の全反射面22bが画像形成装置10に近い表側にあるものとする。この場合、第2の全反射面22bは、光入射面IS及び光射出面OSと共通の面部分となっている。入射光折曲部21で反射された画像光は、まず、第2の全反射面22bに入射し、全反射される。次に、当該画像光は、第1の全反射面22aに入射し、全反射される。以下この動作が繰り返されることで、画像光は、導光板20の奥側即ち画像取出部23を設けた+Z側に導かれる。
導光板本体部20aの光射出面OSに対向して配置される画像取出部23は、導光部22の奥側(+Z側)において、第1の全反射面22aの延長平面に沿ってこの延長平面に近接して形成されている。画像取出部23は、導光部22の第1及び第2の全反射面22a,22bを経て入射してきた画像光を、所定角度で反射して光射出面OS側へ折り曲げる。ここでは、画像取出部23に最初に入射する画像光が虚像光としての取出し対象であるものとする。画像取出部23の詳しい構造については、図2(A)等により後述する。
なお、導光板本体部20aは、導光板20の外形のうち+Z側の端面を画成する側面として終端面ESを有する。また、導光板本体部20aは、±Y側の端面を画成する上面及び底面として上端面TPと下端面BPとをそれぞれ有している。
また、導光板本体部20aに用いる透明樹脂材料の屈折率nは、1.5以上の高屈折率材料であるものとする。導光板20に比較的屈折率の高い透明樹脂材料を用いることで、導光板20内部で画像光を導光させやすくなり、かつ、導光板20内部での画像光の画角を比較的小さくすることができる。
導光板20が以上のような構造を有する。これにより、画像形成装置10から射出され光入射面ISから導光板20に入射した画像光は、入射光折曲部21で一様に反射されて折り曲げられ、導光部22の第1及び第2の全反射面22a,22bにおいて繰り返し全反射されて光軸OAに略沿って一定の広がりを有する状態で進み、さらに、画像取出部23において適度な角度で折り曲げられることで取出し可能な状態となり、最終的に光射出面OSから射出される。光射出面OSから射出された画像光は、虚像光として観察者の眼EYに入射する。当該虚像光が観察者の網膜において結像することで、観察者は虚像による映像光等の画像光を認識することができる。
〔B.画像光の光路〕
以下、画像光の光路について詳しく説明する。図1(A)に示すように、液晶デバイス11の射出面11a上からそれぞれ射出される画像光のうち図中点線で示す射出面11aの中央部分から射出される成分を画像光GL1とし、図中一点鎖線で示す射出面11aの周辺のうち紙面左側(−Z側)から射出される成分を画像光GL2とし、図中二点鎖線で示す射出面11aの周辺のうち紙面右側(+Z側)から射出される成分を画像光GL3とする。
コリメートレンズ12を経た各画像光GL1,GL2,GL3の主要成分は、導光板20の光入射面ISからそれぞれ入射した後、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいて互いに異なる角度で全反射を繰り返す。具体的には、画像光GL1,GL2,GL3のうち、液晶デバイス11の射出面11aの中央部分から射出された画像光GL1は、平行光束として入射光折曲部21で反射された後、標準反射角γで導光部22の第2の全反射面22bに入射し、全反射される。その後、画像光GL1は、標準反射角γを保った状態で、第1及び第2の全反射面22a,22bで全反射を繰り返す。画像光GL1は、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいてN回(Nは自然数)全反射され、画像取出部23の中央部23kに入射する。画像光GL1は、この中央部23kにおいて所定の角度で反射され、光射出面OSから光射出面OSを含むYZ面に対して垂直な光軸AX方向に平行光束として射出される。液晶デバイス11の射出面11aの一端側(−Z側)から射出された画像光GL2は、平行光束として入射光折曲部21で反射された後、最大反射角γで導光部22の第2の全反射面22bに入射し、全反射される。画像光GL2は、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいてN−M回(Mは自然数)全反射され、画像取出部23のうち最も奥側(+Z側)の周辺部23mにおいて所定の角度で反射され、光射出面OSから所定の角度方向に向けて平行光束として射出される。この際の射出角は、入射光折曲部21側に戻されるようなものになっており、+Z軸に対して鈍角となる。液晶デバイス11の射出面11aの他端側(+Z側)から射出された画像光GL3は、平行光束として入射光折曲部21で反射された後、最小反射角γで導光部22の第2の全反射面22bに入射し、全反射される。画像光GL3は、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいてN+M回全反射され、画像取出部23のうち最も入口側(−Z側)の周辺部23hにおいて所定の角度で反射され、光射出面OSから所定の角度方向に向けて平行光束として射出される。この際の射出角は、入射光折曲部21側から離れるようなものになっており、+Z軸に対して鋭角となる。なお、第1及び第2の全反射面22a,22bでの全反射による光の反射効率は非常に高いものであるため、上記のように画像光GL1,GL2,GL3間で反射回数が異なっていても、これによって輝度ムラが生じることは殆どなく、視認上画像ムラ等の影響を感じることはない。また、画像光GL1,GL2,GL3は、画像光の光束全体の一部を代表して説明したものであるが、他の画像光を構成する光束成分についても画像光GL1等と同様に導かれ光射出面OSから射出されるため、これらについては図示及び説明を省略している。なお、画像光GL2,GL3は、光射出面OSを通過する際に、多少屈折作用を受ける。
ここで、入射光折曲部21及び導光部22に用いられる透明樹脂材料の屈折率nの値の一例として、n=1.5とすると、その臨界角γの値はγ≒41.8°となり、n=1.6とすると、その臨界角γの値はγ≒38.7°となる。各画像光GL1,GL2,GL3の反射角γ,γ,γのうち最小である反射角γを臨界角γよりも大きな値とすることで、必要な画像光について導光部22内における全反射条件を満たすものにできる。
〔C.画像取出部の構造及び画像取出部による光路の折曲げ〕
以下、図2(A)等により、画像取出部23の構造及び画像取出部23による画像光の光路の折曲げについて詳細に説明する。
まず、画像取出部23の構造について説明する。画像取出部23は、ストライプ状に配列された多数の線状の反射ユニット23cで構成される。つまり、図2(A)〜図2(C)に示すように、画像取出部23は、Y方向に延びる細長い反射ユニット23cを所定のピッチPTで導光部22の延びる方向即ちZ方向に多数配列させることで構成されている。各反射ユニット23cは、奥側即ち光路下流側に配置される第1の反射面23aと、入口側即ち光路上流側に配置される第2の反射面23bとを有する。少なくとも第2の反射面23bは、一部の光を透過可能な部分反射面であり、観察者に外界像をシースルーで観察させることを可能にしている。また、各反射ユニット23cは、隣接する第1及び第2の反射面23a,23bにより、XZ断面視においてV字又は楔状となっている。より具体的には、第1及び第2の反射面23a,23bは、図1(A)等に示す第1の全反射面22aに平行で反射ユニット23cの配列される配列方向であるZ方向に対して垂直に延びる方向即ちY方向を長手方向として、線状に延びている。さらに、例えば図3に一部拡大して示すように、第1及び第2の反射面23a,23bは、当該長手方向即ちY方向を軸として、第1の全反射面22a又はこれに垂直な反射面23a,23bの角度決定の基準となる基準面CSに対してそれぞれ異なる角度(即ちYZ面に対してそれぞれ異なる角度)で傾斜している。結果的に、多数の第1の反射面23aは、周期的に繰り返して配列され互いに平行に延び、多数の第2の反射面23bも、周期的に繰り返して配列され互いに平行に延びている。
以下、第1の反射面23a及び第2の反射面23bの傾斜について詳しく説明する。まず、第1の反射面23aは、第1の全反射面22aの法線NLの方向(X方向)と各反射ユニット23cの配列方向(Z方向)との双方に垂直な方向であるY方向を回転の軸方向として、第1の全反射面22aに対して垂直な基準面CSに平行な状態から傾斜角度α(α>0)だけ光射出面OS側に傾いている。言い換えると、第1の反射面23aは、反射ユニット23cによって形成されるV字状の溝の延びる方向(Y方向)を回転の軸方向とし、Z方向を基準として反時計回りを正の方向として、第1の全反射面22aに対して垂直な状態から傾斜角度αだけ傾いた状態となっている。ここで、傾斜角度αの値は、0.5°以上5°以下に設定されている。また、第2の反射面23bは、対応する第1の反射面23aに対して所定角度(相対角度)β(β>0)をなす方向に延びている。別の見方をすると、第2の反射面23bは、Y方向を回転の軸方向として、基準面CSに平行な状態から負の方向に角度β−αだけ光射出面OS側に傾いている。以上のように、各反射ユニット23cにおいて、第1の反射面23aと第2の反射面23bとは、光射出面OS側にそれぞれ傾いており、互いに対向し鋭角をなして配置され、光射出面OSに向かう方向即ち−X方向について広がっていくテーパー状の溝を形成している。この場合、第2の反射面23bは、第1の反射面23aに対して、相対角度β=50°〜60°の範囲で配置されている。ここでは具体例として、例えばβ=54.7°となっているものとする。また、基準面CSに対する第1及び第2の反射面23a,23bの傾斜については、第2の反射面23bのほうが第1の反射面23aよりも大きくなっている。
以下、画像取出部23による画像光の光路の折曲げについて詳しく説明する。ここでは、画像光のうち、画像取出部23の両端側に入射する画像光GL2及び画像光GL3について示し、他の光路については、これらと同様であるので図示等を省略する。
まず、図2(A)及び2(B)に示すように、画像光のうち全反射角度の最も大きい反射角γで導かれた画像光GL2は、画像取出部23のうち光入射面IS(図1(A)参照)から最も遠い+Z側の周辺部23mに配置された1つの反射ユニット23cに入射する。当該反射ユニット23cにおいて、画像光GL2は、最初に奥側即ち+Z側の第1の反射面23aで反射され、次に、入口側即ち−Z側の第2の反射面23bで反射される。当該反射ユニット23cを経た画像光GL2は、他の反射ユニット23cを経ることなく、図1(A)等に示す光射出面OSから射出される。つまり、画像光GL2は、画像取出部23での1回だけの通過で所望の角度に折り曲げられ観察者側に取り出される。
また、図2(A)及び2(C)に示すように、全反射角度の最も小さい反射角γで導かれた画像光GL3は、画像取出部23のうち光入射面IS(図1(A)参照)に最も近い−Z側の周辺部23hに配置された1つの反射ユニット23cに入射する。当該反射ユニット23cにおいて、画像光GL3は、画像光GL2の場合と同様に、最初に奥側即ち+Z側の第1の反射面23aで反射され、次に、入口側即ち−Z側の第2の反射面23bで反射される。当該反射ユニット23cを経た画像光GL3は、他の反射ユニット23cを経ることなく、画像取出部23での1回だけの通過で所望の角度に折り曲げられ観察者側に取り出される。
ここで、上記のような第1及び第2の反射面23a,23bでの2段階での反射の場合、図2に示すように、各画像光の入射時の方向と射出時の方向とのなす角である折り曲げ角ψは、いずれもψ=2(R−β)(R:直角)となる。つまり、折り曲げ角ψは、画像取出部23に対する入射角度即ち各画像光の全反射角度である反射角γ,γ,γ等の値によらず一定である。これにより、上記のように、画像光のうち全反射角度の比較的大きい成分を画像取出部23のうち+Z側の周辺部23m側に入射させ、全反射角度の比較的小さい成分を画像取出部23のうち−Z側の周辺部23h側に入射させた場合にも、画像光を全体として観察者の眼EYに集めるような角度状態で効率的に取り出すことが可能となる。このような角度関係で画像光を取出す構成であるため、導光板20は、画像光を画像取出部23において複数回通過させず、1回だけ通過させることができ、画像光を少ない損失で虚像光として取り出すことを可能にする。
以下、図3を用いて、ある反射角γ(γ≦γ≦γ)で画像取出部23の第1の反射面23aに入射する入射光である反射面入射光PL1が画像取出部23が光射出面OSから取り出されるための条件について説明する。任意の反射ユニット23cにおいて、反射面入射光PL1が第1の反射面23aで反射され、対応する第2の反射面23bで折り返されるためには、傾斜角度αの値がある上限を超えないことが必要である。つまり、傾斜角度αの値が大きすぎると、反射面入射光PL1の第1の反射面23aでの反射光である反射面反射光PL2は、第2の反射面23bに向かわず導光部22側に戻されるので、光射出面OSから射出されずにロスしてしまう。このようにならないための一例としては、反射面反射光PL2の光路と第1の全反射面22aの法線NLとが、第1の全反射面22a側で90°(R)未満の角度をなせばよい。具体的には、図示のように、ある反射角γで第1の反射面23a上に向かう反射面入射光PL1において、第1の反射面23aでの入射角λは、第1の反射面23aの傾きから、λ=R−γ−αとなる。また、その反射角λ'の値は、λに等しく、λ'=λ=R−γ−αとなる。以上から、反射面反射光PL2の光路と第1の全反射面22aの法線NLとの角度を角度φとすると、
φ=2R−γ−λ−λ'
=2R−γ−2(R−γ−α)<R …(1)
つまり、
α<(R−γ)/2 …(1)'
を満たしていればよいことが分かる。一方、反射角γについては、上述のψ=2(R−β)や導光板中の屈折角θ'等を用いて、
γ=ψ+θ'=2(R−β)+θ' …(2)
と表される。さらに、導光板中の屈折角θ'と映像光の水平画角θとは、導光板の屈折率nを用いて、
Figure 0005459148
と表される。よって、以上の条件式(2),(3)を用いて(1)'は、
Figure 0005459148
と表される。この条件を画像取出部23に入射する全ての光に対して満たすように傾斜角度αを設定することで、画像取出部23における光利用効率の低下を回避できる。ここでは、一例として、β=54.7°、θ=15°、n=1.6であるとすると、式(1)"の右辺の値は、約5.05°となり、傾斜角度αの値を5°以下とすることで、条件を満たすものとなる。
なお、導光部22の形状や屈折率、画像取出部23を構成する反射ユニット23cの形状等の光学的な設計において、画像光GL2,GL3等が導かれる角度等を適宜調整することで、図2(A)に示すように、光射出面OSから射出される画像光を、基本の画像光GL1即ち光軸AXを中心として、全体として対称性が保たれた状態の虚像光として観察者の眼EYに入射させることができる。つまり、一端の画像光GL2のX方向又は光軸AXに対する角度δと、他端の画像光GL3のX方向又は光軸AXに対する角度δとは、大きさが略等しく逆向きとなっている。なお、画像光GL2,GL3の角度δ,δは、光射出面OS又は第2の全反射面22bに対して比較的垂直に近いものとなっており、光射出面OSを十分な透過率で通過する。
また、既に説明したように、一群の反射ユニット23cを構成する第1の反射面23a又は第2の反射面23bは、ピッチPT及び相対角度βが一定になっている。これにより、観察者の眼EYに入射する虚像光である画像光を一様なものとでき、観察される画像の品質の低下を抑えることができる。
また、画像取出部23を構成する各反射ユニット23cの間隔であるピッチPTの具体的な数値範囲は、0.5mm以上、より好ましくは0.5mm〜1.3mmとする。この範囲にあることにより、取り出されるべき画像光が、画像取出部23において回折による影響を受けることなく、かつ、反射ユニット23cによる格子縞が観察者にとって目立つものとならないようにすることができる。
〔D.導光板の製造方法〕
以下、まず図4(A)等を参照して、本実施形態に係る導光板の製造方法の一例について説明する。なお、図4(A)等において、簡略化のため、一部を省略している。
図4(A)に示すように、本実施形態に係る導光板の製造方法では、まず、例えば画像取出部23の鋸歯状部DTや導光板本体部20aの導光部22(図1(A)等参照)等となるべき母材部分を、透光性樹脂部材Paとして一体的に形成する。このため、まず透光性樹脂部材Paを射出成形により一体的に形成するための1組の金属型である第1及び第2金属型MP1,MP2を準備する(型準備工程)。
ここで、一組の金属型MP1,MP2のうち、金属型MP1は、転写面の一部として、画像取出部23の第1及び第2の反射面23a,23bを形成するための鋸歯状の型表面SSを有している。従って、この型表面SSは、第1及び第2の反射面23a,23bの形状に対応する鋸歯状となっている。
一対の射出成形型である金属型MP1,MP2が適度に加熱されるとともに型合わされ型締めされる(型空間形成工程)。その後、一対の金属型MP1,MP2間に形成された型空間内に透光性樹脂部材Paとなるべき樹脂材料が所定の温度で軟化された状態で注入され、注入された透光性樹脂が加圧され型表面SSを含む表面全体が転写される(射出工程)。その後の冷却及び離型により、一対の金属型MP1,MP2間から硬化した透光性樹脂部材Paが取り出される(離型工程)。この際、型表面SSによるV溝の両側面が外側に広がった形状であることで、転写された部分は、容易に離型される。以上の工程により、成形された透光性樹脂部材Pa上には、金属型MP1の型表面SSによって多数の第1及び第2の反射面23a,23bにそれぞれ対応する平坦部分である多数の第1及び第2の平坦面FSa,FSbで構成される鋸歯状部DTが形成される(溝形成工程)。つまり、各平坦面FSa,FSbは、第1及び第2の反射面23a,23bを形成すべく画像取出部23の一部を構成する平坦面である。なお、各平坦面FSa,FSbは、対応する反射面23a,23bでの反射において拡散しない程度の平坦度が必要となる。
次に、図4(B)に示すように、鋸歯状部DT上に、第1及び第2の反射面23a,23bを形成するための反射部である反射膜MBを、アルミ蒸着により成膜し(成膜工程)、さらに、紫外線により硬化する透光性樹脂である紫外線硬化性樹脂Qaを反射膜MBの上方から塗布し(樹脂塗布工程)、塗布された紫外線硬化性樹脂Qaを所定の圧力で反射膜MB表面に隙間なく密着するように押し付けた後、紫外線を照射して硬化させる(樹脂硬化工程)。これにより、反射膜MBの保護層が形成され(保護層形成工程)、導光板20が作製される。なお、上記成膜工程において、蒸着の方法としては例えば斜方蒸着等を用いることができる。また、紫外線硬化性樹脂Qaは、透光性樹脂部材Paと略同一の屈折率を有する樹脂である。
本実施形態では、既述のように、鋸歯状部DTを構成する平坦面FSa,FSbのうち、平坦面FSaが、第1の反射面23aに対応して垂直とならず光射出面OS側に傾斜角度αだけ傾いており、平坦面FSbも第2の反射面23bに対応して光射出面OS側に角度β−αだけ傾いている(図2(B)等参照)。従って、型表面SSでの型抜きにおいて、第1及び第2の反射面23a,23bの裏側に相当する平坦面FSa,FSbは、深さ方向即ち光射出側に広がっているテーパー状部分の面と同等のものとなっている。言い換えると、第1及び第2の反射面23a,23bは、第2の全反射面23b側即ち光射出面OS側にそれぞれ傾いている結果、形成される溝は、第1の反射面23aと第2の反射面23bとが交差する頂点から−X方向に対して開いた形状となっている。これにより、上記導光板20作製のための各工程のうち離型工程において、型抜きの際の摩擦が減り離型性がよくなり鋸歯状部DTの部分が容易に外れる結果、透光性樹脂部材Pa全体としても金属型MP1から離型しやすくなっている。従って、画像取出部23の部分の作製において、製造スループットが向上し、また、金属型MP1の離型時の負担が少なくなって寿命が延びる。なお、ここでは、傾斜角度α(図2(B)等参照)の値を0.5°以上とすることで、抜きテーパーとしての機能を持つための条件を満たすものとしている。
なお、射出成形される透光性樹脂部材Paは、鋸歯状部DTを含んでいれば、図1(A)の導光板本体部20a全体を含むものでなく、そのうちの一部を構成するものであってもよい。例えば、導光板本体部20aのうち入射光折曲部21を形成するためのプリズム部PSについては、別途三角プリズムを作製した後、接着等によって透光性樹脂部材Paに取り付けるものとしてもよい。
また、上記のうち成膜工程において、アルミ蒸着は、斜方蒸着以外の方法であってもよく、例えば平坦面FSaと平坦面FSbとを片面ずつ蒸着してもよい。
以上の説明では、透光性樹脂部材Paが熱可塑性樹脂であることを前提としているが、透光性樹脂部材Paを熱硬化性樹脂や光硬化樹脂で形成することもできる。
〔E.元型の製造方法〕
以下、図5(A)等を参照して、本実施形態に係る導光板の製造のための元型の製造方法の一例について説明する。ここでは、図4の金属型MP1のうち特徴的形状を有する反射面23a,23bを形成するための鋸歯状の型表面SSに対応する型表面SSaの作製について説明する。
図5(A)に示す型表面SSaは、設置台(不図示)のxy面に平行で型表面SSaの形成される位置を決定するための基準となる基準面CC上に固定された直方体状の基材BBの表面FFをダイヤモンドバイトDBによって切削することで形成される。型表面SSaのうち、図4(B)の第1の反射面23aに対応する即ち図4(A)の第1の平坦面FSaに対応する第1の平坦面S1は、ダイヤモンドバイトDBの第1切削面D1によって削り出される。また、型表面SSaのうち、図4(B)の第2の反射面23bに対応する即ち図4(A)の第2の平坦面FSbに対応する第2の平坦面S2は、ダイヤモンドバイトDBの第2切削面D2によって削り出される。つまり、各平坦面S1,S2は、第1及び第2の平坦面FSa,FSbを転写により形成させるために型表面SSaを構成する平坦面である。ダイヤモンドバイトDBの第1切削面D1と第2切削面D2とは、第1の反射面23aと第2の反射面23bとのなす角度β(図2(A)等参照)に対応して、例えば54.7°の角度βをなしている。設置台上に固定された基材BB上において、図示のようにダイヤモンドバイトDBを矢印AWに示す一定の方向(図中y方向)に複数回走査させることで、鋸歯状部DTaが形成される。ここで、図5(B)に示すように、第1の反射面23aに対応する第1切削面D1は、基準面CCの法線方向(図中z方向)に対して平行ではなく、傾斜角度αの分だけ傾いている。これにより、第1切削面D1は、矢印A1に示す斜めの方向に応力成分をかけながら第1の平坦面S1を形成する。同様に、第2切削面D2は、矢印A2に示す斜めの方向に圧力成分が適度にかけられた状態が保たれる。切削時に加工材料に対して適度な圧力がかかることによって、材料中の応力によってダイヤモンドバイトDBの基材BBに対する加工中の引っ掛かりが生じてトビが発生することを抑制することができる。また、ダイヤモンドバイトDBが、基材BBと設置台(不図示)の固定部分で生じる応力に負けて引っ掛かりが生じることも抑制することができる。
これに対して、図5(C)に比較例として示すように、第1切削面D1が基準面CCに対して垂直になっている場合、ダイヤモンドバイトDBによる切削の際に、第2切削面D2によって第2の平坦面S2に矢印A2の方向に掛かる圧力は十分であっても、第1切削面D1によって第1の平坦面S1に矢印A1の方向に掛かる圧力が小さく十分でないものとなる可能性がある。この場合、第1の平坦面S1にかかる圧力が基材BB中で生じる応力や基材BBと設置台(不図示)の固定部で生じる応力に負けることで、加工中に引っ掛かりや不安定な振動等が発生し、トビやビビリによる凹凸を第1の平坦面S1上に形成させ、型面として平坦性の劣るものにしてしまう可能性がある。
上記のように、元型の製造において型表面SSaでの凹凸の発生を抑制して型面の劣化を回避し、平坦性の高い平坦面S1,S2面を比較的容易に削り出すことができる。このような元型から作製される金属型MP1は、型表面SSでの平坦性が高いものとなる。なお、図6に示すような面が上記のような切削加工により削り出される。
以上のように、本実施形態の導光板20は、画像取出部23の第1の反射面23aが傾斜角度αを有していることにより、まず、第1の反射面23aに対応する部分を形成するための元型の製造に際して、平坦性の高い平坦面を比較的容易に切り出すことができる。このため、導光板20の作製において、画像取出部23を反射特性の高いものとすることができる。また、導光板20の製造工程において、画像取出部23の部分について離型性を高めることができるので、導光板20の製造スループットが向上する。また、離型性を高めることで導光板20の変形を抑制できるとともに型の負担を低減できるので、型の長寿命化を図ることができる。また、以上の結果として導光板20の作製コストを下げることが可能となる。なお、傾斜角度αの値は、上記のように、例えば0.5°以上5°以下とすることで、スループットの向上を保ちつつ、画像取出部23の機能を損ねることのないものとすることができる。
〔F.第2実施形態〕
以下、図7(A)等により、第1実施形態を変形した第2実施形態について説明する。本実施形態に係る導光板は、画像取出部の構造を除いて図2等の導光板20と同様の構造を有するため、図7(A)においては、画像取出部及びその周辺のみを図示し、導光板及び虚像表示装置全体の構造については図示及び説明を省略する。なお、図7(A)〜7(C)に示す第2実施形態において、図2等の導光板20と同符号のものについては、特に説明をしない限り、第1実施形態で説明したものと同等のものを示す。
図7(A)に示す第2実施形態の導光板120は、ストライプ状に配列された多数の線状の反射ユニット123cで構成される。つまり、画像取出部123は、Y方向に延びる細長い反射ユニット123cを有し、反射ユニット123cは、所定のピッチPTでZ方向に多数配列される第1の反射面123aと第2の反射面123bとを有する。ここで、画像取出部123において、各第1の反射面123aの傾斜角度が、複数の反射ユニット123cの配列方向即ちZ方向についての位置に応じて変化している。具体的には、図7(B)及び7(C)に示すように、光路下流側即ち+Z側に位置する第1の反射面123aの傾斜角度αは、光路上流側即ち−Z側に位置する第1の反射面123aの傾斜角度αよりも小さくなっている。これは、傾斜角度αに対応する光路上流側即ち−Z側の反射面123aに入射する光の反射角γの角度が、傾斜角度αに対応する光路下流側即ち+Z側の反射面123aに入射する光の反射角γの角度よりも小さいためである。より具体的に数式を用いて説明すると、一般に傾斜角度αに対する第1の反射面123aで反射された光が第2の反射面123bで反射するための条件は、既述のように、
α<(R−γ)/2 …(1)'
である。従って、傾斜角度αについての条件は、
α<(R−γ)/2 …(4)
となり、この際の反射角γが比較的小さい値である。よって、角度αの値を角度αの値に比べある程度大きなものとしても(4)の条件は満たされる。傾斜角度を変化させることにより、種々の設計に応じて最適な傾斜角度を定めることができる。例えば、+Z側の第1の反射面123a側に対応する型ほど型抜きの際の摩擦を減らすことで、作製時において、画像取出部123全体としての離型性をより高められる。
以上のように、第2実施形態では、+Z側位置に応じて傾斜角度を変化させることで、例えば導光板の製造スループットの向上や型の長寿命を図り、作製コストを低減できる。
〔その他〕
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
まず、画像取出部23を構成する反射ユニット23cの配列のピッチPTについては、各第1の反射面23a間において全て同一となっている場合に限らず、各ピッチPTにある程度の差異がある場合も含むものとする。
また、上記の説明では、画像表示素子として、透過型の液晶デバイス11を用いているが、画像表示素子としては、透過型の液晶デバイスに限らず種々のものを利用可能である。例えば、反射型の液晶パネルを用いた構成も可能であり、液晶デバイス11に代えてデジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。また、LEDアレイやOLED(有機EL)などに代表される自発光型素子用いた構成も可能である。さらに、レーザー光源とポリゴンミラーその他のスキャナーとを組みあわせたレーザスキャナーを用いた構成も可能である。
上記の説明では、虚像表示装置100は、右眼及び左眼の双方に対応して、一組ずつ画像形成装置10及び導光板20に設ける構成としているが、右眼又は左眼のいずれか一方に対してのみ画像形成装置10と導光板20とを設け画像を片眼視する構成にしてもよい。
上記の説明では、シースルー型の虚像表示装置について説明しているが、画像取出部23は、シースルー型以外の虚像表示装置についても適用可能である。なお、外界像を観察させる必要がない場合、第1及び第2の反射面23a,23b双方の光反射率を略100%とすることが可能である。
上記の説明では、光入射面ISと光射出面OSとを同一の平面上に配置しているが、これに限らず、例えば、光入射面ISを第1の全反射面22aと同一の平面上に配置し、光射出面OSを第2の全反射面22bと同一の平面上に配置する構成とすることもできる。
上記の説明では、入射光折曲部21を構成するミラー層21aや斜面RSの角度について特に触れていないが、本発明は、ミラー層21a等を光軸OAに対して用途の他の仕様に応じて様々な値とすることができる。
上記の説明では、反射ユニット23cによるV字状の溝は、先端を尖った状態で図示しているが、V字の先端を平らにカットしているものや先端にR(丸み)を付けているものも実質的にはV字状の溝であり、含まれる。また、カットされる部分がさらに大きく台形状となっている場合であっても、第1の反射面23aと第2の反射面23bとがテーパー形状であれば、上記反射ユニット23cを構成するものとなる。
上記の説明では、実施形態の虚像表示装置100がヘッドマウントディスプレイであるとして具体的な説明を行ったが、実施形態の虚像表示装置100は、ヘッドアップディスプレイに改変することもできる。
上記の説明では、第1及び第2の全反射面22a,22bにおいて、表面上にミラーや半透過のアルミ膜によるハーフミラー膜等を施すことなく空気との界面により画像光を全反射させて導くものとしているが、本願発明における全反射については、第1及び第2の全反射面22a,22b上の全体又は一部にミラーコートや、ハーフミラー膜が形成されてなされる反射も含むものとする。例えば、画像光の入射角度が全反射条件を満たした上で、全反射面22a,22bの全体又は一部にミラーコート等が施され、実質的に全ての画像光を反射する場合も含まれる。また、十分な明るさの画像光を得られるのであれば、多少透過性のあるミラーによって全反射面22a,22bの全体又は一部がコートされていてもよい。
10…画像形成装置、 11…液晶デバイス、 20,120…導光板、 20a…導光板本体部、 21…入射光折曲部、 22…導光部、 22a,22b…全反射面、 23…画像取出部、 23a,23b…反射面、 23c…反射ユニット、 100…虚像表示装置、 IS…光入射面(光入射部)、 OS…光射出面(光射出部)、 EY…眼、 PT…ピッチ、 GL1,GL2,GL3…画像光(導光板への入射光、導光板からの射出光)、 PL1,PL2…反射面入射光、反射面反射光(画像取出部の反射面への入射光、画像取出部の反射面での反射光) α,β,γ,δ,θ…角度、 S1,S2…平坦面(画像取出部の平坦面)、 FSa,FSb…平坦面(金属型の平坦面)、 CS…基準面(反射面の角度に対する基準面)、 CC…基準面(型表面の位置決定に対する基準面)

Claims (10)

  1. 画像光を内部に取り込む光入射部と、
    対向して延びる第1及び第2の全反射面を有し、前記光入射部から取り込まれた前記画像光を前記第1及び第2の全反射面での全反射により導く導光部と、
    第1の反射面と前記第1の反射面に対して所定角度をなす第2の反射面とをそれぞれ有するとともに所定の配列方向に配列される複数の反射ユニットを備え、前記複数の反射ユニットを構成する各反射ユニットにおいて、前記第1の反射面により前記導光部を経て入射する前記画像光を反射するとともに前記第2の反射面により前記第1の反射面で反射された前記画像光をさらに反射する光路の折り曲げによって、前記画像光を外部へ取出し可能にする画像取出部と、
    前記画像取出部を経た前記画像光を外部に射出する光射出部と、
    を備える導光板であって、
    前記各反射ユニットにおいて、前記第1の反射面と前記第2の反射面とは、前記光射出部側にそれぞれ傾いた状態で互いに対向し鋭角をなして配置され、前記光射出部に向かって広がるテーパー状の溝を形成している、導光板。
  2. 前記画像取出部の前記第1の反射面は、前記導光部の前記第1の全反射面の法線方向と前記複数の反射ユニットの前記配列方向との双方に垂直な方向を回転の軸方向として前記第1の全反射面に対して垂直な状態から所定の傾斜角度で前記光射出部側に傾いている、請求項1に記載の導光板。
  3. 前記画像取出部の前記第2の反射面の前記光射出部側への傾きは、前記第1の反射面よりも大きい、請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の導光板。
  4. 前記第1の反射面の前記所定の傾斜角度は、前記複数の反射ユニットの前記配列方向についての位置に応じて変化している、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の導光板。
  5. 前記第1の反射面の前記所定の傾斜角度は、0.5°以上5°以下である、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の導光板。
  6. 前記第1の反射面の前記所定の傾斜角度をα、前記第1の反射面に対して第2の反射面のなす前記所定角度をβ、前記光射出部から取り出された前記画像光の水平画角をθとして、次の関係
    Figure 0005459148
    を満たす、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の導光板。
  7. 前記各反射ユニットに入射した前記画像光は、前記画像取出部を1回だけ通過して光路を折り曲げられることによって、虚像光として前記光射出部から射出される、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の導光板。
  8. 前記第2の反射面は、前記導光部の前記第1の全反射面に対して30°から40°までの角度をなす、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の導光板。
  9. 前記第1及び第2の反射面は、一部の光を透過可能な部分反射面である、請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の導光板。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の導光板と、
    前記導光板に導かれる前記画像光を形成する画像形成装置と、
    を備える虚像表示装置。
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