上記従来の操作システムにおいては、車両への搭載スペースの節約や、操作時の手指移動量の低減を目的として、操作面寸法の小型化が進んでいる。この場合、次のような問題が生じる。すなわち、操作面と入力画面(画面領域)とは、指による操作面上の入力位置と画面上の指示位置とが幾何学的に対応するよう、一義的な座標関係が定められている。その結果、操作面上で撮影される操作者の手(指)の画像を入力画面上に重畳表示する場合、操作面寸法が画面寸法に対して相対的に縮小すると、手の表示寸法が入力画面上で拡大されてしまい、指が過度に太く表示されて違和感を生ずる問題がある。
図14は、操作面上に重ね配置されたタッチパネルによる、入力画面15上のソフトボタンへの仮想的な指操作入力を、画面15上に重畳表示される手画像SFにより支援する事例を示している。操作面102aは、横幅約120mmであり、普通の大人の広げた掌のうち、親指を除く4本の指の全体が包含される程度のサイズとなっている。対応する画面15にはキーワード入力用上の日本語五十音キーボードが表示されており、上記操作面と手の寸法関係を想定し、指一本の画像幅に対しソフトボタンの配列個数が高々2個程度となるように、個々のボタンの表示寸法及び配列間隔が調整されている。手画像SFの指先部分に対するボタンの密集感がそれほど生じておらず、違和感のない入力が可能となっている。
一方、図15は、画面15の寸法を変えずに、操作面102aの横幅を70mmに小型化した場合の表示例を示すものである。図14の場合と異なり、操作面102a上に収まっている指FIの本数は2本程度であり、これが画面15上に相対的に拡大されて表示される。その結果、指一本の画像幅に対応するソフトボタンの配列個数が3個を超え、手画像SFに対するボタンの密集感が格段に増していることがわかる。これでは、画面上に複数配置されたボタンのどれを操作しているのかが非常にわかりにくく、操作性の悪化は必至であり、狙ったボタンの隣を押し違えたりするといった不具合も当然生じやすくなる。もちろん、入力画面がキーボードではなく、例えばポインタによる位置指定入力が可能な地図画面等であっても、操作性が悪化する事情は全く同じである。
この場合、指画像に合わせて入力画面の表示内容(例えば前述のソフトボタン等)も拡大することが考えられるが、モニタ寸法を拡大することは、表示装置の大型化や取付レイアウト変更(特に、はめ込み取り付けの場合は、インパネ等、はめ込み先となる内装樹脂成型品の設計変更も余儀なくされる)を招き、コストアップが避けがたい。他方、モニタ寸法を変えずに表示内容のみを拡大すると、それまで1画面に収まっていた入力画面内容の分割やスクロールが必要となり、操作性の悪化や表示アプリケーションの内容変更など、余分な開発工数が必要となる。
そこで、撮影された指画像を実際よりも細くなるように加工して入力画面に重畳表示す方式が考えられる。このような細指化加工の具体的な方法としては、例えば、画像の収縮処理に基づく方法を例示できる。これは、例えば、二値画像の場合、画面上の閉じた処理対象領域内の全ての画素が同じ値(例えば「1」)に設定されている場合、着目画素と一定の隣接関係にある画素(例えば、左右又は上下の2画素、上下左右の4画素、さらには、斜め隣接する4画素をこれに加えた8画素など)に、着目画素と値が反転関係にある画素が1個でも含まれていれば、当該着目画素の値を反転設定する処理である。こうした条件を満たす画素は通常、領域の輪郭線を構成する画素だから、輪郭線に沿った画素が一律に反転処理されることで、処理対象領域を内側に1画素分だけ一様に収縮させることができる。
上記のような収縮処理では、図15のように、互いに分離された指画像が得られる場合は、個々の指を独立して細指化できる。しかし、図16に示すように、指と指とが密着した状態では、指輪郭のコントラストを形成する背景領域の画素が密着区間で不在となり、当該区間では2本の指が一体の領域として認識されてしまうため、個別の細指化加工ができない問題がある。また、指と指とを分離認識できる輪郭区間が断続的に生ずるような緩い密着状態では、分離認識された輪郭区間でのみ画像収縮が不均一に進む形となり、指の密着区間では両指間に非反転画素領域が橋渡し状に残存して、くっついた部分と離れた部分とが混在した不自然な細指化結果しか得られない問題がある。
本発明の課題は、撮影等により取得した画像データ上での原指像の状態とは無関係に、個々の指を示す画像を該原指像よりも細くした形で画面上に確実に表示できる方法及び装置と、それを用いた操作装置とを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の画像表示装置は、人の指の像を原指像として含む画像データを取得する画像データ取得手段と、画像データ上にて原指像の指先部分の位置を画像指先点として特定する画像指先点特定手段と、画像データとの間に一義的な座標対応関係を有する画面領域を備えた表示装置と、画面領域の画像指先点に対応する位置に、画像データとは別に用意された指示体画像を表示する指示体画像表示手段と、を備え、
指示体画像は、指の輪郭形状を模した模擬指画像又は個々の指を分離した形で撮影取得された人の実指画像であり、画面領域は、指示体画像の、指先端を含む指長手方向の一部のみを表示するものであり、指示体画像表示手段は、画面領域への指示体画像の表示位置を規定する表示座標平面上に手首規定点を設定する手首規定点設定手段と、手首規定点と画像指先点とに基づいて指示体画像の配置方向を決定する指示体配置方向決定手段とを備え、
画像データに複数本の原指像が含まれている場合に、画像指先点特定手段は、該複数の原指像についてそれぞれ画像指先点を特定するものであり、手首規定点設定手段は、画像指先点特定手段によって特定された複数の画像指先点に対し、共通の手首規定点を設定するものであり、更に手首規定点設定手段は、表示座標平面上にて画面領域の上下方向をY方向とし、これと直交する方向をX方向として、基準手首規定点をY方向の画面領域外に固定的に定め、画像指先点が画面領域上に複数特定された場合に、画面領域上にてY方向における最も上側に画像指先点が位置する原指像を代表原指像としたときに、該代表原指像のY方向に対する傾斜角度が大きくなるほど、基準手首規定点からの手首基準点のX方向への変位量が大きくなるよう、Y方向に対し右上がり形態に傾斜している代表原指像については、基準手首規定点に対し左側に変位するように手首規定点のX座標値を決定し、Y方向に対し左上がり形態に傾斜している原指像については、基準手首規定点に対し右側に変位するように手首規定点のX座標値を決定するものであり、
指示体配置方向決定手段は、複数の画像指先点それぞれについて、手首規定点に基づいて配置方向を決定し、複数の指示体画像を、各指示体画像の長手方向がそれぞれ配置方向に沿うように、画面領域上に表示する
ことを特徴とする。
上記本発明によると、取得した画像データにおける原指像の指先部分の位置を画像指先点として特定し、表示装置の画面領域上にてその画像指先点に対応する位置に、原指像の画像データとは別の指示体画像を表示する。すなわち、原指像はあくまでユーザーによる指示位置特定にのみ用い、画面領域上には、別に用意された指示体画像を貼り付け表示する。これにより、画像データ上での原指像の状態とは無関係に、個々の指を示す指示体画像を該原指像よりも細くした形で画面上に確実に表示することができ、ひいては指像が過度に太く表示されることによる違和感の発生を防止することができる。
また、画像データ上に複数の原指像が表れている場合にも、複数の指示体画像を組み合わせて代替表示することにより、複数の指同士が密着して画像データ上で複数の原指像への分離が困難な場合にも、表示上はその細指化を問題なく図ることができる。
これにより、操作者は、画面上の指示体画像により入力操作面上の指位置を把握でき、画面表示内容に従った入力操作を的確に実施できる。特に、表示装置の画面領域(画面)が操作者に対し、該操作者が入力操作面上の指を直視する向きから外れて配置されている構成(例えば、カーナビゲーションシステム等の車載用電子機器の操作装置の場合、操作者の着座する座席の左右脇(ないしその斜め前方)に入力操作面が配置され、表示装置の画面が該入力操作面よりも上方にて、操作者の前方ないし斜め前方に対向配置される構成)では、操作を行なう手元と画面との双方を同時に直視できないので、操作者は画面上の指示体画像は手元操作位置を把握するための唯一の情報源となる。そして、本発明の採用により、入力操作面(手撮影カメラの撮影範囲)の面積が画面領域の面積に対して相対的に縮小された構成においても、撮影された原指像がそのまま太く拡大表示されて操作性に支障をきたす課題を、効果的に解決することができる。
本発明では、指示体画像を画面領域に対し、原指像から特定される画像指先点に、いわば後付けで貼り込む構成なので、指先位置のほかに指の方向を情報として特定する必要がある。これを前提に、指示体画像表示手段は、指示体画像の表示位置を規定する表示座標平面上に手首規定点を設定する手首規定点設定手段と、設定された手首規定点と画像指先点とに基づいて指示体画像の配置方向を決定する指示体配置方向決定手段とを備え、指示体画像の先端部の位置が画像指先点と一致し、かつ、決定された配置方向に該指示体画像の長手方向が沿うように、該指示体画像を画面領域上に表示する。
指先端位置以外に、指長手方向の存在する別の一点を手首規定点として指定することで、両点を結ぶ直線(以下、指直線ともいう)を指示体画像の配置方向として簡便かつ一義的に決定することができる。
また、手の各指骨は手首関節に向けて収束する形態に配列しているから、この手首に相当する位置を手首規定点として利用することにより、指示体画像(特に、模擬指画像や実指画像)を、実際の手に近いリアルな形態で配置できる利点がある。該手首規定点は画面領域外に設定するように構成される。
ここで、入力操作面内で操作位置を変更する際の操作者の手及び腕の動きを分析すると、X方向に指先を移動する場合は、操作者の癖によっても多少の違いはあるが、肘関節の動きは比較的小さく、掌を、該掌の中央付近に位置する軸線周りに回転させる感覚で指先を移動させる動きが主体的となることが多く、指方向角度も該掌の回転角度ひいては画像指先点のX座標に応じて変化することになる。
そこで、手首規定点設定手段は、表示座標平面上にて画面領域の上下方向(垂直方向)をY方向とし、これと直交する方向(左右方向ないし水平方向)をX方向として、画面領域の下方に基準手首規定点を固定的に定め、手首規定点設定手段を、原指像のY方向に対する傾斜角度が大きくなるほど、基準手首規定点からのX方向への変位量が大きくなるように手首規定点のX座標値を決定するものとして構成すると、X方向への手の操作移動形態をよりリアルに模写した指示体画像表示が可能となる。
上記のごとく、回転中心が掌の内側に存在する想定では、指先がX方向へ回転移動するに伴い、手首位置はその逆方向に回転移動することになる。従って、方向に対し右上がり形態に傾斜している原指像については、X方向にて基準手首規定点に対し左側に変位するように手首規定点のX座標値を決定し、Y方向に対し左上がり形態に傾斜している原指像については、X方向にて基準手首規定点に対し右側に変位するように手首規定点のX座標値を決定するように、手首規定点設定手段を構成するのが妥当である。
また、本発明の手首規定点は、Y方向にて画面領域の下縁から一定長下側に離間した位置に設定することができる。この方法は、手首規定点のY方向位置を画面領域の下縁を基準として固定的に定めるので、手首規定点の決定アルゴリズムを簡略化できる利点がある。また、上記手首規定点から見て実際の操作者の手寸法と整合した画面上の所定範囲内に画像指先点が存在する場合には、指示体画像の配置方向にかかるリアリティも比較的良好に確保できる。
しかし、Y方向の入力位置が大きく変化しうる入力画面(例えばキーボード画面や地図画面など)が採用されている場合は、手首位置もY方向に大きく変動しうるので、表示座標平面上にて手首規定点を、特定された画像指先点とY方向にて予め定められた位置関係を有するものとなるように設定することが、指示体画像の配置方向のリアリティを高める上で望ましい。具体的には、画面領域に指を含む掌の画像を、該画面領域の下側に手首位置が外れる位置関係にて表示する前提にて、手首規定点設定手段を、表示座標平面上にて画面領域の上下方向をY方向とし、これと直交する方向をX方向として、Y方向にて画面領域内に特定された画像指先点から一定長下側に離間した位置に手首規定点を設定するとよい。
また、本発明の画像表示装置は、人の指によるタッチ操作を一方の板面側にて支持しつつ受け付ける透明入力支持板と、タッチ操作を検出してその座標情報を出力する位置入力装置とを更に備えるようにし、更に画像データ取得手段を、透明入力支持板の他方の板面側から配置されたカメラで構成するようにしてもよい。これにより、手撮影カメラまでの撮影距離を常に一定に保つことができる。また、透明支持板は、手撮影カメラの撮影範囲に対応した入力操作面が板面に設定された位置入力装置をなすものとして構成するようにしてもよい。
また、上記の課題を解決するために、本発明は、人の指の像を原指像として含む画像データを取得し、画像データ上にて原指像の指先部分の位置を画像指先点として特定し、画像データとの間に一義的な座標対応関係を有する画面領域を備えた表示装置の、画面領域の画像指先点に対応する位置に、画像データとは別に用意された指示体画像を表示する指示体画像の表示方法であって、指示体画像は、指の輪郭形状を模した模擬指画像又は個々の指を分離した形で撮影取得された人の実指画像であり、画面領域は、指示体画像の、指先端を含む指長手方向の一部のみを表示するものであり、指示体画像を画面領域に表示する際、画面領域への指示体画像の表示位置を規定する表示座標平面上に手首規定点を設定し、手首規定点と画像指先点とに基づいて指示体画像の配置方向を決定する方法において、画像データに複数本の原指像が含まれている場合に、該複数の原指像についてそれぞれ画像指先点を特定し、画像指先点特定手段によって特定された複数の画像指先点に対し、共通の手首規定点を設定し、表示座標平面上にて画面領域の上下方向をY方向、これと直交する方向をX方向として、基準手首規定点をY方向の画面領域外に固定的に定め、画像指先点が画面領域上に複数特定された場合に、画面領域上にてY方向における最も上側に画像指先点が位置する原指像を代表原指像としたときに、該代表原指像のY方向に対する傾斜角度が大きくなるほど、基準手首規定点からの手首基準点のX方向への変位量が大きくなるよう、Y方向に対し右上がり形態に傾斜している代表原指像については、基準手首規定点に対し左側に変位するように手首規定点のX座標値を決定し、Y方向に対し左上がり形態に傾斜している原指像については、基準手首規定点に対し右側に変位するように手首規定点のX座標値を決定し、複数の画像指先点それぞれについて、手首規定点に基づいて配置方向を決定し、複数の指示体画像を、各指示体画像の長手方向がそれぞれ配置方向に沿うように、画面領域上に表示することを特徴とする。
上記本発明によると、個々の指を示す指示体画像を該原指像よりも細くした形で画面上に確実に表示することができ、ひいては指像が過度に太く表示されることによる違和感の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は、本発明の画像表示装置の適用対象となる、車載用電子機器の操作装置の一例を示すものである。この操作装置1は、自動車の車室内において、インパネ中央部にモニタ(表示装置)15が配置され、センターコンソールCの、運転席2D及び助手席2Pのいずれからも操作可能な位置に操作部12が配置されている。使用目的は特には限定されないが、例えばセンターコンソールに設けられたモニタ15の画面を見ながら、カーナビゲーション装置やカーオーディオ装置の機能操作を行なうためのものである。
操作部12は、入力操作面が上向きとなるように取り付けられている。該入力操作面を形成するのは周知のタッチパネル12aであり、抵抗膜方式、表面弾性波方式あるいは静電容量方式のいずれを採用してもよい。タッチパネル12aは、その基材が透明樹脂板あるいはガラス板等により透明入力支持板として構成され、操作者の指先によるタッチ操作を上面側にて支持しつつ受け付ける。そして、モニタ15の画面領域に対応した入力座標系が板面に沿って設定される。
図2は、入力部12の内部構造を模式的に示す断面図であり、筐体122eの上面に前述のタッチパネル12aが、入力操作面102a側が上となるように嵌め込まれている。筐体12dの内部には、照明光源12c及び撮影光学系とともに手撮影カメラ12bが収容されており、画像データ取得手段を構成している。照明光源12cは、凸曲面形態のモールドにより素子直上側への輝度指向性を高めた発光ダイオード光源(従って、単色光源である)であり、タッチパネル12aの下面を取り囲む形態で複数配置されている。各照明光源12cは、高輝度となるモールド先端側をタッチパネル12aの下面内側に向けそれぞれ傾けて取り付けてあり、入力操作面102a上の操作者の手Hの掌面による一次撮像反射光RB1が、タッチパネル12aを透過する形で下向きに生ずるようになっている。
撮影光学系は、第一反射部12pと第二反射部12rとを有する。第一反射部12pは、タッチパネル12aの直下に対向配置されたプリズム板(三角柱状の微小プリズムを面内に並列に配置した透明材料板:以下、プリズム板12pともいう)であり、操作者の手Hからの一次撮像反射光RB1を斜め上方に反射することにより、該プリズム板12pとタッチパネル12aとの対向空間12fの側方外側へ二次撮像反射光RB2として導く。第二反射部12rは上記対向空間の側方外側に配置された平面反射鏡(以下、平面反射鏡12rともいう)であり、上記二次撮像反射光RB2を側方へ反射することにより、対向空間12fを挟んで第二反射部12rの反対側に位置する手撮影カメラ12bに対し三次撮像反射光RB3として導く。手撮影カメラ12bは該三次撮像反射光RB3の焦点に対応する位置に設けられ、操作者の指を含む手Hの画像データを撮影取得する。
プリズム板12pは、図2内に拡大して示すように、ミラー基面MBPに対しそれぞれ等角度で傾斜する反射面を有したリブ状の微小プリズムを、ミラー基面MBPに沿って互いに平行となるように密接形成したものであり、ミラー基面MBPを傾けずとも、その法線方向に入射する光を(斜め)側方へ反射することができる。従って、側方反射のための第一反射部12pをタッチパネル12aの下方に平行対向する形で配置でき、対向空間12fの高さ方向寸法を大幅に縮小できる。
また、その対向空間12fを側方から挟んで第二反射部12rと手撮影カメラ12bとを対向配置することで、手撮影カメラ12bに直接入射する三次撮像反射光RBを、対向空間12fを横切る形で導くことができる。これにより、第二反射部12rと手撮影カメラ12bとを、タッチパネル12aの側縁に近接配置でき、かつ、手Hから手撮影カメラ12bへの撮像反射光の入射経路が、対向空間12f内でいわば三つ折状に畳み込まれる形になるので、撮像光学系全体の大幅なコンパクト化と、筐体12dの薄型化とが実現されている。特に、タッチパネル12aのサイズ(つまり、入力操作面102aの縦横寸法)を縮小することで、入力部12全体の劇的な小形化及び薄型化が実現し、図1のセンターコンソール部Cの幅が比較的小さい車両や、シフトレーバー前方の限られた取付スペースしか活用できない車両にも問題なく取り付けが可能となる。
上記の光学系では、撮像光は手撮影カメラ12bに入射するまでに奇数回(手H、第一反射部12p及び第二反射部12r)の反射を繰り返す。手Hは掌面側から撮影されるので、手撮影カメラ12bが取得する画像データ上には、掌面側から見た手Hを鏡映反転した形で手像が表れる。この手像の輪郭線は、手Hを甲側から見た場合の輪郭線と一致するから、結局、手撮影カメラ12bが取得する画像データは、特に鏡映反転処理することなくモニタ15への表示用に活用することができる。
タッチパネル12の入力操作面102aは、手撮影カメラ12bの撮影範囲102bに対応しており、平均的な寸法の大人の手を想定した場合に、中指の指先端を含む長手方向の一部のみが入力操作面102a内に入るように、その上下方向(Y方向)寸法が定められている(例えば、60〜90mm(具体例として75mm))。これにより、モニタ15の画面領域には、指の付け根よりも先の部分だけが表示されることになるので、指以外の掌部分の形状が表示に関与せず、指示体画像を用いた後述の表示処理の大幅な簡略化を図ることができる。また、入力操作面102aの左右方向(X方向)寸法は110〜130mm(例えば、120mm)であり、手を乗せて各指を大きく開いた状態では、人差し指、中指、薬指及び小指が撮影範囲内となり、親指が撮影範囲外となっている。ただし、各指を適当に閉じれば全ての指を撮影範囲内に収めることも可能である。
図3は、操作装置1の電気的構成を示すブロック図である。操作装置1の制御主体をなすのは操作ECU10である。該操作ECU10は、CPU101を主体とするコンピュータハードウェア基板として構成され、具体的には、CPU101、RAM102、ROM103、グラフィックコントローラ110、ビデオインターフェース112、タッチパネルインターフェース114、汎用入出力部104及びシリアル通信インターフェース116が内部バス105により相互接続された構造を有する。グラフィックコントローラ110には表示用ビデオRAM111及びモニタ15が、ビデオインターフェース112には撮影用ビデオRAM113及び手撮影カメラ12bが、タッチパネルインターフェース114にはタッチパネル12aが、そして、汎用入出力部104にはドライバ(駆動回路)115を介して照明光源12cがそれぞれ接続されている。また、シリアル通信インターフェース116には、CAN通信バスなどの車載用シリアル通信バス30が接続され、これにネットワーク接続された他のECU、具体的にはカーナビゲーション装置の制御を司るナビECU200と相互通信可能とされている。
ビデオインターフェース112には、手撮影カメラ12bが撮影取得するアナログもしくはデジタルの映像信号が継続的に入力されるとともに、撮影用ビデオRAM113内に画像フレームデータとして、所定の時間間隔で取り込まれる。撮影用ビデオRAM113の記憶内容は、新しい画像フレームデータが取り込まれる毎に随時更新される。
グラフィックコントローラ110は、通信インターフェース116を介してナビECU200から入力画面画像フレームデータを取得するとともに、CPU101側からは指示体画像が所定位置に張り込まれた指示体画像フレームデータを取得し、表示用ビデオRAM111上にて周知のアルファブレンディング処理等によりフレーム合成し、モニタ15に出力する。
タッチパネルインターフェース114は、タッチパネル12aの方式に応じた固有の駆動回路を有するとともに、タッチパネル12aからの信号入力状態に基づいて、入力操作面102aへのタッチ操作による入力位置を検出し、その検出結果を位置入力座標情報として出力する。
なお、手撮影カメラ12bの撮影範囲(撮影視野;ひいては、該手撮影カメラ12bにより撮影取得される画像データ)、タッチパネル12bの操作入力面、モニタ15の画面領域(ひいては、その表示内容を決定する入力画面画像フレームデータ及び指示体画像フレームデータ)には、二次元座標対応関係が一義的に定められている。
また、ROM103には、CPU101が実行する以下のようなソフトウェアが格納されている。これにより、CPU101は、画像指先点特定手段、手首規定点設定手段及び指示体配置方向決定手段として機能する。
・タッチパネル制御ソフトウェア103a:タッチパネルインターフェース114から入力位置座標を取得し、入力画面画像フレームデータとともにナビECU200から送られてくる、操作入力内容の判定参照情報(例えば、ソフトボタンの領域特定情報や、当該ソフトボタンがタッチ操作されたときに出力するべき操作コマンド内容等の情報を含む)を取得する。そして、該入力位置座標と取得した判定参照情報とに基づいて現在の操作入力内容を特定し、ナビECU200に対して対応する操作コマンドの実行指令出力を行なう。
・表示制御ソフトウェア103b:グラフィックコントローラ110への入力画面画像フレームデータの取り込み指令を行なうとともに、後述の方法により作成した指示体画像フレームデータをグラフィックコントローラ110へ転送する。
・画像指先点演算ソフトウェア103c:手撮影カメラ12bが撮影した操作者の手の画像データを二値化し、その原指像の指先位置を画像指先点として特定する演算を行なう(なお、手の画像データの二値化処理は、ビデオインターフェースの出力段に画素の二値化回路を組み込んで事前に行なうようにしてもよい)。
・指示体画像合成ソフトウェア103d:指示体画像データ103eに基づいて作成した指示体画像を、その指先位置が画像指先点と一致するように、指示体画像フレーム上に貼り付ける処理を行なう。
以下、操作装置1の動作について説明する。モニタ15の画面(領域)には、先行するコマンド入力(例えば別画面でのタッチ入力操作に基づく)により、すでに図14あるいは図15と同様の(ただし手画像SFは除く)キーボード入力画面(地図画面など、他の入力画面であってもよい)が表示されているものとする。この状態で、図2に示すように、タッチパネル12aの入力操作面102aに手Hを近づけると、手撮影カメラ12bは、照明光源12cからの照明光の手による反射光に基づいて手像を撮影する。手像の画素は反射光の受光により背景領域よりも明るく現れる。従って、図4のAに示すように、画素の輝度を適当な閾値で二値化すれば、高輝度画素値(ここでは「1」とする)を示す領域を手像領域(図中黒で表している)、低輝度画素値(ここでは「0」とする)を示す領域を背景領域(図中白で表している)として、互いに画像分離できる。
次に、二値化された上記の原画像データを第一画像データ(A)として、該第一画像データを手像の掌長方向(Y方向)に所定距離(例えば、中指第一関節より先を指先部分として、その20%〜80%(実距離にして5〜20mm程度))だけ平行移動させて得られる画像データを、図4のBに示す第二画像データとする。そして、図4のCに示すように、両画像データを重ね合わせたときの、指先側に現れる手像非重なり領域を指先領域として特定する。撮影取得された原画像データを手像の掌長方向に平行移動して重ね合わせることにより、指先領域を手像非重なり領域として簡単に特定することができる。また、一部の指が閉じて密着していても、丸みを帯びた指先領域は確実に分離して特定することが可能である。
図4のCにおいては、第二画像データBを、第一画像データAを掌長方向(Y方向)にて手首側へ後退移動させて作成しており、第一画像データAの手像指先側に現れる非重なり領域が指先領域として特定される。撮影範囲(ひいてはモニタ15の画面領域)との座標対応関係が保存される第一画像データA上にて指先領域を特定でき、後述の画像指先点、ひいては、画面領域上の対応座標点の特定処理を簡便に行なうことができる。
また、第一及び第二画像データはいずれも二値化されており、手像非重なり領域は、第一画像データと第二画像データとの画像差分を演算することで特定される。これにより、非重なり領域の画素を特定する処理は、第一及び第二画像データの対応する画素間の論理演算に転換できる(具体的には、対応画素間の排他的論理和が0になれば、それを非重なり領域の画素として特定できる)。なお、第一及び第二画像データの非重なり領域は、指の側面部分に細く生ずる場合がある。しかし、このような側面部分は、「1」となる画素のX方向の連続個数が所定値未満となる場合に、それら画素列を「0」反転する処理を行なえば、簡単に除去することができる。
こうして抽出された各指先領域は、図4のDに示すように、既に説明した収縮処理が施される。具体的には、値が「1」となっている全ての画素について、これと一定の隣接関係にある画素(具体的には、上下左右の4画素、さらには、斜め隣接する4画素をこれに加えた8画素)に、着目画素と値が反転関係にある画素が1個でも含まれていれば、当該画素の値を「0」反転する処理を行なう。該処理は。複数回繰り返し実施してもよい。
そして、図4のEに示すように、該収縮処理後の各指先領域の重心座標を演算する。具体的には、隣接画素のラベリング処理等により、個々の指先領域を分離特定し、指先領域毎に全ての画素のX座標合計及びY座標合計を演算し、それぞれ総画素数で除することにより、各指先領域の重心のX座標及びY座標を特定できる。
なお、タッチパネルの入力操作面102aに実際に接触するのは、指先端からX方向に少し下がった指腹付近の領域であるから、図4のFでは、Eで計算された重心位置をY方向へ所定距離オフセットさせ、これを画像指先点Gとして決定する。ただし、Eの重心位置をそのまま画像指先点Gとして用いてもよく、この場合は該Fの処理は不要である。
図5は、各指の画像指先点(G1〜G5)が、入力操作面102a、ひいては画像フレーム上にて座標特定された状態を示している。そして、該画像フレーム上の各画像指先点G1〜G5に、原指像FIとはデータ的に無関係な指示体画像を順次貼り込んで、指示体画像フレームを作成する。この指示体画像は、原指像FIよりも相対的に狭幅となるように作成される。例えば、18歳以上の日本人全体の指幅分布にて、平均値を中心として90%の対象者が包含される範囲の下限値に相当する指幅の、例えば50%以上80%以下となるように指示体画像の幅寸法を設定しておけば(例えば、人差し指の場合は、第一関節位置での指実寸換算にて7mm以上14mm以下)、子供を除くほとんど全ての操作者に対して、指示体画像を原指像よりも相対的に狭幅とすることができる。
指示体画像としては、指の輪郭形状を模した模擬指画像を使用できる。単純なものとしては、図10に示すように、指先部分の輪郭を示す円弧図形201と、残余の部分の輪郭を示す矩形図形202とを組み合わせた模擬指画像を例示できる。指先部分を円弧とすることで、その円弧の中心点201gを、上記画像指先点に合わせ込むべき指先位置として活用しやすい利点がある。また、模擬指画像よりもさらに単純な指示図形、例えばポインタに類した矢印状の図形を表示することも可能である。
一方、図11に示すように、実際の指をより精密に模した指輪郭線を折れ線や曲線(例えば、Bスプライン曲線やペジェ曲線)により表現した指輪郭画像データSF1〜SF5を使用してもよい。該指輪郭画像データSF1〜SF5は、指輪郭に対応して配列する一連のハンドリング点HPにより規定されるベクトルアウトラインデータとして構成できる。
また、指示体画像として、個々の指を分離した形で事前に撮影取得された人の実指画像(例えば、操作者本人の指画像や、手専門のパーツモデルから撮影取得したモデル指画像を採用できる)を使用することも可能である。この場合、指撮影画像から周知のエッジ検出処理により輪郭線を抽出し、これを近似するベクトルアウトラインデータを作成することにより、図11と同様の指輪郭画像データSF1〜SF5を得ることができる。また、図12に示すように、指撮影画像を二値化したビットマップ図形データを指示体画像SFとして用いてもよい(この場合は、指輪郭線の抽出は不要である)。
図6の右に示すように、指示体画像SFの先端部には予め定められた位置に指示体指先点G’が定められており、図6の右に示すように、この指示体指先点G’を各画像指先点(G1〜G5)に合わせこむ形で、画像フレーム上に指示体画像SFを貼り込んでゆくことになる。しかし、この貼り込みを行なうためには、指先位置G’のほかに指の方向を情報として特定する必要がある。そこで、図5に示すように、画像フレーム(表示座標平面)上に画像指先点(G1〜G5)とは別に手首規定点Wを設定し、該手首規定点Wと画像指先点Gを結ぶ直線を指直線(L1〜L5)として定める演算を行なう。図6に示すように、各指示体画像SF1〜SF5は、指先位置G’が画像指先点(G1〜G5)と一致し、かつ、決定された指直線(L1〜L5)に該指示体画像SFの長手方向基準線(指示体画像SF1〜SF5毎に予め定められている)が一致するように貼り込まれ、指示体画像フレームが作成される。
手の各指骨は手首関節に向けて収束する形態に配列しているから、図5において手首規定点Wは、この手首に相当する手首規定点(以下、手首規定点Wとも記す)として規定されている。前述のごとく、入力操作面102a(撮影範囲)が、掌の指先側をなす一部分だけが収まるように寸法設定されており、かつ、撮影領域に対して手前側から手を伸ばし入れる形で操作がなされるので、手首規定点Wは画面領域の下側に外れた形で設定される。図5においては、Y方向にて画面領域の下縁から一定長Y0だけ下側に離間した位置に手首規定点Wが設定されている。画面上の画像指先点(G1〜G5)のY座標とは無関係に、手首規定点WのY方向位置を画面領域の下縁を基準として固定的に定めるので、手首規定点Wの決定アルゴリズムが簡略化できる。図5の実施形態において、手首規定点WのX座標は、撮影範囲(入力操作面102a及びモニタ15の画面)のX方向寸法の中央に固定されている。なお、画面領域のY方向高さをLとしたとき、Y0+L/2の値は、例えば100mm以上200mm以下に調整するとよい。
こうして図6のごとく作成された指示体画像フレームはグラフィックコントローラ110に転送され、別途取得されている入力画面画像フレームデータと合成され、モニタ15に表示される。入力画面画像フレームデータと指示体画像フレームデータとを合成する方法としては、指示体画像SFのデータ形態により次のような手法を採用することができる。
(1)指示体画像データがはじめからビットマップデータにより記述されている場合は、対応する画素同士のアルファブレンディング処理により、指示体画像を入力画面上に透かし形態で重ね表示することができる。
(2)指示体画像データがベクトルアウトラインデータで記述されている場合は、指示体画像フレーム上で該データを用いて指示体画像の輪郭線を生成し、さらにその内部をラスタライジングしてビットマップ化し、その後は(1)と同様のアルファブレンディング処理を行なう。
(3)指示体画像データをなすベクトルアウトラインデータを用いて入力画面画像フレーム上に輪郭線を描画し、その内部に位置する入力画面画像の画素を抽出するとともに、該抽出された画素の設定値を一律にシフトさせる。
(1)〜(3)のいずれにおいても、指示体画像データの輪郭線を形成する画素については、指示体画像データ側のブレンド比を高めることで、輪郭線の強調された指示体画像を重畳表示できる。また、指示体画像データを、ビットマップデータもしくはベクトルアウトラインデータで記述された輪郭線のみの画像データとし、輪郭線のみを重ね表示することも可能である。
操作装置1により実現できる効果は以下のごとくである。
すなわち、図1に示すように、モニタ15の画面は、運転席2Dないし助手席2Pに着座する操作者から見て、タッチパネル12a上の指を直視する向きから外れて配置されているから、操作を行なう手元とモニタ15との双方を同時に直視することができない。従って、操作者は画面上の指示体画像は手元操作位置を把握するための唯一の情報源となる。本発明においては、画像データ上での原指像FIの状態とは無関係に、個々の指を示す指示体画像SFを該原指像FIよりも細くした形で画面上に確実に表示することができ、ひいては、撮影された原指像がそのまま太く拡大表示されて操作性に支障をきたす不具合を効果的に解消することができる。
該効果は、図5に一点鎖線で示すように、撮影範囲(ひいては、タッチパネルの操作入力面102b)が縮小された場合に、さらに顕著となる。人差し指、中指及び薬指のうち、2本の全体が少なくとも撮影可能であり、4本の全体は撮影不能な大きさに設定されている場合、つまり、図14のように、人差し指、中指、薬指及び小指の全てが入るのではなく、人差し指、中指、薬指の3本、あるいは、図15のように、人差し指と中指(もしくは中指と薬指)の2本が入る大きさに設定されている場合がこれに該当する。
特に、図15の場合、入力操作面102a(撮影範囲)の寸法を具体的な数値で表すと、X方向寸法は、60mm以上80mm以下(例えば70mm)、Y方向寸法が30mm以上55mm以下(例えば、43mm)である。撮影範囲に収まる指の数は2本であるが、もし、撮影された原指像FIを二値化しただけでそのままモニタ15の画面領域に表示しようとすると、図13に破線で示すように、撮影範囲が縮小される分だけ2本の原指像FIが大きく拡大されて表示されることとなる。モニタ15には、五十音入力用のソフトキーボードKBが表示されているが、ソフトボタンSBの数は50を超え、拡大された原指像FIの幅方向には3個を超えるソフトボタンSBの画像が重なっている(つまり、このソフトキーボードKBの表示画面には、画像データ上の原指像FIを、画面領域上の対応する位置に座標上の寸法を保存しつつ仮想的に投影したとき、該原指像FIの仮想投影領域に対しソフトボタンSB画像が、指幅方向に複数(具体的には、2個を超える数で)包含される寸法ならびに配列間隔にて表示形成されている)。これでは、手指が狙ったソフトボタンに正しく向けられているのか否かが非常にわかりにくく、当然、狙ったボタンの隣を押し違えたりする不具合も生じやすい。
しかし、図13に実線で示すように、この原指像FIよりも狭幅化した指示体画像SFでこれを置き換え表示すれば、指示体画像SFの幅方向に重なるソフトボタンSBの数は2個ないし1個に減じられ、指示体画像SF付近のボタンの密集感が軽減され、画面上に複数配置されたソフトボタンSBのどれを操作しているのかを容易に把握できる。その結果、狙ったボタンの隣を押し違えたりするといった不具合も生じにくくなり、操作性が格段に向上することは明らかである。
以下、手首規定点の設定方式にかかる種々の変形例について説明する。まず、Y方向の入力位置が大きく変化しうる場合は、それに伴なう手首位置のY方向変化も考慮する必要がある。この場合、図7に示すように、表示座標平面上にて手首規定点Wを、特定された画像指先点Gと予め定められた位置関係を有するものとなるように設定すると、指示体画像SFの配置方向のリアリティをより高めることができる。具体的には、Y方向にて画面領域内に特定された画像指先点Gから一定長Y2(例えば、Y2は100mm以上200mm以下である)だけ下側に離間した位置に手首規定点Wを設定するとよい。
次に、図1のような配置形態の操作部12を、座席2Dないし座席2Pから手元操作しようとした場合を考える。着座状態で、体の左(運転席2Dの場合)ないし右(助手席2Pの場合)脇の操作部12上に置いた手をY方向に移動する場合は、肩関節及び肘関節を動かしながら前方に伸ばした下椀部を前後に移動させる動作が中心となる。その結果、入力操作面102a上で撮影される掌の動きは、Y方向にほぼ平行移動する形に近く、入力に関与する指の方向(角度)もそれほど大きくは変化しない。しかし、手をX方向に移動する場合は手首の回転動が主体的となり、入力操作面102a上で撮影される掌の動きは、掌中央付近の軸線周りに手を回転させる形態に近くなる。その結果、指入力に関与する指の方向(角度)は、手の回転角度に応じて変化することになる。
そこで、図8に示すごとく、指方向を決める手首規定点WのX座標を画像指先点GのX座標に応じて変化させる方式を採用すれば、上記のような手の動きを反映させる上で好都合である。図8においては、画面領域(撮影範囲)の下方に、基準手首位置を示す基準手首規定点W0を固定的に定め、原指像FIのY方向に対する傾斜角度θが大きくなるほど、基準手首規定点W0からのX方向への変位量が大きくなるように手首規定点WのX座標値を決定することができる。
図8においては、撮影範囲(入力操作面102a及びモニタ15の画面)のX方向寸法の中央に基準手首規定点W0のX座標を定め、また、既に特定された複数の画像指先点のうち、指先位置が最も上方に位置するもの(図8では、中指に対応する画像指先点G3)を基準として、そこから一定値Y2だけ下方へ移動した位置に基準手首規定点W0のY座標を定めている。
上記のごとく、回転中心が掌の内側に存在する想定では、指先がX方向へ回転移動するに伴い、手首位置はその逆方向に回転移動することになる。そこで、方向に対し右上がり形態に傾斜している原指像FIについては、X方向にて基準手首規定点W0に対し左側に変位するように手首規定点WのX座標値を決定し、Y方向に対し左上がり形態に傾斜している原指像FIについては、X方向にて基準手首規定点W0に対し右側に変位するように手首規定点WのX座標値を決定する。具体的には、指先位置が最も上方に位置する原指像FI(画像指先点G3に対応)を代表原指像として用い、該原指像FIのY方向に対する傾斜角度(時計回りを正方向として定義する)θを求める。該傾斜角度θは、例えば原指像FIを構成する画素点に最小二乗法を適用して得られる直線の勾配から計算することができる。求めるべき手首規定点Wの基準手首規定点W0からのX方向変位(あるいは、X座標値そのものであってもよい)を各種θの値毎に事前に定め、図3のROM103に記憶しておけば、計算されたθに対応するX方向変位は、該テーブルから読み出すことで容易に決定できる。図8においては、手首規定点WのY座標は、基準手首規定点W0のY座標と常に等しくなるように定めてある。つまり、手首規定点Wは、角度θに応じて、基準手首規定点W0を通ってX軸と平行な直線上を動く形で設定されている。ただし、円弧状の経路に沿って手首規定点Wを定めてもよい。
なお、代表原指像としては、撮影範囲のX方向(またはY方向)の中心に最も近いX座標(またはY座標)を画像指先点として有するものを採用してもよい。また、複数の画像指先点(G1〜G5)のX座標及びY座標を平均化して得られる点を代表画像指先点として用いる形で手首規定点Wを定めてもよい。また、指先位置が奇数個の場合は中央にある原指像の画像指先点を、偶数個の場合は中央に近い2つの原指像を採用して、それらの画像指先点のX座標及びY座標を平均化して得られる点を、それぞれ代表画像指先点として定める方式も可能である。
(参考例)次に、実際の人の手では、各指骨は手首位置でも当然個別の幅を有しており、手首関節に対しX方向に互いに異なる位置に接続することとなる。そこで、図9に示す参考例のように、複数の画像指先点G1〜G5について独立な手首規定点W1〜W5を決定し、指示体画像の配置方向を、各画像指先点G1〜G5について対応する手首規定点W1〜W5を用いて決定することができる。具体的には、基準手首規定点W0よりもX方向右側に位置している画像指先点G1,G2については、X座標が基準手首規定点W0よりも右側に位置するように対応する手首規定点W1,W2を設定し、基準手首規定点W0よりもX方向左側に位置している画像指先点G3,G4,G5については、X座標が基準手首規定点W0よりも左側に位置するように対応する手首規定点W3,W4,W5を設定している。
なお、基準手首規定点W0に対するX方向変位(h1〜h5)の大きい画像指先点ほど、対応する手首規定点のX座標は基準手首規定点W0からのX方向への変位が大きくなるように定められている。具体的には、画像指先点の基準手首規定点W0に対するX方向変位に一定の倍率係数k(例えば、0.1≦k≦0.3)を乗じた値を、手首規定点WのX座標にかかる基準手首規定点W0からのX方向変位として算出している。
以上、本発明の画像表示装置を車載用電子機器の操作装置に適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パーソナルコンピュータ用のGUI入力デバイスなどにも適用可能である。