JP5468940B2 - パッケージの製造方法 - Google Patents
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Description
貫通電極を形成する方法としては、金属材料からなる金属ピンを用いる方法が知られている。具体的には、まずベース基板に形成された貫通孔に金属ピンを挿通するとともに、貫通孔内にガラスフリットを充填する。その後、ガラスフリットを焼成してベース基板と金属ピンとを一体化させることで、貫通孔を塞ぐとともに、圧電振動片と外部電極とを電気的に接続できるようになっている。この場合、貫通電極に金属ピンを使用することにより、安定した導電性を確保することができると考えられる。
しかしながら、上述した方法では、ガラスフリットに含まれる有機物のバインダが焼成により除去されるので、ガラスフリットの表面には体積減少による凹部が生じることがあった。そして、このガラスフリットの凹部が、後に行う電極膜(外部電極等)を形成する工程で断線の原因となることがあった。
まず、ベース基板を加熱すると、ベース基板から型内にアウトガスが放出される。そして、アウトガスが型内に充満すると、アウトガスの逃げ場がなくなってしまう。すると、ベース基板からアウトガスが抜けきらず、ベース基板内に気泡となって残存する。その結果、ベース基板が型崩れを起こし(いわゆる、泡現象が発生する)、ベース基板を所望の形状に維持することができないという問題がある。
本発明に係るパッケージの製造方法は、互いに接合されたガラス材料からなる複数の基板と、前記複数の基板の内側に形成された電子部品を封入可能なキャビティとを備えたパッケージの製造方法であって、前記基板を成形型で押圧しつつ加熱して成形する成形工程を有し、前記成形型は開気孔率が14%以上の材料で構成されていることを特徴としている。
なお、開気孔率とは、試料の外形容積を1とした場合、この中に占める開気孔部分の容積の百分比である(JIS R 1634)。
この構成によれば、成形型の熱膨張係数と基板(ガラス材料の場合、一般的に8.3ppm/℃程度)の熱膨張係数との差を縮小できるので、成形工程での加熱に伴う成形型と基板との間に生じる歪等を抑制でき、成形工程時の位置精度を向上できる。この場合、例えば貫通電極の形成時において基板上の所望の位置に貫通電極を配置できる。その結果、その後に形成される外部電極や引き回し電極等の電極膜と、貫通電極との導通を確保できる。
この構成によれば、カーボンは一般的に熱膨張係数がガラス材料に近いため、上述したように加熱に伴う成形型と基板との間に生じる歪等を抑制でき、成形工程時の位置精度を向上できる。
しかも、不活性ガス雰囲気下で成形工程を行うことで、カーボン製の成形型を用いた場合であっても、成形型の酸化を抑制できるので、成形型の基板との濡れ性の上昇を抑制し、成形型の離型性を維持できる。また、成形型の耐久性を向上させることができる。
さらに、カーボンを主成分とする材料は、材料コストが比較的安いため、安価な成形型を作成できる。さらに、カーボンを主成分とする材料は、加工が容易であるため、NCマシン等によって成形型を簡単、かつ高精度に形成できる。これにより、成形型の加工表面における平面度を確保できるため、加工表面に倣って成形される基板の平面度も確保できる。
この構成によれば、ボロンナイトライドを主成分とする材料は、耐酸化性に優れているため、大気雰囲気中で成形工程を行った場合でも、成形型の基板との濡れ性の上昇を抑制し、成形型の酸化を抑制できる。これにより、上述したように成形型の離型性を維持できる。また、成形型の耐久性を向上させるとともに、比較的高温での成形を行うことができる。
さらに、ボロンナイトライドを主成分とする材料は、機械加工性に優れているため、成形型の加工表面における平面度を確保することができ、加工表面に倣って成形される基板の平面度を確保できる。
この構成によれば、上述したように貫通電極形成基板の泡現象等の発生を抑制できるので、加熱成形後の貫通電極形成基板を所望の形状に維持できる。
しかも、熱膨張係数が4ppm/℃以上の材料により構成された成形型を用いた場合には、成形型と貫通電極形成基板との間の歪を抑制できるため、貫通電極形成基板をより高精度に成形できる。また、凹部を所望の位置に高精度に形成することができる。そして、このように形成された凹部内に芯材部を挿入することで、貫通電極を所望の位置に高精度に配置できる。
この構成によれば、上述したように貫通電極形成基板の泡現象等の発生を抑制できるので、溶着後の貫通電極形成基板を所望の形状に形成できる。
しかも、熱膨張係数が4ppm/℃以上の材料により構成された成形型を用いた場合には、成形型と貫通電極形成基板との間で発生する歪を抑制できる。これにより、貫通電極形成基板をさらに高精度に成形できる。また、成形型と貫通電極形成基板との間で発生する歪によって、成形型から芯材部へ作用する応力を低減できるので、貫通孔内の芯材部が成形型に引っ張られ、所望の位置から変位したり、倒れ込んだりすることを抑制できる。その結果、貫通電極形成基板上における貫通電極の位置精度を向上できるため、その後に形成される外部電極や引き回し電極等の電極膜と、貫通電極との導通を確保できる。
この構成によれば、上述したようにキャビティ形成基板の泡現象等の発生を抑制できるので、加熱成形後のキャビティ形成基板を所望の形状に形成できる。
しかも、熱膨張係数が4ppm/℃以上の材料により成形型を作成した場合には、成形型とキャビティ形成基板との間の歪を抑制できるため、キャビティを所望の位置に高精度に形成することができる。そのため、気密性に優れたパッケージを提供することができる。
この構成によれば、上記本発明のパッケージの製造方法を使用してパッケージを製造することで、基板内でのアウトガスの残存量を低減して、パッケージの気孔率を低減できるので、気密性に優れたパッケージを提供することができる。また、貫通電極の位置精度を向上できるので、キャビティの内部と外部との導通性に優れたパッケージを提供することができる。
この構成によれば、上記本発明の気密性に優れたパッケージを備えているので、振動特性に優れた信頼性の高い圧電振動子を製造することができる。
また、本発明に係る圧電振動子によれば、上記本発明のパッケージを備えているので、振動特性に優れた信頼性の高い圧電振動子を製造することができる。
本発明に係る発振器、電子機器及び電波時計においては、上記圧電振動子を備えているので、圧電振動子と同様に振動特性に優れた信頼性の高い製品を提供することができる。
(第1実施形態)
(圧電振動子)
次に、本発明の実施形態に係る圧電振動子を、図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係る圧電振動子の外観斜視図である。図2は、圧電振動子のリッド基板を取り外した状態の平面図である。図3は、図2のA−A線に沿う側面断面図である。図4は、圧電振動子の分解斜視図である。なお図4では、図面を見易くするために、後述する圧電振動片4の励振電極15、引き出し電極19,20、マウント電極16,17及び重り金属膜21の図示を省略している。
図1〜図4に示すように、本実施形態の圧電振動子1は、ベース基板2及びリッド基板3が接合膜35を介して陽極接合されたパッケージ9と、パッケージ9のキャビティCに収納された圧電振動片4と、を備えた表面実装型の圧電振動子1である。
図5〜図7に示すように、圧電振動片4は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。この圧電振動片4は、平行に配置された一対の振動腕部10,11と、該一対の振動腕部10,11の基端側を一体的に固定する基部12と、一対の振動腕部10,11の両主面上に形成された溝部18とを備えている。この溝部18は、該振動腕部10,11の長手方向に沿って振動腕部10,11の基端側から略中間付近まで形成されている。
ベース基板2の上面2a側(リッド基板3との接合面側)には、図1〜図4に示すように、一対の引き回し電極36,37がパターニングされている。各引き回し電極36,37は、例えば下層のCr膜及び上層のAu膜の積層体によって形成されている。
そして図3,図4に示すように、引き回し電極36,37の表面に、金等のバンプBを介して、上述した圧電振動片4のマウント電極16,17がバンプ接合されている。圧電振動片4は、ベース基板2の上面2aから振動腕部10,11を浮かせた状態で接合されている。
なお、貫通電極32,33が完成品として形成された場合には、上述したように芯材部28は、円錐台状でベース基板2の厚さと同じ厚さとなるように形成されているが、製造過程では、図8に示すように、芯材部28の一方の端部に連結された平板状の土台部29と共に鋲体27を形成している。すなわち、芯材部28は、延在方向が土台部29の厚さ方向に一致するように支持されている。また、芯材部28の厚さ(高さ)は、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ41(図10参照)の厚さよりも薄く形成されている。
土台部29及びベース基板用ウエハ41から突出した芯材部28の先端部は、製造過程において、研磨され除去されている。またベース基板2の下面2bには、図1,図3及び図4に示すように、一対の外部電極38,39が形成されている。一対の外部電極38,39は、ベース基板2の長手方向の両端部に形成され、一対の貫通電極32,33に対してそれぞれ電気的に接続されている。
次に上述した圧電振動子の製造方法について説明する。図9は、本実施形態に係る圧電振動子の製造方法のフローチャートである。図10はウエハ体の分解斜視図である。以下には、ベース基板用ウエハ(貫通電極形成基板)41とリッド基板用ウエハ(キャビティ形成基板)42との間に複数の圧電振動片4を封入してウエハ体43を形成し、ウエハ体43を切断することにより複数の圧電振動子1を同時に製造する方法について説明する。なお、図10以下の各図に示す破線Mは、切断工程で切断する切断線を図示したものである。
続いて、ベース基板用ウエハ41に貫通電極32,33を形成する貫通電極形成工程を行う(S10A)。
(貫通孔形成工程)
まず、ベース基板用ウエハ41を貫通するスルーホール(凹部)30,31を形成する(S12)。図12はベース基板用ウエハの断面図を示しており、貫通孔形成工程(凹部形成工程)を説明するための工程図である。なお、本明細書では、スルーホール30,31等、ベース基板用ウエハ41を厚さ方向に貫通する場合も含めて、ベース基板用ウエハ41の表面から窪んだ部位は凹部に含んでいる。
スルーホール30,31の形成は、図12に示すように、平板部52と平板部52の片面に形成された凸部53とを備えたカーボン材料からなるスルーホール形成用型(成形型)51で、ベース基板用ウエハ41を押圧しつつ加熱して行う。
凸部53は、ベース基板用ウエハ41を押圧する時に、ベース基板用ウエハ41を貫通してスルーホール30,31を形成する部材である。凸部53の側面には型抜き用のテーパーが形成され、凸部53の形状がスルーホール30,31に転写される。このとき、スルーホール30,31は、芯材部28の径よりも20〜30μm程大きい内径となるように形成される。なお、後の製造工程でベース基板用ウエハ41が芯材部28に溶着することで、スルーホール30,31は芯材部28に塞がれる。
その後、ベース基板用ウエハ41を徐々に温度を下げながら冷却する。
スルーホール形成用型51の開気孔率を14%以上にすることで、加熱成形時にベース基板用ウエハ41から放出されるアウトガスが、スルーホール形成用型51の開気孔内に入り込む。すなわち、スルーホール形成用型51の開気孔がベース基板用ウエハ41から放出されるアウトガスの逃げ場となり、ベース基板用ウエハ41内でのアウトガスの残存量を低減して、上述した泡現象の発生を抑制できる。したがって、加熱成形後のベース基板用ウエハ41の型崩れを抑制し、ベース基板用ウエハ41を所望の円板形状に維持することができる。
また、離型時にはスルーホール形成用型51の気孔内に存在するガスが、スルーホール形成用型51とベース基板用ウエハ41との間に入り込むため、加熱成形後のベース基板用ウエハ41がスルーホール形成用型51に接着し難くなり、スルーホール形成用型51の離型性を向上させることができる。そのため、ベース基板用ウエハ41の割れ等を防ぐとともに、製造効率を向上できる。なお、開気孔率とは、試料(スルーホール形成用型51)の外形容積を1とした場合、この中に占める開気孔部分の容積の百分比である(JIS R 1634)。
このような条件を満たす材料として、本実施形態のスルーホール形成用型51は、上述したようにカーボンを用いている。カーボンを主成分とする材料は、材料コストが比較的安いため、安価なスルーホール形成用型51を作成できる。さらに、カーボンを主成分とする材料は、加工が容易であるため、NCマシン等によってスルーホール形成用型51を簡単、かつ高精度形成できる。また、スルーホール形成用型51の加工表面における平面度(例えば、30μm以内)を確保できるため、加工表面に倣って成形されるベース基板用ウエハ41の平面度も確保することができる。
続いて、スルーホール30,31内に芯材部28を挿入する工程を行う(S13)。図13はベース基板用ウエハの断面図を示しており、芯材部挿入工程、溶着工程、及び研磨工程を説明するための工程図である。
図13(a)に示すように、ベース基板用ウエハ41を後述する溶着型61の加圧型63の上に設置して、スルーホール30,31内に鋲体27の芯材部28を上側から挿入し、鋲体27の土台部29とベース基板用ウエハ41とを接触させて、加圧型63と後述する溶着型61の受型62とでベース基板用ウエハ41及び鋲体27を挟み、図13(b)に示すように、上下反転させる。なお、芯材部28をスルーホール30,31に挿入する工程は、振り込み機を使用して行う。
このとき、土台部29は、スルーホール30,31の開口よりも大きく、開口を塞ぐことができる平面形状とする。芯材部28は土台部29と連結した鋲体27なので、スルーホール30,31に挿入しやすく作業性がよい。
続いて、ベース基板用ウエハ41を加熱し、芯材部28にベース基板用ウエハ41を溶着させる工程を行う(S14)。
溶着工程は、ベース基板用ウエハ41の下側に設置される受型62と、ベース基板用ウエハ41の上側に設置される加圧型63と、受型62と加圧型63の側方に設置される側板64と、を備えたカーボン材料からなる溶着型61にベース基板用ウエハ41を1枚ずつ設置し、ベース基板用ウエハ41を押圧しつつ加熱して行う。
受型62は、ベース基板用ウエハ41を保持する時にベース基板用ウエハ41の表面に接する受型平板部65と、土台部29に接して土台部29に相当する凹部の受型凹部66とを備えている。
受型凹部66は、ベース基板用ウエハ41に設置された鋲体27の土台部29の位置に合わせて形成されている。受型凹部66に土台部29がはめ込まれることで、受型62は鋲体27を保持できて、鋲体27が外れたり、芯材部28がずれたりすることを防ぐことができる。
加圧型63は、ベース基板用ウエハ41の上側を押圧する時に、ベース基板用ウエハ41に接する加圧型平板部67と、芯材部28の先端部が挿入される加圧型凹部68とを備えている。
芯材部28の先端部と加圧型凹部68の底部との間に隙間69があることにより、加熱による芯材部28の膨張を逃がすことができる。また、加圧型63でベース基板用ウエハ41押圧する時に、加圧型63から芯材部28へ圧力がかからず、芯材部28の変形や変位を防ぐことができる。
加圧型凹部68は、ベース基板用ウエハ41から突出する芯材部28の位置に合わせて形成されている。
溶着型61の開気孔率を14%以上にすることで、上述した泡現象の発生を抑制して、ベース基板用ウエハ41を所望の円板形状に維持することができるとともに、溶着型61の離型性を向上させることができる。
さらに、溶着型61の熱膨張係数を4ppm/℃以上にすることで、加熱に伴う溶着型61とベース基板用ウエハ41との間に生じる歪を抑制できる。これにより、ベース基板用ウエハ41を所望の厚みや外径に高精度に形成できる。また、溶着型61とベース基板用ウエハ41との間に生じる歪によって、溶着型61から鋲体27へ作用する応力を低減できるため、溶着型61の受型凹部66内にはめ込まれた土台部29が溶着型61に引っ張られ、鋲体27が所望の位置から変位したり、倒れ込んだりすることを抑制できる。これにより、ベース基板用ウエハ41上における貫通電極32,33の位置精度を向上できるため、貫通電極32,33に接続される外部電極38,39や引き回し電極36,37との導通性を確保することができる。
続いて、鋲体27の土台部29及び芯材部28の突出部分を研磨して除去する(S16)。
鋲体27の土台部29及び芯材部28の研磨は公知の方法で行う。そして、図13(d)に示すように、ベース基板用ウエハ41の表面と貫通電極32,33(芯材部28)の表面とが、略面一な状態となる。このようにして、ベース基板用ウエハ41に貫通電極32,33が形成される。なお、土台部29や芯材部28の突出した部分は除去せずに、そのまま使用してもよい。例えば、土台部29や芯材部28の突出した部分は放熱板などとして使用することができる。
その後、一対の貫通電極32,33にそれぞれ電気的に接続された一対の外部電極38,39を形成し、圧電振動子1の周波数を微調整する。そして、ウエハ体43を切断線Mに沿って個片化する切断工程を行い、内部の電気特性検査を行うことで圧電振動片4を収容した圧電振動子1が形成される。
この構成によれば、上述したように開気孔率を14%以上に設定することで、上述したようにベース基板用ウエハ41の泡現象の発生を抑制できるとともに、加熱成形後のスルーホール形成用型51及び溶着型61の離型性を向上できる。これにより、圧電振動子1の歩留まりを向上できる。また、ベース基板用ウエハ41でのアウトガスの残存量を低減して、ベース基板用ウエハ41の気孔率を下げることができるので、ベース基板用ウエハ41とリッド基板用ウエハ42の凹部3aが陽極接合されてなる圧電振動子1のキャビティCの気密性を確保することができる。よって、気密性に優れたパッケージ9を製造することができるので、振動特性に優れた信頼性の高い圧電振動子1を製造することができる。
ここで、本発明を、実施例を挙げて説明する。
本願発明者は、上述した凹部形成用型や溶着型に使用する材料を選定するために、組成の異なるカーボン(黒鉛)及びボロンナイトライド(BN)を複数種類類ずつ用意し、これら複数種類の材料毎にサンプル型を作成して、各サンプル型を用いてサンプルウエハに加熱成形を行った。なお、図示しないが、サンプルウエハには、上述したベース基板用ウエハと同様にソーダ石灰ガラスからなる円板状のウエハを用いている。また、サンプル型は、上述したスルーホール形成用型51と同様の構成からなり、サンプルウエハの一方の面側に配置されてサンプルウエハを保持する受型と、サンプルウエハの他方の面側に配置されてサンプルウエハにスルーホールを形成するための複数の凸部を有する押圧型とを有している。また、本試験の試験条件は、上述した貫通孔形成工程と同様に設定した。
一方、比較例1では、図14に示すように、サンプルウエハに泡現象が発生して、サンプルウエハを円板形状に維持することができなかった。これは、成形時の加熱によってサンプルウエハから放出されるアウトガスが型内に充満して、アウトガスの逃げ場がなくなりサンプルウエハ内に気泡となって残存したためと考えられる。
一方、比較例3,4では、比較例1と同様に、サンプルウエハを所望の形状に維持することができなかった(図14参照)。
このような結果から、サンプルウエハの外形寸法や、スルーホールの位置精度を向上させるためには、熱膨張係数がガラス材料に近い材料によりサンプル型を作成することが好ましく、具体的には熱膨張係数が4ppm/℃以上の材料を用いて作成することが好ましい。
表2は成形雰囲気または反応対象物の違いによる黒鉛の酸化反応開始温度を表している。
このことから、上述した貫通孔形成工程のように比較的高温で黒鉛製の型(スルーホール形成用型51)を用いる場合には、窒素等の不活性ガス雰囲気下で加工を行なうことが好ましい。一方、溶着工程のようにBN製の型(溶着型61)を用いる場合には、大気雰囲気下で加工を行なうことが可能である。一般的には、大気雰囲気下において600℃以上で加熱成形を行う場合に、BN製の型を使用することが好ましい。
一方、生産数量が小規模の場合等には、BNに代わり黒鉛により溶着型61を作成しても構わない。この場合、上述したように黒鉛は大気雰囲気中で酸化反応を起こす虞もあるが、BNに比べて材料コストが安いため、黒鉛製の溶着型61を用いて作成した圧電振動子の単価を、BN製の溶着型61を用いて作成した圧電振動子1の単価と同等に抑えることができる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明では、上述した第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図15に示すように、第2実施形態による圧電振動子201は、貫通電極32,33となる芯材部228が円錐台状に形成されていて、スルーホール230,231は、内周面がテーパー面である。
図16に示すように、芯材部228は、第1実施形態と同様に製造過程において土台部229と共に鋲体227を構成している。
また、スルーホール230,231は、製造工程においてまずベース基板用ウエハ41に凹部230a,231a(図18(b)参照)として形成される。そして、後の工程で凹部230a,231aの底部側のベース基板用ウエハ41が研磨されて除去され、図15に示すようにスルーホール230,231はベース基板用ウエハ41を貫通する貫通孔となる。
まず、図17に示すように、後にベース基板2となるベース基板用ウエハ41を製作する工程を行う(S20)。具体的に、第1実施形態と同様にベース基板用ウエハ41を製作し(S21)、続いてベース基板用ウエハ41に貫通電極32,33を形成する貫通電極形成工程を行う(S20A)。
次に、ベース基板用ウエハ41に凹部230a,231aを形成する。図18はベース基板用ウエハの断面図を示しており、凹部形成工程を説明するための工程図である。
凹部230a,231aの形成は、図18に示すように、カーボンを主成分とする材料等からなる凹部形成用型(成形型)251でベース基板用ウエハ41を押圧しつつ加熱して行う。
凹部形成工程は、第1実施形態のようにベース基板用ウエハ41貫通するスルーホール30,31(図12(b)参照)を形成しなくてよいので、第1実施形態による貫通孔形成工程と比べて容易に行うことができる。
続いて、凹部230a,231aに芯材部228を挿入する工程を行う(S23)。図19は、ベース基板用ウエハの断面図を示しており、芯材部挿入工程及び後述する溶着工程を説明するための工程図である。
図19に示すように、凹部230a,231aが上面となるようにベース基板用ウエハ41を設置し、上方から芯材部228を挿入し、土台部229とベース基板用ウエハ41とを接触させる。このとき、芯材部228が円錐台状であると共に、凹部230a,231aにテーパー面が形成されているので、芯材部228の挿入が行いやすい。
続いて、側板64、加圧型263及び受型262を有する溶着型261を用いて、ベース基板用ウエハ41を芯材部228に溶着させる工程を行う(S24)。具体的には、鋲体227が挿入されたベース基板用ウエハ41の上側に加圧型263を設置する。加圧型263には、鋲体227の土台部229に相当する加圧型凹部268が形成されていて、この加圧型凹部268に土台部229が挿入される。土台部229と加圧型凹部268の底部とは離間しておらず、溶着工程の加圧時に土台部229は加圧型263から押圧される。
そして、ベース基板用ウエハ41の下側に、平板状の受型262を設置し、ベース基板用ウエハ41を保持する。溶着型261は、第1実施形態による溶着型61(図13参照)と同様にボロンナイトライドを主成分とする材料等で形成されている。
続いて、第2実施形態と同様に、図19(c)に示す鋲体227の土台部229を研磨して除去する(S26)。
また、土台部研磨工程と前後して、ベース基板用ウエハ41を研磨して凹部230a,231aを貫通孔にする(S27)。ベース基板用ウエハ研磨工程では、凹部230a,231aの底部側のベース基板用ウエハ41を公知の方法で研磨する。そして、図18(d)に示すように、凹部230a,231aを貫通させスルーホール230,231とし、ベース基板用ウエハ41から芯材部228の端部を露出させる。
また、芯材部228が円錐台状であり、凹部230a,231aにテーパー面が形成されているので、凹部230a,231aに芯材部228を挿入しやすい。
また、凹部230a,231aは、テーパーが形成された形状なので、凹部形成工程において凹部形成用型251の型離れがよい。
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図20を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図20に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上記集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図21を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。
始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図22を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図22に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。 本実施形態における圧電振動子1は、上記搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
上述した実施形態では、スルーホール形成用型51によりベース基板用ウエハ41を加熱成形することでスルーホール30,31を形成しているが、他にサンドブラスト法などでベース基板用ウエハ41にスルーホール30,31を形成してもよい。
また、スルーホール30,31内に芯材部28を挿入した後、ガラスフリットを充填し、ガラスフリットを焼成することで貫通電極を形成しても構わない。
具体的には、図23(a)に示すように、リッド基板用ウエハ42を上下(図23中上下方向)から挟み込むように、キャビティ形成用型(成形型)151を配置する。キャビティ形成用型151は、リッド基板用ウエハ42の下側に配置された平板部152、及び平板部152の片面に形成されて凹部3aに相当する凸部153を備えた押圧型154と、リッド基板用ウエハ42の上側に配置された受型155とを備えている。なお、キャビティ形成用型151は、開気孔率が14%以上のカーボンやボロンナイトライド等により構成されている。
Claims (7)
- 互いに接合されたガラス材料からなる複数の基板と、
前記複数の基板の内側に形成された電子部品を封入可能なキャビティとを備えたパッケージの製造方法であって、
前記基板を成形型で押圧しつつ加熱して成形する成形工程を有し、
前記成形型は開気孔率が14%以上の材料で構成されていることを特徴とするパッケージの製造方法。 - 前記成形型は、熱膨張係数が4ppm/℃以上の材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載のパッケージの製造方法。
- 前記成形工程は不活性ガス雰囲気下で行い、前記成形型はカーボンを主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパッケージの製造方法。
- 前記成形工程は大気雰囲気下で行い、前記成形型はボロンナイトライドを主成分とする材料からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のパッケージの製造方法。
- 前記キャビティの内部と前記複数の基板の外側とを導通させる貫通電極を形成する貫通電極形成工程を有し、
前記貫通電極形成工程は、
前記複数の基板のうち、貫通電極形成基板の厚さ方向に沿う凹部を形成する凹部形成工程と、
前記貫通電極形成基板の前記凹部内に、導電材料で形成された芯材部を挿入する芯材部配置工程とを有し、
前記成形工程は、前記凹部形成工程において、前記凹部に相当する凸部を有する前記成形型で前記貫通電極形成基板を押圧しつつ、加熱することにより前記凹部を形成する工程であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のパッケージの製造方法。 - 前記貫通電極形成工程は、前記芯材部配置工程の後段で、前記貫通電極形成基板を前記芯材部に溶着させる溶着工程を有し、
前記成形工程は、前記溶着工程において、前記貫通電極形成基板を前記成形型で押圧しつつ、加熱することにより、前記貫通電極形成基板を前記芯材部に溶着させる工程であることを特徴とする請求項5記載のパッケージの製造方法。 - 前記複数の基板のうち、キャビティ形成基板に対して、前記キャビティを形成するキャビティ形成工程を有し、
前記成形工程は、前記キャビティ形成工程において、前記キャビティに相当する凸部を有する前記成形型で前記キャビティ形成基板を押圧しつつ、加熱することにより前記キャビティを形成する工程であることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のパッケージの製造方法。
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