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JP5469155B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、空気入りタイヤの製造方法、特に、インナーライナーの成形方法に関し、カーカスプライなどの未加硫ゴムシートとインナーライナーとの積層体を製造して生タイヤを成形する工程を含む空気入りタイヤの製造方法に関する。
近年、車の低燃費化に対する強い社会的要請から、タイヤの軽量化が図られており、タイヤ部材のなかでも、タイヤの内部に配され、空気入りタイヤ内部から外部への空気の漏れを低減することが要請されるインナーライナーにおいても、その軽量化が求められている。
現在、空気遮断層用ゴム組成物は、たとえばブチルゴム70〜100質量%および天然ゴム30〜0質量%を含むブチルゴムを主体とするゴム配合を使用することで、タイヤの耐空気透過性を向上させることが行われている。また、ブチルゴムを主体とするゴム配合はブチレン以外に約1質量%のイソプレンを含み、これが硫黄・加硫促進剤・亜鉛華と相俟って、隣接ゴム層との分子間の共架橋を可能にしている。上記ブチル系ゴムは、通常の配合では乗用車用タイヤでは0.6〜1.0mm、トラック・バス用タイヤでは1.0〜2.0mm程度の厚みが必要となるが、タイヤの軽量化を図るために、ブチル系ゴムより耐空気透過性に優れ、空気遮断層の厚みをより薄くできるポリマーが要請されている。
空気入りタイヤの生タイヤの成形において、図7に示すように、インナーライナーPをドラム5A上で成形する際に、インナーライナーフィルムP2を、コンベア上で、未加硫インナーライナーゴムP1に、長手方向の両端縁位置を揃えて予め貼着させて積層体とし、該積層体のインナーライナーフィルムP2を内面側として、バンド上に、その全周にわたって巻き付けて、積層体の両端部を、周上の一個所で重複させて接合部PJを形成し、その後、ステッチングローラーを用いて、その積層体の接合部PJを押し付けてエアー抜きを行うのが一般的である。
かかる技術では、インナーライナーフィルムP2と、未加硫インナーライナーゴムP1とをドラム上に巻き付けるにあたって、それらの長手方向の両端縁位置を揃えて予め貼着させることから、その積層体の両端部の、ドラム上での重複接合に際し、ドラム5A上の周上に形成される接合部PJの厚みが必然的に厚くなる。このため接合部PJにステッチングローラーを施しても接合部PJ間にエアーが残留することがあり、その残留エアーが生タイヤの加硫成型によって膨張すると、積層体Pの接合部PJが剥離する虞があった。
しかも、この技術では積層体Pの端部がドラム5Aの周上の一個所で接合部を形成するため、成形された生タイヤのインナーライナーの接合部に剥離が生じた場合は、隣接するカーカスプライの損傷を招来することがある。
従来技術において、空気入りタイヤの軽量化を意図して、インナーライナーに熱可塑性エラストマーを用いることが提案されている。しかしブチル系ゴムのインナーライナーよりも薄くし、高い耐空気透過性を有する材料は、インナーライナーに隣接するインスレーションゴムやカーカスプライゴムとの加硫接着力がブチル系ゴムのインナーライナーよりも劣ることになる。
特にインナーライナーの接合部において接着力が弱いと、走行中に接合部が剥離しタイヤ内圧が低下し、タイヤのバーストを招来することがある。また前記接合部は他部材が内面に露出する構造となるため、エアー漏れの経路となり、タイヤ内圧低下を生じやすくなる。
特許文献1(特開2009−208444号公報)には、インナーライナーフィルムと未加硫ゴムシートを、延在方向の両端を相互にずらした状態で貼り付け、この粘着体をドラム上に巻いて未加硫タイヤを成形する技術が開示されている。
しかし、延在方向の両端を相互にずらすためには、それぞれ部材を1枚ずつ定寸カットし、個別にずらして張り合わせなければならないため、生産性が低下する可能性がある。また貼り合わせ方法によっては、精度が悪くなり、フィルム間にエアーが溜まることによってタイヤ加硫時に損傷を与えることになる。
また特許文献2(特開2010−13646号公報)には、熱可塑性エラストマーであるSIBSに粘着付与剤として石油樹脂、テルペン樹脂を用いて接着力を向上することが提案されている。しかしSIBSのほかにポリアミド系ポリマーをブレンドしており、耐屈曲亀裂性が低下するという問題がある。
また特許文献3(特開2010−100675号公報)には、SIBSと硫黄架橋可能な重合体のブレンド物に粘着付与剤として、天然ロジン、テルペン、クロマンインデン樹脂、石油樹脂またはアルキルフェノール樹脂などを用いて、カーカスプライゴムの接着性を向上することが提案されている。
しかしSIBSの100重量部に対して硫黄加硫可能な重合体を10〜300重量部ブレンドする技術では、硫黄架橋可能な重合体が100重量部以下の場合、SIBSがマトリックス(海部分)で、硫黄架橋可能な重合体がドメイン構造(島部分)となり、カーカスゴムへの接触界面での接着力が向上しない。また硫黄架橋可能な重合体が100重量部以上の場合、ブチルゴム以外ではガスバリア性が低下し、ブチルゴムでは接着力が低下し、更にはブレンドする重合体によっては、粘着が高くなり厚さ600μm以下のフィルムを作製できないという問題がある。
特開2009−208444号公報 特開2010−13646号公報 特開2010−100675号公報
本発明はインナーライナーとカーカスプライなどの未加硫ゴムシートとの積層体を成形ドラム上に巻きつけてタイヤを成形する際に、ドラムの周上のインナーライナーおよび未加硫ゴムシーとの接合部での厚さの均一性を高め、エアーの残留を防止しインナーライナーおよびカーカスプライの接合部の剥離も有効に軽減する。そして転がり抵抗性、静的空気圧低下率さらにユニフォミティに優れた空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
本発明はインナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法において、生タイヤの成形は、
(a)インナーライナーの幅方向端部と未加硫ゴムシートの幅方向端部を幅方向に相互に50mm〜500mmずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程と、
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程と、
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラムの周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、インナーライナーの端部と、未加硫ゴムシートの端部の位置を一定距離ずらして接合する接合工程を有し、
前記インナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記未加硫ゴムシートと接するように配置される第2層の複合層で構成されており、
前記第1層および前記第2層の少なくともいずれかは、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(A)と芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなり、少なくとも1つのブロックがβ−ピネンを含むイソブチレン系変性共重合体を含むエラストマー組成物からなる前記空気入りタイヤの製造方法に関する。
前記アッセンブル工程において、インナーライナーの幅と未加硫ゴムシートの幅は異なっており、それらの幅方向の両端部が相互に重複しないように幅方向にずらして貼り合わされることができる。
また前記第1層のエラストマー組成物は、イソブチレン系変性共重合体を、エラストマー成分全体の10〜100質量%含み、前記第2層のエラストマー組成物は、イソブチレン系変性共重合体を、エラストマー成分全体の5〜80質量%含むことが好ましい。
そして前記イブチレン系変性共重合体中のβ−ピネンの含有量は0.5〜25質量%であることが好ましい。
さらに前記イソブチレン系変性共重合体は重量平均分子量が30,000〜400,000であり、分子量分布(Mw/Mn)の値が1.3以下であり、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体またはスチレン−イソブチレンブロック共重合体のスチレンブロックにβ−ピネンが含まれていることが好ましい。
本発明の製造方法ではイソブチレン系変性共重合体を用いたインナーライナーを、未加硫ゴムシートとを幅方向に相互にずらして積層し、その積層体をインナーライナーが内面側となるようにしてドラム上に、その全周にわたって巻き付けられる。そしてインナーライナーおよび未加硫ゴムシートのそれぞれの端部を、ドラムの周方向に相互に離隔した位置で接合させることにより、インナーライナーの接合部と未加硫ゴムシートの接合部における厚みの段差を緩和させることができる。そしてステッチングに際して、それらの接合部のエアーを確実に除去することができ残留エアーに起因する接合部の剥離を軽減できる。
また成形されたインナーライナーとカーカスプライなどの未加硫ゴムシートとは相互には円周方向に隔離した接合部が形成されることになることから、カーカスプライの接合部に剥離が生じても、インナーライナーによって該剥離部分は補強されるため、製品タイヤの損傷および破損は緩和されることになる。
そしてカーカスプライの接合部が剥離した場合のインナーライナーによる補強効果は高くなり、一方、インナーライナーの接合部が剥離した場合のカーカスプライによる補強効果は高くなる。
アッセンブル工程を示す概略図である。 アッセンブル工程の概略を示す斜視図である。 裁断工程を示す概略図である。 (a)は、裁断シートの断面図、(b)は裁断シートをドラムに巻き付ける状態を示す概略図である。 裁断工程を示す概略図である。 (a)は、裁断シートの断面図、(b)は裁断シートをドラムに巻き付ける状態を示す概略図である。 従来のインナーライナーの成形方法の概略図である。 空気入りタイヤの概略断面図である。 複合層とカーカスプライの配置状態を示す概略断面図である。
本発明はインナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法であって、該製造方法は、以下の生タイヤの成形工程で行われる。
(a)インナーライナーの幅方向端部と未加硫ゴムシートの幅方向端部を、幅方向に相互に50mm〜500mmの範囲で、ずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程。
(b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程。
(c)前記裁断シートを、その裁断面がドラム周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、インナーライナーの端部と、未加硫ゴムシートの端部の位置を一定距離ずらして接合する接合工程。
ここで、本発明の空気入りタイヤの製造方法について図を参照して説明する。
実施の形態1
<アッセンブル工程>
図1はアッセンブル工程を示す横方向概略図であり、図2はアッセンブル工程を示す斜視概略図である。図1および図2において、フィルム状のインナーライナー2は離型紙で被覆された状態で、保管ロールR1から第1駆動ローラR2を介して矢印方向に送られて剥離ローラR3,R4において離型紙と分離される。そして、インナーライナー2は、一対のカレンダーロールR7に送られる。
一方、未加硫ゴムシート3は、第2駆動ローラR6を介して、一対のカレンダーロールR7に送られる。ここでインナーライナー2と未加硫ゴムシート3は貼合されて積層体1が製造される。積層体1は、巻取ロールR8に巻き取られて一時保管されるか、若しくは、連続的にその後の裁断工程に送られる。ここで、インナーライナー2と未加硫ゴムシート3は、実質的に同じ幅のものが使用されており、これらの両端の位置は相互に、ずらされており、ずらし距離(量)Lが形成されている。
ここでずらし距離(量)Lは、50mm〜500mmの範囲、好ましくは100mm〜300mmの範囲で調製される。ずらし距離(量)Lが、50mmより小さい場合には、未加硫ゴムシートの接合部とインナーライナーの接合部の間隔が狭くなり、接合部での接着不良が生じやすいからである。一方、ずらし距離(量)Lが500mmを超えると、ドラム上でのタイヤ成形が困難となる。
なお、インナーライナーは、イソブチレン系変性共重合体を主成分として含むエラストマー組成物よりなり、厚さが0.05mm〜0.6mmであるポリマーシートの単一層とする場合のほか、該ポリマーシートの第1層と、未加硫ゴムシート側に配置され、熱可塑性エラストマーよりなり厚さが0.01mm〜0.3mmである第2層の複合層で構成されている。またインナーライナーの幅は、タイヤサイズによって調整される。
本発明では、インナーライナーと未加硫ゴムシートはロールを用いて圧着されるため、空気溜まりがなく、確実に密着させることができ、また効率的で生産性が良い。
<裁断工程>
図3は裁断工程を示す斜視概略図である。積層体1はベルトコンベヤによって裁断機に、巻取ロールR8から送られるか、もしくはアッセンブル工程から連続的に送られる。積層体1は、タイヤのサイズに応じて長手方向に所定の長さで裁断され、裁断シート4を製造する。なお積層体の裁断はナイフカットなどの従来の方法が採用できる。この裁断シート4の、裁断方向がドラムの円周方向に、長手方向の裁断長さがドラム5の幅方向に対応することになる。またインナーライナーの裁断長さはタイヤサイズによって、適宜、調整される。
<接合工程>
図4は、裁断シートの接合工程を示す概略図である。ここで図4(a)は、裁断シート4の断面図であり、図4(b)は、裁断シート4をドラム5上に巻きつけ方法を示す概略図である。インナーライナー2がドラム5の表面に隣接するように積層体を巻きつける。ここでインナーライナーの端部2a,2bが相互に接合されて接合部を形成する位置と、未加硫ゴムシートの端部3a,3bが相互に接合されて接合部を形成する位置は、相互にオフセットされている。
<タイヤの成形・加硫工程>
前述の如く接合工程において、インナーライナーと未加硫カーカスプライの積層体を製造し、これをドラム状で円筒状に形成する。接合工程の後、ドラム両端に位置する積層体の両端部分をビードコアの周りに巻き返した後、ビードコア同士の間隔を狭めながらインナーライナーと未加硫のカーカスプライの積層体の中央部を膨出変形させる。この作動に伴って積層体の中央部分に、ベルト部材、トレッドゴム等を貼着し、さらにサイドウォール、ビードエーペックスなどの他のゴム部材をも貼り付けて生タイヤを成形する。このように成形された生タイヤを金型に投入して、従来の方法で加硫することで製品タイヤを製造することができる。
実施の形態2
実施の形態2では、インナーライナー2の幅W2は、未加硫ゴムシート3の幅W1よりも広く形成される。
<裁断工程>
図5は裁断工程を示す概略図である。積層体1はベルトコンベヤによって裁断機に巻取ロールR8から送られるか、もしくはアッセンブル工程から連続的に送られる。積層体1はタイヤのサイズに応じて長手方向に所定の長さで裁断されて裁断シート4が製造される。なお積層体の裁断はナイフカットなどの従来の技術が採用できる。この裁断シート4の裁断方向がドラムの円周方向に、一方、長手方向の裁断長さがドラム5の幅方向に対応することになる。
<接合工程>
図6(a)は、裁断シートの断面図、図6(b)は裁断シートをドラムに巻き付ける状態を示す概略図である。ここでドラム5の上にインナーライナー2が接するように巻きつけられ、その両端2a、2bは重複するようにして接合部を形成する。その上にインスレーションなどの未加硫ゴムシート3の両端3a、3bを接合するには、未加硫ゴム片6が用いられる。この場合に接合部は2ヶ所形成されるが、前記インナーライナーとの接合部位置とはオフセットされている。
<インナーライナー>
本発明の実施の形態1、2において使用されるインナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記カーカスプライのゴム層と接して配置される第2層の複合層で構成されている。そして前記第1層および第2層のいずれかは、イソブチレン系変性共重合体を含んでいるエラストマー組成物で構成されている。
<イソブチレン系変性共重合体>
本発明において、イソブチレン系変性共重合体とは、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(A)と芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなるイソブチレン系変性共重合体であって、少なくとも1つのブロックがβ−ピネンを含むランダム共重合体である。
ここでイソブチレン系変性共重合体は、典型的には、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBSまたはスチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)のスチレンブロックにβ―ピネンが含まれている共重合体である。
イソブチレンを主成分とする重合体ブロック(A)は、ソフトセグメントがイソブチレンに由来するユニットが80質量%以上から構成される重合体ブロックである。かかる重合体ブロックは、単量体成分として、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、アセナフチレン等を用いて製造できる。
一方、芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)は、ハードセグメント
が芳香族ビニル系化合物に由来するユニットが80質量%以上から構成される重合体ブロックである。
芳香族ビニル系化合物としては、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、t−ブチルスチレン、メトキシスチレン、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレンなどが例示される。特にコストの観点から、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
本発明のイソブチレン系変性共重合体は重合体ブロック(A)、(B)のうち少なくとも一つのブロックがβ−ピネンとのランダム共重合体である。低温特性の観点からは芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)に共重合していることが好ましい。
一方、接着性の観点からはイソブチレンを主体とする重合体ブロック(A)に共重合しているのが好ましい。この場合、β−ピネンの含有量はイソブチレン系変性共重合体の0.5〜25質量%が好ましく、2〜25質量%がさらに好ましい。β−ピネンの含有量が0.5質量%を未満の場合には接着性が十分でなく、25質量%を超えると脆くなり、ゴム弾性が低下する傾向にある。
本発明のイソブチレン系変性共重合体の構造には特に制限はなく、直鎖状、分岐状、スター状の分子鎖構造を有するブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。物性バランス及び成形加工性の点から、重合体ブロック(A)、(B)がジブロック共重合体((A)−(B))、トリブロック共重合体((B)−(A)−(B))の構造が採用できる。これらは所望の物性・成形加工性を得る為に、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
またイソブチレン系変性共重合体の分子量は、流動性、成形加工性、ゴム弾性等の面から、GPC測定による重量平均分子量で30,000〜300,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が30,000よりも低い場合には機械的な物性が十分に発現されない傾向があり、一方300,000を超える場合には流動性、加工性が悪化する傾向がある。さらには加工安定性の観点からイソブチレン系変性共重合体の分子量分布の値(重量平均分子量/数平均分子量)が1.3以下であることが好ましい。
<イソブチレン系変性共重合体の製造方法>
イソブチレン系変性共重合体の製造方法は、例えば、特開2010−195969号公報に開示されている。例えば、次の一般式(I)で表される重合開始剤の存在下に、前記単量体成分を重合させて製造できる。
(CR12X)3 (1)
(式中Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基またはアシロキシ基から選ばれる置換基、R1、R2はそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の1価炭化水素基でR1、R2は同一であっても異なっていても良く、R3は一価若しくは多価芳香族炭化水素基または一価若しくは多価脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。)
上記一般式(1)で表わされる化合物は開始剤となるものでルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になる。上記一般式(1)の化合物の例として、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C64(C(CH32Cl)2]、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH32363]が例示される。
イソブチレン系変性共重合体を製造する際には、さらにルイス酸触媒を共存させることもできる。ルイス酸としては、カチオン重合に使用できるもので、例えばTiCl4、TiBr4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、ZnBr2、AlCl3等の金属ハロゲン化物;Et2AlCl、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物が使用できる。前記ルイス酸は、一般式(1)で示される化合物に対して0.1〜100モル当量使用することができる。
また、イソブチレン系変性共重合体の製造に際しては、電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類またはスルホキシド類がある。
イソブチレン系変性共重合体の重合は有機溶媒中で行うことができ、ここで有機溶媒はカチオン重合を阻害しないものが使用できる。たとえば塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等のアルキルベンゼン類、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の直鎖式脂肪族炭化水素類、2−メチルプロパン、2−メチルブタン等の分岐式脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類などが使用できる。
上記有機溶媒の量は、生成する共重合体溶液の粘度調整および放熱性の観点から、共重合体の濃度が5〜40質量%となるように調整される。なお共重合反応は、−20℃〜−70℃の範囲が好ましい。
<第1層のエラストマー組成物>
本発明において、インナーライナーの第1層に用いられるエラストマー組成物のエラストマー成分は、イソブチレン系変性共重合体単独または、他のエラストマー成分との混合物で構成される。
イソブチレン系変性共重合体は、エラストマー成分全体の10〜100質量%、好ましくは30〜100質量%の範囲である。イソブチレン系変性共重合体が、10質量%未満の場合は、第2層との加硫接着力が低下する可能性がある。
前記エラストマー成分として、熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。ここでスチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてスチレンブロックを含む共重合体をいう。例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)がある。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーは、その分子構造において、エポキシ基を有してもよく、例えば、ダイセル化学工業(株)社製、エポフレンドA1020(重量平均分子量が10万、エポキシ当量が500)のエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(エポキシ化SBS)が使用できる。なおスチレン系熱可塑性エラストマーのうち、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体が好適に使用される。
第1層のエラストマー成分としてゴム成分を混合することができる。ゴム成分の混合によって、隣接するカーカスプライとの未加硫状態での粘着性を付与し、加硫によりカーカスプライやインスレーションとの加硫接着性を高めることができる。
ゴム成分は天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴムおよびブチルゴムよりなる群から選択される少なくとも1種を含みことが好ましい。ゴム成分の配合量は、熱可塑性エポリマー成分100質量部に対し、5〜20質量%の範囲が好ましい。
第1層の厚さは、0.05〜0.6mmである。第1層の厚さが0.05mm未満であると、ポリマー積層体をインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、第1層がプレス圧力で破れてしまい、得られたタイヤにおいてエアーリーク現象が生じる虞がある。一方、第1層の厚さが0.6mmを超えるとタイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する。第1層の厚さは、さらに0.05〜0.4mmであることが好ましい。第1層は、SIBSを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
<第2層のエラストマー組成物>
本発明において、インナーライナーの第2層に用いられるエラストマー組成物のエラストマー成分は、イソブチレン系変性共重合体と他のエラストマー成分との混合物で構成される。
イソブチレン系変性共重合体は、エラストマー成分全体の5〜80質量%、好ましくは10〜60質量%の範囲である。イソブチレン系変性共重合体が、5質量%未満の場合は、第1層との加硫接着力が低下する可能性があり、80質量%を超えるとカーカスプライとの加硫接着が低下する可能性がある。
第2層に用いられるエラストマー組成物のエラストマー成分として、熱可塑性エラストマー、特にスチレン系熱可塑性エラストマーが好適に用いられる。スチレン系熱可塑性エラストマーとして、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)がある。
特に、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)およびスチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)の少なくともいずれかを含む熱可塑性エラストマー組成物が好ましい。
第2層に用いられる前記スチレン系熱可塑性エラストマーのうち、特にSISおよびSIBが好適である。スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SIS)のイソプレンブロックはソフトセグメントであるため、SISからなるポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SISからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスプライのゴム層との接着性に優れているため、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
前記SISの分子量はゴム弾性および成形性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が100,000〜290,000であることが好ましい。重量平均分子量が100,000未満であると引張強度が低下するおそれがあり、290,000を超えると押出加工性が悪くなるため好ましくない。SIS中のスチレン成分の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10〜30質量%が好ましい。
本発明において、SISにおける、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からイソプレンでは500〜5,000程度、またスチレンでは50〜1,500程度であることが好ましい。
前記SISは、一般的なビニル系化合物の重合法により得ることができ、例えば、リビングカチオン重合法により得ることができる。SIS層は、SISを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化して得ることができる。
スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)のイソブチレンブロックはソフトセグメントであるため、SIBからなるポリマーフィルムはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SIBからなるポリマーフィルムをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
SIBとしては、直鎖状のものを用いることがゴム弾性および接着性の観点から好ましい。SIBの分子量は特に制限はないが、ゴム弾性および成形性の観点から、GPC測定による重量平均分子量が40,000〜120,000であることが好ましい。重量平均分子量が40,000未満であると引張強度が低下するおそれがあり、120,000を超えると押出加工性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。
SIB中のスチレン成分の含有量は、粘着性、接着性およびゴム弾性の観点から10〜35質量%であることが好ましい。本発明において、SIBにおける、各ブロックの重合度は、ゴム弾性と取り扱いの観点からイソブチレンでは300〜3,000程度、またスチレンでは10〜1,500程度であることが好ましい。
前記SIBは、一般的なビニル系化合物のリビング重合法により得ることができ、例えば、攪拌機にメチルシクロヘキサン、n−ブチルクロライド、クミルクロライドを加え、−70℃に冷却した後、2時間反応させ、その後に大量のメタノールを添加して反応を停止させ、60℃で真空乾燥してSIBを得る製造方法が開示されている。
SIB層は、SIBを押出成形またはカレンダー成形などのスチレン系熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によって成型できる。
第2層の厚さは、0.01mm〜0.3mmが好ましい。ここで第2層の厚さとは、例えば第2層がSIS層、SIBなどの1層のみからなる場合は、その厚さをいう。一方、第2層が例えば、SIS層およびSIB層などを含む2層あるいは第3層の場合は、これらの合計の厚さを意味する。第2層の厚さが0.01mm未満であると、ポリマー積層体をインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、第2層がプレス圧力で破れてしまい、加硫接着力が低下する虞がある。一方、第2層の厚さが0.3mmを超えるとタイヤ重量が増加し低燃費性能が低下する可能性がある。第2層の厚さは、さらに0.05〜0.2mmであることが好ましい。
また、スチレン系熱可塑性エラストマーは、その分子構造において、エポキシ基を有してもよく、例えば、ダイセル化学工業(株)社製、エポフレンドA1020(重量平均分子量が10万、エポキシ当量が500)のエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(エポキシ化SBS)も使用できる。
<SIBS混合物>
前記第1層および前記第2層の少なくともいずれかをSISとSIBSの混合物、またはSIBとSIBSの混合物とすることができる。この場合はSIBSの混合量はエラストマー成分の10〜80質量%、好ましくは30〜70質量%の範囲で調整される。SIBSが10質量%より少ないと第1層との接着性が低下し、SIBSが80質量%を超えるとカーカスプライとの接着性が低下する傾向がある。
<粘着付与剤>
本発明において、前記第1層及び第2層の少なくともいずれかは、エラストマー成分100質量部に対し、粘着付与剤が0.1〜100質量部は配合される。ここで粘着付与剤とは、エラストマー組成物の粘着性を増進するための配合剤をいい、例えば次の粘着付与剤が例示される。
典型的には、C9石油樹脂、C5石油樹脂がある。ここでC9石油樹脂は、ナフサを熱分解して、エチレン、プロピレン、ブタジエンなどの有用な化合物を得ているが、それらを取り去った残りのC5〜C9留分(主としてC9留分)を混合状態のまま重合して得られた芳香族石油樹脂である。例えば、商品名として、アルコンP70、P90、P100、P125、P140、M90、M100、M115、M135(いずれも、荒川化学工業(株)社製、軟化点70〜145℃)、またアイマーブS100、S110、P100、P125、P140(いずれも出光石油化学(株)製、芳香族共重合系水添石油樹脂、軟化点100〜140℃、重量平均分子量700〜900、臭素価2.0〜6.0g/100g)、さらに、ペトコールXL(東ソー(株)製)がある。
またC5石油樹脂とは、ナフサを熱分解して、エチレン、プロピレンやブタジエンなどの有用な化合物を得ているが、それらを取り去った残りのC4〜C5留分(主としてC5留分)を混合状態のまま重合して、得られた脂肪族石油樹脂である。商品名として、ハイレッツG100(三井石油化学(株)製、軟化点が100℃)、またマルカレッツT100AS(丸善石油(株)製、軟化点100℃)、さらにエスコレッツ1102(トーネックス(株)製、軟化点が110℃)がある。
テルペン樹脂は、例えば、商品名として、YSレジンPX800N、PX1000、PX1150、PX1250、PXN1150N、クリアロンP85、P105、P115、P125、P135、P150、M105、M115、K100(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点は75〜160℃)がある。
芳香族変性テルペン樹脂は、例えば、商品名として、YSレジンTO85、TO105、TO115、TO125(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点75〜165℃)がある。
テルペンフェノール樹脂は、例えば商品名として、タマノル803L、901(荒川化学工業(株)製、軟化点120℃〜160℃)、またYSポリスターU115、U130、T80、T100、T115、T145、T160(いずれもヤスハラケミカル(株)製、軟化点75〜165℃)がある。
クマロン樹脂は、例えば、軟化点90℃のクマロン樹脂(神戸油化学工業(株)製)がある。クマロンインデンオイルは、例えば商品名として、15E(神戸油化学工業(株)製、流動点15℃)がある。
ロジンエステルは、例えば商品名として、エステルガムAAL、A、AAV、105、AT、H、HP、HD(いずれも荒川化学工業(株)製、軟化点68℃〜110℃)、またハリエスターTF、S、C、DS70L、DS90、DS130(いずれもハリマ化成(株)製、軟化点68℃〜138℃)がある。
水添ロジンエステルは、例えば商品名として、スーパーエステルA75、A100、A115、A125(いずれも荒川化学工業(株)製、軟化点70℃〜130℃)がある。アルキルフェノール樹脂は、例えば商品名として、タマノル510(荒川化学工業(株)製、軟化点75℃〜95℃)がある。DCPDは、商品名として、エスコレッツ5300(トーネックス(株)製、軟化点105℃)がある。
粘着付与剤は、C9石油樹脂の完全水添系石油樹脂がSIBと相溶性がよく、またガスバリア性も低下することなく、接着性を高めることができる。また粘度も下げる効果もあり、フィルム押出成形にも有利に使用できる。
前記粘着付与剤は、第1層の熱可塑性エラストマー100質量部に対して、0.1〜100質量部、好ましくは、1〜50質量部の範囲で配合される。粘着付与剤が0.1質量部未満の場合は、第2層との加硫接着力が十分でなく、一方、100質量部を超えると粘着性が高くなりすぎて、加工性、生産性を低下し、更にガスバリア性が低下することになる。
第2層は、タイヤ内側の第1層とカーカスプライの間に配置され、これら両者との接着性が要求される。そこで前記粘着付与剤は、第2層の熱可塑性エラストマー100質量部に対して、0.1〜100質量部、好ましくは、1〜50質量部の範囲で配合される。粘着付与剤が0.1質量部未満の場合は、第1層との加硫接着力が十分でなく、一方、100質量部を超えると粘着性が高くなりすぎて、加工性、生産性を低下し、更にガスバリア性が低下することになる。
<エラストマー組成物の添加剤>
第1層、第2層のエラストマー組成物には、架橋剤、架橋助剤を添加できる。架橋剤は硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、4,4−ジチオビスモルホリン、有機過酸化物、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ハロメチルフェノールが使用できる。
架橋助剤として、スルフェンアミド、ベンゾチアゾール、グアニジン、ジチオカルバミン酸、酸化亜鉛などの金属酸化物、ステアリン酸などの脂肪酸、含窒素化合物、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレートが使用できる。架橋剤、架橋助剤の配合量は、エラストマー成分100質量部に対して0.3〜6質量部である。
前記エラストマー組成物は、さらに充填剤、老化防止剤、軟化剤、加工助剤などを添加できる。充填剤は、カーボンブラック、湿式シリカ、乾式シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー等が使用できる。老化防止剤は酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤を包含する。軟化剤はパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル、ナタネ油、ジオクチルフタレートなどが使用できる。また、加工助剤は高級脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、パラフィンワックス、脂肪アルコール、フッ素・シリコーン系樹脂などが使用できる。
<タイヤの構造>
本発明のタイヤ内側にインナーライナーを備えた空気入りタイヤを図8に基づいて説明する。図8は空気入りタイヤの右半分の概略断面図である。空気入りタイヤ11は、トレッド部12と、該トレッド部両端からトロイド形状を形成するようにサイドウォール部13とビード部14とを有している。さらに、ビード部14にはビードコア15が埋設される。また、一方のビード部14から他方のビード部に亘って設けられ、両端をビードコア15のまわりに巻き返して係止されるカーカスプライ16と、該カーカスプライ16のクラウン部外側には、少なくとも2枚のプライよりなるベルト層17とが配置されている。
前記ベルト層17は、通常、スチールコードまたはアラミド繊維等のコードよりなるプライの2枚をタイヤ周方向に対して、コードが通常5〜30°の角度になるようにプライ間で相互に交差するように配置される。なおベルト層の両端外側には、トッピングゴム層を設け、ベルト層両端の剥離を軽減することができる。またカーカスプライはポリエステル、ナイロン、アラミド等の有機繊維コードがタイヤ周方向にほぼ90°に配列されており、カーカスプライとその折り返し部に囲まれる領域には、ビードコア15の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス18が配置される。また前記カーカスプライ16のタイヤ半径方向内側には一方のビード部14から他方のビード部14に亘るインナーライナー9が配置されている。
次にインナーライナーの加硫タイヤにおけるカーカスプライとの配置状態を図9において示す。図9において、複合層PLは、第1層PL1および第2層PL2から構成される。該複合層PLを空気入りタイヤのインナーライナーに適用する場合、第2層PL2がカーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて設置すると、タイヤの加硫工程において、第2層PL2とカーカスCとの接着強度を高めることができる。得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため、優れた耐空気透過性を有する。
<空気入りタイヤの製造方法>
本発明の空気入りタイヤの製造方法は従来の製造方法を用いることができる。前記複合層PLを用いてインナンーライナーを製造する。空気入りタイヤ11の生タイヤに前記インナーライナーを適用して他の部材とともに加硫成形することによって製造する。複合層PLを生タイヤに配置する際は、複合層PLの第2層PL2が、カーカスプライCに接するようにタイヤ半径方向外側に向けて配置する。このように配置するとタイヤ加硫工程において、第2層PL2とカーカス6との接着強度を高めることができる。得られた空気入りタイヤは、インナーライナーとカーカスプライCのゴム層とが良好に接着しているため優れた耐空気透過性を有する。
本発明の空気入りタイヤの製造方法を実施例に基づき、以下に説明する。
<エラストマー成分の調製>
本発明の第1層および第2層に用いるエラストマーを以下のように調製した。
(1)イソブチレン系変性共重合体
(1−1)成分A−1:(スチレン/β−ピネン)−イソブチレン−(スチレン/β−ピネン)ブロック共重合体(β−ピネン含量:9.7質量%、数平均分子量(Mn):103,000)。
前記成分A−1の製造方法は、以下のとおりである。
2Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素で置換した後、注射器を用いて、モレキュラーシーブスで乾燥した、n−ヘキサン31.0mL及び同様に乾燥した塩化ブチル294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイスとメタノールの混合バス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.148g(0.6mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。さらに四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間に、同様な温度で撹拌を行った後、重合溶液から重合溶液の1mLをサンプルとして抜き取った。そして−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)とβ−ピネン6.8g(49.7mmol)を均一に攪拌した後、重合容器内に添加した。スチレンとβ−ピネンを添加して45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。そしてトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた生成物を60℃で24時間真空乾燥した。GPC法により得られたブロック共重合体の分子量を測定した。数平均分子量(Mn)は103,000、Mw/Mnは1.21である。
(1−2)成分A―2:(スチレン/β−ピネン)−イソブチレン−(スチレン/β−ピネン)ブロック共重合体(β−ピネン含量:5.3質量%、数平均分子量:10,7000)。
成分A−2の製造方法は以下のとおりである。
2Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素で置換した後、注射器を用いてモレキュラーシーブスで乾燥した、n−ヘキサン31.0mL及び同様に乾燥した塩化ブチル294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイスとメタノールの混合バス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.148g(0.6mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。
次に四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液から重合溶液1mLをサンプルとして抜き取った。そして−70℃に冷却したスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)とβ−ピネン3.6g(26.3mmol)を均一に攪拌したあと、重合容器内に添加した。スチレンとβ−ピネン添加45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥した。GPC法により得られたブロック重合体の分子量を測定した。ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が107,000、Mw/Mnが1.23である。
(1−3)成分A―3:スチレン−(イソブチレン/β−ピネン)−スチレンブロック共重合体(β−ピネン含量5.3質量%、数平均分子量10,9000)。
成分A−3の製造方法は、以下のとおりである。
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素で置換した後、注射器を用いて、モレキュラーシーブスで乾燥した、n−ヘキサン31.0mL及びモレキュラーシーブスで乾燥した塩化ブチル294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイスとメタノール混合バス中につけて冷却した後、β−ピネン3.6g(26.3mmol)を添加した。
次にイソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容
器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。さらにp−ジクミルクロライド0.148g(0.6mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から45分後、そして−70℃に冷却したスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)を重合容器内に添加した。スチレンを添加してから45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥した。GPC法により得られたブロック共重合体の分子量を測定した。ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は109,000、Mw/Mnは1.21である。
(2)SIB(スチレン−イソブチレンブロック共重合体)
攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n−ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613ml、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次に反応容器にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤などを除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間乾燥することによりスチレン−イソブチレンジブロック共重合体を得た(スチレン成分含有量:15質量%、重量平均分子量 :70,000)。
(3)SIBS(スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体)
カネカ(株)社製の「シブスターSIBSTAR 102T(ショアA硬度25、スチレン成分含有量25質量%、重量平均分子量:100,000)」を用いた。
(4)SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)
クレイトンポリマー社製のD1161JP(スチレン成分含有量15質量%、重量平均分子量:150,000)を用いた。
(5)IIRはエクソンモービル(株)社製「エクソンクロロブチル1066」を用いた。
<第1層、第2層のエラストマー組成物の調整>
上記エラストマー成分に、表1、表2に示すように添加剤を配合して、第1層および第2層のエラストマー組成物を調整した。
Figure 0005469155
Figure 0005469155
(注1)IIR:エクソンモービル(株)社製「エクソンクロロブチル1066」。
(注2)カーボンブラック(CB):東海カーボン(株)社製「シーストV」(N660、N2SA:27m2/g)。
(注3)酸化亜鉛(ZnO):三井金属鉱業(株)社製「亜鉛華1号」。
(注4)ステアリン酸:花王(株)社製、「ステアリン酸ルナックS30」。
(注5)老化防止剤:大内新興化学社製「ノクラック6C」。
(注6)加硫促進剤:大内新興化学社製「ノクセラーDM」。
(注7)硫黄:鶴見化学工業(株)社製「粉末硫黄」。
(注8)粘着防止剤:C9石油樹脂、アルコンP140(荒川化学工業(株)社製、軟化点140℃、重量平均分子量Mw:900)。
(注9)ポリイソブチレン:新日本石油(株)社製、「テトラックス 3T」(粘度平均分子量30,000、重量平均分子量、49,000)。
<インナーライナーの製造方法>
表1、表2の配合に基づき、イソブチレン系変性共重合体、SIBS、SISおよびSIBなどの熱可塑性エラストマーに添加剤を投入し、バンバリーミキサー、ニーダー、2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:220℃)にてブレンドして、エラストマー組成物を得た。その後、Tダイ押出機(スクリュ径:φ80mm、L/D:50、ダイリップ幅:500mm、シリンダ温度:220℃)にてインナーライナーを作製した。なお、インナーライナーの厚さは、0.3mm(第1層:0.25mm、第2層:0.05mm)である。
<未加硫ゴムシート>
本発明において、未加硫ゴムシートとしてカーカスプライを用い、そのトッピングゴムの配合は、以下のとおりである。
<トッピングゴムの配合A>
天然ゴム(注1) 100質量部
カーボンブラック(注2) 50質量部
亜鉛華(注3) 3質量部
老化防止剤(注4) 0.2質量部
硫黄(注5) 1質量部
加硫促進剤(注6) 1質量部
加硫助剤 (注7) 1質量部
(注1)TSR20
(注2)東海カーボン(株)社製「シーストV」(N660、N2SA:27m2/g)
(注3)酸化亜鉛(ZnO):三井金属鉱業(株)社製「亜鉛華1号」
(注4)大内新興化学社製「ノクラック6C」
(注5)鶴見化学工業(株)社製「粉末硫黄」
(注6)大内新興化学社製「ノクセラーDM」
(注7)ステアリン酸:花王(株)社製、「ステアリン酸ルナックS30」
<空気入りタイヤの製造>
本発明の空気入りタイヤの製造を、図5および図6に示すアッセンブル工程、裁断工程、接合工程に基づき実施した。詳細は表1に示すように比較例、実施例の空気入りタイヤを製造した。なお、加硫は170℃で20分間、プレス成型し、加硫金型から取り出さずに100℃で3分間冷却した後、加硫タイヤから取り出し、図8に示す基本構造を有する195/65R15サイズのものを製造した。インナーライナーの配合及びタイヤの成形方法を、タイヤの評価結果とともに表3〜表6に示す。実施例は、いずれも図5に基づきインナーライナーの長さが1300mmとしカーカスプライの寸法を変更することでずらし距離(量)Lを、それぞれ50mm、500mm、250mmと変更している。またインナーライナーの幅W2は1300mm、カーカスプライの幅W1は800mmとした。
Figure 0005469155
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<実施例1〜3>
表3において、実施例1〜3は、第1層にエラストマー成分として、イソブチレン系変性共重合体(成分A−1)のみを用い、第2層にSISとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を用いた例である。
<実施例4〜18>
表4において、実施例4〜18は、第1層にエラストマー成分として、イソブチレン系変性共重合体を含む配合内容(配合2〜16)を変更し、第2層にSISとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を混合した配合(配合16)を用いた例である。
<実施例19〜32>
表5において、実施例19〜29は、第1層にエラストマー成分として、イソブチレン系変性共重合体を含む配合内容(配合5〜配合15)を変更し、第2層にSISとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を混合した配合(配合16)を用いた例である。
実施例30は、第1層にイソブチレン系変性共重合体よりなる配合(成分A−1)(配合1)を用い、第2層にSISとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を混合した配合(配合22)を用いた例である。
実施例31は、第1層にイソブチレン系変性共重合体よりなる配合(成分A−1)(配合1)を用い、第2層にSIBとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を混合した配合(配合23)を用いた例である。
実施例32は、イソブチレン系変性共重合体よりなる配合(成分A−1)(配合1)を用い、第2層にSISとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)更にIIRを混合した配合(配合24)を用いた例である。
本発明の実施例は、加硫接着力、屈曲亀裂成長、転がり抵抗指数、静的空気圧低下率およびユニフォミティにおいて、後述の比較例1よりも総合的に優れていることが認められる。
<比較例1〜14>
表6において、比較例1、2、6、7、10〜13は、第1層にSIBS(比較配合1)を用い、第2層にSISまたはSIBを用いた例である。
比較例3〜5は、第1層にイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)を用い、第2層にSISとイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)(配合16)を用いた例であるが、ずらし距離(量)が本発明の範囲外である。
比較例14は、第1層にイソブチレン系変性共重合体(成分A−1)(配合1)を用い、第2層にSIS、イソブチレン系変性共重合体(成分A−1)およびIIRの混合物(配合24)を用いた例である。
<性能試験>
前述の如く製造された空気入りタイヤに関し、以下の方法で性能評価を実施した。
<加硫接着力>
第1層と第2層の複合層にカーカスプライを張り合わせて170℃×20分で加硫し、加硫接着力測定用のサンプルを作製する。引張試験機により剥離力を測定することで加硫接着力とした。下記計算式により、比較例1を基準として各配合の加硫接着力を指数で表示した。なお加硫接着力の指数が大きいほど、加硫接着力が高いことを示す。
加硫接着力の指数=(各実施例の加硫接着力)/(比較例1の加硫接着力)×100
<屈曲亀裂成長>
耐久走行試験は、インナーライナーが割れたり剥がれたりするかどうかで評価した。試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、タイヤ内圧は150KPaで通常よりも低内圧に設定し、荷重は600kg、速度100km/h、走行距離20,000kmでタイヤの内部を観察し、亀裂、剥離の数を測定した。比較例1を基準として、各配合の亀裂成長性を指数で表示した。指数の値が大きいほど、屈曲亀裂成長が小さいことを示す。
屈曲亀裂成長指数=(比較例1の亀裂の数)/(各実施例の亀裂の数)×100
<転がり抵抗指数>
(株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用いて、試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、荷重3.4kN、空気圧230kPa、速度80km/hの条件で、室温(30℃)にて走行させて転がり抵抗を測定した。そして、下記の計算式に基づき比較例1を基準100として、実施例の転がり抵抗変化率(%)を指数で表示した。転がり抵抗変化率が大きいほど、転がり抵抗が低減されていることを示す。
転がり抵抗指数=(比較例1の転がり抵抗)/(実施例の転がり抵抗)×100
<静的空気圧低下率試験>
試作タイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、初期空気圧300kPaを封入し、90日間室温で放置し、空気圧の低下率を計算する。数値が小さいほど、空気圧が減りにくく好ましい。
<ユニフォミティ>
タイヤユニフォミティ試験機を用いて、JASO−C607:2000の「自動車用タイヤのタイヤユニフォミティ試験方法」に準拠して、RFVを測定し、比較例1を100とした指数で評価している。数値が小さいほど、ユニフォミティが優れていることを示す。測定条件は、8.0×17のリムで、60rpmのタイヤ回転速度で、200kPaの空気圧、4000kNの縦荷重とした。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用空気入りタイヤのほか、トラック・バス用、重機用等の空気入りタイヤとして用いることができる。
11 空気入りタイヤ、12 トレッド部、13 サイドウォール部、14 ビード部、15 ビードコア、16 カーカスプライ、17 ベルト層、18 ビードエーペックス、19 インナーライナー、PL 複合層、PL1 第1層、PL2 第2層。

Claims (7)

  1. インナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法において、生タイヤの成形は、
    (a)インナーライナーの幅方向端部と未加硫ゴムシートの幅方向端部を幅方向に相互に50mm〜500mmずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程と、
    (b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程と、
    (c)前記裁断シートを、その裁断面がドラムの周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、インナーライナーの端部と、未加硫ゴムシートの端部の位置を一定距離ずらして接合する接合工程を有し、
    前記インナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記未加硫ゴムシートと接するように配置される第2層の複合層で構成されており、
    前記第1層に用いられるエラストマー組成物は、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(A)と芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなり、少なくとも1つのブロックがβ−ピネンを含むイソブチレン系変性共重合体を、エラストマー成分全体の10〜100質量%含み、
    前記第2層に用いられるエラストマー組成物は、前記イソブチレン系変性共重合体を、エラストマー成分全体の5〜80質量%含む、前記空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記アッセンブル工程において、インナーライナーの幅と未加硫ゴムシートの幅は異なっており、それらの幅方向の両端部が相互に重複しないように幅方向にずらして貼り合わされる請求項1記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記イブチレン系変性共重合体中のβ−ピネンの含有量は0.5〜25質量%である請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記イソブチレン系変性共重合体は重量平均分子量が30,000〜400,000であり、分子量分布(Mw/Mn)の値が1.3以下である、請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記イソブチレン系変性共重合体は、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体またはスチレン−イソブチレンブロック共重合体のスチレンブロックにβ−ピネンが含まれている請求項1〜のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. インナーライナーをタイヤ内側に備えた空気入りタイヤの製造方法において、生タイヤの成形は、
    (a)未加硫ゴムシートと、前記未加硫ゴムシートの幅よりも広い幅を有するインナーライナーとを準備し、前記未加硫ゴムシートの幅方向の両端部が、前記インナーライナーの幅方向の両端部の内側に位置するように、前記インナーライナーの幅方向端部と前記未加硫ゴムシートの幅方向端部を幅方向に相互に50mm〜500mmずらして貼り合わせて積層体を製造するアッセンブル工程と、
    (b)前記積層体を、ドラム幅に対応する一定長さに切断して、裁断シートを製造する裁断工程と、
    (c)前記裁断シートを、その裁断面がドラムの周方向となり、かつインナーライナーが内面側となるようにドラム全周に巻きつけて、前記インナーライナーの幅方向の両端部が重複するように接合する接合工程を有し、
    前記インナーライナーは、タイヤ内側に配置される第1層と、前記未加硫ゴムシートと接するように配置される第2層の複合層で構成されており、
    前記第1層に用いられるエラストマー組成物は、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(A)と芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(B)とからなり、少なくとも1つのブロックがβ−ピネンを含むイソブチレン系変性共重合体を、エラストマー成分全体の10〜100質量%含み、
    前記第2層に用いられるエラストマー組成物は、前記イソブチレン系変性共重合体を、エラストマー成分全体の5〜80質量%含む、前記空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記接合工程において、未加硫ゴムシートの幅方向の両端部を未加硫ゴム片を用いて接合する、請求項6記載の空気入りタイヤの製造方法。
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