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JP5474438B2 - 二次電池装置 - Google Patents
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Description

本発明は、複数の二次電池セルを並列接続した並列ユニットを複数個直列に接続した二次電池群における上記並列ユニットのタブ外れを正確に検出し得るタブ外れ判定手段を備えた二次電池装置に関する。
各種電子機器に装着されて該電子機器の電源として用いられる二次電池装置は、一般的には複数の二次電池セルを並列接続した並列ユニットを複数個直列に接続した二次電池群と、この二次電池群の充放電を制御する制御・演算部とを備えた、いわゆるパック電池として構成される。ちなみに前記制御・演算部は、前記二次電池群の充放電電流を検出する電流検出手段および前記二次電池群における各並列ユニットの端子電圧をそれぞれ検出する電圧検出手段を備える。そして制御・演算部は、検出した電流・電圧に基づいて前記二次電池群の充電および放電をそれぞれ制御し、また二次電池群の過充電防止や過放電防止等の保護、更には二次電池群のタブ外れや内部短絡等の異常検出処理を実行する。
尚、二次電池装置(パック電池)における前記二次電池群のタブ外れや内部短絡等の異常検出処理については、例えば二次電池群における各並列ユニットの端子電圧をそれぞれ求め、その最大電圧と最小電圧との差または最大電圧と最小電圧との比を判定する等して行われる(例えば特許文献1を参照)。また異常が検出された二次電池群に対しては、例えば二次電池群の充放電路に直列に介挿された温度ヒューズを溶断し、これによってパック電池自体の使用を禁止する等の措置が講じられる(例えば特許文献2を参照)。
特開2007−240234号公報 特開2009−76280号公報
ところで二次電池セルとしてリチウムイオン電池を用いた二次電池装置(パック電池)の場合、特許文献1に開示される従来の一般的なタブ外れの検出法においては、希にタブ外れが発生していないにも拘わらず、タブ外れが生じたと誤検出してしまうことがある。また二次電池セルの温度特性のバラツキに起因して各並列ユニットの端子電圧が大きく変化した場合にも、タブ外れが生じたとして誤検出することもある。このようなタブ外れの誤検出は、タブ外れ異常のないパック電池を不本意に廃棄処分する要因となる。
このようなタブ外れの誤検出は、特に電極材や電解液を改良して高性能化を図った、いわゆる高電圧タイプのリチウムイオン電池(二次電池セル)を用いたパック電池において生じ易い。ちなみに従来一般的な最大充電電圧が4.2Vのリチウムイオン電池は、例えばその正極材としてコバルト酸リチウム、負極材として炭素材料、そして電解液としてエチレンカーボネートを用いて構成される。これに対して電池性能を高めた高電圧タイプのリチウムイオン電池は、例えば正極材としてコバルト酸リチウムとリチウムコバルトニッケルマンガン酸複合酸化物との混合材を用い、また電解液としてフルオロエチレンカーボネートを用いて構成され、その最大充電電圧を4.3Vに高めたものである。
本発明は前述したタブ外れの誤検出の問題を解消するべくなされたもので、その目的は、直列に接続された複数の並列ユニットにおけるタブ外れを確実に、しかも正確に検出することができ、タブ外れの生じていないパック電池の不本意な廃棄処分を防ぐことのできる二次電池装置を提供することにある。
本発明は種々の実験に基づき、前述したタブ外れが生じているとの誤検出が、専ら、パック電池(二次電池群)を充放電する初期時において生じ易いこと、またタブ外れが生じていなくても二次電池セルの温度特性のバラツキに起因して、その充放電時における複数の並列ユニットの各端子電圧に大きな差が生じることがあるとの検証の結果に着目してなされている。
例えば前述した高電圧タイプのリチウムイオン電池においては、一般的に負極材の表面状態が不安定であり、該負極材の表面に固体電解質被膜が形成されていない場合には、その充放電に伴って電解液が負極材の表面で反応して該負極材の表面にリチウム金属含有化合物が形成され易い。そしてこのリチウム金属含有化合物が該リチウムイオン電池の充放電に影響を与えると考えられる。具体的には充放電に伴う二次電池セル(リチウムイオン電池)の電圧変化が、前述したリチウム金属含有化合物の存在によって一時的に不規則となり、これに起因して複数の並列ユニットの各端子電圧に大きなバラツキが生じると考えられる。
特に上述した充放電に伴う各並列ユニットの端子電圧のバラツキは、電池パックの通常使用温度範囲(20℃〜50℃)を外れた低温環境下(例えば5℃)で充電した場合に顕著に生じる。また充電停止後に或る程度の時間に亘って放置したとき、或いは充放電を繰り返したときにも上述した端子電圧のバラツキが殆どなくなることも見出した。これは負極材の表面に固体電解質被膜が十分に形成されて該負極材の表面状態が安定し、前述したリチウム金属含有化合物が形成され難くなる為であると考えられる。
また上述した充放電に伴う各並列ユニットの端子電圧のバラツキは、二次電池セルの温度特性のバラツキによっても発生し、従って負極材の表面に固体電解質被膜が十分に形成されたとしても、タブ外れの誤検出が生じる虞がある。しかし充放電停止後に二次電池の温度が略一定に安定化した場合には、タブ外れが生じていない限り各並列ユニットの端子電圧のバラツキは殆ど生じない。即ち、従って充放電停止後においては、基本的には各二次電池セルの端子電圧、いわゆる開放端子電圧は殆ど差が生じない。
本発明はこのような検証結果に基づいて前述した課題を解決するべくなされている。
即ち、本発明に係る別の二次電池装置は、複数の二次電池セルを並列接続した並列ユニットを複数個直列に接続した二次電池群と、この二次電池群の充放電電流を検出する電流検出手段と、前記二次電池群における各並列ユニットの端子電圧をそれぞれ検出する電圧検出手段と、前記電流検出手段による検出結果と前記電圧検出手段による検出結果とに基づいて前記二次電池群における各並列ユニットでのタブ外れを検出する異常検出手段とを具備し、
特に前記二次記電池群に対する充放電サイクル回数が、予め定めた一定回数に達するまで前記異常検出手段による前記タブ外れの検出処理を中止する異常検出制御手段を備えたことを特徴としている。
ちなみに前記異常検出制御手段が前記タブ外れの検出処理を中止する上での、前記予め定めた一定の充放電サイクル回数は、前記二次電池群の充放電の繰り返しに伴って前記二次電池セルを構成する負極の表面が電解液と反応して安定化する充放電サイクル回数として設定される。具体的には上記一定の充放電サイクル回数は、二次電池群(二次電池セル)の仕様にもよるが、例えば20サイクル程度として設定される。
尚、前記異常検出手段は、好ましくは前記二次電池群の充放電時における前記各並列ユニットの端子電圧をそれぞれ求め、その最大端子電圧と最小端子電圧との差または比、若しくは前記各並列ユニットの端子電圧の単位時間当たりの変動幅の最大値と最小値との差または比を判定してタブ外れの有無を検出する第1のタブ外れ判定手段と、
この第1のタブ外れ判定手段にてタブ外れが検出されたとき、前記二次電池群の充放電停止後における前記各並列ユニットの端子電圧(開放端子電圧)をそれぞれ求め、その最大開放端子電圧と最小開放端子電圧との差または比、若しくは前記各並列ユニットの端子電圧の単位時間当たりの変動幅の最大値と最小値との差または比を判定して前記タブ外れの発生を確認する第2のタブ外れ判定手段とを備える。
本発明に係る二次電池装置によれば、前記二次電池群の充電開始または充電停止後、予め定めた一定時間(例えば10時間)に亘って、或いは充放電サイクル回数が、予め定めた一定回数(例えば20回)に達するまで、前記異常検出手段による前記タブ外れの検出処理を中止するので、負極材の表面状態に起因して並列ユニットの端子電圧にバラツキが生じる可能性のある期間でのタブ外れの誤検出を未然に防ぐことができる。従ってタブ外れの生じていない二次電池装置(パック電池)を不良品として廃棄することがなくなる。
またタブ外れの検出処理においては、充放電時におけるに各並列ユニットの端子電圧をそれぞれ監視してタブ外れ検出を行うことのみならず、二次電池群の充放電停止後における前記各並列ユニットの端子電圧、つまり開放端子電圧を求めてタブ外れの発生を確認するので、二次電池セルの温度分布や温度特性のバラツキに左右されることなく、並列ユニットにおけるタブ外れを正確に、しかも確実に検出することができる。
従って本発明によれば、二次電池装置の使用初期時であって負極材の表面に固体電解質被膜が十分に形成されていない不安定状態でのタブ外れの誤検出を防ぐことができる。また二次電池セルの温度特性のバラツキに起因するタブ外れの誤検出を防ぐことができるので、二次電池セルの特性に起因する並列ユニットの端子電圧のバラツキを、タブ外れとして誤検出することがなくなる。
本発明の一実施形態に係る二次電池装置(パック電池)の概略構成図。 本発明に係るタブ外れ検出処理手順の一例を示す図。 リチウムイオン電池の使用初期時における放電時の端子電圧の変化特性を示す図。 図3に示す端子電圧の変化特性におけるイレギュラー・シェイプ部分を拡大して示す図。 充電したリチウムイオン電池の放置時間によって変化する放電時の端子電圧変化特性を示す図。 リチウムイオン電池の充放電の繰り返しによって変化する放電時の端子電圧変化特性を示す図。 本発明に係る二次電池装置(パック電池)の変形例を示す図。
以下、本発明の一実施形態に係る二次電池装置(パック電池)について説明する。
図1は本発明に係る二次電池装置(パック電池)10の要部概略構成図である。このパック電池10は、基本的には例えば携帯電話端末やノート型パーソナルコンピュータ等の電子機器30に装着され、該電子機器30が内蔵する制御・電源部(充電器)31に接続されて充電される二次電池1を備える。
尚、電子機器30の制御・電源部(充電器)31には商用電源が供給されており、前記二次電池1は商用電源から得たエネルギにより充電される。そしてパック電池10は前記電子機器30が商用電源を使用しないとき、該電子機器30の電源として用いられる。つまりパック電池10は、充電により上記二次電池1に蓄積した電力エネルギを、前記電子機器30の本体部であるCPUやメモリ等の負荷32に対して前記制御・電源部31を介して供給するように構成される。
またパック電池は、基本的には複数の二次電池セルを並列接続した並列ユニットを複数個直列に接続した二次電池群(二次電池1)と、この二次電池群の充放電電流を検出する電流検出手段および前記二次電池群における各並列ユニットの端子電圧をそれぞれ検出する電圧検出手段と、検出した電流・電圧に基づいて前記二次電池群に対する充放電を制御すると共に、二次電池群を過充電および過放電から防止し(保護機能)、更には二次電池群のタブ外れや内部短絡等の異常検出処理を実行する制御・演算部を備える。
ちなみに前記二次電池1はリチウムイオン電池やニッケル水素電池等からなり、例えば複数の電池セル2を直並列に接続して所定の電池電圧と電池容量とを確保した電池群として実現される。具体的には前記二次電池1は、例えば前述した高電圧タイプのリチウムイオン電池のように満充電状態で4.3Vとなる電池セル2を用いる場合には、電池セル2を3段直列に接続することで、全体として満充電状態で12.9Vとなる電池電圧を有するものとして実現される。また各段の電池セル2を、それぞれ3個の電池セル2を並列接続して並列ユニット化することで必要な電気容量(電流量)が、例えば8400mAhとして確保される。
これらの複数の電池セル2の並列接続および直列接続は、例えば金属板やリード線からなる接続タブを用いて行われる。そして二次電池1は複数の電池セル2をそれぞれ並列接続した複数の並列ユニット3を直列に接続してパッケージ化したものとして実現される。尚、並列ユニット3を構成する電池セル2の並列接続数や、直列接続する並列ユニット3の段数については、負荷32に応じて二次電池1に要求される仕様(電池電圧・電池容量)に従って定められるものであり、図1に例示する3並列・3段直列構成の二次電池1に限定されないことは言うまでもない。またこのような二次電池1には、例えばその電池温度Tを検出する為のサーミスタ等の温度センサ4が一体に組み込まれる。
一方、パック電池10は、二次電池1の充放電路に設けられて該二次電池1の充放電電流Iを検出するための電流検出部(電流検出手段)5を備えている。この電流検出部5は、例えば上記充放電路に直列に介挿されたシャント抵抗と、このシャント抵抗の両端間に生じた電圧から前記二次電池1の充放電電流Iを検出するセンシングアンプとにより構成される。尚、二次電池1の充放電路に流れる電流が充電電流であるか、或いは放電電流であるかは、電流の向きに応じて上記シャント抵抗の両端間に生じる電圧の極性から判定されることは言うまでもない。
また前記二次電池1の充放電路には、前記二次電池1の過充電を阻止する為の充電制御スイッチ(充電禁止手段)6と、二次電池1の過放電を阻止する為の放電制御スイッチ(放電禁止手段)7とがそれぞれ設けられる。これらの制御スイッチ6,7は、例えば前記充放電路にそれぞれ直列に介挿された2つのPチャネル型のMOS−FETからなる。これらの制御スイッチ(FET)6,7は、後述する制御・演算部20によりその動作が制御されるものであって、例えばそのゲートにハイレベル(H)の制御信号が印加されたときに遮断(オフ)動作して、前記二次電池1に対する充電電流または放電電流をそれぞれ遮断する。つまり前記制御スイッチ(FET)6,7は、二次電池1の充電および放電をそれぞれ禁止する充放電禁止手段としての役割を担う。尚、制御スイッチ6,7としてNチャネル型のMOS−FETを用いることも勿論可能である。
さて前述した制御・演算部20は、例えばマイクロプロセッサにより実現される。この制御・演算部20は、基本的には前記二次電池1の端子電圧Vbat、および二次電池1を構成する前記各電池セル2(並列ユニット3)の端子電圧Vcellをそれぞれ検出する電圧検出手段を備える。この電圧検出手段は、マイクロプロセッサが備える電圧検出機能として実現される。そして制御・演算部20は、前記温度センサ4を用いて温度検出部(温度検出手段)8が検出する電池温度Tを入力すると共に、前記電流検出部5にて検出される二次電池1の充放電電流Iおよび前記電圧検出手段にて検出される前記二次電池1の端子電圧Vbatや各電池セル2(並列ユニット3)の端子電圧Vcellをそれぞれ入力して前記二次電池1に対する充電および放電をそれぞれ制御する。
ちなみに図1に例示する前記制御・演算部20は、3段に直列接続された複数の電池セル2(並列ユニット3)における各正極側の電圧V1,V2,V3と負極電圧V0、および前記温度検出部8にて検出された電池温度Tを示す電圧Vtをマルチプレクサ21を介して選択的に入力し、これをA/Dコンバータ22を介してデジタル変換して取り込む。また前記制御・演算部20は、前記電流検出部4にて検出された充放電電流Iを、A/Dコンバータ23を介してデジタル変換して取り込んでいる。尚、上記各電圧V1,V2,V3,V0および温度情報Tの入力は、マルチプレクサ21およびA/Dコンバータ22のサンプリング周期に同期して所定の周期で巡回的に行われる。そして前記制御・演算部20は、上記複数の電池セル2の各正極電圧V1,V2,V3と負極電圧V0とから、前述した二次電池1の端子電圧Vbat(=V1−V0)、および前記各電池セル2(並列ユニット3)の端子電圧Vcell1(=V1−V2),Vcell2(=V2−V3),Vcell3(=V3−V0)をそれぞれ検出するものとなっている。
このようにして前記二次電池1の端子電圧Vbat,Vcellおよび充放電電流Iを検出する制御・演算部20は、基本的には通信処理部24を介して前述した電子機器30に設けられた前記制御・電源部30の作動を制御して前記二次電池1の充電を制御すると共に(満充電制御)、前述した充電制御スイッチ6をオフ制御して前記二次電池1の過充電を阻止し(過充電保護)、更には前記放電制御スイッチ7をオフ制御して前記二次電池1の過放電を阻止する役割(過放電保護)を担っている。また制御・演算部20は、後述するように二次電池1の充放電に伴う充電残容量を監視したり、性能劣化の程度(寿命)を判定し、性能劣化が検出された場合にはその旨を出力する。更には前記制御・演算部20は、二次電池1の内部短絡やタブ外れ等の異常を検出してパック電池10が装着された電子機器30の使用者に対してその交換を促したり、当該パック電池10の使用を禁止する機能を備えている。
尚、前述した二次電池1に対する満充電制御は、ニッケル水素電池等においては、例えば二次電池1の充電時に該二次電池1の端子電圧Vbatが徐々に上昇し、満充電状態において上記端子電圧Vbatがピークに達した後、一定電圧(ΔV)だけ低下する現象を利用して満充電(100%充電)状態を判定し(−ΔV方式)、二次電池1に対する充電を停止することによって行われる。またリチウムイオン電池を充電するときのように電流値を所定値以下、電圧値を所定値以下に制限して充電する定電流・定電圧充電においては、定電流充電の後の定電圧充電時において、その充電電流値が所定値以下になった場合に、これを満充電と判定することによって行われる。その他、電池温度Tの変化や充電電流Iの変化から満充電状態を検出する等、従来より種々提唱されている充電制御方式を適宜採用可能なことは言うまでもない。また本発明は二次電池1の満充電制御自体に直接関与するものではないので、満充電制御についてのこれ以上の説明は省略する。
また前述した過充電保護は、例えば二次電池1の端子電圧Vbatが予め設定した二次電池1としての過充電保護電圧を超えたとき、或いは二次電池1を構成する複数段の電池セル2(並列ユニット3)の個々の端子電圧Vcellが各電池セル2に固有な過充電保護電圧を超えたとき、前述した充電制御スイッチ6を作動させてその充電路を強制的に遮断することで、それ以上の充電(過充電)を阻止する役割を担う。尚、二次電池1の端子電圧(充電電圧)Vbatについては、この実施形態においては前述した充電制御における満充電電圧により管理されるので、前記充電制御スイッチ6の作動による過充電防止は、専ら、個々の電池セル2(並列ユニット3)の端子電圧Vcellが、その過充電保護電圧を超えたときに作動する。
更に過放電保護は、例えば二次電池1の端子電圧Vbatが予め設定した二次電池1としての過放電保護電圧に近付いたとき、或いは複数段の電池セル2(並列ユニット3)の個々の端子電圧Vcellが、各電池セル2(並列ユニット3)に固有な過放電保護電圧に近付いたとき、或いは過放電保護電圧に至ったとき、前述した放電制御スイッチ7を作動させてその充電路を強制的に遮断して該二次電池1の深放電(過放電)を防止する役割を担う。このような保護機能の他にも前記制御・演算部20は、例えば前記充放電電流Iから二次電池1に対する異常(過大)な充放電電流が検出されたときや、前記温度検出部8により検出された電池温度が60℃を越える等、異常に高くなった場合等に前記充電制御スイッチ6および/または放電制御スイッチ7を作動させてその充放電路を遮断して、二次電池1のみならず負荷32等を保護する機能等を備える。
基本的には上述した如く構成される二次電池装置(パック電池)において本発明が特徴とするところは、前記制御・演算部20が備える異常判定機能として、前述した複数の並列ユニット3におけるタブ外れを正確に検出する手段(機能)を備えている点にある。このタブ外れを検出する異常判定機能は、基本的には前記二次電池(二次電池群)1の充放電時における前記各並列ユニット3の端子電圧Vcellをそれぞれ求め、その最大端子電圧Vmaxと最小端子電圧Vminとの差(Vmax−Vmin)、または最大端子電圧Vmaxと最小端子電圧Vminとの比(Vmax/Vmin)を判定してタブ外れの有無を検出する第1のタブ外れ判定手段20aを備える。
尚、この第1のタブ外れ判定手段20aにおいて、前記各並列ユニット3の端子電圧Vcellの単位時間当たりの変動幅ΔVcellをそれぞれ検出し、その最大変動幅ΔVmaxと最小変動幅ΔVminとの差(ΔVmax−ΔVmin)、または最大変動幅ΔVmaxと最小変動幅ΔVminとの比(ΔVmax/ΔVmin)を判定してタブ外れの有無を検出するようにしても良い。
更に前記タブ外れを検出する異常判定機能は、上記第1のタブ外れ判定手段20aにてタブ外れが検出されたとき、前記二次電池(二次電池群)1の充放電停止後における前記各並列ユニット3の開放端子電圧OCVcellをそれぞれ求め、その最大開放端子電圧OCVmaxと最小開放端子電圧OCVminとの差(OCVmax−OCVmin)、または最大開放端子電圧OCVmaxと最小開放端子電圧OCVminとの比(OCVmax/OCVmin)を判定して前記タブ外れの発生を確認する第2のタブ外れ判定手段20bを備える。
尚、この第2のタブ外れ判定手段20bにおいて、前記各並列ユニット3の開放端子電圧OCVcellの単位時間当たりの変動幅ΔVcellをそれぞれ検出し、その最大変動幅ΔVmaxと最小変動幅ΔVminとの差(ΔVmax−ΔVmin)、または最大変動幅ΔVmaxと最小変動幅ΔVminとの比(ΔVmax/ΔVmin)を判定してタブ外れの有無を検出するようにしても良い。これらの第1および第2のタブ外れ判定手段20a,20bの具体的なタブ外れ判定処理とその役割については後述する。
このようなタブ外れの異常検出手段である第1および第2のタブ外れの判定手段20a,20bに加えて、前記異常判定機能は更に前記二次電池(二次電池群)1の充電開始または充電停止後、予め定めた一定時間に亘って前記異常検出手段による前記タブ外れの検出処理を中止する第1の異常検出制御手段20cと、前記二次電池(二次電池群)1に対する充放電サイクル回数が、予め定めた一定回数に達するまで前記異常検出手段による前記タブ外れの検出処理を中止する第2の異常検出制御手段20dとを備える。これらの第1および第2の異常検出制御手段20c,20dについては、その一方だけを備えるようにしても良く、或いはその一方だけを選択的に用いるようにしても良い。
尚、上述した充放電サイクルは、例えば二次電池1の充電に着目して、該二次電池1を使用開始時の初期状態から、或いは二次電池1が再充電容量まで放電した状態から満充電状態まで充電するまで過程を1サイクルとして定義される。尚、充電電流値とその充電時間との乗算値として二次電池1の充電容量を求め、その充電容量が該二次電池1の満充電容量値に達する都度、これを1サイクルとして求めることも可能である。また二次電池1の放電に着目した場合には、例えば満充電まで充電した二次電池1が、その放電に伴って予め設定した容量以上放電したとき、或いは完全放電したとき、これを1サイクルとして求めるようにすれば良い。1サイクルの放電が行われた二次電池1は、再度充電に供せられることになるので、この放電サイクルも前述した充電サイクルと同様な意味を持つ。従って充電サイクルまたは放電サイクルとして求められる充放電サイクル回数(サイクルカウント数)は、二次電池1の繰り返し再充電回数としての意味を持つことになる。このような充放電サイクル数の管理は、前述した制御・演算部20における充放電管理プログラム(管理手段)の下で実行される。
図2は上述したタブ外れの異常検出手段(第1および第2のタブ外れの判定手段20a,20b)とその制御手段(第1および第2の異常検出制御手段20c,20d)とを備えた前記制御・演算部20により実行されるタブ外れの異常判定処理手順の一例を示している。このタブ外れの異常判定処理は、先ず前記二次電池(二次電池群)1の充電開始または充電停止後、予め定めた一定時間、例えば10時間が経過したか否かを判定することから開始される<ステップS1>。
尚、この一定時間の経過判定に代えて、その充放電サイクル回数が、予め定めた一定回数、例えば20回に達したか否かを判定するようにしても良い<ステップS1>。そして二次電池(二次電池群)1の充電開始または充電停止から10時間が経過していない場合、或いは充放電サイクル回数が20回に達していない場合には、以下に説明するタブ外れの判定処理を中止する。換言すれば二次電池(二次電池群)1の充電開始または充電停止から10時間が経過している場合、或いは充放電サイクル回数が20回に達している場合にだけ、以下に説明するタブ外れの判定処理を実行する。
即ち、高電圧タイプのリチウムイオン電池の場合、その初期状態において該リチウムイオン電池を充電した後に放電させたときの端子電圧は、例えば図3に例示するように2段階のカーブを描いて不安定に変化する。特に図3において破線で囲んで示すように端子電圧Vcellが略4.0Vから略3.7Vまで低下する際における電圧低下が不安定であり、個々のリチウムイオン電池におけるバラツキも大きい。このような電圧降下の不安定部分、いわゆるイレギュラー・シェープ部分での端子電圧のバラツキは、図4に拡大して示すように最大で略80mVにも達し、このような端子電圧の違いがタブ外れが生じたと誤判定する要因となる。特にこのようなイレギュラー・シェープは、高電圧タイプのリチウムイオン電池を、その通常使用温度範囲(10℃〜45℃)を外れた、例えば5℃の低温で充電した場合に顕著に生じる。
しかし上述したイレギュラー・シェープは、最初の充電から所定時間が経過した後に放電した場合、放電までの放置時間が長くなるに伴って次第に小さくなる。また充放電を一定サイクル回数に亘って繰り返した場合にもイレギュラー・シェープが次第に小さくなる。そして上述した充電後の放電までの経過時間が長い場合、或いは充放電を繰り返した場合には、後述するようにリチウムイオン電池の負極材の表面に固体電解質被膜が形成されて負極材の表面状態が安定し、この結果、イレギュラー・シェープがなくなると考えられる。
即ち、前述した高電圧タイプのリチウムイオン電池の場合には、例えばその正極材としてコバルト酸リチウムとリチウムコバルトニッケルマンガン酸複合酸化物との混合材を用い、また電解液としてフルオロエチレンカーボネートを用いている。この為、リチウムイオン電池の充放電に伴って、その負極材である炭素材料と前記電解液とが反応して該負極材の表面にリチウム金属含有化合物が形成され、このリチウム金属含有化合物が該リチウムイオン電池の充放電に影響を与えていると考えられる。しかし充放電の繰り返しによって、或いは充電から所定の時間が経過して前述したリチウム金属含有化合物が安定化し、該負極材の表面に固体電解質被膜が形成されると、前述した充放電に伴う炭素材料と電解液との反応がなくなるので、これに伴って前述したイレギュラー・シェープもなくなるものと考えられる。
ちなみに本発明者等の実験によれば、前述した高電圧タイプのリチウムイオン電池の場合、最初の充電状態をそのまま放置した後、放電させたときの端子電圧の変化を調べたところ、図5に示すように充電後の放置時間が長くなる程、イレギュラー・シェープが小さくなり、略10時間の放置でイレギュラー・シェープが殆ど見られなくなった。また充放電を繰り返した場合、図6に示すように充放電サイクルの繰り返しに伴ってイレギュラー・シャープが徐々に小さくなり、20回程度の繰り返した場合にはイレギュラー・シェープが殆ど現れなくなることが確認された。
このような実験結果に基づいて本発明に係る二次電池装置においては、前述したようにイレギュラー・シェープが生じていると看做し得る初期期間を判定し<ステップS1>、この初期期間におけるタブ外れの検出処理を中止することで、イレギュラー・シェープに起因する端子電圧のバラツキを、タブ外れが生じたとして誤検出しないようにしている。そして上述した初期期間を経た後、端子電圧のバラツキを判定してタブ外れ異常を検出するものとなっている。
さて前述した如く二次電池(二次電池群)1を充放電する初期期間が経過したならば、図2に示すようにタブ外れの検出処理を開始する。このタブ外れの検出処理は、先ず前述した第1のタブ外れの判定手段20aにおいて、先ず二次電池(二次電池群)1における各並列ユニット32の充放電時における端子電圧Vcellを検出することから開始される<ステップS2>。そしてこの場合には、例えば前記端子電圧の最大値Vmaxと最小値Vminとの比から、例えば
Vmax > 1.4×Vmin
なるとき、タブ外れに起因して複数の並列ユニット3の端子電圧Vcellのバラツキが大きくなっていると判定する<ステップS3>。
尚、各並列ユニット32の充放電時における端子電圧Vcellの変動に着目し、各並列ユニット32の単位時間当たりの端子電圧Vcellの最大変動幅ΔVmaxと最小変動幅ΔVminの比から、例えば
ΔVmax > 1.4×ΔVmin
なるとき、タブ外れに起因して複数の並列ユニット3の端子電圧Vcellのバラツキが大きくなっていると判定しても良い<ステップS3>。そしてタブ外れが検出された場合には、制御フラグFを[1]とし<ステップS4>、一方、タブ外れが検出されない場合には前記制御フラグFを[0]とする<ステップS5>。つまりタブ外れを検出しても、この段階ではタブ外れが生じているとして確定しない。
しかる後、前記制御フラグFが[1]である場合<ステップS6>、前述した第2のタブ外れ判定手段20bを起動して真にタブ外れが生じているか否かを検証する。この確認処理は、先ず充放電電流が零[0]であるか否かを判定することで、二次電池1の充放電が完了していることを確認する<ステップS7>。そして二次電池1の充放電が完了している場合には、例えば充放電完了から30分が経過し、二次電池1の内部状態が安定化しているか否かを判定する<ステップS8>。尚、これらの条件が満たされない場合には、その条件が満たされるまでタブ外れの検証処理を待つ。
そして上記条件が整った場合には、前述した各並列ユニット3の端子電圧、つまりその開放端子電圧OCVcellをそれぞれ検出する<ステップS9>。そして開放端子電圧OCVcellの最大値OCVmaxと、その最小値OCVminとの差が、例えば
OCVmax−OCVmin ≧ 100mV
であるか否かを判定し<ステップS10>、100mV以上の電圧差がある場合には、これを真にタブ外れが生じたとして判定する<ステップS11>。しかし100mV以上の電圧差が認められない場合には、前述した電圧比に基づくタブ外れの検出結果を導いた端子電圧のバラツキは、専ら、二次電池セル2の温度分布や温度特性のバラツキに起因したものであり、タブ外れに起因するものではないとして前記制御フラグを[0]とする<ステップS12>。
ちなみにパック電池内での二次電池1に温度分布があり、複数の二次電池セル2間に温度差があるときには、その温度差に起因して各二次電池セル2の内部抵抗に差が生じる。すると電流が流れる状態での端子電圧測定においては各電池セル2の端子電圧の差が大きくなる。しかし上述したステップでは各電池セル2の開放端子電圧を測定しているので、内部抵抗に起因する電圧差が生じることがなく、従って正確にタブ外れを検出することができる。
かくして上述した如くして並列ユニット(電池セル)2のタブ外れを検出し、検証する本装置によれば、その使用初期時に発生するイレギュラー・シェープに起因する電圧のバラツキや、電池セル2自体の温度特性のバラツキに起因する電圧のバラツキを、タブ外れとして誤検出することがなくなる。しかも簡易にして効果的にタブ外れの誤検出を防ぐことができる。従ってタブ外れのない正常な二次電池装置(パック電池)を不本意に廃棄処分することがなくなり、エネルギ資源の有効活用を図ることが可能となる。
尚、タブ外れが検出された二次電池装置(パック電池)については、使用上の安全基準を満たさないので、使用できなくすることが好ましい。この場合、前述した放電制御スイッチ7を強制的にオフ制御しても良いが、例えば図7に示すように二次電池1の充放電路に抵抗加熱型ヒューズ26を直列に介挿しておき、該抵抗加熱型ヒューズ26を溶断することで二次電池1自体を回路的に切り離し、これによってパック電池を永久的に使用禁止に設定することが有用である。ちなみにこのような抵抗加熱型ヒューズ26を溶断や、前記放電制御スイッチ7のオフ制御によるパック電池の使用禁止処理については、二次電池1が放電していないことを条件として行うことが望ましい。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。ここでは高電圧タイプのリチウムイオン電池を用いた場合を例に説明したが、従来一般的な4.2Vタイプのリチウムイオン電池を用いる場合や、更に高性能化を図ったリチウムイオン電池を用いる場合にも本発明を同様に適用可能である。また使用初期時におけるタブ外れ検出を中止する磁化や充放電サイクル回数については、使用する電池セルの特性に合わせて定めれば良いことは言うまでもない。またタブ外れの検出条件を規定する電圧差や電圧比についても、使用する電池セルの特性に合わせて設定すれば十分である。要は本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 二次電池(二次電池群)
2 電池セル
3 並列ユニット
5 電流検出部
6 充電制御スイッチ(充電禁止手段)
7 放電制御スイッチ(放電禁止手段)
8 温度検出部
20 制御・演算部(マイクロプロセッサ)
20a 第1のタブ外れ判定手段
20b 第2のタブ外れ判定手段
20c 第1の異常検出制御手段
20d 第2の異常検出制御手段
21 マルチプレクサ(電圧検出部)
26 抵抗加熱型ヒューズ

Claims (3)

  1. 複数の二次電池セルを並列接続した並列ユニットを複数個直列に接続した二次電池群と、
    この二次電池群の充放電電流を検出する電流検出手段と、
    前記二次電池群における各並列ユニットの端子電圧をそれぞれ検出する電圧検出手段と、
    前記電流検出手段による検出結果と前記電圧検出手段による検出結果とに基づいて前記二次電池群における各並列ユニットでのタブ外れを検出する異常検出手段と、
    前記二次記電池群に対する充放電サイクル回数が、予め定めた一定回数に達するまで前記異常検出手段による前記タブ外れの検出処理を中止する異常検出制御手段と
    を具備し
    前記予め定めた一定回数は、前記二次電池群の充放電の繰り返しに伴って前記二次電池セルを構成する負極の表面が電解液と反応して安定化する回数として設定されるものであることを特徴とする二次電池装置。
  2. 前記異常検出手段は、前記二次電池群の充放電時における前記各並列ユニットの端子電圧をそれぞれ求め、その最大端子電圧と最小端子電圧との差または比、若しくは前記各並列ユニットの端子電圧の単位時間当たりの変動幅の最大値と最小値との差または比を判定してタブ外れの有無を検出する第1のタブ外れ判定手段と、この第1のタブ外れ判定手段にてタブ外れが検出されたとき、前記二次電池群の充放電停止後における前記各並列ユニットの端子電圧をそれぞれ求め、その最大端子電圧と最小端子電圧との差または比、若しくは前記各並列ユニットの端子電圧の単位時間当たりの変動幅の最大値と最小値との差または比を判定して前記タブ外れの発生を確認する第2のタブ外れ判定手段とを備える請求項1に記載の二次電池装置。
  3. 前記複数の二次電池セルは、高電圧タイプのリチウムイオン電池である請求項1に記載の二次電池装置。
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