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JP5475261B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents
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Description

本発明は、半導体ウエハ等の被処理体にプラズマ処理を施すためのプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイスの製造工程においては、被処理体である半導体ウエハに対してエッチング、アッシング、成膜等の種々のプロセスが行われている。これらの処理には真空雰囲気に保持可能な処理容器内で半導体ウエハにプラズマ処理を施すプラズマ処理装置が用いられている。プラズマ処理装置においては、処理容器の内壁はアルミニウム等の金属で形成されている。そのため、強いプラズマに曝されると、内壁面がプラズマにより削られてパーティクルが発生し、アルミニウム等によるメタルコンタミネーションが発生し、デバイスに悪影響を与えてしまう。
このような問題を解決するため、平面アンテナにより処理容器内にマイクロ波を導入してプラズマを生成させるRLSAマイクロ波プラズマ方式のプラズマ処理装置において、処理容器内でプラズマに曝される部位をシリコンでコーティングする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
ところで、近年、半導体ウエハの大型化と、デバイスの微細化が進展しつつあるが、これらに対応して、プラズマ処理の効率性(例えば成膜レート)とウエハ面内での処理の均一性を改善することが求められている。そのために、プラズマ処理装置の処理容器内で半導体ウエハを載置する載置台内に埋設された電極に高周波電力を供給して、半導体ウエハにバイアスを印加しながらプラズマ処理を行う方法が、プラズマ酸化処理に代表される成膜プロセスにおいても着目されている。
載置台の電極に高周波電力を供給する場合、プラズマ処理空間を隔てて処理容器内に対向する電極(対向電極)を設けることが必要である。対向電極の材質としては導電性の金属が望ましいが、プラズマ酸化プロセスでは、対向電極付近で強い酸化作用を持つプラズマが生成されるため、対向電極の表面が酸化されて劣化し、金属汚染やパーティクル発生原因となる。このような問題点に対して、対向電極の表面をアルミナやイットリア酸化物などの金属酸化物で被覆することにより耐久性を向上させることができる。しかし、上記金属酸化物で対向電極を被覆した場合、抵抗率および誘電率が高いので絶縁性には優れるが、プラズマの生成とともに表面電位が上昇し、対向電極とプラズマとの間の電位差が大きくなるためにシースが形成され、プラズマのスパッタ作用を受けやすくなり、被覆部位の劣化が進みやすいという問題がある。また、対向電極のスパッタを抑制するには、対向電極の面積を下部電極に比較して大きくすることが好ましいが、プラズマに接する対向電極の面積が増え、金属コンタミネーションを増加させる可能性も高くなってしまう。また、特許文献1のようなRLSAマイクロ波プラズマ方式のプラズマ処理装置では、処理容器の上部にマイクロ波導入部が配置されるため、平行平板方式などのプラズマ処理装置と違って対向電極の面積を大きくすることは、装置構成上の制約からも困難である。
また、通常、載置台内の電極にバイアス用の高周波電力を供給すると、この載置台からプラズマ処理空間を介して対向電極へ、さらに対向電極から処理容器の壁等を介してバイアス用の高周波電源のアースへ、と戻る高周波電流の経路(RFリターン回路)が形成される。このような高周波電流の経路が安定して形成されない場合、高周波電力の電力消費効率が低下する。また、高周波電流経路の途中で短絡や異常放電が生じると、プロセス効率が低下したり、プロセスの安定化を図ることができない、という問題が生じる。例えば、載置台からプラズマ処理空間を介して対向電極へ向かうべき高周波電力が、より近接した位置にある処理容器の側壁等に向かう短絡が生じると、高周波電力の電力消費効率が低下するとともに、プロセス効率が低下する。また、例えば対向電極の損傷を防ぐ目的で、金属酸化物で対向電極を被覆する場合、前記のとおり被覆された部位の表面電位が上昇しやすくなるため、スパッタ作用が強まるだけでなく、この部位での異常放電が発生しやすくなるという懸念がある。
特開2007−250569号
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、被処理体を載置する載置台の電極にバイアス用の高周波電力を供給する方式のプラズマ処理装置において、高周波電流の経路を適正化して電力消費効率を向上させるとともに、異常放電を防止してプロセスの効率化を図ることを目的とする。
本発明のプラズマ処理装置は、
プラズマを用いて被処理体を処理する上部が開口した処理容器と、
前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給機構と、
前記処理容器内を減圧排気する排気機構と、
前記処理容器内で被処理体を載置する載置台と、
前記載置台に埋設され、被処理体にバイアスを印加するための第1の電極と、
少なくともその一部が前記処理容器内のプラズマの生成領域に臨むように配置され、前記第1の電極に対してプラズマ処理空間を隔てて形成された導電性部材からなる第2の電極と、
前記第2の電極に支持されて前記処理容器の前記開口を塞ぐとともにマイクロ波を透過する誘電体板と、
前記誘導体板の上方に設けられ、導波管を介してマイクロ波発生装置に接続されて前記処理容器内にマイクロ波を導入する平面アンテナと、
を備えたプラズマ処理装置であって、
前記プラズマの生成領域に臨む部分の前記第2の電極の表面にシリコンをコーティングしてなる保護膜を設けるとともに、前記処理容器の上部の内壁に沿って第1の絶縁板を設け、該第1の絶縁板に隣接して前記処理容器の下部の内壁に沿って第2の絶縁板を設けたことを特徴とする。
本発明のプラズマ処理装置は、前記第1の絶縁板の厚みに比べ、前記第2の絶縁板の厚みが大きく形成されていることが好ましい。
また、本発明のプラズマ処理装置において、前記第2の絶縁板は、前記第1の電極が埋設された載置台の高さより低い高さ位置の前記処理容器の内壁の少なくとも一部を覆っていることが好ましい。この場合、前記第2の絶縁板は、前記処理容器の下部に連設された排気室に達する位置まで形成されていることが好ましい。
また、本発明のプラズマ処理装置において、前記処理容器は、第1の容器と、該第1の容器の上端面に接合される第2の容器と、を有し、前記第1の容器と前記第2の容器との間には、前記ガス供給機構から前記処理容器内に供給される前記処理ガスのガス通路が形成されており、該ガス通路を挟んでその両側には、第1のシール部材と第2のシール部材とが二重に設けられているとともに、前記処理容器の内部に近い側の前記第1のシール部材の配設部位では前記第1の容器と前記第2の容器とが当接しており、前記処理容器の外部に近い側の前記第2のシール部材の配設部位では前記第1の容器と前記第2の容器との間に隙間が形成されていることが好ましい。この場合、前記ガス通路は、前記第1の容器の上端面と前記第2の容器の下端面にそれぞれ設けられた段差によって形成されていることが好ましい。
また、本発明のプラズマ処理装置は、被処理体にプラズマ酸化処理を施すプラズマ酸化処理装置として構成され、前記シリコンの保護膜が前記プラズマの酸化作用により酸化されて二酸化珪素膜に改質されていることが好ましい。
また、本発明のプラズマ処理装置において、前記誘電体板、前記第1の絶縁板および前記第2の絶縁板が石英から構成されていることが好ましい。
本発明のプラズマ処理装置によれば、バイアス用の高周波電力を供給する載置台の電極に対向する第2の電極(対向電極)の表面にシリコンの保護膜を設け、この保護膜に隣接して第1の絶縁板を設け、この第1の絶縁板に連なって第2の絶縁板を設ける構成とした。シリコンをコーティングしてなる保護膜は、シリコンが導電性を有することから、載置台からプラズマ処理空間を隔てて第2の電極へと流れる適正な高周波電流経路を形成しやすくして他の部位における短絡や異常放電を抑制すると同時に、金属性の第2の電極の表面を保護して耐久性を向上させる効果を奏する。しかも、保護膜に用いられるシリコンは酸化されても誘電率と抵抗率の積が小さい二酸化珪素になるため、表面電位の上昇が少なく、プラズマのスパッタ作用を受けにくく、かつ異常放電を生じにくい性質を持つことから、第2の電極をプラズマから長期間保護できる。
また、第2の電極へ流れた高周波電流は、処理容器の側壁を伝って処理容器の下部へ導かれるが、第1の絶縁板および第2の絶縁板により載置台から直接処理容器の側壁への異常放電が抑制されるので、適正な高周波電流経路をさらに維持しやすくなる。このため、バイアス用の高周波電力の電力消費効率を改善できるとともに、異常放電によるプロセスへの悪影響を回避して安定したプラズマ処理が可能になる、という効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明のプラズマ処理装置の一実施の形態にかかるプラズマ酸化処理装置100の概略構成を模式的に示す断面図である。また、図2は、図1の要部を拡大して示す断面図である。また、図3は、図1のプラズマ酸化処理装置100の平面アンテナを示す平面図である。
プラズマ酸化処理装置100は、複数のスロット状の孔を有する平面アンテナ、特にRLSA(Radial Line Slot Antenna;ラジアルラインスロットアンテナ)にて直接処理容器内にマイクロ波を導入して処理容器内で高密度かつ低電子温度のマイクロ波励起プラズマを発生させ得るRLSAマイクロ波プラズマ処理装置として構成されている。プラズマ酸化処理装置100では、1×1010〜5×1012/cmのプラズマ密度で、かつ0.7〜2eVの低電子温度を有するプラズマによる処理が可能である。従って、プラズマ酸化処理装置100は、各種半導体装置の製造過程において、例えば被処理体のシリコンを酸化してシリコン酸化膜(例えばSiO膜)を形成する目的で好適に利用できる。
プラズマ酸化処理装置100は、気密に構成され、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と記す)Wが搬入されるための接地された略円筒状の処理容器1を有している。この処理容器1は、アルミニウムもしくはその合金、またはステンレス鋼等の金属材料からなり、その下部を構成し、その内側に第1の壁部を有する第1の容器2と、その上に配置され、その内側に第2の壁部を有する第2の容器3とを含む構成となっている。第1の容器2、第2の容器3は一体でもよい。また、処理容器1の上部には、処理空間にマイクロ波を導入するためのマイクロ波導入部26が開閉可能に設けられている。つまり、第2の容器3の上端部にはマイクロ波導入部26が係合し、第2の容器3の下端部は、第1の容器2の上端部と接合するようになっている。なお、第2の容器3には、複数の冷却水流路3aが形成されて第2の容器3の壁を冷却できるようになっている。従って、プラズマの熱による熱膨張によって接合部位の位置ずれやプラズマダメージが生じることを抑制し、シール性低下やパーティクルの発生が防止されている。
第1の容器2内には被処理体であるウエハWを水平に支持するための載置台5が、排気室11の底部中央から上方に延びる円筒状の支持部4により支持された状態で設けられている。載置台5および支持部4を構成する材料としては、石英やAlN、Al等のセラミックス材料を挙げることができるが、これらの中でも熱伝導性の良好なAlNが好ましい。また、載置台5には、抵抗加熱型のヒーター5aが埋め込まれており、例えば200Vの交流電源であるヒーター電源6から給電されることにより載置台5を加熱して、その熱で被処理体であるウエハWを加熱する。ヒーター5aとヒーター電源6とを接続する給電線6aには、RF(高周波)をフィルタリングするフィルタボックス45が設けられている。載置台5の温度は、載置台5に挿入された図示しない熱電対によって測定され、熱電対からの信号に基づいてヒーター電源6が制御され、例えば室温から800℃までの範囲で安定した温度制御が可能となっている。
また、載置台5の内部の表面側には、第1の電極としてのバイアス用の電極7が埋設されている。この電極7は、載置されるウエハWに略対応する領域に埋設されている。電極7の材質としては、例えばモリブデン、タングステンなどの導電性材料を用いることができる。電極7は、例えば網目状、格子状、渦巻き状等の形状に形成されている。また、載置台5の全面を覆うようにカバー8aが設けられており、このカバー8aにはウエハWをガイドするための溝が設けられている。また、載置台5の外周側には、処理容器1内を均一排気するため、石英製のバッフルプレート8bが環状に設けられている。このバッフルプレート8bは、複数の孔8cを有し、支柱(図示せず)により支持されている。さらに、載置台5には、ウエハWを支持して昇降させるための複数のウエハ支持ピン(図示せず)が載置台5の表面に対して突没可能に設けられている。
第2の容器3の上下の接合部には、例えばOリングなどのシール部材9a,9b,9cが設けられており、これにより接合部の気密状態が保たれる。これらシール部材9a,9b,9cは、例えばカルレッツ(商品名;デュポン社製)などのフッ素系ゴム材料からなっている。
第1の容器2の底壁2aの略中央部には円形の開口部10が形成されており、底壁2aにはこの開口部10と連通し、下方に向けて突出して処理容器1内部を均一に排気するための排気室11が連設されている。
図2に拡大して示したように、第1の容器2内の任意の箇所(例えば均等な4箇所)には、垂直方向に複数のガス供給路12が設けられている。ガス供給路12は、第1の容器2の上部と、第2の容器3の下部との接面部に形成された環状通路13に接続している。また、第2の容器3の内部には、この環状通路13に接続する複数のガス通路14が形成されている。また、第2の容器3の上端部には、内周面に沿って複数箇所(例えば32箇所の)にガス導入口15aが均等に設けられており、これらガス導入口15aから水平に延びるガス導入路15bが設けられている。このガス導入路15bは、第2の容器3内で鉛直方向に形成されたガス通路14と連通している。
環状通路13は、第1の容器2の上端面と、第2の容器3の下端面との接合部分において、段部18と段部19とによって形成された流路である。この環状通路13は、処理容器1内の空間を囲むように略水平方向に環状に連通している。環状通路13は、ガス供給路12を介して処理容器1の下部においてガス供給装置16と接続されている。なお、ガス供給装置16は処理容器1の側面に接続していてもよい。環状通路13は、各ガス通路14へガスを均等配分して供給するガス分配手段としての機能を有しており、処理ガスが特定のガス導入口15aに偏って供給されることを防ぐように機能する。
このように本実施形態では、ガス供給装置16からのガスを、各ガス供給路12、環状通路13、各ガス通路14を介して32箇所のガス導入口15aから配管の圧力損失なく均一に処理容器1内に導入できるので、処理容器1内のプラズマの均一性を高めることができる。
また、第2の容器3の下端面には、第1の容器2の上端面の段部18と組み合わせて環状通路13を形成できるように段部19が設けられている。つまり、第1の容器2の側壁の上端面の段部18と第2の容器3の下端面の段部19とによって環状通路13が形成されている。本実施の形態では、段部19の高さは段部18の高さよりも大きく形成されている。従って、第2の容器3の下端面と第1の容器2の上端面とを接合した状態では、シール部材9bが配設されている側では、段部19の突出面3bと段部18の非突出面2aとが当接するが、シール部材9aが配設されている側では、段部19の非突出面3cと段部18の突出面2bとが非当接状態となり、わずかな距離で隙間Sが形成されている。第2のシール部材としてのシール部材9aは、外部へガスが漏れない程度の気密性を保てる程度にシールする部分である。第1のシール部材としてのシール部材9bは、当接した状態の段部19の突出面3bと段部18の非突出面2aとをシールすることにより処理容器1内の気密性を保つとともに、段部19の突出面3bと段部18の非突出面2aを当接させているので、後述するように高周波電流のリターン回路が効率良く形成されて、対向電極(第2の電極としての蓋部27)の表面電位が下がり、対向電極がスパッタされ難くなる。この接合構造の作用については後述する。
上記排気室11の側面には排気管23が接続されており、この排気管23には真空ポンプを含む排気装置24が接続されている。そしてこの排気装置24を作動させることにより処理容器1内のガスが、排気室11の空間11a内へ均一に排出され、排気管23を介して排気される。これにより処理容器1内は所定の真空度、例えば0.133Paまで高速に減圧することが可能となっている。
第1の容器2の側壁には、ウエハWの搬入出を行うための搬入出口と、この搬入出口を開閉するゲートバルブとが設けられている(いずれも図示せず)。
処理容器1の上部は開口部となっており、この開口部を塞ぐようにマイクロ波導入部26が気密に配置可能となっている。このマイクロ波導入部26は、図示しない開閉機構により開閉可能となっている。
マイクロ波導入部26は、主要な構成として、載置台5の側から順に、蓋部27、透過板28、平面アンテナ31、遅波材33を有している。これらは、例えばSUS、アルミニウム、その合金等の導電性のカバー34によって覆われ、支持部材36を介して環状の押えリング35により蓋部27に固定されている。
蓋部27は、下部電極である載置台5の電極7に対して対向配置された対向電極である。マイクロ波導入部26が閉じられた状態においては、処理容器1の上部と、開閉機能を持つ蓋部27がシール部材9cによりシールされた状態となるとともに、後述するように透過板28が蓋部27に支持された状態となっている。なお、蓋部27の外周面には、複数の冷却水流路27bが形成され、プラズマの熱に起因する熱膨張による接合部位の位置ずれの発生によるシール性低下やパーティクルの発生が防止されている。
誘電体板としての透過板28は、誘電体、例えば石英やAl、AlN、サファイヤ、SiN等のセラミックスからなり、マイクロ波を透過し処理容器1内の処理空間に導入するマイクロ波導入窓として機能する。透過板28の下面(載置台5側)は平坦状に限らず、マイクロ波を均一化してプラズマを安定化させるため、例えば凹部や溝を形成してもよい。環状に配備された蓋部27の内周面には、処理容器1内空間へ向けて突出した突部27aが形成されており、その突部27aの上に、透過板28の外周部が、シール部材29を介して気密状態で支持されている。したがって、マイクロ波導入部26が閉じられた状態で処理容器1内を気密に保持することが可能となる。
平面アンテナ31は、円板状をなしており、透過板28の上方において、カバー34の外周部により係止されている。この平面アンテナ31は、例えば表面が金または銀メッキされた銅板、アルミニウム板、ニッケル板または真鍮板からなり、マイクロ波などの電磁波を放射するための多数のスロット孔32が対をなして所定のパターンで貫通して形成された構成となっている。
スロット孔32は、例えば図3に示すように長溝状をなし、典型的には隣接するスロット孔32同士が「T」字状に配置され、これら複数のスロット孔32が同心円状に配置されている。スロット孔32の長さや配列間隔は、マイクロ波の波長(λg)に応じて決定され、例えばスロット孔32の間隔は、λg/4からλgとなるように配置される。なお、図3においては、同心円状に形成された隣接するスロット孔32同士の間隔をΔrで示している。また、スロット孔32は、円形状、円弧状等の他の形状であってもよい。さらに、スロット孔32の配置形態は特に限定されず、同心円状のほか、例えば、螺旋状、放射状に配置することもできる。
遅波材33は、真空よりも大きい誘電率を有しており、平面アンテナ31の上面に設けられている。この遅波材33は、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂により構成されており、真空中ではマイクロ波の波長が長くなることから、マイクロ波の波長を短くしてプラズマを調整する機能を有している。なお、平面アンテナ31と透過板28との間、また、遅波材33と平面アンテナ31との間は、それぞれ密着させても離間させてもよいが、密着させることが好ましい。
カバー34には、冷却水流路34aが形成されており、そこに冷却水を通流させることにより、カバー34、遅波材33、平面アンテナ31、透過板28、蓋部27を冷却するようになっている。これにより、変形や破損を防止し、安定したプラズマを生成することが可能である。なお、平面アンテナ31及びカバー34は接地されている。
カバー34の上壁の中央には、開口部34bが形成されており、この開口部34bには導波管37が接続されている。この導波管37の端部には、マッチング回路38を介してマイクロ波発生装置39が接続されている。これにより、マイクロ波発生装置39で発生した、例えば周波数2.45GHzのマイクロ波が導波管37を介して上記平面アンテナ31へ伝搬されるようになっている。マイクロ波の周波数としては、8.35GHz、1.98GHz等を用いることもできる。
導波管37は、上記カバー34の開口部34bから上方へ延出する断面円筒状の同軸導波管37aと、この同軸導波管37aの上端部にモード変換器40を介して接続された水平方向に延びる矩形導波管37bとを有している。矩形導波管37bと同軸導波管37aとの間のモード変換器40は、矩形導波管37b内をTEモードで伝播するマイクロ波をTEMモードに変換する機能を有している。同軸導波管37aの中心には内導体41がモード変換器40から平面アンテナ31へかけて延在しており、内導体41は、その下端部において平面アンテナ31の中心に接続固定されている。また、平面アンテナ31とカバー34により偏平導波路が形成されている。これにより、マイクロ波は、同軸導波管37aの内導体41を介して平面アンテナ31へ放射状に効率よく均一に伝播される。
載置台5に埋設された電極7には、支持部4の中を通る給電線42、マッチングボックス(M.B.)43を介してバイアス印加用の高周波電源44が接続されており、ウエハWに高周波バイアスを印加できる構成となっている。前記のとおり、ヒーター電源6からの電力をヒーター5aへ供給する給電線6aには、フィルタボックス45が設けられている。そして、マッチングボックス43とフィルタボックス45が、シールドボックス46を介して連結されてユニット化され、排気室11の底部に装着されている。シールドボックス46は、例えばアルミニウム、SUSなどの導電性材料で形成されている。シールドボックス46内には、給電線42に接続された銅などの材質の導電板47が配備されてマッチングボックス43内のマッチャー(図示せず)に接続されている。導電板47を用いるので接触不良が起こりにくく、給電線42との接触面積を大きくとることができ、接続部分での電流損失を低減できる。
従来は、シールドボックス46を備えずに、マッチングボックス43と給電線42との間を外部に露出した状態で同軸ケーブルなどを用いて接続していたため、当該同軸ケーブルの部分で高周波電力の損失が生じていた。また、この場合、高周波電流は、載置台5からプラズマ形成空間を介して対向電極(この場合は、例えば蓋体27、第1の容器2、第2の容器3などが対向電極となりうる)へ伝わり、処理容器1の第2の容器3、第1の容器2、さらに排気室11の壁を介して高周波電源44のアースへと戻って行く電流経路を形成するが、同軸ケーブルの長さに比例して抵抗が大きくなってしまう。
また、フィルタボックス45と給電線6aとを、外部に露出した同軸ケーブルなどを用いて接続した場合にも、同様に同軸ケーブルの部分で電力の損失が生じる。この部分で電力の損失が生じると、高周波電源44から電極7へ供給された高周波電力が、対向電極である蓋部27へ向かわず、電極7からヒーター5a、給電線6aへと向かう異常な電流経路を形成し、正規の高周波電流経路(RFリターン回路;後述)の形成が妨げられ、異常放電が発生してしまう。
以上のことから、本実施の形態のプラズマ酸化処理装置100では、マッチングボックス43とフィルタボックス45を、シールドボックス46を介して連結してユニット化することにより、処理容器1の排気室11の下部に直接接続する構成とした。これにより、高周波電源44からの電力の損失を低減し、電力消費効率を高めることができる。また、スペース的にも小さくコンパクト化出来る。
上記蓋部27の内側は、プラズマ生成領域に臨んで形成されており、その表面が強いプラズマに曝されることによりスパッタリングされ、損耗する。このため、図2に拡大して示したように、載置台5の電極7に対して対向電極として機能するアルミニウム製の蓋部27の突部27aがプラズマに曝される表面には、導電性の材料例えばシリコンからなる、保護膜としてのシリコン膜48がコーティングされている。シリコン膜48を構成するシリコンは、多結晶シリコンなどの結晶構造を有していてもよいし、アモルファス構造であってもよい。導電性のシリコン膜48は、載置台5からプラズマ処理空間を隔てて対向電極である蓋部27へと流れる高周波電流経路を効率的に形成して他の部位における短絡や異常放電を抑制すると同時に、蓋部27の表面をプラズマによる酸化作用やスパッタ作用から保護し、蓋部27の構成材質であるアルミニウム等の金属によるコンタミネーションの発生を抑制する。また、シリコン膜48は、プラズマの酸化作用によって酸化されて二酸化珪素膜(SiO膜)となっても、非常に薄く、かつ誘電率と抵抗率の積が小さな材質であるため、載置台5からプラズマ処理空間を隔てて対向電極である蓋部27へと流れる電流経路を妨げることが少なく、適正な高周波電流経路を維持できる。
すなわち、プラズマ酸化処理装置100では、ウエハWに対してプラズマ酸化処理を行う際に、プラズマの酸化作用によってシリコン膜48が酸化されて二酸化珪素膜(SiO膜)へと変化する。しかし、SiOの誘電率εは3.4、抵抗率ρは7.7×1014Ω・mであり、誘電率と抵抗率の積(ε×ρ)は2.3×10と小さな値である。一方、金属酸化物、例えばYの誘電率εは12.5、抵抗率ρは10×1016Ω・mであり、誘電率と抵抗率の積(ε×ρ)は1.3×10であり、Alの誘電率εは10.8、抵抗率ρは5.8×1014Ω・mであり、誘電率と抵抗率の積(ε×ρ)は5.5×10といずれも大きな値である。一般に、誘電率と抵抗率の積(ε×ρ)が大きくなるほど、酸化物膜の表面に電荷が蓄積しやすくなり、表面電位が高くなるので、酸化物膜がチャージアップされやすくなり、スパッタ作用を受けやすくなって、膜の耐久性が低下する。また、誘電率と抵抗率の積(ε×ρ)が大きいほど、異常放電も発生しやすくなる。シリコン膜48のシリコンは、プラズマにより酸化されてSiOに変化しても、材質がイットリア酸化物やアルミナである保護膜に比べて、誘電率と抵抗率の積(ε×ρ)が小さいため、表面電位が高くなり難く、耐久性を長期間維持できるとともに異常放電の発生を抑制できる。
上記目的のために、蓋部27に形成されるシリコン膜48は、気孔率が小さく緻密で低抵抗率の膜であることが好ましい。シリコン膜48の気孔率が大きくなると体積抵抗率も大きくなることから、例えば気孔率が1〜10%の範囲内で、体積抵抗率が5×10〜5×10Ω・cmの範囲内であることが好ましい。また、シリコン膜48の厚さは、例えば10〜800μmの範囲内が好ましく、50〜500μmの範囲内がより好ましく、50〜150μmの範囲内が望ましい。シリコン膜48の厚さが10μm未満であると十分な保護作用が得られず、800μmを超えると応力によりクラックやはがれ等が生じやすくなる。
保護膜としてのシリコン膜48は、PVD(物理蒸着)およびCVD(化学蒸着)等の薄膜形成技術や溶射等で形成することができるが、その中でも比較的安価で容易に上記気孔率、体積抵抗率が良好な範囲内になるように制御可能な皮膜を形成することができる溶射が好ましい。溶射には、フレーム溶射、アーク溶射、レーザー溶射、プラズマ溶射等があるが、制御性良く高純度の膜を形成する観点からプラズマ溶射が好ましい。また、プラズマ溶射法としては、大気圧プラズマ溶射法、真空プラズマ溶射法が挙げられる。
また、本実施の形態に係るプラズマ酸化処理装置100では、処理容器1の内周に石英からなる円筒状のライナーが設けられている。ライナーは、処理容器1の上部の主に第2の容器3の内面を覆う第1の絶縁板としての上部ライナー49aと、この上部ライナー49aに連なって処理容器1の下部の主に第1の容器2の内面を覆う第2の絶縁板としての下部ライナー49bとを含む構成となっている。上部ライナー49a及び下部ライナー49bは、壁とプラズマとの接触を防止し、処理容器1の構成材料による金属汚染を防止するとともに、載置台5から処理容器1の側壁へ向かって高周波電力の短絡や異常放電が生じないにように作用する。載置台5との間隔が小さく近接した位置に配備される下部ライナー49bは上部ライナー49aに比べて厚みが大きく形成されている。ライナーの厚みは、高周波電流の短絡や異常放電が生じない程度の厚みにインピーダンスを考慮して設定されている。
また、下部ライナー49bは、電極7が埋設された載置台5の高さより低い高さ位置の第1の容器2と排気室11の内面の少なくとも一部を覆うように設けられている。載置台5の下方部分において、載置台5と第1の容器2との距離が最も短くなることに対応して、この部位での異常放電を防ぐためである。なお、上部ライナー49a及び下部ライナー49bの材質としては、石英が好ましいが、Al、AlN、Y等のセラミックスなどの誘電体を適用することもできる。なお、上部ライナー49a及び下部ライナー49bは、上記材料をコーティングすることによって形成してもよい。
プラズマ酸化処理装置100の各構成部は、制御部50に接続されて制御される構成となっている。制御部50は、典型的にはコンピュータを有しており、例えば図4に示したように、CPUを備えたプロセスコントローラ51と、このプロセスコントローラ51に接続されたユーザーインターフェース52および記憶部53を備えている。プロセスコントローラ51は、プラズマ酸化処理装置100において、例えば温度、圧力、ガス流量、マイクロ波出力、バイアス印加用の高周波電力などのプロセス条件に関係する各構成部(例えば、ヒーター電源6、ガス供給装置16、排気装置24、マイクロ波発生装置39、高周波電源44など)を統括して制御する制御手段である。
ユーザーインターフェース52は、工程管理者がプラズマ酸化処理装置100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、プラズマ酸化処理装置100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等を有している。また、記憶部53には、プラズマ酸化処理装置100で実行される各種処理をプロセスコントローラ51の制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウエア)や処理条件データ等が記録されたレシピなどが保存されている。
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース52からの指示等にて任意のレシピを記憶部53から呼び出してプロセスコントローラ51に実行させることで、プロセスコントローラ51により制御されてプラズマ酸化処理装置100の処理容器1内で所望の処理が行われる。また、前記制御プログラムや処理条件データ等のレシピは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えばCD−ROM、ハードディスク、フレキシブルディスク、フラッシュメモリ、DVD、ブルーレイディスクなどに格納された状態のものを利用できる。さらに、前記レシピを他の装置から例えば専用回線を介して伝送させて利用することも可能である。
このように構成された本発明のプラズマ酸化処理装置100では、例えば室温(25℃程度)以上600℃以下の低温で下地膜や基板(ウエハW)等へのダメージフリーなプラズマ酸化処理を行うことができる。また、プラズマ酸化処理装置100は、プラズマの均一性に優れていることから、大口径のウエハW(被処理体)に対してもプロセスの均一性を実現できる。
次に、プラズマ酸化処理装置100の動作について説明する。まず、ウエハWを処理容器1内に搬入し、載置台5上に載置する。そして、ガス供給装置16から、処理ガスとして、例えばAr、Kr、Heなどの希ガス、例えばO、NO、NO、NO、COなどの酸化ガスを所定の流量でガス導入口15aを介して処理容器1内に導入する。なお、必要に応じてHを添加してもよい。
次に、マイクロ波発生装置39からのマイクロ波を、マッチング回路38を経て導波管37に導き、矩形導波管37b、モード変換器40、および同軸導波管37aを順次通過させて内導体41を介して平面アンテナ31に供給し、平面アンテナ31のスロット孔32から透過板28を介して処理容器1内に放射させる。
マイクロ波は、矩形導波管37b内ではTEモードで伝搬し、このTEモードのマイクロ波はモード変換器40でTEMモードに変換されて、同軸導波管37a内を平面アンテナ31に向けて伝搬されていく。平面アンテナ31から透過板28を経て処理容器1に放射されたマイクロ波により処理容器1内で電磁界が形成され、処理ガスがプラズマ化する。
このプラズマは、マイクロ波が平面アンテナ31の多数のスロット孔32から放射されることにより、略1×1010〜5×1012/cmの高密度で、かつウエハW近傍では、略1.5eV以下の低電子温度プラズマとなる。したがって、このプラズマをウエハWに対して作用させることにより、プラズマダメージを抑制した処理が可能になる。
また、本実施の形態では、プラズマ処理を行なっている間、高周波電源44から所定の周波数で高周波電力を載置台5の電極7に供給する。高周波電源44から供給される高周波電力の周波数は、例えば100kHz以上60MHz以下の範囲内が好ましく、400kHz以上13.5MHz以下の範囲内がより好ましい。高周波電力は、ウエハWの面積当たりのパワー密度として例えば0.2W/cm以上2.3W/cm以下の範囲内で供給することが好ましく、0.35W/cm以上1.2W/cm以下の範囲内で供給することがより好ましい。また、高周波のパワーは200W以上2000W以下の範囲内が好ましく、300W以上1200W以下の範囲内がより好ましい。載置台5の電極7に供給された高周波電力は、プラズマの低い電子温度を維持しつつ、プラズマ中のイオン種をウエハWへ引き込む作用を有している。従って、電極7に高周波電力を供給して、ウエハWにバイアスを印加することにより、プラズマ酸化処理のレートを速め、かつウエハ面内における処理の均一性を高めることができる。
この場合、図5に矢印で示したように、本発明のリターン回路構成により高周波電源44から、ユニット化された高周波電力の導入部(マッチングボックス43およびシールドボックス46内の導電板47)と給電線42を介して、電力損失が少ない状態で載置台5の電極7へ効率良く高周波電力が供給される。電極7へ供給された高周波電力は、載置台5からプラズマ形成空間を介して対向電極としての蓋部27へ伝わり、処理容器1の第2の容器3、第1の容器2、さらに排気室11の壁を介して高周波電源44のアースへと伝わる高周波電流経路(RFリターン回路)を形成する。このRFリターン回路の等価回路は、図6のように表すことができる。本実施の形態では、蓋部27のプラズマの生成領域に臨む部位には、導電性のシリコン膜48(またはシリコンが酸化されてなるSiO膜)が設けられているので、載置台5からプラズマ処理空間を隔てて対向電極である蓋部27へと流れる適正な高周波電流経路の形成が妨げられることが少ない。しかも、シリコン膜48に隣接して第2の容器3および第1の容器2の内面には、上部ライナー49aおよびこれよりも肉厚の下部ライナー49bが設けられているので、これらの部位への短絡や異常放電を確実に抑制することができる。
また、シリコン膜48は、プラズマの作用によって酸化されSiO膜に変化した場合でも、誘電率と抵抗率の積(ε×ρ)がイットリア酸化物やアルミナに比べて小さい。したがって、表面電位の上昇が抑えられ、チャージアップによるスパッタや異常放電が生じにくく、耐久性に優れ、アルミニウム等の金属コンタミネーションの発生を長期間抑制できる。つまり、シリコン膜48によって、異常放電を抑制できるとともに、金属コンタミネーションを防止することができる。
また、本実施の形態では、前記のように、第2の容器3と第1の容器2とを接合した状態で、シール部材9bが配設されている側では、段部19の突出面3bと段部18の非突出面2aとが当接するが、シール部材9aが配設されている側では、段部19の非突出面3cと段部18の突出面2bとが非当接状態となり、わずかな距離で隙間Sが形成されている。段部18と段部19の高さは、加工寸法精度の制約から、どちらかの段差を高くして、段部18と段部19により形成される2組の突出面と非突出面のどちらか一方のみを当接させることが必要である。載置台5にバイアス用の高周波電力を供給しない従来の処理容器の構造では、主として環状通路13よりも外側(環状通路13の外周)に位置するシール部材9aによって処理容器1内の気密性を確保するため、シール部材9aが配設されている側で段部18の突出面2bと段部19の非突出面3cとを密着させ、シール部材9bが配設されている側では、段部18の非突出面2aと段部19の突出面3bとを非当接状態としてこの部分に隙間を形成させていた。この場合は、内側のシール部材9bは主に処理容器1の内部と環状通路13との間のガスシール機能を有していた。
しかし、載置台5の電極7へバイアス用の高周波電力を供給するプラズマ酸化処理装置100では、前記のとおり、電極7へ供給された高周波電力は、載置台5からプラズマ形成空間を介して対向電極としての蓋部27へ伝わり、処理容器1の第2の容器3および第1の容器2、さらに排気室11の壁を介して高周波電源44のアースへと伝わる高周波電流経路(RFリターン回路)を形成する。このとき、高周波電流は、第2の容器3および第1の容器2の内壁に沿って表面電流として伝わるため、第2の容器3および第1の容器2の内面側に隙間が存在すると、そこで電流が遮られ、高周波電流経路が複雑になるとともに距離も長くなり、例えば段部18や段部19の角部などで異常放電を引き起こして適正な高周波電流経路の形成が妨げられる場合がある。このため、本実施の形態では、シール部材9bが配設されている側では、段部19の突出面3bと段部18の非突出面2aとを密着させて、処理容器1の内面すなわち第2の容器3および第1の容器2の内壁に沿って高周波電流がスムーズに流れるように構成されている。この場合、段部19の突出面3bと段部18の非突出面2aとの接触面積が小さくなっており、これにより接触圧が大きくなって導通の安定化が図られている。
以上のように、本実施の形態にかかるプラズマ酸化処理装置100では、ウエハWを載置する載置台5の電極7に供給されたバイアス用の高周波電力の経路を適正化して電力消費効率を向上させるとともに、異常放電を防止してプロセスの効率化を図ることができる。
次に、アルミニウム製の蓋部27のプラズマに曝される表面(対向電極の表面)にシリコン膜48を形成した場合と、シリコン膜48形成していないアルミニウム製の従来の蓋部を用いた場合の、(1)プラズマ酸化処理によるアルミニウムコンタミネーションの比較、(2)ウエハW表面のシリコンの酸化レートおよびそのウエハ面内での均一性の高周波パワー依存性、について検討を行った。シリコン膜48は大気プラズマ溶射法により、溶射膜厚が80μmとなるように形成した。このシリコン膜48は、純度99.9%、体積抵抗値1×10Ω・cm、気孔率が約6%、表面粗さ(Ra)が4.86であった。
プラズマ処理は、処理ガスとしてArガス、Oガスを、Ar/O/H=1200/388/12mL/min(sccm)の流量[(O+H)/(Ar+O+H)比は25体積%、H/(O+H)比は3体積%]で供給し、プラズマ生成用の2.45GHzのマイクロ波電力を4000W(パワー密度2.05W/cm)、処理容器1内の圧力を667Paとして行った。なお、載置台5の電極7に供給するバイアス用の高周波電力の周波数は、13.56MHz、高周波パワーは600W(パワー密度0.702W/cm)で実験を行った。
上記条件で、約1500枚のウエハWを処理し、アルミニウムコンタミネーションとパーティクル数を計測した結果を図7に示した。アルミニウムが露出した状態(Al無垢)の蓋部を用いた場合には、アルミニウムコンタミネーションが8×10〜5×10atoms/cm程度であったのに対し、シリコン膜48を形成した状態(Si溶射)の蓋部27を用いた場合には、2.8×10〜5×10atoms/cm程度と、3×10atoms/cm以下に抑制できた。また、パーティクル数についても、アルミニウムが露出した状態(Al無垢)の蓋部を用いた場合には、ウエハWの処理枚数が約1000枚までは20個前後で推移し、約1000枚以降は100個以上であったのに対し、シリコン膜48を形成した状態(Si溶射)の蓋部27を用いた場合には、1500枚のウエハWを処理しても、10個前後であり、明らかに低い値であった。
また、上記条件でプラズマ酸化処理を行った場合の平均膜厚およびそのウエハ面内での均一性の高周波パワー依存性についての比較結果を図8に示した。なお、載置台5の電極7に供給するバイアス用の高周波電力の周波数は、13.56MHz、高周波パワーは、0W(バイアス印加せず)、300Wまたは600Wで実験を行った。また、ウエハ面内均一性は、ウエハ面内での最大・最小膜厚の範囲を(平均膜厚×2)の値で除した百分率として求めた。図8に示したように、保護膜を形成しても、酸化レート及びウエハ面内での均一性は、ほぼ横ばいで推移していることから、実質的に同等の処理が出来ることが示された。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、プラズマに曝される部材としての蓋部27の本体としてアルミニウムを用いたが、ステンレス鋼等の他の金属を用いた場合であっても同様の効果を得ることができる。また、プラズマ処理の内容も、載置台5の電極7に高周波電力を供給するプロセスであれば、プラズマ酸化処理に限るものではなく、例えばプラズマ窒化処理、エッチング処理などの種々のプラズマ処理を対象とすることができる。さらに、被処理体についても、半導体ウエハに限らず、FPD用ガラス基板などの他の基板を対象にすることができる。
本発明の一実施の形態に係るプラズマ酸化処理装置の概略断面図である。 図1の要部を拡大して示す断面図である。 平面アンテナの構造を示す図面である。 制御部の構成を示す説明図である。 プラズマ酸化処理装置における電流の流れを説明する図面である。 RFリターン回路の等価回路を説明する図面である。 プラズマ酸化処理におけるアルミニウムコンタミネーションとパーティクル数の計測結果を示すグラフ図面である。 プラズマ酸化処理における酸化レートおよびそのウエハ面内での均一性の高周波パワー依存性についての結果を示すグラフ図面である。
符号の説明
1…処理容器、2…第1の容器、3…第2の容器、4…支持部、5…載置台、7…電極、13…環状通路、14…ガス通路、15a…ガス導入口、15b…ガス導入路、16…ガス供給装置、18,19…段部、24…排気装置、26…マイクロ波導入部、27…蓋部、27a…突部、28…透過板、29…シール部材、31…平面アンテナ、32…スロット孔、37…導波管、37a…同軸導波管、37b…矩形導波管、39…マイクロ波発生装置、40…モード変換器、43…マッチングボックス、44…高周波電源、45…フィルタボックス、46…シールドボックス、47…導電板、48…シリコン膜、49a…上部ライナー、49b…下部ライナー、100…プラズマ酸化処理装置、W…半導体ウエハ(被処理体)

Claims (8)

  1. プラズマを用いて被処理体を処理する上部が開口した処理容器と、
    前記処理容器内に処理ガスを供給するガス供給機構と、
    前記処理容器内を減圧排気する排気機構と、
    前記処理容器内で被処理体を載置する載置台と、
    前記載置台に埋設され、被処理体にバイアスを印加するための第1の電極と、
    前記処理容器内のプラズマの生成領域に臨むように配置された突部を有し、前記第1の電極に対してプラズマ処理空間を隔てて形成された導電性部材からなる第2の電極と、
    前記第2の電極の前記突部に支持されて前記処理容器の前記開口を塞ぐとともにマイクロ波を透過する誘電体板と、
    前記誘導体板の上方に設けられ、導波管を介してマイクロ波発生装置に接続されて前記処理容器内にマイクロ波を導入する平面アンテナと、
    を備えたプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマの生成領域に臨む前記突部の表面にシリコンをコーティングしてなる保護膜を設けるとともに、前記処理容器の上部の内壁に沿って第1の絶縁板を設け、該第1の絶縁板に隣接して前記処理容器の下部の内壁に沿って第2の絶縁板を設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記第1の絶縁板の厚みに比べ、前記第2の絶縁板の厚みが大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記第2の絶縁板は、前記第1の電極が埋設された載置台の高さより低い高さ位置の前記処理容器の内壁の少なくとも一部を覆っていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記第2の絶縁板は、前記処理容器の下部に連設された排気室に達する位置まで形成されていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記処理容器は、第1の容器と、該第1の容器の上端面に接合される第2の容器と、を有し、前記第1の容器と前記第2の容器との間には、前記ガス供給機構から前記処理容器内に供給される前記処理ガスのガス通路が形成されており、該ガス通路を挟んでその両側には、第1のシール部材と第2のシール部材とが二重に設けられているとともに、前記処理容器の内部に近い側の前記第1のシール部材の配設部位では前記第1の容器と前記第2の容器とが当接しており、前記処理容器の外部に近い側の前記第2のシール部材の配設部位では前記第1の容器と前記第2の容器との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記ガス通路は、前記第1の容器の上端面と前記第2の容器の下端面にそれぞれ設けられた段差によって形成されていることを特徴とする請求項5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 被処理体にプラズマ酸化処理を施すプラズマ酸化処理装置として構成され、前記シリコンの保護膜が前記プラズマの酸化作用により酸化されて二酸化珪素膜に改質されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記誘電体板、前記第1の絶縁板および前記第2の絶縁板が石英から構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
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