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JP5477257B2 - 機器用コネクタ - Google Patents
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Description

本発明は、機器用コネクタに関する。
従来、基板に取り付けられるコネクタの一例として特許文献1に記載されたものが知られている。このコネクタは、ケース内に収容された基板の導電路とケース外の相手側コネクタとの電気的接続を図るものであって、ケースを内外に貫通するコネクタハウジングと、コネクタハウジングに収容された端子金具とを備えている。ケース外へと通じる例えばケースの開口部とその開口部を挿通するコネクタハウジングとの間には、シール部材が配されており、ケース内の防水性が確保されている。
ところで、ケースの内部空間を完全に密閉状態としてしまうと、例えば通電時に基板が発熱した場合、ケースの内圧が上昇する可能性がある。このため、防水性が確保されたコネクタハウジング内にはケース内外に通じる貫通孔が設けられている。このような貫通孔は、ケース内の圧抜きに利用される他、ケース内の密閉性が保たれているかどうか、シール部材の組付け状態を確認するために、圧縮空気を送り込むための検査用の通気口としても利用されることも知られている。この通気口からケース内に圧縮空気を送り込み、ケース内を加圧状態とした上で、ケース外へのリークを検知することで、シール部材が適切に組み付けられているか否かが判断される。
特開2004−342488号公報
ところで、このような通気口をコネクタハウジングに形成するには、例えば端子金具を圧入する端子装着孔を成形するのと同様に、成形金型にその抜き方向に沿って延びる抜きピンを備えれば、射出成形と同時に成形することができる。しかしながら、コネクタハウジングが例えばL字形に屈曲し、その内部に収容される端子金具もL字形のものがインサート成形される場合にあっては、コネクタハウジングの防水性を確保するために通気口も端子金具の延出方向に沿ったL字形に形成する必要がある。このL字形のような屈曲した通気口を成形するには、上記のようにI字形の通気口を成形する場合と異なり、成形金型の抜き方向を利用して抜きピンで引き抜くだけでは成形できず、通気口の成形が困難を極めていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子金具の延出方向によらずに簡易な構成でコネクタハウジングを貫通する通気口を形成することが可能な機器用コネクタを提供することを目的とする。
本発明は、密閉型のケースを内外に貫通した状態に設けられる機器用コネクタであって、端子金具を保持した状態に成形された複数の一次成形体を組み合わせてなる中子と、この中子をインサートして成形されるコネクタハウジングと、を備え、前記一次成形体の互いに重なり合う合わせ面のうち、一方の合わせ面には前記端子金具の延出方向に沿って延びる溝部が形成され、他方の合わせ面と組み合わさることで前記ケースを貫通する通気口が構成されることに特徴を有する。
このような構成によれば、中子を複数の一次成形体を組み合わせて構成し、その一方の合わせ面上に端子金具の延出方向に沿って延びる溝部を形成し、その溝部の上部を他方の合わせ面で塞ぐことで、中子を貫通する通気口を容易に形成することができる。よって、従来の例えば、一次成形金型の抜き方向を利用して抜きピン等でI字形の通気口を成形する場合と異なり、たとえ端子金具がL字形やその他複雑に屈曲する形状であっても、その延出方向に沿った通気口を容易に形成できるのである。このような中子をインサートしてコネクタハウジングを成形した機器用コネクタが、密閉型のケースを内外に貫通した状態に設けられることで、上記通気口は、ケースを貫通する通気口となる。このような通気口は、例えばケース内の気密性を確認するために利用され、具体的には通気口から圧縮空気を送り込み、ケース内を加圧状態とした上でケース外へのリークを検知することで、ケース内の密閉性を確認することができる。
互いに重なり合う前記合わせ面のうち、一方の合わせ面には、前記溝部の延出方向に沿って延びる一対の凸条部が形成され、他方の合わせ面には、それぞれ前記凸条部に嵌合する凹条部が形成されており、前記凸条部及び前記凹条部は、前記溝部を挟んで前記溝部よりも前記一次成形体の外側面側に位置していることが望ましい。
このような構成によれば、複数の一次成形体を組み合わせて構成された中子をインサートしてコネクタハウジングを成形する際に、金型内に射出された溶融樹脂の射出圧が中子に作用して、各合わせ面間の隙間から流れ込んだ溶融樹脂が、溝部まで入り込むのを抑制することができる。これにより、コネクタハウジングを貫通する通気口を確実に形成することができる。即ち、溝部の両外側面側には、凸条部が設けられており、外側面側から侵入する溶融樹脂は凸条部によって遮られる。さらに、凸条部は凹条部に嵌合されるから、その合わせ面上に形成された凹凸形状により、合わせ面を伝って溝部に浸入する溶融樹脂の浸入経路の距離をかせぐことができ、より溶融樹脂が溝部に流れ込みにくい構成とすることができるのである。
本発明によれば、端子金具の延出方向によらずに簡易な構成でコネクタハウジングを貫通する通気口を形成することが可能な機器用コネクタを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るECUケースの平面図 図1のA−A断面図 第1の一次成形体の平面図 第2の一次成形体の平面図 第1の一次成形体及び第2の一次成形体の正面図 同側面図 中子の平面図 同正面図 同側面図 アッパーケースを取り付けた状態のECUケースの平面図 Oリングの組付け状態を検査する工程を示した断面図
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図11によって説明する。
本実施形態におけるコネクタは、図示しない回路基板を収容して電子制御ユニット(ECU)を構成するECUケース10に一体に設けられた複数のコネクタ部のうちの一つに適用される場合を例示するものであって、2つの一次成形体40、50を中子30として、インサート成形によりその外周を覆うコネクタハウジング21を含むケース本体11を一体成形したものである。以下の説明において、図1の紙面手前側を上側として説明する。
ECUケース10は、図1に示すように、矩形をなす枠状のケース本体11と、それぞれケース本体11の側壁12を貫通した状態に一体に設けられた3つのコネクタ部13、14、20とを備えている。ケース本体11は、合成樹脂製であって、その四隅には上下方向に貫通する取付孔15が設けられ、上面及び下面の双方には、環状のOリング収容溝16が形成されている。
コネクタ部13、14、20のうち、本発明の機器用コネクタに相当するコネクタ部20は、複数の端子金具31を保持した中子30と、この中子30を覆い、ケース本体11の側壁12に連なるコネクタハウジング21とから構成される。コネクタハウジング21はケース本体11と共に一体成形される合成樹脂製であって、図2に示すように、中子30の外形に沿ったL字状をなしており、上方に向かって開口する筒状のフード部22を備えている。フード部22にその一端を包囲された複数の端子金具31は所定の間隔に整列して配設されており、一端はフード部22の奥壁22Aから上方に向かって突出し、他端はケース本体11の側壁12から内周側に突出し、その後下方に向かって屈曲した態様をなしている。コネクタ部20内には、端子金具31の延出方向に沿って延びる通気口23が形成されている。この通気口23は、その一端をフード部22の奥壁22Aに、他端をケース本体11の内周側へと開口させ、つまりはECUケース10を内外に貫通する貫通孔であって、その孔径は圧縮空気を送ることが可能な大きさに設定されている。
続いて、中子30を構成する一次成形体40、50について図3ないし図9を用いて詳しく説明する。なお、一次成形体40、50に関して、以下、図7の右側を前側、左側を後側、上下方向を幅方向として説明する。一次成形体は、それぞれ第1の一次成形体40と第2の一次成形体50とされ、第2の一次成形体50の上方から第1の一次成形体40を組み付けて上下方向に積層させることで一つの中子30を構成する。詳しくは後述するが、この中子30をインサートすることでコネクタハウジング21及びそれと一体化したケース本体11等が二次成形される。
まず、この2つの一次成形体40、50の共通構成を説明すると、合成樹脂製の本体部32に導電金属製の端子金具31をインサート成形により保持した態様をなしている。端子金具31は、図6に示すように、その一端を本体部32の後側上部から上方に向かって突出させ、本体部32内で略直角に屈曲させた後、他端を本体部32の前端から前方に向かって突出させ、その延出途中において下方に屈曲させており、複数回にわたって折り曲げられた形状をなしている。この端子金具31は、互いに交わらないように幅方向に直列に整列した状態で、第1の一次成形体40にいたっては7本、第2の一次成形体50にいたっては6本が本体部32に保持されている。
次に各一次成形体40、50の独自の構成について説明する。
まず、第1の一次成形体40において、その本体部32Aの外周面のうち、第2の一次成形体50に接する嵌合面は合わせ面41とされている。合わせ面41からは、図5及び図6に示すように、円柱状の嵌合凸部42が互いの位置関係が略正方形をなすように4本突設されている。そして、合わせ面41の幅方向略中央部には、後端から前端のやや手前の位置まで延出する2本の凹条部43が並列して凹設されている。凹条部43の後端は、図3に示す端子金具31の突出する上面44にまで達し、その断面は略方形をなしている。この凹条部43は後述する第2の一次成形体50の凸条部56に嵌合可能とされている。
第2の一次成形体50は、図4に示すように、第1の一次成形体40と同様、組付け相手となる第1の一次成形体40に接する嵌合面は合わせ面51とされている。合わせ面51の四方には、円柱状に刳り抜かれた嵌合凹部52が凹設されている。この嵌合凹部52と、組付け相手となる第1の一次成形体40の嵌合凸部42とが嵌合することで、第1の一次成形体40と第2の一次成形体50とを正規位置に組み付けることができる。
合わせ面51の幅方向中央には端子金具31の延出方向に沿って延びる溝部53が形成されている。その後端は、端子金具31の突出する上面54上にまで達し、前端も端子金具31を突出させる前面55にまで達し、その断面は、略方形をなしている。この溝部50の両側を挟むようにして、一対の凸条部56が突設されている。その後端は溝部53と同様に上面54に達し、前端は凹条部43に対応するように、前後方向において前面55よりもやや手前に位置し、溝部53に対して並列に形成されている。
このような2つの一次成形体40、50を互いに組み付けると、図7ないし図9に示す中子30が構成される。凸条部56に凹条部43が嵌合し、合わせ面41、51同士が組み合わさると、溝部53はその上部を第1の一次成形体40の合わせ面41によって塞がれることで、中子30を端子金具31の延出方向に沿って貫通する通気口23が構成されることとなる。通気口23は、中子30の幅方向の側面である外側面33側にそれぞれ凹条部43と凸条部56との嵌合部を有し、即ち、通気口23は幅方向において、一対の凹条部43及びそれに嵌合する凸条部56に挟まれた態様をなしている。
続いて、本実施形態における作用について説明する。
まず、第1の一次成形体40に第2の一次成形体50を組み付けてなる中子30を図示しない二次成形用の金型内に位置決めした状態で仕掛け、型閉じする。型閉じした状態ではコネクタハウジング21やその他ケース本体11といった、二次成形により成形されるECUケース10の各部位に相当する成形用空間が金型内に保有された状態となる。その後、成形用空間へ溶融樹脂が充填されると、これに伴って、中子30の外周面に射出圧が作用する。ここで、中子30を構成する第1の一次成形体40と第2の一次成形体50の各合わせ面41、51との間には、成形誤差等により僅かな隙間が生じている。このため、合わせ面41、51の間には溶融樹脂が入り込む可能性があるが、溝部53の両側には凸条部56が配され、さらにこの凸条部56に凹条部43が嵌合するから、溝部53に溶融樹脂が浸入して、二次成形により通気口23が塞がれるのを阻止することができる。
このようにして、中子30等をインサートして成形されたECUケース10には、図示はしないが回路基板が収容され、各コネクタ部13、14、20の端子金具と回路基板上の導電路とを接続する。その後、ケース本体11のOリング収容溝16にOリング17を取り付けた上で、ECUケース10の上方からアルミ製のアッパーケース18を、同下方からアルミ製のロアケース19を被せ、それぞれ取付孔15にボルト締結することで、ECUケース10に対して水密に、アッパーケース18及びロアケース19を取り付けることができる。
続いて、Oリング17の組付け状態を確認するために、各コネクタ部13、14、20に検査用カバー60、61、62を装着し、圧縮空気を通気口23を介して送り込む。ここで、検査用カバー60、61、62を各コネクタ部13、14、20に装着した状態では、圧縮空気を送り込む通気口23以外はECUケース10内は密閉された状態にある。Oリング17が適切に組み付けられ、アッパーケース18もしくはロアケース19とECUケース10との間がシールされていれば、ECUケース10内が加圧されている状態が検知される。一方、Oリング17が適切に組み付けられておらず、アッパーケース18もしくはロアケース19とECUケース10との間が一箇所でもシールされていない場合には、ECUケース10内は加圧状態とならず、ECUケース10外への圧縮空気のリークが検知される。このようにしてOリング17のシール性試験を経た後に、ECUとして車両に搭載される。
以上説明したように、本実施形態によれば、中子30を第1の一次成形体40と第2の一次成形体50を組み合わせて構成し、第2の一次成形体50の合わせ面51上に端子金具31の延出方向に沿って延びる溝部53を形成し、その溝部53の上部を第1の一次成形体40の合わせ面41で塞ぐことで、中子30を貫通する通気口23を容易に成形することができる。よって、従来の例えば、一次成形金型の抜き方向を利用して抜きピン等でI字形の通気口を成形する場合と異なり、たとえ端子金具30が本実施形態のように複数回屈曲した形状であっても、その延出方向に沿った通気口23を容易に形成することができるのである。さらに、この通気口23を有する中子30をインサートしてコネクタハウジング21及びこれと一体となったECUケース10を成形することで、コネクタ部20内にECUケース10を内外に貫通する通気口23を容易に形成することができる。
また、第2の一次形成体50の合わせ面51上には、溝部53を挟んでその外側面33側にそれぞれ凸条部56が形成されているから、コネクタハウジング21等を成形する二次成形時に溶融樹脂が溝部53にまで流れ込むのを抑制することができる。詳しく説明すると、二次成形用の金型内に中子30をセットし、インサート成形を行うと、金型内に射出された溶融樹脂の射出圧が中子30に作用して、各合わせ面41、51間の隙間から溝部53内にその溶融樹脂が流れ込む可能性がある。溝部53に溶融樹脂が流れ込み、例えば溝部53の大部分が溶融樹脂によって塞がれると、通気口23としての機能を果たさない場合がある。このような成形不良の発生を防止するために、溶融樹脂が溝部53にまで流れ込まないような構成とする必要がある。これに対して、本実施形態では、溝部53の外側面33側にそれぞれ凸条部56を設けることで、外側面33側から合わせ面41、51を伝って浸入してきた溶融樹脂を凸条部56の凸形状により食い止めることができる。さらに、凸条部56は第1の一次成形体40の凹条部43に嵌合されるから、その合わせ面41、51上に凹凸形状、所謂ラビリンス構造が形成されている。このラビリンス構造によって、合わせ面41、51を伝って溝部53に浸入する溶融樹脂の浸入経路の距離をかせぐことができるから、より確実に溶融樹脂が溝部53へと流れ込むのを抑制することができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態において、機器用コネクタはコネクタ部20としてECUケース10に一体に設けられていたが、これに限られず、コネクタはECUケースとは別体で成形されるものであってもよい。このような構成によれば、成形性に優れる。また、ECUケースに限らず、その他の密閉型のケースに適用されていてもよい。
(2)上記実施形態において、中子30は第1の一次成形体40と第2の一次成形体50の2つを組み合わせて構成されていたが、これに限られず、例えば3つ以上の複数の一次成形体を組み合わせて中子が構成されていてもよい。
(3)上記実施形態において、凸条部56は溝部53と同じ側の第2の一次成形体50の合わせ面51上に形成され、凹条部43は第1の一次成形体40の合わせ面41上に形成されていたが、これに限られず、例えば、溝部が形成された一方の合わせ面上に凹条部が形成され、他方の合わせ面上に凸条部が形成されていてもよい。いずれにしても溝部よりも一次成形体の外側面側に凸条部と凹条部との嵌合部が設けられていれば、二次成形時にその外側面側から流れ込む虞のある溶融樹脂が溝部に流れ込むのを抑制することができる。
10…ECUケース
11…ケース本体
12…側壁
13、14、20…コネクタ部
15…取付孔
16…Oリング収容溝
21…コネクタハウジング
22…フード部
23…通気口
30…中子
31…端子金具
40…第1の一次成形体
41、51…合わせ面
43…凹条部
50…第2の一次成形体
53…溝部
56…凸条部

Claims (2)

  1. 密閉型のケースを内外に貫通した状態に設けられる機器用コネクタであって、
    端子金具を保持した状態に成形された複数の一次成形体を組み合わせてなる中子と、この中子をインサートして成形されるコネクタハウジングと、を備え、
    前記一次成形体の互いに重なり合う合わせ面のうち、一方の合わせ面には前記端子金具の延出方向に沿って延びる溝部が形成され、他方の合わせ面と組み合わさることで前記ケースを貫通する通気口が構成されることを特徴とする機器用コネクタ。
  2. 互いに重なり合う前記合わせ面のうち、一方の合わせ面には、前記溝部の延出方向に沿って延びる一対の凸条部が形成され、他方の合わせ面には、それぞれ前記凸条部に嵌合する凹条部が形成されており、前記凸条部及び前記凹条部は、前記溝部を挟んで前記溝部よりも前記一次成形体の外側面側に位置していることを特徴とする請求項1に記載の機器用コネクタ。
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