JP5478140B2 - 低密度発泡成形用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、低密度ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子及び低密度ポリスチレン系樹脂発泡成形体 - Google Patents
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Description
例えば、家電品等の梱包材や魚箱等の食品容器に用いられるものは、およそ0.017〜0.020g/cm3の密度で市場に供されている。
更に、得られた成形体の強度は、前記の有機溶剤、可塑剤により低下する為に使用できる用途が限定されていた。
(1)ポリスチレン系樹脂種粒子を水中に分散させてなる分散液中に、ポリスチレン系樹脂種粒子100質量部に対し、スチレン系単量体7.0〜80.0質量部とアクリル酸エステル単量体2.0〜12.0質量部とを供給し、これらの単量体を種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第1重合工程と、
(2)次いで、該分散液中にスチレン系単量体のみを供給し、これを種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第2重合工程と、
(3)第2重合工程を行ってポリスチレン系樹脂粒子を製造した後、又はポリスチレン系樹脂粒子の成長途上で発泡剤を含浸させて前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る工程とを有する低密度発泡成形用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
更に低密度においても収縮が少ない発泡成形体が得られる。
前記の難燃剤としては、ポリスチレン系樹脂粒子中に含浸させる条件下において他の媒体に溶解させない状態で存在した場合に粉末状であれば、特に限定されず、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、テトラブロモブタン、ヘキサブロモシクロヘキサンなどの臭素化脂肪族炭化水素系化合物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールF、2,4,6−トリブロモフェノールなどの臭素化フェノール類、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ビス(2,3−ジブロモ−2−メチルプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA−ジグリシジルエーテルなどの臭素化フェノール誘導体などが挙げられ、臭素化脂肪族炭化水素系化合物が好ましく、テトラブロモシクロオクタン(以下、TBCOと記す。)がより好ましい。
本発明の低密度発泡成形用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、スチレン単量体とアクリル酸エステル単量体との共重合体を含有し、ATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面を分析し得られた赤外スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(A)とATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の中心部を分析し得られた赤外スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(B)とが、(A)<(B)であり、且つ(A)が0.05未満である関係を満たすことを特徴としている。
この分析方法は、高い屈折率を持つATRプリズムを試料に密着させ、ATRプリズムを通して赤外線を試料に照射し、ATRプリズムからの出射光を分光分析する方法である。ATR法赤外分光分析は、試料とATRプリズムを密着させるだけでスペクトルを測定できるという簡便さ、深さ数μmまでの表面分析が可能である等の理由で高分子材料等の有機物をはじめ、種々の物質の表面分析に広く利用されている。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる1600cm−1での吸光度D1600は、ポリスチレン系樹脂に含まれるベンゼン環の面内振動に由来する1600cm−1付近に現れるピーク高さをいう。
また、赤外吸収スペクトルから得られる1730cm−1での吸光度D1730は、アクリル酸エステル系樹脂に含まれるエステル基C=0間の伸縮振動に由来する1730cm−1付近に現れるピーク高さをいう。
(A)<(B)であり、且つ(A)が0.05未満である、との関係を満たすことを特徴としている。
即ち、本発明の低密度発泡成形用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、粒子の直径方向において、含有されているスチレン−アクリル酸エステル共重合体成分の割合が、中心部で濃度が高く、表層側で低濃度となる。
<予備発泡粒子の嵩密度>
先ず、低密度ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいてポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
この低密度ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度が0.006g/cm3未満であると、収縮が大きくなるだけでなく、発泡成形体の強度が低下する。また嵩密度が0.0125g/cm3を超えると、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の使用量が多くなり好ましくない。
なお、本発明において低密度ポリスチレン系樹脂発泡成形体の密度とは、JIS K7122:1999「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」記載の方法で測定した密度のことである。
<発泡成形体の密度>
50cm3以上(半硬質および軟質材料の場合は100cm3以上)の試験片を材料の元のセル構造を変えない様に切断し、その質量を測定し、次式により算出した。
密度(g/cm3)=試験片質量(g)/試験片体積(cm3)
試験片状態調節、測定用試験片は、成形後72時間以上経過した試料から切り取り、23℃±2℃×50%±5%または27℃±2℃×65%±5%の雰囲気条件に16時間以上放置したものである。
吸光度比(D1730/D1600)は下記の要領で測定される。
即ち、無作為に選択した10個の各樹脂粒子の表面(図1中の符号A)、及び粒子を中心を通って切断した断面の中心部(図2中の符号B)について、ATR法赤外分光分析により粒子表面分析を行って赤外線吸収スペクトルを得る。
各赤外線吸収スペクトルから吸光度比(D1730/D1600)をそれぞれ算出し、表面Aに付いて算出した吸光度比の相加平均を吸光度比(A)とし、中心部Bについて算出した吸光度比の相加平均を吸光度比(B)とする。
吸光度D1730及び、D1600は、たとえばNicolet社から商品名「フーリエ変換赤外分光分析計 MAGMA560」で販売されている測定装置を用いて測定する。
尚、赤外吸収スペクトルから得られる1600cm−1での吸光度D1600は、ポリスチレン系樹脂に含まれるベンゼン環の面内振動に由来する1600cm−1付近に現れるピークの高さをいう。
また、赤外吸収スペクトルから得られる1730cm−1での吸光度D1730は、アクリル酸エステルに含まれるエステル基のC=0間の伸縮振動に由来する1730cm−1付近に現れるピークの高さをいう。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を蒸気圧0.02MPaで30秒単位で加熱し、各々の発泡嵩密度を測定する。これを発泡粒子に収縮が発生するまで行い、最も低い嵩密度の値を最低発泡嵩密度とした。
本発明において、最低発泡嵩密度が0.010g/cm3以下である場合を○(良好)とし、0.010g/cm3を超える場合を×(不良)として評価した。
前記予備発泡の際に、1cmの目開きの篩を通し、篩上に残った数個の予備発泡粒子が結合したものの質量(X)を測定し、予備発泡に使用した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の総量(Y)に対しての割合を、以下の式により算出し、予備発泡時の結合量(%)とした。
予備発泡時の結合量(%)=(X/Y)×100
本発明において、予備発泡時の結合量が10%未満である場合を○(良好)とし、10%以上である場合を×(不良)として評価した。
発泡嵩密度0.010g/cm3の予備発泡粒子をゲージ圧0.07MPaの水蒸気で加熱成形し、成形後に温度23℃、湿度50%で24時間放置して、密度0.010g/cm3の発泡成形体を得た。
本発明において、発泡成形体の外観(成形後24時間放置)に収縮が見られなかった場合を○(良好)とし、収縮が見られた場合を×(不良)として評価した。
前記<最低発泡嵩密度>、<予備発泡時の結合量>及び<発泡成形体の外観>の各試験・評価項目において、全ての評価が○(良好)であった場合を◎(良好)とし、一つでも×(不良)があった場合を×(不良)として総合評価した。
(種粒子の製造)
内容量100リットルの攪拌機付き重合容器に、水40000質量部、懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム100質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム2.0質量部を供給し攪拌しながらスチレンモノマー40000質量部並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0質量部を添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間後に冷却してポリスチレン系樹脂粒子(a)を得た。
前記ポリスチレン系樹脂粒子(a)を篩分けし、種粒子として粒子径0.5〜0.71mmのポリスチレン系樹脂粒子(b)を得た。
次に、内容量5リットルの攪拌機付き重合容器内に、水2000質量部、前記ポリスチレン系樹脂粒子(b)500質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム0.3質量部を供給して攪拌しながら72℃に昇温した。
次に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド4.5質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.1質量部をスチレンモノマー180質量部、アクリル酸ブチル30質量部の混合液に溶解させたものを前記5リットルの重合容器に供給してから、72℃で60分保持した。
60分経過後に反応液を110℃まで150分で昇温しつつ、且つスチレンモノマー1290gを150分で重合容器内にポンプで一定量づつ供給した上で、120℃に昇温して2時間経過後に冷却し、ポリスチレン系樹脂粒子(c)を得た。
得られたポリスチレン系樹脂粒子(c)について、前記<吸光度比の測定>によって樹脂粒子の表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定した。
その結果を表1に示す。また得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子についても、前記<吸光度比の測定>により吸光度比を測定することができる。
続いて、別の内容量5リットルの攪拌機付き重合容器に、水2200質量部、ポリスチレン系樹脂粒子(c)1800質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0質量部及びドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム0.4質量部を供給して攪拌しながら70℃に昇温した。次に、発泡助剤としてシクロヘキサン9.0質量部を重合容器内に入れて密閉し100℃に昇温した。次に、発泡剤としてn−ブタン126質量部をポリスチレン系樹脂粒子(c)が入った重合容器内に圧入して3時間保持した後、30℃以下まで冷却した上で重合容器内から取り出し乾燥させた上で13℃の恒温室内に5日間放置して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
続いて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に表面処理剤としてジンクステアレート及びヒドロキシステアリン酸トリグリセリドを被覆処理した上で、蒸気圧0.02MPaで加熱を行い、最低発泡嵩密度を測定した結果、0.008g/cm3であった。
次いで予備発泡装置にて嵩密度0.010g/cm3に予備発泡した後に20℃で24時間熟成してポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を得た。
この予備発泡の際に、前記<予備発泡時の結合量>により結合量を測定した。
そして、内寸300mm×400mm×30mmの直方体形状のキャビティを有する成形型を備えた発泡ビーズ自動成形機(積水工機製作所社製 商品名「エース3型」)のキャビティ内に前記ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を充填し、ゲージ圧0.07Mpaの水蒸気で15秒間加熱成形を行った。次に、前記成形型のキャビティ内の発泡体を5秒間水冷した後、減圧下にて放冷(冷却工程)して、密度0.010g/cm3のポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は収縮もなく、外観の良好なものであった。
第1重合工程において使用するスチレンモノマーを40.0質量部、アクリル酸ブチル50.0質量部の混合液とし、更に第2重合工程で使用するスチレンモノマーを1410質量部とした以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は収縮もなく、外観の良好なものであった。
第1重合工程において使用するスチレンモノマーを375質量部、アクリル酸ブチル12.5質量部の混合液とし、更に第2重合工程で使用するスチレンモノマーを1115質量部とした以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は収縮もなく、外観の良好なものであった。
第1重合工程において使用するアクリル酸エステルをアクリル酸2エチルヘキシルとした以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は収縮もなく、外観の良好なものであった。
第3工程において、難燃剤としてテトラブロモシクロオクタンを1.0質量%使用する以外は実施例1と同様にしてポリスチレン系樹脂発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体は収縮もなく、外観の良好なものであった。
第1重合工程でアクリル酸ブチルを使用せず、スチレンモノマーを210質量部のみ使用した以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
しかし、最低発泡嵩密度が0.015g/cm3であり、所望の嵩密度0.010g/cm3の予備発泡粒子、発泡成形体は得られなかった。
第1重合工程において使用するスチレンモノマーを25.0質量部、アクリル酸ブチル70.0質量部の混合液とし、第2重合工程で使用するスチレンモノマー1405質量部とした以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
最低発泡嵩密度が0.009g/cm3であり、所望の嵩密度0.010g/cm3の予備発泡粒子、発泡成形体は得られたが、予備発泡時の結合量が非常に多く、生産性が極端に低下した。
第1重合工程において使用するスチレンモノマーを425質量部、アクリル酸ブチル7.5質量部の混合液とし、加えて第2重合工程で使用するスチレンモノマーを1070質量部とした以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
しかし、最低発泡嵩密度が0.014g/cm3であり、所望の嵩密度0.010g/cm3の予備発泡粒子、発泡成形体は得られなかった。
一方、アクリル酸エステルを使用していない比較例1、及び吸光度比(A)が(B)よりも大きくなって本発明の条件((A)<(B))となっていない比較例3で得られた発泡成形体は、いずれも最低発泡嵩密度が0.010以上であり、低密度で予備発泡することができなかった。また吸光度比(A)が0.057と本発明の範囲(0.05未満)を超えた比較例2は、予備発泡時の結合量が高くなり、製造効率が悪く、また得られた発泡成形体は収縮が大きくなって外観の劣るものとなった。
Claims (4)
- アクリル酸エステルとスチレン系単量体との共重合体を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
ATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面を分析し得られた赤外スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(A)とATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の中心部を分析し得られた赤外スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(B)とが、(A)<(B)であり、且つ(A)が0.005以上0.05未満、(B)が0.20〜0.60である関係を満たし、
一気圧下における沸点が200℃以下の発泡助剤を含む、低密度発泡成形用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。 - 請求項1記載の低密度発泡成形用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を嵩密度が0.006〜0.0125g/cm3の範囲となるように予備発泡して得られる低密度ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子。
- 請求項2記載の低密度ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型内に充填して加熱、発泡させて得られる低密度ポリスチレン系樹脂発泡成形体。
- (1)ポリスチレン系樹脂種粒子を水中に分散させてなる分散液中に、ポリスチレン系樹脂種粒子100質量部に対し、スチレン系単量体7.0〜80.0質量部とアクリル酸エステル単量体2.0〜12.0質量部とを供給し、これらの単量体を種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第1重合工程と、
(2)次いで、該分散液中にスチレン系単量体のみを供給し、これを種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第2重合工程と、
(3)第2重合工程を行ってポリスチレン系樹脂粒子を製造した後、又はポリスチレン系樹脂粒子の成長途上で発泡剤を含浸させて請求項1記載の低密度発泡成形用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る工程とを有する低密度発泡成形用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
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