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JP5478263B2 - 吸熱性組成物、それを用いた吸熱性成型体及びその製造方法 - Google Patents
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JP5478263B2 - 吸熱性組成物、それを用いた吸熱性成型体及びその製造方法 - Google Patents

吸熱性組成物、それを用いた吸熱性成型体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、吸熱性組成物、それを用いた吸熱性成型体及びその製造方法に関する。
建築物、土木構築物等の構造物が火災によって高温に晒された場合には、構造物の基材(鉄骨等)の物理的強度が急激に低下するという問題がある。これに対し、無機結合材と金属硫酸塩を混合し硬化させた耐火被覆材;金属硫酸塩を水に溶解してスラリー化した耐火被覆材を基材に塗付し、金属塩の再結晶により硬化させた耐火被覆材;イソシアネート類及び無機化合物を含む水溶液を反応させた耐火被覆材等が知られている。
このような耐火被覆材は、被覆対象物である基材の耐火性を向上させて火災時に有効な断熱層を形成する。そして、結晶水の蒸発潜熱を利用して火災時の基材の温度上昇を遅延させて物理的強度の低下を抑制する。
特許文献1には、無機繊維と無機結合材とを主成分とし、硫酸アルミニウム水和物及び水を混合した耐火被覆材組成物が記載されている。特許文献2には、硫酸アルミニウム水和物、アクリル繊維、増粘材、粉末樹脂及び水を混合した組成物が記載されている。特許文献3には、無機化合物、水及びイソシアネート類からなる耐火被覆材が記載されている。
特開昭58−96662号公報 特開2006−143875号公報 特開平08−269397号公報
耐火被覆材は、表面の破損、剥離、剥落下等を防止する耐久性、被膜の養生時間短縮等の課題に応える必要がある。
しかしながら、従来の耐火被覆材では、乾燥工程で内部まで均一な強度を持つ成型体が得られず、また成型体表面に露出した金属硫酸塩が水に容易に溶解するため、耐久性及び耐水性に劣っている。また、金属硫酸塩を水に溶解し結合材として使用する場合、強酸性を示すため塗装、養生中に基材が腐食されるおそれがある。一方、結晶水を含む金属硫酸塩を耐火被覆材として使用する場合、一度水に溶解して再結晶化させるため、結晶水の量が変化して耐火性能にバラツキが生じるおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、耐久性、耐水性に優れると共に、火災時には十分な強度を有し、脱水に伴う吸熱作用を利用して基材の温度上昇を効果的に抑制できる吸熱性成型体を提供することを目的とする。また、かかる吸熱性成型体を成型するのに適した吸熱性組成物及びそれを用いた吸熱性成型体の製造方法を提供する。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定成分を有する吸熱性組成物を用いる場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の吸熱性組成物、それを用いた吸熱性成型体及びその製造方法に関する。
1.有機樹脂成分と金属水和物とを含む吸熱性組成物であって、
(1)前記有機樹脂成分は、活性水素原子を有する官能基が3つ以上のポリエステルポリオール類とイソシアネート類とを組み合わせて得られるウレタン樹脂を含有し、
(2)前記金属水和物は、含水量が6重量%以上であり、且つ、脱水又は分解温度が50〜200℃であり、
(3)前記有機樹脂成分と前記金属水和物との重量比が5:95〜90:10である、
ことを特徴とする吸熱性組成物。
2.(1)前記有機樹脂成分は、可塑剤を含有する、上記項1に記載の吸熱性組成物。
3.(1)前記有機樹脂成分は、ウレタン樹脂硬化触媒を含有する、上記項1又は2に記載の吸熱性組成物。
.上記項1〜3のいずれかに記載の吸熱性組成物を、密度が0.8〜4g/cmとなるように成型することにより得られる吸熱性成型体。
.上記項1〜3のいずれかに記載の吸熱性組成物を、密度が0.8〜4g/cmとなるように成型する吸熱性成型体の製造方法。
本発明の吸熱性組成物は、有機樹脂成分と金属水和物とを含み、
(1)前記有機樹脂成分は、非水系熱硬化性樹脂を含有し、
(2)前記金属水和物は、含水量が6重量%以上であり、且つ、脱水又は分解温度が50〜200℃であり、
(3)前記有機樹脂成分と前記金属水和物との重量比が5:95〜90:10であるため、耐久性、耐水性、耐火性に優れている。このような吸熱性組成物を、特に密度が0.8〜4g/cmとなるように成型して得られる吸熱性成型体は、耐火被覆材として有用であり、火災時に燃焼熱に晒された際に金属水和物の結晶水が脱水し、蒸発潜熱により被覆対象の基材(鉄骨等)の温度上昇を抑制する。このような吸熱性成型体は、例えば、シート状又はボード状の形態で基材を直接又は間接に被覆することにより用いる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の吸熱性組成物(本明細書では、単に「組成物」とも言う)は、有機樹脂成分と金属水和物とを含み、
(1)前記有機樹脂成分は、非水系熱硬化性樹脂を含有し、
(2)前記金属水和物は、含水量が6重量%以上であり、且つ、脱水又は分解温度が50〜200℃であり、
(3)前記有機樹脂成分と前記金属水和物との重量比が5:95〜90:10である
ことを特徴とする。
上記有機樹脂成分は、本明細書では、有機樹脂単独又は有機樹脂に必要に応じて可塑剤を添加した成分を言う。本発明では、有機樹脂として非水系熱硬化性樹脂を含有することにより、耐火性能等に優れる吸熱性組成物及び吸熱性成型体(本明細書では、単に「成型体」とも言う)が得られる。
上記非水系熱硬化性樹脂の含有量は、有機樹脂成分中20〜100重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。
上記非水系熱硬化性樹脂としては、公知のプラスチック製品、シート、塗料等の分野でバインダーとして採用されている非水系熱硬化性樹脂を使用する。非水系熱硬化性樹脂は、水に溶解又は分散しない熱硬化性樹脂を意味し、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂等の1種以上が挙げられる。
上記非水系熱硬化性樹脂は、吸熱性組成物を調製する混練時に液状であればよく、常温(5〜35℃)で液状のものが好ましい。この場合、常温(5〜35℃)で金属水和物との混合・混練が可能であり、吸熱性組成物中に金属水和物を均一に分散させ、金属水和物を樹脂成分で覆うことができる。よって、吸熱性組成物及び吸熱性成型体の耐火性能(吸熱性)、耐水性を向上させることができる。
非水系熱硬化性樹脂としては、上記の中でもウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましく、特に吸熱性成型体に柔軟性が必要な場合は、ウレタン樹脂が好適である。また、これらの樹脂の付加物や改質樹脂も使用することができる。
ウレタン樹脂としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等のポリオール類とイソシアネート類とを組み合わせたものが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、グルコース、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールの1種又は2種以上にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種又は2種以上を付加して得られるポリオール類、及び、前記多価アルコールにテトラヒドロフランを開環重合により付加して得られるポリオキシテトラメチレンポリオールが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン又はその他の低分子ポリオールの1種又は2種以上とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸又はその他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種又は2種以上との縮合重合体;及びプロピオラクトン、カプロラクトン、バレロラクトン等の環状エステル類の開環重合体であるポリオール類が挙げられる。また、複数のエポキシ基を含有するエポキシ化合物によってポリオールを変性したエポキシ変性ポリオールも使用できる。
上記ポリオール類の中では、ポリエステルポリオールが好ましく、活性水素原子を有する官能基が2つ以上のポリエステルポリオール類が好ましい。更に、活性水素原子を有する官能基が3つ以上のポリエステルポリオール類が好ましい。活性水素原子を有する官能基が3つ以上の場合、金属水和物との混合・混練時、及び成型時に気泡が生じ難くなるため、容易に混練することができ、強度の高い均一な厚みの成型体を安定して製造することができる。このため、優れた耐水性を発揮することができる。
なお、活性水素原子を有する官能基としては水酸基が挙げられる。また、ポリエステルポリオールの分子量としては、好ましくは500〜10000、より好ましくは1000〜5000である。
上記ポリオール類と組み合わせて使用できるイソシアネート類としては、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、1,3−キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)等が挙げられる。また、上記イソシアネート類を水や低級1価又は多価アルコールで変性したもの;イソシアネート類とポリオール類とを反応させた末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー;末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを水や低級1価又は多価アルコールで変性したもの;並びに、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとイソシアネート類の一種又は二種以上の混合物が使用可能である。
上記イソシアネート類の中でも、特にヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が好ましい。この場合、金属水和物との混合・混練時、及び成型時に気泡が生じ難く、圧延性にも優れるため強度の高い均一な厚みの成型体を安定して製造することができる。また、成型体の柔軟性、可撓性にも優れる。
ウレタン樹脂を用いる場合には、硬化触媒を併用することができる。硬化触媒は、イソシアネート基が反応して硬化を促進させる物質である。硬化触媒としては、アミン系触媒、有機金属系触媒、無機系触媒等が挙げられる。例えば、アミン系触媒としては、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。また、これらのアミンの誘導体や溶剤との混合物も挙げられる。より具体的には、有機金属系触媒としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、酢酸カリウム等が挙げられる。無機系触媒としては、塩化スズ等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン等の縮合反応により得られるエピ−ビス型のビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;ビスフェノールAD型エポキシ樹脂が一般的に用いられる。また、その他にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。その他、特殊なものとして、β−メチルエピクロ型、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、ポリグリコールエーテル型、グリコールエーテル型、ウレタン変性エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂も使用できる。また、稀釈剤としてn−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ジグリシジルエーテル等を併用することができる。エポキシ樹脂の分子量は、好ましくは100〜2000、より好ましくは200〜1000である。
エポキシ樹脂は、硬化剤と組み合わせて使用できる。硬化剤としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン(ジプロピレントリアミン)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、ポリメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルエタノールアミン等の脂肪族アミン類;メンセンジアミン、イソホロジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、N−アミノエチルピペラジン、メタキシリレンジアミン等の脂環族ポリアミン;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルベンゼン等の芳香族アミン;ポリアミンエポキシ樹脂アダクト、ポリアミン−エチレンオキシドアダクト、ポリアミン−プロピレンオキシドアダクト、シアノエチル化ポリアミン、ケチミン、芳香族酸無水物、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、ハロゲン化酸無水物;ダイマー酸とポリアミンの縮合によって生成するポリアミド樹脂が挙げられる。
上記可塑剤としては、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸ジイソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル類;ペンタエリスリトールエステル等のアルコールエステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;パラフィン、塩素化パラフィン等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独又は2種以上で使用することができる。
有機樹脂成分に上記可塑剤を含むことにより、有機樹脂成分の粘度を最適化することができる。このため、金属水和物と混練が容易となる。更には、混合・混練時、及び成型時に、気泡が混入及び発生し難くなり、成型体の耐水性を向上させることができる。
可塑剤の添加量は、有機樹脂100重量部に対し、通常300重量部以下、好ましくは5重量部〜300重量部、より好ましくは10重量部〜150重量部である。300重量部を超える場合、成型体表面のタック性が高く、強度が低下し易い。
上記金属水和物は、含水量が6重量%以上であり、且つ、脱水又は分解温度が50〜200℃であるものを用いる。なお、本発明で用いる金属水和物は、一般式MX・nHO等で表される無機化合物の水和物である。
このような化合物MX・nHOは、Mが少なくとも1種以上の金属陽イオンを含み、Xが1種又は2種以上の陰イオンからなる化合物である。これらの金属水和物の含水量は、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは30〜50重量%である。その含水量は、示差熱分析(TG−DTA)によって求めることができる。含水量が6重量%未満の場合、火災等に必要な吸熱性を発揮することができない。また、含水量が70重量%を超える場合、耐久性、耐水性が低下する場合がある。
本発明で用いる金属水和物としては、金属水和物の脱水又は分解温度が50〜200℃であればよいが、80〜150℃が好ましい。脱水温度又は分解温度が50℃未満の場合、常温で脱水するおそれがあり、200℃を超える場合、火災初期の吸熱性が発揮できない。なお、脱水又は分解温度は、「化学便覧 基礎編 改訂5版」(日本化学会編)で規定されている温度である。
本発明では、特に金属水和物の含水量が30〜50重量%であり、脱水又は分解温度が80〜150℃である場合、火災時に金属水和物の吸熱作用により100℃付近における基材の温度上昇を効果的に抑制することができる。
上記金属水和物としては、例えば、硫酸アンモニウムアルミニウム12水和物、硫酸ナトリウムアルミニウム12水和物、硫酸アルミニウム27水和物、硫酸アルミニウム18水和物、硫酸アルミニウム16水和物、硫酸アルミニウム10水和物、硫酸アルミニウム6水和物、硫酸カリウムアルミニウム12水和物、硫酸鉄7水和物、硫酸鉄9水和物、硫酸カリウム鉄12水和物、硫酸マグネシウム7水和物、硫酸ナトリウム10水和物、硫酸ニッケル6水和物、硫酸亜鉛7水和物、硫酸ベリリウム4水和物、硫酸ジルコニウム4水和物等の硫酸塩;亜硫酸亜鉛2水和物、亜硫酸ナトリウム7水和物等の亜硫酸塩;リン酸アルミニウム2水和物、リン酸コバルト8水和物、リン酸マグネシウム8水和物、リン酸マグネシウムアンモニウム6水和物、リン酸水素マグネシウム3水和物、リン酸水素マグネシウム7水和物、リン酸亜鉛4水和物、リン酸二水素亜鉛2水和物等のリン酸塩;硝酸アルミニウム9水和物、硝酸亜鉛6水和物、硝酸カルシウム4水和物、硝酸コバルト6水和物、硝酸ビスマス5水和物、硝酸ジルコニウム5水和物、硝酸セリウム6水和物、硝酸鉄6水和物、硝酸鉄9水和物、硝酸ニッケル6水和物、硝酸マグネシウム6水和物等の硝酸塩;酢酸亜鉛2水和物、酢酸コバルト4水和物等の酢酸塩;塩化コバルト6水和物、塩化鉄4水和物等の塩化物塩、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム5水和物、四ホウ酸ナトリウム10水和物)、八ホウ酸二ナトリウム四水物、ホウ酸亜鉛3.5水和物等のホウ酸塩等の金属水和塩等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上で使用することができる。
上記金属水和物の中では硫酸塩が好ましく、その中でも硫酸アルミニウムの水和物が好ましい。詳細な作用機構は明らかでないが、硫酸アルミニウムの水和物の場合、脱水又は分解反応と同時に硫酸アルミニウムが中空粒子を形成し、更に高温になると粒子どうしが融着し断熱層を形成するため、高温での温度上昇を抑制することができると推察される。
硫酸塩とホウ酸塩を混合して使用することにより、更に成型体の耐水性を向上させることができる。また、ホウ酸化合物は、燃焼時に脱水又は分解反応と同時に溶解し、燃焼残渣がガラス状に固化するため、成型体の割れや脱落の発生を抑制する働きがある。なお、硫酸塩とホウ酸塩の混合比(重量比)は、99:1〜30:70が好ましい。
金属水和物が上記の条件を満たす場合、例えば基材が火災時に燃焼熱に晒されると、吸熱性を有する組成物中の金属水和物が脱水し、その吸熱作用により、基材の温度上昇が抑制される。
有機樹脂成分と金属水和物の混合比は、重量比で5:95〜90:10とする。その中でも好ましくは10:90〜60:40である。特に、耐火被覆材として使用する場合、重量比で10:90〜60:40、好ましくは15:85〜50:50、より好ましくは15:85〜40:60、最も好ましくは15:85〜35:65である。重量比で10:90より有機樹脂成分が少ない場合には、充分な耐久性、耐水性が得られない場合がある。重量比で60:40より有機樹脂成分が多い場合は、耐火性能が不十分となる場合がある。
これらの成分以外にも、必要に応じて、繊維材料、着色顔料、分散剤、難燃剤、撥水剤、充填材、骨材等を適宜配合できる。これらは、1種又は2種以上で使用できる。
繊維材料としては、ロックウール、ガラス繊維、アルミニウム繊維、ステンレス繊維、シリカ−アルミナ繊維、カーボン繊維等の無機繊維;パルプ繊維、ポリプロピレン繊維、ビニル繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。繊維材料を配合することにより、成型体を補強するとともに、柔軟性を向上することができる。
着色顔料としては、一般の塗料用顔料(有機顔料・無機顔料)が使用できる。特に、二酸化チタン、炭化ケイ素、アルミナ、ベンガラ、黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロムグリーン、群青、コバルトブルー等の無機顔料が好ましい。更に、耐火性能をより高めるために膨張性黒鉛、未膨張バーミキュライト等を配合してもよい。
難燃剤は、一般に、火災時に脱水冷却効果、不燃性ガス発生効果、バインダー炭化促進効果等の少なくとも1つの効果を発揮し、バインダーの燃焼を防止又は抑制する。本発明において、難燃剤としては、公知の耐火塗料及び/又はシートで用いる難燃剤と同じものが使用できる。
難燃剤としては、例えば、トリクレジルホスフェート、ジフェニルクレジルフォスフェート、ジフェニルオクチルフォスフェート、トリ(β−クロロエチル)フォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリ(ジクロロプロピル)フォスフェート、トリフェニルフォスフェート、トリ(ジブロモプロピル)フォスフェート、クロロフォスフォネート、ブロモフォスフォネート、ジエチル−N, N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフェート、ジ(ポリオキシエチレン)ヒドロキシメチルフォスフォネート等の有機リン系化合物;塩素化ポリフェニル、塩素化ポリエチレン、塩化ジフェニル、塩化トリフェニル、五塩化脂肪酸エステル、パークロロペンタシクロデカン、塩素化ナフタレン、テトラクロル無水フタル酸等の塩素化合物;三酸化アンチモン、五塩化アンチモン等のアンチモン化合物;三塩化リン、五塩化リン、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン化合物;その他ホウ酸亜鉛、ホウ酸ソーダ等の無機質化合物等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上で使用することができる。
分散剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、高分子タイプのものを使用できるが、特に、酸価が0〜400、アミン価が0〜200であるものが好ましい。特に、本発明では酸価が0〜100、アミン価が0〜100であるものが好ましく、酸価が20〜60、アミン価が20〜60であるものがより好ましく、酸価が30〜50、アミン価が30〜50であるものが最も好ましい(更に好ましくは等量である)。
分散剤の作用機構は明確ではないが、有機樹脂成分と金属水和物との混合・混練時の粘度を最適化し、分散性に優れる。このため、金属水和物が均一に分散され、柔軟性、可撓性に優れる組成物及び成型体を製造することができる。
分散剤としては、具体的には、長鎖ポリアミノアマイドと酸ポリマーの塩、ポリアミノアマイドのポリカルボン酸塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、酸性基を有するコポリマー、水酸基含有カルボン酸エステル、アルキロールアミノアマイド、顔料に親和性のあるアクリル系共重合物、不飽和ポリカルボン酸ポリアミノアマイド、酸性ポリマーのアルキルアンモニウム塩、顔料に親和性のある共重合物のリン酸エステル塩、顔料に親和性のあるブロック共重合物、酸基を含むブロック共重合物のアルキルアンモニウム塩、変性アクリル系ブロック共重合物、顔料に親和性のあるアクリル系共重合物、不飽和ポリカルボン酸ポリマー又は不飽和ポリカルボン酸ポリマーとポリシロキサン、不飽和ポリカルボン酸ポリマー、高分子共重合体のアルキルアンモニウム塩、顔料親和性基を有する高分子共重合体、不飽和酸性ポリカルボン酸ポリエステルとポリシロキサン、等が挙げられる。以上のような成分は、それぞれ1種又は2種以上で使用することができる。
撥水剤としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、アクリル・エチレン共重合体ワックス等のワックス系撥水剤;シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、アルキルアルコキシシラン等のシリコーン系撥水剤;パーフロロアルキルカルボン酸塩、パーフロロアルキルリン酸エステル、パーフロロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のフッ素系撥水剤等が挙げられる。
本発明では特に、アルキル基の炭素数が3〜12であるアルキルアルコキシ化合物(以下、単に「アルキルアルコキシシラン化合物」とも言う。)を含むシリコーン系撥水剤を使用することが好ましい。
このようなアルキルアルコキシシラン化合物は、珪素原子にアルキル基とアルコキシル基が結合した化合物であり、例えば下記式(1)で示される化合物及び/又はその縮合物を使用することができる。
−Si(OR(1)
上記式(1)で示される化合物としては、例えば、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ノニルトリメトキシシラン、ノニルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシシラン、ウンデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
アルキルアルコキシシラン化合物としては、アルキル基の炭素数が3〜12(好ましくは5〜8)のものを使用する。アルキル基は、その一部がハロゲン等で置換されたものであってもよい。アルキル基の炭素数が上記範囲内であれば、耐水性において優れた性能を発揮することができる。
アルキルアルコキシシラン化合物におけるアルコキシル基としては、その炭素数が1〜8(好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2)のものが挙げられ、特に炭素数1のメトキシ基が好適である。アルコキシル基の炭素数が上記範囲であれば、耐水性等の性能において有利な効果を得ることができる。
撥水剤は、有機樹脂成分100重量部に対して0.2〜10重量部が好ましく、0.3〜5重量部がより好ましい。0.2重量部よりも少ない場合には、撥水効果が得られ難く、10重量部を超える場合には有機樹脂の硬化を阻害するおそれがある。
充填剤としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、シリカ、粘土、クレー、シラス、珪砂、珪石粉、石英粉、アルミナ、ホウ酸亜鉛、硫酸バリウム、マイカガラス粉末等が挙げられる。
骨材としては、天然又は人工のいずれでもよく、着色されていてもよい。骨材として、例えば、パーライト、膨張頁岩、膨張バーミキュライト、軽石、シラスバルーン、ガラスバルーン、中空樹脂ビーズ、ALC粉砕物、アルミノシリケート発泡体等の軽量骨材を使用した場合、成型体の耐熱性、柔軟性を向上させることができる。
本発明の吸熱性組成物は、上記有機樹脂成分と金属水和物とを必須成分とし、これらと必要に応じて添加剤を加えて混練することにより得られる。また、本発明の吸熱性成型体は、上記組成物を成型することにより得られる。
吸熱性組成物を調製する際の混練及び成型時の温度は、適宜設定することができるが、通常は常温でよい。但し、加熱する場合は、金属水和物の脱水又は分解温度未満とする。また、本発明では混練時に、必要に応じて溶媒を添加できるが、この場合、非水系溶媒が好ましく、水は使用しない。
吸熱性成型体を製造するには、例えば、吸熱性組成物を型枠内に流し込み、乾燥後に脱型する方法、吸熱性組成物を塗工機によって離型紙に塗付した後に巻き取る方法、吸熱性組成物をペレット状にした後に押し出し成型機によってシート状に加工する方法、バンバリーミキサー、ミキシングロール等で混練した吸熱性組成物を複数の熱ロールからなるカレンダによって圧延してシート状に加工する方法等が採用できる。
吸熱性成型体を耐火被覆材として使用する場合の厚みは、耐火性能、適用部位等により適宜設定すれば良いが、通常は1〜20mm程度、好ましくは2〜10mmとする。1mm未満の場合には、充分な耐火性能が得られないことがある。20mmを超える場合は、厚みに相当するだけの耐火性能が十分に得られない場合がある。但し、耐火性能、適用部位等によっては必ずしもこのような厚みに限定されない。
また、本発明の吸熱性成型体は、有機樹脂成分中に均一、且つ、緻密に金属水和物が分散した状態となる。このため、火災時の金属水和物の脱水反応が緩やかに進行し、100℃付近の鋼材温度上昇を抑制する効果が高い。本発明では成型体の密度を0.8〜4g/cmに設定し、好ましくは1〜2.4g/cm、より好ましくは1.2〜2g/cmである。かかる密度に設定することにより、高い吸熱性能(耐火性能等)が得られる。
成型体の密度が0.8g/cmより小さいフォーム状の成型体のような場合、成型体内部又は外部へ通じる空隙により、火災時に成型体中に含まれる金属水和物の脱水、気化反応が瞬時に起こり、水の蒸発潜熱により得られる吸熱効果が得られ難くなるため、基材の温度上昇抑制を十分に満足できないおそれがある。また、フォーム状の成型体は、空隙により金属水和物の含有量も制限されるため、十分な吸熱性能を得るには成型体の厚みを大きくすることが必要となる。更に、空隙内に容易に水が浸透するため耐水性に劣り、水が接触した場合、金属水和物の溶解、流出、又は他に水溶性の金属塩が共存する場合は、新たな金属塩を生成する可能性があり、著しく吸熱性能を低下させるおそれがある。
成型体の密度が4g/cmより大きい場合はそれ自身の重量が大きいため、柱等の垂直面又は梁の下面等へ接着した際に脱落が生じる可能性があり、好ましくない。
なお、密度は、成型体の重量をその体積で除した値である。
本発明では、吸熱性成型体に、必要に応じ、例えば、織布、不織布、ガラス不織布、セラミックペーパー、合成紙、ガラスクロス、メッシュ等の補強層、アルミニウム箔、アルミニウム箔・合成樹脂積層シート、アルミニウム箔・クラフト紙積層シート、アルミニウム箔・ガラス織布積層シート、アルミニウム箔・メッシュ積層シート、アルミニウム板、カラー鋼板、ステンレス鋼板等の熱反射層を積層することができる。積層形態としては、金属水和物の吸熱作用による温度上昇抑制を目的とする、建物の梁、柱、壁、天井、床、電線やケーブル及びそれらを収納したパイプやケース等の基材(以下、単に「基材」とも言う。)と接する面を「成型体裏面」、その反対側を「成型体表面」とすると、
1.成型体裏面に補強層を積層する
2.成型体裏面及び、成型体の内部に補強層を複数積層する
3.成型体表面に熱反射層を積層する
4.上記1.又は2.と上記3.を適宜組み合わせ積層する
等が挙げられる。本発明では特に、上記4.の積層形態が好ましい。
成型体裏面に、ガラス不織布、ガラスメッシュ等の補強層を積層することにより、接着剤を介して基材に成型体を貼り付けた際、基材との密着性が向上し、成型体がズレ落ちるのを防止でき、火災時の耐火性が向上する。更に、成型体表面にアルミニウム箔、アルミニウム箔・ガラス不織布積層シート、アルミニウム箔・メッシュ積層シート、アルミニウム箔・合成樹脂積層シート等の熱反射層を積層することにより、火災時、金属水和物の脱水速度を制御でき、基材温度の上昇を抑制することができる。また、ウレタンフォーム等の断熱層を積層することにより、断熱性を向上させることもできる。
上記の積層体を形成する場合、例えば、吸熱性成型体を加工する際に同時に積層させたり、成型体加工後に接着剤を使用して積層させたりすることができる。
本発明では、吸熱性成型体表面又は熱反射層に必要に応じ上塗層を積層することもできる。上塗層は、公知の水性型又は溶剤型塗料の塗付、又は、化粧部材のラミネートによって形成することができる。上塗層は、例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリルシリコン樹脂系、フッ素樹脂系等の塗料を塗付することによって形成することができる。これらの塗装は、公知の塗装方法によれば良く、スプレー、ローラー、刷毛等の塗装器具を使用することができる。
本発明の吸熱性成型体は、建築物の柱や壁、天井等の耐火、断熱、防炎用材料、電線やケーブル等の各種基材への被覆材として使用することができ、100℃付近での温度上昇を効果的に抑制することができる。基材へ被覆する際は、本発明の効果を阻害しない限り、有機樹脂等の接着剤を使用して直接又は間接に被覆することができる。
以下に試験例を示して本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の試験例に限定されない。
(試験例1)
ポリオールA:12.0重量部、パラフィン(可塑剤):8.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):80重量部、分散剤:3.2重量部、イソシアネートA:1.02重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体1を得た。成型体1の厚さは2.5mm、密度は1.50g/cmであった。
また、作製した成型体1について以下の評価を実施した。
(強度試験)
直径10mmの円盤状の軸を取り付けたプッシュプルスケール(株式会社今田製作所製)を用いて、成型体1の上方からストローク長2.0mmで押し込み、圧縮強度を測定した。結果を表1に示す。
(耐水性試験A)
成型体1を75×75mmに切断し、常温下、水に24時間浸漬させ、浸漬前後の外観を目視で評価した。評価は、10:異常なし〜1:形状崩壊として10段階で行った。結果を表1に示す。
(耐水性試験B)
成型体1を75×75mmに切断し、常温下、水に72時間浸漬させ、浸漬前後の外観を目視で評価した。評価は、10:異常なし〜1:形状崩壊として10段階で行った。結果を表1に示す。
(耐火性能試験)
有機系接着剤を用いて成型体1を鋼板(150mm×150mm×6mm)に貼り付けて試験体とした。試験体を用いてISO834の標準加熱曲線に従って60分の加熱試験を行い、60分後の鋼材裏面の温度を熱電対にて測定した。評価は、5段階で行った。
A:500℃未満
B:500℃以上、550℃未満
C:550℃以上、600℃未満
D:600℃以上、650℃未満
E:650℃以上、または試験不可
なお、成型体の製造においては、以下の原料を使用した。
・ポリオールA:3官能ポリエステルポリオール(分子量:4600、水酸基価:36)
・ポリオールB:2官能ポリエステルポリオール(分子量:1000、水酸基価:110)
・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型(分子量:400、エポキシ当量:190)
・分散剤:酸−塩基化合物(酸価/アミン価=40/40)
・触媒:ジブチルスズジラウレート
・変性脂肪族アミン:イソホロジアミン
・イソシアネートA:ポリメリックMDI(NCO%:30.1%)
・イソシアネートB:ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)(NCO%:20.5%)
・撥水剤:シリコーン系撥水剤
(試験例2)
ポリオールA:9.0重量部、ポリオールB:3.0重量部、パラフィン(可塑剤):8.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):80重量部、分散剤:3.2重量部、イソシアネートA:1.58重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体2を得た。成型体2の厚さは2.5mm、密度は、1.50g/cmであった。
作製した成型体2について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例3)
ポリオールB:12.0重量部、パラフィン(可塑剤):8.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):80重量部、分散剤:3.2重量部、イソシアネートA:3.3重量部、ウレタン樹脂硬化触媒0.1:重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体3を得た。成型体3の厚さは2.5mm、密度は、1.45g/cmであった。
作製した成型体3について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例4)
ポリオールA:20.0重量部、パラフィン(可塑剤):13.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):67重量部、分散剤:2.4重量部、イソシアネートA:1.79重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体4を得た。成型体4の厚さは2.5mm、密度は、1.40g/cmであった。
作製した成型体4について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例5)
エポキシ樹脂:10.0重量部、パラフィン(可塑剤):8.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):80重量部、分散剤:3.2重量部、変性脂肪族アミン(エポキシ樹脂硬化剤):3.01重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、硬質なシート状の成型体5を得た。成型体5の厚さは2.5mm、密度は、1.51g/cmであった。
作製した成型体5について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例6)
ポリオールA:24.0重量部、パラフィン(可塑剤):16.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):60重量部、分散剤:2.4重量部、イソシアネートA:2.15重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体6を得た。成型体6の厚さは2.5mm、密度は、1.36g/cmであった。
作製した成型体6について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例7)
ポリオールA:36.0重量部、パラフィン(可塑剤):24.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):40重量部、分散剤:1.6重量部、イソシアネートA:3.23重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体7を得た。成型体7の厚さは2.5mm、密度は、1.22g/cmであった。
作製した成型体7について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例8)
ポリオールA:12.0重量部、パラフィン(可塑剤):8.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):80重量部、分散剤3.2重量部、水:5.0重量部、イソシアネートA:1.07重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、フォーム状の成型体8を得た。成型体8の密度は、0.04g/cmであった。
この成型体8を厚さ2.5mmに切り出し、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例9)
含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):80重量部、分散剤:3.2重量部、水:50重量部、イソシアネートA:100重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、フォーム状の成型体9を得た。成型体9の密度は、0.01g/cmであった。
この成型体9を厚さ2.5mmに切り出し、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例10)
ポリオールA:12.0重量部、パラフィン(可塑剤):8.0重量部、含水量約48重量%水酸化アルミニウム(分解温度:300℃):80重量部、分散剤:3.2重量部、イソシアネートA:1.07重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体10を得た。成型体10の厚さは2.5mm、密度は、2.06g/cmであった。
作製した成型体10について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例11)
スチレンアクリル樹脂(熱可塑性樹脂):0.8重量部、エチレンアクリル樹脂(熱可塑性樹脂):3.2重量部、パラフィン(可塑剤):16重量部と、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):80重量部を予め混合し、加圧ニーダーで混練してシート用混練物を調製した。圧延ローラーでシート厚みが2.5mmとなるように上記混練物を圧延してシート化した。この場合、85℃の混練温度が必要であった。成型体11の厚さは2.5mm、密度は、1.52g/cmであった。
作製した成型体11について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例12)
スチレンアクリル樹脂(熱可塑性樹脂):3.6重量部、エチレンアクリル樹脂(熱可塑性樹脂):14.4重量部、パラフィン(可塑剤):2.0重量部と、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):80重量部を予め混合し、加圧ニーダーで混練してシート用混練物を調製しようとした。この場合、150℃の混練温度が必要であり、硫酸アルミニウム18水和物中の水分が一気に脱水するため混練が不可能であった。
次いで、吸熱性を有する成型体の積層体を評価した。
(試験例13)
型枠内に予めガラス不織布(厚さ0.22mm、質量25g/m)を敷き、試験例1と同様の成型体用混練物を充填し、さらにその上に、前記同様のガラス不織布を積層させ、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、シート状の成型体13を得た。成型体13の厚さは2.5mm、密度は、1.52g/cmであった。
作製した成型体13について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例14)
型枠内に予めガラス不織布(厚さ0.22mm、質量25g/m)を敷き、試験例1と同様の成型体用混練物を充填し、さらにアルミニウム箔・メッシュ積層シート(厚さ0.15mm、質量230g/m)を積層させ、25℃で2時間硬化7日間養生・硬化させ、その後脱型し、シート状の成型体14を得た。成型体14の厚さは2.5mm、密度は、1.53g/cmであった。
作製した成型体14について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例15)
ポリオールA:15.8重量部、パラフィン(可塑剤):12.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):70重量部、分散剤:2.8重量部、イソシアネートB:2.2重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体15を得た。成型体15の厚さは2.5mm、密度は、1.51g/cmであった。
作製した成型体15について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例16)
ポリオールA:15.8重量部、パラフィン(可塑剤):12.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):70重量部、分散剤:2.3重量部、撥水剤:0.5重量部、イソシアネートB:2.2重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体16を得た。成型体16の厚さは2.5mm、密度は、1.50g/cmであった。
作製した成型体16について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例17)
ポリオールA:15.8重量部、パラフィン(可塑剤):12.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):70重量部、分散剤:2.0重量部、撥水剤:0.8重量部、イソシアネートB:2.2重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体17を得た。成型体17の厚さは2.5mm、密度は、1.50g/cmであった。
作製した成型体17について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例18)
ポリオールA:15.8重量部、パラフィン(可塑剤):12.0重量部、含水量約48重量%の硫酸アルミニウム18水和物(分解温度:86.5℃):35重量部、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム5水和物、脱水温度:150℃):35重量部、分散剤2.8重量部、イソシアネートB:2.2重量部、ウレタン樹脂硬化触媒:0.1重量部を常温下(25℃)で混合して混練物を得た。混練物を型枠(300mm×300mm)に充填し、25℃で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、柔軟性のあるシート状の成型体18を得た。成型体18の厚さは2.5mm、密度は、1.47g/cmであった。
作製した成型体18について、成型体1と同様の評価を実施した。
(試験例19)
型枠内に予めガラス不織布(厚さ0.22mm、質量25g/m)を敷き、試験例15と同様の成型体用混練物を充填し、さらにアルミニウム箔・メッシュ積層シート(厚さ0.15mm、質量230g/m)を積層させ、25℃で2時間、常温で7日間養生・硬化させ、その後脱型し、シート状の成型体19を得た。成型体19の厚さは2.5mm、密度は、1.49g/cmであった。
作製した成型体19について、成型体1と同様の評価を実施した。
試験例1〜19の結果を表1に示す。
Figure 0005478263
Figure 0005478263
試験例1〜6では、耐火性能試験は概ね良好な結果であった。また、試験例1、2、4、6においては、強度、耐水性に関しても良好な結果であった。試験例7、10では、成型体の強度、耐水性は良好な結果であった。
一方、試験例8、9では、成型体がフォーム状となり、強度、耐水性、耐火性能が劣る結果であった。試験例11、12は、熱可塑性樹脂を用い成型体の作製を試みたが、試験例11では、硫酸アルミニウム18水和物の分解温度以下の温度で混練することで可塑剤が過剰に必要となり、作製した成型体の耐水性、耐火性に劣る結果であった。また、試験例12では、150℃の混練温度が必要であり、硫酸アルミニウム18水和物中の水分が一気に脱水するため混練が不可能であった。
また、試験例13、14の積層体では、試験例1〜12と比べて強度、耐水性、耐火性能全てにおいて良好な結果であった。
試験例15〜19では、耐火性能試験、強度に関して良好な結果であった。また、可撓性、成型性に優れる結果であった。更に、試験例16、17、18、19に関しては、耐水性にも優れる結果であった。

Claims (5)

  1. 有機樹脂成分と金属水和物とを含む吸熱性組成物であって、
    (1)前記有機樹脂成分は、活性水素原子を有する官能基が3つ以上のポリエステルポリオール類とイソシアネート類とを組み合わせて得られるウレタン樹脂を含有し、
    (2)前記金属水和物は、含水量が6重量%以上であり、且つ、脱水又は分解温度が50〜200℃であり、
    (3)前記有機樹脂成分と前記金属水和物との重量比が5:95〜90:10である、
    ことを特徴とする吸熱性組成物。
  2. (1)前記有機樹脂成分は、可塑剤を含有する、請求項1に記載の吸熱性組成物。
  3. (1)前記有機樹脂成分は、ウレタン樹脂硬化触媒を含有する、請求項1又は2に記載の吸熱性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の吸熱性組成物を、密度が0.8〜4g/cmとなるように成型することにより得られる吸熱性成型体。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の吸熱性組成物を、密度が0.8〜4g/cmとなるように成型する吸熱性成型体の製造方法。
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