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JP5481922B2 - 鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層及び鉛蓄電池用電極の製造方法 - Google Patents
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JP5481922B2 - 鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層及び鉛蓄電池用電極の製造方法 - Google Patents

鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層及び鉛蓄電池用電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉛蓄電池に用いられる電極の製造に用いられる支持体付キャパシタ電極組成物層及びそれを用いた鉛蓄電池用電極の製造方法に関する。
正極活物質として二酸化鉛、負極活物質として鉛を使用し、電解液に硫酸水溶液を使用した鉛蓄電池は、他の二次電池と比較して安価で大電流放電に適することから多くの産業にて使用されており、リチウムイオン二次電池等の高容量二次電池が隆盛を誇る今日もその重要性は失われておらず、現在でも鉛蓄電池性能向上の検討が精力的に行われている。近年、鉛蓄電池の長所である短時間の大電流放電特性の向上、ならびに短所である放電深度の大きいサイクル特性の向上に関して、活性炭を使用した技術が報告されている。
例えば特許文献1では、活物質として鉛活物質層の表面に、活性炭、結着剤および導電剤を含む活物質層(以下、キャパシタ層という)が形成された鉛蓄電池用電極ならびにそれを備えた鉛蓄電池が記載されている。キャパシタ層は、これらを乾式練合した混合物をカッターミキサで粉砕し、得られた粉状物を鉛活物質層上に添着し、加圧することにより、あるいは、活物質、結着剤水溶液および導電剤を混合して得られた活物質層形成用組成物を鉛活物質層上に塗布することにより形成されている。この鉛蓄電池用電極を備えた鉛蓄電池は、従来の鉛蓄電池と比較してより高い出力を発揮する鉛蓄電池が提供できるとしている。
特開2007−12596号公報
しかしながら、特許文献1記載の乾式練合した混合物を粉砕し鉛活物質層に添着、加圧する方法では、キャパシタ層の厚さが均一性に劣り、また生産性もよくない。また、特許文献1に記載の活物質、結着剤水溶液および導電剤を含む組成物を鉛活物質層に塗布する方法では、水溶液が鉛活物質層に浸み込んだり、はじいたりするため、キャパシタ層を均一に形成することが難しい。また、これらの方法では工業的な生産効率を得るのが難しい。
したがって、本発明の目的は、ロール生産可能で、かつ鉛電極上に、簡便な方法でしかも厚み精度に優れた鉛蓄電池用電極を生産することが可能なキャパシタ電極組成物層、及びこれを用いた鉛蓄電池用電極を製造する方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、支持体の表面にキャパシタ電極組成物層を形成することにより、キャパシタ電極組成物層を長尺でロール生産することができ、得られたキャパシタ電極組成物層を鉛電極上に容易に圧着することができることを見出した。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、以下の事項を要旨として含む。
(1)鉛蓄電池の鉛電極上へのキャパシタ電極組成物層の形成に用いられる鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層であって、
炭素の同素体よりなるキャパシタ電極活物質および結着剤を含むキャパシタ電極組成物層を支持体表面上に形成してなる鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
(2)前記支持体と前記キャパシタ電極組成物層間の剥離強度が、0.1〜10N/mである前記鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
(3)前記キャパシタ電極組成物層が、乾式成形法により得られたものである前記鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
)前記キャパシタ電極組成物層に接する支持体の面が粗面化されている前記鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
)前記支持体の粗面化された面の表面粗さRaが、0.1〜5μmである前記鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
)前記支持体のキャパシタ電極組成物層に接する面が、離型処理されている前記鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
)前記支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合せる工程を含む鉛蓄電池用電極の製造方法。
)さらに、支持体をキャパシタ電極組成物層から剥離する工程を含む前記鉛蓄電池用電極の製造方法。
)前記支持体付キャパシタ電極組成物層の支持体をキャパシタ電極組成物層から剥離する工程、及びキャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合せる工程を含む鉛蓄電池用電極の製造方法。
本発明によれば、キャパシタ電極組成物層を長尺でロール生産することができる。また、このロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を用いて、効率よく、鉛電極上に厚さ精度に優れたキャパシタ電極組成物層を形成することができる。また、キャパシタ電極組成物層を鉛電極上に直接成形させる場合よりも、キャパシタ電極組成物層の厚さを自由に設計することができる。
本発明の支持体付キャパシタ電極組成物層の断面図である。 本発明の支持体付キャパシタ電極組成物層の製造工程の具体的な態様を表す 図である。
1…支持体
1a…支持体の粗面化面
2…キャパシタ電極組成物層
3…キャパシタ電極組成物
10…ワインダー
11…アンワインダー
12…プレス用ロール
<鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層>
以下、本発明に係る支持体付キャパシタ電極組成物層について、図面を参照しながら、さらに具体的に説明する。
図1は、本発明の鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層の断面図である。図1では、支持体1表面上にキャパシタ電極組成物層2が形成されてなり、前記支持体は面1aを有し、面1aは粗面化されてもよい。また、前記面1aには離型剤層が形成されていてもよい。前記面1aは電極組成物層に面している。
(支持体)
本発明に使用される支持体は、キャパシタ電極組成物層を支持し、キャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合わせるために使用するものである。本発明に使用される支持体を構成する材料としては、キャパシタ電極組成物層を支持体上に形成することができれば無機材料、有機材料、制限なく使用することができる。例えば、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔;プラスチックフィルム;紙などが挙げられる。また、上記フィルムを重ねた多層構造のフィルムを用いても良い。これらの中でも、汎用性や取扱いの観点から紙、熱可塑性樹脂フィルムが好ましく、特に紙、熱可塑性樹脂フィルムの中では、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリオレフィン系フィルム、PVA(ポリビニルアルコール)フィルム、PVB(ポリビニルブチラールフィルム)、PVC(ポリ塩化ビニル)フィルムが好ましい。なお、本発明における支持体には、鉛電極に使用される集電体は含まれない。
本発明においては、キャパシタ電極組成物層に接する支持体の面が、粗面化されていることが好ましい。前記支持体のキャパシタ電極組成物層に接する面が粗面化されていることにより、アンカリング効果によりキャパシタ電極組成物層と密着しロール巻き取りが可能となる。また、支持体付キャパシタ電極組成物層を用いて鉛蓄電池用電極を製造する際に、キャパシタ電極組成物層から支持体を容易に剥離することができる。支持体の粗面化された面の表面粗さRaは、好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.2〜3μm、さらに好ましくは0.2〜1μmの範囲にある。支持体の粗面化された面の表面粗さRaがこの範囲にあることにより、キャパシタ電極組成物層と支持体との密着性と、支持体付キャパシタ電極組成物層を用いて電極を製造する際における支持体の剥離性との両立が可能となる。
表面粗さRaは、JIS B0601に準拠して、例えばナノスケールハイブリッド顕微鏡(VN−8010、キーエンス社製)を用いて、粗さ曲線を描き、下式に示す式より算出することができる。下式において、Lは測定長さ、xは平均線から測定曲線までの偏差である。
Figure 0005481922
支持体表面を粗面化する方法は特に制限されず、支持体表面をエンボス処理する方法、支持体表面をサンドブラスト処理する方法、マット材を支持体を構成する材料に練り込む方法、マット材を含む層を支持体表面にコーティングする方法などが挙げられる。中でもキャパシタ電極組成物層との密着性の観点から支持体表面をサンドブラスト処理する方法が好ましい。支持体の粗面化処理は、片面のみに施してもよく、両面に施してもよい。
支持体の面は、離型処理されていてもよい。離型処理の方法は特に限定されないが、例えばアルキド樹脂などの熱硬化性樹脂を支持体上に塗工し、これを硬化する方法、シリコーン樹脂を支持体上に塗工し、これを硬化する方法、フッ素樹脂を支持体上に塗工する方法を用いることが好ましい。特に、均質な離型処理層を容易に形成できる熱硬化性樹脂を用いた離型処理が好ましく、またキャパシタ電極組成物層の成形性、および得られる支持体付キャパシタ電極組成物層からの支持体の剥離性のバランスの観点からアルキド樹脂の塗工、硬化による離型処理が好ましい。
支持体の厚さは特に限定されないが、10〜200μmが好ましく、20〜150μmがより好ましく、20〜100μmが特に好ましい。支持体の厚さが、前記範囲にあることにより、支持体付キャパシタ電極組成物層のロール巻取り性、ハンドリング性が向上する。また、幅も特に限定されないが100〜1000mm、さらには100〜500mmが好適である。
支持体の引っ張り強度は特に限定されないが、30〜500MPaが好適であり、30〜300MPaがより好適である。支持体の引っ張り強度が、前記範囲であることにより、支持体付キャパシタ電極組成物層の製造時の破断を防ぐことができる。
本発明に使用される支持体は繰り返し使用することも可能であり、繰り返し使用することで、さらに電極の生産コストを安くできる。
本発明に用いるキャパシタ電極組成物層の密度は、特に制限されないが、通常は0.30〜10g/cm、好ましくは0.35〜5.0g/cm、より好ましくは0.40〜3.0g/cmである。また、キャパシタ電極組成物層の厚さは、特に制限されないが、通常は5〜1000μm、好ましくは20〜500μm、より好ましくは30〜400μmである。
(キャパシタ電極活物質)
本発明に用いるキャパシタ電極活物質は、電極内で電子の受け渡しをする物質である。
本発明に用いるキャパシタ電極活物質としては、電気二重層キャパシタ用電極に用いる電極活物質、具体的には、炭素の同素体が用いられる。炭素の同素体の具体例としては、活性炭、ポリアセン、カーボンウィスカ及びグラファイト等が挙げられ、これらの粉末または繊維を使用することができる。好ましい電極活物質は活性炭であり、具体的にはフェノール樹脂、レーヨン、アクリロニトリル樹脂、ピッチ、およびヤシ殻等を原料とする活性炭を挙げることができる。
キャパシタ電極活物質の体積平均粒子径は、通常0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、更に好ましくは5〜20μmである。
キャパシタ電極活物質の比表面積は、30m/g以上、好ましくは500〜5,000m/g、より好ましくは1,000〜3,000m/gであることが好ましい。キャパシタ電極活物質の比表面積が大きいほど得られるキャパシタ電極組成物層の密度は小さくなる傾向があるので、キャパシタ電極活物質を適宜選択することで、所望の密度を有するキャパシタ電極組成物層を得ることができる。
(結着剤)
キャパシタ電極組成物に用いる結着剤は、キャパシタ電極活物質や後述する導電剤を相互に結着させることができる化合物であれば特に制限はない。好適な結着剤は、溶媒に分散する性質のある分散型結着剤である。分散型結着剤として、例えば、フッ素系重合体、ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン系重合体等の高分子化合物が挙げられ、フッ素系重合体、ジエン系重合体又はアクリレート系重合体が好ましく、ジエン系重合体が、耐電圧を高くでき、かつ電気化学素子のエネルギー密度を高くすることができ、鉛蓄電池の硫酸電解液に耐性がある点でより好ましい。
結着剤の量は、キャパシタ電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。結着剤の量がこの範囲にあると、得られるキャパシタ電極組成物層と鉛電極との密着性が充分に確保でき、鉛蓄電池の容量を高く且つ内部抵抗を低くすることができる。
本発明に用いるキャパシタ電極組成物は、キャパシタ電極活物質及び結着剤を必須成分として含むが、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。他の成分(以下、総称して「任意成分」ということがある。)としては、導電剤、分散剤等が挙げられる。特に、導電剤、分散剤を含んでいることが好ましい。
(導電剤)
本発明に用いる導電剤は、導電性を有し、電気二重層を形成し得る細孔を有さない粒子状の炭素の同素体からなり、具体的には、ファーネスブラック、アセチレンブラック、及びケッチェンブラック(アクゾノーベル ケミカルズ ベスローテン フェンノートシャップ社の登録商標)などの導電性カーボンブラックが挙げられる。これらの中でも、アセチレンブラックおよびケッチェンブラックが好ましい。
本発明に用いる導電剤の体積平均粒子径は、キャパシタ電極活物質の体積平均粒子径よりも小さいものが好ましく、その範囲は通常0.001〜10μm、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.01〜1μmである。導電剤の体積平均粒子径がこの範囲にあると、より少ない使用量で高い導電性が得られる。これらの導電剤は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて用いることができる。導電剤の量は、キャパシタ電極活物質100重量部に対して通常0.1〜50重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。導電剤の量がこの範囲にあると、得られる鉛蓄電池用電極を使用した鉛蓄電池の容量を高く且つ内部抵抗を低くすることができる。
(分散剤)
分散剤の具体例としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース系ポリマー、ならびにこれらのアンモニウム塩またはアルカリ金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ、カゼイン、各種変性デンプン、キチン、キトサン誘導体などが挙げられる。これらの分散剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、セルロース系ポリマーが好ましく、カルボキシメチルセルロースまたはそのアンモニウム塩もしくはアルカリ金属塩が特に好ましい。
分散剤の使用量は、本発明の効果を損なわない範囲で用いることができ、格別な限定はないが、キャパシタ電極活物質100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは0.8〜2重量部の範囲である
(支持体キャパシタ電極組成物層の製造方法)
本発明の鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層は、キャパシタ電極活物質及び結着剤を必須成分として含むが、必要に応じて前記任意成分を含んでいてもよい。また、本発明の鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層は、キャパシタ電極組成物層が支持体上に設けられるが、その形成方法は制限されない。
具体的には、1)キャパシタ電極活物質及び結着剤の必須成分と、導電剤や分散剤などの任意成分とを混練してなるキャパシタ電極組成物を、シート成形し、得られたシート状キャパシタ電極層組成物を、支持体上に積層する方法(混練シート成形法)、2)キャパシタ電極活物質及び結着剤の必須成分と、導電剤や分散剤などの任意成分とを含むペースト状のキャパシタ電極組成物を調製し、これを支持体上に塗布し、乾燥する方法(湿式成形法)、3)キャパシタ電極活物質及び結着剤の必須成分と、導電剤や分散剤などの任意成分とからなる複合粒子を調製し、これを支持体上にシート成形し、必要に応じてロールプレスして得る方法(乾式成形法)などが挙げられる。中でも、2)湿式成形法、3)乾式成形法が好ましく、3)乾式成形法が得られる鉛蓄電池の容量を高く、且つ内部抵抗を低減できる点でより好ましい。
(湿式成形法)
本発明の支持体付キャパシタ電極組成物層を、前記湿式成形法により成形する場合においてペースト状のキャパシタ電極組成物は、キャパシタ電極組成物層を構成する材料、具体的には、キャパシタ電極活物質及び結着剤の必須成分と、導電剤や分散剤などの任意成分と、分散媒とを含む。
キャパシタ電極活物質及び結着剤としては、前記キャパシタ電極組成物層で例示したものが挙げられる。
その他必要に応じ加えられる添加剤としては、導電剤、分散剤、界面活性剤、分散媒以外の有機溶剤が挙げられる。導電剤、分散剤、界面活性剤としては、前記キャパシタ電極組成物層で例示したものが挙げられる。
分散媒としては、水、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、トルエンなどが挙げられるが、ペースト状のキャパシタ電極組成物の乾燥の容易さと環境への負荷に優れる点から水が好ましい。
湿式成形法においては、分散媒以外の有機溶剤を使用することで、ペーストの塗工性が向上する。また、特に沸点(常圧)が50〜150℃の有機溶剤を使用すると、水系ペーストを塗布して形成したキャパシタ電極組成物層を乾燥する際に、水の揮発とともに同時に有機溶剤が揮発するため、乾燥工程を簡素化できる。また、乾燥後のキャパシタ電極組成物層に有機溶剤が残存することもなく、電極の耐久性が向上する。有機溶剤としては、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのアルキルエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられ、好ましくはアルコール類、アルキルエステル類が挙げられ、鉛蓄電池の耐久性に優れる点でアルコール類が特に好ましい。
有機溶剤を使用する場合、その配合量は、キャパシタ電極活物質100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲であり、1.0〜10重量部が好ましく、2.0〜5重量部が特に好ましい。有機溶剤の配合量がこの範囲であると、得られる鉛蓄電池の耐久性に優れる。
また、上記の界面活性剤と有機溶剤とを併用することが特に好ましい。界面活性剤と有機溶剤とを併用することにより、ペースト状のキャパシタ電極組成物の表面張力をより低下させ、生産性が向上する。この場合、界面活性剤と有機溶剤との合計量は、キャパシタ電極活物質100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲であり、1.0〜10重量部が好ましく、2.0〜5重量部が特に好ましい。
ペースト状のキャパシタ電極組成物は、キャパシタ電極活物質及び結着剤、並びに、導電剤や分散剤などの任意成分を、分散媒中で混練することにより製造することができる。
ペースト状のキャパシタ電極組成物の製造方法としては、分散媒および前記の各成分を、混合機を用いて混合して製造できる。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、およびホバートミキサーなどを用いることができる。また、キャパシタ電極活物質と必要に応じて加えられる導電剤とを擂潰機、プラネタリーミキサー、ヘンシェルミキサー、およびオムニミキサーなどの混合機を用いて先ず混合し、次いでバインダーを添加して均一に混合する方法も好ましい。この方法を採ることにより、容易に均一なスラリーを得ることができる。
本発明に使用されるペースト状のキャパシタ電極組成物の粘度は、塗工機の種類や塗工ラインの形状によっても異なるが、通常100〜100,000mPa・s、好ましくは、1,000〜50,000mPa・s、より好ましくは5,000〜20,000mPa・sである。
ペースト状のキャパシタ電極組成物の支持体表面上への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。ペースト状のキャパシタ電極組成物の塗布厚は、目的とするキャパシタ電極組成物層の厚さに応じて適宜に設定される。
ペースト状のキャパシタ電極組成物の乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。中でも、遠赤外線の照射による乾燥法が好ましい。本発明における乾燥温度と乾燥時間は、支持体上に塗布したペースト状のキャパシタ電極組成物中の溶媒を完全に除去できる温度と時間が好ましく、乾燥温度としては100〜300℃、好ましくは120〜250℃である。乾燥時間としては、通常1分〜60分間、好ましくは5分〜30分間である。
(乾式成形法)
本発明の支持体付キャパシタ電極組成物層を、前記湿式成形法により成形する場合において、キャパシタ電極組成物層を形成するキャパシタ電極組成物は、キャパシタ電極活物質及び結着剤の必須成分と、導電剤や分散剤などの任意成分とを含んでなる複合粒子であることが好ましい。キャパシタ電極組成物が複合粒子であることにより、得られる鉛蓄電池用電極の電極強度を高くしたり、内部抵抗を低減したりすることができる。本発明でいう複合粒子とは、キャパシタ電極活物質及び結着剤の必須成分、並びに導電剤や分散剤などの任意成分等、複数の材料が一体化した粒子をさす。
本発明に好適に用いる複合粒子は、キャパシタ電極活物質及び結着剤の必須成分、並びに導電剤や分散剤などの任意成分を用いて造粒することにより製造される。
複合粒子の造粒方法は特に制限されず、噴霧乾燥造粒法、転動層造粒法、圧縮型造粒法、攪拌型造粒法、押出し造粒法、破砕型造粒法、流動層造粒法、流動層多機能型造粒法、および溶融造粒法などの公知の造粒法により製造することができる。中でも、表面付近に結着剤および導電剤が偏在した複合粒子を容易に得られるので、噴霧乾燥造粒法が好ましい。噴霧乾燥造粒法で得られる複合粒子を用いると、本発明の支持体付キャパシタ電極組成物層より、鉛蓄電池用電極を高い生産性で得ることができる。また、該電極の内部抵抗をより低減することができる。
前記噴霧乾燥造粒法では、まず上記した電極活物質及び結着剤の必須成分、並びに導電剤などの任意成分を溶媒に分散または溶解して、電極活物質及び結着剤の必須成分、並びに導電剤や分散剤などの任意成分が分散または溶解されてなるスラリーを得る。
スラリーを得るために用いる溶媒は、特に限定されないが、上記の分散剤を用いる場合には、分散剤を溶解可能な溶媒が好適に用いられる。具体的には、通常水が用いられるが、有機溶媒を用いることもできるし、水と有機溶媒との混合溶媒を用いてもよい。有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルキルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のアルキルケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類;ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類;ジメチルスルホキサイド、スルホラン等のイオウ系溶剤;等が挙げられる。この中でも有機溶媒としては、アルコール類が好ましい。水と、水よりも沸点の低い有機溶媒とを併用すると、噴霧乾燥時に、乾燥速度を速くすることができる。また、水と併用する有機溶媒の量または種類によって、結着剤の分散性または分散剤の溶解性が変わる。これにより、スラリーの粘度や流動性を調整することができ、生産効率を向上させることができる。
スラリーを調製するときに使用する溶媒の量は、スラリーの固形分濃度が、通常1〜50質量%、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%の範囲となる量である。固形分濃度がこの範囲にあるときに、結着剤が均一に分散するため好適である。
キャパシタ電極活物質及び結着剤の必須成分と、導電剤や分散剤などの任意成分とを溶媒に分散または溶解する方法または手順は特に限定されず、例えば、溶媒にキャパシタ電極活物質、導電剤、結着剤および分散剤等を添加し混合する方法;溶媒に分散剤を溶解した後、溶媒に分散させた結着剤(例えば、ラテックス)を添加して混合し、最後にキャパシタ電極活物質および導電剤を添加して混合する方法;溶媒に分散させた結着剤にキャパシタ電極活物質および導電剤を添加して混合し、この混合物に溶媒に溶解させた分散剤を添加して混合する方法等が挙げられる。混合の手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、顔料分散機、らい潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、ホモミキサー、プラネタリーミキサー等の混合機器が挙げられる。混合は、通常、室温〜80℃の範囲で、10分〜数時間行う。
スラリーの粘度は、室温において、通常10〜3,000mPa・s、好ましくは30〜1,500mPa・s、より好ましくは50〜1,000mPa・sの範囲である。スラリーの粘度がこの範囲にあると、複合粒子の生産性を上げることができる。また、スラリーの粘度が高いほど、噴霧液滴が大きくなり、得られる複合粒子の体積平均粒子径が大きくなる。
次に、上記で得たスラリーを噴霧乾燥して造粒し、複合粒子を得る。噴霧乾燥は、熱風中にスラリーを噴霧して乾燥することにより行う。スラリーの噴霧に用いる装置としてアトマイザーが挙げられる。アトマイザーは、回転円盤方式と加圧方式との二種類の装置がある。回転円盤方式は、高速回転する円盤のほぼ中央にスラリーを導入し、円盤の遠心力によってスラリーが円盤の外に放たれ、その際にスラリーを霧状にする方式である。円盤の回転速度は円盤の大きさに依存するが、通常は5,000〜30,000rpm、好ましくは15,000〜30,000rpmである。円盤の回転速度が低いほど、噴霧液滴が大きくなり、得られる複合粒子の体積平均粒子径が大きくなる。回転円盤方式のアトマイザーとしては、ピン型とベーン型が挙げられるが、好ましくはピン型アトマイザーである。ピン型アトマイザーは、噴霧盤を用いた遠心式の噴霧装置の一種であり、該噴霧盤が上下取付円板の間にその周縁に沿ったほぼ同心円上に着脱自在に複数の噴霧用コロを取り付けたもので構成されている。スラリーは噴霧盤中央から導入され、遠心力によって噴霧用コロに付着し、コロ表面を外側へと移動し、最後にコロ表面から離れ噴霧される。一方、加圧方式は、スラリーを加圧してノズルから霧状にして乾燥する方式である。
噴霧されるスラリーの温度は、通常は室温であるが、加温して室温以上にしたものであってもよい。また、噴霧乾燥時の熱風温度は、通常80〜250℃、好ましくは100〜200℃である。噴霧乾燥において、熱風の吹き込み方法は特に制限されず、例えば、熱風と噴霧方向が横方向に並流する方式、乾燥塔頂部で噴霧され熱風と共に下降する方式、噴霧した滴と熱風が向流接触する方式、噴霧した滴が最初熱風と並流し次いで重力落下して向流接触する方式等が挙げられる。
上記の噴霧乾燥により、複合粒子が得られる。該複合粒子の体積平均粒子径は、通常1〜500μm、好ましくは5〜300μm、より好ましくは10〜100μm、最も好ましくは20〜75μmの範囲である。ここで、複合粒子の体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置を用いて複合粒子を圧搾空気により加圧噴霧して測定される体積平均粒子径である。
また、前記複合粒子は、球状であることが好ましい。前記複合粒子が球状であるか否かの評価は、複合粒子の短軸径をLs、長軸径をLlとしたときに(Ll−Ls)/{(Ls+Ll)/2}で算出される値(以下、「球状度」という。)により行う。ここで、短軸径Lsおよび長軸径Llは、反射型電子顕微鏡を用いて複合粒子を観察した写真像より測定される100ケの任意の複合粒子についての平均値である。この数値が小さいほど球状複合粒子が真球に近いことを示す。
たとえば、上記写真像で正方形として観察される粒子は、上記球状度は34.4%と計算されるので、34.4%を超える球状度を示す複合粒子は、少なくとも球状とはいえない。複合粒子の球状度は、好ましくは20%以下であり、さらに好ましくは15%以下である。
上記の製造方法で得られた複合粒子は、必要に応じて粒子製造後の後処理を実施することもできる。具体例としては、複合粒子に上記のキャパシタ電極活物質、導電剤、結着剤、あるいは添加剤等と混合することによって、粒子表面を改質して、球状複合粒子の流動性を向上または低下させる、連続加圧成形性を向上させる、球状複合粒子の電気伝導性を向上させることなどができる。
本発明の支持体付キャパシタキャパシタ電極組成物層を乾式成形法で製造する場合は、キャパシタ電極組成物と、支持体とを、略水平に配置された一対のプレス用ロール又はベルトに供給し、前記一対のプレス用ロール又はベルトにより前記キャパシタ電極組成物をシート状成形体に成形するとともに、これを前記支持体の面に圧着する。
図2は、キャパシタ電極組成物と、表面が粗面化された支持体とを、略水平に配置された一対のプレス用ロール又はベルトに供給し、前記一対のプレス用ロール又はベルトにより前記キャパシタ電極組成物をシート状成形体に成形するとともに、これを前記支持体の粗面化された面と圧着する工程の具体的な態様を表す図である。
図2では、支持体1の巻収体をアンワイダー11に取り付け、これを送り出す。次いで、前記キャパシタ電極組成物(図では複合粒子)3をスクリューフィーダー等の供給装置により略水平に配置された一対のプレス用ロール12に供給し、一対のプレス用ロールにより加圧成形することにより、前記キャパシタ電極組成物をシート状成形体に成形するとともに、これを支持体の面に圧着する。そして、キャパシタ電極組成物層を形成した支持体(支持体付キャパシタ電極組成物層)をワインダー10で巻き取り、支持体付キャパシタ電極組成物層の巻収体が得られる。なお、図2に示されている一対のプレス用ロールは、一対のプレス用ベルトに置き換えることができる。
本発明の支持体付キャパシタ電極組成物層を乾式成形法で製造する場合において、前記略水平に配置された一対のプレス用ロール又はベルトに供給する際に、キャパシタ電極組成物は加温されていてもよい。そのときのキャパシタ電極組成物の温度は、好ましくは40〜160℃、より好ましくは70〜140℃である。この温度範囲にあるキャパシタ電極組成物を用いると、プレス用ロール又はベルトの表面にキャパシタ電極組成物の滑りがなく、キャパシタ電極組成物が連続的にかつ均一にプレス用ロール又はベルトに供給されるので、膜厚が均一で、密度のばらつきが小さいキャパシタ電極組成物層を得ることができる。
本発明の支持体付キャパシタ電極組成物層を乾式成形法で製造する場合において、成形時の温度は、通常0〜200℃であり、結着剤の融点またはガラス転移温度より高いことが好ましく、融点またはガラス転移温度より20℃以上高いことがより好ましい。また、成形速度は通常0.1〜20m/分、好ましくは4〜10m/分の範囲とする。また、ロール間のプレス線圧は、通常0.2〜30kN/cm、好ましくは1.5〜15kN/cmとする。また、ベルトを用いる場合の成形速度は、通常1〜15m/分、好ましくは5〜10m/分である。また、プレス用ベルト間の圧力は、通常5〜50MPa、好ましくは10〜30MPaである。
本発明の支持体付キャパシタ電極組成物層を乾式成形法で製造する場合において、成形したキャパシタ電極組成物層の厚さのばらつきをなくし、キャパシタ電極組成物層の密度を上げて高容量化をはかるために、必要に応じてさらに後加圧を行っても良い。後加圧の方法は、ロールプレス工程が一般的である。ロールプレス工程では、2本の円柱状のロールをせまい間隔で平行に上下にならべ、それぞれを反対方向に回転させて、その間に電極をかみこませ加圧する。ロールは加熱または冷却等して温度調節しても良い。
本発明に用おいて、キャパシタ電極組成物層の密度は、特に制限されないが、通常は0.30〜10g/cm、好ましくは0.35〜5.0g/cm、より好ましくは0.40〜3.0g/cmである。また、キャパシタ電極組成物層の厚さは、特に制限されないが、通常は5〜1000μm、好ましくは20〜500μm、より好ましくは30〜400μmである。
本発明の支持体付キャパシタ電極組成物層において、支持体とキャパシタ電極組成物層間の剥離強度は、0.1〜100N/mであることが好ましく、0.1〜10N/mであることがより好ましく、0.1〜1N/mであることがさらに好ましい。前記剥離強度が前記範囲にあることにより、キャパシタ電極組成物層の支持体への適度な密着性と支持体からの適度な剥離性を両立することが可能となる。前記剥離強度は、JIS Z0237に準拠して測定される値である。
<鉛蓄電池用電極の製造方法>
本発明の鉛蓄電池用電極の製造方法は、前記支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合せる工程を含む(以下、「第一の製造方法」ということがある。)、又は支持体付キャパシタ電極組成物層の支持体をキャパシタ電極組成物層から剥離する工程、及びキャパシタ電極組成物を鉛電極に貼り合せる工程を含む(以下、「第二の製造方法」ということがある。)、ものである。
(鉛電極)
本発明に用いられる鉛電極は、集電体上に鉛活物質層が形成されたものをいう。鉛活物質層は、通常の鉛蓄電池の活物質として使用される鉛、一酸化鉛、二酸化鉛、三酸化二鉛、四酸化三鉛(鉛丹)、硫酸鉛などの、鉛および鉛化合物を主体とする層をさす。これらの鉛および鉛化合物は、単独でまたは混合物を適宜選択して使用することができる。鉛活物質層中の鉛原子が占める割合は、通常は層全体の重量に対して50質量%以上、好ましくは70質量%以上である。鉛原子の量がこの範囲にあると、活物質層のエネルギー密度を高めることができる。正極活物質層に用いられる鉛含有材料としては二酸化鉛または一酸化鉛が好ましく、負極活物質層に用いられる鉛含有材料としては一酸化鉛または鉛が好ましい。
鉛活物質層は、鉛および鉛化合物の他に、ポリエステル繊維などの強化材、リグニンなどの界面活性剤、硫酸バリウムなどを含んでいてもよい。また、アンチモン、亜鉛、カドミウム、銀およびビスマスの酸化物、水酸化物もしくは硫酸塩から選ばれる添加剤なども使用することができる。さらに、鉛含有材料のペーストを作製して鉛活物質層を形成する場合は、硫酸水溶液を加えることもできる。
集電体としては、板状、箔状、クラッド式と呼ばれる多孔性チューブの中心に鉛合金芯金を挿入したもの、および格子状集電体などが挙げられる。鉛活物質ペーストを保持し、効率的に電流を取り出す形状として最適であるため、格子状集電体が好ましい。格子状集電体としては、標準格子、ラジアル格子、エキスパンド式のいずれも使用できる。
格子状集電体の材質としては、鉛−カルシウム合金、鉛−アンチモン合金、鉛−錫合金等の鉛含有合金が用いられる。前記鉛合金の組成の一部として、砒素、錫、銅、銀、アルミなどを含んでいてもよい。
本発明において、鉛電極は、鉛活物質層の上に接着剤層を有するものであってもよい。接着剤層を設けることで、キャパシタ電極組成物層と鉛活物質層との密着性が向上し、接触抵抗を低減できる。
本発明に使用される接着剤層はフィラーを必須成分として、結着剤や分散剤などの任意成分とする。
フィラーは、公知のものを使用することができ、導電性フィラー、金属酸化物フィラーが挙げられるが、その中でも、導電性フィラーが好ましい。
結着剤としては、ハロゲン系重合体、ジエン系重合体、アクリレート系重合体、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン等の高分子化合物が挙げられる。結着剤の量は、フィラー100重量部に対して、通常1〜10重量部である。
分散剤としては、セルロース誘導体が挙げられ、中でもカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩が特に好ましい。分散剤の量は、フィラー100重量部に対して、通常1〜10重量部である。
本発明に使用される接着剤は、必要に応じ溶媒を含んでいてもよく、この溶媒成分としては、トルエン、アセトン、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラクロロエチレン、トリクロルエチレン、ブロムクロロメタン、ジアセトン、ジメチルホルムアミド、エチルエーテル、クレゾール、キシレン、クロロホルム、ジメチルエーテルがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
接着剤は前記の各成分を、混合機を用いて混合して製造できる。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、およびホバートミキサーなどを用いることができる。
接着剤の塗布方法は、特に限定されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。
接着剤層の厚さは、通常1〜25μmである。
(第一の製造方法)
本発明の第一の製造方法では、上記支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合わせる。
支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合わせる際の線圧は、支持体の粗面化された面の形状を損なわない程度であれば、特に制限されないが、通常50〜2,000kN/m、好ましくは100〜1,000kN/m、特に好ましくは200〜500kN/mである。貼り合わせるの際の線圧がこの範囲であると、鉛電極上にキャパシタ電極組成物層を均一に貼り合わせることができ、電極強度に優れる。
第一の製造方法において、圧着と同時に熱を加え(熱プレス)てもよい。熱プレス法としては、具体的には、バッチ式熱プレス、連続式熱ロールプレスなどが挙げられ、生産性が高められる連続式熱ロールプレスが好ましい。熱プレスの温度は、特に制限されないが、通常50〜200℃、好ましくは70〜150℃である。熱プレスの温度がこの範囲であると、鉛電極上にキャパシタ電極組成物層をより均一に貼り合わせることができ、電極強度に優れる。
第一の製造方法においては、支持体付キャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合わせたものを、そのまま鉛蓄電池用電極としても使用することができるが、その後支持体をキャパシタ電極組成物層から剥離してもよい。
本発明の第一の製造方法において、支持体付キャパシタ電極組成物層から支持体を剥離する方法は、特に制限されず、例えば、鉛電極に支持体付キャパシタ電極組成物層を貼り合わせた後、キャパシタ電極組成物層付鉛電極と、支持体とを別々のロールに捲回することにより、容易に剥離することができる。
(第二の製造方法)
本発明の第二の製造方法では、上記支持体付キャパシタ電極組成物層の支持体をキャパシタ電極組成物層から剥離する工程、剥離したキャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合わせる工程を含む。
支持体付キャパシタ電極組成物層の支持体をキャパシタ電極組成物層から剥離する方法は、特に制限されず、支持体付キャパシタ電極組成物層から、キャパシタ電極組成物層と支持体とを別々のロールに捲回することにより、容易に剥離することができる。
支持体付キャパシタ電極組成物層から剥離したキャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合わせる際の線圧は、支持体の粗面化された面の形状を損なわない程度であれば、特に制限されないが、通常50〜2,000kN/m、好ましくは100〜1,000kN/m、特に好ましくは200〜500kN/mである。貼り合わせるの際の線圧がこの範囲であると、鉛電極上にキャパシタ電極組成物層を均一に貼り合わせることができ、電極強度に優れる。
第二の製造方法において、圧着と同時に熱を加え(熱プレス)てもよい。熱プレス法としては、具体的には、バッチ式熱プレス、連続式熱ロールプレスなどが挙げられ、生産性が高められる連続式熱ロールプレスが好ましい。熱プレスの温度は、特に制限されないが、通常50〜200℃、好ましくは70〜150℃である。熱プレスの温度がこの範囲であると、鉛電極上にキャパシタ電極組成物層層をより均一に貼り合わせることができ、電極強度に優れる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り質量基準である。実施例および比較例における各特性は下記の方法に従い測定する。
(支持体表面の算術平均粗さ(Ra)の測定)
JIS B 0601に準拠して測定する。支持表面の算術平均粗さ(Ra)は、キーエンス(株)社製ナノスケールハイブリッド顕微鏡(VN−8010)を用いて、粗さ曲線を描き、下式の算出法により求める。Lは測定長さ、xは平均線から測定曲線までの偏差である。
Figure 0005481922
(ロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層の外観)
ロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層について、キャパシタ電極組成物層が支持体に固定され均等に巻かれているか目視で観察する。
(剥離強度)
ロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層について、JIS Z0237に準拠して測定する。
(引っ張り強度)
支持体の引っ張り強度について、JIS K7127に準拠して測定する。
(キャパシタ電極組成物層の厚さの測定)
キャパシタ電極組成物層の厚さは鉛電極にキャパシタ電極組成物層を形成した後に、渦電流式変位センサ(センサヘッド部EX−110V、アンプユニット部EX−V02:キーエンス社製)を用いて測定する。長手方向に10cm間隔、幅方向に2cm間隔で各キャパシタ電極組成物層の厚さを測定し、それらの平均値をキャパシタ電極組成物層の厚さとする。キャパシタ電極組成物層の厚さ精度は、標準偏差/平均値×100から算出する。
<実施例1>
比表面積1,700m/gの水蒸気賦活活性炭を100部、アセチレンブラックを5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を1.5部、およびジエン系重合体のラテックス(ガラス転移温度:−19℃)を固形分相当で10部を混合し、さらにイオン交換水を固形分濃度が20%となるように加え、混合分散を行いスラリーを得る。このスラリーを、スプレー乾燥機を使用し、回転円盤方式のアトマイザ(直径65mm)の回転数25,000rpm、熱風温度150℃、粒子回収出口の温度が90℃で噴霧乾燥造粒を行い、球状複合粒子を得る。この球状複合粒子の球状度は0.12、平均体積粒子径は58μmである。
ここで得られる球状複合粒子を、表面粗さRaが0.4μmとなるようにサンドブラストによる粗面化処理したPETフィルム(厚さ75μm、引っ張り強度200MPa)の粗面化された面上に散布し、100℃に加熱した加圧ロール(成形速度20m/分、線圧5kN/cm)でシート成形を行い、これを巻き取って、支持体の粗面化された面上に厚さ300μmのキャパシタ電極組成物層を有するロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を得る。得られるロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を観察したところ、支持体にキャパシタ電極組成物層が固定され均等に巻かれており、異常は見られない。得られる支持体付キャパシタキャパシタ電極組成物層の剥離強度は0.3N/mである。
鉛含有材料としての酸化鉛100部に、導電剤としてのカーボンブラックを0.3部、硫酸バリウムを0.3部、ポリエステル繊維を0.6部、イオン交換水を10部、および比重1.36の希硫酸を10部加えて添加、混合し、酸化亜鉛ペーストを得る。このペーストを定間隙ロールに通して厚き900μmのシート状ペーストとする。このシート状ペーストを鉛−カルシウム合金からなる格子状集電体(100mm×100mm×1mm)に充填し鉛電極を作製する。作製した鉛電極上に、前記支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を連続ロールプレスにて温度30℃、線圧5kN/cm、圧着速度30m/分の条件で圧着し、次いで支持体を剥離して、鉛電極の片面に厚さ280μmのキャパシタ電極組成物層を有する鉛蓄電池用電極を得る。得られるキャパシタ電極組成物層の厚さのばらつきは全面で3%以内である。
<実施例2>
実施例1において、支持体として、表面粗さRaが0.14μmとなるようにマット材を練り込んで粗面化処理したPETフィルム(厚さ75μm、引っ張り強度200MPa)を使用した他は、実施例1と同様にして、支持体の粗面化された面に厚さ300μmのキャパシタ電極組成物層を有するロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を得る。得られるロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を観察したところ、支持体にキャパシタ電極組成物層が部分的に固定されて巻かれているが、支持体とキャパシタ電極組成物層において、実用上問題はないが、部分的に浮きが見られる。得られる支持体付キャパシタ電極組成物層の剥離強度は0.1N/mである。
得られる支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を、鉛電極上に、連続ロールプレスにて温度30℃、線圧5kN/cm、圧着速度30m/分の条件で圧着し、次いで支持体を剥離して、鉛電極の片面に厚さ280μmのキャパシタ電極組成物層を有する鉛蓄電池用電極を得る。得られるキャパシタ電極組成物層の厚さのばらつきは全面で3%以内である。
<実施例3>
実施例1において、支持体として、紙支持体にシリコーン樹脂離型剤層が形成された表面粗さRaが0.05μmの紙支持体を使用した他は、実施例1と同様にして、支持体の離型処理された面上に厚さ300μmのキャパシタ電極組成物層を有するロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を得る。得られるロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を観察したところ、支持体にキャパシタ電極組成物層が固定され均等に巻かれており、異常は見られない。得られる支持体付キャパシタ電極組成物層の剥離強度は0.1N/mである。
得られる支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を、鉛電極上に、連続ロールプレスにて温度100℃、線圧5kN/cm、圧着速度30m/分の条件で圧着し、次いで支持体を剥離して、鉛電極の片面に厚さ280μmのキャパシタ電極組成物層を有する鉛蓄電池用電極を得る。得られるキャパシタ電極組成物層の厚さのばらつきは全面で3%以内である。
<実施例4>
実施例1において、支持体として、表面粗さRaが1.2μmとなるようにサンドブラストによる粗面化処理したPETフィルム(厚さ75μm、引っ張り強度200MPa)を使用した他は、実施例1と同様にして、支持体の粗面化された面上に厚さ300μmのキャパシタ電極組成物層を有するロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を得る。得られるロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を観察したところ、支持体にキャパシタ電極組成物層が固定され均等に巻かれており、異常は見られない。得られる支持体付キャパシタ電極組成物層の剥離強度は1.2N/mである。
得られる支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を、鉛電極上に、連続ロールプレスにて温度100℃、線圧5kN/cm、圧着速度30m/分の条件で圧着し、次いで支持体を剥離して、鉛電極の片面に厚さ280μmのキャパシタ電極組成物層を有する鉛蓄電池用電極を得る。得られるキャパシタ電極組成物層の厚さのばらつきは全面で3%以内である。実用上問題はないが、支持体剥離時、一部電極の損傷が見られた。
<実施例5>
実施例1において、支持体として、表面粗さRaが1.2μmとなるようにサンドブラストによる粗面化処理したPETフィルム(厚さ75μm、引っ張り強度200MPa)の粗面化面にアルキド樹脂を塗布し硬化して離型処理を施した表面粗さRaが1.0μmPETフィルム(厚さ75μm)を用いた他は、実施例1と同様にして、支持体の粗面化された面上に厚さ300μmのキャパシタ電極組成物層を有するロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を得る。得られるロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を観察したところ、支持体にキャパシタ電極組成物層が固定され均等に巻かれており、異常は見られない。得られる支持体付キャパシタ電極組成物層の剥離強度は0.4N/mである。
得られる支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を、鉛電極上に、連続ロールプレスにて温度100℃、線圧5kN/cm、圧着速度30m/分の条件で圧着し、次いで支持体を剥離して、鉛電極の片面に厚さ280μmのキャパシタ電極組成物層を有する鉛蓄電池用電極を得る。得られるキャパシタ電極組成物層の厚さのばらつきは全面で3%以内である。
<実施例6>
実施例1で得られる支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層の支持体を剥離して現れたキャパシタ電極組成物層を、鉛電極上に、連続ロールプレスにて温度100℃、線圧5kN/cm、圧着速度30m/分の条件で圧着し、鉛電極の片面に厚さ280μmのキャパシタ電極組成物層を有する鉛蓄電池用電極を得る。得られるキャパシタ電極組成物層の厚さのばらつきは全面で3%以内である。
<比較例1>
比表面積1,300m/gのフェノール系活性炭80部、アセチレンブラックを15部をよく混合したあとに、ポリテトラフルオロエチレン粉末5部を加えて乾式練合する。
これをカッターミキサーで粉砕して粉状物を得る。次にこの粉状物を鉛電極に添着させる。そして、ロールプレスで50MPaの圧力で加圧することによって200μm厚のキャパシタ電極組成物層を成形速度10m/分で成形して、鉛蓄電池用電極を得る。得られるキャパシタ電極組成物層の厚さのばらつきは全面で10%である。
<実施例7>
実施例1で得られるスラリーを、PETフィルム上にアルキド樹脂離型剤が形成された剥離フィルムに塗布、乾燥し、ロール上に巻き取ることで、支持体付キャパシタ電極組成物層を得る。得られるロール状の支持体付キャパシタ電極組成物層を観察したところ、支持体にキャパシタ電極組成物層が固定され均等に巻かれており、異常は見られない。得られる支持体付キャパシタ電極組成物層の厚さは50μm、剥離強度は0.3N/mである。
得られる支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を、鉛電極上に、連続ロールプレスにて温度100℃、線圧5kN/cmの条件で圧着し、次いで支持体を剥離して、厚さ40μmのキャパシタ電極組成物層を有する鉛蓄電池用電極を得る。得られるキャパシタ電極組成物層の厚さのばらつきは全面で3%である。
<比較例2>
実施例1で得られるスラリーを、鉛電極上に塗布、乾燥し、ロール上に巻き取ることで、鉛電極上にキャパシタ電極組成物層を有する鉛蓄電池用電極を得る。得られるロール状の鉛蓄電池用電極を観察したところ、ところどころに塗布はじきがみられる。得られる鉛電極上のキャパシタ電極組成物層の厚さは50μm、厚さのばらつきは全面で10%である。塗布はじきにより、均一なキャパシタ電極組成物層ではない。
本発明によれば、単独では巻き取ることのできない強度の弱いキャパシタ電極組成物層を、支持体に密着させることで長尺でのロール生産ができるようになる。そして得られる支持体付キャパシタ電極組成物層を鉛電極に圧着し、支持体を剥離することで、従来よりも均一性が高い鉛蓄電池用電極を生産性よく作製することができる。

Claims (9)

  1. 鉛蓄電池の鉛電極上へのキャパシタ電極組成物層の形成に用いられる鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層であって、
    炭素の同素体よりなるキャパシタ電極活物質および結着剤を含むキャパシタ電極組成物層を支持体表面上に形成してなる鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
  2. 前記支持体と前記キャパシタ電極組成物層間の剥離強度が、0.1〜10N/mである請求項1記載の鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
  3. 前記キャパシタ電極組成物層が、乾式成形法により得られたものである請求項1又は2記載の鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
  4. 前記キャパシタ電極組成物層に接する支持体の面が粗面化されている請求項1から3いずれかに記載の鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
  5. 前記支持体の粗面化された面の表面粗さRaが、0.1〜5μmである請求項1から4いずれかに記載の鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
  6. 前記支持体のキャパシタ電極組成物層に接する面が、離型処理されている請求項1からいずれかに記載の鉛蓄電池用支持体付キャパシタ電極組成物層。
  7. 請求項1からいずれかに記載の支持体付キャパシタ電極組成物層のキャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合せる工程を含む鉛蓄電池用電極の製造方法。
  8. さらに、支持体をキャパシタ電極組成物層から剥離する工程を含む請求項に記載の鉛蓄電池用電極の製造方法。
  9. 請求項1からいずれかに記載の支持体付キャパシタ電極組成物層の支持体をキャパシタ電極組成物層から剥離する工程、及びキャパシタ電極組成物層を鉛電極に貼り合せる工程を含む鉛蓄電池用電極の製造方法。
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