JP5482002B2 - 樹脂組成物 - Google Patents
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Description
(1)(A)ホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、(B)エポキシ樹脂、(C)シアネートエステル樹脂をを含有することを特徴とする樹脂組成物。
(2)更に、(D)有機過酸化物を含有することを特徴とする上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)更に、(E)金属系硬化促進剤を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の樹脂組成物。
(4)樹脂組成物の不揮発分を100質量%とした場合、成分(B)の含有量が5〜60質量%、成分(C)の含有量が5〜50質量%、成分(A)の含有量が2〜20質量%、成分(E)の含有量が25〜500ppm、及び成分(D)の含有量が0.05〜3質量%であり、シアネートエステル基とエポキシ基との比率が1:0.4〜1:2である、上記(3)に記載の樹脂組成物。
(5)(E)金属系硬化促進剤が、コバルト 、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、及びスズから選択される1種または2種以上の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩である上記(3)又は(4)に記載の樹脂組成物。
(6)更に、(F) ビニルベンジル化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7)更に、(G)高分子化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(8)更に、(H)無機充填材を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(9)更に、(I)ゴム粒子を含有することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(10)更に、(J)難燃剤(ホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を除く)を含有することを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(11)更に、(K)硬化促進剤(金属系硬化促進剤、有機過酸化物を除く)を含有することを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(12)誘電正接特性が0.001〜0.018であり、環境試験前後の密着強度低下率が0.1%〜70%であることを特徴とする、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の樹脂組成物を含有することを特徴とするシート状材料。
(14)上記(13)に記載のシート状材料を含有することを特徴とする多層プリント配線板。
本発明において使用される(A)ホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は、樹脂組成物の難燃性を向上させながら、他の諸物性を安定的に保つことができる。(A)成分としては、特に限定されるものではなく、ホスファフェナントレン骨格を有する化合物と(メタ)アクリレート化合物をマイケル付加反応することによって得ることができ、(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性基を有し、リン原子がラジカル重合で硬化中に取り込まれるものをいう。特に、9、10−ジヒドロ−9オキサ−10−ホスファフェナントレン−10オキサイド化合物と1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート化合物からなるリン含有(メタ)アクリレート化合物が好ましい。このようなホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物は、9、10−ジヒドロ−9オキサ−10−ホスファフェナントレン−10オキサイド、HCA(三光(株)製)とトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクルロイルオキシエチル)イソシアヌレートをマイケル付加する方法により製造することができる。具体的には、特開2007−238738号公報に記載のホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
(B)成分としては、特に限定されるものではなく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性ヒドロキシル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等を挙げることができる。エポキシ樹脂は2種以上を組み合わせて使用してもよい。エポキシ樹脂としては、耐熱性、絶縁信頼性、金属膜との密着性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂としては、特に下記一般式(1)で表されるナフトール型エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂中の平均値としての炭化水素基とグリシジル基の比率は、炭化水素基/グリシジル基=0.05〜2.0の範囲であり、好ましくは0.1〜1.0の範囲である。Xが炭素数1〜8の炭化水素基を示す場合の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、アリル基、プロパルギル基、ブチル基、n−ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基等が挙げられ、特にメチル基が好ましい。式(1)で表されるナフトールエポキシ樹脂は特開2006−160868記載の公知の樹脂であり、該公報記載の製法に従って製造することができる。
本発明において使用される(C)シアネートエステル樹脂は、樹脂組成物の高耐熱性、低誘電正接、低熱膨張率等を付与させることができる。(C)成分としては、特に限定されるものではなく、ノボラック型(フェノールノボラック型、アルキルフェノールノボラック型など)シアネートエステル樹脂、ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂、ビスフェノール型(ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型など)シアネートエステル樹脂、及びこれらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。シアネートエステル樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、好ましくは500〜4500であり、より好ましくは600〜3000である。
本発明の樹脂組成物には、更に(D)有機過酸化物を含有させる事により、効率的にアクリレートの硬化を行うことができる。有機過酸化物の種類は、特に制限はないが、シクロヘキサノンパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、更に(E)金属系硬化促進剤を含有させる事によりシアネートエステル樹脂を効率的に硬化させることができる。金属系硬化促進剤の種類は、特に制限はないが、コバルト 、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体などが挙げられる。有機金属塩としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。なかでも、硬化性、溶剤溶解性の観点から、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート、亜鉛(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛、鉄(III)アセチルアセトナートが好ましく、コバルト(II)アセチルアセトナート、ナフテン酸亜鉛がより好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物には、更に(F)ビニルベンジル化合物を含有させる事により、誘電特性を向上させることができる。本発明において使用されるビニルベンジル化合物は、特に限定はされないが、分子内に2以上のビニルベンジル基を有する化合物であり、インデン化合物を、(i)ビニルベンジルハライドとアルカリ存在下に反応させる方法、(ii)ビニルベンジルハライド及び炭素数2〜20のジハロメチル化合物とアルカリ存在下に反応させる方法、もしくは(iii)フルオレン化合物、ビニルベンジルハライド及び炭素数2〜20のジハロメチル化合物とアルカリ存在下に反応させる方法(特開2003−277440号公報参照)、又は(iv)フルオレン化合物及びビニルベンジルハライドをアルカリ存在下に反応させる方法(国際公開02/083610号パンフレット)等により製造することができる。ビニルベンジル化合物は、低誘電正接という観点から分子内にヘテロ原子を含まないものが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、更に(G)高分子化合物を含有させる事により硬化物の機械強度を向上させることができる。更に、接着フィルムの形態で使用する場合のフィルム成型能を向上させることもできる。このような(G)高分子化合物としては、特に限定はされないが、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂を挙げることができる。なかでも、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、更に(H)無機充填材を配合含有させる事により、絶縁層の熱膨張率をさらに低下させることができる。無機充填材としては、特に限定はされないが、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。なかでもシリカが好ましく、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカがより好ましい。シリカの形状としては球状のものが好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、更に(I)ゴム粒子を含有させる事により、メッキ密着性を向上させることができる。ゴム粒子としては、特に限定はされないが、当該樹脂組成物のワニスを調製する際に使用する有機溶剤にも溶解せず、必須成分であるシアネートエステル樹脂やエポキシ樹脂などとも相溶しないものを用いることができる。従って、該ゴム粒子は、本発明の樹脂組成物のワニス中では分散状態で存在する。このようなゴム粒子は、一般には、ゴム成分の分子量を有機溶剤や樹脂に溶解しないレベルまで大きくし、粒子状とすることで調製される。
本発明の樹脂組成物は、更に(J)難燃剤(ホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を除く)を含有させる事により、更なる難燃性を付与することができる。難燃剤(ホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を除く)としては、特に限定はされないが、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。有機リン系難燃剤としては、三光(株)製のHCA、HCA−HQ、HCA−NQ等のフェナントレン型リン化合物、昭和高分子(株)製のHFB−2006M等のリン含有ベンゾオキサジン化合物、味の素ファインテクノ(株)製のレオフォス30、50、65、90、110、TPP、RPD、BAPP、CPD、TCP、TXP、TBP、TOP、KP140、TIBP、北興化学工業(株)製のPPQ、クラリアント(株)製のOP930、大八化学(株)製のPX200等のリン酸エステル化合物、東都化成(株)製のFX289、FX305等のリン含有エポキシ樹脂、東都化成(株)製のERF001等のリン含有フェノキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製のYL7613等のリン含有エポキシ樹脂等が挙げられる。有機系窒素含有リン化合物としては、四国化成工業(株)製のSP670、SP703等のリン酸エステルミド化合物、大塚化学(株)社製のSPB100、SPE100、(株)伏見製作所製FP−series等のホスファゼン化合物等が挙げられる。金属水酸化物としては、宇部マテリアルズ(株)製のUD65、UD650、UD653等の水酸化マグネシウム、巴工業(株)社製のB−30、B−325、B−315、B−308、B−303、UFH−20等の水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、更に、(K)硬化促進剤(金属系硬化促進剤、有機過酸化物を除く)を含有させる事により、樹脂組成物の硬化性能を向上させることができる。硬化促進剤(金属系硬化促進剤、有機過酸化物を除く)としては、特に限定はされないが、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、アゾ系化合物などが挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の接着フィルムは、当業者に公知の方法にて作製することができる。有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて、支持体に塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することが挙げられる。
本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物を繊維からなるシート状補強基材にホットメルト法又はソルベント法により含浸させ、加熱して半硬化させることにより製造することができる。すなわち、本発明の樹脂組成物が繊維からなるシート状補強基材に含浸した状態となるプリプレグとすることができる。繊維からなるシート状補強基材としては、ガラスクロスやアラミド繊維等のプリプレグ用繊維として常用されている繊維からなるものを用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、多層プリント配線板の製造において絶縁層を形成するために好適に使用することができる。本発明の樹脂組成物は、ワニス状態で回路基板に塗布して絶縁層を形成することもできるが、工業的には、接着フィルム、プリプレグ等のシート状材料の形態で用いるのが好ましい。樹脂組成物の軟化点は、シート状積層材料のラミネート性の観点から40〜150℃が好ましい。
まずは各種測定方法・評価方法について説明する。
支持体にフッ素樹脂系離型剤(ETFE)処理したPET(三菱樹脂(株)製「フルオロージュRL50KSE」を用いて、実施例及び比較例における樹脂組成物層の接着フィルムを得た。得られた接着フィルムを190℃で90分熱硬化させてシート状の硬化物を得た。その硬化物を、幅約5mm、長さ約15mmの試験片に切断し、エスアイアイ・ナノテクノロジー製熱・応力・歪測定装置(EXSTAR TMA/SS6100)を使用して、引張加重法で熱機械分析を行った。試験片を前記装置に装着後、荷重1g、昇温速度5℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における25℃から150℃までの平均線熱膨張率(ppm)を算出した。また2回目の測定における寸法変化シグナルの傾きが変化する点からガラス転移温度(℃)を算出した。
支持体にフッ素樹脂系離型剤(ETFE)処理したPET(三菱樹脂(株)製「フルオロージュRL50KSE」を用いて、実施例及び比較例における樹脂組成物層の接着フィルムを得た。得られた接着フィルムを190℃で90分間加熱することで熱硬化させ、支持体を剥離することによりシート状の硬化物を得た。その硬化物を長さ80mm、幅2mmに切り出し評価サンプルとした。この評価サンプルについてアジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)社製HP8362B装置を用い空洞共振摂動法により測定周波数5.8GHz、測定温度23℃にて誘電正接を測定した。
実施例及び比較例で作成した接着フィルム80μmを、基板厚み0.2mmの銅張積層板(日立化成(株)製「679−FG」)の銅箔をエッチング除去した基材の両面に、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機(株)製商品名)を用いて、積層板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃、圧力0.74MPaでプレスすることにより行った。支持体のPETフィルム剥離後、190℃で90分熱硬化させ、難燃試験用サンプルを得た。幅12.7mm、長さ127mmに切り出し、切り出した面を研磨機(Struers製、RotoPol−22)で研磨した。以上5個のサンプルを一組とし、UL94垂直難燃試験に従って、難燃試験を実施した。10秒間接炎後の燃え残りサンプルがない場合は×とした。
<CZ処理銅箔と樹脂組成物間の密着強度の測定>
(1)積層板の下地処理
内層回路を形成したガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.3mm、松下電工(株)製R5715ES)の両面をメック(株)製メックエッチボンドCZ8100に浸漬して銅表面の粗化処理を行った(Ra値1μm)。
(2)接着フィルムのラミネート
実施例及び比較例で作成される接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機(株)製商品名)を用いて、積層板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃、圧力0.74MPaでプレスすることにより行った。
(3)銅箔の下地処理
三井金属鉱山(株)製3EC−III(電界銅箔、35μm)の光沢面をメック(株)製メックエッチボンドCZ−8100に浸漬して銅表面に粗化処理(Ra値1μm)を行った。
(4)銅箔のラミネートと絶縁層形成
上記(2)においてラミネートされた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、上記(3)で処理した銅箔の処理面を樹脂組成物層側にし、上記(2)と同様の条件で、銅箔を、回路基板両面に形成された樹脂組成物層上にラミネートを行った。190℃、90分の硬化条件で樹脂組成物を硬化して絶縁層を形成することで、サンプルを作製した。
(5)密着強度の測定
上記(4)のサンプル510×340mmを150×30mmの小片に切断した。、小片の銅箔部分に、幅10mm、長さ100mmの部分の切込みをいれ、銅箔の一端を剥がしてつかみ具で掴み、インストロン万能試験機を用いて、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重をJIS C6481に準拠して測定し、密着強度(kgf/cm)とした。
(6)高温高湿下での密着強度の測定
上記(4)のサンプルに対して、130℃で85%RHの環境下で、100時間放置するHAST試験(highly accelerated temperature and humidity Stress Test)を実施した。その後室温に戻し、上記(5)と同様にして密着強度を測定した。
ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)製「BA230S75」、シアネート当量約232、不揮発分75質量%のメチルエチルケトン(以下MEKと略す)溶液)13質量部、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製「PT30」、シアネート当量約124)9質量部をシクロヘキサノン20部と共に加熱溶解させた後、ナフトール型エポキシ樹脂として東都化成(株)製「ESN−475V」(前記一般式(1)で表されるエポキシ当量約340の不揮発分65質量%のトルエン溶液)15質量部、さらに液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「jER828EL」、エポキシ当量約185)3質量部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量約328の不揮発分75質量%のMEK溶液、日本化薬(株)製「NC3000FH−75M」)27部、リン含有エポキシ樹脂(東都化成(株)製「FX289EK75」、エポキシ当量約306の不揮発分75質量%のMEK溶液)7質量部、ホスファフェナントレン骨格含有アクリレート(昭和高分子(株)製「HFA−6007M」不揮発分65質量%の2−メトキシプロパノール、リン含有量8.6%)7質量部、フェノキシ樹脂溶液(ジャパンエポキシレジン(株)製「YX−6954」、不揮発分30質量%のMEKとシクロヘキサノンとの混合溶液)11質量部、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製「パークミルD」0.5質量部、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体(ジャパンエポキシレジン(株)製「jERcure P200H50」、不揮発分50質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)0.5質量部、コバルト(II)アセチルアセトナート(東京化成(株)製)の3質量%のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液4質量部、及び球形シリカ((株)アドマテックス製「SOC2」をアミノシランで表面処理したもの、平均粒子径0.5μm、3um上限カット品)85質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
樹脂組成物の不揮発分中、エポキシ樹脂26質量%、シアネートエステル樹脂12質量%、ホスファフェナントレン骨格含有アクリレート3質量%、有機過酸化物0.3%、硬化促進剤0.2質量%、有機金属系触媒として添加した金属(コバルト)48ppm、高分子樹脂2質量%、無機充填材56質量%となる。
次に、かかる樹脂組成物ワニスをポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm、以下PETフィルムと略す)上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが40μmとなるようにダイコーターにて均一に塗布し、80〜120℃(平均100℃)で6分間乾燥した(樹脂組成物層中の残留溶媒量:約1.5質量%)。次いで、樹脂組成物層の表面に厚さ15μmのポリプロピレンフィルムを貼り合わせながらロール状に巻き取った。ロール状の接着フィルムを幅507mmにスリットし、507×336mmサイズのシート状の接着フィルムを得た。
ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製「DT−4000」、シアネート当量約140、不揮発分85質量%のトルエン溶液)13.8質量部、ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)製「BA230S75」、シアネート当量約232、不揮発分75質量%のメチルエチルケトン(以下MEKと略す)溶液)21質量部、およびビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量269、日本化薬(株)製「NC3000L」)15部をシクロヘキサノン20部と共に加熱溶解させた後、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032SS」エポキシ当量約145)3質量部、リン含有エポキシ樹脂(東都化成(株)製「FX289EK75」、エポキシ当量約306の不揮発分75質量%のMEK溶液)21質量部、ビニルベンジル化合物(昭和高分子(株)製「V5000X」、不揮発分65質量%のトルエン溶液)7質量部、ホスファフェナントレン骨格含有アクリレート(昭和高分子(株)製「HFA−6007M」不揮発分65質量%の2−メトキシプロパノール、リン含有量8.6%)6質量部を添加した。そこへ、ポリビニルブチラール樹脂溶液(ガラス転移温度105℃、積水化学工業(株)製「KS-1」)を固形分15%のシクロヘキサノンとMEKの1:1溶液)50部を混合し、さらに有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製「パークミルD」0.5質量部、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体(ジャパンエポキシレジン(株)製「jERcure P200H50」)0.4質量部、ナフテン酸亜鉛(II)(東京化成(株)製、亜鉛含有量8%のミネラルスピリット溶液)の3質量%のシクロヘキサノン溶液3質量部、及び球形シリカ((株)アドマテックス製「SOC2」をアミノシランで表面処理したもの、平均粒子径0.5μm、3um上限カット品)105質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
樹脂組成物の不揮発分中、エポキシ樹脂19質量%、シアネートエステル樹脂15質量%、ビニルベンジル化合物3質量%、ホスファフェナントレン骨格含有アクリレート2質量%、有機過酸化物0.3質量%、硬化促進剤0.1質量%、有機金属系触媒として添加した金属(亜鉛)39ppm、高分子樹脂4質量%、無機充填材57質量%となる。
次に、かかる樹脂組成物ワニスを使用し、実施例1と全く同様にして接着フィルムを得た。
ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製「DT−4000」、シアネート当量約140、不揮発分85質量%のトルエン溶液)13.8質量部、ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)製「BA230S75」、シアネート当量約232、不揮発分75質量%のメチルエチルケトン(以下MEKと略す)溶液)21質量部、およびビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量269、日本化薬(株)製「NC3000L」)15部をシクロヘキサノン20部と共に加熱溶解させた後、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂(DIC(株)製「HP4032SS」エポキシ当量約145)3質量部、リン含有エポキシ樹脂(東都化成(株)製「FX289EK75」、エポキシ当量約306の不揮発分75質量%のMEK溶液)21質量部、ビニルベンジル化合物(昭和高分子(株)製「V5000X」、不揮発分65質量%のトルエン溶液)7質量部、ホスファフェナントレン骨格含有アクリレート(昭和高分子(株)製「HFA−6007M」不揮発分65質量%の2−メトキシプロパノール、リン含有量8.6%)12質量部を添加した。そこへ、ポリビニルブチラール樹脂溶液(ガラス転移温度105℃、積水化学工業(株)製「KS-1」)を固形分15%のシクロヘキサノンとMEKの1:1溶液)50部を混合し、さらに有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製「パークミルD」0.5質量部、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体(ジャパンエポキシレジン(株)製「jERcure P200H50」)0.4質量部、ナフテン酸亜鉛(II)(東京化成(株)製、亜鉛含有量8%のミネラルスピリット溶液)の3質量%のシクロヘキサノン溶液3質量部、及び球形シリカ((株)アドマテックス製「SOC2」をアミノシランで表面処理したもの、平均粒子径0.5μm、3um上限カット品)105質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
樹脂組成物の不揮発分中、エポキシ樹脂18質量%、シアネートエステル樹脂15質量%、ビニルベンジル化合物2質量%、ホスファフェナントレン骨格含有アクリレート4質量%、有機過酸化物0.3質量%、硬化促進剤0.1質量%、有機金属系触媒として添加した金属(亜鉛)39ppm、高分子樹脂4質量%、無機充填材56質量%となる。
次に、かかる樹脂組成物ワニスを使用し、実施例1と全く同様にして接着フィルムを得た。
ビスフェノールAジシアネートのプレポリマー(ロンザジャパン(株)製「BA230S75」、シアネート当量約232、不揮発分75質量%のメチルエチルケトン(以下MEKと略す)溶液)13質量部、フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン(株)製「PT30」、シアネート当量約124)9質量部をシクロヘキサノン20部と共に加熱溶解させた後、ナフトール型エポキシ樹脂として東都化成(株)製「ESN−475V」(前記一般式(1)で表されるエポキシ当量約340の不揮発分65質量%のトルエン溶液)15質量部、さらに液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製「jER828EL」、エポキシ当量約185)3質量部、ビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量約328の不揮発分75質量%のMEK溶液、日本化薬(株)製「NC3000FH−75M」)27部、リン含有エポキシ樹脂(東都化成(株)製「FX289EK75」、エポキシ当量約306の不揮発分75質量%のMEK溶液)7質量部、ホスファフェナントレン骨格含有メタアクリレート(昭和高分子(株)製「HFM−9B」不揮発分80質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液、リン含有量7.2%)7質量部、フェノキシ樹脂溶液(ジャパンエポキシレジン(株)製「YX−6954」、不揮発分30質量%のMEKとシクロヘキサノンとの混合溶液)11質量部、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド(日本油脂(株)製「パークミルD」0.5質量部、イミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体(ジャパンエポキシレジン(株)製「jERcure P200H50」、不揮発分50質量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)0.5質量部、コバルト(II)アセチルアセトナート(東京化成(株)製)の3質量%のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶液4質量部、及び球形シリカ((株)アドマテックス製「SOC2」をアミノシランで表面処理したもの、平均粒子径0.5μm、3um上限カット品)85質量部を混合し、高速回転ミキサーで均一に分散して、熱硬化性樹脂組成物のワニスを作製した。
樹脂組成物の不揮発分中、エポキシ樹脂25質量%、シアネートエステル樹脂12質量%、ホスファフェナントレン骨格含有アクリレート4質量%、有機過酸化物0.3質量%、硬化促進剤0.2質量%、有機金属系触媒として添加した金属(コバルト)47ppm、高分子樹脂2質量%、無機充填材56質量%となる。次に、かかる樹脂組成物ワニスを使用し、実施例1と全く同様にして接着フィルムを得た。
実施例1において、ホスファフェナントレン含有アクリレート(昭和高分子(株)製「HFA−6007M」不揮発分65質量%の2−メトキシプロパノール、リン含有量8.6%)を添加しない硬化性樹脂組成物のワニスを使用する以外は、実施例1と全く同様にして接着フィルムを得た。
実施例2において、ホスファフェナントレン含有アクリレート(昭和高分子(株)製「HFA−6007M」不揮発分65質量%の2−メトキシプロパノール、リン含有量8.6%)を添加しない硬化性樹脂組成物のワニスを使用する以外は、実施例1と全く同様にして接着フィルムを得た。
実施例1において、ホスファフェナントレン含有アクリレート(昭和高分子(株)製「HFA−6007M」不揮発分65質量%の2−メトキシプロパノール、リン含有量8.6%)7質量部の代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレートリン酸エステル(城北化学工業(株)製「JPA−514」)5質量部を添加した硬化性樹脂組成物のワニスを使用する以外は、実施例1と全く同様にして接着フィルムを得た。
一方、ホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含まない比較例1、2は、実施例1〜4と比較して難燃性が不十分であり、HAST試験後のCZ銅箔との密着性も大きく低下している。また、メタクリレートリン酸エステルを含む比較例3は難燃性は向上したものの、硬化フィルムが脆く、各種物性(線熱膨張率、ガラス転移温度、誘電正接)の測定ができなかった。さらにHAST試験後のCZ銅箔との密着は大きく低下した。
Claims (17)
- (A)ホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、(B)エポキシ樹脂、(C)シアネートエステル樹脂を含有する樹脂組成物であって、樹脂組成物の不揮発分を100質量%とした場合、成分(A)の含有量が1〜20質量%であることを特徴とする樹脂組成物。
- (A)9、10−ジヒドロ−9オキサ−10−ホスファフェナントレン−10オキサイド化合物と、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート化合物とを反応することによって得られるホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、(B)エポキシ樹脂、(C)シアネートエステル樹脂を含有することを特徴とする、請求項1に記載の樹脂組成物。
- (A)9、10−ジヒドロ−9オキサ−10−ホスファフェナントレン−10オキサイドと、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート及びトリス(2−アクルロイルオキシエチル)イソシアヌレートから選択される1種以上とを反応することによって得られるホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、(B)エポキシ樹脂、(C)シアネートエステル樹脂を含有することを特徴とする、請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- 樹脂組成物の不揮発分を100質量%とした場合、成分(A)の含有量が1〜20質量%、成分(B)の含有量が5〜60質量%、成分(C)の含有量が5〜50質量%であり、シアネートエステル基とエポキシ基との比率が1:0.4〜1:2であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 更に、(D)有機過酸化物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 更に、(E)金属系硬化促進剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (E)金属系硬化促進剤が、コバルト 、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、及びスズから選択される1種または2種以上の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩である請求項6に記載の樹脂組成物。
- 更に、(F) ビニルベンジル化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 更に、(G)高分子化合物としてポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂から選択される1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 更に、(H)無機充填材を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 更に、(I)ゴム粒子を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 更に、(J)難燃剤(ホスファフェナントレン骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を除く)を含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 更に、(K)硬化促進剤(金属系硬化促進剤、有機過酸化物を除く)を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 誘電正接特性が0.001〜0.018であり、環境試験前後の密着強度低下率が0.1%〜70%であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 回路基板の絶縁層形成用である請求項1〜14のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有することを特徴とするシート状材料。
- 請求項16に記載のシート状材料を含有することを特徴とする多層プリント配線板。
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