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JP5482782B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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JP5482782B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、スタガ配列されたノズルが多相駆動される記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置に関する。
紙や布帛等の通常の基材のみならず樹脂フィルム等のインク吸収性の乏しい基材(以下、記録媒体という。)に対しても画像を記録することができる画像記録装置として、記録ヘッドの一端面(すなわち、いわゆるノズル面)に設けられたノズルからインクを吐出して基材上に着弾させるインクジェット記録装置が開発され、現在、その技術は種々の技術分野で応用されている。
その際、インクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドとしては、ノズル面に各ノズルが一列に並設された記録ヘッドが用いられる場合も多いが、近年、図24の平面図に示すように、複数のノズルNが図中矢印Xで示される主走査方向Xに所定の間隔でスタガ配列された3列よりなるノズル列3m、3m+1、3m+2を有する記録ヘッドが用いられることも多くなっている(例えば特許文献1等参照)。なお、図24では、記録ヘッドHの下方、すなわち図中では奥側には記録媒体Sがあり、記録ヘッドHの記録媒体Sに対向する側の面がノズル面Pとされて各ノズルNが形成されている。
このように隣接するノズルNのノズル位置が主走査方向XにずらされたノズルNの配列を、スタガ配列という。そして、スタガ配列では、3つや4つのノズルNごとにノズル位置がずらされた配列が繰り返されるように構成されることが多く、3つのノズルNごとにずらされる場合、一般的にN3m(m=0、1、2、…。以下同じ。)で表される各ノズルN3mが、主走査方向Xに直交する副走査方向Yに列状に配列され、N3m+1、N3m+2で表される各ノズルN3m+1、N3m+2もそれぞれ副走査方向Yに列状に配列される。
そして、記録媒体Sの画素ピッチをLとした場合、ノズルN3m、N3m+1、N3m+2の各列同士の間隔pは、通常、記録媒体Sの画素ピッチLの1/3または2/3、すなわちL/3または2L/3となるように形成される。また、隣接する各ノズルN同士の副走査方向Yの間隔qは、通常、画素ピッチLと同じになるように形成される。
なお、以下、同じ列に属する各ノズルN3m等を、まとめてノズル列3m等という。すなわち、ノズル番号が3m(m=0、1、2、…)で表される各ノズルN3mで形成されるノズル列をノズル列3mといい、ノズル番号が3m+1で表される各ノズルN3m+1で形成されるノズル列をノズル列3m+1といい、ノズル番号が3m+2で表される各ノズルN3m+2で形成されるノズル列をノズル列3m+2という。
スタガ配列されたノズルNは、通常、多相駆動されるようになっており、図24に示したような3つのノズルNごとにスタガ配列された記録ヘッドHでは、各ノズルN3m、N3m+1、N3m+2が3相駆動される。従来から行われている各ノズルN3m、N3m+1、N3m+2の3相駆動は、以下のようにして行われる。
すなわち、図25に示すように、まず、吐出駆動の位相の切り替えるためのストローブパルスSTB1をノズル列3mの各ノズルN3mに印加し、その状態で図示しないドライブパルスを印加すると、ストローブパルスSTB1が印加されているノズル列3mの各ノズルN3mからインクが記録媒体Sに吐出される。
そして、記録ヘッドHが主走査方向Xに画素ピッチLの1/3だけ移動した時点で、ストローブパルスをSTB1からSTB2に切り替えてノズル列3m+1の各ノズルN3m+1に印加し、その状態でドライブパルスを印加すると、ストローブパルスSTB2が印加されているノズル列3m+1の各ノズルN3m+1からインクが記録媒体Sに吐出される。その際、ノズルN3m+1はノズルN3mよりL/3だけ記録ヘッドHの主走査方向Xへの移動方向のより後方側にあるため、各ノズルN3m+1から吐出されたインクは、記録媒体S上で、各ノズルN3mから吐出され着弾したインクの副走査方向Yに隣接する位置に着弾する。
同様にして、記録ヘッドHがさらに主走査方向Xに画素ピッチLの1/3だけ移動した時点で、ストローブパルスをSTB2からSTB3に切り替えてノズル列3m+2の各ノズルN3m+2に印加した状態でドライブパルスを印加すると、ノズル列3m+2の各ノズルN3m+2からインクが記録媒体Sに吐出され、ノズルN3m+2から吐出されたインクが、記録媒体S上で、各ノズルN3mや各ノズルN3m+1から吐出され着弾したインクの副走査方向Yに隣接する位置に着弾する。
このようにして、ストローブパルスをSTB1→STB2→STB3の順に切り替えて駆動位相の切り替えることで、各ノズルN3m〜N3m+2から吐出されたインクを、記録媒体S上の副走査方向Yに延在する直線状に着弾させることができる。なお、上記のように、インクを吐出するノズルNを、記録ヘッドHの主走査方向Xへの移動方向最前部のノズルN3mから後方側のノズルN3m+1、N3m+2に順に切り替えていく駆動位相の切り替え方を順位相という。
また、さらに記録ヘッドHが主走査方向Xに画素ピッチLの1/3だけ移動すると、ノズル列3mの各ノズルN3mは最初にインクを吐出した位置から画素ピッチLだけ主走査方向Xに移動した位置にくる。その時点で、ストローブパルスをSTB3からSTB1に切り替えてノズル列3mの各ノズルN3mに印加した状態でドライブパルスを印加すると、ノズル列3mの各ノズルN3mからは、最初にインクを吐出した位置から画素ピッチLだけ主走査方向Xにずれた位置にインクが吐出される。そのため、ノズル列3mの各ノズルN3mから最初にインクが吐出され記録媒体S上に着弾した位置に隣接する位置にインクが着弾する。
このようにして、記録ヘッドHが主走査方向XにL/3だけ移動するごとにストローブパルスをSTB1からSTB2、STB3と順々に切り替えて、記録媒体S上に、副走査方向Yに延在する直線状にインクを着弾させ、そのインクの直線の主走査方向Xに隣接する位置にさらに直線状にインクを着弾させる。従来のインクジェット記録装置では、このようにして、記録媒体Sに副走査方向Yに延在する直線状にインクを着弾させる動作を繰り返すようにして、記録媒体Sの各画素にそれぞれインクを着弾させて記録媒体S上に画像を記録していた。
なお、図24や図25に示したように、記録ヘッドHが図中右側に移動する場合には、ストローブパルスをSTB1→STB2→STB3の順に切り替えて、インクを吐出するノズルNを、記録ヘッドHの移動方向最前部のノズルN3mから後方側のノズルN3m+1、N3m+2に順に切り替えたが、記録ヘッドHが図中左側に移動しながら画像記録を行う場合には、記録ヘッドHの移動方向最前側のノズルNがノズルN3m+2に代わるため、インクを吐出するノズルNが記録ヘッドHの移動方向最前側のノズルN3m+2から後方側のノズルN3m+1、N3mに順に切り替わるように、ストローブパルスをSTB3→STB2→STB1の順に切り替える。
しかしながら、上記のようにして記録媒体S上に画像を記録する場合、例えば、所定のノズルNにノズル欠が生じる等してそのノズルNからインクが正常に吐出されないと、図26に×印を付して示すように、記録媒体Sに記録された画像中のそのノズルN(図26の例ではノズルN9)に対応する位置に、主走査方向Xに延びる線上にインクが吐出されない部分が生じるため、記録媒体Sに記録された画像に筋状の模様が入ったような状態となり記録画像の画質が低下してしまう。なお、図25に示したようにインクを吐出しないノズルNを記載すると図が煩雑になるため、図26を含めて以下の各図では、記録媒体S上に着弾したインクの位置のみを円で示す。
上記の問題を解決するために、特許文献2に記載のインクジェット記録装置では、記録ヘッドHが例えば図24や図25に示したように図中右側に移動する際に、インクを吐出するノズルNを、記録ヘッドHの主走査方向Xへの移動方向最前部のノズルN3mから後方側のノズルN3m+1、N3m+2に順に切り替えていく代わりに、記録ヘッドHの主走査方向Xへの移動方向最後部のノズルN3m+2から前方側のノズルN3m+1、N3mに順に切り替えるように駆動位相を切り替える、いわゆる逆位相とすることが提案されている。
そして、その際、図27に示すように、記録ヘッドHの主走査方向Xへの移動速度を2倍にして同じノズルNからインクが1画素おきに吐出されるようにする。そして、図28に示すように、スタガ配列のノズルMを有する記録ヘッドHを記録ヘッドHに主走査方向Xに並設してさらにもう1つ設け、或いは、図29に示すように、スタガ配列のノズルNが設けられた記録ヘッドHにさらにノズルNに主走査方向Xに並設してスタガ配列のノズルMを設けて、ノズルNと同様にノズルMも逆位相で吐出駆動することで、図30に示すように、ノズルNから吐出され記録媒体S上に着弾したインクの間隙部分にノズルMからインクを吐出して着弾させて、記録媒体Sへの画像記録を行う。
このように構成すれば、例えばノズルNの一部にノズル欠が生じる等してそのノズルNからインクが正常に吐出されない場合でも、吐出されなかったインクが本来着弾する位置に隣接する画素位置に、正常なノズルMから吐出されたインクが着弾して埋められる。そのため、図26に示したように、記録媒体Sに記録された画像中にインクが吐出されない部分が主走査方向Xに連続して並ぶことが防止され、画像中に筋状の模様が入ったように見える現象が生じることが回避される。そのため、画質の低下を抑制することが可能となる。
なお、図27(以下の各図においても同様)では、ストローブパルスSTB1〜STB3のパルス幅(パルスがハイレベルになっている時間間隔)が図25に示した場合のストローブパルスSTB1〜STB3のパルス幅の2倍になったかのように記載されているが、これは記録ヘッドHの移動速度が2倍になったためであり、ストローブパルスSTB1〜STB3のパルス幅自体は変わらない。
特開2004−142100号公報 特開2008−230200号公報
ところで、特許文献2では、インクジェット記録装置がラインヘッド方式であり、記録媒体が記録ヘッドに対して相対的に1回移動する間に記録媒体の全画素にインクを吐出して画像を記録することが前提となっている。すなわち、いわゆる1パスで画像記録が行われなければならなくなる。
そのため、記録ヘッドの各ノズルを逆位相で吐出駆動し、記録媒体に対する記録ヘッドの移動速度を従来の移動速度の2倍にしたことで、ノズルNからインクが1画素おきに吐出され着弾する、その間隙部分を埋めるために、図28に示したように、スタガ配列のノズルMを有する記録ヘッドを記録ヘッドHに主走査方向Xに並設してさらにもう1つ設けたり、スタガ配列のノズルNが設けられた記録ヘッドHにさらにノズルNに主走査方向Xに並設してスタガ配列のノズルMを設けることが必要になった。
しかし、スタガ配列のノズルNを有する記録ヘッドHと、スタガ配列のノズルMを有する記録ヘッドとを別々に設ける場合、記録ヘッドを新たに設ける分だけコストが増大してしまう。また、各記録ヘッドのノズルN、M同士の位置の調整作業が煩雑になるとともに、ノズルN、Mの吐出タイミングを適切に調整しなければならない等の種々の問題が生じる。また、記録ヘッドHにともにスタガ配列のノズルNとノズルMを設ける場合には、新たにそのような専用の記録ヘッドを製造しなければならないという問題があった。
これらの問題は、インクジェット記録装置がラインヘッド方式であるために1パスで画像記録を行われなければならないという制約のために生じる問題であり、インクジェット記録装置がシリアルヘッド方式である場合には、上記のような問題は生じない。つまり、シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置の場合には、複数パスで、すなわち記録ヘッドと記録媒体とが相対的に複数回移動する間に記録媒体の全画素にインクを吐出して画像を記録するように構成することが可能であるため、新たに記録ヘッドを設けたり、専用の記録ヘッドを製造したりする必要がなく、既存の記録ヘッドを用いることが可能である。
そこで、ノズルNがスタガ配列された既存の記録ヘッドを用いたシリアルヘッド方式のインクジェット記録装置において、ノズルNの一部にノズル欠が生じる等して吐出不良が生じても、図26に示したように、記録媒体S上の画像中に筋状の模様が入ったように見えるように記録されることを防止し、記録画像の画質の改善を図ることが可能となるインクジェット記録装置の開発が望まれる。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、ノズルがスタガ配列された記録ヘッドを用いたシリアルヘッド方式のインクジェット記録装置において、記録媒体上の画像中に筋状の模様が生じず、記録画像の画質の改善を図ることが可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前述の問題を解決するために、請求項1に記載のインクジェット記録装置は、
3相よりなる駆動位相ごとに駆動され、画素ピッチをLとした場合に、複数個のノズルが主走査方向にL/3間隔でスタガ配列された3列よりなるノズル列を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドの各ノズル列を、記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的移動方向の最後部のノズル列から前方側のノズル列に順に吐出駆動し、予め設定された前記記録ヘッドのノズル列ごとの吐出周波数をfとした場合に、前記記録ヘッドを2×L×fの移動速度で主走査方向に移動させて走査させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記記録ヘッドの主走査方向への1回の走査が終了すると、前記記録媒体を前記記録ヘッドに対して主走査方向に直交する副走査方向に前記画素ピッチの所定倍の距離だけ移動させるとともに、次の主走査方向への走査では、前記記録ヘッドのそれまでの走査で前記記録媒体上にインクを着弾させた画素位置以外の画素位置に前記各ノズルからインクを吐出させるように制御して、前記記録媒体の各画素にそれぞれインクを着弾させてマルチパス記録により前記記録媒体上に画像を記録することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは、前記3列よりなるノズル列を2組備え、前記2組のノズル列が主走査方向に並設されており、同じノズル列の組における隣接する前記ノズル同士の副走査方向の間隔が前記画素ピッチの2倍に設定されており、かつ、一方の組のノズル列の前記ノズルが他方の組のノズル列の前記ノズルに対して副走査方向に1画素ピッチ分ずらして設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは、前記3列よりなるノズル列を2組備え、前記2組のノズル列が主走査方向に並設されており、同じノズル列の組における隣接する前記ノズル同士の副走査方向の間隔が前記画素ピッチの4倍に設定されており、かつ、一方の組のノズル列の前記ノズルが他方の組のノズル列の前記ノズルに対して副走査方向に2画素ピッチ分ずらして設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載のインクジェット記録装置において、前記2組のノズル列同士の主走査方向の間隔が前記画素ピッチの整数倍からずれていることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御手段は、前記記録ヘッドの主走査方向への1回の走査の間に行わせる各吐出周期ごとの前記各ノズルからのインクの吐出動作について、前記各ノズルからインクを吐出させる吐出周期と、前記各ノズルからインクを吐出させない吐出周期とを設けることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置において、前記制御手段は、前記記録ヘッドにおける隣接するノズル同士の副走査方向の間隔W2が画素ピッチの1倍である場合は、前記距離が下記のW1に等しくなるように記録媒体を移動させ、W2が画素ピッチの2倍以上である場合は、前記距離がW1より大きくなるように記録媒体を移動させる動作とW1より小さくなるように記録媒体を移動させる動作とを交互に繰り返すように制御することを特徴とする。
W1=記録ヘッドのノズル数×W2/W3
ただし、
W3:マルチパスの回数
請求項1に記載の発明によれば、仮にノズルの一部にノズル欠が生じる等してインクを正常に吐出しないノズルが存在する場合でも、当該ノズルから吐出されなかったインクが本来着弾するはずの画素位置に隣接する画素位置に、別の正常なノズルから吐出されたインクが着弾して埋められるため、記録媒体に記録された画像中にインクが吐出されない部分が主走査方向に連続して並ぶことが防止され、画像中に筋状の模様が入ったように見える現象が生じることが回避される。そのため、画質の低下を抑制し、画質の改善を図ることが可能となる。
また、既存の記録ヘッドを用いて上記の効果を奏することが可能となるため、特許文献2に記載のインクジェット記録装置のように、別の記録ヘッドを並設したり、専用の記録ヘッドを用いたりする必要がなく、インクジェット記録装置の製造コストが増大することを回避して、コストの低減を図ることが可能となる。
さらに、従来の記録手法では、記録ヘッドの1回の走査(いわゆる1パス)で記録媒体上に画像を記録することができ、本発明の記録手法では、記録媒体上に画像を記録するために記録ヘッドの2回の走査(いわゆる2パス)が必要となるが、記録ヘッドの主走査方向への移動速度が従来の移動速度の2倍になるため、画像記録に要する時間は従来の記録手法の場合とさほど変わらない。すなわち、請求項1に記載の発明によれば、従来の記録手法の場合と同等の記録時間で、従来の記録手法では回避できなかった画像中への筋状の模様の混入現象を回避することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、記録ヘッドとして、3列よりなるノズル列を2組備え、2組のノズル列が主走査方向に並設されており、同じノズル列の組における隣接するノズル同士の副走査方向の間隔が画素ピッチの2倍に設定されており、かつ、一方の組のノズル列のノズルが他方の組のノズル列のノズルに対して副走査方向に1画素ピッチ分ずらして設けられている記録ヘッドを用いた場合にも、前記発明の効果と同様の効果を奏することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、記録ヘッドとして、3列よりなるノズル列を2組備え、2組のノズル列が主走査方向に並設されており、同じノズル列の組における隣接するノズル同士の副走査方向の間隔が画素ピッチの4倍に設定されており、かつ、一方の組のノズル列のノズルが他方の組のノズル列のノズルに対して副走査方向に2画素ピッチ分ずらして設けられている記録ヘッドを用いた場合にも、前記発明の効果と同様の効果を奏することが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、前記各発明の効果に加え、ノズルの一部にノズル欠が生じる等してインクを正常に吐出しないノズルが存在する場合でも、当該ノズルNからインクが吐出されない画素位置の間の部分の複数の画素位置が、別の複数の正常なノズルから吐出された複数のインクが着弾して埋められるため、インクが吐出されない画素位置が画像中で疎らに拡散された状態となり、記録媒体に記録された画像中に筋状の模様が入ることをより的確に回避することが可能となる。
インクジェット記録装置の全体構成を示す概略斜視図である。 記録ヘッドを含むキャリッジ部分の拡大図である。 記録ヘッドの構成を示す平面図である。 第1の実施形態において従来の記録手法でインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置およびストローブパルスを示す図である。 キャリッジ上部のヘッド駆動回路を含む構成を示す概略斜視図である。 ヘッド駆動回路の構成を示す図である。 ノズル駆動信号の駆動波形の例を示す図である。 インクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 第1の実施形態において本発明の記録手法で記録ヘッドの右側のインク列からインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置等を示す図である。 第1の実施形態において本発明の記録手法で記録ヘッドの左右のインク列からインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置等を示す図である。 図10における画素位置および記録ヘッドの反対方向への走査でインクが着弾する画素位置等を示す図である。 第1の実施形態においてノズルからインクが吐出されない画像中の画素位置を示す図である。 図12等の例で記録媒体上に記録される画像の位置および各画素位置の座標を示す図である。 図13において最初の吐出周期で各ノズルから吐出されるインクが着弾する画素位置を示す図である。 図13において2回目の吐出周期で各ノズルから吐出されるインクが着弾する画素位置を示す図である。 第2の実施形態において従来の記録手法でインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置およびストローブパルスを示す図である。 第2の実施形態において本発明の記録手法で記録ヘッドの右側のインク列からインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置等を示す図である。 第2の実施形態において本発明の記録手法で記録ヘッドの左右のインク列からインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置等を示す図である。 図18における画素位置および記録ヘッドの反対方向への走査でインクが着弾する画素位置等を示す図である。 第3の実施形態において本発明の記録手法で記録ヘッドの右側のインク列からインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置等を示す図である。 第3の実施形態において本発明の記録手法で記録ヘッドの左右のインク列からインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置等を示す図である。 図21における画素位置および記録ヘッドの反対方向への走査でインクが着弾する画素位置等を示す図である。 第3の実施形態においてノズルからインクが吐出されない画像中の画素位置を示す図である。 スタガ配列された3列よりなるノズル列を有する一般的な記録ヘッドの構成を示す平面図である。 図24の記録ヘッドを用い従来の記録手法でインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置およびストローブパルスを示す図である。 図25の従来の記録手法でインクを吐出した場合にノズルからインクが吐出されない画像中の画素位置を示す図である。 特許文献2に記載の記録手法で図24の記録ヘッドからインクを吐出した場合にインクが着弾する画素位置等を示す図である。 2本の記録ヘッドを主走査方向に並設した構成を示す平面図である。 1本の記録ヘッドにスタガ配列のノズル列を主走査方向に並設した構成を示す平面図である。 図28または図29の記録ヘッドを用いてインクを吐出させた場合にインクが着弾する画素位置を示す図である。
以下、本発明に係るインクジェット記録装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1は、図1に示すように、主に、搬送部2と、主走査部3と、コンピュータ4とで構成されている。また、図2は、主走査部3の内部構造のうち、後述する記録ヘッド5を含むキャリッジ32部分の拡大図である。
搬送部2の上部には、主走査方向Xに延在する駆動ローラ21と図示しない従動ローラとが回転自在に軸支されており、駆動ローラ21の一端側には、駆動ローラ21を回転駆動するための駆動モータ22が取り付けられている。駆動ローラ21と従動ローラとの間には、無端状の搬送ベルト23が張架されており、搬送ベルト23は、駆動ローラ21が回転すると駆動ローラ21と従動ローラとの間を周回してその上面に載置された記録媒体Sを搬送方向Zに搬送し、駆動ローラ21の回転が停止すると、両ローラ間での周回を停止し、記録媒体Sの搬送を停止するようになっている。
そして、駆動モータ22は、後述する制御手段9の制御に従って、記録ヘッド5が主走査方向Xへの1回の走査が終了すると、駆動ローラ21を所定量だけ回転させて記録媒体Sを搬送方向Zに所定距離だけ搬送させて停止させ、記録ヘッド5が主走査方向Xの反対方向への走査を開始して終了すると、駆動ローラ21を再度所定量だけ回転させて記録媒体Sを搬送方向Zに所定距離だけ搬送させて停止させることを繰り返し、記録媒体Sをいわゆる間欠搬送するようになっている。
なお、記録媒体Sの搬送方向Zは、主走査方向Xに直交する副走査方向Yに平行になるように設定される。また、搬送ベルト23で記録媒体Sを搬送するように構成する必要はなく、例えば、記録媒体Sを平板状のプラテン上を搬送方向Z(副走査方向Y)に移動させるように構成することも可能である。また、記録媒体Sとしては、前述したように、紙や布帛のほか、樹脂フィルムや金属類等を用いることが可能であり、特に限定されない。
搬送部2の搬送ベルト23の上方には、主走査部3が配設されている。主走査部3の内部には、棒状のキャリッジレール31が主走査方向Xに延在するように配設されており、キャリッジレール31には、略筐体状のキャリッジ32が主走査方向Xに往復移動自在に支持されている。キャリッジ32は、図示しないモータを含む走査駆動機構の駆動によりキャリッジレール31に沿って主走査方向Xに移動して走査されるようになっている。
キャリッジ32には、画像記録時にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)等の各色のインクを吐出する複数のノズルNが記録媒体Sに対向する面P(以下、ノズル面Pという。)に配列された記録ヘッド5が複数搭載されており、各記録ヘッド5のノズルNから搬送ベルト23上の記録媒体Sに対して各色のインクの液滴が吐出されるようになっている。
なお、記録ヘッド5等の構成については後で説明する。また、キャリッジ32には、後述するインクタンク81から記録ヘッド5にインクを供給する図示しない配管や、記録ヘッド5等を駆動するための電気信号や電力を伝達する図示しない配線等が収容されたケーブルベア33が接続されている。
また、本実施形態では、図1に示すように、主走査部3の主走査方向Xの一端側は、記録ヘッド5のメンテナンスを行うためのメンテナンス部6とされており、また、主走査部3の主走査方向Xの他端側は、記録ヘッド5のノズルNが非記録動作時に乾燥してノズルNからのインクの吐出に不具合が生じないように、非記録動作時に記録ヘッド5のノズル面Pをキャップして保湿するためのノズル保湿部7とされている。
さらに、本実施形態では、主走査部3の背後には、各記録ヘッド5にそれぞれ供給する各色のインクを貯蔵するインクタンク81を備えるインクラック8が配置されている。各インクタンク81からは、前述した配管や図示しないインク供給管等を介して各記録ヘッド5にインクがそれぞれ供給されるようになっている。
また、主走査部3の下方には、図示しない外部装置から入力された記録媒体Sに記録すべき画像の画像データを記録ヘッド5の各ノズルNに対応するデータに変換するための画像処理用のコンピュータ4が配設されており、コンピュータ4から前述した配線を介して記録ヘッド5を駆動する図示しないヘッド駆動回路等にデータ等がシリアル転送されるようになっている。なお、本実施形態では、コンピュータ4は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続された汎用のコンピュータで構成されている。
記録ヘッド5としては、図24に示したような複数のノズルN3m、N3m+1、N3m+2が主走査方向XにL/3間隔でスタガ配列された3列のノズル列3m、3m+1、3m+2を有する一般的な記録ヘッドHを用いることも可能であるが、本実施形態では、記録ヘッド5として、図3に示すような既存の記録ヘッドが用いられている。
具体的には、記録ヘッド5は、3相よりなる駆動位相ごとに駆動され、複数のノズルNが主走査方向XにL/3間隔(Lは画素ピッチ)でスタガ配列された3列よりなるノズル列の組が、記録ヘッド5の主走査方向Xに2組並設されている。以下、図中右側の組のノズル列をR3m、R3m+1、R3m+2、ノズル列R3m、R3m+1、R3m+2に属する各ノズルをそれぞれノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2と表し、図中左側の組のノズル列をL3m、L3m+1、L3m+2、ノズル列L3m、L3m+1、L3m+2に属する各ノズルをそれぞれノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2と表す。
本実施形態では、ノズルNは、左右各組ごとに偶数個の256個ずつ、計512個形成されている。また、この記録ヘッド5を用いて記録媒体S上に360dpiの解像度で画像記録を行うようになっており、この場合、画素ピッチLは70.5μmであるから、左右の3列のノズル列同士の間隔pは、その1/3の23.5μmにそれぞれ設定されている。
さらに、左右の対応するノズル列同士の間隔、すなわち、ノズル列R3mとノズル列L3m、ノズル列R3m+1とノズル列L3m+1、ノズル列R3m+2とノズル列L3m+2との間隔は1.44mmに設定されている。また、本実施形態の記録ヘッド5の各ノズル列ごとの吐出周波数(すなわち各ノズルNごとの吐出周波数)fは適宜設定され、例えば6.7kHz程度に設定される。
また、本実施形態の記録ヘッド5では、同じノズル列の組における隣接する各ノズルN同士の副走査方向Yの間隔qは、画素ピッチLの2倍、すなわち141μmに設定されており、左右のノズル列の組では、ノズルNが副走査方向Yに1画素ピッチL分ずらして設けられている。
そのため、仮に、記録ヘッド5をL×fの移動速度で主走査方向Xに移動させて走査させ、本実施形態の記録ヘッド5のノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2およびノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2をそれぞれ図25に示したように順位相で吐出駆動して(すなわち、記録ヘッド5の各ノズル列を、記録媒体Sに対する記録ヘッド5の相対的移動方向(主走査方向X)の最前部のノズル列から後方側のノズル列に順に吐出駆動して)、従来から行われている3相駆動で吐出駆動すると、図4に示すように、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査で、ノズルNR3m〜NR3m+2およびノズルNL3m〜NL3m+2から吐出されたインクは記録媒体S上で同一の位置に着弾することなく、それぞれ別々の位置に着弾する。
このように、本実施形態の記録ヘッド5は、構造的には、図29に示した特許文献2に記載のインクジェット記録装置に用いられる記録ヘッドHと類似するようにも見えるが、その機能は、図29に示した記録ヘッドHとは異なり、図24に示した複数のノズルN3m、N3m+1、N3m+2が主走査方向XにL/3間隔でスタガ配列された3列のノズル列3m、3m+1、3m+2を有する記録ヘッドHと同様に機能するものである。
そして、図4に示したように、本実施形態の記録ヘッド5は、上記のように従来から行われている3相駆動で吐出駆動する場合には、1回の走査で(すなわち1パスで)記録媒体Sの各画素にそれぞれインクを着弾させて、記録媒体S上に画像を記録することができるようになっている。
しかし、図4に示したように従来から行われている3相駆動の吐出駆動を行うと、図26に示したように、所定のノズルNにノズル欠が生じる等してそのノズルNからインクが正常に吐出されない場合に、記録媒体Sに記録された画像に筋状の模様が入ったような状態となって記録画像の画質が低下することは前述したとおりである。
なお、本実施形態では、図2に示したキャリッジ32の上部には、前述したようにケーブルベア33が連結されているが、図5に示すように、ケーブルベア33に収容された配管34はジョイント35を介してインク供給管36に連結されている。そして、インク供給管36は図5では図示が省略されている各記録ヘッド5に連結されており、インクタンク81(図1参照)から供給された各色のインクがそれぞれ配管34やインク供給管36を介して各記録ヘッド5に供給されるようになっている。
また、本実施形態では、各配管34は所定の本数ごとにそれぞれ樹脂製のチューブ37に収容されており、ケーブルベア33内には、配管34と配線38とが擦れ合わないようにそれらを区画する隔壁39が設けられている。
さらに、配線38は、コネクタ40等を介してヘッド駆動回路51に接続されており、コンピュータ4からシリアル転送されてきたデータ等をヘッド駆動回路51に伝送するようになっている。
ヘッド駆動回路51は、図6に示すように、シフトレジスタ52、ラッチ回路53、レベルシフタ回路56、駆動波形生成部57等で構成されている。ヘッド駆動回路51は、記録ヘッド5の各ノズルNに対応するデータd1、d2、…がコンピュータ4からシリアル転送されてくると、それらのデータd1、d2、…を、クロックCLKにあわせて一旦シフトレジスタ52に順次蓄積する。
そして、各データd1、d2、…、dnがシフトレジスタ52に蓄積された時点でラッチ回路53にラッチ(Latch)信号LATが入力されると、そのタイミングでラッチ回路53がシフトレジスタ52からデータd1、d2、…、dnを取り込み、必要に応じて各データの順番を入れ替える等の処理が適宜行われる。また、空になったシフトレジスタ52には、次の一連のデータが順次蓄積されていく。
そして、ラッチ回路53から出力されたデータd1、d2、…、dnは比較部54に送信され、ストローブクロックSTBCLKにあわせて比較部54から順次出力され、比較部54から出力されたデータd1、d2、…、dnはそれぞれ各アンド回路55に送られる。アンド回路55では、比較部54から出力されたデータdおよびストローブパルスSTB1、STB2、STB3のいずれかがONのとき、ONのストローブパルスSTBが入力されているアンド回路55からレベルシフタ回路56にデータdが送信される。
なお、図25や図27に示したものと同様に、本実施形態においても、ストローブパルスSTB1がハイレベルになっている場合にはノズルNR3m、NL3m(図3参照)から、ストローブパルスSTB2がハイレベルになっている場合にはノズルNR3m+1、NL3m+1から、ストローブパルスSTB3がハイレベルになっている場合にはノズルNR3m+2、NL3m+2からそれぞれインクが吐出されるようになっている。
そして、後述するように、ストローブパルスSTB1、STB2、STB3が順位相或いは逆位相で切り替えられることにより、記録ヘッド5のノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2およびノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2が順位相或いは逆位相で3相駆動されるようになっている。
レベルシフタ回路56は、電圧の上下にあわせて各データd1、d2、…、dnを駆動波形生成部57に送るようになっており、駆動波形生成部57では、データd1、d2、…に基づいて例えば図7のような駆動波形を有するノズル駆動信号D1、D2、…、Dnを生成して、各出力端子58を介して各記録ヘッド5の各ノズルNにそれぞれノズル駆動信号D1、D2、…、Dnを順次送信するようになっている。
また、前述したように、記録ヘッド5の各ノズルNは3相駆動され、ハイレベルのストローブパルスSTBが印加されている状態で上記のノズル駆動信号Dが印加されると、そのノズルNの図示しないピエゾ素子がノズル駆動信号Dの駆動波形に従って変形してノズルNからそれぞれインクが吐出されるようになっている。
図8は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。インクジェット記録装置1は、制御手段9を備えている。制御手段9は、前述したコンピュータ4中に構成することも可能であるが、コンピュータ4とは別体の汎用コンピュータや専用のプロセッサ(processor)を有するマイクロコンピュータ等で構成することも可能である。
制御手段9は、装置の各機能部の動作を制御するものであり、例えば、走査駆動機構10を駆動させて、キャリッジ32(図1、図2参照)をキャリッジレール31に沿って主走査方向Xに移動させるとともに、前述したように、キャリッジ32の移動に伴って記録媒体Sの上方を走査される各記録ヘッド5の主走査方向Xの走査にあわせて駆動モータ22を駆動させ、搬送ベルト23を搬送方向Z(副走査方向Y)に間欠的に移動させて、記録媒体Sを間欠搬送させるようになっている。
また、制御手段9は、インク供給系に設けられたポンプ11を適宜駆動させて、インクタンク81から配管34やインク供給管36を介して各記録ヘッド5にインクを供給するようになっている。さらに、制御手段9には、マウスやキーボード、タッチパネル等の図示しない入力手段が設けられており、前述した記録ヘッド5の各ノズル列ごとの吐出周波数f等を設定することができるようになっている。
さらに、制御手段9は、コンピュータ4を制御して、図6に示したように、ヘッド駆動回路51に対して、当該ヘッド駆動回路51が担当する各記録ヘッド5の各ノズルNに対応する各データd1、d2、…を所定のタイミングでシリアル転送させるようになっている。
一方、制御手段9は、従来の記録手法のように、記録ヘッド5をL×fの移動速度で主走査方向Xに走査させ、記録ヘッド5のノズル列R3m、R3m+1、R3m+2およびノズル列L3m、L3m+1、L3m+2の各ノズルNの駆動位相を順位相で切り替えるか、或いは、記録ヘッド5の移動速度を従来の2倍、すなわち2×L×fで主走査方向Xに走査させ、記録ヘッド5のノズル列R3m、R3m+1、R3m+2およびノズル列L3m、L3m+1、L3m+2の各ノズルNの駆動位相を逆位相で切り替えるかのいずれかを入力手段を介して指定することができるようになっている。
前者の従来の記録手法が指定されると、制御手段9は、走査駆動機構10に対して、記録ヘッド5を搭載するキャリッジ32の主走査方向Xへの移動速度をL×fに設定し、また、ヘッド駆動回路51に対して、記録ヘッド5のノズル列R3m〜R3m+2およびノズル列L3m〜L3m+2を記録媒体Sに対する記録ヘッド5の相対的移動方向(主走査方向X)の最前部のノズル列から後方側のノズル列に順に吐出駆動するように(すなわち順位相で吐出駆動するように)設定するようになっている。
記録ヘッド5のノズル列R3m〜R3m+2およびノズル列L3m〜L3m+2を順位相で吐出駆動する場合、前述したように、図3に示した記録ヘッド5が主走査方向Xの1回走査される際、例えば図中右側に走査される際には、各ノズルNに印加するストローブパルスSTBがSTB1→STB2→STB3の順で切り替えられ、記録ヘッド5が主走査方向Xの反対方向に走査される際、例えば図中左側に走査される際には、各ノズルNに印加するストローブパルスSTBがSTB3→STB2→STB1の順で切り替えられる。
そして、上記のような設定が行われると、記録動作時には、記録ヘッド5は主走査方向XにL×fの移動速度で移動して走査し、記録ヘッド5のノズル列R3m〜R3m+2およびノズル列L3m〜L3m+2の各ノズルNR3m〜NR3m+2、NL3m〜NL3m+2からは、図4に示したように、各ノズルNに対応する記録媒体Sの画素位置にインクがそれぞれ吐出され、それらの主走査方向Xに隣接する画素に次々とインクが吐出されて記録媒体S上に画像が記録される。
一方、後者の記録手法が指定された場合が本発明における記録手法であり、以下、この場合における制御手段9による制御について説明する。また、あわせて本実施形態に係るインクジェット記録装置1の作用について説明する。
なお、図3に示したような左右各組ごとに256個ずつ、計512個のノズルNを記載すると図が煩雑になるため、図4を含めて以下の図9〜図15の各図では、左右各組毎に6個ずつ、計12個のノズル(NL0〜NL5及びNR0〜NR5)で画像記録するものとして説明する。
本発明の記録手法である後者の記録手法が指定されると、制御手段9は、走査駆動機構10に対して、記録ヘッド5を搭載するキャリッジ32の主走査方向Xへの移動速度を2×L×fに設定し、また、ヘッド駆動回路51に対して、記録ヘッド5のノズル列R3m〜R3m+2およびノズル列L3m〜L3m+2を記録媒体Sに対する記録ヘッド5の相対的移動方向(主走査方向X)の最後部のノズル列から前方側のノズル列に順に吐出駆動する(すなわち逆位相で吐出駆動する)ように設定する。
記録ヘッド5のノズル列R3m〜R3m+2およびノズル列L3m〜L3m+2を逆位相で吐出駆動する場合、図3に示した記録ヘッド5が主走査方向Xに1回走査される際、例えば図中右側に走査される際には、各ノズルNに印加するストローブパルスSTBがSTB3→STB2→STB1の順で切り替えられ、記録ヘッド5が主走査方向Xの反対方向に走査される際、例えば図中左側に走査される際には、各ノズルNに印加するストローブパルスSTBがSTB1→STB2→STB3の順で切り替えられる。
このように設定されると、記録動作時には、キャリッジレール31に沿った主走査方向Xへのキャリッジ32の移動に伴って、記録ヘッド5は、主走査方向Xに2×L×fの移動速度で移動して走査する。
また、図27に示した例と同様に、記録ヘッド5のノズル列R3m、R3m+1、R3m+2の各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2からは、図9に示すように、それぞれ対応する記録媒体Sの画素位置に主走査方向Xに1画素おきにインクが吐出される。また、前述したように、各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2は隣接するノズルN同士の副走査方向Yの間隔qが画素ピッチLの2倍に設定されているため、副走査方向Yにも1画素おきにインクが吐出される。
また、記録ヘッド5のノズル列L3m、L3m+1、L3m+2の各ノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2からも同様にインクが吐出されるが、ノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2はノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2に対して副走査方向Yに1画素ピッチL分だけずらして設けられているため、図10に示すように、各ノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2からは、各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2からインクが吐出された画素位置の副走査方向Yに隣接する画素位置にインクが吐出される。
その際、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査が終了した後、記録媒体Sを搬送方向Z(副走査方向Y)に搬送せずに、記録ヘッド5を主走査方向Xの反対方向に走査しながら各ノズルNからインクを吐出したのでは、結局、図4に示した場合と同様に、同一のノズルNから吐出されたインクが記録媒体S上の副走査方向の同じ位置に吐出される。そのため、ノズルNの一部にノズル欠が生じる等して吐出不良が生じていると、記録媒体Sに記録された画像中のそのノズルNに対応する位置に、主走査方向Xに延在する筋状の模様が入った状態となってしまう。
そこで、本発明では、制御手段9は、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査が終了すると、駆動モータ22を駆動して記録媒体Sを搬送方向Z(副走査方向Y)に画素ピッチの所定倍の距離だけ移動させて停止させ、次の記録ヘッド5の主走査方向Xの反対方向への走査では、記録ヘッド5のそれまでの走査で記録媒体S上にインクを着弾させた画素位置以外の画素位置に各ノズルからインクを吐出させる。
例えば、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査で、図10に示した記録媒体S上の画素位置にインクが吐出された場合、制御手段9は、記録媒体Sを副走査方向Y(例えば図中上方向)に画素ピッチの例えば6倍の距離だけ移動させて停止させ、次の記録ヘッド5の主走査方向Xの反対方向への走査では、図11に示すように、記録ヘッド5の前回の走査で記録媒体S上にインクを着弾させた画素位置に隣接する画素位置に各ノズルからインクを吐出させる。なお、記録媒体Sを副走査方向Yに何画素ピッチ分の距離だけ移動させるかは適宜設定される。
この移動距離をW1としたとき、本実施形態においては、いわゆるマルチパス記録を行うものであるので、W1<W2×ノズル数を満足するように移動距離W1を適宜設定することが好ましい。なお、W2は記録ヘッドにおける隣接するノズルN同士の副走査方向Yの間隔であり、具体的には、例えばNL0とNR0の間隔である。
また、W2が画素ピッチの1倍である場合は、マルチパスの回数をW3としたとき、W1=ノズル数×W2/W3を満たすようにW1を設定することが好ましい。
本実施形態では、図11に示すように、W2は画素ピッチの1倍、ノズルの数は12であり、後述するようにマルチパスの回数W3が2であるので、移動距離W1は画素ピッチの6倍としている。
このように、上記の例では記録ヘッド5の2回の走査で(すなわち2パスで)、記録媒体Sの各画素にそれぞれインクを着弾させて記録媒体S上に画像を記録することが可能となる。
また、その際、図11に示したように、記録ヘッド5の同一のノズルNから吐出されたインクが少なくとも記録媒体S上の隣接する画素位置に着弾することがない。そのため、ノズルNの一部にノズル欠が生じる等してインクを正常に吐出しないノズルNが存在する場合でも、図12に示すように、当該ノズルNから吐出されなかったインクが本来着弾するはずの画素位置に隣接する画素位置に、別の正常なノズルNから吐出されたインクが着弾して埋められるため、記録媒体Sに記録された画像中にインクが吐出されない部分が主走査方向Xに連続して並ぶことが防止され、画像中に筋状の模様が入ったように見える現象が生じることが回避され、画質の低下を抑制することが可能となる。
なお、本発明の記録手法のように、記録ヘッド5を主走査方向Xに2×L×fの移動速度で走査し、記録ヘッド5のノズル列R3m〜R3m+2およびノズル列L3m〜L3m+2を逆位相で吐出駆動する場合、記録ヘッド5の各ノズルNから吐出され記録媒体S上に着弾されるインクの画素位置は、例えば図10や図11に示したように、散在した画素位置になる。そのため、コンピュータ4からヘッド駆動回路51に記録ヘッド5の各ノズルNに対応する各データをシリアル転送する際のデータの配列順を適宜組み替える必要がある。
上記の例では、図11から分かるように、記録媒体Sに記録される画像は、主走査方向Xに延在するインクL3、L0、L3、L0、L3、L0、…で表される画素列を上端とし、副走査方向Yに延在するインクL3、R3、L1、R1、L5、R5、…で表される画素列を左端とする範囲となる。そこで、図13に示すように、上記の画像の左上隅のインクL3の画素位置を基準として、主走査方向Xに平行にx軸を設定し、副走査方向Yに平行にy軸を設定し、記録媒体Sに記録される画像の各画素位置を座標(x,y)で表す。また、座標(x,y)で表される画素位置にインクを吐出するノズルNに対応するデータをd(x,y)で表すとする。
コンピュータ4は、図示しない外部装置から入力された記録媒体Sに記録すべき画像の画像データを記録ヘッド5の各ノズルNに対応する形に変換した各データd(x,y)をRAM上に展開する。そして、例えば図10に示したように各ノズルNからインクを吐出させる場合、まず、最初の吐出周期でノズルNR0、NR1、NR2、NR3、NR4、NR5、…から吐出されるインクは図14に示すR0、R1、R2、R3、R4、R5、…の各画素位置に着弾するため、コンピュータ4は、ノズルNR0、NR1、NR2、NR3、NR4、NR5、…に、それぞれ0、0、0、d(0,1)、0、0、…の各データを順に対応付けて配列する。
同様にして、コンピュータ4は、ノズルNL0、NL1、NL2、NL3、NL4、NL5、…に、それぞれ0、0、0、d(0,0)、0、0、…の各データを順に対応付けて配列する。そして、各データを連結して0、0、0、d(0,1)、0、0、…、0、0、0、d(0,0)、0、0、…の形に配列する。なお、値が0のデータは、いわゆるダミーデータであり、インクを吐出しないことを表す。
また、次の吐出周期でノズルNR0、NR1、…、NL0、NL1、…から吐出されるインクは図15に示すR0、R1、…、L0、L1、…の各画素位置に着弾するため、コンピュータ4は、ノズルNR0、NR1、NR2、NR3、NR4、NR5、…にそれぞれ0、0、0、d(2,1)、d(1,3)、d(0,5)、…の各データを順に対応付けて配列し、ノズルNL0、NL1、NL2、NL3、NL4、NL5、…にそれぞれ0、0、0、d(2,0)、d(1,2)、d(0,4)、…の各データを順に対応付けて配列して連結する。
このようして、コンピュータ4は、各吐出周期ごとにノズルNR0、NR1、…、NL0、NL1、…から吐出されるインクが着弾する記録媒体Sの各画素位置に対応するデータd(x,y)、或いは対応する画素位置にデータがない場合にはダミーデータである0を対応付けて各データを配列し、適切な配列順のデータ列を作成してヘッド駆動回路51にシリアル転送する。なお、データ列の作成は、記録動作が開始される前に予め行っておいてもよく、また、記録動作と並行して行うように構成することも可能である。
なお、上記のような制御手段9における処理やコンピュータ4における処理は、図3に示した記録ヘッド5に特有の処理ではなく、記録ヘッドとして、例えば図24に示したような一般的な記録ヘッドHを用いた場合にも同様に行うことができる。
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1によれば、ノズルNがスタガ配列された記録ヘッド5や記録ヘッドHを用いたシリアルヘッド方式のインクジェット記録装置において、記録ヘッド5、Hを従来の移動速度(L×f)の2倍の移動速度(2×L×f)で移動させて走査させ、記録ヘッド5、Hの各ノズル列を、記録媒体Sに対する記録ヘッド5、Hの相対的移動方向(主走査方向X)の最後部のノズル列から前方側のノズル列に順に吐出駆動する。すなわち、逆位相で吐出駆動する。
さらに、記録ヘッド5、Hの主走査方向Xへの1回の走査が終了すると、記録媒体Sを記録ヘッド5、Hに対して副走査方向Yに画素ピッチLの所定倍の距離だけ移動させて次の走査を行わせ、記録ヘッド5、Hのそれまでの走査で記録媒体S上にインクを着弾させた画素位置以外の画素位置に各ノズルNからインクを吐出させるように構成した。
そのため、仮にノズルNの一部にノズル欠が生じる等してインクを正常に吐出しないノズルNが存在する場合でも、当該ノズルNから吐出されなかったインクが本来着弾するはずの画素位置に隣接する画素位置に、別の正常なノズルNから吐出されたインクが着弾して埋められるため、記録媒体Sに記録された画像中にインクが吐出されない部分が主走査方向Xに連続して並ぶことが防止され、画像中に筋状の模様が入ったように見える現象が生じることが回避される。そのため、画質の低下を抑制し、画質の改善を図ることが可能となる。
また、図3に示した記録ヘッド5や図24に示した記録ヘッドHなど既存の記録ヘッドを用いて上記の効果を奏することが可能となるため、特許文献2に記載のインクジェット記録装置のように、別の記録ヘッドを並設したり、専用の記録ヘッドを用いたりする必要がなく、インクジェット記録装置1の製造コストが増大することを回避して、コストの低減を図ることが可能となる。
さらに、図4に示した従来の記録手法では、記録ヘッド5、Hの1回の走査(いわゆる1パス)で記録媒体S上に画像を記録することができたが、図11に示した本発明の記録手法では、記録媒体S上に画像を記録するためには、記録ヘッド5、Hの2回の走査(いわゆる2パス)が必要となる。
しかし、記録ヘッド5、Hの主走査方向Xへの移動速度が従来の移動速度の2倍になるため、画像記録に要する時間は従来の記録手法の場合とさほど変わらない。すなわち、本発明によれば、従来の記録手法の場合と同等の記録時間で、従来の記録手法では回避できなかった画像中への筋状の模様の混入現象を回避することが可能となる。
なお、本実施形態に係る記録ヘッド5(図3参照)では、前述したように、左右の対応するノズル列同士の間隔、すなわちノズル列R3mとノズル列L3mとの間隔が1.44mmに設定されているが、画素ピッチLが70.5μmであるため、この間隔は約20.4画素に対応する。
このように、ノズル列R3mとノズル列L3mとの間隔が画素ピッチLの整数倍に設定されていないため、例えば、ノズル列R3m〜R3m+2とノズル列L3m〜L3m+2との吐出タイミングを同期させて各ノズルNからインクを吐出させた場合、ノズル列R3m〜R3m+2の各ノズルNから吐出されたインクとノズル列L3m〜L3m+2の各ノズルNから吐出されたインクとの記録媒体S上での着弾位置が、図10や図11に示したように副走査方向Yに揃わないことになる。
この状態を回避するためには、例えば、ノズル列R3m〜R3m+2とノズル列L3m〜L3m+2との吐出タイミングを同期させずに、それぞれ独立の吐出タイミングで各ノズルNからインクを吐出させるように構成することが可能である。
しかし、ノズル列R3m〜R3m+2とノズル列L3m〜L3m+2との各ノズルNを独立の吐出タイミングで吐出駆動するように構成されていない場合もある。そのような場合には、記録ヘッド5の各ノズル列ごとの吐出周波数(すなわち各ノズルNごとの吐出周波数)fを調整して、ノズル列R3m〜R3m+2の各ノズルNから吐出されたインクとノズル列L3m〜L3m+2の各ノズルNから吐出されたインクとの記録媒体S上での着弾位置を副走査方向Yに揃えることが可能である。なお、その場合、記録ヘッド5の移動速度(2×L×f)も吐出周波数fの変化にあわせて変化する。
[第2の実施の形態]
第2の実施形態に係るインクジェット記録装置では、記録ヘッド5として、より解像度が高い画像を記録することができる記録ヘッド5を用いた場合について説明する。
具体的には、記録ヘッド5(図3参照)は、3相よりなる駆動位相ごとに駆動され、複数のノズルNが主走査方向XにL/3間隔(Lは画素ピッチ)でスタガ配列された3列よりなるノズル列の組が、記録ヘッド5の主走査方向Xに2組並設されている点では第1の実施形態の場合と同様であり、ノズルNが左右各組ごとに256個ずつ、計512個形成されているが、本実施形態では、この記録ヘッド5を用いて記録媒体S上に720dpiの解像度、すなわち第1の実施形態の場合の倍の解像度で画像記録を行うようになっている。
そのため、画素ピッチLは35.3μmであり、左右の3列のノズル列同士の間隔pは、その1/3の11.8μmにそれぞれ設定されている。なお、左右の対応するノズル列同士の間隔、すなわち、ノズル列R3mとノズル列L3mとの間隔は1.44mmであり、各ノズル列ごとの吐出周波数(すなわち各ノズルNごとの吐出周波数)fが例えば6.7kHz程度に設定される点は第1の実施形態と同様である。
また、本実施形態の記録ヘッド5では、同じノズル列の組における隣接する各ノズルN同士の副走査方向Yの間隔qは、画素ピッチLの4倍に設定されており、左右のノズル列の組では、ノズルNが副走査方向Yに2画素ピッチL分ずらして設けられている。この点でも第1の実施形態と異なる。
そのため、仮に、記録ヘッド5をL×fの移動速度で主走査方向Xに移動させて走査させ、本実施形態の記録ヘッド5のノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2およびノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2をそれぞれ図25に示したように順位相で吐出駆動して、従来から行われている3相駆動で吐出駆動すると、図16に示すように、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査で、ノズルNR3m〜NR3m+2およびノズルNL3m〜NL3m+2の各ノズルNから吐出されたインクは、副走査方向Yに1画素おきに着弾する。
そして、図16に示すように、本実施形態では、記録ヘッド5は、上記のように従来から行われている3相駆動で吐出駆動する場合には、2回の走査で(すなわち2パスで)記録媒体Sの各画素にそれぞれインクを着弾させて、記録媒体S上に画像を記録するようになっている。
しかし、この場合も、所定のノズルNにノズル欠が生じる等してそのノズルNからインクが正常に吐出されない場合には、記録媒体Sに記録された画像中にインクが吐出されない部分が主走査方向Xに連続して並ぶため、記録媒体Sに記録された画像に筋状の模様が入ったような状態となって記録画像の画質が低下する。
そのため、本実施形態においても、上記の本発明の記録手法が採用され、制御手段9は、走査駆動機構10に対して、記録ヘッド5を搭載するキャリッジ32の主走査方向Xへの移動速度を2×L×fに設定し、また、ヘッド駆動回路51に対して、記録ヘッド5のノズル列R3m〜R3m+2およびノズル列L3m〜L3m+2を記録媒体Sに対する記録ヘッド5の相対的移動方向(主走査方向X)の最後部のノズル列から前方側のノズル列に順に吐出駆動する(すなわち逆位相で吐出駆動する)ように設定する。
このように設定されると、記録動作時には、キャリッジレール31に沿った主走査方向Xへのキャリッジ32の移動に伴って、記録ヘッド5は、主走査方向Xに2×L×fの移動速度で移動して走査し、記録ヘッド5のノズル列R3m、R3m+1、R3m+2の各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2からは、図17に示すように、それぞれ対応する記録媒体Sの画素位置に主走査方向Xに1画素おきにインクが吐出される。
なお、図3に示したような左右各組ごとに256個ずつ、計512個のノズルNを記載すると図が煩雑になるため、図17を含めて以下の図18〜図19の各図では、左右各組毎に12個ずつ、計24個のノズル(NL0〜NL11及びNR0〜NR11)で画像記録するものとして説明する。
また、前述したように、本実施形態では、各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2は隣接するノズルN同士の副走査方向Yの間隔qが画素ピッチLの4倍に設定されているため、副走査方向Yには3画素おきにインクが吐出される。
また、記録ヘッド5のノズル列L3m、L3m+1、L3m+2の各ノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2からも同様にインクが吐出されるが、ノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2はノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2に対して副走査方向Yに2画素ピッチ分だけずらして設けられている。そのため、図18に示すように、各ノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2からは、各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2からインクが吐出された画素位置の副走査方向Yに1画素おきに隣接する画素位置にインクが吐出される。
そして、本実施形態においても、制御手段9は、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査が終了すると、駆動モータ22を駆動して記録媒体Sを搬送方向Z(副走査方向Y)に画素ピッチの所定倍の距離だけ移動させて停止させ、次の記録ヘッド5の主走査方向Xの反対方向への走査では、記録ヘッド5のそれまでの走査で記録媒体S上にインクを着弾させた画素位置以外の画素位置に各ノズルからインクを吐出させる。
例えば、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査で、図18に示した記録媒体S上の画素位置にインクが吐出された場合、制御手段9は、記録媒体Sを副走査方向Y(例えば図中上方向)に画素ピッチの例えば13倍の距離だけ移動させて停止させ、次の記録ヘッド5の主走査方向Xの反対方向への走査では、図19に示すように、記録ヘッド5の前回の走査で記録媒体S上にインクを着弾させた画素位置の図中右下の画素位置に各ノズルからインクを吐出させる。
本実施形態では、図19に示すように、W2は画素ピッチの2倍、ノズルの数は24であり、後述するマルチパスの回数W3が4であるので、移動距離W1を前述の式W1=ノズル数×W2/W3から算出すると、画素ピッチの12倍となる。
しかしながら、W2が画素ピッチの2倍以上の場合は、副走査方向Yに隣接するノズルN間の画素を記録する必要があるため、算出された画素ピッチの12倍に対して適宜増減しながらW1を設定する必要がある。
本実施形態では、上記のように2回目の走査では、前回の走査で記録媒体S上にインクを着弾させた画素位置の図中右下の画素位置に各ノズルからインクを吐出させるため、W1を画素ピッチの13倍としている。
しかし、第1の実施形態における図11に示した場合と異なり、本実施形態では、図19に示されるように、記録ヘッド5の2回の走査(すなわち2パス)では記録媒体Sの全画素にインクを着弾させることができない。
そこで、本実施形態では、記録ヘッド5の2回目の走査が終了すると、制御手段9は、再度、記録媒体Sを副走査方向Y(例えば図中上方向)に画素ピッチの11倍の距離だけ移動させて停止させて、記録ヘッド5の3回目の走査を行わせ、記録ヘッド5の3回目の走査では、最初の走査で記録媒体S上にインクを着弾させた画素位置の図中右側の画素位置に各ノズルからインクを吐出させる。
そして、記録ヘッド5の3回目の走査が終了すると、制御手段9は、さらに、記録媒体Sを副走査方向Y(例えば図中上方向)に画素ピッチの13倍の距離だけ移動させて停止させて、記録ヘッド5の4回目の走査を行わせ、記録ヘッド5の4回目の走査では、最初の走査で記録媒体S上にインクを着弾させた画素位置の図中下側の画素位置に各ノズルからインクを吐出させる。
このように、本実施形態では、記録ヘッド5の4回の走査で(すなわち4パスで)、記録媒体Sの各画素にそれぞれインクを着弾させて記録媒体S上に画像を記録することが可能となる。
また、その際、図19に示したように、記録ヘッド5の同一のノズルNから吐出されたインクが少なくとも記録媒体S上の隣接する画素位置に着弾することが回避される。そして、第1の実施形態の場合(図12参照)と同様に、ノズルNの一部にノズル欠が生じる等してインクを正常に吐出しないノズルNが存在する場合でも、当該ノズルNから吐出されなかったインクが本来着弾するはずの画素位置に隣接する画素位置に、別の正常なノズルNから吐出されたインクが着弾して埋められる。
そのため、記録媒体Sに記録された画像中にインクが吐出されない部分が主走査方向Xに連続して並ぶことが防止され、画像中に筋状の模様が入ったように見える現象が生じることが回避される。そのため、画質の低下を抑制することが可能となる。
以上のように、本実施形態においても、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1と全く同様の効果を奏することが可能となる。
また、本実施形態では、図16に示した従来の記録手法を採用した場合には、前述したように、記録ヘッド5の2回の走査(いわゆる2パス)で記録媒体S上に画像を記録することができたが、図18に示した本発明の記録手法では、記録媒体S上に画像を記録するためには、記録ヘッド5の4回の走査(いわゆる4パス)が必要となる。
しかし、記録ヘッド5の主走査方向Xへの移動速度が従来の移動速度の2倍になるため、画像記録に要する時間は従来の記録手法の場合とさほど変わらない。すなわち、本実施形態においても、従来の記録手法の場合と同等の記録時間で、従来の記録手法では回避できなかった画像中への筋状の模様の混入現象を回避することが可能となる。
[第3の実施の形態]
ところで、上記の第1および第2の実施形態では、図12に示したように、1つのノズルNから主走査方向Xに1画素おきにインクを吐出し、他のノズルNでその間隙部分の画素位置を埋めるようにインクを吐出するように構成し、すなわち、2つのノズルNから吐出されたインクが主走査方向Xに交互に並ぶようにインクを吐出させる。
そして、このように構成することで、仮にノズルNの一部にノズル欠が生じる等してインクを正常に吐出しないノズルNが存在する場合でも、記録媒体Sに記録された画像中に、インクが吐出されない部分が主走査方向Xに連続して並んで筋状の模様が入ったように見える現象が生じることを回避した。
この考え方をさらに拡張すると、1つのノズルNから吐出するインクを、主走査方向Xに1画素おきではなく、さらに間隔をあけて記録媒体Sに着弾させ、その間隙部分の画素位置を他のノズルNから吐出されたインクで埋めるように構成すれば、異常なノズルNからインクが吐出されない画素位置が画像中でより拡散された状態とすることが可能となり、記録媒体Sに記録された画像中に筋状の模様が入ることをより的確に回避することが可能となる。
そこで、第3の実施形態に係るインクジェット記録装置では、制御手段9は、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査の間に行わせる各吐出周期ごとの各ノズルNからのインクの吐出動作について、各ノズルNからインクを吐出させる吐出周期と、各ノズルNからインクを吐出させない吐出周期とを設けるようになっている。
以下、記録ヘッド5として、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置1に用いられた記録ヘッド5(図3参照)を用いる場合について説明するが、第2の実施形態で用いられた記録ヘッド5を用いる場合についても同様に適用される。
具体的には、まず、本実施形態においても、上記の第1および第2の実施形態の場合と同様に本発明の記録手法が採用される。すなわち、制御手段9は、記録ヘッド5を主走査方向Xに2×L×fの移動速度で移動させて走査させるとともに、記録ヘッド5のノズル列R3m〜R3m+2およびノズル列L3m〜L3m+2を逆位相で吐出駆動させる。
また、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査が終了すると、記録媒体Sを搬送方向Z(副走査方向Y)に画素ピッチの所定倍の距離だけ移動させる点も上記の第1および第2の実施形態の場合と同様である。
しかし、本実施形態においては、制御手段9は、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査の間に行わせる各吐出周期ごとの各ノズルNからのインクの吐出動作について、各ノズルNからインクを吐出させる吐出周期と各ノズルNからインクを吐出させない吐出周期とを、1吐出周期ごとに繰り返すように設定することができるように構成されている。
なお、インクを吐出させない吐出周期を設けるか否か、すなわち第3の実施形態を実施するか否かは、ユーザの設定入力に従って設定されるようになっている。また、各ノズルNからインクを吐出させる吐出周期と各ノズルNからインクを吐出させない吐出周期とをどのように設定するかは、予め、或いは上記のユーザによる設定入力の際に適宜設定される。
このような設定の下では、記録ヘッド5のノズル列R3m、R3m+1、R3m+2の各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2からは、図20に示すように、最初の吐出周期では対応する記録媒体Sの画素位置にインクが吐出され、次の吐出周期ではインクが吐出されない。
なお、図3に示したような左右各組ごとに256個ずつ、計512個のノズルNを記載すると図が煩雑になるため、図20を含めて以下の図21〜図23の各図では、左右各組毎に12個ずつ、計24個のノズル(NL0〜NL11及びNR0〜NR11)で画像記録するものとして説明する。
この吐出動作を吐出周期ごとに繰り返すことにより、各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2にそれぞれ対応する記録媒体Sの画素位置に、主走査方向Xに3画素おきにインクが吐出される。また、各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2は隣接するノズルN同士の副走査方向Yの間隔qが画素ピッチLの2倍に設定されているため、副走査方向Yには1画素おきにインクが吐出される。
また、記録ヘッド5のノズル列L3m、L3m+1、L3m+2の各ノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2からも同様にインクが吐出されるが、ノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2はノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2に対して副走査方向Yに1画素ピッチL分だけずらして設けられている。そのため、図21に示すように、各ノズルNL3m、NL3m+1、NL3m+2からは、各ノズルNR3m、NR3m+1、NR3m+2からインクが吐出された画素位置の副走査方向Yに隣接する画素位置にインクが吐出される。
そして、制御手段9は、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査が終了すると、駆動モータ22を駆動して記録媒体Sを搬送方向Z(副走査方向Y)に画素ピッチの所定倍の距離だけ移動させて停止させ、記録ヘッド5を主走査方向Xの反対方向に走査させる。
例えば、記録ヘッド5の主走査方向Xへの1回の走査で、図21に示した記録媒体S上の画素位置にインクが吐出された場合、制御手段9は、記録媒体Sを副走査方向Y(例えば図中上方向)に画素ピッチの例えば6倍の距離だけ移動させて停止させる。
本実施形態では、図22に示すように、W2は画素ピッチの1倍、ノズルの数は24であり、後述するマルチパスの回数W3が4であるので、移動距離W1は画素ピッチの6倍としている。
そして、次の記録ヘッド5の主走査方向Xの反対方向への走査においても、各ノズルNからインクを吐出させる吐出周期と各ノズルNからインクを吐出させない吐出周期とを1吐出周期ごとに繰り返すようにして、図22に示すように、例えば記録ヘッド5の前回の走査で記録媒体S上にインクを着弾させた画素位置に隣接する画素位置に各ノズルからインクを吐出させる。
図22からも分かるように、本実施形態の場合には、記録媒体S上への画像記録は、記録ヘッド5の2回の走査(すなわち2パス)では完成しない。そこで、制御手段9は、記録ヘッド5の主走査方向Xへの2回目の走査が終了すると、記録媒体Sを副走査方向Y(例えば図中上方向)にさらに画素ピッチの例えば6倍の距離だけ移動させて停止させる。
そして、記録ヘッド5の主走査方向Xへの3回目の走査を行わせて各ノズルNから隣接する画素位置にインクを吐出させ、記録ヘッド5の主走査方向Xへの3回目の走査が終了すると、同様に記録媒体Sを副走査方向Y(例えば図中上方向)に画素ピッチの例えば6倍の距離だけ移動させて停止させ、記録ヘッド5の主走査方向Xへの4回目の走査を行わせて各ノズルNから隣接する画素位置にインクを吐出させる。
このように、上記のように構成した場合には、記録ヘッド5の4回の走査で(すなわち4パスで)、記録媒体Sの各画素にそれぞれインクを着弾させて記録媒体S上に画像を記録することが可能となる。
以上のように、本実施形態においても、第1および第2の実施形態に係るインクジェット記録装置1と全く同様の効果を奏することが可能となる。
また、本実施形態では、1つのノズルNから吐出するインクを、主走査方向Xに1画素より大きな間隔をあけて記録媒体Sに着弾させ、その間隙部分の画素位置を他の複数のノズルNから吐出された複数のインクで埋めることが可能となる。例えば図21や図22に示したようにインクを吐出した場合に、ノズル欠が生じる等してインクを正常に吐出しないノズルNから本来吐出されるべき画素位置を×印を付して示すと、図23に示すように、3画素おきにインクが吐出されない画素位置が存在する状態となる。
このように、本実施形態によれば、ノズルNの一部にノズル欠が生じる等してインクを正常に吐出しないノズルNが存在する場合でも、当該異常なノズルNからインクが吐出されない画素位置の間の部分の複数の画素位置が、別の複数の正常なノズルNから吐出された複数のインクが着弾して埋められる。そのため、インクが吐出されない画素位置が画像中で疎らに拡散された状態となり、記録媒体Sに記録された画像中に筋状の模様が入ることをより的確に回避することが可能となる。
1 インクジェット記録装置
3m〜3m+2 ノズル列
5 記録ヘッド
9 制御手段
f 吐出周波数
L 画素ピッチ
N、N3m〜N3m+2、NR3m〜NR3m+2、NL3m〜NL3m+2 ノズル
R3m〜R3m+2、L3m〜L3m+2 2組のノズル列
q 間隔
S 記録媒体
X 主走査方向
(x,y) 画素位置
Y 副走査方向

Claims (6)

  1. 3相よりなる駆動位相ごとに駆動され、画素ピッチをLとした場合に、複数個のノズルが主走査方向にL/3間隔でスタガ配列された3列よりなるノズル列を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドの各ノズル列を、記録媒体に対する前記記録ヘッドの相対的移動方向の最後部のノズル列から前方側のノズル列に順に吐出駆動し、予め設定された前記記録ヘッドのノズル列ごとの吐出周波数をfとした場合に、前記記録ヘッドを2×L×fの移動速度で主走査方向に移動させて走査させる制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記記録ヘッドの主走査方向への1回の走査が終了すると、前記記録媒体を前記記録ヘッドに対して主走査方向に直交する副走査方向に前記画素ピッチの所定倍の距離だけ移動させるとともに、次の主走査方向への走査では、前記記録ヘッドのそれまでの走査で前記記録媒体上にインクを着弾させた画素位置以外の画素位置に前記各ノズルからインクを吐出させるように制御して、前記記録媒体の各画素にそれぞれインクを着弾させてマルチパス記録により前記記録媒体上に画像を記録することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記記録ヘッドは、前記3列よりなるノズル列を2組備え、前記2組のノズル列が主走査方向に並設されており、同じノズル列の組における隣接する前記ノズル同士の副走査方向の間隔が前記画素ピッチの2倍に設定されており、かつ、一方の組のノズル列の前記ノズルが他方の組のノズル列の前記ノズルに対して副走査方向に1画素ピッチ分ずらして設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記記録ヘッドは、前記3列よりなるノズル列を2組備え、前記2組のノズル列が主走査方向に並設されており、同じノズル列の組における隣接する前記ノズル同士の副走査方向の間隔が前記画素ピッチの4倍に設定されており、かつ、一方の組のノズル列の前記ノズルが他方の組のノズル列の前記ノズルに対して副走査方向に2画素ピッチ分ずらして設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記2組のノズル列同士の主走査方向の間隔が前記画素ピッチの整数倍からずれていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記制御手段は、前記記録ヘッドの主走査方向への1回の走査の間に行わせる各吐出周期ごとの前記各ノズルからのインクの吐出動作について、前記各ノズルからインクを吐出させる吐出周期と、前記各ノズルからインクを吐出させない吐出周期とを設けることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記制御手段は、前記記録ヘッドにおける隣接するノズル同士の副走査方向の間隔W2が画素ピッチの1倍である場合は、前記距離が下記のW1に等しくなるように記録媒体を移動させ、W2が画素ピッチの2倍以上である場合は、前記距離がW1より大きくなるように記録媒体を移動させる動作とW1より小さくなるように記録媒体を移動させる動作とを交互に繰り返すように制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
    W1=記録ヘッドのノズル数×W2/W3
    ただし、
    W3:マルチパスの回数
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