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JP5484975B2 - 生物工学的組織構築物およびそれを生成および使用する方法 - Google Patents
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JP5484975B2 - 生物工学的組織構築物およびそれを生成および使用する方法 - Google Patents

生物工学的組織構築物およびそれを生成および使用する方法 Download PDF

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Description

本発明は、組織工学の分野にある。本発明は、細胞外マトリックスを産生する細胞を誘導する生体外での方法に向けられる。組織様特性を有するこの生きた細胞外マトリックスは、試験または臨床目的のために使用できる。
組織工学の分野は、生物工学的方法を、正常な、および病理学的哺乳類組織での構造的および機能的関係を理解するライフサイエンスの概念と結びつける。組織工学の目標は、組織機能を保持、維持、または改善する生物学的置換の開発および最終使用である。したがって、組織工学を通して、実験室で生物工学的組織を設計および製造することが可能である。生物工学的組織としては、通常元来の哺乳類またはヒト組織と関連する細胞、および合成または外因性マトリックススカホードを挙げることができる。新たな生物工学的組織は、宿主に移殖された場合、機能性があり、そして宿主の体に恒久的に組込まれるか、または受容体宿主患者から得られる細胞によって進行的に生物再生されるに違いない。支持体構成員またはスカホードなしに等価の組織の作製で、新たな生物工学的組織を作成する上での科学的挑戦に至る。
本発明は、外因性マトリックス成分またはネットワーク支持体またはスカホード構成員の必要なしに、培養細胞および内因的に産生された細胞外マトリックス成分の生物工学的組織構築物に向けられる。したがって、本発明は、ヒト細胞、および例えば、生物工学的組織構築物が、ヒトに使用するために設計される場合、それらの細胞により産生されるヒト・マトリックス成分から全体的に有利に作製できる。
本発明は、外因性マトリックス成分、ネットワーク支持体、またはスカホード構成員のいずれかの添加なしに、細胞外マトリックス成分を産生する、線維芽細胞のような培養物中の細胞を刺激することによって、組織構築物を産生する方法にも向けられる。
本発明は、定義された培地システム中の細胞外マトリックス成分を産生する、線維芽細胞のような培養物中の細胞の刺激によって、および/またはウシ血清または臓器抽出物のような、未定義または非ヒト由来の生物学的成分を使用することなし、組織構築物を産生する方法にも向けられる。
さらに、この組織構築物は、元来の組織の細胞組成および組織構築物を模倣する培養組織構築物を産生する様々な細胞型の一連の種付けによって作成できる。
いっそうさらに、組織構築物は、スカホード支持体の必要、または外因性細胞外マトリックス成分の添加なしに、培養細胞によって産生および自己組立される。
組織構築物の強度特徴は、それが、医療または試験用途での任意の支持体または担体についての必要なしに形成および直接的に移殖される、培養装置から容易にそして剥ぎ取り可能に除去されるべき、それについて取扱い可能になる。
本発明の組織構築物は、皮膚腫瘍または創傷のような組織または臓器欠陥を有する患者に対する移植のような医療目的のために、または安全性試験または医薬、化粧、および化学製品の確証のような生体外での組織試験または動物移植のために有用である。
これまで、最近工業化された生きた組織構築物は、完全には細胞で組立てられず、そして外因性マトリックス成分または構造または支持のための合成構成員の添加または組込みのいずれか、または両方に依るに違いない。
ここに記述される生物工学的組織構築物は、それらの細胞が誘導される組織の元来の特性の多くを示す。それにより生成された組織構築物は、患者に移植するか、または生体外での試験のために使用しうる。
1つの好ましい具体例は、第一の細胞型が、細胞−マトリックス構築物を産生する細胞外マトリックスを合成および分泌する能力のある場合に、第一の細胞型および内因的に産生される細胞外マトリックスを包含する細胞−マトリックス構築物である。
別の好ましい具体例は、第一の細胞型、および内因的に産生される細胞外マトリックス、およびその上、または第一の細胞型によって形成される細胞−マトリックス構築物内に沈着した第二の型の細胞の層を包含する二層構築物である。
さらに好ましい具体例は、培養皮膚構築物を形成する、真皮から由来するもののような線維芽細胞を含む細胞−マトリックス構築物である。
別のさらに好ましい具体例は、その上に表皮層を形成する、培養されるケラチノサイトの層と共に、培養皮膚構築物を形成する、表皮から由来するもののような線維芽細胞を含んで、培養二層皮膚構築物になる細胞−マトリックス構築物である。本発明の培養皮膚構築物は、元来の皮膚の多くの物理的、形態学的および生化学的特徴を発現する。
さらにいっそう好ましい具体例では、細胞−マトリックス構築物は、その培養中に化学的に未定義の成分を利用しないヒト由来細胞を含む定義されたシステムで形成される、ヒト皮膚構築物である皮膚の表皮層に類似する組織構築物である。
最も好ましい具体例では、本発明の組織構築物は、化学的に未定義であるか、または非ヒト生物学的成分または細胞でなく、ヒト由来細胞を含む化学的に定義されるシステムで作製される。
本発明の1つの好ましい具体例は、少なくとも1つの型の細胞外マトリックス産生細胞、および、さらに簡単には、マトリックスが、細胞を培養することによって、完全に細胞で合成され、そして組立てられる「マトリックス」と称される、内因的に産生される細胞外マトリックス成分の構造的層を包含する。この層は、ここで、細胞が、それらのマトリックス内およびそれらを通して、それら自身を分泌し、含有するので、「細胞−マトリックス構築物」または「細胞−マトリックス層」と称される。培養組織構築物は、外因性マトリックス成分を必要としせず、したがって、含まない、すなわち、マトリックス成分は、培養細胞によって産生されずに、他の手段によって導入される。いっその好ましい具体例では、ヒト皮膚の線維芽細胞によって産生される細胞−マトリックス構築物は、元来の皮膚に類似するコラーゲンの優勢な濃度を示すことが示される。電子顕微鏡によって立証されるとおり、マトリックスは、生来のコラーゲンに類似する原線維および原線維束の組織を包装することと同様に、4分の1差の67nm結合パターンを示すコラーゲンを含む自然界で多孔性である。遅延還元SDS−PAGEは、生来のヒト皮膚に見られる優勢なコラーゲン型であるこれらの構築物中のI型およびIII型コラーゲンの両方の存在を検出した。標準免疫組織化学(IHC)技術を用いて、皮膚の細胞−マトリックス構築物は、コラーゲン原線維に結合されることが知られ、そして生体内で原線維の直径を調節すると思われているデルマタン硫酸プロテオグリカンである、デコリンに対して陽性に染色する。デコリンは、TEMを用いて構築物中で可視化もされうる。産生した組織は、例えば、修復中の間葉または組織で見られる細胞外マトリックス糖タンパク質であるテナスシンに対して陽性に染色もする。生体内で修復中の組織とより同様に、培養基中で産生された組織は、マトリックスが形成されるときにI型対III型コラーゲンのそれの比を増大することが示された。理論により結合されることを望まない一方で、細胞は、それらの間の開放空間に、主にIII型コラーゲンおよびフィブロネクチンから構成される顆粒組織に類似のゆるいマトリックスで、すばやく充填し、そしてその後、このゆるいマトリックスを、主にI型コラーゲンから構成される周密マトリックスで再生すると思われる。産生された細胞−マトリックスは、ヒアルロン酸(HA)のようなグリコサアミノグリカン(GAG);フィブロネクチン;ビグリカンおよびベルシカンのようなデコリンに加えてプロテオグリカン;およびジヒアルロン酸;ジコンドロイチン−O−硫酸;ジコンドロイチン−4−硫酸;ジコンドロイチン−6−硫酸;ジコンドロイチン−4,6−硫酸;ジコンドロイチン−4−硫酸−UA−2S;およびジコンドロイチン−6−硫酸−UA−2Sのような硫酸グリコサアミノグリカンのプロファイルを含むことが示された。これらの構造的および生化学的特性は、構築物が培養基中で発生するとき、それら自身を示し、そして構築物がその最終形態に近づくときに明らかに明白である。十分に形成された培養皮膚の細胞−マトリックス構築物でのこれらの成分の存在は、その構築物が、正常な真皮のものに近づく構造的および生化学的特性を示すことを示す。
前述のリストが、培養細胞−マトリックス構築物の生化学的および構造的特性のリストであるときに、皮膚の線維芽細胞から形成され、他の型の線維芽細胞から形成される培養細胞−マトリックス構築物が、これらの特性の多く、およびそれらが起源する組織型についての他の表現型を生じることが認識されるべきである。ある種の場合には、線維芽細胞は、化学的露出または接触、物理的ストレスのいずれかにより、またはトランスジェニック手段により非表現型成分を発現するように誘導されうる。本発明の別の好ましい具体例は、その上に沈着した細胞の第二層を有する細胞−マトリックス層である。細胞の第二層を、細胞−マトリックス層で培養して、生物工学的に二層化した組織構築物を形成する。さらに好ましい具体例では、第二層の細胞は、上皮起源のものである。最も好ましい具体例では、第二層は、第一の細胞−マトリックス層と一緒に、皮膚層を形成する皮膚の線維芽細胞および内因性マトリックスから形成された細胞−マトリックス構築物が、生きた皮膚構築物を包含する培養ヒト・ケラチノサイトを包含する。十分に形成されたときに、表皮層は、基底層、超基底層、顆粒層および角質層を示すケラチノ細胞の多層化され、層にされ、そして十分に分化された層である。皮膚構築物は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって示されるときに、皮膚−表皮接合部に存在する十分に発達した基底膜を有する。基底膜は、TEMによって可視化されるときにIII型コラーゲンから構成される原線維に足場をつけることにより印される、ヘミデスモソームの周囲で最も厚くみえる。足場原線維は、基底膜から出ること、および皮膚層中のコラーゲン原線維を捕捉することを見ることができる。他の基底膜成分と同様に、これらの足場原線維は、ケラチノサイトによって分泌されることも知られている。ケラチノサイトが、それら自身での基底膜成分を分泌する能力がある場合、認識可能な基底膜は、線維芽細胞の不在下で形成しないことも知られている。本発明の皮膚構築物の免疫組織化学的染色は、基底膜タンパク質であるラミニンが存在することも示された。
細胞−マトリックス構築物を形成するための本発明の好ましい方法では、第一の細胞型である、細胞外マトリックス産生細胞型を、基質に蒔き、培養および誘導して、それらの周囲に組織化細胞外マトリックスを合成および分泌して、細胞−マトリックス構築物を形成する。本発明の別の好ましい方法では、細胞−マトリックス構築物の表面に、第二の細胞型の細胞を蒔き、そして培養して、二層組織構築物を形成する。より好ましい方法では、元来のヒト皮膚に類似の特性を示す十分な厚みの皮膚構築物が、ケラチノサイトのようなヒト上皮細胞が、播種され、そして、十分に分化した層化表皮層を形成するのに十分な条件下で培養される皮膚層である、皮膚の細胞およびマトリックスの細胞−マトリックスを形成するマトリックス合成を誘導するのに十分な条件下で、ヒト皮膚の線維芽細胞のような線維芽細胞を培養することによって形成される。
したがって、本発明の組織構築物を得る1つの方法は;
(a)外因性細胞外マトリックス成分または構造的支持体構成員の不在下で、少なくとも1つの細胞外マトリックス産生細胞型を培養すること;および
(b)段階(a)の細胞を刺激して、細胞外マトリックス成分を合成、分泌および組織化させ、それらの細胞により合成される細胞およびマトリックスから構成される組織構築物を形成し、段階(a)および(b)が、同時にまたは連続して行われるうることを包含する。
細胞−マトリックス構築物およびその上の第二の層を含む二層組織構築物を形成するために、さらに、方法は、(c)形成された組織−構築物の表面で第二の型の細胞を培養して、二層組織構築物を産生する段階を包含する。
本発明に使用するための細胞外マトリックス産生細胞型は、細胞外マトリックス成分を産生および分泌し、そして細胞外マトリックス成分を組織化して、細胞−マトリックス構築物を形成する能力のある任意の細胞型でありうる。1つ以上の細胞外マトリックス産生細胞型を、培養して、細胞−マトリックス構築物を形成しうる。異なる細胞型または組織起源の細胞を、混合物として一緒に培養して、生来の組織で見られるものと類似の相補的成分および構造を生じうる。例えば、細胞外マトリックス産生細胞型は、それと混合した他の細胞型を有して、第一の細胞型によって正常に産生されない多量の細胞外マトリックスを産生しうる。代替的には、細胞外マトリックス産生細胞型は、本発明の特定の皮膚構築物でのようなマトリックス態様の細胞−マトリックス構築物の全般的形成に実質的に寄与することなしに、組織中に特殊化された組織構造を形成する他の細胞型と混合することもできる。
任意の細胞外マトリックス産生細胞型が、本発明によって使用されうる場合、本発明に使用するための好ましい細胞型は、間葉から由来する。さらに好ましい細胞型は、線維芽細胞、間質細胞、および他の支持接触性組織細胞であり、最も好ましくは、ヒトの皮膚構築物の産生のためにヒト真皮で見られるヒト皮膚の線維芽細胞である。線維芽細胞は、一般に、本質的にコラーゲンである、多量の細胞外マトリックスタンパク質を産生する。線維芽細胞によって産生される数種の型のコラーゲンがあるが、しかし、I型コラーゲンは、生体内で最も有効である。ヒト線維芽細胞株は、制限されないが、新生男児包皮、真皮、腱、肺、臍帯、軟骨、尿道、角膜基質、口腔粘膜、および腸を含めた多数の起源から誘導されうる。ヒト細胞としては、線維芽細胞に限定されず、平滑筋細胞、軟骨細胞、および間葉起源の他の接触性組織細胞が挙げられる。組織構築物の産生に使用されるマトリックス産生細胞の起源が、本発明の培養法を使用した後に類似または模倣すべきものである組織型から由来することは、要求されないが、好ましい。例えば、皮膚構築物が産生される具体例では、好ましいマトリックス産生細胞は、線維芽細胞、好ましくは皮膚起源のものである。別の好ましい具体例では、毛包の皮膚乳頭からの顕微解剖によって単離される線維芽細胞は、マトリックス単独、または他の線維芽細胞に結合して産生するのに使用されうる。角膜構築物が産生される具体例では、マトリックス産生細胞は、角膜間質から由来する。細胞供与体は、発達および年齢で変化しうる。細胞は、胚、新生児、または成人を含めたより年齢の高い個体の供与組織から由来しうる。間葉幹細胞のような胚先祖細胞は、本発明に使用でき、そして所望の組織に発達するまで分化を誘導しうる。
ヒト細胞が、本発明に使用するのに好ましいが、その方法に使用されるべき細胞は、ヒト起源から得られる細胞に限定されない。他の哺乳類種から得られる細胞は、限定されないが、ウマ、イヌ、ブタ、ウシ、およびヒツジ起源が挙げられる;またはマウスまたはラットのようなげっ歯類種が使用しうる。さらに、自発的に、化学的に、またはウイルスで形質移入または組換え細胞または遺伝子操作した細胞である細胞も、本発明に使用されうる。1つ以上の細胞型を組込む具体例のものについては、2つまたはそれ以上の起源から得られる正常な細胞のキメラ混合物;正常で遺伝的に修飾した、または形質移入した細胞の混合物;または2つまたはそれ以上の種または組織起源の細胞の混合物が使用されうる。
組換えまたは遺伝子操作された細胞は、自然の細胞産物または治療薬を用いた治療法のレベルを増大させる必要のある患者についての薬物送出移殖片として作用する組織構築物を作製する細胞−マトリックス構築物の産生に使用しうる。細胞は、連続量の時間、または患者に存在する症状により生物学的、化学的、または熱的に信号発生されるときに必要とされる場合、移殖片組換え細胞産物、成長因子、ホルモン、ペプチドまたはタンパク質を介して患者に生成および送出しうる。長期または短期のいずれかの遺伝子産物発現は、培養組織構築物の指示によって望みうる。長期発現は、培養組織構築物が、延長された期間、患者に治療用製品を植付けて送出するときに望ましい。対照的に、短期発現は、培養組織構築物が、培養組織構築物の細胞が正常なまたは正常に近い治癒を促進するか、または創傷部位の乱切を減少させることにある創傷を示す患者に移植される例で望ましい。いったん創傷が治ったら、培養組織構築物から得られる遺伝子産物は、もはや必要とされないか、その部位ではもはや望ましくない。細胞は、ホルモン性でなく、高いレベルで発現または細胞外マトリックス、そして改善された創傷治癒にとって治療的に有利である生きた細胞を含ませた移殖片デバイスを、新生血管形成を促進または指示するか、または瘢痕またはケロイド形成を最小限にさせるある種の方法で修飾されたタンパク質または異なる型の細胞外マトリックス成分を発現するように遺伝子操作されうる。これらの手段は、一般に、当業界で知られ、そしてSambrookら、分子クローニング、実験室マニュアル、コールド・スプリング・ハーバー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1989年)に記述され、参照してここに組込まれる。上述型の細胞の全ては、本発明に使用される場合、「マトリックス産生細胞」の定義の範囲内に含まれる。
線維芽細胞により産生される優勢な主要な細胞外マトリックス成分は、原線維コラーゲン、特にコラーゲンI型である。原線維コラーゲンは、細胞−マトリックス構造での主要な成分である;しかし、本発明は、このタンパク質またはタンパク質型のみから構成されるマトリックスに限定されない。例えば、他のコラーゲンは、コラーゲン型II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、XVII、XVIII、XIXのようなコラーゲンファミリーから得られる原線維性および非原線維性コラーゲンの両方は、適切な細胞型の使用によって産生されうる。同様に、最近の方法を用いて産生および沈着されうる他のマトリックスタンパク質としては、それに限定されないが、エラスチン;デコリンまたはビグリカンのようなプロテオグリカン;またはテナスシンのような糖タンパク質;ビトロネクチン;フィブロネクチン;ラミニン、スロボスポリンI、およびヒアルロン酸(HA)のようなグリコサアミノグリカン(GAG)が挙げられる。
マトリックス産生細胞は、三次元組織様構造の形成に対処する培養皿、フラスコ、または回転ボトルのような動物細胞または組織培養物に適切な容器中で培養される。細胞が育成されうる適切な細胞成長表面は、細胞が、付着でき、そして細胞−マトリックス構築物を形成するための足場手段を提供できる、任意の生物学的に適合性のある材料でありうる。ガラス;ステンレス鋼;ポリカルボネート、ポリスチレン、塩化ポリビニル、ポリビニリデン、ポリジメチルシロキサン、フルオロポリマー、およびフッ化エチレンプロピレンを含めた重合体;および融合シリカ、ポリシリコン、またはシリコン結晶を含めたシリコン基質のような材料が、細胞成長表面として使用しうる。細胞成長表面材料は、化学的に治療または修飾されるか、静電気的に負荷されるか、またはポリリシンまたはペプチドのような生物学的製品で被覆されうる。ペプチド被覆の例は、RGDペプチドである。
本発明の組織構築物が、固形細胞成長表面で育成されうる場合、発達組織構築物への培地の二層接触を可能にするか、または培養のみからの接触に対処する膜の頂部および底部表面の両方を連通する孔を有する細胞成長表面が、好ましい。二層接触は、培地に、培地中に含まれる栄養に露出する最大限の表面領域についての発達中の構築物の頂部および基底の両方を接触させる。培地は、形成培養組織構築物の底部のみとも接触し、その結果、頂部表面は、培養皮膚構築物の発達にあるときに、空気にさらされ得る。好ましい培養容器は、担体挿入物、培地を含む培養容器中で懸濁される多孔性膜のような培養処理透過構成員を利用するものである。典型的には、膜は、蓋で覆われ得るペトリ皿または培養皿のような基底内に挿入され、そして干渉する環状構成員またはフレームワークの一方の末端に確保される。多孔性膜を有する担体挿入物を組込む培養容器が、当業界で知られ、そして本発明を行うのに好ましく、そしてそのいくつかが、市販で入手可能になった分野で、第5,766,937号、第5,466,602号、第5,366,893号、第5,358,871号、第5,215,920号、第5,026,649号、第4,871,674号、第4,608,342号を含めた多くの米国特許に記述され、それらの開示は、ここに組込まれる。これらの型の培養容器が使用される場合、組織構築物は、膜の一方の表面で産生され、好ましくは上方に向かう表面である頂部が好ましく、そして培養物は、頂部および基底表面の両方で細胞培地によって接触される。成長表面での孔は、膜を通した望ましくない培養物に栄養を供給するための培養培地の継代に対処し、したがって、細胞が、二層にまたは、基底側から唯一供給させる。好ましい孔サイズは、膜を通した細胞の成長に対処しないだけ十分に小さく、さらに、毛管作用によるように、細胞−マトリックス構築物の基底表面まで培養培地で含有される栄養の自由な通路に対処するのみ十分大きなものである。好ましい孔サイズは、約3ミクロン未満であるが、約0.1ミクロンから約3ミクロンの間、さらに好ましくは約0.2ミクロンから約1ミクロンまでの間、そして最も好ましくは約0.4ミクロンから約0.6ミクロンサイズ孔が使用される。ヒト皮膚の線維芽細胞の場合には、最も好ましい材料は、孔サイズが、約0.4から約0.6ミクロンの間であることを示すポリカルボレートである。最大限の孔サイズは、細胞のサイズのみならず、その形状を変化し、そして膜を通過する細胞の能力にも依存する。組織様構築物が、表面に付着するが、基質を組込んだり、または包んだりせず、それにより、最小限の力で剥ぎ取ることによるように、それから脱着可能であることが重要である。形成された組織構築物のサイズおよび形状は、それが成長する容器表面または膜のサイズによって検出される。基質は、丸であるか、尖っているか、または丸められたコーナー角を有する形状、または不規則な形状でありうる。基質は、平坦であるか、または創傷で干渉するか、生来の組織の物理的構造を模倣する形状構築物を産生する型として輪郭を描くこともできる。成長基質の大きな表面領域の原因を示すために、割合と多い細胞を、表面に蒔き、そして多量の培地が、細胞を十分に包みそして栄養分を与えることが必要とされる。組織構築物が、最終的に形成される場合、単独層細胞−マトリックス構築物または二層構築物であろうとなかろうと、患者に移植する前に膜基質から剥ぎ取ることによって除去される。
本発明の培養組織構築物は、組織構築物の形成のための、網目構成員のような合成または生体吸収性構成員に依存しない。網目構成員は、織物、編物またはフェルト材料として組織化される。網目構成員が使用されるシステムでは、細胞は、網目構成員上で培養され、そして網目の間隙の側面および範囲内で成長して、培養組織構築物内に網目を包み、そして組込む。このような網目を組込む方法によって形成される最終構築物は、物理的支持体として、そしてバルクとしてそれに依る。合成網目構成員に依る培養組織構築物の例は、Naughtonらに対する米国特許番号第5,580,781号、第5,443,950号、第5,266,480号、第5,032,508号、第4,963,489号に見られる。
細胞−マトリックス層の産生のためのシステムは、静電気的であるか、または培養培地への灌流手段を使用しうる。静電気的システムでは、培養培地は、培地が運動中である灌流システムと対照的になお、そして比較的運動性がない。培地の灌流は、細胞の生存性に影響し、そしてマトリックス層の発達を増大する。灌流手段としては、それに限定されないが、培地を攪拌するために、培養膜を含む基質担体のすぐ下(下に)に、または隣接する培養皿中に磁性攪拌棒または動力付き圧縮器を使用すること;培養皿またはチャンバー内に、またはを通して培地を引き抜くこと;振蘯または回転プラットホーム上で培養皿を温和に曝気すること;またはローラーボトル中で生じた場合、回転させることが挙げられる。他の灌流手段は、本発明の方法に使用するために当業者によって決定されうる。
本発明に使用するのに適する培養培地形成は、培養されるべき細胞型および産生されるべき組織構造に基づいて選択される。使用される培養培地、および細胞成長を促進するのに必要とされる特定培養条件、マトリックス合成、および生存性は、育成される細胞の型による。
本発明の生物工学的二層皮膚構築物の作製でのようなある種の例では、培地組成は、様々な補足が様々な目的のための必要である場合、作製の各段階で変化する。好ましい方法では、細胞−マトリックス層は、定義された条件下で形成される、すなわち、化学的に定義された培地で培養される。別の好ましい方法では、組織構築物は、両方の細胞型が、定義の培養培地で培養される、そこで沈着し、培養された細胞の第二の層を具備する細胞−マトリックス層を包含する。代替的に、組織構築物は、定義された培地条件下で作製された細胞−マトリックス層、および未定義の培地条件下でそこに形成される第二の層を包含する。逆に、組織構築物は、未定義の培地条件下で作製されうる細胞−マトリックス層、および定義された培地条件下でその上に形成される第二の層を包含する。
化学的に定義された培養培地の使用が好ましく、すなわち、未定義の動物臓器のない培地または、組織抽出物例えば、血清、下垂体抽出物、視床下部抽出物、胎盤抽出物、または胚抽出物、および供給細胞によって分泌されるタンパク質および因子である。最も好ましい具体例では、培地は、未定義の成分および非ヒト起源から由来する定義された生物学的成分を含まない。未定義の成分の添加は、好ましくないが、それらは、組織構築物を首尾よく作製するために、培養基中で任意の点で開示方法によって使用されうる。本発明は、非ヒト動物源から由来する化学的に定義した成分を用いてスクリーニングしたヒト細胞を利用することを行うときに、結果物である組織構築物は、定義されたヒト組織構築物である。合成官能当量を添加して、最も好ましい作製方法に使用するために化学的に定義された定義の全範囲内の化学的に定義された培地を補足しうる。一般に、細胞培養の当業者は、適切な自然のヒト、ヒト組換え体、または過度の調査または実験なしに、本発明の培養培地を補足する一般に公知の動物成分に対する合成等価物を決定できる。診療所でこのような構築物を使用する上での利点は、偶発的動物または交雑種ウイルス混入および感染の関係が減少されることである。試験のシナリオで、化学的に定義された構築物の利点は、試験されるときに、未定義の成分の存在により、混乱されるべき結果の機会がないことである。
培養培地は、通常さらに、他の成分で補足された栄養塩基から構成される。習熟者は、本発明の組織構築物を首尾よく産生することについて理にかなった見込みを動物細胞培養の分野で適切な栄養塩基を決定できる。多くの市販で入手可能な栄養源は、本発明の実施の上で有用である。これらとしては、ダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM);最小必須培地(MEM);M199;RPMI1640;イスコフの修飾ダルベッコ培地(EDMEM)のような無機塩、エネルギー源、アミノ酸、およびB−ビタミンを供給する市販で入手可能な栄養源が挙げられる。最小必須培地(MEM)およびM199は、リン脂質前駆体および非必須アミノ酸での追加の補足を必要とする。追加のアミノ酸、核酸、酵素コファクター、リン脂質前駆体、および無機塩を供給する市販で入手可能なビタミン富化混合物としては、ハムのF−12、ハムのF−10、NCTC109、およびNCTC135が挙げられる。濃度を変化させる上であろうと、全ての基本培地は、他の基本培地成分と一緒に、グルコース、アミノ酸、ビタミンおよび無機イオンの境内で細胞についての基礎的栄養源を提供する。本発明の最も好ましい基本培地は、カルシウム不含または低カルシウムのダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)のいずれかの栄養塩基、または代替的に、それぞれ3対1の比から1対3の比までの間のDMEMおよびハムのF−12を包含する。
基本培地は、アミノ酸、成長因子およびホルモンのような成分で補足される。本発明の細胞の培養のための定義培養培地は、Parenteauに対する米国特許番号第5,712,163号、および国際PCT公報番号WO95/31473号に記述され、それらの開示は、参照してここに組込まれる。他の培地は、HamおよびMcKeehan、Methods in Enzymology、58巻:44−93頁(1979年)で開示されるもののように当業界で公知であるか、または他の適切な化学的に定義された培地については、Bottensteinらで、Methods in Enzymology、58巻:94−109頁(1979年)に開示される。好ましい具体例では、基本培地は、動物細胞培養で習熟者に知られている以下の成分で補足される。インシュリン、トランスフェリン、トリヨードチロニン(T3)、および補足についての濃度および置換が、習熟者によって決定されうる、いずれかまたは両方のエタノールアミンおよびo−ホスホリル−エタノールアミン。
インシュリンは、多重継代より長期間利点を供するグルコースおよびアミノ酸の摂取を促進するポリペプチドホルモンである。インシュリンまたはインシュリン様成長因子(IGF)の補足は、グルコースおよびアミノ酸を取込む細胞の能力の最終的枯渇、および細胞表現型の可能性のある分解がある場合に長期培養に必要である。インシュリンは、動物、例えばウシ、ヒト源または、ヒト組換えインシュリンのような組換え手段によって誘導されうる。したがって、ヒト・インシュリンは、非ヒト生物学的源から由来しない化学的に定義された成分の資格がある。インシュリン補足は、一連の培養に適切であり、そして広範な濃度で培地に供給される。好ましい濃度範囲は、約0.1μg/mlから約500μg/mlまでの間、さらに好ましくは約5μg/mlから約400μg/ml、そして最も好ましくは約375μg/mlである。IGF−1またはIGF−2のようなインシュリン様成長因子の補足のための濃度は、培養のために選択された細胞について当業者によって容易に決定されうる。
トランスフェリンは、鉄輸送調節のための培地内にある。鉄は、血清に見られる必須の痕跡要素である。鉄は、その遊離形態で細胞に毒性でありうるので、血清中では、好ましくは約0.05から約50μg/mlの間、さらに好ましくは約5μg/mlの濃度範囲でトランスフェリンに結合した細胞に供給される。
トリヨードチロニン(T3)は、基本的成分であり、そして細胞代謝の速度を維持する培地中に含まれるチロイドホルモンの活性形態である。トリヨードチロニンは、約0から約400pMの間の、さらに好ましくは約2から約200pMの間の濃度範囲で、そして最も好ましくは約20pMで培地に補足される。
リン脂質であるエタノールアミンおよびo−ホスホリル−エタノールアミンのいずれかまたは両方を、その機能が、イノシトール経路および脂肪酸代謝での重要な前駆体であるものに添加する。血清に正常に見られる脂質の補足は、血清不含培地で必要である。エタノールアミンおよびo−ホスホリル−エタノールアミンは、約10-4から約10-2Mまでの間の濃度範囲で、さらに好ましくは約1×10-4Mで培地に供される。
培養期間中に、基本培地に、合成または分化を誘導するか、またはヒドロコルチゾン、セレニウムおよびL−グルタミンのような細胞成長を改善する他の成分をさらに補足される。
ヒドロコルチゾンは、ケラチノサイト表現型を促進する、したがって、被膜およびケラチノサイトトランスグルタミナーゼ含有量のような分化した特徴を増強するケラチノサイト培養で見られた(Rubinら、J.Cell Physiol.、138巻:208−214頁(1986年))。したがって、ヒドロコルチゾンは、ケラチノサイトシート状移殖片または皮膚構築物の形成でのようなこれらの特徴が、有益である例で、望ましい添加剤である。ヒドロコルチゾンは、約0.01μg/mlから約4.0μg/mlの濃度範囲で、最も好ましくは約0.4μg/mlから16μg/mlの間で提供されうる。
セレニウムを、血清不含培地に添加して、血清によって正常に供給されるセレニウムの痕跡要素を再補足する。セレニウムは、約10-9から約10-7Mまでの濃度範囲で、最も好ましくは約5.3×10-8Mで培地に供されうる。
アミノ酸L−グルタミンは、ある種の栄養基本に存在し、そして存在しないか、または不十分な量存在する場合に添加されうる。L−グルタミンは、グルタMAX−ITM(ジブコ・ビーアールエル、ニューヨーク州グランドアイランド)の商標の下販売されるもののような安定な形態で供給もされる。グルタMAX−ITMは、L−アラニル−L−グルタミンの安定なジペプチド形態であり、そしてL−グルタミンと相互交換的に使用でき、そしてL−グルタミンに対する置換基として当モル濃度で供給される。ジペプチドは、保存での時間を超えて、そして培地中のL−グルタミンの有効な濃度での不確かさに至りうるインキュベーション期間じゅう分解からのL−グルタミンに対する安定性を提供する。典型的には、基本培地に、好ましくは約1mMから約6mMの間、さらに好ましくは約2mMから約5mMまでの間、そして最も好ましくは4mMのL−グルタミンまたはグルタMAX−ITMを補足する。
表皮成長因子(EGF)のような成長因子は、細胞規模拡大および播種を通して培養物の確立の助けになる培地にも添加されうる。生来の形態でのEGFまたは組換え形態が使用されうる。ヒト形態、生来の、または組換え体のEGFは、非ヒト生物学的成分を含まない皮膚等価物を作成するときに、培地で使用することが好ましい。EGFは、任意の成分であり、そして約1から約15ng/mLの間、さらに好ましくは約5から10ng/mLの間の濃度で供される。
上に記述される培地は、一般に、下に規定されるとおり製造される。しかし、本発明の成分が、それらの物理的特性に匹敵する従来の方法論を用いて作製および組立てられうると解釈されるべきである。入手可能性または経済性の目的で、特定の成分を、適切な類似体または機能的に等価な作用剤に置換し、そして類似の結果を達することが当業者によく知られている。自然に発生する成長因子は、本発明の作業に使用される場合に、類似の質および結果を示す組換えまたは合成成長因子に置換されうる。
本発明による培地は、無菌である。無菌成分は、無菌のものを購入するか、または製造後の濾過のような従来の手段によって無菌にさせる。適切な防腐手段は、以下の実施例を通して使用された。DMEMおよびF−12を、最初に合せ、そしてその後、個々の成分を添加して培地を完成させる。全ての成分の保存溶液は、4℃で保存されうる栄養源を除いて、−20℃で保存できる。全ての保存溶液は、上に列記される500×最終濃度で作製される。インシュリン、トランスフェリンおよびトリヨードチロニン(全てシグマから得た)の保存溶液は、以下のとおり作製される:トリホードチロニンは、2:1の比で1N塩酸(HCl)中の絶対エタノールに最初に溶解される。インシュリンは、希釈HCl(およそ0.1N)で溶解され、そしてトランスフェリンは、水に溶解される。その後、3つは、水で500×濃度まで混合および希釈される。エタノールアミンおよびo−ホスホリル−エタノールアミンは、水で500×濃度まで溶解され、そして濾過して無菌化する。プロゲステロンを、絶対エタノールに溶解し、そして水で希釈する。ヒドロコルチゾンを、絶対エタノールに溶解し、そしてリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で希釈する。セレニウムを、水で500×濃度まで溶解し、そして濾過して無菌化する。EGFは、無菌を購入し、そしてPBSに溶解させる。アデニンは、溶解するのが困難であるが、当業者に知られる任意の数の方法によって溶解されうる。血清アルブミンは、それらを溶液中で安定化するために、ある種の成分に添加でき、そして現在、ヒトまたは動物源のいずれから誘導される。例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)またはウシ血清アルブミン(BSA)を、長期保存のために、添加して、プロゲステロンおよびEGF保存溶液の活性を維持しうる。培地は、作製直後に使用するか、または4℃で保存されるかのいずれかでありうる。保存の場合、EGFは、使用の時まで添加されるべきでない。
マトリックス産生細胞の培養により細胞−マトリックス層を形成するために、培地に、細胞によるマトリックス合成および沈着を促進する追加の剤を補足する。これらの補足剤は、細胞適合性があり、高度の純度に定義され、そして混入を含まない。細胞−マトリックス層を生成するのに使用される培地は、「マトリックス産生培地」と称される。
マトリックス産生培地を作製するために、基本培地に、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸のようなアスコルベート誘導体、またはL−アスコルビン酸ホスフェートマグネシウム塩n−ハイドレートのようなそのいっそう化学的に安定な誘導体の内の1つを補足する。アスコルベートを添加して、沈着コラーゲン分子に対する可溶性前駆体である、プロリンの水酸化およびプロコラーゲンの分泌を促進する。アスコルベートは、I型およびIII型コラーゲン合成のアップレギュレーターと同様に、他の酵素後期翻訳過程のための重要なコファクターであることも示された。
理論によって結合されることを望まない一方で、タンパク質合成に関与したアミノ酸を有する培地を補足することで、細胞にアミノ酸それら自身を生成させる必要のないことにより、細胞エネルギーを保存する。プロリンおよびグリシンの添加は、プロリンの水酸化形態、ヒドロキシプロリンと同様に、それらが、コラーゲンの構造を作る基本的アミノ酸である場合好ましい。
必要とされない場合、マトリックス産生培地に、都合により、中性高分子を補足する。本発明の細胞−マトリックス構築物は、中性高分子なしに生成され得るが、しかし、理論に結び付けられることを望まないで、マトリックス産生培地でのその存在は、コラーゲン過程およびサンプルの間にいっそう一定な沈着でありうる。1つの好ましい中性高分子は、マトリックス沈着コラーゲンに対して、培養細胞により産生される可溶性先駆体プロコラーゲンの生体外での過程を促進することが示されたポリエチレングリコール(PEG)である。約1000から約4000MW(分子量)の間、さらに好ましくは約3400から約3700MWの間の範囲内の組織培養グレードのPEGは、本発明の培地に好ましい。好ましいPEG濃度は、約5%w/vまたは未満の濃度で、好ましくは約0.01%w/vから約0.5%w/vまで、さらに好ましくは約0.025%w/vから約0.2%w/vまでの間、最も好ましくは約0.05%w/vでありうる方法で使用するためのものである。デキストランのような、好ましくはデキストランT−40、またはポリビニルピロリドン(PVP)、好ましくは30,000−40,000MWの範囲内の他の培養グレードの中性高分子も、約5%w/vまたは未満の濃度で、好ましくは約0.01%w/vから約0.5%w/vまで、さらに好ましくは約0.025%w/vから約0.2%w/vまでの間、最も好ましくは約0.05%w/vで使用することもできる。他の細胞培養グレードおよびコラーゲン過程および沈着を増強する細胞適合性剤は、哺乳類細胞培養の技術で習熟した者によって確定されうる。
細胞産生細胞が、融合され、そして培養培地に、マトリックス合成、分泌、または組織化で支援する成分を補足する場合、細胞は、それらの細胞によって合成された細胞およびマトリックスから構成される組織構築物を形成するのを刺激するようである。
したがって、好ましいマトリックス産生培地処方としては、ダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)(高グルコース処方、L−グルタミンなし)および4mMのL−グルタミンまたは等価物、5ng/ml上皮成長因子、0.4μg/mlヒドロコルチゾン、1×10-4Mのo−ホスホリル−エタノールアミン、5μg/mlインシュリン、5μg/mlトランスレリン、20pMトリヨードチロニン、6.78ng/mlセレニウム、50ng/mlのL−アスコルビン酸、0.2μg/mlのL−プロリン、および0.1μg/グリシンで補足されたハムF−12培地の基本的3:1混合物を包含する。産生培地のために、他の薬理学的剤を、培養物に添加して、分泌される細胞外マトリックスの特性、量、または型を変化させうる。これらの剤としては、ポリペプチド成長因子、転写因子、またはコラーゲン転写を上向きに調節する無機塩が挙げられる。ポリペプチド成長因子の例としては、形質転換成長因子β1(TGF−β1)および組織−プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)が挙げられ、その両方は、コラーゲン合成を上向きに調節することが知られている。Raghowら、Journal of Clinical Investigation、79巻:1285−1288頁(1987年);Pardesら、Journal of Investigative Dermatology、100巻:549頁(1993年)。コラーゲン産生を刺激する無機塩の例は、セリウムである。Shivakumarら、Journal of Molecular and Cellular Cardiology、24巻:775−780頁(1992年)。
培養は、インキュベーターで維持されて、細胞の培養について制御温度、湿度、および気体混合物の十分な環境条件を確保する。好ましい条件は、約5−10±1%CO2の間の雰囲気および約80−90%の間の相対湿度(Rh)で、約34℃から約38℃までの間、さらに好ましくは37±1℃である。
好ましい具体例では、細胞−マトリックス構築物は、皮膚線維芽細胞およびそれらの分泌マトリックスから形成される皮膚構築物である。好ましくは、ヒト皮膚線維芽細胞が使用され、真皮から得られるか、またはいっそう好ましくは樹立細胞保存液またはウイルスおよび細菌混入に対してスクリーニングされ、そして純度について試験されたバンクから連続して継代されるか、または二次培養されるものから得られる一次細胞として誘導される。細胞を、育成培地中で十分な条件下で培養して、それらを、細胞−マトリックス構築物を形成する細胞を培養基質に播くのに適切な数まで増殖させる。代替的には、凍結細胞保存液から得られる細胞を、培養基質に直接播きうる。
いったん十分な細胞数が得られたら、細胞を回収し、適切な培養表面に蒔き、そして適切な成長条件下で培養して、細胞の融合シートを形成する。好ましい具体例では、細胞を、孔を通して、そして上に直接培養物の下から培地を接触させるために隠されている多孔性膜に蒔く。好ましくは、細胞を、基本または育成培地のいずれかに懸濁させ、そして細胞培養表面に、約1×105細胞/cm2から約6.6×105細胞/cm2までの間、さらに好ましくは約3×105細胞/cm2から約6.6×105細胞/cm2までの間、そして最も好ましくは約6.6×105細胞/cm2(表面の平方センチメートル当たりの細胞)の密度で蒔く。培養物を、育成培地で培養して、培養物を樹立し、そしてそれらが、培地を、細胞外マトリックスの合成および分泌を上昇調節するために、マトリックス産生培地に交換することによって、化学的に誘導される時に、約80%から100%融合の間に培養する。選択的方法では、細胞を、産生培地に直接蒔いて、基本培地から産生培地に交換する必要性を排除するが、しかし、それは、高い種付け密度を必要とする方法である。
培養の間じゅう、線維芽細胞は、分泌されたマトリックス分子を組織化して、三次元組織様構造を形成するが、形成する細胞−マトリックス構築物に、培養基質からそれ自身を接触および剥ぎ取りさせる明らかな収縮力を示さない。培地交換は、新たなマトリックス産生培地で2から3日毎に行われ、やがて、分泌マトリックスは、厚みおよび組織化において増大する。細胞−マトリックス構築物を作製するのに必要な時間は、当初の播種濃度の能力、細胞型、セルラインの年齢、およびマトリックスを合成および分泌するセルラインの能力に依存する。十分に形成された場合、本発明の構築物は、細胞によって産生および組織化される線維性マトリックスにより塊状厚みを示す;それらは、細胞が、互いにゆるく粘着性でありうる場合、通常に融合であったり、または過度に融合する細胞培養であったりしない。線維性品質は、それらが、医療設定での日常の取扱いで亀裂またはクラッキングのような物理的損傷に抵抗するので、通常の培養と違って、構築物に粘着性組織様特性を付与する。培養皮膚構築物の作製で、細胞は、細胞培養表面上でそれら自身の周囲に、膜の表面を越えて、好ましくは少なくとも厚み約30ミクロンまたはそれ以上、さらに好ましくは厚み約60から約120ミクロンの間の組織化マトリックスを形成する;しかし、厚みは、120ミクロンの過剰で得られ、そしてこのような厚み増大が必要とされる試験または医療用途に使用するのに適している。
いっそう好ましい方法で、上皮細胞層を、1つの表面に、好ましくは細胞−マトリックス構築物の上向きに面する表面である頂部に塗布される。細胞−マトリックス構築物に、上皮細胞を、その上に蒔き、そして培養して、多層組織構築物を形成しうる。最も好ましい方法では、皮膚から由来するケラチノサイトは、その細胞構築物上で育成して、皮膚構築物を形成する。他の好ましい具体例では、角膜ケラチノサイトとも称される角膜上皮細胞を、細胞−マトリックス構築物上に蒔いて、角膜構築物を形成しうる。口腔粘膜から得られる上皮細胞を、細胞−マトリックス構築物上で育成して、口腔粘膜の構築物を形成しうる。食道から得られる上皮細胞を、細胞−マトリックス構築物上に蒔いて、食道組織の構築物を形成しうる。尿生殖器管から得られる尿管上皮細胞を、細胞−マトリックス構築物上で育成して、尿管上皮の構築物を形成しうる。上皮由来の他の細胞を選択して、それらの細胞が由来する組織の構築物を形成しうる。
表皮細胞を皮膚基質に供給する方法、および分化および角質化の誘導を含めたそれらを培養して、分化したケラチノサイト層を形成する方法は、当業界に知られており、そしてParenteauらに対する米国特許番号第5,712,163号に、そしてKempらに対する米国特許番号第5,536,656号に記述され、その内容は、参照してここに組込まれる。細胞−マトリックス構築物の表皮化生を行うために、ケラチノサイトを、細胞−マトリックス構築物に蒔き、そしてその層が、厚み約1から3個の細胞層であるまで、その上で培養する。その後、ケラチノサイトを、分化に誘導して、多層真皮を形成し、そしてその後、角質化を誘導して、角質層を形成する。
分化表皮層を形成する方法で、二次培養ケラチノサイトを、細胞保存液から取り、そしてそれらの細胞数を拡大する。必要数の細胞が得られるときに、それらは、培養基質から放出され、懸濁され、計数され、希釈され、そしてその後、細胞−マトリックス構築物の頂部表面に、約4.5×103細胞/cm2から約5.0×105細胞/cm2までの間、さらに好ましくは約1.0×104細胞/cm2から約1.0×105細胞/cm2までの間、そして最も好ましくは約4.5×104細胞/cm2の密度で、蒔かれる。その後、構築物を、約60から約90分の間、37±1℃で、10%CO2でインキュベートして、ケラチノサイトを付着させる。インキュベーション後、構築物を、表皮化生培地で浸水させる。培養物での十分な長さの時間の後、ケラチノサイト増殖し、そして拡大して、細胞−マトリックス構築物を越えて融合単層を形成する。いったん融合されると、細胞培地処方を、分化培地に交換して、細胞分化を誘導する。多層上皮が形成されたときに、その後、角質化培地を使用し、そして培養物に空気−液体干渉にかける。ケラチノサイトの分化および角質化について、細胞を、乾燥または低湿度空気−液体干渉に曝す。乾燥または低湿度干渉は、皮膚の低湿度レベルを複写する試みとして特徴づけうる。やがて、ケラチノサイトは、これらの条件に曝された場合に、生来の皮膚で見られるほとんどまたは全ての角質および他の特徴を表す。
上に記述されるとおり、細胞−マトリックス構築物の産生のためのシステムは、角膜の構築物の形成に使用しうる。角膜の上皮細胞は、様々な哺乳類源から由来しうる。好ましい上皮細胞は、ウサギまたはヒトの角膜上皮細胞(角膜のケラチノサイト)であるが、しかし任意の哺乳類角膜ケラチノサイトが使用されうる。眼の強膜または上皮から由来するもののような他の上皮ケラリノサイトは、置換されうるが、しかし角膜のケラチノサイトが好ましい。角膜の構築物を形成する方法では、バイオセンサー位置を、培養挿入物(細胞−マトリックス構築物を含む)およびその周囲から除去した。正常なウサギの角膜の上皮細胞を、継代培養を介して拡張され、トリプシン分解して、それらを培養基質から除去し、培養培地に懸濁し、そして約7.2×104細胞/cm2から約1.4×105細胞/cm2までの間の密度で、膜の頂部に蒔種する。その後、構築物を、37±1℃で、約4時間、10%CO2で、培地なしにインキュベートして、上皮細胞を付着させる。インキュベーション後、構築物を、角膜の維持培地(CMM)(Johnsonら、1992年)に継代培養する。細胞−マトリックス構築物が、上皮細胞で覆われるまで、上皮細胞を培養する。上皮被覆の完全性は、硫酸ニルブルーの溶液(リン酸緩衝生理食塩水中で1:10,000)で培養物を染色することによる例示として、多様な方法によって確証されうる。およそ7日後、いったん細胞−マトリックス構築物が覆われると、構築物を、無菌で、ちょうど構築物の表面までの液体レベルに達するのに十分な角膜維持培地(CMM)を有する新たな培養トレイに移し、上皮層の浸水なしに湿潤干渉を維持する。構築物を、37±1℃、0%CO2で、60%湿度より大きくて、CMMを用いて、必要な場合、典型的には週当たり3回、培地交換させながら、インキュベートする。
角膜構築物の産生に必要な場合、上皮細胞層の角質化なしに分化については、上皮細胞表面を、湿潤な空気−液体干渉に曝す。湿潤な空気−液体干渉を提供する方法は、Parenteauに対する米国特許番号第5,374,515号に記述されている。ここで使用される場合、語句「湿潤な干渉」は、調節され、その結果構築物の表面が、高湿度であって、乾燥または浸水でない湿潤である培養環境を意味することが意図される。培養環境での湿気および湿度の正確なレベルは、重要でないが、角質化細胞の形成を避けるのに十分に湿潤でそして湿度であるべきである。湿潤な干渉は、ヒトの眼の類似の湿気レベルを複写する試みとして特徴づけることができる。
代替の好ましい具体例では、第二のマトリックス産生細胞の種付けが、第一の形成細胞−マトリックス構築物で行われて、厚みのある細胞−マトリックス構築物または二層細胞−マトリックス構築物を得ることができる。第二の種付けは、望ましい結果によって、同じ細胞型または染色で、または異なる細胞型または染色で行われる。第一層の産生に使用された手段およびマトリックス産生培地を用いて、同じ条件下で、第二の種付けを行う。異なる細胞型で第二の種付けを行う上での1つの結果は、構築物が、患者に移植されるときに、創傷治癒に影響を及ぼす異なるマトリックス成分プロファイルまたはマトリックスパッケージング密度で形成されるマトリックスを有することである。第一の細胞種付けは、真皮の網状層、いっそう周密に包装されたI型コラーゲンの層、および構成成分の細胞外マトリックス成分に類似のマトリックスを生じる。第二の細胞種付けは、ゆるいコラーゲン原線維および細胞外マトリックスによって特徴づけられる真皮の平行層に類似のマトリックスを生じる。第二の細胞型での別の結果は、改善された試験片摂取または試験片介入または瘢痕形成の最小化または防止のような創傷治癒に影響する治療用物質生じうる。
別の好ましい具体例では、使用される少なくとも1つの細胞型が、細胞外マトリックスを合成する能力がある場合、2つまたはそれ以上の細胞型の混合細胞集団は、細胞−マトリックス構築物の形成の間じゅう一緒に培養されうる。第二の細胞型は、他の組織機能を行うか、または組織構築物の特定の構造的特性を発生するのに必要とされるものでありうる。例えば、皮膚構築物の産生では、付属器から得られる皮膚の乳頭細胞または上皮細胞を、マトリックス産生細胞で培養して、上皮付属器またはそれらの成分の形成を可能にしうる。汗腺または皮脂腺構造または成分または毛包構造または成分のような上皮付属器は、マトリックス産生細胞と一緒に培養したときに、形成しうる。上皮細胞は、腺の付属器構造から由来でき、そして毛髪は、顕微解剖によるように、深部真皮に配置され、そして外分泌細胞、筋上皮細胞、腺の分泌細胞、毛包幹細胞が挙げられる。メラノサイト、ランゲルハンス細胞、およびメルケル細胞のような皮膚を構築する皮膚で見られる他の細胞型も、加えられうる。同様に、血管内皮細胞を、同時培養して、新たな脈管構造形成についての痕跡成分を生じうる。脂肪細胞を、マトリックス産生細胞と培養して、再構築手術のために使用される構築物を形成しうる。この第二の細胞型の送出の代替的態様として、細胞を、これらの構造の局在発生について、形成または完全に形成された細胞−組織マトリックス上で、または内にスポットとして、または細胞の任意の数のスポットの配列として局所に蒔種しうる。細胞−マトリックス構築物内に細胞を蒔くために、細胞−マトリックス内に、成長する細胞のために、細胞を、頂部と基底の表面の間に注入して、特定化構造を形成し、それらの特定機能を作用させうる。
三層組織構築物を生じるために、マトリックス産生細胞型または非マトリックス産生細胞型を含む第一の種付けを、細胞−マトリックス構築物または細胞層を生じるのに十分な時間、培養基質に蒔く。いったん第一の細胞−マトリックス構築物または細胞層が形成されると、マトリックス産生細胞型を含む細胞の第二の種付けを、第一の細胞−マトリックス構築物または細胞層の頂部表面に蒔き、そして第一の構築物上に第二の細胞−マトリックス構築物を形成するのに十分な条件下で、一回、培養する。第二の細胞−マトリックス構築物上で、第三の種付けを、蒔き、そして第三の層を生じるのに十分な条件下で培養する。例として、第三の層の角膜構築物を生じるために、第一の細胞型の細胞は、角膜内皮細胞のような内皮起源から構成されうる;第二の細胞型は、角膜のケラチノサイトのような接触性組織起源の細胞から構成されうる;そして第三の細胞型は、角膜の表皮細胞のような表皮起源の細胞を包含しうる。皮膚の三層構築物の別の例として、第一の種付けの細胞は、脈管構造についての成分を供する血管起源のものであり得て、第二の種付けの細胞は、皮膚構築物として役割を果す細胞−マトリックス構築物を形成する皮膚の線維芽細胞を包含でき、そして第三の種付けの細胞は、表皮層を形成する表皮のケラチノサイトでありうる。
本発明の組織構築物は、透化または低温保存法が使用される場合、低温で保存されうる。組織構築物の透化のための方法は、米国特許番号第5,518,878号に記述され、そして低温保存の方法は、米国特許番号第5,689,961号および第5,891,617号に、そして国際PCT出願WO96/24018号に記述され、それらの開示は、参照してここに組込まれる。
本発明の皮膚構築物は、生体外での毒素学試験のための組織試験システムで使用できる。試験目的について皮膚構築物を組込む試験システムは、米国特許番号第4,835,102号に記述され、その開示は、参照してここに組込まれる。細胞産生した皮膚構築物が、類似の構造を有し、そしていっそう重要には、皮膚に対する類似の組織化を有するので、それは、吸収、毒性および多くの場合には、製品の有効性についての生きたヒトまたは動物試験に対する代替または交換として価値ある試験システムでありうる。マトリックスの産生は、生体内でのマトリックスの修復と同様にマトリックスの産生で示される数種の過程を模倣することが示された。このため、記述されたシステムは、創傷修復および組織発生の分析での、そしてさらに、創傷修復の化学的および/または物理的刺激剤の試験および分析のために価値ある道具でありうる。
本発明の皮膚構築物についての最も好ましい使用法は、外傷または疾病による皮膚を保存または修復する哺乳類宿主での移殖または定着のためのものである。皮膚構築物の移殖のための指示は、それに限定されないが、プラスチックまたは再構築手術、皮膚創傷、熱傷、乾癬、静脈および糖尿病腫瘍、および基底細胞癌腫が挙げられる。本発明の皮膚構築物は、創傷組織を保護し、そしてその後宿主組織の内部成長のためのスカホードとして役割を果すことの両方に有用である。本発明で産生される組織の組織化のレベルは、創傷修復の作用まで容易で、そして可能な速度まで役割をも果すと思われる。
本発明の細胞マトリックス構築物は、粘着性を示す。ここで使用される場合、「凝集性」は、物理的単位完全性および組織様作用(handing)特性を維持できることを意味する。本発明の構築物に凝集特性を優先的に付与する物理的特性は、塊状濃さおよび線維マトリックス構造である。線維性細胞外マトリックスは、合成コラーゲンおよび他のマトリックス成分、主に、原線維および原線維束で配列される原線維コラーゲン細胞から形成され、そしてその構築物にそれらの塊状を付与する。本発明の細胞−マトリックス構築物は、取扱い可能であり、すなわち、それらは、担体支持体または特殊化した道具なしに、それらの培養基質から手動で剥ぎ取ら、そして患者に、または試験装置に使用されうる。構造または機能に対する決定因子なしに、診療所での通常の操作から引き裂きまたは伸縮のような損傷に抵抗できる。患者に使用されるときに、それらは、縫合またはステープルによってその場所に確保されうる。
本発明の皮膚構築物を患者に移植するために、移殖領域は、標準実施によって作製される。熱傷適応症については、移殖されるべき熱傷した創傷部位は、移殖片を供給され、その結果熱傷の皮膚領域が完全に切除される。切除された床は、透明で、そして移殖の前に臨床的に未感染であるように見える。手術の切除による深部の部分的厚みの創傷について、予備操作性領域を剃り、必要な場合には、抗微生物剤、無菌の皮膚洗浄剤で洗浄し、そして正常な生理食塩水で洗浄する。局所無感覚は、通常、リドカインまたはエピネフリンまたはその両方の皮膚内投与から構成される。いったん無感覚が達成されると、皮膚採取器を使用して、皮膚を適切な深さまで取り出し、深部の部分的厚みの創傷を作る。リドカインを含むエピネフリンとの圧縮により、そして電気メスにより止血を達成できる。その後、皮膚構築物を、創傷床に使用し、そして必要ならば、その場所に縫合またはステープルによって確保し、その後適切な包帯で支え、そして包帯を当てる。
本発明の皮膚構築物は、患者に移植する前に、篩にもかけうる。網状構造は、創傷に対する皮膚構築物の形態を改善し、そして移殖片の直ぐ下から創傷滲出物を排出させる手段を提供する。語句「網状構造」は、それにより組織が、スリットで打ち抜かれて、ネット状配列を形成する機械的方法として定義される。網状構造は、好ましくは、従来の皮膚網状材(登録商標ザイマー;登録商標バイオプラスティー)の使用によって得られる。手動で記録を取るか、またはメスまたは針で組織を打ち抜くこともできた。網状構造皮膚は、皮膚を伸縮することによって拡張され、その結果スリットは開かれ、そしてその後、創傷床に使用されうる。拡張網状構造組織は、最大限の達成範囲で創傷領域を提供する。代替的には、網状化皮膚は、簡単に、非拡張スリットの配列を有するシートとして拡張なしに使用されうる。網状化皮膚構築物は、単独で、または体の別の領域から得られる患者自身の皮膚と共に使用しうる。組織構築物は、打ち抜きまたは開窓をも有し、そして孔が、他の手段によって供されうる。開窓は、レーザー、パンチ、ステープル、針またはピンを用いて手動で実施しうる。
本発明の皮膚構築物は、手術の創傷または熱傷の領域以外の創傷に使用しうる。静脈腫瘍、糖尿病腫瘍、臥位腫瘍のような他の創傷は、開示の皮膚構築物の使用によって、治癒利益を経験しうる。表皮水疱症のような他の先天性皮膚疾病は、同様に有益でありうる。
図1は、実施例1に記述されるヒト新生児包皮細胞由来の皮膚構築物での細胞数に比較するとき、ヒドロキシプロリンアッセイによって測定されるときに、コラーゲン濃度での増大を描くグラフである。 図2は、21日目に化学的に定義された培地中で培養ヒト皮膚の線維芽細胞から形成される細胞−マトリックス構築物の固定され、パラフィン埋没されたヘマトシキリンおよびエオシン染色区分の光学顕微鏡写真(対物レンズ20×)である。多孔性膜は、構築物より下の薄い半透明バンドとして現れる。 図3は、21日目に化学的に定義された培地中の培養ヒト皮膚の線維芽細胞から形成される細胞−マトリックス構築物の2つの倍率の透過型電子顕微鏡画像を示す。図3Aは、線維芽細胞の間のコラーゲン線維の配列を含む内因性マトリックスを示す7600×倍率である。図3Bは、原線維の配列および包装を表す19000×倍率の十分に形成された内因性コラーゲン線維である。 図4は、化学的に定義された培地中で培養ヒト・ケラチノサイトから形成される多層化した分化表皮を用いて、化学的に定義された培地中で培養ヒト皮膚の線維芽細胞から形成される細胞−マトリックス構築物を含む、外因性マトリックス成分の不在下で化学的に定義された培地中で形成される培養皮膚構築物の固定されたパラフィン埋設したマトキシリンおよびエオシン染色区分の光学顕微鏡写真(対物レンズ20×)である。
ヒト新生児包皮繊維芽細胞によるコラーゲンマトリックスの形成
ヒト新生児包皮繊維芽細胞(Organogenesis、Inc.Canton、MAより入手)は、162cm2組織培養用シャーレ(Costar Corp.、Cambridge、MA、カタログ番号3150)に5x105細胞を接種し培養液で培養した。生育培地の組成は、10% 新生子牛血清(NBCS)(HyClone Laboratories、Inc.、Logan、Utah)および4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)を含むダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)である。細胞は10±1% CO2中で37±1℃のインキュベーターで培養した。培地は2−3日ごとに新鮮なものと交換した。培養8日後に、細胞がコンフルエンス状態、即ち組織培養用シャーレの底面いっぱいの単層になった時に、培地をシャーレから吸引した。単層細胞を洗浄するために、無菌濾過したリン酸緩衝液生理食塩水を各シャーレの底に添加してその後吸引した。トリプシン−verseneグルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)を各シャ―レに5mL添加し、単層細胞に完全に行き渡るようにゆっくりと回転させることで、シャーレから細胞を遊離させた。培養物はインキュベーターに戻した。細胞が遊離すると同時に、トリプシン−verseneの作用を停止するために、SBTI(大豆トリプシンインヒビター)5mlを各シャーレに添加し細胞懸濁液と混合した。細胞懸濁液をシャーレから取り出し、無菌の円錐遠心管に等分した。細胞を約800−1000xgで5分間遠心して集めた。
細胞は、新鮮な培地に3.0x106細胞/mlの濃度になるように再懸濁し、6穴トレーの0.4ミクロンポアサイズの24mm直径組織培養用挿入体(TRANSWELL@、Corning Coastar)に3.0x106細胞/挿入体(6.6x105細胞/cm2)の濃度で接種した。細胞は10±1% CO2中で37±1℃のインキュベーター内に静置して、培地は2−3日ごとに新鮮なものと交換し21日間培養した。産生培地の組成は、DMEMおよびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物、4mM GlutaMAX−1TM(Gibco BRL、Grand Island、NY)および最終濃度が以下の添加物を含む;5ng/ml ヒトリコンビナント表皮成長因子(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)、2% 新生子牛血清(HyClone Laboratories、Inc.、Logan、Utah)、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY、ACSグレード)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、50ng/ml L−アスコルビン酸(WAKO Chemicals USA、Inc. #013−12061)、0.2μg/ml L−プロリン(Sigma、St.Louis、MO)、0.1μg/ml グリシン(Sigma、St.Louis、MO)、および0.05% ポリエチレングリコール(PEG)3400−3700 MW(細胞培養グレード)(Sigma、St.Louis、MO)。
組織学的解析のためのサンプルは、培養7,14および21日で採集し、ホルマリンで固定しパラフィンで包埋した。ホルマリン固定したサンプルはパラフィンで包埋して、5μm切片をヘマトキシリン−エオジン(H&E)で既知の方法に従って染色した。H&E染色スライドを用いて、10mm/100μm格子のついた10x接眼レンズを用いて任意に選んだ10カ所の顕微鏡視野での厚さを測定した。
ヒト皮膚繊維芽細胞の2つの異なる細胞種での結果を表1に示した。この表は、細胞−マトリックス構造の厚さが発達しているのを示している。
サンプルは、培養7,14および21日目でのコラーゲン濃度解析にも呈した。コラーゲン含量は、既知の方法(Woessner、1961)でのヒドロキシプロリンを比色定量する方法を用いて算出した。同じ時点において細胞数も測定した。前述の操作に用いた2つの異なる細胞種(B156およびB119)で得られた細胞−マトリックス構造からの、表2はコラーゲン含量を、表3は細胞データを示している。
培養7,14および21日目でのヒト細胞由来皮膚マトリックスのサンプルを遅延減少SDS−PAGEで解析して、サンプル中のタイプIおよびタイプIIIコラーゲンアルファバンドで示されるコラーゲン組成を測定した。
皮膚マトリックスの生化学的特性について組織化学的手法を用いて検討した。フィブロネクチンの同定はパラフィン固定した切片についてZymed Histostain ストレパビジン−ビオチン システム(Zymed Laboratories Inc.、South San Fransisco、CA)を用いて行った。テナシンの存在の有無は、抗−テナシン一次抗体染色(Dako、Carpintheria、CA)および続く二次抗体としてのホースラディッシュパーオキシデイス修飾抗−マウス抗体(Calbiochem)を用いて、確認した。サンプルは、ジアミノベンジン(Sigma、St.Louis、MO)を適用しNucler Fast Redで逆染色することにより可視化した。
グリコサミノグリカン(GAG)定量を、以前に報告された方法(Farndale、1986)を用いて21日目のサンプルについて行った。結果は、接種後21日目でのヒト細胞由来皮膚マトリックスサンプル中にはcm2あたり0.44gのGAGが存在した。
皮膚構造の厚さ
実施例1で示した方法で作成した皮膚構造を用いて、正常ヒト新生児包皮表皮角質細胞(Organogenesis、Inc.Canton、MAより入手)を細胞−マトリックス構造上に接種し皮膚構造の表皮層を形成した。
培地を無菌的に培養挿入体およびその周辺から取り除いた。正常ヒト表皮角質細胞を、凍結細胞ストックからコンフルエント状態までに4経代培養してスケールアップさせた。細胞を、トリプシン−verseneを用いてシャーレ底面から遊離させ、プールし、細胞ペレットにするように遠心し、表皮化培地中に再懸濁させ、カウントして4.5x104細胞/cm2の密度で膜の上に接種した。構成体は37±1℃、10±1% CO2中で90分間インキュベートし、角質実質細胞が付着するようにした。インキュベーション後、構成体を表皮化培地に浸した。表皮化培地の組成は、ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)およびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物で、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Aldrich)、24.4μg/ml アデニン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)、0.3% キレート化新生子牛血清(HyClone Laboratories、Inc.、Logan、Utah)、0.628ng/ml プロゲステロン(Amersham Arlington Heights、IL)、50μg/ml L−アスコルビン酸ナトリウム塩(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、10ng/ml 表皮成長因子(Life Technology Inc.、MD)、および50μg/ml 硫酸ゲンタマイシン(Amersham Arlington Heights、IL)である。構成体は表皮化培地中で37±1℃、10%CO2中で2日間培養した。
2日後、構成体は以下の組成の培地に浸した;ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)およびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物で、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Aldrich)、24.4μg/ml アデニン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)、0.3% キレート化新生子牛血清(HyClone Laboratories、Inc.、Logan、Utah)、0.628ng/ml プロゲステロン(Amersham Arlington Heights、IL)、50μg/ml L−アスコルビン酸ナトリウム塩(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、265μg/ml 塩化カルシウム(Mallinckrodt、Chesterfield、MO)、および50μg/ml 硫酸ゲンタマイシン(Amersham Arlington Heights、IL)である。構成体は再度37±1℃、10%CO2中で2日間培養した。
2日後、構成体を含むキャリヤーを無菌的に十分な量の角化培地を入れた新しい培養トレーに移した。その量は9mLで、キャリヤー膜の表面と一致する水面になり乾燥挿入体が上皮層の層化をさせるのを維持することが出来る。構成体は37±1℃、10% CO2中、および低湿度中で、2−3日毎に交換した培地で7日間培養した。この培地の組成は;ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)およびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の1:1混合物で、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Aldrich)、24.4μg/ml アデニン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)、2% 新生子牛血清(BioWhittaker、Walkersville、MD)、50μg/mlL−アスコルビン酸ナトリウム塩(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、および50μg/ml 硫酸ゲンタマイシン(Amersham Arlington Heights、IL)である。7日後に構成体は、2−3日毎に交換した維持培地で更に10日間培養した。この維持培地の組成は;ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)およびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の1:1混合物で、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Aldrich)、24.4μg/ml アデニン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)、1% 新生子牛血清(BioWhittaker、Walkersville、MD)、および50μg/ml 硫酸ゲンタマイシン(Amersham Arlington Heights、IL)である。
最終サンプルを実施例1で述べたように、ヘモトキシリンおよびエオジン染色にかけ光学顕微鏡下でグロス発現を測定した。得られた構成体は、実施例1で述べた性質を持つマトリックスで囲まれた繊維芽細胞からなる低(皮膚)層を形成し、多層化しよく分化した角質実質細胞により完全に覆われた。この角質実質細胞は、生体内皮膚と同様に、基底層、上基底層、顆粒層、および角質層を示した。皮膚構造体は、伝導電子顕微鏡(TEM)で明らかにされるように皮膚−表皮接合部によく発達した基底膜が存在した。TEMで観察すると、基底膜はヘミデスモゾーム周辺で最も厚く、タイプVIIコラーゲンからなるアンカーリング繊維で顕著であった。期待されるようにこれらのアンカーリング繊維は、基底膜から容易に興奮させられるようでかつコラーゲン繊維を束ねているように見える。基底膜糖蛋白であるラミニンの存在が以前に報告されたアビジン−ビオチン免疫酵素法(Guesdon、1979)を用いて確認された。
化学的に限定した培地中でのヒト新生児包皮繊維芽細胞によるコラーゲンマトリックスのIn Vitro形成
実施例1で述べた操作を用いてヒト新生児包皮繊維芽細胞を増殖させた。細胞を3.0x106細胞/ml濃度になるように再懸濁し、6穴トレーの0.4ミクロンポアサイズの24mm直径組織培養用挿入体に3.0x106細胞/TW(6.6x105細胞/cm2)の濃度で接種した。細胞はこの後新生子牛血清を除いた培地で実施例1と全く同様に培養した。特に、培地の組成は、DMEMおよびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物、4mM GlutaMAX−1TM(Gibco BRL、Grand Island、NY)および以下の添加物を含む;5ng/ml ヒトリコンビナント表皮成長因子(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY、カタログNo.2400ACSグレード)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、50ng/ml L−アスコルビン酸(WAKO Chemicals USA、Inc. #013−12061)、0.2μg/ml L−プロリン(Sigma、St.Louis、MO)、0.1μg/ml グリシン(Sigma、St.Louis、MO)、および0.05% ポリエチレングリコール(PEG)(Sigma、St.Louis、MO)。サンプルは、前述の方法で、培養7,14および21日目にコラーゲン濃度および細胞数をチェックした。結果を、表4(細胞数)および表5(コラーゲン)にまとめた。サンプルはホルマリンで固定し、実施例1で述べたように、ヘマトキシリンおよびエオジンで光学顕微鏡用の染色をした。組織学的な評価で、構造体は限定培地で2%新生子牛血清存在下と同様に生育することが証明された。
サンプル
また、実施例1で述べた操作を用いてファイブロネクチンを陽性に染色した。
また、細胞−マトリックス構造体中には内因性に産生される繊維性コラーゲン、デコリン、およびグリコサミノグリカンが存在した。
化学的に限定した培地を用いて形成される皮膚構造の厚さ
実施例3で示した方法に類似した化学的に限定した条件下で、ヒト皮膚繊維芽細胞により形成された25日目の皮膚構造を用いて、正常ヒト新生児包皮表皮角質細胞を細胞−マトリックス構造の表面上に接種し皮膚構造の表皮層を形成した。
培地を無菌的に培養挿入体およびその周辺から取り除いた。正常ヒト表皮角質細胞を、凍結細胞ストックからコンフルエント状態までに4経代培養してスケールアップさせた。細胞を、トリプシン−verseneを用いてシャーレ底面から遊離させ、プールし、細胞ペレットにするように遠心し、表皮化培地中に再懸濁させ、カウントして4.5x104細胞/cm2の密度で膜の上に接種した。構成体は37±1℃、10±1% CO2中で90分間インキュベートし、角質実質細胞が付着するようにした。インキュベーション後、構成体を表皮化培地に浸した。表皮化培地の組成は、ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(グルコース、カルシウム無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)およびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物で、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Aldrich)、24.4μg/ml アデニン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)、50μg/ml L−アスコルビン酸ナトリウム塩(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、16μM リノール酸(Sigma、St.Louis、MO)、1μM 酢酸トコフェロール(Sigma、St.Louis、MO)、および50μg/ml 硫酸ゲンタマイシン(Amersham Arlington Heights、IL)である。構成体は表皮化培地中で37±1℃、10±1%CO2中で2日間培養した。
2日後、培地を上述の組成の新鮮なものに交換し、37±1℃、10±1% CO2中のインキュベーターで2日間培養した。2日後、構成体を含むキャリヤーを無菌的に十分な量の培地を入れた新しい培養トレーに移し、キャリヤー膜の表面と一致する水面になり、空気−液体境界のところで構成体が発達するのを維持することが出来るようにした。形成される表皮層の表面に接触する空気は上皮細胞層の層化を促す。構成体は37±1℃、10%CO2中で、低温度で2−3日毎に交換した培地で7日間培養した。この培地の組成は;ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)およびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の1:1混合物で、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、5x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、5x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Aldrich)、24.4μg/ml アデニン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)、2.65μg/ml 塩化カルシウム(Mallinckrodt、Chesterfield、MO)、16μM リノール酸(Sigma、St.Louis、MO)、1μM 酢酸トコフェロール(Sigma、St.Louis、MO)、1.25mM セリン(Sigma、St.Louis、MO)、0.64mM塩化コリン(Sigma、St.Louis、MO)、および50μg/ml 硫酸ゲンタマイシン(Amersham Arlington Heights、IL)である。2−3日毎に交換した培地で14日間培養した。
サンプルは、トリプリケートで、構造体を空気−液体境界に引き上げた後、10、12、および14日目に採取し、実施例1で述べたようにヘモトキシリンおよびエオジン染色にかけ光学顕微鏡下でグロス発現を測定した。得られた構成体は、実施例3で述べた性質を持つマトリックスで囲まれた繊維芽細胞からなる低(皮膚)層を形成し、多層化しよく分化した角質実質細胞の層により覆われた。
ヒトアキレス腱繊維芽細胞によるコラーゲンマトリックスのIn Vitro形成
実施例1で述べたのと同じ方法を用いて、ヒト新生児包皮繊維芽細胞をヒトアキレス腱繊維芽細胞(HATF)に代えて細胞−マトリックスを形成させた。産生培地で21日間培養した後に、実施例1で述べた操作を用いてサンプルをH&E染色および厚さの測定に呈した。得られた構造体は、厚さ75.00±27.58ミクロン(n=2)の細胞−マトリックス組織様構造として観察された。また、この構造体中には内因性に産生される繊維性コラーゲン、デコリン、およびグリコサミノグリカンが存在した。
トランスフェクトさせたヒト新生児包皮繊維芽細胞によるコラーゲンマトリックスのIn Vitro形成
トランスフェクトさせたヒト皮膚繊維芽細胞を以下の操作で産生させた。jCRIP−43血小板由来成長因子(PDGF)ウイルス産生細胞(Morgan、J.ら)の1バイアルを溶解し、細胞を2x106細胞/162cm2シャーレ(Corming Costar、Cambridge、MA)の密度で接種した。これらのシャーレには生育培地を入れ、10±1%CO2中で37±1℃でインキュベーターに静置した。生育培地の組成は、ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)で、10% 新生子牛血清(HyClone Laboratories、Inc.、Logan、Utah)、および4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)を含む。同じ日にヒト新生児包皮繊維芽細胞(HDFB156)の1バイアルも溶解し、1.5x106細胞/162cm2シャーレ(Corning Costar、Cambridge、MA)の密度で接種した。3日後にjCRIP PDGF−43ウイルス産生細胞に新鮮な生育培地を与えた。HDFB156は上述の生育培地プラス8μg/ml ポリブレン(Sigma、St.Louis、MO)で培養した。次の日にHDFB156細胞を以下のように感染させた。jCRIP PDGF−43ウイルス産生細胞からの培養液を集めて0.45ミクロン濾紙で濾過した。8μg/ml ポリブレンをこの濾過した培養液に添加した。それから培養液をHDFの上に置いた。次の2日間HDFは新鮮な生育培地で培養した。HDFが5代から6代の経代をした日に2.5x106細胞/162cm2シャーレ(Corning Costar、Cambridge、MA)の密度で接種した。細胞は以下のように経代培養し培養液は吸引した。シャーレをリン酸緩衝液生理食塩水で洗浄し残存する新生子牛血清を除いた。トリプシン−verseneを各シャ―レに5ml添加し、単層細胞に完全に行き渡るようにゆっくりと回転させることで、シャーレ底面から細胞を遊離させた。培養物はインキュベーターに戻した。細胞が遊離すると同時に、トリプシン−verseneの作用を停止するために、SBTI(大豆トリプシンインヒビター)5mlを各シャーレに添加し細胞懸濁液と混合した。細胞/トリプシン/SBTI懸濁液をシャーレから取り出し、無菌の円錐遠心管に等分した。細胞を約800−1000xgで5分間遠心して集めた。細胞は、接種用のために生育培地に上記リストした濃度になるように再懸濁した。2日後に細胞に新鮮な培地を与えた。翌日上記のように細胞を集め、10% 新生子牛血清(NBCS)と10% ジメチルスルフォキサイド(DMSO)(Sigma、St.Louis、MO)を含む生育培地で1.5x106細胞/mlに希釈した。細胞は1ml/凍結バイアルに入れて−80℃で保存した。
本実施例のコラーゲンマトリックス形成には、実施例1および3で述べたのと同じ操作を用いて、ヒト新生児包皮繊維芽細胞の代わりに、上記のように高レベルの血小板由来成長因子(PDGF)を産生するように形質転換したヒト新生児包皮繊維芽細胞を用いて行った。接種後18日目に、上記のようにサンプルをH&E染色に呈した。また、サンプルは実施例10にリストしたファイブロネクチンの有無を確認するためにアビジン−ビオチン法を用いて染色した。実施例1で述べたように、接種後18日目にサンプルをH&E染色に呈し、実施例1で得られたものと同様な、厚さ123.6ミクロン(N=1)の細胞−マトリックスグロスが観察された。トランスフェクトされた細胞から細胞−マトリックス構造中に排出されるPDGF量は、培養中を通じて(18日間)ELISAで測定して100 ng/mLであった。一方、対照ではPDGFの排出は検出できなかった。
移植物質としての皮膚構造の使用
実施例1の方法に従って、新生児包皮に由来するヒト真皮繊維芽細胞を用いて細胞−マトリックス構造を形成し、無胸腺ヌードマウスに作成した全切開創に移植した。マウスは、Parenteauら(1996)の方法に従って移植した。その方法の開示をここに示す。移植は、14、28、および56日目に、切開口の接着、切開創の縮小、移植損失部分、および血管新生(色)で観察した。移植部分はマウスで完全に残っている間に写真を撮った。各時点で多くのマウスを殺して、移植部分およびその周辺部を、マウス皮膚の周辺縁に沿って少なくとも皮下脂肪肉部まで切開した。移植物とマウス皮膚との接合部は各サンプルで保存した。体外移植組織サンプルはリン酸緩衝液10%ホルマリンおよびメタノールで固定した。ホルマリン固定したサンプルを、実施例1で述べた操作に従ってH&E染色に呈した。移植物は、顕著な縮小もなくマウスの皮膚に取り込まれた。移植の14日以内にマウスの表皮は移植物を覆った。H&E染色サンプルでは、14日目の移植物には血管が明らかに認められた。そして実験全体を通じて認められた。グロス観察およびH&E染色により、移植物は実験期間中を通して健全である(生存している細胞を含みグロスマトリックスの異常が見られない、等)ように見えた。
皮膚移植としての皮膚構造全厚さの使用
実施例2の方法に従って、真皮層の新生児包皮に由来するヒト真皮繊維芽細胞および別の表皮層の新生児包皮に由来するヒト角質実質細胞を用いて、2層皮膚構造を形成した。この皮膚構造は、膜から手で剥がし、熟練の技術無しで操作し、移植部位に置くことができた。本2層皮膚構造体を、Parenteauら(1966)の方法に従って無胸腺ヌードマウスに作成した全切開創に移植した。その方法の開示をここに示す。サンプル採取の時点は、移植後7、14、28、56、および184日目に行った。移植部分はマウスで完全に残っている間に写真を撮った。各時点で多くのマウスを殺して、移植部分およびその周辺部を、マウス皮膚の周辺縁に沿って少なくとも皮下脂肪肉部まで切開した。移植物とマウス皮膚との接合部は各サンプルで保存した。体外移植組織サンプルはリン酸緩衝液10%ホルマリンおよびメタノールで固定した。ホルマリン固定したサンプルを、実施例1で述べた操作に従ってH&E染色に呈した。
移植物は7日以内にマウスの皮膚に取り込まれたのが組織学的観察と同様にグロスの観察でも確かめられた。H&E染色により、移植後7日目以内に宿主の組織から移植物へ血管が伸びているのが認められた。移植物は、顕著な縮小もなく実験期間中を通して健全であった。抗−ヒトインボルクリン染色を用いてヒト表皮細胞が全移植期間中存在していることが認められた。
ヒト角膜の角膜実質細胞によるマトリックスのIn Vitro形成
ヒト角膜の角質実質細胞(Organogenesis、Inc.Canton、MAより入手)を角膜の基質構造の形成に用いた。コンフルエントになったヒト角質実質細胞をトリプシン−verseneを用いて培養基質から遊離させた。細胞が遊離した時、大豆トリプシンインヒビターを用いてトリプシン−verseneの作用を中和し、細胞懸濁液を遠心し、上清は捨てて細胞は新鮮な培地に3.0x106/mlの濃度になるように基礎培地に再懸濁した。細胞は、6穴トレーの0.4ミクロンポアサイズの24mm直径組織培養用transwellに3x106細胞/TW(6.6x105細胞/cm2)の濃度で接種した。これらの培養物は接種培地で一晩放置した。接種培地の組成は;ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)およびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物、4mM GlutaMAX(Gibco BRL、Grand Island、NY)および以下の添加物を含む;5ng/ml ヒトリコンビナント表皮成長因子(EFG)(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、および6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)である。続いてこの培養物に新鮮な産生培地を与えた。産生培地の組成は;DMEM)およびHa−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物、4mM GlutaMAX(Gibco BRL、Grand Island、NY)および以下の添加物を含む;5ng/ml ヒトリコンビナント表皮成長因子(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)、2% 新生子牛血清(HyClone Laboratories、Logan、Utah)、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、50ng/ml L−アスコルビン酸(WAKO Pure Chemicals)、0.2μg/ml L−プロリン(Sigma、St.Louis、MO)、0.1μg/ml グリシン(Sigma、St.Louis、MO)、および0.05% ポリエチレングリコール(PEG)3400−3700 MW(細胞培養グレード)(Sigma、St.Louis、MO)である。
細胞は37±1℃、10±1%CO2中で培養し、2−3日毎に新鮮な培地に交換して20日間(合計21日間)培養した。培養21日後に角質実質細胞は、実施例1に示した方法で測定して、厚さ約40ミクロンのマトリックス層を形成した。また、細胞−マトリックス構造体中には内因性に産生される繊維性コラーゲン、デコリン、およびグリコサミノグリカンが存在した。
産生培地中でのヒト新生児包皮繊維芽細胞によるコラーゲンマトリックスのIn Vitro形成
ヒト新生児包皮繊維芽細胞(Organogenesis、Inc.Canton、MAより入手)は、6穴トレーの0.4ミクロンポアサイズの24mm直径組織培養用キャリヤー(TRANSWELL@、Costar Corp.、Cambridge、MA)に1x106細胞/TWの濃度で接種し生育培地で培養した。生育培地の組成は、10% 新生子牛血清(HyClone Laboratories、Inc.、Logan、Utah)および4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)を含むダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)である。細胞は10±1% CO2中で37±1℃のインキュベーターで培養した。培地は2−3日毎に新鮮なものと交換し21日間培養した。産生培地の組成は、DMEMおよびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物、4mM GlutaMAX(Gibco BRL、Grand Island、NY)および以下の添加物を含む;5ng/ml ヒトリコンビナント表皮成長因子(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)、2% 新生子牛血清(HyClone Laboratories、Inc.、Logan、Utah)、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY、ACSグレード)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、50ng/ml L−アスコルビン酸(WAKO Pure Chemicals)、0.2μg/ml L−プロリン(Sigma、St.Louis、MO)、0.1μg/ml グリシン(Sigma、St.Louis、MO)、および0.05% ポリエチレングリコール(PEG)(細胞培養グレード)(Sigma、St.Louis、MO)。
サンプルは、培養21日で採集し、ホルマリンで固定しパラフィンで包埋した。ホルマリン固定したサンプルはパラフィンで包埋して、5μm切片をヘマトキシリン−エオジン(H&E)で既知の方法に従って染色した。H&E染色スライドを用いて、10mm/100μm格子(Olympus America Inc.、Melville、NY)のついた10x接眼レンズ(Olympus America Inc.、Melville、NY)を用いて任意に選んだ10カ所の顕微鏡視野で測定した。
この方法を用いて作成した構造は実施例1で作成したものと構造や生化学的組成が類似しており、82.00±7.64ミクロンの厚さがあった。
ブタ真皮繊維芽細胞によるコラーゲンマトリックスのIn Vitro形成
ブタ真皮繊維芽細胞(Organogenesis、Inc.Canton、MAより入手)を5x105細胞/162cm2組織培養用シャーレ(Corming Costar、Cambridge、MA、カタログ番号3150)の密度で接種し、以下のように培養した。生育培地の組成は、10% 新生子牛血清(HyClone Laboratories、Inc.、Logan、Utah)および4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)を含むダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)である。細胞は10±1% CO2中で37±1℃のインキュベーターで培養した。培地は2−3日毎に新鮮なものと交換した。コンフルエンスになったら、細胞を組織培養用シャーレの底部につけたまま培地を吸引した。単層細胞を洗浄するために、無菌濾過したリン酸緩衝液生理食塩水を単層細胞に添加してその後吸引した。トリプシン−verseneグルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)を各シャ―レに5ml添加し、単層細胞に完全に行き渡るようにゆっくりと回転させることで、シャーレから細胞を遊離させた。培養物はインキュベーターに戻した。細胞が遊離すると同時に、トリプシン−verseneの作用を停止するために、SBTT(大豆トリプシンインヒビター)5mlを各シャーレに添加し細胞懸濁液と混合した。細胞懸濁液をシャーレから取り出し、無菌の円錐遠心管に等分した。細胞を約800−1000xgで5分間遠心して集めた。細胞は再懸濁し3.0x106/mlの濃度になるように希釈し、6穴トレーの0.4ミクロンポアサイズの24mm直径transwellに3.0x106細胞/TW(6.6x105細胞/cm2)の濃度で接種した。細胞は接種培地の中で一晩放置した。接種培地の組成は;DMEMおよびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物、4mM GlutaMAX(Gibco BRL、Grand Island、NY)および以下の添加物を含む;5ng/ml ヒトリコンビナント表皮成長因子(EFG)(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、50ng/ml L−アスコルビン酸(WAKO Pure Chemicals)、0.2μg/ml L−プロリン(Sigma、St.Louis、MO)、および0.1μg/ml グリシン(Sigma、St.Louis、MO)である。細胞は10±1% CO2中で37±1℃のインキュベーター内に静置して、培地は2−3日ごとに新鮮なものと交換し7日間培養した。産生培地の組成は、DMEMおよびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物、4mM GlutaMAX(Gibco BRL、Grand Island、NY)および以下の添加物を含む;5ng/ml ヒトリコンビナント表皮成長因子(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)、2% 新生子牛血清(HyClone、Logan、Utah)、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Co.、Milwaukee、WI)、50ng/ml L−アスコルビン酸(WAKO Pure Chemicals)、0.2μg/ml L−プロリン(Sigma、St.Louis、MO)、0.1μg/ml グリシン(Sigma、St.Louis、MO)、および0.05% ポリエチレングリコール(PEG)(細胞培養グレード)(Sigma、St.Louis、MO)である。7日後に産生培地を新生子牛血清を含まないものに代えた。この培地は2−3日毎に新鮮なものと交換し更に20日間、計28日間培養した。
サンプルは、培養21日で採集し、ホルマリンで固定しパラフィンで包埋した。ホルマリン固定したサンプルはパラフィンで包埋して、5μm切片をヘマトキシリン−エオジン(H&E)で既知の通常の方法に従って染色した。H&E染色スライドを用いて、10mm/100μm格子(Olympus America Inc.、Melville、NY)のついた10x接眼レンズ(Olympus America Inc.、Melville、NY)を用いて任意に選んだ10カ所の顕微鏡視野で測定した。サンプルは細胞とマトリックスから成る構造を有し、厚さが71.20±9.57ミクロンであった。また、細胞−マトリックス構造体中には内因性に産生される繊維性コラーゲン、デコリン、およびグリコサミノグリカンが存在した。
真皮乳頭細胞を含む2層皮膚構造のIn Vitro形成
一次マトリックス産生細胞タイプとして正常ヒト新生児包皮繊維芽細胞を用いて、実施例1で示した方法に従って細胞−マトリックス構造を作成した。この細胞−マトリックスを二次産生細胞としての真皮乳頭細胞に局所的に接種した。これを次に三次産生細胞としての角質実質細胞に接種し、細胞−マトリックスおよび真皮乳頭細胞の上を覆う持続的な表皮層を形成した。
最初に新生児包皮に由来するヒト真皮繊維芽細胞(HDF)を用いて細胞−マトリックス構造を形成した。HDFは生育培地中に5x106細胞/162cm2組織培養用シャーレ(Costar Corp.、Cambridge、MA)の密度で接種した。生育培地の組成は、10% 新生子牛血清(NBCS)(HyClone Laboratories、Inc.、Logan、Utah)および4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)を含むダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)である。コンフルエントになったらHDFをトリプシン−verseneを用いてシャーレから遊離させた。細胞は新鮮な培地に3.0x106/mlの濃度になるように再懸濁し、6穴トレーの0.4ミクロンポアサイズの24mm直径組織培養用挿入体(TRANSWELLR、Corning Corstar)に3x106細胞/挿入体(6.6x105細胞/cm2)の濃度で接種した。HDF培養物は10±1% CO2中で37±1℃のインキュベーターで培養した。実施例1で示した方法に従って、新鮮な産生培地を2−3日毎に与えて23日間培養した。
細胞−マトリックス構造が形成されたら、二次産生細胞として真皮乳頭に接種した。真皮乳頭は毛髪胞の毛髪根に囲まれている特殊な繊維芽細胞の個別分布をしており、毛髪育成の支持的な役割を果たしている。真皮乳頭は、以前に報告されたMessenger、A.G.の方法(ヒト毛髪胞からの真皮乳頭細胞の培養。Br.J.Dermatol.110:685−9(1984))を用いて毛髪法の微小切開により単離できてin vitroで培養できる。この方法はここで採り上げられている。真皮乳頭細胞はコンフルエントになったら凝集し、シャーレ上では代わって新たな凝集を作る。真皮乳頭を4週令のブタでの皮膚バイオプシーにより単離した。真皮乳頭からの細胞(PDP)は、20%NBCSを含むDMEMで8代まで経代培養した。培養3週間後、PDP細胞は真皮乳頭様構造を呈し、あるいは凝集し、各々の直径は約90−210ミクロンであった。その後シャーレから激しくピペッティングをすることで凝集物を培養シャーレから採り、ヒトコラーゲンマトリックス上に200凝集物/cm2の濃度で接種した。凝集物は、20%NBCSを含むDMEMで更に15日間、新鮮な培地を2−3日毎に与えて培養した。
真皮乳頭細胞を含む細胞−マトリックス構造はそこで直ちに角質実質細胞に接種し、培養して細胞−マトリックスおよび真皮乳頭細胞の上を覆う持続的な表皮層を形成させた。2つの異なる構造を形成した:1つはヒト角質実質細胞とのものであり、他はブタ角質実質細胞とのものである。初代培養を確立するために正常な表皮角質実質細胞を体外移植を用いてヒト新生児包皮(HEP)およびブタ角質実質細胞(PEP)から単離した。これらの細胞を培養して、ブタ細胞で経代3まで、ヒト細胞で経代4まで増殖させた。約培養5−6日後に、細胞をトリプシン−verseneを用いてシャーレ底面から遊離させ、プールし、細胞ペレットにするように遠心し、表皮化培地中に再懸濁させ、カウントして、HEP細胞で4.5x104細胞/cm2、PEP細胞で1.6x105細胞/cm2密度で膜の上に接種した。表皮化した培養物は実施例2で述べたように12日間培養した。
最終サンプルを光学顕微鏡でのヘマトキシリン−エオジン染色に呈した。得られた皮膚構造は皮膚に類似した基礎形態学的組織を示した。一つは真皮層で内因性に産生されたマトリックスにより取り囲まれた繊維芽細胞から成っている。このマトリックスは内因性に産生される繊維性コラーゲン、デコリン、およびグリコサミノグリカンを含んでいる。真皮層は真皮乳頭細胞の場所に局在している。他の一つは細胞−マトリックスおよび真皮乳頭を横切る層化し角質実質細胞層である。ヒトあるいはブタ角質実質細胞に覆われた両方の組織構造において、真皮乳頭は覆っている角質実質細胞の小さな波動を惹起する構造を維持していた。真皮乳頭細胞の付近に分化した表皮細胞が存在した。
サンドイッチELISA法によるヒアルロン酸の測定
実施例1および3の方法に従って、それぞれ、血清含有培地および化学的に限定した培地中で、真皮繊維芽細胞により形成された細胞−マトリックス構造中のヒアルロン酸(HA)を測定した。
細胞−マトリックス構造を多孔性膜(TRANSWELLR、Corning Corstar)に取り込んだ75 mm直径の円形キャリヤー上に形成した。細胞−マトリックス構造からの抽出物は、細胞−マトリックス構造を入れた試験管に10mL 酢酸アンモニウム緩衝液および0.5mg/ml プロテナーゼKを添加することで調製した。混合物を60℃で一晩インキュベートした。消化が完全に終わったら、混合物を遠心し上清をヒアルロン酸アッセイ用の個別の試験管に入れた。96穴プレートを0.1M NaHCO3に溶かした20μg/ml HA結合タンパク質の50μlでコートし、4℃で一晩保存した。プレートは0.05% Tween20を含む0.85%食塩水で3回洗浄した。その後各ウエルに250μlのブロッキング液(3% BSAおよび0.9%塩化ナトリウムを含む10mM リン酸緩衝液、pH7.4)を添加し、プレートは室温で2時間インキュベートした。それから、プレートは0.05% Tween20を含む0.85%食塩水で3回洗浄した。各ウエルに50μlの標準HA液および両方の実験条件での抽出サンプルを、種々の希釈を含めて、添加し、プレートは室温(約20℃)で2時間インキュベートした。それから、プレートは0.05% Tween20を含む0.85%食塩水で3回洗浄して、各ウエルに50μlのビオチン化HA(1:2000希釈)を添加し、室温で2時間インキュベートした。その後、プレートは0.05% Tween20を含む0.85%食塩水で3回洗浄し、各ウエルに50μlのARP−アビジンD(1:3000希釈)を添加した。プレートは室温で45分間インキュベートした。それから、プレートは0.05% Tween20を含む0.85%食塩水で3回洗浄して、各ウエルに100μlのオルソ−フェニレンジアミン基質溶液を添加し、37℃で10分間インキュベートした。反応は1M 塩酸50μlを添加することで停止した。最終的にプレートリーダーを用いて492nmの吸光度を読み記録した。
吸光度の測定は平均を取り質量測定にに変換した。血清を含む培地で形成された円形の細胞−マトリックス構造(直径75mm)はそれぞれ約200μgのヒアルロン酸を含有し、化学的に限定された培地で形成されたものにはそれぞれ約1.5mgのヒアルロン酸が含有された。
産生された細胞−マトリックス構造の物理的試験および機械的特性
実施例1(細胞−マトリックス構造)、実施例2(角質実質細胞層に覆われた細胞−マトリックス構造)、および実施例3(化学的に限定した培地で作成した細胞−マトリックス構造)の各組織構造物の機械的特性を膜膨張法で定量した。これらの試験は臨床的に用いられているアッセイ(例、DermaflexR、Cyberderm Inc.、Media、PAおよびCutameterR、Courage Khazaka、Colonge、Germany)に類似であるが、膜を破裂できる圧を含めてより高い圧を使っている。サンプルの細胞−マトリックス構造を、等張の生理食塩水を満たした直径10mmの円柱状ウエルの中心に置いたポリカーボネートブロックの上に水平に置いた。円柱状ウエルの直径に対応した円形の穴を持つ金属プレートをサンプルの上に置きブロックに留めた。そして、シリンジポンプで食塩水を更に注入することによりサンプルを膨張させた。圧伝導計を用いて得られた圧を測定した。加圧を続け破裂強度、実施例1の方法で得た細胞−マトリックス構造では439.02mmHg;実施例2の角質実質細胞層に覆われた細胞−マトリックス構造では998.52mmHg;および実施例3の化学的に限定した培地で作成した細胞−マトリックス構造では1542.26mmHgを得た。
真皮マトリックスの熱溶解温度を求めるために、サンプル(細胞−マトリックス構造)を実施例1の操作を用いて21日目に採取した。サンプル変性温度をMettler Toledo(Highston、NJ)示差走査熱量計(DSC製品 #DSC12E)を用いて解析した。我々の目的には、溶解温度はアンプルを45℃から80℃まで毎分1℃の割合で加温することで求めた。サンプルの平均変性温度は60.8±1.2℃(n=3)であった。
実施例1(細胞−マトリックス構造)および実施例3(化学的に限定した培地で作成した細胞−マトリックス構造)の操作を用いて作成した表皮マトリックスの縫合維持および引っ張り張力を、一定の臨床状況での縫合力を求めるために測定した。21日目の真皮マトリックスの縫合維持力を、Mini−Bionex858試験システム(MTS systems Corporation、Minneapolis、Minn.)を用いて、血管移植人工補綴のためのアメリカ国家標準出版(Instruments、1986)に記載されている方法により測定した。
実施例1のサンプル(細胞−マトリックス構造)では、引っ張り張力は365N/mであり、実施例2に従って調製したサンプル(角質実質細胞層に覆われた細胞−マトリックス構造)では、引っ張り張力は2720N/mであった。
縫合維持力は、実施例1のサンプルでは、0.14Nであり、実施例2に従って調製したサンプルでは、0.22Nであった。
実施例1、実施例2、および実施例3に記述した構造物を24mmおよび75mmの直径の両方で作成した。3方法全ての培養操作で作成した構造物は密着性のある組織用構造であり、最小の力で膜より剥がすことが可能である。従って、“剥がし可能”であり損傷を与えることなく試験や使用するときに取り扱いやすい。
化学的に限定した培地中でのヒト新生児包皮繊維芽細胞によるコラーゲンマトリックスのIn Vitro形成
実施例1で述べた操作を用いてヒト新生児包皮繊維芽細胞を増殖させた。細胞を3.0x106/ml濃度になるように再懸濁し、6穴トレーの0.4ミクロンポアサイズの24mm直径組織培養用挿入体に3.0x106細胞/TW(6.6x105細胞/cm2)の濃度で接種した。この実施例では、細胞は全て化学的に限定した培地で培養した。
培地の組成は、DMEMおよびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物、4mM GlutaMAX−1TM(Gibco BRL、Grand Island、NY)および以下の添加物を含む;5ng/ml ヒトリコンビナント表皮成長因子(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY、ACSグレード)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Company、Milwaukee、WI)、50ng/ml L−アスコルビン酸(WAKO Chemicals USA、Inc. #013−12061)、0.2μg/ml L−プロリン(Sigma、St.Louis、MO)、および0.1μg/ml グリシン(Sigma、St.Louis、MO)。
上記基礎培地に加え、以下の条件で下記の添加物を加えた。
1. 5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、および0.05% ポリエチレングリコール(PEG)(Sigma、St.Louis、MO)。
2. 5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)および0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)。
3. 375μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)および6μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)。
サンプルはホルマリンで固定しヘマトキシリンおよびエオジンで光学顕微鏡用の染色をした。組織学的な観察評価で、PEGのない条件2でもPEGが存在する条件1とかなり同様なマトリックスを形成することが証明された。構造物のコラーゲン含量を生化学的に測定すると、PEGが存在する条件1では168.7±7.98μg/cm2;PEGのない条件2では170.88±9.07μg/cm2、と両方でほとんど同量の値を示した。高濃度のインスリンとハイドロコーチゾンを含む条件3では、他の2つの条件よりも早い時点でコラーゲンを含んでマトリックスの発現が大きいことが示された。また、全ての条件下で細胞−マトリックス構造体中には内因性に産生される繊維性コラーゲン、デコリン、およびグリコサミノグリカンが存在した。本実施例の条件2の方法で作成した培養真皮構造体を図2に示した。化学的に限定した培地で培養した21日目の培養ヒト真皮繊維芽細胞から形成した細胞−マトリックス構造体の、固定、パラフィン包埋、ヘマトキシリンおよびエオジン染色した切片の写真を図2に示した。多孔性の膜は構造物の下で薄い半透明のバンドのように見える。細胞は膜の表面上で生育し膜をマトリックスの中に取り込まないことが分かる。
図3は、本実施例の条件2の方法で作成した21日目の培養真皮構造体の伝導電子顕微鏡(TEM)の像を示す。図3Aは、繊維芽細胞間の内因性コラーゲン繊維の列を示している7600倍率の像である。図3Bは、完全に形成された内因性コラーゲン繊維の19000倍率の像であり、繊維の配列と束を証明している。
本実施例の全ての条件下で、培養皮膚構造は構成する皮膚繊維芽細胞および内因性に産生するマトリックスを形成した。全てに完全に形成されたコラーゲン繊維が細胞間で配列され束ねられた形で存在することが示された。これら繊維の性質、厚さ、および完全な密着性は構造体に引っ張り聴力を与え、培養膜から剥がし易くするし、それらを患者へ移植するときに取り扱いし易くする。
皮膚構造の厚さ
上記、実施例15で述べた条件2(PEGなし)の方法でヒト真皮繊維芽細胞により作成した21日目の皮膚構造を用いて、正常ヒト新生児包皮表皮角質細胞を細胞−マトリックス構造上に接種し皮膚構造の表皮層を形成した。
培地を無菌的に培養挿入体およびその周辺から取り除いた。正常ヒト表皮角質細胞を、凍結細胞ストックからコンフルエント状態までに4経代培養してスケールアップさせた。細胞を、トリプシン−verseneを用いてシャーレ底面から遊離させ、プールし、細胞ペレットにするように遠心し、表皮化培地中に再懸濁させ、カウントして4.5x104細胞/cm2の密度で膜の上に接種した。構成体は37±1℃、10±1% CO2中で90分間インキュベートし、角質細胞が付着するようにした。インキュベーション後、構成体を表皮化培地に浸した。表皮化培地の組成は、ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersvillc、MD)およびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物で、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Aldrich)、24.4μg/ml アデニン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Company、Milwaukee、WI)、4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)、50μg/ml L−アスコルビン酸ナトリウム塩(Sigma Aldrich Fine Chemicals Company、Milwaukee、WI)、16μM リノール酸(Sigma、St.Louis、MO)、1μM 酢酸トコフェロール(Sigma、St.Louis、MO)、および50μg/ml 硫酸ゲンタマイシン(Amersham Arlington Heights、IL)である。構成体は表皮化培地中で37±1℃、10±1%CO2中で2日間培養した。
2日後、構成体は上記組成の新鮮な培地に交換し、インキュベーターに返し37±1℃、10±1%CO2中で2日間培養した。2日後、構成体を含むキャリヤーを無菌的に十分な量の培地を入れた新しい培養トレーに移し、キャリヤー膜の表面と一致する水面になり、空気−液体境界のところで構成体が発達するのを維持することが出来るようにした。形成される表皮層の表面に接触する空気は上皮細胞層の層化を促す。構成体は37±1℃、10% CO2中、および低湿度中で、2−3日毎に交換した培地で7日間培養した。この培地の組成は;ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)(高グルコース濃度、L−グルタミン無添加、BioWhittaker、Walkersville、MD)およびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の1:1混合物で、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NY)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Company)、24.4μg/ml アデニン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Company)、4mM L−グルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)、2.65μg/ml 塩化カルシウム(Mallinckrodt,Chesterfield、MO)、16μM リノール酸(Sigma、St.Louis、MO)、1μM 酢酸トコフェロール(Sigma、St.Louis、MO)、1.25mM セリン(Sigma、St.Louis、MO)、0.64mM 塩化コリン(Sigma、St.Louis、MO)、および50μg/ml 硫酸ゲンタマイシン(Amersham Arlington Heights、IL)である。2−3日毎に培地を交換し14日間培養した。
サンプルは、トリプリケートで、構造体を空気−液体境界に引き上げた後、10、12、および14日目に採取し、実施例1で述べたようにヘモトキシリンおよびエオジン染色にかけ光学顕微鏡下でグロス発現を測定した。得られた構成体は、実施例3で述べた性質を持つマトリックスで囲まれた繊維芽細胞からなる低(皮膚)層を形成し、多層化しよく分化した角化細胞により覆われた。
最終サンプルを実施例1で述べたように、ヘモトキシリンおよびエオジン染色にかけ光学顕微鏡下でグロス発現を測定した。得られた構成体は、マトリックスで囲まれた繊維芽細胞からなる低層と、それを覆う多層化しよく分化した角化細胞の表皮層とからなる2層の皮膚構造であった。本実施例の2層皮膚構造を図4に示す。図4は、化学的に限定した培地で培養した真皮繊維芽細胞から形成した細胞−マトリックス構造と化学的に限定した培地で培養したヒト角質実質細胞から形成した多層化した分化した表皮からなる、化学的に限定した培地で培養した外から添加したマトリックス成分なしで形成した培養皮膚構造の、固定、パラフィン包埋、ヘマトキシリンおよびエオジン染色した切片の写真を示す。
ヒトほほ繊維芽細胞によるコラーゲンマトリックスの形成
本実験の目的はヒトほほ組織から単離したほほ繊維芽細胞から細胞−マトリックス構造を産生することである。ほほ繊維芽細胞を10%NBCS含有DM培地でT−150シャーレで培養した。7日後に更に細胞数を増やすために、ほほ繊維芽細胞を採集して、各4.0x106細胞を9個のT−150シャーレに入れ10%NBCS含有DMEM培地中でコンフルエントになるまで培養し、そこで採取した。
細胞を採取するために、培地を培養シャーレから吸引した。単層細胞を洗浄するために、無菌濾過したリン酸緩衝液生理食塩水を単層細胞に添加してその後吸引した。トリプシン−verseneグルタミン(BioWhittaker、Walkersville、MD)を各シャ―レに5ml添加し、単層細胞に完全に行き渡るようにゆっくりと回転させることで、シャーレから細胞を遊離させた。培養物はインキュベーターに戻した。細胞が遊離すると同時に、トリプシン−verseneの作用を停止するために、SBTT(大豆トリプシンインヒビター)5mlを各シャーレに添加し細胞懸濁液と混合した。細胞懸濁液をシャーレから取り出し、無菌の円錐遠心管に等分した。細胞を約800−1000xgで5分間遠心して集めた。
細胞は再懸濁し3.0x106/mlの濃度になるように希釈し、6穴トレーの0.4ミクロンポアサイズの24mm直径transwellに3.0x106細胞/TW(6.6x105細胞/cm2)の濃度で接種した。細胞は37±1℃、10±1%CO2中でインキュベーターに静置し以下の培地で培養した。培地の組成は、DMEMおよびHams F−12培地(Quality Biologics Gaithersburg、MD)の3:1混合物、4mM GlutaMAX(Gibco BRL、Grand Island、NY)および以下の添加物を含む;5ng/ml ヒトリコンビナント表皮成長因子(EFG)(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)、0.4μg/ml ハイドロコーチゾン(Sigma、St.Louis、MO)、1x10-4M エタノールアミン(Fulka、Ronkonkoma、NYカタログNo.2400ACSグレード)、1x10-4M O−フォスフォリルエタノールアミン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml インスリン(Sigma、St.Louis、MO)、5μg/ml トランスフェリン(Sigma、St.Louis、MO)、20pM トリヨードサイロニン(Sigma、St.Louis、MO)、6.78ng/ml セレン(Sigma Aldrich Fine Chemicals Company、Milwaukee、WI)、50ng/ml L−アスコルビン酸(WAKO ChemicalsUSA、Inc.)、0.2μg/ml L−プロリン(Sigma、St.Louis、MO)、0.1μg/ml グリシン(Sigma、St.Louis、MO)、および0.05% ポリエチレングリコール(PEG)(Sigma、St.Louis、MO)である。
接種後1日目に、培地を血清無添加産生培地に交換し、以後2−3日毎に新鮮なものと交換し21日間培養した。21日目にサンプルを組織学的な検討のためにホルマリンで固定した。タンパクおよびコラーゲン生成量の解析のために3個のサンプルを使用した。
24mm直径の構造物のコラーゲン生成量は、培養21日目に構造物あたり519μgであった。24mm直径の構造物の総タンパク生成量は、培養21日目に構造物あたり210μgであった。形態学的には、ほほ繊維芽細胞の細胞−マトリックス構造は、口腔の結合組織の培養した組織構造であるが、マトリックスにより取り囲まれたほほの繊維芽細胞を示した。一方、物理的には、構造体は肉体的な容量と完全さを有している。
上述の発明について、明確さと理解を深めるために図および実施例で詳細に説明してきたが、請求項の範囲内で一定の変化や修飾が実用化される技術の一つであることは明かであろう。

Claims (9)

  1. 培養組織構成物を産出する方法であって、
    (a)化学的に定義された細胞培養培地中の培養容器中の3ミクロン以下の大きさの多孔性膜上に、細胞外マトリックスを合成する能力のあるヒト線維芽細胞を蒔く工程を含んでおり、前記化学的に定義された細胞培養培地は、未定義の動物臓器または組織抽出物を含まず、
    (i)栄養基本培地、
    (ii)インシュリン、
    (iii)L−グルタミンまたはL−グルタミン誘導体、および
    (iv)アスコルビン酸塩またはアスコルビン酸塩誘導体、
    を包含し、
    (b)細胞外マトリックス成分を合成、分泌、および組織化させるために少なくとも80%コンフルエントになった前記線維芽細胞を刺激する工程を含んでおり、
    (c)前記線維芽細胞の培養を継続し、少なくとも30ミクロンの厚さの細胞外マトリックスを備える培養組織構築物と、合成された前記細胞外マトリックス内に包含される培養繊維芽細胞と、を産生する工程を含み、
    前記培養組織構成物は、前記多孔性膜上から剥離可能的に取り外すことができる、
    培養組織構成物を産出する方法。
  2. 前記ヒト線維芽細胞が、真皮線維芽細胞である請求項1に記載の方法。
  3. 前記アスコルビン酸塩誘導体が、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸およびL−アスコルビン酸ホスフェートマグネシウム塩n−ハイドレートからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  4. 未定義の動物臓器または組織抽出物を含まない、請求項1に記載の方法を用いて産出される培養組織構成物。
  5. 前記栄養基本培地は、ダルベッコ改良イーグル培地(DMEM)、最小必須培地(ME
    M)、M199、RPMI 1640、イスコフの修飾ダルベッコ培地(EDMEM)、ハムのF−12、ハムのF−10、NCTC109、およびNCTC135栄養基本培地である請求項1に記載の方法。
  6. 前記L‐グルタミン誘導体が、L‐アラニル‐L‐グルタミンである請求項1に記載の方法。
  7. 培養組織構成物であって、
    線維芽細胞を含んでおり、この線維芽細胞は細胞外マトリックス層の生成する条件の下で生育され、この細胞外マトリックスの層は前記線維芽細胞によって合成され、組み立てられ、前記線維芽細胞は合成された前記細胞外マトリックス層によって囲まれ、前記細胞外マトリックスは、前記培養条件に置かれる間、外因性マトリックス成分なしに前記線維芽細胞によって生成され、前記条件には、
    (i)栄養基本培地、
    (ii)インシュリン、
    (iii)L−グルタミンまたはL−グルタミン誘導体、および
    (iv)アスコルビン酸塩またはアスコルビン酸塩誘導体、
    を包含し、未定義の動物臓器または組織抽出物を含まない化学的に定義された培地が含まれ、
    7日間、前記線維芽細胞の培養を継続し、少なくとも30ミクロンの厚さの細胞外マトリックスを備える培養組織構築部が生産される、培養組織構成物。
  8. 前記線維芽細胞が、新生男児包皮、真皮、腱、肺、尿道、臍帯、角膜基質、口腔粘膜、および腸から構成される群から選択される組織から由来する請求項7に記載の培養組織構成物。
  9. 前記線維芽細胞が、真皮線維細胞である請求項7に記載の培養組織構成物。
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