以下、本発明に係るモータユニットの各実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、以下に示す各実施形態では、このモータユニットを、従来と同様、自動車のパワーステアリング装置に適用したものを示している。
すなわち、図1〜図7は本発明の第1実施形態を示しており、まず、本発明に係るモータユニットが適用されるパワーステアリング装置について説明すれば、該パワーステアリング装置1は、油圧により後記のラック軸6の推進力を補助することで操舵力をアシストする油圧パワーステアリング装置であって、図1に示すように、一端側がステアリングホイールSWと一体回転可能に連係され、該ステアリングホイールSWを介して運転者から入力された操舵トルクに基づいて回転する入力軸2と、一端側が後記のラック・ピニオン機構4を介して転舵輪WR,WLに連係されると共に、他端側が入力軸2の他端側に図外のトーションバーを介して相対回転可能に連結され、入力軸2から入力された操舵トルクに基づく前記トーションバーの捩れ変形の反力により回転することで操舵トルクの出力に供される出力軸3と、該出力軸3と転舵輪WR,WLとの間に介装され、その内部に隔成された後記の一対の圧力室P1,P2に作用する油圧を利用して出力軸3による操舵トルクの出力を補助(アシスト)するパワーシリンダ5と、該パワーシリンダ5の一対の圧力室P1,P2に対して油圧を給排するモータ・ポンプユニット10(本発明に係るモータユニットに相当)と、から主として構成されている。
前記ラック・ピニオン機構4は、出力軸3の一端部の外周に形成されたピニオン歯3aと当該出力軸3の一端部にほぼ直交するように配置されるラック軸6の軸方向所定範囲に形成されるラック歯6aとが噛合してなるもので、出力軸3の回転方向に応じてラック軸6が軸線方向へ移動するようになっている。そして、前記ラック軸6の両端部にはそれぞれタイロッド7が連結されると共に、該タイロッド7はナックル8を介して転舵輪WR,WLに連係されており、ラック軸6が軸線方向へ移動することによりタイロッド7を介してナックル8が引っ張られ、これによって、前記転舵輪WR,WLの向きが変更されるようになっている。
前記パワーシリンダ5は、ほぼ円筒状に形成されたシリンダチューブ5aにピストンロッドとしてのラック軸6が軸方向に沿って貫装され、該ラック軸6の外周面に嵌着されたピストン5bによってシリンダチューブ5a内に一対の圧力室である第1圧力室P1及び第2圧力室P2が隔成されている。そして、第1圧力室P1に第1配管9aが接続されると共に、第2圧力室P2には第2配管9bが接続され、当該両配管9a,9bが後記のポンプ11に接続されることによってパワーシリンダ5とポンプ11とが接続するようになっており、前記各圧力室P1,P2内にポンプ11からの油圧が供給されることによって、当該油圧に基づいてラック軸6に対する推進力が発生し、これによって、操舵トルクがアシストされるようになっている。
前記モータ・ポンプユニット10は、図1、図2に示すように、パワーシリンダ5の前記各圧力室P1,P2へと選択的に油圧を供給する可逆式の双方向ポンプであって本発明に係る従動ギヤ機構を構成するポンプ11と、該ポンプ11を介して循環する作動油を貯留するリザーバタンク12と、ポンプ11を駆動するモータ13と、該モータ13を駆動制御するECU14と、が一体に構成されたものであって、ポンプ11を挟んで軸方向一方側にリザーバタンク12が配置されると共に、他方側にモータ13が配置され、該モータ13の側方であって当該モータ13とポンプ11との間にECU14が配設されている。換言すれば、このモータ・ポンプユニット10は、モータ13とECU14とが一体に構成された図3に示すモータ制御装置MCとポンプ11とがユニット化されたものである。
前記ポンプ11は、いわゆる内接歯車ポンプであって、図2に示すように、ほぼ中心部においてZ軸方向へ沿って軸挿通孔15aが貫通形成され、軸方向一端面15bが後記のECUカバー32の外側面32aと当接して突き合わせ状態に配置されるポンプボディ15(本発明に係るギヤハウジングに相当)と、該ポンプボディ15の軸方向他端側に後記のカムリング17を挟んで対向配置されるポンプカバー16と、ポンプボディ15の軸方向他端面15c側に当該ポンプボディ15とポンプカバー16とによって挟持状態に保持固定される円環状のカムリング17と、該カムリング17の内周側に画成されるポンプ要素収容部(本発明に係るギヤ収容部に相当)収容配置され、回転に伴い作動油の吸入・吐出を行うポンプ要素18(本発明に係るギヤ要素に相当)と、ポンプボディ15の軸挿通孔15aにおいて回転自在に挿通配置されると共に、後記のモータ出力軸23に所定の軸継手35(本実施形態では、いわゆるオルダム継手を適用した例を示す。)を介してトルク伝達可能となるように接続され、該モータ13から伝達される回転トルクに基づいてポンプ要素18を回転駆動する本発明に係るギヤ回転軸であるポンプ駆動軸19と、から主として構成されていて、ポンプ要素18がモータ13によって回転駆動されることで、ポンプカバー16にZ軸方向へ沿って貫通形成された図外の吸入口を介してリザーバタンク12から作動油を吸入すると共に、この吸入した作動油を加圧して前記各配管9a,9bを通じてパワーシリンダ5の前記各圧力室P1,P2へ吐出するようになっている。
前記ポンプボディ15は、その軸挿通孔15aのモータ13側の端部に拡径状の大径部15dが形成され、この大径部15dの内側端部には円環状をなす周知のシール部材S1が収容保持されていて、該シール部材S1によって大径部15d内周面とポンプ駆動軸19の一端側(Z軸正方向側の端部)外周面との間がシールされ、これによって、ポンプ11内における作動油のモータ13側への漏出が抑制されている。また、この大径部15d内には、軸継手35の一端側(Z軸負方向の端部側)が収容され、この大径部15dにおいて当該大径部15dの開口端近傍まで延出するポンプ駆動軸19の一端部である後記のポンプ側接続部19aが軸継手35を介して接続されるようになっている。
前記ポンプ要素18は、ポンプ駆動軸19外周に回り止めをもって相対回転不能に固定され、その外周に多数の外歯を有するインナーロータ18aと、該インナーロータ18aの外周側においてカムリング17の内周面に当該カムリング17に対して相対回転可能に嵌着され、その内周に前記各外歯に噛合する多数の内歯を有するアウターロータ18bとにより構成され、インナーロータ18aの外歯がアウターロータ18bの内歯と周方向の一部で噛み合うことで、外歯と内歯の間に大きさ及び形状の異なる複数のポンプ室が周方向に隔成されている。
前記ポンプ駆動軸19は、ポンプボディ15の軸挿通孔15aに収容された2つの第1、第2ニードル軸受PB1,PB2によって軸方向のほぼ中間部と他端側が回転自在に支持されている。そして、前記大径部15dの開口端近傍まで延出するポンプ駆動軸19の一端部には、軸中心を通る偏平状に形成され、かつ、軸継手35の一端側受容部35aと接続可能に構成されたポンプ側接続部19a(本発明に係るギヤ側接続部に相当)が設けられ、このポンプ側接続部19aが軸継手35の一端側受容部35aに嵌挿されることで、両者19a,35aが接続されるようになっている。
前記リザーバタンク12は、ほぼL字形状に形成され、一端側に形成されてZ軸正方向に開口する第1円筒部12aがポンプカバー16とカムリング17の全体を覆うようにしてポンプボディ15の軸方向他端部の外周部に嵌着固定されている一方、他端側に形成される第2円筒部12bは、X軸正方向に開口する開口部を有し、該開口部は、ほぼ平板状のタンクカバー12cが取付固定されることで閉塞されるように構成されている。なお、このタンクカバー12cのほぼ中央部には、作動油の注入に供する円筒開口部12dが突出形成されていて、該筒状開口部12dは、着脱可能に設けられたキャップ12eが被嵌されることによって閉塞されるようになっている。
前記モータ13は、いわゆる3相交流式の表面磁石型同期モータであって、図2、図3に示すように、ECU14と共通の筐体を構成するハウジング20(本発明に係るモータハウジングに相当)内部における後記の筒状部28内周に収容保持される第1玉軸受BB1により軸方向一端側が回転自在に支持されたモータ出力軸23と、該モータ出力軸23の外周に圧入され、かつ、キー等によって回り止めが施されたほぼ円筒状のロータ24と、該ロータ24の外周側に所定の径方向隙間を介して非接触状態に配置されたほぼ円筒状のステータ25とによって構成されるモータ本体MBと、モータ出力軸23の一端外周側に配設された回転位置(回転角)センサであるレゾルバ26と、を備えている。なお、本実施形態では、前記ロータ24及びステータ25により本発明に係るモータ要素が構成されている。
そして、このモータ13は、図1に示すように、入力軸2外周に配設されて当該入力軸2に入力された操舵トルクを検出するトルクセンサTSの検出結果や車両の走行速度を検出する車速信号等に基づきECU14によって駆動制御される。すなわち、運転者が操舵操作を行うと、その操舵方向に応じてモータ13の回転方向が切り換えられて、パワーシリンダ5において運転者から入力された操舵トルクに応じた操舵アシスト力を発生させるべくポンプ11を回転駆動するようになっている。
前記ハウジング20は、アルミダイキャストによって一体に成形され、その内部には、モータ13を収容するモータ収容部21と、ECU14を収容するECU収容部31とが隔成されている。このように、当該ハウジング20を型成形によって一体に形成することで、構造の簡略化が図れ、両者21,31を接続する手間を省略することができる。この結果、組立作業性や生産性の向上に供される。
前記モータ収容部21は、特に図3に示すように、Z軸方向に沿って、かつ、当該Z軸負方向へ向かって段差縮径状に形成されていて、Z軸正方向側に開口形成された大径状のモータ本体収容部27と、Z軸負方向側に縮径状に開口し、かつ、ECU収容部31を貫通するように延設された筒状部28と、該筒状部28とモータ本体収容部27との間に設けられた段差壁部29とを有し、前記筒状部28と段差壁部29とをもって、当該モータ収容部21とECU収容部31との間を隔成する隔壁Wが構成されている。
ここで、前記モータ本体MBは、その軸方向一方側(Z軸負方向側)のみがモータ本体収容部27内に収容され、他方側がZ軸正方向側へと突出するように構成されていて、この突出した軸方向他方側については、モータ本体収容部27の端部開口を閉塞するモータカバー22内に収容されるようになっている。つまり、前記モータ本体MBは、ハウジング20のモータ収容部21とモータカバー22とに跨って収容される構造となっている。
前記モータカバー22は、薄板をほぼ有蓋円筒状に折曲形成してなり、その開口端縁に形成されたフランジ部22aを介してモータ本体収容部27の開口端面に、複数の第1取付ボルトB1によって取付固定されている。また、かかるモータカバー22の天蓋部22bには、そのほぼ中央位置に第2軸受収容部22cが穿設され、該第2軸受収容部22cに、モータ出力軸23の他端部を支持する第2玉軸受BB2が収容保持されている。
前記モータ出力軸23は、前述のような構成から、その一端側に設けられた中径部23aが、筒状部28内周における軸方向のほぼ中間位置に設けられた第1軸受収容部28aに収容保持される第1玉軸受BB1によって支持されていると共に、その他端部に設けられた小径部23bが、モータカバー22内部に収容された第2玉軸受BB2により支持されている。また、このモータ出力軸23の一端側は、筒状部28の軸方向のほぼ全域にわたって収容されるような長さ、つまり筒状部28のZ軸負方向の端部近傍まで延出するような長さに設定されていて、該筒状部28と共にECU収容部31を貫通するように構成されている。そして、かかる筒状部28のZ軸負方向の端部近傍まで延出するモータ出力軸23の一端部には、その軸中心を通る偏平状に形成され、かつ、軸継手35の他端側受容部35bと接続可能に構成されたモータ側接続部23cが設けられていて、このモータ側接続部23cが軸継手35の他端側受容部35bに嵌挿されることで両者23c,35bが接続されるようになっている。
ここで、前記軸継手35は、ポンプボディ15とハウジング20との境界部Bに跨ってポンプ駆動軸19とモータ出力軸23とを接続するように構成されていることから、当該軸継手35を介して前記両軸19,23を接続する際に、当該軸継手35が前記両部材15,20の境界部Bに露出することとなるため、当該軸継手35と前記各軸19,23との接続作業性が良好となり、その結果、当該軸継手35による前記両軸19,23の接続作業性の向上が図れる。
前記ロータ24は、モータ出力軸23における大径部23dのZ軸正方向の端部外周に固定されたロータコア24aと、該ロータコア24aの外周に接着剤によって固定された複数のマグネット24bと、該マグネット24bの外周側に設けられたマグネットカバー24cと、から構成されている。
前記ステータ25は、ステータコイル25bを装着したステータコア25aがモータ本体収容部27とモータカバー22の両内周部に圧入固定されていて、結線処理されたステータコイル25bの端部が第1接続端子T1に連係され、該第1接続端子T1を介して後記の制御基板30と電気的に接続されている(図5参照)。ここで、この第1接続端子T1は、ステータ25からZ軸負方向へ沿って延出し、モータ収容部21の段差壁部29の対応する位置にZ軸方向へ沿って貫通形成された第1端子挿通孔29aを通じてECU収容部31内に臨むように構成されている。
前記レゾルバ26は、モータ出力軸23の大径部23dのZ軸負方向の端部外周に回り止めが施された状態で固定され、ロータ24の磁極の極対数に応じた複数の回転磁極を備えたレゾルバロータ26aと、このレゾルバロータ26aの外周側に所定の径方向隙間を介して非接触状態に配置されると共にモータ収容部21における筒状部28のZ軸正方向端部に設けられたレゾルバ収容部28bに圧入固定され、複数設けられた磁極にそれぞれセンサコイル26cを巻回してなるレゾルバステータ26bとによって主として構成され、結線処理されたセンサコイル26cの端部が第2接続端子T2を介して後記の制御基板30に電気的に接続されている。すなわち、レゾルバステータ26bによってモータ出力軸23に同期して回転するレゾルバロータ26aの回転磁極の位置を検出することで、モータ出力軸23の回転角を検出するようになっている。
ここで、前記レゾルバ26につき、レゾルバステータ26bを、モータ出力軸23を軸支するモータ収容部21(レゾルバ収容部28b)に固設することで、当該レゾルバステータ26bを他の部材に固設する場合に比べて、モータ出力軸23との相対位置精度を向上させることが可能となり、これによって、当該モータ出力軸23の回転位置(回転角)の検出精度向上に供されている。
なお、第2接続端子T2も、第1接続端子T1と同様に、レゾルバステータ26bからZ軸負方向に沿って延出し、モータ収容部21の段差壁部29の対応する位置にZ軸方向へ沿って貫通形成された第2端子挿通孔29aを介してECU収容部31内に臨むように構成されている。
前記ECU14は、ECU収容部31内に収容され、所定の電子部品が実装された制御基板30によって構成されている。そして、この制御基板30は、ハウジング20に固設された複数の爪部材33等によって当該ハウジング20に固定されていて、前記第1端子挿通孔29aを通じてECU収容部31内へ臨む第1接続端子T1を介して直接ステータコイル25bとの電気的な接続がなされ、また、前記第2端子挿通孔29bを通じてECU収容部31内に臨む第2接続端子T2を介して直接センサコイル26cとの電気的な接続がなされるようになっている。換言すれば、モータ13とECU14とは、ハウジング20内においてモータ制御装置MCとして電気的な接続が完結するように構成され、前記ポンプ11を接続したり前記パワーステアリング装置1に搭載したりせずともそれ単体で作動させることが可能となっている。
この際、前記制御基板30が、前述のようにECU収容部31内にてハウジング20に固定されていることで、ステータコイル25bやセンサコイル26cと制御基板30に実装された前記電子部品との電気的接続性の向上に供されている。
前記ECU収容部31は、特に図3に示すように、ハウジング20のZ軸負方向側の端部において制御基板30を当該Z軸負方向側から挿入可能となるようにX軸方向において広く開口形成された、制御基板30を収容する回路収容部34と、該回路収容部34の開口部を閉塞するECUカバー32(本発明に係るECUハウジングに相当)と、から構成されている。
ここで、前記筒状部28は、回路収容部34の天井部34aから当該回路収容部34を貫通するように延出し、その先端部28c(本発明に係る第1嵌合部に相当)が、ECUカバー32の底壁部32bに貫通形成された貫通孔32c(本発明に係る嵌合部貫通孔に相当)を通じて当該ECUカバー32の外部へと臨むように延設されている。そして、このECUカバー32の外部へ臨む筒状部28の先端部28cは、ポンプボディ15の軸挿通孔15aにおける大径部15d(本発明に係る第2嵌合部に相当)の開口端部内に嵌合可能に構成されている。
また、前記ECUカバー32は、回路収容部34の開口端面34bとポンプボディ15の一端面15bとの間に介装されるように配置されているが、当該ECUカバー32は、それ単体で、すなわちポンプボディ15とは独立して、回路収容部34の開口端面34bに複数の第2取付ボルトB2により取り付けられるようになっている(図4参照)。換言すれば、このECUカバー32は、モータ収容部21にポンプボディ15が取り付けられていない状態で、回路収容部34の開口部を閉塞できるようになっている。
そして、前記回路収容部34の開口端面34bには、図3、図5に示すように、当該開口端面34bの形状に沿って連続するシール収容溝34cが切欠形成されており、このシール収容溝34cには、横断面ほぼ円形状をなすシール部材S2が嵌着されている。すなわち、このシール部材S2により、回路収容部34の開口端面34bと該開口端面34bに接合されるECUカバー32の接合端面32cとの間が液密にシールされ、これによって、前記両端面34b,32c間を介しての外部から回路収容部34内への塵埃等の侵入の抑制が図られている。
同様に、前記筒状部28の先端部28cの外周面にも、特に図3に示すように、周方向に沿って連続するシール収容溝28dが切欠形成されていて、このシール収容溝28dには、例えばOリングによって構成されるシール部材S3が嵌着されている。すなわち、このシール部材S3により、前記貫通孔32bの内周面と該貫通孔32bに挿通する筒状部28の先端部28c外周面との間が液密にシールされ、これによって、前記両者32b,28cの対向面間を介しての外部から回路収容部34内への塵埃等の侵入や、ポンプ11側から回路収容部34内への作動油の侵入の抑制が図られている。
ここで、本実施形態では、前記シール収容溝28dを、前記貫通孔32bの内周面ではなく、前記筒状部28の先端部28c外周面に設ける構成となっていることから、当該シール収容溝28dを容易に形成することができると共に、シール部材S3の組み付け性も良好となっており、この結果、良好な生産性の確保に供される。
また、前記筒状部28の先端部28c内周にも、前記軸受収容部28aよりZ軸負方向側に設けられたシール保持部28dに、円環状をなす周知のシール部材S4が収容保持され、該シール部材S4によって筒状部28の先端部28c内周面とモータ出力軸23の中径部23a外周面との間がシールされており、これによって、前記両者28c,23aの対向面間を介してのポンプ11側からレゾルバ収容部28b内への作動油の侵入の抑制が図られている。
このように、前記各シール部材S2〜S4をもって各部をシールすることにより、ハウジング20にポンプボディ15が未接続の状態であっても、モータ制御装置MC単体で、外部から回路収容部34内への異物の侵入を抑制することが可能となっている。これにより、例えばモータ制御装置MCとポンプ11とを別工程で組み付ける場合など、当該モータ制御装置MCの搬送等を行う際においても、外部から回路収容部34内への異物の侵入が抑制されると共に、当該異物侵入の抑制化を維持したままモータ出力軸23とポンプ駆動軸19とを接続することができる。この結果、当該モータ制御装置MCの組み立て後、前記モータ・ポンプユニット10の組み立て完了までの間におけるモータ制御装置MC単体を取り扱う際の異物侵入のおそれがなくなる。
以上のことから、本実施形態に係るモータ・ポンプユニット10によれば、ハウジング20に設けた筒状部28を、ECUカバー32の貫通孔32cを通じて当該ECUカバー32の外部へ臨むように構成し、このECUカバー32の外部へと臨む筒状部28の先端部28cをポンプボディ15の軸挿通孔15aにおける大径部15dの開口端部に嵌合させることによって当該ハウジング20に対するポンプボディ15の径方向の位置決めを行うようにしたことから、この両者15,20の位置決めに際し、従来のように他の部材が介在することがなく、この両者15,20の加工誤差や組み付け誤差の累積による当該両者15,20の位置ずれを抑制することが可能となる。この結果、前記両者15,20それぞれに軸支されるポンプ駆動軸19とモータ出力軸23の軸心の位置ずれが抑制され、当該両軸19,23の同軸性の向上が図れる。
しかも、この際、前記嵌合構造を、円筒状の前記筒状部28と、ポンプ駆動軸19の軸直角方向の断面(横断面)が円形をなす前記軸挿通孔15aと、をもって前記両者15,20の径方向の位置決めを行うようにしたことで、当該位置決めをより精度良く行うことができ、前記両軸19,23の同軸性の効果的な向上に供される。
さらに、前記大径部15dは、ポンプ駆動軸19が挿通する軸挿通孔15aの開口端部に拡径形成したものであって、前記筒状部28の嵌合に供する凹部を別途設ける必要もない。したがって、前記位置決め構造を採用するにあたり、加工工数の増大化を抑制することにも供される。
また、前記嵌合構造において凸部を構成する筒状部28につき、モータ出力軸23を包囲するような円筒状に形成し、当該筒状部28がECUカバー32を貫通する構成としたことで、ハウジング20の内部において筒状部28及びこれに連係する段差壁部29によって隔壁Wが形成され、この隔壁Wによってモータ収容部21とECU収容部31とが相互に隔成されることとなるため、モータ出力軸23に付着したグリスや金属粉等の異物がECU収容部31内に侵入してしまうおそれもない。
さらには、前記筒状部28が前記貫通孔32cを介してECUカバー32を貫通するように構成したことにより、貫通孔32cが筒状部28によって閉塞されることとなり、外部からECU収容部31内への塵埃の侵入の抑制に供される。しかも、前記両者28,32c間はシール部材S3によってシールする構成としたことから、前記ECU収容部31内への塵埃の侵入の効果的な抑制が図れる。したがって、前記位置決め構造を採用することに伴うECU収容部31内への異物侵入のリスクを極力回避することができる。
また、前記筒状部28がECU収容部31を貫通する構成としたことにより、回路収容部34がモータ本体MBの一方側に配置されることとなり、該モータ本体MBと制御基板30との電気的な接続に係るレイアウト性の向上にも供される。
図6、図7は、本発明に係るモータユニットの第2実施形態を示しており、当該実施形態は、本発明を、モータの回転トルクにより操舵力を直接アシストするいわゆる電動パワーステアリング装置に適用したものである。なお、当該実施形態においても、基本的な構成、特にモータ制御装置の構成については、前記第1実施形態に係るものと同様であるため、前記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
すなわち、このパワーステアリング装置1は、図6に示すように、いわゆるピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置であって、一端側がステアリングホイールSWと一体回転可能に連係される入力軸2と、一端側が図外のトーションバーを介して入力軸2の他端側に相対回転可能に連結され、他端側がラック・ピニオン機構4を介して転舵輪WL,WRに連係される出力軸3と、入力軸2の外周側に配置され、該入力軸2と出力軸3との相対回転変位量に基づいて操舵入力トルクを検出するトルクセンサTSと、該トルクセンサTSによる検出結果や車速信号等に基づいて駆動制御され、操舵トルクに応じた操舵アシストトルクを発生させるモータ13と、該モータ13の回転トルクを出力軸3へ伝達する減速機構41(本発明に係る従動ギヤ機構に相当)と、モータ13を駆動制御するECU14と、を備えていて、運転者が操舵を行うことで、その操舵方向に応じてモータ13の回転駆動方向が切り換えられて、減速機構41の出力をもって運転者の操舵トルクに応じたアシストトルクが出力軸3へ付与されるようになっている。ここで、モータ13とECU14とにより構成されるモータ制御装置MCと減速機構41とは、本発明に係るモータユニットに相当するモータ・ギヤユニット40として一体に構成されている。
前記減速機構41は、図7に示すように、出力軸3を収容する筐体と共通化されたギヤハウジング42の内部に収容されるウォーム歯車WG(本発明に係るギヤ要素に相当)によって構成され、このウォーム歯車WGは、その一端部(Z軸正方向側の端部)がモータ出力軸23の一端部において後記の螺子構造をもって接続され、軸方向ほぼ中間部に歯部43aを有するウォームシャフト43(本発明のギヤ回転軸に相当)と、出力軸3の外周に固定され、その外周に前記歯部43aに噛合する歯部44aを有するウォームホイール44と、から構成されている。
ここで、前記ウォームシャフト43は、ギヤハウジング42の内部においてモータ出力軸23の軸線上に貫通形成されたシャフト収容部45に収容され、前記ウォームホイール44は、ギヤハウジング42の内部において、シャフト収容部45と直交し、かつ、所定範囲がシャフト収容部16に臨むように形成されたホイール収容部46に収容されている。ここで、かかるシャフト収容部45とホイール収容部46とによって、本発明に係るギヤ収容部が構成されている。
また、前記ウォームシャフト43は、その一端側が、シャフト収容部45内の一端側(Z軸正方向側)に拡径形成された大径部45a内に収容保持された第3玉軸受BB3によって、また、その他端部が、シャフト収容部45の他端部45bに所定の軸受ホルダ47を介して収容保持される第4玉軸受BB4によって、それぞれ回転自在に支持されている。そして、このウォームシャフト43の一端部には、その外周に形成された雄ねじ部によって構成されるギヤ側接続部43aが設けられ、該ギヤ側接続部43aがモータ出力軸23の一端部内周に形成された雌ねじ部によって構成されるモータ側接続部23eに螺着されることで、両者43a,23eが接続されるようになっている。
また、本実施形態では、前記シャフト収容部45の大径部45aが本発明に係る第2嵌合部として構成され、当該大径部45aの開口端部内にモータ収容部21の筒状部28の先端部28c(本発明に係る第1嵌合部に相当)が嵌合可能となるよう構成されていて、該筒状部28の先端部28cが当該シャフト収容部45の大径部45aに嵌合することにより、前記第1実施形態と同様、ハウジング20に対するギヤハウジング42の径方向の位置決めが行われるようになっている。そして、ギヤハウジング42は、かかる位置決めを利用して、ECUカバー32の外側面32aに、複数の取付ボルトB3を介して取り付けられる。
以上のように、本発明に係るモータユニットは、従動ギヤ機構が前記ポンプ11以外となる前記減速機構41にも適用でき、本実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えばハウジング20や、ポンプボディ15ないしギヤハウジング42の形状や大きさ等については、その適用対象(例えばパワーステアリング装置)の仕様等に応じて自由に変更することができる。
また、本発明に係る従動ギヤ機構についても、ポンプ11は、可逆式双方向ポンプのほか、一方向ポンプのように他の構成を有するポンプであってもよく、さらに、減速機構41も、減速作用を有するものであればウォーム歯車WGに限定されるものではない。
また、前記各実施形態では、本発明に係る凸状の第1嵌合部をモータ13側のハウジング20に設け、凹状の第2嵌合部をポンプ11のポンプボディ15及び減速機構41のギヤハウジング42に設けた例を示しているが、前記嵌合構造が成立すれば、ポンプボディ15ないしギヤハウジング42側に前記第1嵌合部を設け、ハウジング20側に前記第2嵌合部を設ける構成としてもよい。
また、前記各実施形態では、モータ収容部21とECU収容部31とを1つのハウジング20内に形成し、当該両収容部21,31を一体に構成した例を示しているが、当該両収容部21,31の相対位置が確保されていれば、これらを別体として相互に取付ボルト等によって結合する構造とすることも可能であり、一体構造に限定されるものではない。
さらに、本発明に係るECUハウジングは、前記各実施形態に示したECUカバー32ようにハウジング20と一緒にECU収容部31を構成する形態に限定されるものではなく、例えばECUカバー32が制御基板30を包囲するように構成して、当該ECUカバー32単体でもってECU収容部31を構成するようにしてもよい。
また、前記第1実施形態では、モータ出力軸23のモータ側接続部23cとポンプ駆動軸19のポンプ側接続部19aとを軸継手35により接続して両軸23,19間において軸線方向に非固定状態となる構成としている一方、前記第2実施形態では、モータ出力軸23のモータ側接続部23eとウォームシャフト43のギヤ側接続部43aとを螺子構造により接続して両軸23,43間において軸線方向に固定状態となる構成としているが、本発明におけるモータ出力軸とギヤ回転軸の接続とは、モータ出力軸23からギヤ回転軸に相当するポンプ駆動軸19又はウォームシャフト43へモータ出力軸23の回転トルクが伝達されるように構成されていればよく、その手段については特に限定されるものではない。すなわち、前記モータ出力軸23のモータ側接続部23aと、前記ポンプ駆動軸19のポンプ側接続部19a又は前記ウォームシャフト43のギヤ側接続部43aと、が軸線方向において固定されているか否かは問わず、いずれの手段を採用することも可能である。
また、この際、前記軸継手35によるモータ出力軸23とポンプ駆動軸19又はウォームシャフト43との接続位置についても、図2及び図7に示すようなハウジング20とポンプボディ15又はギヤハウジング42との境界部に限定されるものではなく、例えばモータ収容部21内にて偏倚した位置において接続させたり、ポンプボディ15又はギヤハウジング42内にて偏倚した位置において接続させることも可能である。これに伴って、ECU収容部31内においても、前述のように筒状部28を通じてモータ出力軸23が貫通する構成のみならず、筒状部28を通じてポンプ駆動軸19やウォームシャフト43が貫通する構成とすることも可能である。
前記実施形態から把握される特許請求の範囲に記載した以外の技術的思想について、以下に説明する。
(1) 前記第1嵌合部が、前記嵌合部貫通孔よりも前記ギヤハウジング側に突出するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のモータユニット。
かかる構成によれば、制御基板とECUハウジングとはモータハウジング側に組み付けられて、ギヤハウジングが組み付けられる前の状態においてモータハウジングの第1嵌合部がECUハウジングの嵌合部貫通孔から突出した状態となることから、嵌合部貫通孔の開口部を第1嵌合部によって閉塞することが可能となり、制御基板の収容室内への塵埃の侵入の抑制に供される。
(2)前記第1嵌合部と前記嵌合部貫通孔との間に、当該両者間をシールするシール部材を配置したことを特徴とする前記(1)に記載のモータユニット。
かかる構成によれば、装置の組み付け途中における制御基板の収容室内への塵埃の侵入を効果的に抑制することができる。
(3)前記第1嵌合部の外周に環状溝を設け、該環状溝に前記シール部材を嵌着するように構成したことを特徴とする前記(2)に記載のモータユニット。
かかる構成によれば、嵌合部貫通孔の内周面に環状溝を設ける場合に比べて、当該環状溝の形成が容易に行えると共に、シール部材の取付性も良好となる。
(4)前記第1嵌合部を、前記モータ出力軸を包囲するような筒状に形成したことを特徴とする前記(1)に記載のモータユニット。
かかる構成によれば、第1嵌合部によって、制御基板の収容室とモータ出力軸とを分離させることができるため、モータ出力軸に付着したグリスや金属粉等が前記制御基板の収容室内に侵入してしまう不具合を抑制することができる。
(5)前記第1嵌合部は前記ギヤハウジング側へ円筒状に突出形成される一方、
前記第2嵌合部は前記ギヤ回転軸に対する直角方向の断面が円形をなす凹状に形成され、
前記第2嵌合部内に前記第1嵌合部が挿入されることによって、前記モータハウジングに対する前記ギヤハウジングの径方向の位置決めを行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモータユニット。
かかる構成によれば、凸状の第1嵌合部と凹状の第2嵌合部とを嵌合させて位置決めを行うにあたり、当該両部を横断面円形状とすることで、当該両部を精度良く形成することができ、位置決め性の向上に供される。
(6)前記モータハウジングに、前記モータ出力軸の回転位置を検出する回転位置センサを設けたことを特徴とする請求項1に記載のモータユニット。
このように、モータ出力軸が軸支されるモータハウジングにモータ回転位置センサを設けることで、当該センサを他の部材に設ける場合に比べて、モータ出力軸との相対位置精度が向上し、その結果、モータ出力軸の回転位置の検出精度を向上させることができる。
(7)前記制御基板を前記モータハウジングに固定するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のモータユニット。
このように、モータ要素を駆動制御する制御基板をモータハウジングに固定することで、モータ要素と制御基板との電気的接続性の向上に供される。
(8)前記モータ側接続部と前記ギヤ側接続部との間に、当該両接続部同士を接続して前記モータ出力軸からの回転トルクを前記ギヤ回転軸へ伝達する継手を、前記モータハウジングと前記ギヤハウジングの境界部を跨ぐように設けたことを特徴とする請求項1に記載のモータユニット。
このように構成することで、モータハウジング側にモータ出力軸と制御基板とECUハウジングとが組み付けられ、また、ギヤハウジング側にギヤ回転軸が組み付けられた状態でモータ出力軸とギヤ回転軸とを継手を介して接続するにあたって、当該継手が、組み合わされる部材同士の境界部分に露出することになることから、当該継手の接続作業性が良好となる。