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JP5487797B2 - 交流発電機 - Google Patents
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Description

本発明は交流発電機に関し、特に複数の電源仕様で電力を負荷に供給可能な交流発電機に関する。
工事現場等では、工事用機器の動力用電源である三相200V電源の他に、照明機器や電動工具等の電源である単相100V電源及び単相200V電源等が要求される。このため、従来、工事現場等で使用される交流発電機として、複数の電源仕様又は電力タイプ(例えば、三相交流出力、単相交流出力)の電力負荷に同時に電力を供給可能な可搬型のエンジン駆動発電機が提供されている(例えば、特許文献1参照)。本明細書では、電源仕様という用語は、電圧,周波数,相数等で特定される供給電力のタイプを示している。
特許文献1に記載の交流発電機は、三相巻線と、この三相巻線の一部を共通巻線部とした単相3線巻線とからなる電機子巻線を有している。この電機子巻線により、特許文献1に記載の交流発電機は、三相巻線から三相交流出力(例えば三相200V)を供給可能であると共に、単相3線巻線から単相交流出力(例えば単相100V及び単相200V)を供給可能である。したがって、この発電機は、定格値が異なる3種類の電源仕様(三相200V、単相200V、単相100V)で負荷に電力を供給可能である。この発電機では、各電源仕様を単独で使用することも可能であり、又、これらの任意の電源仕様を複数同時に使用することも可能である。
このような発電機では、例えば単相100Vの電源仕様で負荷に電力を供給中に、更に単相100Vの電源仕様の追加の負荷を接続することが可能である。また、単相100Vの電源仕様で負荷に電力を供給中に、更に単相200V或いは三相200Vの電源仕様の追加の負荷を接続することも可能である。この場合、発電機の定格電力を超えないように追加の負荷を接続する必要があり、追加で接続できる負荷は発電機の残容量以下である。
また、特許文献1の発電機では、定格値を超える大きな電力負荷を接続した場合には、電機子巻線に定格電流を超える電流が流れる。この発電機は、このような過大な電流を検知すると、出力配線を遮断し、負荷を発電機から切り離すように構成されている。これにより、この発電機では、過大な電流が電機子巻線に流れ続けることを防止することができる。
特開2008−172919号公報
特許文献1に記載されたような発電機では、例えば、単相100Vの電源仕様で負荷に電力を供給中、使用者は、この電源仕様の定格電力から、接続している負荷電力を差し引くことで、使用中の電源仕様の残容量を計算することができる。このため、更にこの電源仕様で追加の負荷に電力を供給する場合には、追加の負荷が残容量以下であるか否か(すなわち、追加の負荷を接続可能であるか否か)を使用者が容易に判定することができる。
しかしながら、例えば、単相100Vの電源仕様で負荷に電力を供給中、更に異なる電源仕様(例えば、単相200V或いは三相200V)で追加の負荷に電力を供給する場合には、接続しようとしている負荷の電源仕様において使用可能な負荷電力量又は残容量を簡単には見積もることができなかった。
このため、使用者が空いている出力端子(例えば、三相200V)に容量オーバーの負荷を接続してしまう場合が生じていた。このような場合には、出力配線が遮断されるため、使用していた最初の負荷(例えば、上記例では単相100V)を含む全負荷への電力供給が停止される場合が生じるという問題があった。
また、特許文献1の発電機では、遮断される配線を選択可能に構成されているため、空いている出力端子に容量オーバーの負荷を追加的に接続した場合であっても、遮断配線の選択により、最初の負荷に対する供給電力の遮断を回避することができる。しかしながら、どの程度の負荷まで使用が許容されるのかが正確に分からないため、出力配線が遮断されないことを期待して追加の負荷を接続するか、遮断を回避するために残容量に対して小さめの容量の負荷を接続せざるを得なかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、複数の電源仕様で電力を負荷に供給可能な交流発電機において、使用者が、追加の負荷を接続する場合に、誤って容量オーバーとなる負荷を接続することを回避することが可能であり、且つ、効率的な負荷の選択を可能とする交流発電機を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、三相巻線又は単相巻線と、三相巻線又は単相巻線の少なくとも一部を共通巻線部分として含む単相巻線部と、を有する電機子巻線を備え、電機子巻線から定格値が異なる複数の電源仕様で電力を取り出し可能な交流発電機であって、電機子巻線の出力端子から出力される電流値を演算する出力電流値演算部と、電機子巻線の出力端子についての電圧値を演算又は記憶する出力電圧値演算部と、電流値と電圧値、及び、複数の電源仕様の定格値に基づいて、各電源仕様において更に使用可能な電力の残容量を演算する残容量演算部と、各電源仕様における残容量を表示する残容量表示部と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、複数の電源仕様で負荷に電力供給可能な交流発電機であり、各電源仕様において現在の状態で更に使用可能な負荷を残容量演算部によって演算し、演算された各残容量を残容量表示部に表示することができる。
これにより、本発明の交流発電機では、使用者が負荷を出力端子に接続する前に、接続可能な電力容量を把握することができる。したがって、本発明の発電機では、使用者が過負荷となってしまうような負荷を発電機に誤って接続することを未然に回避することができる。さらに、本発明の交流発電機では、使用者が残容量を確認することができるので、残容量以下の最適な容量の負荷を選択することが可能である。このため、発電機をより効率的に使用することが可能となる。
また、本発明において好ましくは、電源仕様の定格値は、各電源仕様を単独で使用する場合に許容される定格電流値、定格電圧値、定格電力値である。
また、本発明において好ましくは、電機子巻線は、三相巻線及び単相巻線部からそれぞれ三相交流電力及び単相交流電力を取り出し可能であり、又は、単相巻線及び単相巻線部からそれぞれ定格値が異なる単相交流電力を取り出し可能である。
このように構成された本発明においては、電機子巻線が三相巻線とその一部を共通巻線部分とする単相巻線部とを有するタイプである場合は、三相巻線部から三相交流電力を供給可能であり、単相巻線部から単相交流電力を供給可能である。また、電機子巻線が単相巻線とその一部を共通巻線部分とする単相巻線部とを有するタイプである場合は、単相巻線部及び単相巻線部から定格値が異なる単相交流電力を供給可能である。
また、本発明において好ましくは、出力電圧値演算部は、出力端子の電圧測定値に基づいて、電圧値を演算する。このように構成された本発明においては、交流発電機の出力端子についての電圧を測定データから求める、より正確に残容量を演算することが可能となる。
また、本発明において好ましくは、出力電圧値演算部は、各電源仕様の定格電圧値を電圧値として出力する。このように構成された本発明においては、交流発電機の出力端子についての電圧を、測定データから求めるのではなく、定格電圧から求めることで交流発電機の構成を簡略化することができる。
また、本発明において好ましくは、残容量演算部は、電流値及び電圧値に基づいて、複数の電源仕様における使用電力値を演算し、複数の電源仕様における定格電力値から使用電力値を差し引くことにより残容量を演算する。
また、本発明において好ましくは、残容量演算部は、電流値と電圧値、及び、複数の電源仕様の定格値から、共通巻線部分に更に流すことが可能な電流量に基づいて、各電源仕様において更に使用可能な電力の残容量を演算する。
また、本発明において好ましくは、残容量表示部は、各電源仕様の残容量を選択的に表示する。
また、本発明において好ましくは、残容量表示部は、デジタル式又はアナログ式表示器である。
また、本発明において好ましくは、出力電流値演算部により演算された電流値に基づいて、電機子巻線に所定値以上の電流が流れていると判定した場合に作動信号を出力する遮断判定部と、遮断判定部からの作動信号に応答して、出力端子と負荷との接続を遮断する配線用遮断器と、を更に備える。
本発明の交流発電機によれば、複数の電源仕様で電力を負荷に供給可能な交流発電機において、使用者が、追加の負荷を接続する場合に、誤って容量オーバーとなる負荷を接続することを回避することができるものであり、且つ、効率的に交流発電機を使用可能なように負荷を選択することができる。
本発明の第1実施形態における発電機の回路図である。 本発明の第1実施形態における発電機の制御基板の電気ブロック図である。 本発明の第1実施形態の改変例における発電機の回路図である。 本発明の第1実施形態の改変例における発電機の制御基板の電気ブロック図である。 本発明の第2実施形態における発電機の回路図である。 本発明の第2実施形態における発電機の制御基板の電気ブロック図である。 本発明の第2実施形態の改変例における発電機の回路図である。 本発明の第2実施形態の改変例における発電機の制御基板の電気ブロック図である。 本発明の第3実施形態における発電機の回路図である。 本発明の第3実施形態における発電機の制御基板の電気ブロック図である。 本発明の第3実施形態の改変例における発電機の回路図である。 本発明の第3実施形態の改変例における発電機の制御基板の電気ブロック図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態による交流発電機の構成を説明する。
本実施形態の発電機1は、単相3線式であり、固定子に巻回された電機子巻線である単相巻線10と、回転子に巻回された界磁巻線(図示せず)と、配線用遮断器20と、制御基板30とを備えている。
本実施形態の発電機1は、3つの電源仕様1−3で負荷に電力を供給することができるように構成されている。電源仕様1−3は、単独で、又は、任意の組み合わせで使用することができる。電源仕様1は、定格出力10kVA,定格電流50A,定格電圧200Vの単相交流出力であり、負荷を単相出力端子L1−L2間へ接続する。電源仕様2は、定格出力5kVA,定格電流50A,定格電圧100Vの単相交流出力であり、単相出力端子L1−O間へ接続する。電源仕様3は、定格出力5kVA,定格電流50A,定格電圧100Vの単相交流出力であり、単相出力端子L2−O間へ接続する。
単相巻線10は、端子Ta,Tcと、中間の端子Tbを有している。端子Tbは、巻線数が端子Ta側及びTc側で等しくなる単相巻線10の中間点に設定されている。単相巻線10のうち、端子Ta−Tb間を共通巻線部分10a,端子Tc−Tb間を共通巻線部分10bとする。
端子Ta,Tb,Tcは、それぞれ出力端子L1,O,L2に、配線12a,12b,12cで接続されている。
配線12a,12cには、それぞれ電流検出素子(本例ではCT)13a,13cが配置されている。さらに、配線12a,12b及び12cには、電圧測定のための接続点が設けられている。詳しくは、配線12aには、接続点14a,14cが設けられ、配線12bには、接続点14d,14eが設けられ、配線12cには、接続点14b,14fが設けられている。
なお、以下では、配線12a,12b,12cを流れる交流電流をそれぞれIa,Ib,Icとする。
回転子の回転により、巻線10の端子Ta−Tc間には200V(実効値)の交流電圧Vacが発生し、端子Ta−Tb間には100V(実効値)の交流電圧Vabが発生し、端子Tb−Tc間には100V(実効値)の交流電圧Vbcが発生する。これらの電圧の関係が図1に示されている。
本実施形態の発電機1では、電源仕様1−3を単独で、又は、これらの複数を同時に使用するように、各出力端子L1,O,L2に負荷を接続することができる。電源仕様1−3を単独で使用する場合には、それぞれ端子Ta−Tc間,端子Ta−Tb間,端子Tc−Tb間にそれぞれ負荷に応じた電流が流れる。すなわち、電源仕様1では、単相巻線10の全体が使用され、電源仕様2,3では、それぞれ共通巻線部分10a,10bが単相巻線部として使用される。
一方、電源仕様1−3のうちの複数を同時に使用する場合には、各電源仕様に応じた電流が巻線10の共通巻線部分10a,10bに重畳して流れる場合がある。例えば、電源仕様1,2を同時に使用する場合には、電源仕様1に接続された負荷に応じた電流が巻線10全体に流れると共に、電源仕様2に接続された負荷に応じた電流が共通巻線部分10aに重畳して流れる。
配線用遮断器20は、配線12a,12cにそれぞれ設けられた遮断部21a,21cと、遮断部21a,21cを作動させて開状態とする作動装置22を備えている。
作動装置22は、制御基板30からの作動信号(例えばDC12Vの電圧信号)により、遮断部21a,21cを電磁的に作動させ、配線12a,12cを遮断するように構成されている。また、遮断部21a,21cは、それぞれ配線12a,12cに所定の電流値以上の電流が流れた場合に、この過大な電流に応答して作動し、それ自体の遮断機能により配線12a,12cを遮断するように構成されている。
制御基板30は、所定の処理を行うように構成されたCPUである演算処理部31と、配線用遮断器20の作動装置22へ作動信号を出力する配線用遮断器遮断部32と、残容量表示選択スイッチ33と、残容量表示装置34とを備えている。なお、残容量表示選択スイッチ33及び残容量表示装置34は、制御基板本体と一体で設けてもよいし、別体で設けてもよい。
演算処理部31は、A/D変換部31aと、出力電圧値演算部31bと、出力電流値演算部31cと、残容量演算部31dと、残容量表示選択部31eと、遮断判定部31fとを備えている。
A/D変換部31aは、電流検出素子13a,13c、及び電圧測定用の接続点14a−14fに接続されており、これらから受け取ったアナログの電流測定信号及び電圧測定信号をデジタル信号に変換する。本例では、A/D変換部31aは、電流値及び電圧値を表す測定データを整流回路(図示せず)で全波整流し、このデータをA/D変換する。
出力電圧値演算部31bは、A/D変換部31aから受け取ったデジタル電圧信号に基づいて、接続点14a−14b間の電圧Vac(電源仕様1の電圧)、接続点14c−14d間の電圧Vab(電源仕様2の電圧)、接続点14e−14f間の電圧Vbc(電源仕様3の電圧)を演算する。
また、出力電流値演算部31cは、A/D変換部31aから受け取ったデジタル電流信号に基づいて、配線12a,12cを流れる電流Ia,Icを演算する。
なお、本実施形態では、測定信号又は回転数検出センサから別途取得した交番周期情報(周期,ゼロクロス点)に基づいて、1周期分の電圧値及び電流値が算出されるように構成されている。
残容量演算部31dは、出力電圧値演算部31b及び出力電流値演算部31cから受け取った電圧値と電流値、及び電源仕様1−3の定格値に基づいて、各電源仕様において更に追加的に接続可能な負荷の電力量、すなわち残容量を演算する。なお、残容量演算部31dは、電源仕様1−3の定格値(定格電力、定格電流、定格電圧)を記憶した記憶部から、定格値に関するデータを取得する。
残容量表示選択部31eは、残容量表示選択スイッチ33からの選択信号に基づいて、使用者が選択した電源仕様と、残容量演算部31dで演算された電力残容量を表示させるように残容量表示装置34に出力信号を送出する。
遮断判定部31fは、出力電流値演算部31cで演算された現在の電流値に応じて、配線12a,12cを遮断するか否かを判定し、判定結果に基づいて判定信号を配線用遮断器遮断部32に出力する。
配線用遮断器遮断部32は、演算処理部31からの判定信号に応じて作動信号を生成して、配線用遮断器20へ出力するように構成されている。
残容量表示選択スイッチ33は、残容量表示装置34に表示させる残容量の電源仕様を電源仕様1−3のうちから択一的に選択可能な選択スイッチであり、選択された電源仕様を表す選択信号を出力するように構成されている。
残容量表示装置34は、現時点で更に追加して使用可能な発電残容量(単位kVA)を示す残容量表示部34aと、残容量表示部34aに表示されている残容量の電源仕様を示す電源仕様表示部34bとを備えている。残容量表示部34aは、2桁の7セグメントLED表示器である。電源仕様表示部34bは、LEDの点灯によって選択されている電源仕様を表すものであり、電源仕様1(単相200V),電源仕様2(単相100V),電源仕様3(単相100V)に応じたLEDが設けられている。
次に、本実施形態の発電機1の作用について説明する。
まず、発電機1で行われる残容量演算処理について説明する。この処理は所定時間毎に繰り返し行われる。
残容量演算処理の動作例1として、電源仕様1を使用している場合の例を示す。動作例1は、出力端子L1−L2間に機器(定格電力5kVA,定格電流25A,定格電圧200V)が接続されているときの処理の例である。
A/D変換部31aは、接続点14a,14b,・・・14f及び電流検出素子13a,13cからのアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル電圧信号を出力電圧値演算部31bに出力すると共に、デジタル電流信号を出力電流値演算部31cに出力する。
出力電圧値演算部31bは、受け取った電圧信号に基づいて、電圧Vac,Vab,Vbcを演算する。ここでは、電圧Vacが200V,電圧Vabが100V,電圧Vbcが100Vと演算されたものとする。本実施形態では、電圧Vacは、接続点14a,14bからのデジタル電圧信号に基づいて演算され、電圧Vabは、接続点14c,14dからのデジタル電圧信号に基づいて演算され、電圧Vbcは、接続点14e,14fからのデジタル電圧信号に基づいて演算される。
出力電流値演算部31cは、受け取った電流信号に基づいて、電流Ia,Icを演算する。ここでは、電流Iaが25A,電流Icが25Aと演算されたものとする。なお、共通巻線部分10a,10bには、それぞれ電流Ia,Icの共通巻線電流が流れる。
残容量演算部31dは、出力電圧値演算部31b及び出力電流値演算部31cから演算された電圧値,電流値を受け取り、これらのデータに基づいて仮想使用電力を以下のように演算する。
電源仕様1(出力端子L1−L2間)についての仮想使用電力Sac[kVA](=V×I)は、電圧V(電圧Vac)と電流I(電流Iは電流Ia,Icのうち大きい方)とを乗算することにより演算される。ここでは、5kVA(=200V×25A)と演算される。
電源仕様2(出力端子L1−O間)についての仮想使用電力Sab[kVA](=V×I)は、電圧V(電圧Vab)と電流I(電流Ia)とを乗算することにより演算される。ここでは、2.5kVA(=100V×25A)と演算される。
電源仕様3(出力端子L2−O間)についての仮想使用電力Sbc[kVA](=V×I)は、電圧V(電圧Vbc)と電流I(電流Ic)とを乗算することにより演算される。ここでは、2.5kVA(=100V×25A)と演算される。
更に残容量演算部31dは、各電源仕様の残容量を演算する。各電源仕様の残容量は、各定格出力から仮想使用電力を差し引くことにより演算される。
ここでは、残容量演算部31dにより、電源仕様1についての残容量[kVA]は、5kVA(=10−5)と演算される。電源仕様2についての残容量[kVA]は、2.5kVA(=5−2.5)と演算される。電源仕様3についての残容量[kVA]は、2.5kVA(=5−2.5)と演算される。
次に、動作例2として、電源仕様1と電源仕様2を使用している場合の例を示す。動作例2は、出力端子L1−L2間に機器(定格電力5kVA,定格電流25A,定格電圧200V)が接続され、出力端子L1−O間に機器(定格電力2kVA,定格電流20A,定格電圧100V)が接続されているときの処理の例である。
動作例2では、出力電圧値演算部31bで演算された電圧Vacが200V,電圧Vabが100V,電圧Vbcが100Vであるものとする。また、出力電流値演算部31cで演算された電流Iaが45A,電流Icが25Aであるものとする。
残容量演算部31dは、これらのデータに基づいて動作例1と同様に仮想使用電力を演算する。
電源仕様1についての仮想使用電力Sacは、9kVA(=200×45)と演算される。電源仕様2についての仮想使用電力Sabは、4.5kVA(=100×45)と演算される。電源仕様3についての仮想使用電力Sbcは、2.5kVA(=100×25)と演算される。
更に残容量演算部31dは、動作例1と同様に各電源仕様の残容量を演算する。
電源仕様1についての残容量は、1kVA(=10−9)と演算される。電源仕様2についての残容量は、0.5kVA(=5−4.5)と演算される。電源仕様3についての残容量は、2.5kVA(=5−2.5)と演算される。
次に、動作例3として、電源仕様3を使用している場合の例を示す。動作例3は、出力端子O−L2間に機器(定格電力4kVA,定格電流40A,定格電圧100V)が接続されているときの処理の例である。
動作例3では、出力電圧値演算部31bで演算された電流Iaが0A,電流Icが40Aであるものとする。また、出力電流値演算部31cで演算された電圧Vacが200V,電圧Vabが100V,電圧Vbcが100Vであるものとする。
残容量演算部31dは、これらのデータに基づいて動作例1,2と同様に仮想使用電力を演算する。
電源仕様1についての仮想使用電力Sacは、8kVA(=200×40)と演算される。電源仕様2についての仮想使用電力Sabは、0kVA(=100×0)と演算される。電源仕様3についての仮想使用電力Sbcは、4kVA(=100×40)と演算される。
更に残容量演算部31dは、動作例1,2と同様に各電源仕様の残容量を演算する。
電源仕様1についての残容量は、2kVA(=10−8)と演算される。電源仕様2についての残容量は、5kVA(=5−0)と演算される。電源仕様3についての残容量は、1kVA(=5−4)と演算される。
なお、本実施形態では、演算処理の簡単化のため、仮想使用電力を想定して、この仮想使用電力を用いて残容量を演算する手法を採用している。この仮想使用電力は、対象とする電源仕様で使用される巻線部分を流れる電流のうち、最大の電流値が全ての巻線部分に流れたと想定して算出される仮想の電力値である。したがって、本実施形態では、各共通巻線部分10a,10bを流れる共通巻線電流のうち、定格電流(この場合、各電源仕様1−3で設定されている50A)までの余裕(許容電流)の小さい方を用いて残容量を演算している。したがって、本実施形態の残容量演算方法は、実質的に共通巻線電流から各定格電流までの余裕に基づいて、各電源仕様の残容量を演算している。
また、仮想使用電力を用いずに、許容電流から各電源仕様の残容量を演算するように構成してもよい。具体的には、電源仕様1については、単相巻線10(すなわち、共通巻線部分10a,10b)に更に定格電流に達するまで流すことができる許容電流量と、定格電圧(又は電圧Vac)の積により残容量を演算することができる。電源仕様2,3については、それぞれ共通巻線部分10a,10bに更に定格電流に達するまで流すことができる許容電流量と、定格電圧(又は電圧Vab,Vbc)の積により残容量を演算することができる。
例えば、動作例1では、更に25A(=50A−25A)の電流を単相巻線10(すなわち、共通巻線部分10a,10b)に流すことができる。したがって、動作例1において電源仕様1では残容量を5kVA(=200V×25A)と演算でき、電源仕様2では残容量を2.5kVA(=100V×25A)と演算でき、電源仕様3では残容量を2.5kVA(=100V×25A)と演算できる。このようにしても上記演算結果と同じ結果が得られる。
次に、上記のようにして演算された各電源仕様の残容量の表示処理について説明する。この処理も所定時間毎に繰り返し行われる。
残容量表示選択部31eは、残容量表示選択スイッチ33から現在、残容量表示選択スイッチ33で選択されている電源仕様を表す選択信号を受け取ると共に、残容量演算部31dから各電源仕様の残容量を受け取る。
残容量表示選択部31eは、選択信号に基づいて、選択された出力様式及びその残容量を表示するように残容量表示装置34を駆動する。これにより、残容量表示装置34は、選択されている電源仕様,その残容量を、それぞれ電源仕様表示部34b,残容量表示部34aで表示する。
例えば、動作例1では、使用者が残容量表示選択スイッチ33で電源仕様1を選択すると、残容量表示部34aには「5.0」kVAとデジタル表示され、電源仕様表示部34bは「200V」表示に対応するLEDが点灯する。同様に、使用者が残容量表示選択スイッチ33で電源仕様2,3を選択すると、残容量表示部34aにはそれぞれ「2.5」kVA,「2.5」kVAとデジタル表示され、電源仕様表示部34bはそれぞれ左側の「100V」表示のLED,右側の「100V」表示のLEDが点灯する。
このように使用者は、残容量表示装置34により各電源仕様の残容量を容易に知ることができ、表示された残容量以下の容量の機器を選択して、出力端子に接続することが可能となる。これにより、従来のように、使用者の勘に頼って機器を選択したために、容量オーバーとなって配線が遮断されるような不都合が生じることを回避することができると共に、各電源仕様において残容量以下で最も適当な又は最大の負荷容量の機器を即座に選択することができる。
次に、配線用遮断器20を作動させる遮断処理について説明する。この処理も所定時間毎に繰り返し行われる。
遮断判定部31fは、出力電流値演算部31cにより演算された電流Ia,Icに基づいて、単相巻線10を流れる巻線電流、及び共通巻線部分10a,10bを流れる共通巻線電流と、それぞれ電源仕様1−3の定格電流とを比較する。なお、単相巻線10中を流れる巻線電流は、共通巻線電流のうち大きい方とする。具体的には、単相巻線10を流れる巻線電流として、電流Ia,Icの大きい方が採用され、共通巻線部分10a,10bを流れる共通巻線電流として、それぞれ電流Ia,Icが採用される。
遮断判定部31fは、記憶部から、各電源仕様の定格電流値、及び遮断待機時間テーブルを取得する。遮断待機時間テーブルは、定格電流値を超える大きさの電流が巻線中を継続的に流れた場合に、その過大電流値に対して、流れ始めから遮断開始までの遮断待機時間を規定するテーブルである。このテーブルは、負荷率(=電流値/定格電流値)が大きいほど、遮断待機時間が短くなるように設定されている。例えば、負荷率が150%,200%,300で、それぞれ遮断待機時間が8秒,5秒,2秒に設定されている。
遮断判定部31fは、各電源仕様に対して電流の負荷率を演算して、その負荷率に応じて、遮断待機時間を設定すると共に、この遮断待機時間を計時する。いずれかの電源仕様に対する遮断待機時間が経過した場合、遮断判定部31fは、遮断を指示する判定信号を配線用遮断器遮断部32に出力する。
配線用遮断器遮断部32は、遮断を指示する判定信号を受け取ると、配線用遮断器20に作動信号を出力し、配線用遮断器20を遮断状態へ駆動する。
これにより、使用者が残容量表示装置34の残容量表示を確認することなく、誤って容量オーバーとなる機器を接続してしまったことによって、過大な電流が単相巻線10を流れたとしても、過大な電流が長時間流れる前に負荷を発電機1から電気的に切り離すことができるので、単相巻線10に過大な電流が流れ続けることがなく、単相巻線10が焼損してしまうことを防止することができる。
なお、急激に大きな過大電流が配線12a,12cを流れ、この電流が遮断部21a,21cに設定された電流値を超えた場合には、遮断部21a,21cの遮断機能により、遮断部21a,21cが開状態となる。すなわち、配線用遮断器20は、配線用遮断器遮断部32からの作動信号を受け取ることなしに、よって遮断待機時間を待つことなく、遮断部21a,21cが開状態となり、負荷を発電機1から切り離すように構成されている。
次に、図3及び図4により第1実施形態の発電機1の改変例を示す。なお、以下では、図1及び図2の実施形態との相違のみを説明する。
この改変例では、図3及び図4に示すように、電圧測定用の接続点14a−14fが設けられていない。また、演算処理部31には、出力電圧値演算部31bが設けられていない。
このため、A/D変換部31aは、電流検出素子13a,13cからのアナログ電流信号のみをデジタル変換して、出力電流値演算部31cに出力する。また、残容量演算部31dは、出力電圧値演算部31bが演算していた電圧Vac,Vab,Vbcの代わりに、記憶部から取得した各電源仕様1−3の定格電圧値200V,100V,100Vを用いる。したがって、本改変例では、記憶部が出力電圧値演算部として機能する。
このように、電圧を測定する代わりに、定格電圧値を用いることで、配線及び処理を簡略化することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図5及び図6を参照して、本発明の第2実施形態による交流発電機の構成を説明する。以下では、主に第1実施形態との相違を説明する。
本実施形態の発電機2は、固定子に巻回された電機子巻線である三相巻線110と、回転子に巻回された界磁巻線(図示せず)と、配線用遮断器120,124と、制御基板130とを備えている。
本実施形態の発電機2は、2つの電源仕様1,2で負荷に電力を供給することができるように構成されている。電源仕様1,2は、単独で、又は、双方を同時に使用することができる。電源仕様1は、定格出力20kVA,定格電流58A,定格電圧200Vの三相交流出力であり、負荷を三相出力端子U−V−W間へ接続する。電源仕様2は、定格出力5.8kVA,定格電流58A,定格電圧100Vの単相交流出力であり、単相出力端子R1−R2間へ接続する。
三相巻線110は、同巻数の巻線110a,110b,110cの巻始端が中性点Oでスター結線されて構成されている。三相巻線110は、各巻線110a,110b,110cの巻終端である端子Td,Te,Tfが、それぞれ出力端子U,V,Wに配線112a,112b,112cで接続されている。
また、巻線110bの中性点Oに近い側の所定巻数の位置には接続点Tgが設けられており、接続点Tgと単相出力端子R2が配線112eで接続されている。さらに、端子Teと端子R1が配線112dで接続されている。これにより、巻線110bのうち、端子Te−Tg間の巻線部分110dが、共通巻線部分又は単相巻線部として、単相出力用に用いられる。したがって、三相交流出力と単相交流出力を同時に使用する場合には、この共通巻線部分110dに重畳して電流が流れる。
発電機2を駆動したときに巻線110a,110b,110c,110dに発生する電圧(それぞれVa,Vb,Vc,Vdとする)の関係が図5に示されている。
なお、本実施形態では、配線112a−112eに流れる交流電流を、それぞれ電流Ia−Ieとする。
本実施形態では、回転子(図示せず)の回転により、出力端子U−V間,V−W間,W−U間には、200V(実効値)の三相交流電圧VUV,VVW,VWUが発生し、出力端子R1−R2間には100V(実効値)の単相交流電圧VR1-R2が発生する。
配線112c,112eには、それぞれ電流検出素子(本例ではCT)113c,113eが配置されている。さらに、配線112b,112c,112d及び112eには、電圧測定のための接続点が設けられている。詳しくは、配線112b,112c,112d,112eには、それぞれ接続点114a,114b,114c,114dが設けられている。
配線用遮断器120は、三相交流出力用の配線112a−112cに設けられている。配線用遮断器120は、配線112a,112b,112cにそれぞれ設けられた遮断部121a,121b,121cと、これらを作動させる作動装置122を備えている。
また、配線用遮断器124は、単相交流出力用の配線112d,112eに設けられている。配線用遮断器124は、配線112d,112eにそれぞれ設けられた遮断部125a,125bと、これらを作動させる作動装置126を備えている。
配線用遮断器120,124は、第1実施形態の配線用遮断器20と構成,作用において同様なものである。
制御基板130は、演算処理部131と、配線用遮断器遮断部132と、残容量表示選択スイッチ133と、残容量表示装置134とを備えている。
演算処理部131は、A/D変換部131aと、出力電圧値演算部131bと、出力電流値演算部131cと、残容量演算部131dと、残容量表示選択部131eと、遮断判定部131fとを備えている。
出力電圧値演算部131bは、A/D変換部131aから受け取ったデジタル電圧信号に基づいて、接続点114a−114b間の電圧VVW(電源仕様1の電圧)、接続点114c−114d間の電圧VR1-R2(電源仕様2の電圧)を演算する。本実施形態では、演算された電圧VVWの大きさが他の相間電圧VUV,VWUの大きさと等しいものとしている。なお、電圧VUV,VWUを別途測定及び演算するように構成してもよい。
また、出力電流値演算部131cは、A/D変換部131aから受け取ったデジタル電流信号に基づいて、配線112c,112eを流れる電流Ic,Ieを演算する。本実施形態では、演算された電流Icの大きさが電流Ia,Ibの大きさと等しいものとしており、さらに、演算された電流Ieの大きさが電流Idの大きさと等しいものとしている。なお、電流Ia,Ib,Idを別途測定及び演算するように構成してもよい。
次に、本実施形態の発電機2の作用について説明する。
まず、発電機2で行われる残容量演算処理について説明する。
残容量演算処理の動作例1として、電源仕様1(三相交流出力)を使用している場合の例を示す。動作例1は、出力端子U−V−W間に機器(定格電力10kVA,定格電流29A,定格電圧200V)が接続されているときの処理の例である。
動作例1では、出力電圧値演算部131bで演算された電圧VVWが200V,電圧VR1-R2が100Vであるものとする。また、出力電流値演算部131cで演算された電流Icが29A,電流Ieが0Aであるものとする。なお、共通巻線部分110dには、電流Icと電流Ieの和電流(Ic+Ie)が流れるので、29A(=29+0)の共通巻線電流が流れている。
残容量演算部131dは、出力電圧値演算部131b及び出力電流値演算部131cから演算された電圧値,電流値を受け取り、これらのデータに基づいて仮想使用電力を以下のように演算する。
電源仕様1(出力端子U−V−W間)についての仮想使用電力SUVW[kVA](=V×I)は、電圧V(電圧VVW),電流I(電流Iは、電流Icと電流Ieの和電流、すなわち共通巻線電流),定数(3の平方根=√3)とを乗算することにより演算される。ここでは、10kVA(=200V×(29+0)A×√3)と演算される。
電源仕様2(出力端子R1−R2間)についての仮想使用電力SR[kVA](=V×I)は、電圧V(電圧VR1-R2)と電流I(電流Iは、電流Icと電流Ieの和電流、すなわち共通巻線電流)とを乗算することにより演算される。ここでは、2.9kVA(=100V×(29+0)A)と演算される。
更に残容量演算部131dは、各電源仕様の残容量を演算する。各電源仕様の残容量は、各定格出力から仮想使用電力を差し引くことにより演算される。
ここでは、残容量演算部131dにより、電源仕様1についての残容量[kVA]は、10kVA(=20−10)と演算される。電源仕様2についての残容量[kVA]は、2.9kVA(=5.8−2.9)と演算される。
次に、動作例2として、電源仕様1と電源仕様2を使用している場合の例を示す。動作例2は、出力端子U−V−W間に機器(定格電力8.7kVA,定格電流25A,定格電圧200V)が接続され、出力端子R1−R2間に機器(定格電力2kVA,定格電流20A,定格電圧100V)が接続されているときの処理の例である。
動作例2では、出力電圧値演算部131bで演算された電圧VVWが200V,電圧VR1-R2が100Vであるものとする。また、出力電流値演算部131cで演算された電流Icが25A,電流Ieが20Aであるものとする。なお、共通巻線部分110dには、電流Icと電流Ieの和電流(Ic+Ie)が流れるので、45A(=25+20)の共通巻線電流が流れている。
残容量演算部131dは、これらのデータに基づいて動作例1と同様に仮想使用電力を演算する。
電源仕様1についての仮想使用電力SUVWは、15.6kVA(=200V×(25+20)A×√3)と演算される。電源仕様2についての仮想使用電力SRは、4.5kVA(=100V×(25+20)A)と演算される。
更に残容量演算部131dは、動作例1と同様に各電源仕様の残容量を演算する。
電源仕様1についての残容量は、4.4kVA(=20−15.6)と演算される。電源仕様2についての残容量は、1.3kVA(=5.8−4.5)と演算される。
次に、動作例3として、電源仕様2を使用している場合の例を示す。動作例3は、出力端子R1−R2間に機器(定格電力4.5kVA,定格電流45A,定格電圧100V)が接続されているときの処理の例である。
動作例3では、出力電圧値演算部131bで演算された電圧VVWが200V,電圧VR1-R2が100Vであるものとする。また、出力電流値演算部131cで演算された電流Icが0A,電流Ieが45Aであるものとする。なお、共通巻線部分110dには、電流Icと電流Ieの和電流(Ic+Ie)が流れるので、45A(=0+45)の共通巻線電流が流れている。
残容量演算部131dは、これらのデータに基づいて動作例1,2と同様に仮想使用電力を演算する。
電源仕様1についての仮想使用電力SUVWは、15.6kVA(=200V×(0+45)A×√3)と演算される。電源仕様2についての仮想使用電力SRは、4.5kVA(=100V×(0+45)A)と演算される。
更に残容量演算部131dは、動作例1,2と同様に各電源仕様の残容量を演算する。
電源仕様1についての残容量は、4.4kVA(=20−15.6)と演算される。電源仕様2についての残容量は、1.3kVA(=5.8−4.5)と演算される。
なお、本実施形態でも、演算処理の簡単化のため、第1実施形態と同様に、仮想使用電力から残容量を演算する手法を採用している。本実施形態では、共通巻線部分110dに流れている電流から各定格電流値までの余裕(許容電流)に基づいて、各電源仕様の残容量を演算している。しかしながら、これに限らず、仮想使用電力を用いずに、許容電流から直接的に各電源仕様の残容量を演算するように構成してもよい。
次に、上記のようにして演算された各電源仕様の残容量の表示処理について説明する。この処理も所定時間毎に繰り返し行われる。
本実施形態では、残容量表示選択スイッチ133は、電源仕様1又は2を選択可能なスイッチで構成されており、スイッチの選択位置に応じて選択信号が出力される。残容量表示選択部131eは、選択信号に基づいて、選択された出力様式及びその残容量を表示するように残容量表示装置134を駆動する。
残容量表示装置134は、図5に示すように、上側に残容量表示部134aを備え、下側に電源仕様表示部134bを備えている。電源仕様表示部134bは、電源仕様1に対応して左側部の「三相出力200V」表示で示されているLEDと、電源仕様2に対応して右側部の「単相出力100V」表示で示されているLEDとを備えている。
残容量表示装置134は、残容量表示選択部131eにより、選択されている電源仕様,その残容量を、それぞれ電源仕様表示部134b,残容量表示部134aで表示する。
次に、配線用遮断器120,124を作動させる遮断処理について説明する。この処理も所定時間毎に繰り返し行われる。
遮断判定部131fは、出力電流値演算部131cが演算した電流Ic,Ieから三相巻線110を流れる巻線電流及び共通巻線部分110dを流れる共通巻線電流を算出する。共通巻線電流は、電流Ic,Ieの和で与えられる。遮断判定部131fは、これら巻線電流及び共通巻線電流と、各電源仕様の定格電流値とを比較する。
遮断判定部131fは、第1実施形態と同様に、各電源仕様に対して電流の負荷率(=電流値/定格電流値)を演算して、その負荷率に応じて、遮断待機時間テーブルに基づいて、遮断待機時間を設定すると共に、この遮断待機時間を計時する。いずれかの電源仕様に対する遮断待機時間が経過した場合、遮断判定部131fは、その電源仕様に対応する配線の遮断を指示する判定信号を配線用遮断器遮断部132に出力する。
配線用遮断器遮断部132は、遮断を指示する判定信号を受け取ると、配線用遮断器120,124に作動信号を出力し、配線用遮断器120,124を遮断状態へ駆動する。なお、本実施形態では、過大電流が流れた場合に、対応する配線用遮断器120,124を作動させるように構成されているが、これに限らず、両方の配線用遮断器120,124を遮断させるように構成してもよい。
次に、図7及び図8により第2実施形態の発電機2の改変例を示す。なお、以下では、図5及び図6の実施形態との相違のみを説明する。
この改変例では、図7及び図8に示すように、電圧測定用の接続点114a−114dが設けられていない。また、演算処理部131には、出力電圧値演算部131bが設けられていない。
このため、A/D変換部131aは、電流検出素子113c,113eからのアナログ電流信号のみをデジタル変換して、出力電流値演算部131cに出力する。また、残容量演算部131dは、出力電圧値演算部131bが演算していた電圧VVW,VR1-R2の代わりに、記憶部から取得した各電源仕様1,2の定格電圧値200V,100Vを用いる。したがって、本改変例では、記憶部が出力電圧値演算部として機能する。このように、電圧を測定する代わりに、定格電圧値を用いることで、配線及び処理を簡略化することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、図9及び図10を参照して、本発明の第3実施形態による交流発電機の構成を説明する。以下では、主に第1実施形態,第2実施形態との相違を説明する。
本実施形態の発電機3は、固定子に巻回された電機子巻線である三相巻線210と、回転子に巻回された界磁巻線(図示せず)と、配線用遮断器220,224と、制御基板230とを備えている。
本実施形態の発電機3は、4つの電源仕様1−4で負荷に電力を供給することができるように構成されている。電源仕様1−4は、単独で、又は、任意の組み合わせで使用することができる。電源仕様1は、定格出力20kVA,定格電流58A,定格電圧200Vの三相交流出力であり、負荷を三相出力端子U−V−W間へ接続する。電源仕様2は、定格出力11.6kVA,定格電流58A,定格電圧200Vの単相交流出力であり、単相出力端子L1−L2間へ接続する。電源仕様3,4は、それぞれ定格出力5.8kVA,定格電流58A,定格電圧100Vの単相交流出力であり、それぞれ単相出力端子L1−0間,L2−0間へ接続する。
三相巻線210は、同巻数の巻線210a,210b,210cの巻始端を中性点Oでスター結線した構成である。三相巻線210は、各巻線210a,210b,210cの巻終端である端子Th,Ti,Tjが、それぞれ出力端子U,V,Wに配線212a,212b,212cで接続されている。
また、巻線210a,210cの巻始端から所定の同巻数分の位置に、それぞれ接続点Tk,Tlが設けられており、各接続点Tk,Tlから、同巻数の枝巻線210e,210fが巻線210bに対して電気的に対称位相方向に巻回されている。巻線210a,210cのうち、巻始端から接続点Tk,Tlまでを、それぞれ共通巻線部分210g,210hとする。また、共通巻線部分210gと枝巻線210e、共通巻線部分210hと枝巻線210fにより、それぞれ単相巻線部が形成されている。
本実施形態では、接続点Tk,Tlは、それぞれ巻線210a,210cの中間点に設けられており、巻数を二分している。また、共通巻線部分210g,210hの巻数と、枝巻線210e,210fの巻数とは全て等しく設定されている。さらに、枝巻線210e,210fは、それぞれ巻線210c,210aと電気的に逆相になるように巻回されている。
また、本実施形態では、枝巻線210e,210fの巻終端である端子Tm,Tnが、それぞれ単相出力端子L1,L2に配線212d,212fで接続されている。さらに、中性点Oが単相出力端子Oと配線212eで接続されている。
発電機3を駆動したときに巻線210a−210fに発生する電圧(それぞれVa−Vfとする)の関係が図9に示されている。
なお、本実施形態では、配線212a−212fに流れる交流電流を、それぞれ電流Ia−Ifとする。
本実施形態では、回転子(図示せず)の回転により、出力端子U−V間,V−W間,W−U間には、200V(実効値)の三相交流電圧VUV,VVW,VWUが発生し、出力端子L1−L2間には200V(実効値)の単相交流電圧VL1-L2が発生し、出力端子L1−0間,L2−O間には100V(実効値)の単相交流電圧VL1-O,VL2-Oが発生する。
配線212c,212d,212fには、それぞれ電流検出素子(本例ではCT)213c,213d,213fが配置されている。さらに、配線212b,212c,212d,212e及び212fには、電圧測定のための接続点が設けられている。詳しくは、配線212b,212cには、それぞれ接続点214a,214bが設けられ、配線212dには接続点214c,214gが設けられ、配線212eには接続点214d,214eが設けられ、配線212fには接続点214f,214hが設けられている。
配線用遮断器220は、三相交流出力用の配線212a−212cに設けられている。配線用遮断器220は、配線212a,212b,212cにそれぞれ設けられた遮断部221a,221b,221cと、これらを作動させる作動装置222を備えている。
また、配線用遮断器224は、単相交流出力用の配線212d,212fに設けられている。配線用遮断器224は、配線212d,212fにそれぞれ設けられた遮断部225a,225bと、これらを作動させる作動装置226を備えている。
配線用遮断器220,224は、第2実施形態の配線用遮断器120,124と構成,作用において同様なものである。
制御基板230は、演算処理部231と、配線用遮断器遮断部232と、残容量表示選択スイッチ233と、残容量表示装置234とを備えている。
演算処理部231は、A/D変換部231aと、出力電圧値演算部231bと、出力電流値演算部231cと、残容量演算部231dと、残容量表示選択部231eと、遮断判定部231fとを備えている。
出力電圧値演算部231bは、A/D変換部231aから受け取ったデジタル電圧信号に基づいて、接続点214a−214b間の電圧VVW(電源仕様1の電圧)、接続点214c−214d間の電圧VL1-O(電源仕様3の電圧),接続点214e−214f間の電圧VL2-O(電源仕様4の電圧),接続点214g−214h間の電圧VL1-L2(電源仕様2の電圧)を演算する。本実施形態では、演算された電圧VVWの大きさが他の相間電圧VUV,VWUの大きさと等しいものとしている。なお、電圧VUV,VWUを別途測定及び演算してもよい。
また、出力電流値演算部231cは、A/D変換部231aから受け取ったデジタル電流信号に基づいて、配線212c,212d,212fを流れる電流Ic,Id,Ifを演算する。本実施形態では、演算された電流Icの大きさが電流Ia,Ibの大きさと等しいものとしている。なお、電流Ia,Ibを別途測定及び演算してもよい。
次に、本実施形態の発電機3の作用について説明する。
まず、発電機3で行われる残容量演算処理について説明する。
残容量演算処理の動作例1として、電源仕様1(三相交流出力)を使用している場合の例を示す。動作例1は、出力端子U−V−W間に機器(定格電力10kVA,定格電流29A,定格電圧200V)が接続されているときの処理の例である。
動作例1では、出力電圧値演算部231bで演算された電圧VVWが200V,電圧VL1-Oが100V,電圧VL2-Oが100V,電圧VL1-L2が200Vであるものとする。また、出力電流値演算部231cで演算された電流Icが29A,電流Idが0A,電流Ifが0Aであるものとする。なお、共通巻線部分210g,210hには、それぞれ電流Icと電流Idの和電流(Ic+Id),電流Icと電流Ifの和電流(Ic+If)が流れるので、それぞれ29A(=29+0),29A(=29+0)の共通巻線電流が流れている。
残容量演算部231dは、出力電圧値演算部231b及び出力電流値演算部231cから演算された電圧値,電流値を受け取り、これらのデータに基づいて仮想使用電力を以下のように演算する。
電源仕様1(出力端子U−V−W間)についての仮想使用電力SUVW[kVA](=V×I)は、電圧V(電圧VVW),電流I(電流Iは、電流Icと、電流Id,Ifの大きい方との和電流、すなわち共通巻線電流の大きい方),定数(3の平方根=√3)とを乗算することにより演算される。ここでは、10kVA(=200V×(29+0)A×√3)と演算される。
電源仕様2(出力端子L1−L2間)についての仮想使用電力SL1-L2[kVA](=V×I)は、電圧V(電圧VL1-L2)と電流I(電流Iは、電流Icと、電流Id,Ifの大きい方との和電流、すなわち共通巻線電流のうち大きい方)とを乗算することにより演算される。ここでは、5.8kVA(=200V×(29+0)A)と演算される。
電源仕様3(出力端子L1−O間)についての仮想使用電力SL1-O[kVA](=V×I)は、電圧V(電圧VL1-O)と電流I(電流Iは、電流Icと電流Idの和電流、すなわち共通巻線電流)とを乗算することにより演算される。ここでは、2.9kVA(=100V×29A)と演算される。
電源仕様4(出力端子L2−O間)についての仮想使用電力SL2-O[kVA](=V×I)は、電圧V(電圧VL2-O)と電流I(電流Iは、電流Icと電流Ifの和電流、すなわち共通巻線電流)とを乗算することにより演算される。ここでは、2.9kVA(=100V×29A)と演算される。
更に残容量演算部231dは、各電源仕様の残容量を演算する。各電源仕様の残容量は、各定格出力から仮想使用電力を差し引くことにより演算される。
ここでは、残容量演算部231dにより、電源仕様1についての残容量[kVA]は、10kVA(=20−10)と演算される。電源仕様2についての残容量[kVA]は、5.8kVA(=11.6−5.8)と演算される。電源仕様3についての残容量[kVA]は、2.9kVA(=5.8−2.9)と演算される。電源仕様4についての残容量[kVA]は、2.9kVA(=5.8−2.9)と演算される。
次に、動作例2として、電源仕様1と電源仕様2を使用している場合の例を示す。動作例2は、出力端子U−V−W間に機器(定格電力8.7kVA,定格電流25A,定格電圧200V)が接続され、出力端子L1−L2間に機器(定格電力4kVA,定格電流20A,定格電圧200V)が接続されているときの処理の例である。
動作例2では、出力電圧値演算部231bで演算された電圧VVWが200V,電圧VL1-Oが100V,電圧VL2-Oが100V,電圧VL1-L2が200Vであるものとする。また、出力電流値演算部231cで演算された電流Icが25A,電流Idが20A,電流Ifが20Aであるものとする。なお、共通巻線部分210g,210hには、それぞれ電流Icと電流Idの和電流(Ic+Id),電流Icと電流Ifの和電流(Ic+If)が流れるので、それぞれ45A(=25+20),45A(=25+20)の共通巻線電流が流れている。
残容量演算部231dは、これらのデータに基づいて動作例1と同様に仮想使用電力を演算する。
電源仕様1についての仮想使用電力SUVWは、15.6kVA(=200V×(25+20)A×√3)と演算される。電源仕様2についての仮想使用電力SL1-L2は、9kVA(=200V×(25+20)A)と演算される。電源仕様3についての仮想使用電力SL1-Oは、4.5kVA(=100V×(25+20)A)と演算される。電源仕様4についての仮想使用電力SL2-Oは、4.5kVA(=100V×(25+20)A)と演算される。
更に残容量演算部231dは、動作例1と同様に各電源仕様の残容量を演算する。
電源仕様1についての残容量は、4.4kVA(=20−15.6)と演算される。電源仕様2についての残容量は、2.6kVA(=11.6−9)と演算される。電源仕様3についての残容量は、1.3kVA(=5.8−4.5)と演算される。電源仕様4についての残容量は、1.3kVA(=5.8−4.5)と演算される。
次に、動作例3として、電源仕様1と電源仕様3を使用している場合の例を示す。動作例3は、出力端子U−V−W間に機器(定格電力6.9kVA,定格電流20A,定格電圧200V)が接続され、出力端子L1−O間に機器(定格電力5kVA,定格電流25A,定格電圧100V)が接続されているときの処理の例である。
動作例3では、出力電圧値演算部231bで演算された電圧VVWが200V,電圧VL1-Oが100V,電圧VL2-Oが100V,電圧VL1-L2が200Vであるものとする。また、出力電流値演算部231cで演算された電流Icが20A,電流Idが25A,電流Ifが0Aであるものとする。なお、共通巻線部分210g,210hには、それぞれ電流Icと電流Idの和電流(Ic+Id),電流Icと電流Ifの和電流(Ic+If)が流れるので、それぞれ45A(=20+25),20A(=20+0)の共通巻線電流が流れている。
残容量演算部231dは、これらのデータに基づいて動作例1,2と同様に仮想使用電力を演算する。
電源仕様1についての仮想使用電力SUVWは、15.6kVA(=200V×(20+25)A×√3)と演算される。電源仕様2についての仮想使用電力SL1-L2は、9kVA(=200V×(20+25)A)と演算される。電源仕様3についての仮想使用電力SL1-Oは、4.5kVA(=100V×(20+25)A)と演算される。電源仕様4についての仮想使用電力SL2-Oは、2kVA(=100V×(20+0)A)と演算される。
更に残容量演算部231dは、動作例1,2と同様に各電源仕様の残容量を演算する。
電源仕様1についての残容量は、4.4kVA(=20−15.6)と演算される。電源仕様2についての残容量は、2.6kVA(=11.6−9)と演算される。電源仕様3についての残容量は、1.3kVA(=5.8−4.5)と演算される。電源仕様4についての残容量は、3.8kVA(=5.8−2)と演算される。
次に、動作例4として、電源仕様1,電源仕様2及び電源仕様4を使用している場合の例を示す。動作例4は、出力端子U−V−W間に機器(定格電力3.5kVA,定格電流10A,定格電圧200V)が接続され、出力端子L1−L2間に機器(定格電力2kVA,定格電流10A,定格電圧200V)が接続され、出力端子L2−O間に機器(定格電力3kVA,定格電流30A,定格電圧100V)が接続されているときの処理の例である。
動作例4では、出力電圧値演算部231bで演算された電圧VVWが200V,電圧VL1-Oが100V,電圧VL2-Oが100V,電圧VL1-L2が200Vであるものとする。また、出力電流値演算部231cで演算された電流Icが10A,電流Idが10A,電流Ifは電流Id分が重畳された40Aであるものとする。なお、共通巻線部分210g,210hには、それぞれ電流Icと電流Idの和電流(Ic+Id),電流Icと電流Id分が重畳されている電流Ifの和電流(Ic+If)が流れるので、それぞれ20A(=10+10),50A(=10+40)の共通巻線電流が流れている。
残容量演算部231dは、これらのデータに基づいて動作例1-3と同様に仮想使用電力を演算する。
電源仕様1についての仮想使用電力SUVWは、17.3kVA(=200V×(10+40)A×√3)と演算される。電源仕様2についての仮想使用電力SL1-L2は、10kVA(=200V×(10+40)A)と演算される。電源仕様3についての仮想使用電力SL1-Oは、2kVA(=100V×(10+10)A)と演算される。電源仕様4についての仮想使用電力SL2-Oは、5kVA(=100V×(10+40)A)と演算される。
更に残容量演算部231dは、動作例1,2と同様に各電源仕様の残容量を演算する。
電源仕様1についての残容量は、2.7kVA(=20−17.3)と演算される。電源仕様2についての残容量は、1.6kVA(=11.6−10)と演算される。電源仕様3についての残容量は、3.8kVA(=5.8−2)と演算される。電源仕様4についての残容量は、0.8kVA(=5.8−5)と演算される。
次に、動作例5,6として、動作例2と同様に、電源仕様1と電源仕様2を使用している場合の例を示す。動作例5,6は、動作例2と同様に、出力端子U−V−W間に機器(定格電力8.7kVA,定格電流25A,定格電圧200V)が接続され、出力端子L1−L2間に機器(定格電力4kVA,定格電流20A,定格電圧200V)が接続されているときの処理の例である。ただし、動作例5は、演算された電圧値が定格値よりも高い場合であり、動作例6は、演算された電圧値が定格値よりも低い場合である。
動作例5では、出力電圧値演算部231bで演算された電圧VVWが220V(>200V),電圧VL1-Oが110V(>100V),電圧VL2-Oが106V(>100V),電圧VL1-L2が216V(>200V)であるものとする。また、出力電流値演算部231cで演算された電流Icが25A,電流Idが20A,電流Ifが20Aであるものとする。
残容量演算部231dは、これらのデータに基づいて動作例2と同様に、仮想使用電力を演算する。ただし、残容量演算部231dは、各電源仕様において、定格電圧と測定電圧(出力電圧値演算部231bで演算された電圧)のうち大きい方の電圧値を用いて仮想使用電力を算出するように構成されている。
電源仕様1についての仮想使用電力SUVWは、17.1kVA(=220V×(25+20)A×√3)と演算される。電源仕様2についての仮想使用電力SL1-L2は、9.7kVA(=216V×(25+20)A)と演算される。電源仕様3についての仮想使用電力SL1-Oは、5kVA(=110V×(25+20)A)と演算される。電源仕様4についての仮想使用電力SL2-Oは、4.8kVA(=106V×(25+20)A)と演算される。
更に残容量演算部231dは、動作例2と同様に各電源仕様の残容量を演算する。
電源仕様1についての残容量は、2.9kVA(=20−17.1)と演算される。電源仕様2についての残容量は、1.9kVA(=11.6−9.7)と演算される。電源仕様3についての残容量は、0.8kVA(=5.8−5)と演算される。電源仕様4についての残容量は、1kVA(=5.8−4.8)と演算される。動作例5で演算された残容量は、動作例2よりも小さくなる。
動作例5のように、測定電圧が定格電圧よりも大きい場合に測定電圧を用いることで、使用者が発電機の定格出力を超えて使用してしまうことを回避することができる。
動作例6では、出力電圧値演算部231bで演算された電圧VVWが190V(<200V),電圧VL1-Oが95V(<100V),電圧VL2-Oが90V(<100V),電圧VL1-L2が185V(<200V)であるものとする。また、出力電流値演算部231cで演算された電流Icが25A,電流Idが20A,電流Ifが20Aであるものとする。
残容量演算部231dは、これらのデータに基づいて動作例2と同様に、仮想使用電力を演算する。ただし、動作例5と同様に、残容量演算部231dは、各電源仕様において、定格電圧と測定電圧(出力電圧値演算部231bで演算された電圧)のうち大きい方の電圧値を用いて仮想使用電力を算出するように構成されている。
電源仕様1についての仮想使用電力SUVWは、15.6kVA(=200V×(25+20)A×√3)と演算される。電源仕様2についての仮想使用電力SL1-L2は、9kVA(=200V×(25+20)A)と演算される。電源仕様3についての仮想使用電力SL1-Oは、4.5kVA(=100V×(25+20)A)と演算される。電源仕様4についての仮想使用電力SL2-Oは、4.5kVA(=100V×(25+20)A)と演算される。
更に残容量演算部231dは、動作例2と同様に各電源仕様の残容量を演算する。
電源仕様1についての残容量は、4.4kVA(=20−15.6)と演算される。電源仕様2についての残容量は、2.6kVA(=11.6−9)と演算される。電源仕様3についての残容量は、1.3kVA(=5.8−4.5)と演算される。電源仕様4についての残容量は、1.3kVA(=5.8−4.5)と演算される。動作例6で演算された残容量は、動作例2と等しくなる。
動作例6のように、測定電圧が定格電圧よりも小さい場合に定格電圧を用いることで、線電流の最大値(定格電流)を超えて使用してしまうことを回避することができる。
なお、本実施形態でも、演算処理の簡単化のため、仮想使用電力から残容量を演算する手法を採用している。本実施形態では、共通巻線部分210g,210hに流れている電流から各定格電流値までの余裕(許容電流)に基づいて、各電源仕様の残容量を演算している。しかしながら、これに限らず、仮想使用電力を用いずに、許容電流から直接的に各電源仕様の残容量を演算するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態,第2実施形態においても、第3実施形態の動作例5及び6と同様に、測定電圧と定格電圧のうち大きい方を電圧値として演算に用いることができる。
次に、上記のようにして演算された各電源仕様の残容量の表示処理について説明する。この処理も所定時間毎に繰り返し行われる。
本実施形態では、残容量表示選択スイッチ233は、電源仕様1−4のいずれか1つを選択可能なスイッチで構成されており、スイッチの選択位置に応じて選択信号が出力される。残容量表示選択部231eは、選択信号に基づいて、選択された出力様式及びその残容量を表示するように残容量表示装置234を駆動する。
残容量表示装置234は、図9に示すように、上側に残容量表示部234aを備え、下側に電源仕様表示部234bを備えている。電源仕様表示部234bは、左側部分に、「三相出力200V」表示で示されている電源仕様1に対応するLEDと、右側部分に、「200V」表示で示されている電源仕様2に対応するLED,「L1」表示側の「100V」表示で示されている電源仕様3に対応するLED,「L2」表示側の「100V」表示で示されている電源仕様4に対応するLEDとを備えている。
残容量表示装置234は、残容量表示選択部231eにより、選択されている電源仕様,その残容量を、それぞれ電源仕様表示部234b,残容量表示部234aで表示する。
次に、配線用遮断器220,224を作動させる遮断処理について説明する。この処理も所定時間毎に繰り返し行われる。
遮断判定部231fは、出力電流値演算部231cが演算した電流Ic,Id,Ifから三相巻線210を流れる巻線電流及び各単相巻線部(枝巻線210e,巻線210g,巻線210h,枝巻線210fの組み合わせと、巻線210gと枝巻線210eの組み合わせと、巻線210hと枝巻線210fの組み合わせ)を流れる巻線電流を算出する。三相巻線210を流れる巻線電流は、電流Icと、電流Id,Ifの大きい方との和電流で与えられ、単相巻線部(巻線210e,210g,210h,210f)を流れる巻線電流は、電流Icと、電流Id,Ifの大きい方との和電流で与えられ、他の単相巻線部を流れる巻線電流は、それぞれ電流Icと電流Idの和電流,電流Icと電流Ifの和電流で与えられる。遮断判定部231fは、これら巻線電流と、各電源仕様の定格電流値とを比較する。
遮断判定部231fは、第1実施形態,第2実施形態と同様に、各電源仕様に対して電流の負荷率(=電流値/定格電流値)を演算して、その負荷率に応じて、遮断待機時間テーブルに基づいて、遮断待機時間を設定すると共に、この遮断待機時間を計時する。いずれかの電源仕様に対する遮断待機時間が経過した場合、遮断判定部231fは、その電源仕様に対応する配線の遮断を指示する判定信号を配線用遮断器遮断部232に出力する。
配線用遮断器遮断部232は、遮断を指示する判定信号を受け取ると、配線用遮断器220,224に作動信号を出力し、配線用遮断器220,224を遮断状態へ駆動する。なお、本実施形態では、過大電流が流れた場合に、対応する配線用遮断器220,224を作動させるように構成されているが、これに限らず、両方の配線用遮断器220,224を遮断させるように構成してもよい。
次に、図11及び図12により第3実施形態の発電機3の改変例を示す。なお、以下では、図9及び図10の実施形態との相違のみを説明する。
この改変例では、図11及び図12に示すように、電圧測定用の接続点214a−214hが設けられていない。また、演算処理部231には、出力電圧値演算部231bが設けられていない。
このため、A/D変換部231aは、電流検出素子213c,213d,213fからのアナログ電流信号のみをデジタル変換して、出力電流値演算部231cに出力する。また、残容量演算部231dは、出力電圧値演算部231bが演算していた電圧VVW,VL1-O,VL2-O,VL1-L2の代わりに、記憶部から取得した各電源仕様1−4の定格電圧値200V,100V,100V,200Vを用いる。したがって、本改変例では、記憶部が出力電圧値演算部として機能する。このように、電圧を測定する代わりに、定格電圧値を用いることで、配線及び処理を簡略化することが可能となる。
以上のように、本実施形態の発電機1−3は、複数の電源仕様で負荷を接続することができるものであり、各電源仕様において現在の状態で更に使用可能な負荷を残量表示装置34,134,234に表示することが可能である。これにより、本実施形態の発電機では、使用者は、負荷を出力端子に接続する前に、接続可能な電力容量を容易に確認することができる。したがって、本実施形態の発電機では、使用者が誤って容量オーバーとなる負荷を発電機に接続することを防止して、発電機の過負荷を未然に回避することができる。さらに、本実施形態の発電機では、残容量の確認により、使用者は残容量以下の最適な容量の負荷を選択することができ、発電機を効率的に使用することができる。
また、本実施形態の発電機1−3では、仮に使用者が誤って過負荷となる負荷を出力端子に接続した場合であっても、電機子巻線に過大な電流が流れ続けることがないように、配線を遮断するように配線用遮断器を作動させるように構成されている。これにより、過負荷が検出された場合には、配線が遮断されるので、電機子巻線に過大な電流が流れ続けることを防止して、電機子巻線の焼損を防止することが可能となる。
なお、上記実施形態では、残容量表示装置34,134,234は、それぞれ残量表示選択スイッチ33,133,233で選択された電源仕様の残容量のみを表示するように構成されていたが、これに限らず、すべての電源仕様の残容量を表示するように複数の表示部を設けてもよい。さらに、上記実施形態では、残容量表示部34a,134a,234aは、デジタル式表示器であったが、これに限らず、アナログ式表示器又はメータであってもよい。
1,2,3 発電機
10 単相巻線
10a,10b 共通巻線部分
20 配線用遮断器
30 制御基板
34 残容量表示装置
110 三相巻線
110a,110b,110c 巻線
110d 共通巻線部分
120,124 配線用遮断器
130 制御基板
134 残容量表示装置
210 三相巻線
210a,210b,210c 巻線
210e,210f 枝巻線
210g,210h 共通巻線部分
220,224 配線用遮断器
230 制御基板
234 残容量表示装置

Claims (10)

  1. 三相巻線又は単相巻線と、前記三相巻線又は前記単相巻線の少なくとも一部を共通巻線部分として含む単相巻線部と、を有する電機子巻線を備え、前記電機子巻線から定格値が異なる複数の電源仕様で電力を取り出し可能な交流発電機であって、
    前記電機子巻線の出力端子から出力される電流値を演算する出力電流値演算部と、
    前記電機子巻線の出力端子についての電圧値を演算又は記憶する出力電圧値演算部と、 前記電流値と前記電圧値、及び、前記複数の電源仕様の定格値に基づいて、各電源仕様において更に使用可能な電力の残容量を演算する残容量演算部と、
    各電源仕様における残容量を表示する残容量表示部と、を備えたことを特徴とする交流発電機。
  2. 前記電源仕様の定格値は、各電源仕様を単独で使用する場合に許容される定格電流値、定格電圧値、定格電力値であることを特徴とする請求項1に記載の交流発電機。
  3. 前記電機子巻線は、前記三相巻線及び前記単相巻線部からそれぞれ三相交流電力及び単相交流電力を取り出し可能であり、又は、前記単相巻線及び前記単相巻線部からそれぞれ定格値が異なる単相交流電力を取り出し可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の交流発電機。
  4. 前記出力電圧値演算部は、前記出力端子の電圧測定値に基づいて、前記電圧値を演算することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交流発電機。
  5. 前記出力電圧値演算部は、前記各電源仕様の定格電圧値を前記電圧値として出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の交流発電機。
  6. 前記残容量演算部は、前記電流値及び前記電圧値に基づいて、前記複数の電源仕様における使用電力値を演算し、前記複数の電源仕様における定格電力値から前記使用電力値を差し引くことにより前記残容量を演算することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の交流発電機。
  7. 前記残容量演算部は、前記電流値と前記電圧値、及び、前記複数の電源仕様の定格値から、前記共通巻線部分に更に流すことが可能な電流量に基づいて、各電源仕様において更に使用可能な電力の残容量を演算することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の交流発電機。
  8. 前記残容量表示部は、前記各電源仕様の残容量を選択的に表示することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の交流発電機。
  9. 前記残容量表示部は、デジタル式又はアナログ式表示器であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の交流発電機。
  10. 前記出力電流値演算部により演算された電流値に基づいて、前記電機子巻線に所定値以上の電流が流れていると判定した場合に作動信号を出力する遮断判定部と、
    前記遮断判定部からの作動信号に応答して、前記出力端子と負荷との接続を遮断する配線用遮断器と、を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の交流発電機。
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