JP5488121B2 - 経皮吸収促進及び/又は保湿性向上作用を示す剤、並びに化粧料 - Google Patents
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Description
非特許文献1〜3には、ホスホリルコリン類似基を有する化合物が開示されており、該化合物が既存の界面活性剤と比較して高い界面活性能を有すること、また高い分子会合性を有し、水中で容易に多重層ベシクル構造を形成することが報告されている。
また、特許文献1には、ホスホリルコリン類似基を有する化合物から構成される界面活性剤が、特許文献2には、ホスホリルコリン類似基を有する化合物を界面活性作用を期待して配合した洗浄用化粧料が開示されている。
しかし、これらいずれの文献にも、ホスホリルコリン類似基含有化合物が皮膚に対して、経皮吸収促進作用や、バリア機能等に優れた保湿作用を発揮する点については記載がない。また、特許文献1及び2には、炭素数1〜20もしくは8〜20のアルキル基を有するホスホリルコリン類似基を有する化合物が、界面活性作用を示す化合物として記載されている。しかし、具体的にその作用が示された実施例には、ドデシル基の例が記載されるのみである。加えて、これら特許文献に広く記載されたアルキル基の鎖長が長い、例えば、炭素数14以上の化合物は非水溶性であって、界面活性作用を示さないことが明らかである。従って、このようなアルキル基の鎖長の長い化合物については、これら特許文献にはその作用や産業上の利用性については全く開示されていないのが実状である。
本発明の経皮吸収促進及び/又は保湿性向上作用を示す剤は、上記式(1)で示されるPC化合物を含有する。
式(1)において、R1、R2は同一又は異なる基であって、炭素数14〜22のアルキル基、具体的には、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサシル基、ドコシル基、イソテトラデシル基、イソヘキサデシル基、イソオクタデシル基、イソエイコサシル基、イソドコシル基、2−ブチルデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルデシル基、2−デカニルデシル基、2−ドデカニルデシル基等が挙げられる。この中でも直鎖アルキル基であるテトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサシル基、ドコシル基が、より高い経皮吸収促進及び/又は保湿性向上作用を示す点でより好ましい。アルキル基の炭素数が14未満の場合、経皮吸収促進作用や、バリア機能等の保湿作用、更には安全性が低下する。一方、アルキル基の炭素数が22を超えると原料の入手困難性に加えて、得られるPC化合物の化粧料への配合性が損なわれる恐れがある。
得られるPC化合物は、再沈殿、再結晶等の一般的な精製方法により精製することができる。
本発明の化粧料において、本発明の剤の含有割合は、PC化合物換算で、化粧料全体に対して、0.0001〜50質量%の範囲が好ましい。PC化合物の含有割合が0.0001質量%未満の場合、皮膚に適用してもその表面に存在するPC化合物の量が不十分であるために所望の効果が得られ難いおそれがある。また50質量%を超える場合、使用感を損なうおそれがある。尚、PC化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いても差し支えない。
1.NMR分析
PC化合物の試料を重クロロホルムに溶解させ、内部標準物質にはテトラメチルシラン(TMS)を使用し、FT NMR AL400(日本電子データム社製)を用いて行った。
2.有機元素分析
PC化合物の試料を、機種パーキンエルマー2400II−CHNS/iアナライザーを用いて元素分析することにより行った。
3.質量分析
PC化合物の試料を、JEOL JMS−700(日本電子社製)を用い、イオン化法としてFab(pos)でn−ニトロベンジルアルコールをマトリックスとして用いて行った。
温度計、滴下漏斗及び攪拌機を備えた1L丸型フラスコに、1−テトラデカノール42.8g(0.2mol)、トリエチルアミン20.2g(0.2mol)及びテトラヒドラフラン280gを加え、4℃に冷却して攪拌、混合した。次いで、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン28.5g(0.2mol)とテトラヒドラフラン60gの混合溶液を、滴下漏斗を用いて上記の冷却した混合溶液に滴下した。滴下は、冷却した混合溶液を攪拌しながら、反応温度が10℃を超えないように冷却し、2時間かけて徐々に行った。滴下終了後、さらに1時間攪拌し続けた。続いて、副生成物として析出したトリエチルアミン塩酸塩を炉別した。得られた濾液の全量を、攪拌機を備えた2Lの丸底フラスコに投入し、N,N−ジメチルテトラデシルアミン96.4g(0.4mol)とアセトニトリル380gを加え、70℃で12時間攪拌した。その後、反応液を冷却することにより得られた析出物を濾別し、70℃で減圧乾燥することで粗結晶29.1gを得た。得られた粗結晶を、テトラヒドラフランとアセトニトリルの混合溶媒にて再結晶し、白色結晶(以下、GmPC1と略す)25.5g(収率22.7%)を得た。以下に、GmPC1の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析:実測値:C;68.34%、H;12.26%、N;2.61%(理論値:C;68.41%、H;12.20%、N;2.49%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=563が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(2)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルベヘニルアミン141.2g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC2と略す)27.6g(収率20.5%)を得た。以下に、GmPC2の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析:実測値:C;71.31%、H;12.58%、N;2.23%(理論値:C;71.27%、H;12.56%、N;2.08%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=675が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(3)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−ヘキサデカノール48.4g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン107.6g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC3と略す)24.6g(収率19.9%)を得た。以下に、GmPC3の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析:実測値:C;70.24%、H;12.26%、N;2.42%(理論値:C;69.97%、H;12.40%、N;2.27%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=619が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(4)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−ヘキサデカノール48.4g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルオクタデシルアミン118.8g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC4と略す)23.6g(収率18.3%)を得た。以下に、GmPC4の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析:実測値:C;71.31%、H;12.58%、N;2.31%(理論値:C;70.65%、H;12.48%、N;2.17%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=647が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(5)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−オクタデカノール54.0g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルオクタデシルアミン118.8g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC5と略す)25.9g(収率19.2%)を得た。以下に、GmPC5の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;71.04%、H;12.73%、N;2.22%(理論値:C;71.27%、H;12.56%、N;2.08%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=675が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(6)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−オクタデカノール54.0g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルベヘニルアミン141.2g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC6と略す)26.1g(収率17.9%)を得た。以下に、GmPC6の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;72.25%、H;12.61%、N;2.06%(理論値:C;72.38%、H;12.70%、N;1.92%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=731が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(7)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−エイコサノール59.6g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン107.6g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC7と略す)21.4g(収率15.9%)を得た。以下に、GmPC7の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;71.06%、H;12.42%、N;2.21%(理論値:C;71.27%、H;12.56%、N;2.08%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=675が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(8)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−エイコサノール59.6g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルベヘニルアミン141.2g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC8と略す)20.6g(収率13.6%)を得た。以下に、GmPC8の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;72.64%、H;12.66%、N;1.71%(理論値:C;72.87%、H;12.76%、N;1.85%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=759が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(9)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−ドコサノール65.2g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン107.6g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC9と略す)18.1g(収率12.9%)を得た。以下に、GmPC9の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;71.69%、H;12.66%、N;1.80%(理論値:C;71.85%、H;12.63%、N;1.99%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=703が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(10)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−ドコサノール65.2g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルベヘニルアミン141.2g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC10と略す)18.2g(収率11.6%)を得た。以下に、GmPC10の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;71.69%、H;12.66%、N;1.80%(理論値:C;73.32%、H;12.82%、N;1.78%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=787が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(11)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−ヘキシル−2−デカノール48.4g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルオクタデシルアミン118.8g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC11と略す)35.7g(収率27.6%)を得た。以下に、GmPC11の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;70.81%、H;12.56%、N;2.51%(理論値:C;70.65%、H;12.48%、N;2.17%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=647が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(12)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、イソステアリルアルコール54.1g(0.2mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC12と略す)31.4g(収率25.4%)を得た。以下に、GmPC12の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;69.81%、H;12.36%、N;2.31%(理論値:C;69.97%、H;12.40%、N;2.27%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=619が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(13)で表されるPC化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−ドデカノール37.2g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルドデシルアミン85.2g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC13と略す)26.6g(収率26.3%)を得た。以下に、GmPC13の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;66.34%、H;12.12%、N;3.01%(理論値:C;66.50%、H;11.96%、N;2.77%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=507が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(14)で表される化合物であることを確認した。
原料アルコールとして1−テトラデカノールの代わりに、1−ブチル−2−オクタノール37.2g(0.2mol)を用い、更に原料アミンとしてN,N−ジメチルテトラデシルアミンの代わりに、N,N−ジメチルデシルアミン74.0g(0.4mol)を用いた以外は合成例1と同様の操作を行い、白色結晶(以下、GmPC14と略す)27.3g(収率28.6%)を得た。以下に、GmPC14の1H−NMR、元素分析、質量分析の結果を示す。
元素分析データ:実測値:C;70.81%、H;12.56%、N;2.51%(理論値:C;65.37%、H;11.82%、N;2.93%)
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=479が観測された。
以上の結果から、得られた結晶は式(15)で表される化合物であることを確認した。
表1中のR1、R2は式(1)に対応し、また表1中の式(16)〜(18)を以下に示す。
リン酸アスコルビン酸マグネシウム(昭和電工株式会社製、以下、VCPと略す)、もしくはd−α―酢酸トコフェロール(エーザイフード・ケミカル株式会社製、以下、VEAcと略す)を指標物質として、三次元培養皮膚(東洋紡績株式会社製、TESTSKIN LSE−High)を隔離膜としたフランツ型セルを用いて、経皮吸収促進性を調べた。
検体は、経皮吸収促進剤として合成例1〜12で得られたGmPC1〜12を各1質量%と各指標物質1質量%との混合液を用い、投与24時間後における、レセプターに充填した生理食塩水中の各指標物質の濃度を測定することで、経皮吸収促進性を比較した。
なお、生理食塩水中の各指標物質濃度は、VCP濃度は下記指標物質測定法1に従い測定し、VEAc濃度は下記指標物質測定法2に従い高速液体クロマトグラフィーを用いて測定した。結果を表2に示す。
東ソー株式会社製のLC−8020システムを用いて、下記の条件にて測定を行った。
検出器:UV(検出波長:245nm)
カラム:TSKgel、ODS−100v、5μm、4.6mm×25cm
カラム温度:40℃
サンプル量:100μl
流速:1.0ml/min
移動相:0.1重量%リン酸水溶液
(指標物質測定法2)
東ソー株式会社製のLC−8020システムを用いて、下記の条件にて測定を行った。
検出器:UV(検出波長:285nm)
カラム:TSKgel、ODS−100v、5μm、4.6mm×25cm
カラム温度:40℃
サンプル量:100μl
流速:0.5ml/min
移動相:水/メタノール=95/5(体積比)
GmPC1〜12の代わりに、経皮吸収促進剤として合成例13、14で得られたGmPC13又は14を用いた以外は、実施例1−1〜1−12と同様の方法で経皮吸収促進性を調べた(比較例1−1及び1−2)。
また、GmPC1〜12の代わりに、経皮吸収促進剤としてメントール(高砂香料株式会社製)及びリモネン(日本テルペン株式会社製)を用いた以外は、実施例1−1〜1−12と同様の方法で経皮吸収促進性を調べた(比較例1−3及び1−4)。
更に、経皮吸収促進剤を添加しなかった以外は、実施例1−1〜1−12と同様の方法で経皮吸収促進性を調べた(比較例1−5)。結果を表2に示す。
20代〜50代の男女7名を被験者とした。被験者の前腕内側1cm2に、合成例1〜12で得られたGmPC1〜12の各0.05質量%水分散液20μlをそれぞれ塗布した。塗布前、および塗布2時間後に経表皮水分損失量(以下、TEWLと略す)をTEWAMETER TM210(Courage+Khasaka Electric社製)を用いて測定した。得られた測定値を下記式に導入し、塗布前のTEWL値を100とする相対値をバリア機能向上指数として算出した。結果を表3に示す。
なお、このとき各TEWL値が塗布前のTEWL値に比較して高いほど、高いバリア機能向上効果を付与したことになる。
バリア機能向上指数=A÷B×100
式中Aは塗布2時間後のTEWL値、Bは塗布前のTEWL値を示す。
GmPC1〜12の水分散液の代わりに、合成例13、14で得られたGmPC13、14、比較例1−3又は1−4で用いたメントール、リモネン、もしくは蒸留水を用いた以外は、実施例2−1〜2−12の方法に準じて、TEWLを測定し、バリア機能向上指数を算出した。結果を表3に示す。
20代〜50代の男女7名を被験者とした。被験者の前腕内側1cm2に、合成例1〜12で得られたGmPC1〜12の各0.05質量%水分散液20μlをそれぞれ塗布した。塗布前、および塗布2時間後に角層水分量をSKICON−200EX(IBS社製)を用いて測定した。得られた測定値を下記式に導入し、塗布前の角層水分量を100とする相対値を角層水分量改善指数として算出した。結果を表4に示す。
なお、このとき各角層水分量値が塗布前の角層水分量値に比較して高いほど、高い角層水分量改善効果を付与したことになる。
角層水分量改善指数=A÷B×100
式中Aは塗布2時間後の角層水分量、Bは塗布前の角層水分量を示す。
GmPC1〜12の水分散液の代わりに、合成例13、14で得られたGmPC13又は14、もしくは比較例1−3又は1−4で用いたメントール、リモネン、もしくは蒸留水を用いた以外は、実施例3−1〜3−12の方法に準じて、角層水分量を測定し、角層水分量改善指数を算出した。結果を表4に示す。
ウサギ角膜上皮様細胞の懸濁液100μlを96ウェルプレートに播種し(1万個/ウェル)、24時間CO2インキュベーターにて培養した。次いで、合成例1〜12で得られたGmPC1〜12の各2質量%水分散液を各ウェルに100μl添加し、CO2インキュベーターにて24時間培養した。所定時間後、培養液を除去し、5mg/100mlのニュートラルレッド溶液を各ウェルに加え、更にCO2インキュベーターにて3時間培養した。各ウェルより培養液を除去し、pH7.4のリン酸緩衝液100μlで各ウェルを2回洗浄した。1%酢酸を含む50%エタノール水溶液を各ウェルに100μl添加し、5分間振とうさせた後、540nmの吸光度を測定した。得られた吸光度を下記式に導入することで細胞生存率(%)を算出した。結果を表5に示す。
細胞生存率(%)=吸光度(GmPC添加系)÷吸光度(GmPC無添加系)×100
GmPC1〜12の代わりに、合成例13、14で得られたGmPC13又は14、比較例1−3〜1−4で用いたメントール、リモネン、もしくは蒸留水を用いた以外は、実施例5−1〜12の方法に準じて、細胞生存率(%)を測定した。結果を表5に示す。
表6の処方に従い、イの各成分を室温下にて溶解した。一方、表6に示すロの各成分を60℃にて均一に溶解し、これにかき混ぜながらイの成分を加え、ローション状化粧水を調製した。得られた化粧水に関して、下記官能試験を実施した。結果を表6に示す。
20代〜50代の女性10人を対象として、化粧水を前腕内側部に適量塗布し、保湿感、刺激感のなさ、特異な清涼感のなさ、特異な臭気のなさについて、下記基準により5段階評価した。更にそれを平均して判定した。
(官能評価試験基準)
評価点;5点:非常に良好、4点:良好、3点:普通、2:やや不良、1:不良
判定基準;平均点4.0点以上を合格、平均点4.0点未満を不合格とした。
表6の処方に従い、GmPC1〜12の代わりに合成例13、14で得られたGmPC13又は14、比較例1−3又は1−4で用いたメントール、リモネンを加えた、もしくは何も加えなかった以外は、実施例6−1〜12の方法に準じて化粧水を調製した。得られた化粧水に関して、実施例6−1〜12と同様にして官能試験にて評価した。結果を表6に示す。
表7の処方に従い、イの各成分を75℃にて均一に溶解した。またロの各成分を同様に75℃にて均一に溶解し、イを徐々に加えて予備乳化した。次に、卓上型ホモミキサー(機種:LR−1(みづほ工業株式会社製))を用い、75℃の温浴中で3000rpmにて10分間攪拌した。これをかき混ぜながら冷却し、乳液を調製した。得られた乳液に関して、実施例5−1〜5−12と同様に官能試験を実施した。結果を表7に示す。
表7の処方に従い、GmPC1〜12の代わりに合成例13、14で得られたGmPC13又は14、比較例1−3又は1−4で用いたメントール、リモネンを加えた、もしくは何も加えなかった以外は、実施例6−1〜6−12の方法に準じて乳液を調製した。得られた乳液に関して、実施例6−1〜6−12と同様にして官能試験にて評価した。結果を表7に示す。
表8の処方に従い、イ及びハの各成分を別に混合し、それぞれを80℃で加熱溶解した。続いて、ロの各成分をヘンシェルミキサー(IMC−1857(株式会社井元製作所製))に秤り込み、高速で2分間混合した後、イに加えて卓上型ホモミキサー(機種:LR−1(みづほ工業株式会社製))を用いて、75℃の温浴中で混合した。次いで、ハを徐々に加えて乳化し、攪拌しながら冷却して各ファンデーションを調製した。得られたファンデーションに関して、実施例5−1〜5−12と同様に官能試験を実施した。結果を表8に示す。
表8の処方に従い、GmPC1〜12の代わりに合成例13、14で得られたGmPC13又は14、比較例1−3又は1−4で用いたメントール、リモネンを加えた、もしくは何も加えなかった以外は、実施例7−1〜7−12の方法に準じてファンデーションを調製した。得られたファンデーションに関して、実施例7−1〜7−12と同様にして官能試験にて評価した。結果を表8に示す。
表3及び表4より、合成例1〜12で調製したGmPC1〜12は、合成例13、14で調製したGmPC13、14や、メントール、リモネンと比較してバリア機能向上効果及び角層水分量改善効果に優れること、即ち優れた保湿性向上作用を有することが分かった。
表5より、合成例1〜12で調製したGmPC1〜12は、合成例13、14で調製したGmPC13、14や、メントール、リモネンと比較して高い安全性を有することが分かった。
表6、7及び8より、合成例1〜12で調製したGmPC1〜12は、合成例13、14で調製したGmPC13、14や、メントール、リモネンと比較して保湿感に優れ、刺激感が低いことが分かった。加えて、合成例1〜12で調製したGmPC1〜12は、メントールのような特異な清涼感、リモネンのような特異な臭気がないこと、即ち化粧料の使用感を損なわないことが分かった。
Claims (4)
- 式(1)において、R1及びR2がともに直鎖アルキル基である請求項1記載の経皮吸収促進及び/又は保湿性向上作用を示す剤。
- 化粧料材料と、請求項1又は2記載の経皮吸収促進及び/又は保湿性向上作用を示す剤とを含む化粧料。
- 請求項1又は2記載の経皮吸収促進及び/又は保湿性向上作用を示す剤の含有割合が、化粧料全体に対して、式(1)で表されるホスホリルコリン類似基含有化合物として、0.0001〜50質量%である請求項3記載の化粧料。
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