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JP5488295B2 - 車両制御システム - Google Patents
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JP5488295B2 - 車両制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されたバッテリの容量の低下に応じてその容量の回復に必要な発電制御を行う車両制御システムに関する。
一般的に、車両では、エンジンの回転によって、トランスミッションを介して駆動輪を回転させる以外に、オルタネータを作動させて発電し、これによりバッテリを充電する構成がとられている。
従来、このような車両構成において、バッテリの容量を監視すると共に、その容量の低下に応じてオルタネータによる発電量を増大させる必要があるときに、トランスミッションの変速比の低下と共にエンジンの回転数(エンジン回転数)の増加を一時的に行う車両制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この構成によれば、エンジン回転数の増加に伴う駆動輪の回転数の増加要因が、変速比を低下させることによって相殺されるため、運転者による運転操作に基づく車両の走行状態に影響を与えることなく、バッテリの容量を回復させることが可能となる。
特許第4379484号公報
しかし、従来の車両制御システムでは、発電量を増大させる必要があるときに、どのような状況であっても変速比を低下させるため、運転者が車両を定速走行または加速させるための操作を行っているときにも変速比が低下し、その変速比の低下に伴うトルク変動(トルクの増大)によって、そのときの運転操作から運転者にとって予測できる程度以上の振動が発生してしまう可能性がある。
また特に、運転者が車両を加速させるための操作を行っているときに変速比が低下すると、エンジン回転数の増加の程度が過剰に大きくなり、その結果、そのときの運転操作から運転者にとって予測できる程度以上のエンジン音が運転者に伝わり、これにより運転者に違和感をさらに与えてしまう可能性がある。
本発明は、上記問題点を解決するために、運転者になるべく違和感を与えることなく、発電制御を好適に行うことが可能な車両制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた発明である車両制御システムは、車両に搭載されたエンジン及びトランスミッションからなる駆動部と、エンジンのエンジン回転数に応じて車両に搭載されたバッテリに充電を行う発電部とを備えている。
具体的には、操作検出手段が車両の運転者による運転操作を検出し、バッテリ制御手段が、バッテリの容量を監視すると共に、そのバッテリの容量の低下に応じてその容量の回復に必要な発電指針を生成する。そして、駆動制御手段は、車両が操作検出手段にて検出された運転操作に基づく走行状態となるように駆動部を制御すると共に、バッテリ制御手段にて生成された発電指針に従って、エンジン回転数およびトランスミッションの変速比を調節可能に構成されている。
のような構成において、バッテリ制御手段が、上記の運転操作が車両を減速させるための減速操作である場合に限り、変速比の低下の程度をその減速操作に基づく通常レベルよりも大きくすると共にエンジン回転数を増加させる指針を、上記の発電指針として生成するように構成できる。
このように構成された車両制御システムでは、バッテリ制御手段によって、上記の発電指針が生成されると、駆動制御手段によって、運転者による減速操作に基づくレベルよりも大きく変速比が低下するものの、この減速操作に基づく走行状態となるようにエンジン回転数が通常の減速時よりも増加することで、変速比の低下に伴う過減速要因が相殺される。
これにより、通常の走行時よりも総合的にエンジン回転数が増加することになり、その結果、発電量が増大するので、運転者による運転操作に基づく車両の走行状態に影響を与えることなく、バッテリの容量を回復させることが可能となる。
そのうえ、このように構成された車両制御システムでは、車両の定速走行時および加速時には変速比が不要に低下せずに済むので、そのときの運転操作から運転者にとって予測できる程度以上の振動やエンジン音の発生を抑制することが可能となる。
なお、発電量を増大させる必要がある場合の減速時に、変速比の低下の程度が大きくなることによりトルク変動が生じて振動をもたらす可能性もあるが、減速操作によってトルクが増大することが運転者にとって当然に予測できることから、このときの振動が車両の定速走行時または加速時と比べてさほど運転者に違和感を与えずに済むことになる。
よって、運転者になるべく違和感を与えることなく、発電制御を好適に行うことができる。
これに対し、本発明では、バッテリ制御手段は、予め規定された原則条件を満たすときには、上記の運転操作が車両を減速させるための減速操作である場合に限り、変速比の低下の程度をその減速操作に基づく通常レベルよりも大きくすると共にエンジン回転数を増加させる指針を、上記の発電指針として生成するように構成する。
つまり、本発明において、条件によっては、運転操作が減速操作でない場合であっても、変速比の低下と共にエンジン回転数の増加を一時的に行う従来同様の発電指針の生成を、例外的に認めるように構成する。
このように構成された本発明の車両制御システムでは、状況に応じて、車両の定速走行時または加速時であっても変速比の低下と共にエンジン回転数を増加させることにより、通常の走行時よりも総合的にエンジン回転数がより増加することになり、バッテリの容量を比較的早期に回復させることができる。
また、上記の原則条件としては、バッテリの容量が少ない状況であることを条件としてもよいし、バッテリの容量の低下率を示すバッテリ低下率が予め設定された基準低下率よりも少ないという条件でもよい。なお、ここでは、ある単位時間のバッテリの容量の低下量で表される概念をバッテリ低下率としている。
つまり、後者の構成では、バッテリの低下が緩やかであればそれほど急速に充電する必要がないので、変速比の低下を伴う発電制御を車両の減速時に限って行うことにより、従来構成に比べて、全体的に発電量を増大させる機会が減るものの、トルク変動による違和感を運転者に与えることを抑制できる。
さらに、バッテリ低下率が基準低下率よりも多いときには、バッテリ制御手段が、上記の運転操作にかかわらず、変速比の低下と共にエンジン回転数を増加させる指針を発電指針として生成するとよい。
つまり、このような構成では、バッテリの容量の低下が急であれば、変速比の低下を伴う発電制御を車両の定速走行時または加速時にも行うことにより、従来構成のように、トルク変動による違和感を運転者に与える可能性があるものの、全体的に発電量を増大させる機会が増加するので、バッテリを比較的急速に充電することができる。
ところで、バッテリの容量は、簡単に言うとバッテリの充電量と放電量との差分を積算することにより測定される。しかし、本発明では、必ずしも実際に測定されるバッテリの容量からバッテリ低下率を求めなければならないわけではない。
例えば、車両の走行条件に応じて予めバッテリ低下率が測定された学習値を記憶するための記憶手段を備える構成では、バッテリ制御手段は、この記憶手段に記憶されている学習値に基づいて算出した予測低下率をバッテリ低下率として用いてもよい。
つまり、走行条件によってある程度のバッテリ低下率が予測されることから、この予測低下率を用いて発電制御を行うことにより、例えば実際にバッテリの容量が急低下する前に発電量を増大させることが可能となり、バッテリが消耗され尽くすおそれを大幅に緩和することができる。
具体的には、上記の学習値は、走行条件を示すパラメータ情報として、エンジンの始動からの経過時間、車両の走行時刻、車両の位置、天候および気温の少なくとも一つの情報に関連づけて記憶されていればよい。
また例えば、学習値がこれらの全てのパラメータ情報に関連づけて記憶されている構成では、このパラメータ情報を取得するための検出手段を備え、バッテリ制御手段は、記憶手段に記憶されている学習値のうち、検出手段を用いて取得したパラメータ情報に対応する各学習値を加重平均することにより、予測低下率を算出してもよい。
この構成によれば、多くのパラメータ情報を加味して予測低下率を算出するので、一つのパラメータ情報に対応する学習値から算出する構成と比較して、バッテリ低下率の予測精度を上げることができる。
なお、パラメータ情報に対応する各学習値を加重平均する際の重みについては、各種の考え方に基づいて予め設定され得るが、例えばエンジンの始動からの経過時間(運転時間の長さ)に対応する重みを最大にして加重平均してもよい。
つまり、本発明では、一般的に運転時間が長くなるほどバッテリの容量が増加することから、他のパラメータ情報と比べて、運転時間の長さとバッテリ低下率との相関が強いことに着目し、エンジンの始動からの経過時間に対応する重みを最大に設定することにしている。これにより、バッテリ低下率の予測精度の向上を期待することができる。
また、前述のように、車両の減速時以外にも変速比の低下と共にエンジン回転数を増加させてもよいが、状況にかかわらず、車両の加速時にはエンジン回転数だけを増加させるようにしてもよい。
すなわち、バッテリ制御手段は、運転操作が車両を加速させるための加速操作である場合には、変速比を一定にしつつエンジン回転数を増加させる指針を発電指針として生成してもよい。
このように構成された車両制御システムでは、バッテリ制御手段によって、この発電指針が生成されると、駆動制御手段によって、運転者による加速操作に基づく変速比の増加が停止されるものの、この加速操作に基づく走行状態となるようにエンジン回転数が通常の加速時よりも増加することで、発電量を増大させることができる。
また、エンジン回転数の増加の程度が大きくなることによりエンジン音が運転者に伝わりやすくなる可能性もあるが、加速操作によってエンジン音が発生することは運転者にとって当然に予測できることから、このときのエンジン音がトルク変動による振動と比べてさほど運転者に違和感を与えずに済むことになる。
よって、このように構成された車両制御システムによれば、運転者になるべく違和感を与えることなく、発電制御をさらに効率よく行うことができる。
本発明が適用された車両制御システム1を説明するための構成図である。 車両制御システム1内のECUの主な構成を示すブロック図である。 学習値記憶処理にて記憶されるバッテリ低下率とパラメータ情報との関連性の一例を示す第1のグラフである。 学習値記憶処理にて記憶されるバッテリ低下率とパラメータ情報との関連性の一例を示す第2のグラフである。 指針生成処理を詳細に示すフローチャートである。 バッテリ4の予測容量と実際の容量との関係性を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[全体構成]
図1は、本発明が適用された車両制御システム1を説明するための構成図である。
図1に示すように、車両制御システム1は、車両に搭載されたエンジン2およびトランスミッション3からなる駆動部を制御する駆動系ECU10(Electronic Control Unit)と、車両に搭載されたバッテリ4を制御するバッテリECU20と、車両の外部からの受信情報を用いて各種処理を実行する情報系ECU30とを備えて構成される。
そして、これらのECU10,20,30が、車内LAN5(Local Area Network)を介して互いに通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、車内LAN5の通信プロトコルとして、CAN(Controller Area Network)が採用されている。
情報系ECU30は、ナビゲーション装置やオーディオビジュアル機器等と、各種の通信装置(受信器を含む)とを統括制御する電子制御装置である。本実施形態の情報系ECU30は、渋滞や交通規制等の道路交通情報(この情報には各地の天候も含まれているものとする)を受信するVICS(Vehicle Information and Communication System)受信機31にも接続されており、その受信情報(以下「VICS情報」という)を、車内LAN5を介してバッテリECU20に送信する。また、ナビゲーション装置にて計算された走行ルートや車両の現在位置を表す情報(以下「ナビ情報」という)についても、車内LAN5を介してバッテリECU20に送信するようになっている。
トランスミッション3は、車両の駆動輪6を回転させるために、エンジン2の回転を車軸7に伝達すると共に、その伝達の際の変速比を変更可能に構成された変速機である。なお、本実施形態では、トランスミッション3として、連続的に無段階で変速比を変更可能なCVT(Continuously Variable Transmission)が採用されている。また、変速比とは、エンジン回転数の入力に対する出力の比を表す概念であるが、詳細には、変速比の低下によって車軸7(ひいては駆動輪6)に伝わる力(以下「車両トルク」という)が増大するが車両の速度(車速)が減速する要因となり、変速比の上昇によって車両トルクが減少するが車速が加速する要因となると表現する。
駆動系ECU10は、運転者によるアクセルの操作量(ひいてはアクセルスロットルの開度)を検出するアクセル開度センサ11に接続されており、車両がこのセンサ11からの入力信号に基づく運転状態(加速,減速,定速のいずれかの状態)となるように、エンジン2のエンジン回転数およびトランスミッション3の変速比を制御する。なお、エンジン回転数の制御については、目標のエンジン回転数となるように燃料噴射制御や点火時期制御、バルブ開閉制御(吸気バルブ,排気バルブの開閉タイミングの可変制御)などを行うものとする。
また、駆動系ECU10は、通常時において、運転者によるアクセルの操作量(運転操作)に基づいてエンジン回転数および変速比を決定するが、後述する発電指針を受信すると、この通常時における運転操作に基づく通常レベルよりも、その発電指針に含まれる増加分だけエンジン回転数を補正し、さらにこの補正したエンジン回転数による車両の加速要因を相殺するように変速比を補正するように構成されている。
バッテリ4は、エンジン2の回転によって発電するオルタネータ8に接続されており、このオルタネータ8の発電量を調整するレギュレータ9を介してオルタネータ8から供給される電力を充電すると共に、車両に搭載された各種の電装品(駆動部やセンサ、機器、装置類など)の動作に必要な電力をそれぞれ供給する二次電池である。なお、オルタネータ8は、エンジン回転数に比例した交流電力を発電する交流発電機と、これにより発電した交流電力を直流電力に変換する整流器とを備える周知のものである。
バッテリECU20は、レギュレータ9とバッテリ4との間における接続線に流れる電流を測定することによりバッテリ4の充電量を監視すると共に、各種の電装品とバッテリ4との間における各接続線に流れる電流を測定することによりバッテリ4の放電量を監視し、これらの充電量と放電量との差分を積算することにより、バッテリ4の容量を監視する周知のバッテリ監視処理を行う。
また、バッテリECU20は、オルタネータ8とレギュレータ9との間における接続線に流れる電流を測定することによりオルタネータ8の発電量を監視すると共に、この発電量と、バッテリ監視処理により周期的に取得するバッテリ4の容量とに基づいて、例えばバッテリ4の容量が十分である場合にレギュレータ9を制御することで過充電を防止する充電調整処理を行う。
なお、充電調整処理では、レギュレータ9を介してオルタネータ8の発電量をバッテリ4に全て供給するフル充電を行っているときに、バッテリ4の容量が低下した場合(バッテリ4の容量がもともと少ない場合も含む)に、その低下に応じて容量の回復に必要な発電指針を生成し、その生成した発電指針を、車内LAN5を介して駆動系ECU10に送信する指針生成処理を行う。
ここで、指針生成処理の詳細については後述するが、発電指針は、オルタネータ8による発電量を増大させるために、エンジン回転数の増加分と、エンジン回転数を増加させる際におけるトランスミッションの変速比の制御に対する指令とを少なくとも含む。そして、この発電指針を受信した駆動系ECU10に対し、アクセル開度センサ11からの入力信号に基づく運転状態を保持しつつ、オルタネータ8による発電量が増大するように、少なくともエンジン回転数を増加させるものである。なお、発電指針には、例えばバッテリ4の容量が十分である場合に、先に駆動系ECU10に送信していた発電指針を解除するための指令(解除指令)も含まれる。
また、バッテリECU20は、車両の外部(外気)と内部(内気)とのそれぞれの温度を検出する気温センサ21と、フロントガラスに付着する雨滴の量を検出する雨滴センサ22と、年月日および時刻を計時する計時装置23とに接続されており、これらのセンサ21,22および装置23から各種の情報(外気温,内気温,雨滴量,年月日,時刻)を取得可能に構成されている。
[バッテリECUの構成]
次に、図2は、バッテリECU20の詳細な構成を説明するためのブロック図である。
図2に示すように、バッテリECU20は、CANプロトコルに従って他のECUとの通信を制御する通信制御装置としてのCANコントローラ24と、CANコントローラ24が生成する通信フレームを、車内LAN5を介して送受信するためのCANトランシーバ25と、CPU15,ROM16,RAM17,フラッシュメモリ18,I/O19等を中心に構成されるマイクロコンピュータ(マイコン)20aとを備えている。なお、他のECU(駆動系ECU10や情報系ECU30など)についても、基本的に同様の構成を有しているが、ここでは詳細な説明を省略する。
なお、I/O19は、マイコン20aに対して、気温センサ21や雨滴センサ22、計時装置23などからの検出信号や前述の各接続線からの電流値を表す測定信号を入力するための入力回路26、及び、マイコン20aから出力された制御信号をレギュレータ9などに出力するための出力回路27が接続されている。
また、フラッシュメモリ18には、詳細については後述するが、バッテリ4の容量の低下率(以下「バッテリ低下率」という)と、各種のパラメータ情報とを関連づけて記憶するための領域が設けられている。但し、本実施形態において各種のパラメータ情報には、車両の走行条件を示す情報として、外気温および内気温からなる気温情報や、雨滴量を含む天候情報、年月日を含む季節情報、時刻を表す時刻情報、エンジン2の始動時刻からの経過時間を表す経過情報、車両の位置を表す位置情報が少なくとも含まれている。
CPU15は、ROM16に記憶されているプログラムに基づいて、RAM17を作業エリアとして、上記のバッテリ監視処理、充電調整処理(指針生成処理を含む)の他に、バッテリ低下率と上記のパラメータ情報とを関連づけてフラッシュメモリ18に記憶する学習値記憶処理を行う。
例えば、学習値記憶処理では、まずCANコントローラ24を介して受信したナビ情報およびVICS情報のうち、ナビゲーション装置にて計算された走行ルートをフラッシュメモリ18に記憶する。そして、バッテリ監視処理にて周期的に取得されるバッテリ4の容量の前回値と今回値との差分を求めることにより、この求めた値を表すバッテリ低下率を、走行ルート上の車両の現在位置(位置情報)および渋滞箇所(渋滞情報)、及びそのときにI/O19を介して取得した気温情報、天候情報、季節情報、時刻情報、経過情報に関連づけてフラッシュメモリ18に記憶する。なお、このときのバッテリ低下率には、発電指針の生成によってオルタネータ8の発電量が増大した場合の値が除外される。
図3および図4は、このときにフラッシュメモリ18に記憶されるバッテリ低下率と、パラメータ情報の一例としての経過情報(エンジン2の始動時刻からの経過時間)および時刻情報(時刻)との関係を表すグラフである。
図3に示すように、バッテリ低下率は、エンジン2の始動時刻からの経過時間(運転時間)が長くなるほど小さくなり、さらには負の値が大きくなる(つまりバッテリ充電率が大きくなる)傾向がある。これは、一般的に運転時間が長くなるほどバッテリ4の容量が増加することから、オルタネータ8の発電量を特別に増大させなくてもバッテリ4の容量が低下しにくくなることに起因すると考えられる。
また、図4に示すように、バッテリ低下率は、時刻によって朝の通勤時間帯や夕方から夜の帰宅時間帯に大きくなり、深夜の時間帯では負の値が大きくなる(つまりバッテリ充電率が大きくなる)傾向がある。これは、一般的に車両の混み具合が増すほど車両の停止時間が長くなることから、オルタネータ8の発電量を特別に増大させなければバッテリ4の容量が低下しやすくなることに起因すると考えられる。なお、バッテリ低下率を渋滞情報に関連づけておくことも、同様の考え方に起因する。
さらにいえば、図示を省略するが、夏場に車内の温度を下げるためにエアコンがつけられると、エンジン2の回転がコンプレッサの駆動に消費され、バッテリ4の容量が低下しやすくなることから、バッテリ低下率は、季節によって夏場に大きくなる傾向がある。また、フロントガラスの曇りを除去するためにコンプレッサを駆動したり、リアガラスの曇りを除去するためにガラス内部に配設された熱線を発熱したりする(つまり、デフロスタを使用する)と、バッテリ4の容量が低下しやすくなることから、バッテリ低下率は、冬場の気温によって外気と内気の温度差が大きい場合に大きくなる傾向がある。なお、窓を開けて温度差を緩和させることが困難な場合に、外気と内気の温度差が大きいと、デフロスタを使用せざるを得ないことが想定されるため、特に天候によって雨天の場合に大きくなる傾向がある。
以下では、このように、各種のパラメータ情報に関連づけてフラッシュメモリ18に記憶されたバッテリ低下率を「学習値」と呼ぶことにする。
[指針生成処理]
次に、CPU15が実行する指針生成処理を、図5のフローチャートに沿って詳細に説明する。但し、本処理は、前述の充電調整処理において、バッテリ4の放電量が充電量を上回り、レギュレータ9の制御を停止することによりフル充電を行っているときに実行される。
本処理が開始されると、まず、S110では、バッテリ監視処理にて周期的に取得されるバッテリ4の容量の前回値と今回値との差分を求めることにより、前述のバッテリ低下率を算出する。
続くS120では、CANコントローラ24を介してナビ情報およびVICS情報を取得し、I/O19を介して気温情報、天候情報、季節情報、時刻情報、経過情報を取得することにより、前述のパラメータ情報を取得する。
続くS130では、S120で取得したパラメータ情報に対応する学習値を、フラッシュメモリ18から読み出す。例えば、エンジン2の始動時刻からの経過時間、現在時刻、走行ルート上の現在位置、現在の季節のそれぞれに対応する学習値をRAM17の作業領域に一時記憶する。
続くS140では、S130で読み出した各学習値を加重平均することにより、現在から所定時間(例えば、学習値記憶処理の一周期に相当する時間)経過するまでに予測されるバッテリ低下率を表す予測低下率を算出する。例えば、エンジン2の始動時刻からの経過時間に対応する重みを最大にして加重平均する場合、エンジン2の始動時刻からの経過時間、現在時刻、走行ルート上の現在位置、現在の季節に対応する重みを2:1:1:1にして予測低下率を算出する。
続くS150では、S140で算出した予測低下率を、上記の所定時間後に予測されるバッテリ4の容量を表す予測容量に換算する。例えば、S110において取得されるバッテリ4の容量の前回値に、同ステップで算出したバッテリ低下率と、S140で算出した予測低下率とを加算することにより、バッテリ4の予測容量を算出する。これにより、図6に示すように、実際のバッテリ4の容量の近似値を所定時間前に得ることが期待できる。
続くS160では、S150で換算したバッテリ4の予測容量が、予め設定された第1の閾値(例えば80%)を上回るか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS170に移行し、否定判断した場合にはS180に移行する。
S170では、仮に現在のバッテリ低下率が大きい場合であっても、通常の充電によって上記の所定時間経過後にバッテリ4の容量が自然に回復する可能性が高いことから、先に発電量を増大させるための発電指針を駆動系ECU10に送信している場合には解除指令を生成し、S210に移行する。
S180では、S150で換算したバッテリ4の予測容量が、予め設定された第2の閾値(例えば60%)を下回るか否かを判断し、ここで肯定判断した場合にはS190に移行し、否定判断した場合にはS200に移行する。
S190では、上記の所定時間経過後におけるバッテリ4の容量の落ち込みが激しい可能性が高いことから、予め規定された車両条件にかかわらず、運転者による運転操作に基づくエンジン回転数に対する増加分を設定し、変速比の低下と共にその増加分だけエンジン回転数を増加させる例外指令を生成し、S210に移行する。
S200では、S190と同様にエンジン回転数の増加分を設定するものの、上記の所定時間経過後におけるバッテリ4の容量の落ち込みが緩やかである可能性が高いことから、上記の車両条件を満たす場合に限りエンジン回転数を増加させる原則指令を生成し、S210に移行する。具体的には、車両条件は、運転者による運転操作が車両を減速させるための減速操作、または車両を加速させるための加速操作であることを条件とするものである。また、原則指令は、上記の運転操作が、加速操作である場合には、変速比を一定に保持した状態でエンジン回転数を増加させ、減速操作である場合には、設定した増加分だけエンジン回転数を増加させると共に、これに伴い、変速比の低下の程度をその減速操作に基づく通常レベルよりも大きくする指令である。
そして、S210では、上記S170,S190,S200のいずれかで生成された指令を表す発電指針を、CANコントローラ24を介して駆動系ECU10に送信し、S110に移行する。
これにより、発電指針を受信した駆動系ECU10が、この発電指針と運転者による運転操作とに基づいてエンジン2のエンジン回転数およびトランスミッション3の変速比を制御することで、例えば以下のようにオルタネータ8の発電量が変化することになる。
(1)バッテリ4の容量が低下しても早期に回復する可能性が高いときには、運転者による運転操作にかかわらず、エンジン回転数がその運転操作に基づく通常レベルに設定され、その設定されたエンジン回転数に比例して通常どおりオルタネータ8の発電量が増減する。
(2)バッテリ4の容量の落ち込みが緩やかである可能性が高いときには、車両の加速時および減速時に、エンジン回転数が通常レベルよりも高いレベルに設定され、通常よりもオルタネータ8の発電量が増大し、車両の定速走行時には、通常どおりオルタネータ8の発電量が増減する。なお、エンジン回転数については、加速時には、変速比を一定に維持した状態で車両の加速に必要な分だけ増加し、減速時には、通常レベルよりも所定量だけ増加する(但し、このときの変速比は、車両の減速に必要な分だけ低下の程度が大きくなる)。
(3)バッテリ4の容量の落ち込みが激しい可能性が高いときには、運転者による運転操作(ひいては車両の走行状態)にかかわらず、エンジン回転数が通常レベルよりも所定量だけ高いレベルに設定され、(1),(2)の場合よりもオルタネータ8の発電量が増大する。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態の車両制御システム1では、バッテリ予測容量に基づいて、バッテリ4の容量の落ち込みが緩やかである可能性が高いときには、運転者による運転操作に基づく通常レベルよりも変速比が低下する期間が、車両の減速時に限られることになる。
したがって、本実施形態の車両制御システム1によれば、変速比の低下の程度が大きくなることによりトルク変動が生じて振動をもたらす可能性が車両の減速時に限られることになり、なお且つ、このような振動の可能性が運転者にとって容易に想定できることから、ひいては、運転者になるべく違和感を与えることなく、発電制御を好適に行うことができる。
また、車両制御システム1では、バッテリ予測容量に基づいて、バッテリ4の容量の落ち込みが緩やかである可能性が高いときには、運転者による運転操作に基づく通常レベルよりもエンジン回転数が増加する期間が、車両の減速時に限らず、車両の加速時にも拡張することになる。
これにより、オルタネータ8の発電量を増大させる機会が比較的増えるため、発電制御を効率よく行うことができる。しかも、車両の加速時には、エンジン回転数が、変速比を一定に維持した状態で車両の加速に必要な分だけ増加するため、トルク変動が発生しないことにより振動をもたらす可能性も小さくなるので、運転者になるべく違和感を与えることなく、発電制御を効率よく行うことができる。
さらに、車両制御システム1では、バッテリECU20がバッテリ4の容量に基づいて生成した発電指針を車内LAN5に送信するだけで、後は、駆動系ECU10が、この発電指針と、アクセル開度センサ11からの検出信号とに基づいて、オルタネータ8の発電量を増大させるためにエンジン回転数を増加してくれることになる。
これにより、バッテリECU20とアクセル開度センサ11とを接続する必要がないことから、接続線を省略することで不要なコストをかけずに済み、また、バッテリECU20にとって、運転者による運転操作に応じてエンジン回転数の増加分を可変設定する必要もないことから、処理負担を軽減することができる。しかも、駆動系ECU10にとっては、予め設定された増加分だけエンジン回転数を増加させればよいだけであるので、複雑な処理を行わずに済み、ひいては簡易なシステム構成によって効率よく発電制御を行うことができる。
[本実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
なお、上記実施形態において、オルタネータ8およびレギュレータ9が発電部、アクセル開度センサ11が操作検出手段、駆動系ECU10が駆動制御手段、バッテリECU20がバッテリ制御手段、フラッシュメモリ18が記憶手段、気温センサ21,雨滴センサ22,計時装置23,情報系ECU30が検出手段にそれぞれ相当する。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態の指針生成処理では、バッテリ4の予測容量と予め設定された第1および第2の閾値とを比較することにより、発電指針の内容を決定しているが、必ずしもバッテリ4の予測容量に限るわけではなく、バッテリ低下率と予め設定された基準低下率とを比較してもよいし、予測低下率と基準低下率とを比較してもよい。あるいはバッテリ低下率と予測低下率とを加算した値と予め設定された第3の閾値とを比較してもよい。
また、上記実施形態の指針生成処理では、原則指令を示す発電指針を生成するための条件(原則条件に相当する)について、バッテリ4の予測容量が第1の閾値と第2の閾値との間の範囲内であることとしているが、これに限定されるものではなく、例えばバッテリ低下率が基準低下率よりも少ないこととしてもよい。さらにいえば、指針生成処理において、バッテリ低下率が基準低下率よりも多いときに例外指令を示す発電指針を生成するようにしてもよい。
なお、上記実施形態の原則指令は、車両の減速時および加速時に限りエンジン回転数を増加させる内容であるが、車両の減速時だけに限る内容であってもよい。さらにいえば、指針生成処理において、原則条件にかかわらず、車両の減速時に限りエンジン回転数を増加させる内容の原則指令を示す発電指針を生成するようにしてもよい。
また、上記実施形態の例外指令は、車両の走行状態にかかわらず、変速比の低下と共にエンジン回転数を増加させる内容であるが、車両の加速時に限っては、変速比を一定に維持した状態でエンジン回転数を増加させる特例を設けてもよい。
1…車両制御システム、2…エンジン、3…トランスミッション、4…バッテリ、5…車内LAN、8…オルタネータ、9…レギュレータ、10…駆動系ECU、11…アクセル開度センサ、15…CPU、18…フラッシュメモリ、20…バッテリECU、20a…マイコン、21…気温センサ、22…雨滴センサ、23…計時装置、24…CANコントローラ、31…VICS受信機、30…情報系ECU。

Claims (7)

  1. 車両に搭載されたエンジン及びトランスミッションからなる駆動部と、
    前記エンジンのエンジン回転数に応じて車両に搭載されたバッテリに充電を行う発電部と、
    前記車両の運転者による運転操作を検出する操作検出手段と、
    前記車両が前記操作検出手段にて検出された運転操作に基づく走行状態となるように前記駆動部を制御する駆動制御手段と、
    前記バッテリの容量を監視すると共に、該バッテリの容量の低下に応じて該容量の回復に必要な発電指針を生成するバッテリ制御手段と、
    を備え、前記バッテリ制御手段にて生成された発電指針に従って、前記駆動制御手段が前記エンジン回転数および前記トランスミッションの変速比を変更可能な車両制御システムにおいて、
    前記バッテリ制御手段は、予め規定された原則条件を満たすときには、前記運転操作が前記車両を減速させるための減速操作である場合に限り、前記変速比の低下の程度を該減速操作に基づく通常レベルよりも大きくすると共に前記エンジン回転数を増加させる指針を前記発電指針として生成し、
    前記原則条件は、前記バッテリの容量の低下率を示すバッテリ低下率が予め設定された基準低下率よりも少ないという条件であることを特徴とする車両制御システム。
  2. 前記バッテリ制御手段は、前記バッテリ低下率が前記基準低下率よりも多いときには、前記運転操作にかかわらず、前記変速比の低下と共に前記エンジン回転数を増加させる指針を前記発電指針として生成することを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  3. 前記車両の走行条件に応じて予め前記バッテリ低下率が測定された学習値を記憶するための記憶手段を備え、
    前記バッテリ制御手段は、前記記憶手段に記憶されている学習値に基づいて算出した予測低下率を前記バッテリ低下率として用いることを特徴とする請求項または請求項に記載の車両制御システム。
  4. 前記学習値は、前記走行条件を示すパラメータ情報として、前記エンジンの始動からの経過時間、前記車両の走行時刻、前記車両の位置、天候および気温の少なくとも一つの情報に関連づけて記憶されていることを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  5. 前記走行条件を示すパラメータ情報を取得するための検出手段を備え、
    前記学習値は、前記パラメータ情報として、前記エンジンの始動からの経過時間、前記車両の走行時刻、前記車両の位置、天候および気温の各情報に関連づけて記憶されており、
    前記バッテリ制御手段は、前記記憶手段に記憶されている学習値のうち、前記検出手段を用いて取得したパラメータ情報に対応する各学習値を加重平均することにより、前記予測低下率を算出することを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  6. 前記予測低下率は、前記エンジンの始動からの経過時間に対応する重みを最大にして加重平均した値であることを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  7. 前記バッテリ制御手段は、前記運転操作が前記車両を加速させるための加速操作である場合には、前記変速比を一定にしつつ前記エンジン回転数を増加させる指針を前記発電指針として生成することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の車両制御システム。
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