近年、宅内やオフィスのフロア等においては、マクロセルの電波が届き難い屋内においても携帯電話を使用できるようにしたり、バックボーンとして宅内やオフィスのフロアに引き込まれた光ファイバー等のブロードバンド回線へ通信トラフィックを経由させたりするために、フェムトセルの基地局が設置されることがある。フェムトセルの基地局は、電波の送信出力が小さい。そのため、相互干渉する可能性が低く、各フェムトセルの基地局で識別情報を比較的自由に設定可能である。
ところで、特許文献1の背景技術で記載されているように、無線通信システムの基地局はハンドオーバー候補となる近隣基地局の情報を報知している。近隣基地局情報はリスト化されており、基地局の識別情報、及びその他の情報について含む。例えば、基地局の識別情報として無線周波数チャネル番号とPNオフセットを含むが、無線周波数チャネル番号は自明であれば省略されたり、通信システムによっては異なる情報を含んだりすることがある。通常は基地局から共通チャネルを用いて近隣基地局情報は携帯電話へと報知されるが、占有チャネルを用いて基地局から携帯電話へと近隣基地局情報を更新することも可能である。共通チャネルや占有チャネルにおいて伝送可能な情報量には制約があり、近隣基地局情報に含まれる基地局の数は有限である。この近隣基地局情報を用いて携帯電話は近隣の基地局を探索あるいは識別する。
基地局が報知できる近隣基地局の数は有限である。例えばCdma2000方式では40個である。一般に、屋外に設置されるマクロセルの基地局はサービスエリア半径がkmオーダーの広さなので、そのサービスエリア内には無数のフェムトセルの基地局が設置されうる。これらフェムトセルの基地局を全て別々のハンドオーバー候補として基地局が報知することは不可能である。
ハンドオーバー候補として報知する有限個の基地局のうち、予め定められた個数の基地局をフェムトセルの基地局とすることで、マクロセルの基地局からフェムトセルの基地局へハンドオーバーを可能にする技術が特許文献1で開示されている。例えば予め周波数チャネル番号とPNオフセットの値との組を基地局で決めておき、この組の値をフェムトセルの基地局へ割り当てることとこの組の値をハンドオーバー候補として基地局が報知することで、マクロセルの基地局からフェムトセルの基地局への携帯電話のハンドオーバーが可能になる。
図9は、一般的な無線システム900の利用環境の一例を示す。無線システム900は、複数のマクロセルの基地局910a〜c(以下、マクロセルの基地局910と総称する。)、及び複数のフェムトセルの基地局920a〜c(以下、フェムトセルの基地局920と総称する。)を備えている。各フェムトセルの基地局920は、マクロセルの基地局910aのサービスエリア内に配置されている。各マクロセルの基地局910、及び各フェムトセルの基地局920は、ネットワーク930で接続されている。そして、マクロセルの基地局910aとフェムトセルの基地局920aの近隣には、携帯電話990が在圏している。
図9で例示すると、近隣基地局情報のうちいくつかをマクロセルの基地局910aにてフェムトセルの基地局920として割り当て、このフェムトセルの基地局920の情報を含む近隣基地局情報をマクロセルの基地局910aは報知し、このフェムトセルの基地局920の情報をフェムトセルの基地局920a〜cで設定する。携帯電話990はフェムトセルの基地局920かどうかを意識することなくマクロセルの基地局910aから各フェムトセルの基地局920a〜cへとハンドオーバー可能である。
以下では基地局から報知されている情報について説明する。基地局から報知される情報はハンドオーバー候補となる近隣基地局だけではない。例えばCdma2000の基地局は自身が設置されている位置の緯度や経度を報知するし、拡散符合の元となる値を報知するし、特許文献2で記載されるように携帯電話の測位の計算で使用する値、他を報知する。基地局から受信するこれらの報知情報を使用することで、携帯電話はエンドユーザへ適切なサービスを提供する。
基地局は基準信号を報知しており、この基準信号はハンドオーバーすることなく携帯電話が受信できる。携帯電話はこの基準信号が近隣基地局識別情報と一致するかどうかで近隣基地局の存在を知る。基地局の他の報知情報の多くはハンドオーバーした後ではじめて受信できるようになる。
以下では携帯電話で実施されている報知情報の受信省略について説明する。ハンドオーバーした先の基地局から報知情報を携帯電話が受信する処理は電力を消費する。複数の基地局から同程度の受信感度を得ることができる場所ではささいな電波の揺らぎによって携帯電話は同じ基地局から出たり入ったりのハンドオーバーを繰り返し、そのたびに電力を消費してしまう。この電力の消費を減らすため、次のような方法が実施されるのが普通である。
携帯電話は基地局から受信した報知情報を記憶装置に格納し、基地局を識別する情報を用いて検索できるようにしておく。ハンドオーバー処理は、次のようにおこなわれる。まず、携帯電話は近隣基地局情報を用いてハンドオーバー先を探索しハンドオーバー実施を決定する。そして、ハンドオーバー先へ通信手段を切り替える。そして、ハンドオーバー先の識別情報を確認する。そして、ハンドオーバー先の識別情報を用いて記憶装置内を検索する。そして、もしハンドオーバー先の識別情報が記憶装置内に存在しなければ報知情報の再受信は必要と判定され、携帯電話は基地局から報知情報を受信し、記憶装置に報知情報を保存し、報知情報に従ってハンドオーバー先の基地局において必要な処理がおこなわれる。もしハンドオーバー先の識別情報が記憶装置内に存在すれば報知情報の再受信は必要なしと判定され、基地局から報知情報を受信して記憶装置に保存する処理を省略することができるので、その処理に必要な電力消費を節約できる。
ここで使用する基地局を識別する情報としては、基準信号のような、ハンドオーバー直後の報知情報受信前に明らかである情報が望ましい。というのは報知情報を受信しないと得られない情報がもし必要ならば、報知情報の受信を省略するという目的が達成できないからである。したがって、基地局を識別する情報としてはハンドオーバー候補と同様に例えば周波数チャネル番号とPNオフセットの組が使用される。
近隣の基地局間では基地局の識別情報が同じにならないよう設定されている。図9で説明すると、マクロセルの基地局910aのPNオフセットがPNAであったとすると、隣のマクロセルの基地局910bのPNオフセットは異なるPNBが設定される。マクロセルの基地局910aから遠く離れたマクロセルの基地局910cではマクロセルの基地局910aと同じPNAを使用できる。マクロセルの基地局910aとマクロセルの基地局910cのように遠く離れた基地局間では同じ識別情報を使用することができるが、携帯電話990がそうした基地局間を移動するには時間を要する。携帯電話990の記憶装置に格納する報知情報に有効期限を設定することと、報知情報を受信する必要があるか否かを判定する処理にて有効期限を経過したかどうかを判定に加えることで、基地局の報知情報を受信しなおすようになっており、結果として携帯電話990はマクロセルの基地局910aとマクロセルの基地局920cを混同しないようになっている。
しかしながら、既知のハンドオーバー方法と報知情報の受信を省略する方法とを組み合わせた場合には、携帯電話を持ったユーザが移動して、フェムトセルの基地局から他のフェムトセルの基地局へハンドオーバーが繰り返されると様々な問題が生じる。
例えば、マクロセルの基地局からフェムトセルの基地局への既知のハンドオーバー方法では、無数のフェムトセルの基地局を少数のハンドオーバー候補で表現するので、不特定多数のフェムトセルの基地局が共通の識別情報を使用することになる。
これを図9で説明すると、マクロセルの基地局910aのサービスエリア内にフェムトセルの基地局920が無数に存在するのでフェムトセルの基地局920aと同じ識別情報を持つフェムトセルの基地局920cがフェムトセルの基地局920aの近隣に存在することがある。初めは携帯電話990がフェムトセルの基地局920aで待ち受けているものとする。携帯電話990がフェムトセルの基地局920aを離れるとき、フェムトセルの基地局920の出力は微弱であるから、マクロセルの基地局910へいったんハンドオーバーしてさらにフェムトセルの基地局920bへハンドオーバーするか、あるいはフェムトセルの基地局920aから直接にフェムトセルの基地局920bへハンドオーバーする。携帯電話はさらにハンドオーバーを繰り返してフェムトセルの基地局920cへ到達しようとしたときに問題が発生する。
携帯電話がフェムトセルの基地局920cへハンドオーバーするとき携帯電話はフェムトセルの基地局920cの識別情報を用いて自身の記憶装置を検索し、同じ識別情報を持つフェムトセルの基地局920aの報知情報がヒットする。フェムトセルの基地局920aとフェムトセルの基地局920cは近隣に存在するのでその間を携帯電話が行き来するにはさほど時間を必要とせず、携帯電話が記憶装置に格納したフェムトセルの基地局920aの報知情報が有効期間を過ぎていない。すると、携帯電話はフェムトセルの基地局920cをフェムトセルの基地局920aであると誤認し、携帯電話はフェムトセルの基地局920cからの報知情報受信を省略してしまう。しかし実際には異なる基地局なので、記憶装置上のフェムトセルの基地局920aから受信済みの報知情報と、受信することができなかったフェムトセルの基地局920cからの報知情報とは異なる情報である。このようにして、例えば、携帯電話は位置情報サービスにおいてフェムトセルの基地局920aの緯度と経度をフェムトセルの基地局920cのものとして誤用してしまう。
この問題を回避するためにフェムトセルの基地局920から他のマクロセルの基地局910や他のフェムトセルの基地局920へのハンドオーバーを禁止することもおこなわれている。フェムトセルの基地局920aから遠ざかるとやがて圏外となるが、圏外になることを契機に受信済みの報知情報を削除するとフェムトセルの基地局920cで待ち受けるときは、報知情報を受信する必要があるか否かの判定で報知情報受信必要と判定され、正しくフェムトセルの基地局920cの報知情報を受信することができる。しかしながらこの方法では圏外を経由するため着信を取り逃がす等の新たな問題がある。
さらには、既知の技術においてはマクロセルの基地局とフェムトセルの基地局とを区別せずに近隣基地局情報として報知するので、近隣基地局情報を測位計算で使用する際に以下のような問題があった。
特許文献2で記載されているように、基地局の位置が固定されていることを応用して各近隣基地局から受信した情報をネットワーク上のサーバで処理することにより携帯電話の位置を計算することがおこなわれている。この測位システムにおける携帯電話の処理について説明する。携帯電話は近隣基地局の情報を準備する。これは基地局から報知されている近隣基地局情報を使用することができる。次に近隣の基地局から受信される基準信号を用いて距離を計算し、近隣基地局情報と照らし合わせて測定結果を作成する。続いて測定結果をネットワーク上のサーバへ送信し、サーバに携帯電話の位置を計算させる。最後にサーバから携帯電話の位置を受信する。
この測位システムでは予め近隣基地局の位置がサーバに登録されている必要がある。ところがフェムトセルの基地局は自由な場所に不特定多数が設置されたり停止したりするため、サーバ上で管理することは困難である。また、ある基地局で在圏している携帯電話が電波を受信できる近隣基地局は限定されるので、携帯電話が電波を受信できる基地局の組合せも限定されることから、サーバが携帯電話の位置を予測することができる。ところがマクロセルの基地局のサービスエリア内にあるフェムトセルの基地局は不特定多数なので、携帯電話が電波を受信できたフェムトセルの基地局が実はどれなのかということをサーバで区別することができない。このような事情により、位置情報サービスを提供する上で障害となる。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、マクロセルの基地局とフェムトセルの基地局との間においてハンドオーバーを行う移動体通信端末であって、当該移動体通信端末の動作を制御する演算装置を備え、演算装置は、ハンドオーバー先の基地局がフェムトセルの基地局であるか否かを判定し、ハンドオーバー先の基地局がフェムトセルの基地局であると判定した場合、当該ハンドオーバー先の基地局から報知情報を受信し、ハンドオーバー先の基地局がフェムトセルの基地局ではないと判定した場合、当該ハンドオーバー先の基地局から報知情報を受信しない。
なおまた、上記のように発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
以上の説明から明らかなように、この発明においては、ハンドオーバー先の基地局がフェムトセルの基地局であるか否かを判定して、ハンドオーバー先の基地局がフェムトセルの基地局であると判定した場合、他のフェムトセルの基地局と報知情報を混同せず正しい報知情報を受信することができ、ハンドオーバー先の基地局がフェムトセルの基地局ではないと判定した場合、即ち、ハンドオーバー先の基地局がマクロセルの基地局である場合には、報知情報を受信しないようにしたので、当該処理にかかる消費電力を低減することができる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、一実施形態に係る携帯電話100のブロック構成の一例を示す。携帯電話100は、マクロセルの基地局とフェムトセルの基地局との間においてハンドオーバーを行う。なおまた、携帯電話100は、この発明における「移動体通信端末」の一例であってよい。
携帯電話100は、無線装置110、記憶装置120、演算装置130、表示装置140、入力装置150、及び電源装置160を備える。そして、携帯電話100のこれら各装置は、それぞれ電気的に接続されている。
無線装置110は、マクロセルの基地局やフェムトセルの基地局からの電波を受信して復調する。また、無線装置110は、マクロセルの基地局やフェムトセルの基地局へ電波を変調して送信する。また、無線装置110は、GPS(Global Positioning System)信号の受信機能を有するものであってもよい。記憶装置120には、各種プログラムや携帯電話100を動作させるのに必要なデータが格納されている。演算装置130は、携帯電話100の動作を制御する。表示装置140は、携帯電話100のユーザへ必要な情報を知らしめる。入力装置150は、携帯電話100のユーザからの指示を受け付ける。電源装置160は、携帯電話100の全体へ電力を供給する。
また、記憶装置120に情報格納領域121を設け、この情報格納領域121にフェムトセルの基地局であることを表現する識別情報が格納されている。フェムトセルの基地局を表現する情報格納領域121について詳細に説明すると以下の通りである。この情報格納領域121はソフトウェアの実行によって書き換え不可能であっても良く、このときは予め取り決められたフェムトセルの基地局を表現する識別情報が携帯電話100の製造者によってこの情報格納領域121へ格納されている。
図2は、情報格納領域121に格納されているデータの一例をテーブル形式で示す。本発明における最良の形態ではこの情報格納領域121はデータ領域の一部に配置され、Cdma2000であれば図2の構造をしており、ソフトウェアの実行によって書き換え可能なように構成されている。ユーザが表示装置140の指示に従いながら入力装置150を操作することでフェムトセルの基地局を表現する識別情報を変更できたり、あるいは携帯電話100が通信ネットワークからフェムトセルの基地局を識別する情報を取得してフェムトセルの基地局を表現する識別情報を変更できたりする。この情報格納領域121はデータ領域の一部であることが望ましいが、ソフトウェアの一部であってもよい。
図3は、基地局がフェムトセルの基地局であるか否かを判定するときの携帯電話100の演算装置130の動作フローの一例を示す。まず、携帯電話100の演算装置130は、判定したい基地局の識別情報の組をAという変数に格納する(S101)。そして、演算装置130は、図2で例示したフェムトセルの基地局を表現する識別情報リストから一組を取り出し、Bという変数に格納する(S102)。そして、演算装置130は、AとBとで値が一致するかどうかの判定を行う(S103)。もし一致するならば(S103:Yes)、演算装置130は、判定結果をフェムトセルの基地局であると設定する(S104)。もし一致しなければ(S103:No)、演算装置130は、図2で例示したフェムトセルの基地局を表現する識別情報リストから次の一組を取り出してこれを変数Bへ格納する(S105)。そして、演算装置130は、変数Bに格納すべき次の一組があったかどうかを判定し(S106)、もし次の一組が存在しなかったならば(S106:Yes)、判定結果はフェムトセルの基地局ではないと設定する(S107)。もし次の一組が存在していたならば(S106:No)、演算装置130は、ステップS103以降の処理を継続する。
図4は、ハンドオーバーを行うときの携帯電話100の演算装置130の動作フローの一例を示す。まず、携帯電話100の演算装置130は、近隣基地局情報を用いてハンドオーバー先を探索しハンドオーバー実施を決定する(S201)。そして、演算装置130は、ハンドオーバー先へ通信手段を切り替える(S202)。そして、演算装置130は、ハンドオーバー先の識別情報を確認する(S203)。そして、演算装置130は、ハンドオーバー先の識別情報を用いて記憶装置120を検索する(S204)。そして、演算装置130は、検索結果がフェムトセルの基地局かどうかを、図3に示す処理によって判定する(S205)。もしフェムトセルの基地局であると判定されれば(S205:Yes)、すなわちハンドオーバー先はフェムトセルの基地局なので、演算装置130は、基地局から報知情報を受信し(S207)、記憶装置120に報知情報を保存し(S208)、報知情報に従ってハンドオーバー先の基地局において必要な処理を行う(S209)。このようにして、携帯電話100は、フェムトセルの基地局の混同を防止し確実に正しい情報を受信することができる。もしフェムトセルの基地局ではないと判定されれば(S205:No)、すなわちハンドオーバー先はマクロセルの基地局なので、演算装置130は、報知情報を再受信する必要があるか否かを判定する(S206)。もしハンドオーバー先の識別情報が記憶装置内に存在しなければ報知情報の再受信は必要と判定され(S206:Yes)、演算装置130は、基地局から報知情報を受信し(S207)、記憶装置120に報知情報を保存し(S208)、報知情報に従ってハンドオーバー先の基地局において必要な処理を行う(S209)。もしハンドオーバー先の識別情報が記憶装置内に存在すれば報知情報の再受信は必要なしと判定され(S206:No)、ステップS207とステップS208を省略することができるので、ステップS207とステップS208に必要な電力消費を節約できる。
図5は、近隣基地局を用いた測位処理を行うときの携帯電話100の演算装置130の動作フローの一例を示す。まず、携帯電話100の演算装置130は、近隣基地局の情報を準備する(S301)。これは基地局から報知されている近隣基地局情報を使用することができる。そして、演算装置130は、近隣の基地局から受信される基準信号を用いて距離を計算し、近隣基地局情報と照らし合わせて測定結果を作成する(S302)。そして、演算装置130は、近隣基地局の距離測定結果から1つの基地局の測定結果を取り出す(S303)。この1つの基地局の測定結果は基地局の識別情報とその距離情報を含んでおり、演算装置130は、この基地局の識別情報を用いて、図3に示す処理でフェムトセルの基地局であるかどうかを判定し、もしフェムトセルの基地局であると判定されればこの1つの基地局の測定結果を破棄する(S304)。そして、演算装置130は、測定結果を全て走査したかどうかを判定し(S305)、もし未走査の測定結果があれば(S305:No)、次の1つの基地局の測定結果を取り出し(S306)、ステップS304以降を繰り返す。もし全て走査したと判定されれば(S305:Yes)、測定結果をネットワーク上のサーバへ送信し(S307)、サーバに端末の位置を計算させる。そして、演算装置130は、サーバから携帯電話100の位置を受信する(S308)。このようにして、測位結果からフェムトセルの基地局の測位結果を除外することが実現される。
以上説明したように、本発明においては、以下に記載するような効果を奏する。第1の効果はハンドオーバー先がフェムトセルの基地局であるかどうかを判定する手段を携帯電話100が有しているので、マクロセルの基地局へハンドオーバーしたときは報知情報の受信を省略して消費電力を低減しつつフェムトセルの基地局へハンドオーバーしたときは他のフェムトセルの基地局と報知情報を混同せず正しい報知情報を受信できることである。
第2の効果は近隣基地局がフェムトセルの基地局であるかどうかを判定する手段を携帯電話100が有しているので、測位計算で障害となるフェムトセルの基地局を除外して測位することができることである。
フェムトセルの基地局を表現する識別情報リストの基本的構成は図2で説明した通りであるが、次のような違いがあっても、本発明の効果が得られる。無線周波数チャネル番号が自明であれば無線周波数チャネル番号を省略してもよい。あるいはCdma2000以外の通信方式であっても基地局を識別できる情報の組み合わせを用いることにより本発明を実施可能である。
図6は、情報格納領域121に格納されているデータの別の例をテーブル形式で示す。図6の表現であれば図3で説明したステップS103はPNオフセットが下限から上限の間の値であれば一致するという判定が可能であるし、同様に図6の構造で無線周波数番号に上限と下限を設ければ無線周波数番号が上限から下限の間であれば一致するという判定も可能である。
図7は、基地局がフェムトセルの基地局であるか否かを判定するときの携帯電話100の演算装置130の動作フローの別の例を示す。この動作フローにおいては、予め決めておくフェムトセルの基地局を表現する識別情報は値ではなく、基地局が報知する近隣基地局情報の順番とする。
まず、携帯電話100の演算装置130は、判定したい基地局の識別情報を変数Aに格納する(S401)。そして、演算装置130は、変数Aの値が基地局が報知する近隣基地局情報で検索する(S402)。そして、演算装置130は、変数Aの値が基地局が報知する近隣基地局情報に含まれるかどうかを判定し(S403)、もし含まれなければ(S403:No)、判定結果を判定したい基地局はフェムトセルの基地局ではないと設定する(S407)。もし含まれれば(S403:Yes)、演算装置130は、変数Aの近隣基地局リスト上での順番を確認し(S404)、この順番がフェムトセルの基地局の情報の順番と一致するかどうかを判定し(S405)、もし一致しなければ(S405:No)、判定結果を判定したい基地局はフェムトセルの基地局ではないと設定する(S407)。もし一致すれば(S405:Yes)、演算装置130は、判定結果をフェムトセルの基地局であると設定する(S406)。
以上のように、ある基地局がフェムトセルの基地局であるかどうかを判定する処理は予め取り決められたフェムトセルの基地局を表現する方法に応じて、ソフトウェアによって実現可能である。
図8は、近隣基地局を用いた測位処理を行うときの携帯電話100の演算装置130の動作フローの別の例を示す。まず、携帯電話100の演算装置130は、近隣基地局の情報を準備する(S501)。これは基地局から報知されている近隣基地局情報を使用することができる。そして、演算装置130は、測位のための近隣基地局識別情報リストから1つ目を取り出す(S502)。そして、演算装置130は、この基地局識別情報がフェムトセルの基地局であるかどうかを、図3や図7に示す処理によって判定し、もしフェムトセルの基地局であればこの基地局識別情報を測位のための近隣基地局識別情報リストから削除する(S503)。そして、演算装置130は、測位のための近隣基地局情報リストを全て走査したかどうかを判定し(S504)、もし未走査の近隣基地局があれば(S504:No)、次の近隣基地局情報識別リストから次の1つを取り出し(S505)、ステップS503以降の処理を継続する。もし未走査の近隣基地局が残ってなければ(S504:Yes)、測位処理を継続する(S506〜S508)。このことにより、フェムトセルの基地局を除いた通常の近隣基地局だけに対して測位を行うことができる。
例えば、最後のいくつかをフェムトセルの基地局としたり、n番目をフェムトセルの基地局としたりすることもできる。図8は予め決めておくフェムトセルの基地局を表現する識別情報は値であるときの例であるが、n番目をフェムトセルの基地局とするという決め方であればステップS502〜ステップS505の処理は単純にn番目を削除するという処理で置き換えれば同じ効果を得られる。
また、携帯電話100の測位処理を例に説明したが、近隣基地局情報からフェムトセルの基地局を除外する処理は他の演算に適用してもよい。
図4で説明したハンドオーバー処理と図5で説明した測位処理は互いに独立した処理であるが、両方実施したほうが好ましいが、片方だけ実施しても構わない。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。