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JP5489331B2 - 電力計測装置 - Google Patents
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JP5489331B2 - 電力計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、検出した電圧信号と電流信号を乗算することにより電力を計測する電力計測装置に関する。
従来、この種の電力計測装置として、電圧検出回路及び電流検出回路からそれぞれ出力される電圧信号及び電流信号のアナログ波形をそれぞれAD(アナログデジタル)変換してデジタル値とし、これらデジタル値を乗算することにより、電力を計測するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
電圧信号と電流信号のアナログ波形をAD変換する際、センサのばらつき、回路の処理方式(フィルタ定数)の違い、回路定数のばらつき等により、電圧信号と電流信号の位相ずれ(時間差)が発生し、電力演算誤差が大きくなることが知られている。
従来、このことを解決するために、位相ずれ(信号波形の時間ずれ)を補正する移相回路(位相調整回路)をハードウェアで設け、位相(時間)を調整することが行われている。図12は従来の電力計測装置の構成を示す図である。この従来例の電力計測装置650は、電圧検出回路610、電流検出回路620及び電力演算部630から構成される。
電圧検出回路610は、電圧降圧回路611で検出に適した電圧に降圧し、フィルタ612でフィルタリングを行った後、位相調整回路613で位相ずれを調整した電圧信号を出力する。電流検出回路620は、回路切替部623で回路に接続された電流センサCT11あるいはCT12を切り替え、この切り替えられた電流センサCT11あるいはCT12でR相あるいはT相の電流を検知し、この検知した電流信号をゲイン切替部624で増幅して出力する。
電力演算部630は、電圧検出回路610及び電流検出回路620からそれぞれ出力される電圧信号及び電流信号の各アナログ波形をAD変換部631、632でAD変換する。また、電力演算部630は、AD変換された電流信号及び電圧信号のデジタル値を乗算部634で乗算し、乗算した値を電力値として伝送回路部635を通じて出力する。また、電力演算部630には、ゲイン切替部624に電流信号増幅時のゲインの切り替えを指示するゲイン切替制御部633が設けられている。位相調整回路613によって位相ずれが調整された電圧信号は、電力演算部630内のAD変換部631に入力される。このような動作により、検出した電圧信号と電流信号の位相ずれが補正され、計測される電力の精度が向上する。
図13は多回路の電力を計測する場合の電力計測装置の構成を示す図である。この電力計測装置750内の電流検出回路720には、回路1〜4のR相あるいはT相の電流を検知する複数の電流センサCT11〜CT18を切り替える回路切替部723と、電流信号を所定ゲインにより増幅するゲイン切替部724とが設けられている。また、電圧検出回路710には、複数の電流センサに合わせて複数の位相調整回路714及び回路切替部715が設けられている。回路切替部715は、電流センサが切り替えられると、これに対応する位相調整回路714を切り替える。電力演算部730には、回路切替制御部736が設けられており、電圧検出回路710の回路切替部715に対し、回路の切り替えを指示する。
特許第3045739号公報
しかしながら、上記従来の電力計測装置では、電圧検出回路内にハードウェアで位相調整回路を設けなければならず、コストを上げる要因となっていた。特に、電流検知部として多種類の電流センサが電流検出回路に用いられる場合、電流センサの種類に合わせて多くの位相調整回路を電圧検出回路内に設けておかなければならない。このため、複数の位相調整回路及び回路切替部が必要であることから、より一層コストが上昇するという課題があった。
また、電流を検知する電流センサとして一般的に用いられている変流器(CT)は、電流が小さい領域で位相ずれが大きくなる。この電流が小さい領域では、大きな位相ずれ(時間差)により、計測される電力の精度が低下するといった課題もあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、多くの種類の電流センサが電流検出回路に用いられる場合でも、容易にコストを上げることなく位相ずれを補正し、測定精度を向上させることが可能な電力計測装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、電流が小さい領域であっても、電力測定の精度の低下を抑えることが可能な電力計測装置を提供することにある。
本発明は、測定対象回路の電圧を検出する電圧検出回路から出力される電圧信号を第1のデジタル値に変換する電圧変換部と、測定対象回路の電流を検知する電流検知部が設けられた電流検出回路から出力される電流信号を第2のデジタル値に変換する電流変換部と、前記電圧変換部によって変換された第1のデジタル値と前記電流変換部によって変換された第2のデジタル値とを乗算する乗算部とを備え、前記乗算部による乗算結果から測定対象回路における電力値を取得する電力計測装置であって、前記電圧検出回路から出力される電圧信号と前記電流検出回路から出力される電流信号との位相ずれに関する位相ずれ量を設定する位相ずれ量設定部と、前記設定された位相ずれ量に基づき、前記電圧変換部における前記電圧信号のデジタル変換を実行する第1のタイミングと、前記電流変換部における前記電流信号のデジタル変換を実行する第2のタイミングとの少なくとも一方をずらして時間調整を行う時間調整部とを備え、前記位相ずれ量設定部は、前記電流検知部の種類に応じた位相ずれ量を設定し、異なる電流検知部により異なる測定対象回路の電流信号を時分割で取り込む場合、前記電流検知部ごとに前記位相ずれ量を設定し、前記時間調整部は、前記時間調整を行う際の前記電圧信号のデジタル変換を実行するタイミングと前記電流信号のデジタル変換を実行するタイミングとについて、前記位相ずれ量に応じて順序を変更する電力計測装置を提供する。
上記構成により、電流検知部の種類に応じた位相ずれ量を設定し、この位相ずれ量に基づいて、電圧信号及び電流信号のデジタル変換を実行するタイミングに関する時間調整を行うことで、容易に精度良く位相ずれを補正することが可能となる。したがって、多くの種類の電流センサが電流検出回路に用いられる場合でも、コストを上げることなく位相ずれを補正し、電力測定の精度を向上することが可能である。
また、例えば位相ずれ量が大きい場合であっても、デジタル変換の実行タイミングの順序を変更することで、複数の測定対象回路の電流信号を時分割で取り込む際に全体の取り込み時間が短くなるようにできる。したがって、電力を計測する際のサンプリング周期を短くすることが可能となる。
また、本発明は、測定対象回路の電圧を検出する電圧検出回路から出力される電圧信号を第1のデジタル値に変換する電圧変換部と、測定対象回路の電流を検知する電流検知部が設けられた電流検出回路から出力される電流信号を第2のデジタル値に変換する電流変換部と、前記電圧変換部によって変換された第1のデジタル値と前記電流変換部によって変換された第2のデジタル値とを乗算する乗算部とを備え、前記乗算部による乗算結果から測定対象回路における電力値を取得する電力計測装置であって、前記電圧検出回路から出力される電圧信号と前記電流検出回路から出力される電流信号との位相ずれに関する位相ずれ量を設定する位相ずれ量設定部と、前記設定された位相ずれ量に基づき、前記電圧変換部における前記電圧信号のデジタル変換を実行する第1のタイミングと、前記電流変換部における前記電流信号のデジタル変換を実行する第2のタイミングとの少なくとも一方をずらして時間調整を行う時間調整部と、前記電流検出回路によって検出される電流値を判定する電流値判定部と、を備え、前記位相ずれ量設定部は、前記電流検知部の種類に応じた位相ずれ量を設定し、前記電流値が所定値より小さい第1の領域と前記所定値以上の第2の領域とで異なる位相ずれ量を設定し、前記時間調整部は、前記電流値判定部によって判定された電流値に応じて、前記電流値が前記所定値より小さい場合は前記第1の領域で設定された位相ずれ量に基づいて時間調整を行い、前記電流値が前記所定値以上である場合は前記第2の領域で設定された位相ずれ量に基づいて時間調整を行う電力計測装置を提供する
上記構成により、電流値が小さい領域において異なる位相ずれ量を設定して時間調整を行うことで、電流値が小さい領域における測定電力精度を改善することができる。
また、本発明は、測定対象回路の電圧を検出する電圧検出回路から出力される電圧信号を第1のデジタル値に変換する電圧変換部と、測定対象回路の電流を検知する電流検知部が設けられた電流検出回路から出力される電流信号を第2のデジタル値に変換する電流変換部と、前記電圧変換部によって変換された第1のデジタル値と前記電流変換部によって変換された第2のデジタル値とを乗算する乗算部とを備え、前記乗算部による乗算結果から測定対象回路における電力値を取得する電力計測装置であって、前記電圧検出回路から出力される電圧信号と前記電流検出回路から出力される電流信号との位相ずれに関する位相ずれ量を設定する位相ずれ量設定部と、前記設定された位相ずれ量に基づき、前記電圧変換部における前記電圧信号のデジタル変換を実行する第1のタイミングと、前記電流変換部における前記電流信号のデジタル変換を実行する第2のタイミングとの少なくとも一方をずらして時間調整を行う時間調整部と、前記電流検出回路によって検出される電流値を判定する電流値判定部と、を備え、前記位相ずれ量設定部は、前記電流検知部の種類に応じた位相ずれ量を設定し、前記電流値に対応する所定の関数による前記位相ずれ量を設定し、前記時間調整部は、前記電流値判定部によって判定された電流値に応じて、前記電流値に対応する位相ずれ量に基づいて時間調整を行う電力計測装置を提供する
上記構成により、電流値に対応する位相ずれ量に基づいて時間調整を行うことで、より細かい位相ずれの補正が可能となり、電力測定の精度をより一層向上させることができる。
本発明によれば、多くの種類の電流センサが電流検出回路に用いられる場合でも、容易にコストを上げることなく位相ずれを補正し、測定精度を向上させることができる。また、電流が小さい領域であっても、電力測定の精度の低下を抑えることができる。
第1の実施形態における電力計測装置の構成を示す図 電流センサの定格と位相ずれの関係の一例を示す図 本実施形態における電力計測の手順を示すフローチャート (A)〜(D)は電力演算精度の改善を説明する図 第2の実施形態における電力計測装置の構成を示す図 第3の実施形態における電力計測装置の構成を示す図 (A)〜(C)は複数の回路1〜4のR相、T相に亘って行われる電圧信号及び電流信号のAD変換の順序を示す図 第4の実施形態における電力計測装置の構成を示す図 (A)、(B)は通電電流に対する電力演算誤差率の変化を示すグラフ (A)、(B)は通電電流の電流値に対する調整時間Δtの値及び電力演算誤差率の変化を示すグラフ 第5の実施形態における電力計測装置の構成を示す図 従来の電力計測装置の構成を示す図 多回路の電力を計測する場合の電力計測装置の構成を示す図
以下の実施形態では、本発明に係る電力計測装置の一例として、商用交流電源に接続される配電用の回路に供給される電力を計測する電力計測装置の構成を示す。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態における電力計測装置の構成を示す図である。この電力計測装置50は、電圧検出回路10、電流検出回路20及び電力演算部30を有して構成される。電圧検出回路10は、測定対象回路である商用交流電源の2つの相の電圧であるR相、T相の線間電圧(電圧RS、電圧TS)を検出する。電圧検出回路10には、線間電圧を検出し、この検出された線間電圧を検出に適した電圧信号に降圧する電圧降圧回路11、及びこの降圧した電圧信号から電源ノイズなどを除去するフィルタ12が設けられている。フィルタ12を通過した電圧信号は電力演算部30に入力される。
電流検出回路20は、測定対象回路である商用交流電源のR相、T相の電源ラインに流れる各相電流を検出する。電流検出回路20には、電流検知部として、R相、T相の電源ラインにそれぞれ設けられ、各相電流を検知する電流センサCT1、CT2が設けられる。また、電流検出回路20は、後述する選択信号に従って電流センサCT1、CT2を切り替える回路切替部23、電流センサCT1、CT2によって検出される電流信号の増幅率(ゲイン)を切り替えるゲイン切替部24を有している。
ゲイン切替部24は、後述するAD変換の分解能を上げるために、後述する電力演算部30内のゲイン切替制御部33からの指示に基づき、検出される電流信号のレベルに応じて増幅率(ゲイン)を段階的に切り替える機能を有する。また、ゲイン切替部24は、電力演算部30内のゲイン切替制御部33から、ゲインの切替信号及び電流センサCT1、CT2の選択信号を受信する。ゲイン切替部24は、この選択信号を回路切替部23に出力する。ここで、電流センサとしては、一般的に、貫通型あるいは分割型の変流器(CT)等が用いられる。
電力演算部30は、マイクロコンピュータ等の情報処理装置で構成されており、記憶媒体に格納された制御プログラム(ソフトウェア)を実行することにより、内蔵するハードウェアとともに、後述する各部の機能を実現する。すなわち、電力演算部30は、AD変換部31、32、ゲイン切替制御部33、乗算部34、伝送回路部35、時間調整部36及び位相ずれ量設定部37を有する。AD変換部31は、電圧検出回路10で検出された電圧信号のアナログ波形をデジタル値(電圧を示す第1のデジタル値)に変換する。AD変換部32は、電流検出回路20で検出された電流信号のアナログ波形をデジタル値(電流を示す第2のデジタル値)に変換する。ここで、第1のAD変換部31が電圧変換部の機能を実現し、第2のAD変換部32が電流変換部の機能を実現する。
ゲイン切替制御部33は、前述したように、ゲイン切替部24に対し、ゲインの切替信号及び電流センサCT1、CT2の選択信号を出力する。
乗算部34は、AD変換部31、32によってそれぞれ変換されたデジタル値(第1のデジタル値、第2のデジタル値)を乗算することにより電力値を算出し、この乗算結果として算出された電力値を伝送回路部35に出力する。伝送回路部35は、算出された電力値を外部に出力する。この出力された電力値は、例えば、表示器で表示可能であり、また、ネットワーク等の伝送線を介して外部機器に伝送可能である。
時間調整部36は、位相ずれ量設定部37に設定された位相ずれ量に基づき、AD変換部31、32のそれぞれに対し、電圧信号のAD変換を実行する第1のタイミング、電流信号のAD変換を実行する第2のタイミングを決定するトリガ信号を個別に出力する。AD変換を実行する第1及び第2のタイミングとしては、例えば、AD変換部31、32においてそれぞれ電圧信号、電流信号を取り込むタイミング、つまりAD変換の開始タイミングなどを設定するものとする。これにより、後述するように、電圧信号と電流信号の位相ずれが調整される。
位相ずれ量設定部37には、時間調整部36によって位相ずれが調整される位相ずれ量(調整時間)Δtが設定される。なお、時間調整部36によって行われる、この時間調整は、電圧信号のAD変換を実行する(電圧信号を取り込む)第1のタイミング、あるいは電流信号のAD変換を実行する(電流信号を取り込む)第2のタイミングの一方あるいは双方に対して行われてもよい。また、AD変換を実行するタイミングとしては、AD変換部31、32における電圧信号及び電流信号の入力タイミング、あるいは、電圧変換後の第1のデジタル値及び電流変換後の第2のデジタル値の出力タイミングなどを用いることも可能である。
また、本実施形態では、後述するように、電圧信号に対して電流信号が遅れる場合を示すが、回路によっては電流信号に対して電圧信号が遅れる場合もあり、いずれの場合にも時間調整は可能である。
なお、位相ずれを調整する位相ずれ量(調整時間)Δtには、力率0.5における測定電力精度を調整するために必要な分解能と調整範囲が必要である。例えば、力率0.5において電力演算誤差率を0.3%以下の誤差範囲にする場合、位相ずれ量(調整時間)Δtを約5μsec以下に調整する必要がある。
また、位相ずれ量(調整時間)Δtは、電流センサの種別(貫通型、分割型など)、定格電流、個体差(センサ個体のばらつき)などを含む電流検知部の種類によって違ってくる。電流センサとして用いられる変流器(CT)の仕様には、品種ごとに検出電流に応じて検出可能な電流範囲を示す定格電流がある。定格電流が異なると、変流器の形状などが異なるので、位相ずれ量も異なる。したがって、位相ずれ量設定部37には、電流センサの種別、定格電流、個体差などの電流検知部の種類に応じた位相ずれ量(調整時間)Δtを設定する。この際、位相ずれ量(調整時間)Δtは、上記電流検知部の種類を含む電流検出回路の要因だけでなく、電圧検出回路におけるフィルタ等の回路の処理方式(回路定数の違いなど)、回路定数のばらつき等による、電圧検出回路の要因を考慮して設定するのが好ましい。これにより、多くの種類の電流センサに対して、電圧検出回路10及び電流検出回路20を合せた装置全体としての位相ずれ量(調整時間)Δtを設定できる。なお、ここでは1つの位相ずれ量(調整時間)Δtのみを述べているが、実際にはR相(第1の回路)、T相(第2の回路)の各相の回路ごとに調整時間Δt1、Δt2をそれぞれ設定する。
図2は電流センサの定格と位相ずれの関係の一例を示すテーブルである。このテーブルは位相ずれ量設定部37に登録されている。また、このテーブルには、電流センサの定格電流に対応する位相ずれ量として、定格電流ごとの位相ずれの中央値と個体差によるばらつきが示されている。例えば、定格50A用の電流センサ(CT)の場合、位相ずれの中央値が+2°であり、個体差のばらつきが±1°であることが示されている。また、定格100A用の電流センサ(CT)の場合、位相ずれの中央値が+1°であり、個体差によるばらつきが±1°であることが示されている。電流センサの定格ごとの位相ずれの中央値に、個体差によるばらつきを加えた値が、実際の電流センサによる位相のずれとなる。このように、電流センサは進み位相の特性を有しており、電流センサによって位相ずれの大きさは異なるが、0〜3°の範囲で調整できればよいことになる。
例えば、測定対象回路として、回路1のR相の電源ラインに定格50A用の電流センサが接続された場合、位相のずれとして中央値である+2°が用いられる。また、上記と異なる測定対象回路として、回路1のT相の電源ラインに定格400A用の電流センサが接続された場合、位相のずれとして中央値である+1°が用いられる。そして、これらの位相ずれに応じた位相ずれ量(調整時間)Δtが実際に設定されることになる。
また、電流センサの個体差によるばらつきを考慮する場合、個々の電流センサを接続した場合の位相ずれを実際に測定することにより、位相ずれ量(調整時間)Δtを設定するようにしてもよい。この場合、電流センサによる位相ずれをより正確に補正することができる。
また、電圧検出回路10内のフィルタ12の定数を変更することによって生じる位相ずれを考慮する必要がある場合、数式(1)に示すように、フィルタでの位相のずれによる調整時間Δt(fil)と電流センサ固有の位相ずれによる調整時間Δt(CT)との和を全体の位相ずれ量(調整時間)Δtとして、位相ずれを調整するようにしてもよい。
Δt = Δt(fil) + Δt(CT) ……(1)
なお、フィルタによる位相ずれ量は、計算によって求められるが、製造工程において入力される電圧信号とフィルタ通過後の電圧信号の位相差を検出することにより求めるようにしてもよい。
図3は本実施形態における電力計測の手順を示すフローチャートである。この電力計測の処理は、所定時間(本実施形態では、サンプリング周期である1msec)ごとに繰り返し行われる。電力計測を開始すると、まず、時間調整部36は、電圧検出回路10から常時出力されている電圧信号をサンプリングしてAD変換を行うAD変換部31に対し、トリガ信号を送出し、AD変換を行わせる(ステップS1)。
時間調整部36は、位相ずれ量設定部37に設定された調整時間Δt待機し(ステップS2)、調整時間Δtが経過した後、電流検出回路20から常時出力されている電流信号をサンプリングしてAD変換を行うAD変換部32に対し、トリガ信号を送出し、AD変換を行わせる(ステップS3)。
乗算部34は、AD変換部31から出力される電圧信号のデジタル値(第1のデジタル値)とAD変換部32から出力される電流信号のデジタル値(第2のデジタル値)を乗算することにより電力値を算出し、この算出された電力値を伝送回路部35に出力する(ステップS4)。これにより、電力計測の処理は終了する。そして、前回の計測から所定時間(サンプリング周期である1msec)が経過すると、再び電力計測が開始される。
そして、伝送回路部35には、所定時間(1msec)ごとに電力値が蓄積される。この蓄積された電力値は、あらかじめ設定された時間ごとに外部に出力され、表示や種々のデータ処理等に供される。
図4は電力演算精度の改善を説明する図である。図4(A)は位相ずれがある場合の通電電流に対する電力演算誤差率を示すグラフである。図4(B)は電圧信号と電流信号の信号波形を示す時間波形図である。図4(B)には、電圧検出回路及び電流検出回路の少なくとも一方に起因する位相ずれが生じた信号波形が示されている。
図4(C)は位相ずれが調整された場合の通電電流に対する電力演算誤差率を示すグラフである。図4(D)は位相ずれが調整された場合の電圧信号と電流信号の信号波形を示す時間波形図である。図4(D)には、電圧検出回路及び電流検出回路の少なくとも一方に起因する位相ずれが調整された信号波形が示されている。
図4(A)に示すように、電力測定装置に起因する位相ずれがある場合、点線枠gで示すように、電力演算誤差率は0.6〜0.8%の範囲にある。一方、電力測定装置に起因する位相ずれが調整された場合、点線枠hに示すように、電力演算誤差率は−0.2〜0.2%の範囲内に改善される。
第1の実施形態の電力計測装置では、電圧信号と電流信号を取り込むタイミングを位相ずれ量に基づいてずらすことで、時間調整を行い、電力演算精度の調整が可能である。電流信号と電圧信号との位相ずれには、電流検知部の電流センサによる位相ずれと、電圧検出回路内のフィルタ等の他の回路による位相ずれとがそれぞれ独立して存在する。このため、電流検知部の電流センサの種別による位相ずれ、電流センサの個体差による位相ずれ、回路内の部品のばらつきによる位相ずれ等を合わせて位相ずれ量を設定することで、電力測定の精度を向上させることができる。本実施形態では、AD変換部に取り込む電圧信号と電流信号の時間ずれを位相ずれ量としている。この際、ソフトウェアによってAD変換の時間差を調整することによって、時間調整を実現しているため、個別に容易に調整することが可能であり、個々の装置に対して電力演算精度を向上させることができる。また、時間調整の調整量もソフトウェアの設定により行うため、製造工程上での調整が容易である。
また、電力計測装置において、電流検知部は、測定対象回路で検出される電流範囲に応じて種類を変更して用いられる。そこで、電流検知部の電流センサの種類、あるいは個体差などによって位相ずれ量が異なるため、電流センサの種類に応じた位相ずれ量、あるいは電流センサ固有の位相ずれ量を設定することで、位相ずれの時間調整をより精度良く行える。さらに、電流検知部に固有の位相ずれ量と他の回路の位相ずれ量との和を算出し、この算出した値を位相ずれ量とすることで、電力測定の精度を向上できる。
このように、第1の実施形態によれば、電流信号及び電圧信号のAD変換を行うタイミングの時間調整によって電力演算誤差率を改善することができ、計測される電力値の精度を上げることができる。特に、電流センサごとに調整時間Δtを設定するので、種別、定格電流、個体差など異なる種類の電流センサが電流検出回路に設けられた場合でも、特別な回路を必要とせず、部品の追加などによるコストの上昇がなく、位相ずれを補正することができる。また、電圧検出回路のフィルタによる位相ずれを考慮することで、より正確に位相ずれを補正することができる。したがって、多くの種類の電流検知部が電流検出回路に設けられた場合でも、容易にコストを上げることなく位相ずれを補正することが可能である。
なお、本実施形態では、電流センサの種類として、主に定格電流ごとに異なる位相ずれ量が設定された場合を示したが、貫通型や分割型の種別ごとに異なる位相ずれ量についても同様に設定することが可能である。
また、本実施形態では、電圧信号と電流信号の位相ずれを調整する際に、AD変換を実行するタイミングとして、AD変換の開始タイミング(変換対象の信号を取り込むタイミング)をずらすことによって調整したが、この方法に限るものではない。例えば、AD変換の開始タイミングを揃え、逐次AD変換されたデジタル値を蓄積し、この蓄積されたデジタル値の読出しタイミングをずらすことによって調整することも可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、電源周波数に応じて位相ずれ量の設定値を切り替える例を示す。図5は第2の実施形態における電力計測装置の構成を示す図である。図5において、前記第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号が付されている。
第2の実施形態の電力計測装置150は、電力演算部130において、商用交流電源の周波数が50Hzもしくは60Hzのいずれであるかを判定する電源周波数判定部141を有している。時間調整部136には、電源周波数判定部141による判定結果が入力される。時間調整部136は、位相ずれ量設定部137に設定された位相ずれ量と電源周波数判定部141による電源周波数判定結果とに基づき、AD変換部31、32におけるAD変換を実行するタイミングをそれぞれ調整する。
電流センサでの位相ずれ量は、電源周波数が異なると違った値になる。フィルタ12による調整時間Δt(fil)とし、電源周波数により異なる電流センサによる調整時間Δt(CT、Hz)とすると、数式(2)に示すように、全体の調整時間Δtは、これらの和で求められる。位相ずれ量設定部137には、電源周波数に対応する全体の調整時間Δtがテーブルとして登録されている。
Δt = Δt(fil) + Δt(CT、Hz) …… (2)
このように、第2の実施形態の電力計測装置によれば、電源周波数に応じた位相ずれ量を設定することで、電源周波数が異なる場合でも、正確に位相ずれを調整することができ、測定電力精度を向上できる。
(第3の実施形態)
上述した第1、第2の実施形態では、1つの回路(回路1)におけるR相及びT相の電力計測を示したが、第3の実施形態では、複数の測定対象回路(回路及び相)として、複数の回路(回路1〜4)に電力が供給される場合におけるR相及びT相の電力計測処理の例を示す。
図6は第3の実施形態における電力計測装置の構成を示す図である。図6において、前記第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号が付されている。第3の実施形態の電力計測装置250は、電流検出回路220において、回路切替部223には、回路1のR相、T相の電流をそれぞれ検出する電流センサCT1、CT2、回路2のR相、T相の電流をそれぞれ検出する電流センサCT3、CT4、回路3のR相、T相の電流をそれぞれ検出する電流センサCT5、CT6、及び回路4のR相、T相の電流をそれぞれ検出する電流センサCT7、CT8が接続されている。この回路切替部223は、電力演算部230内のゲイン切替制御部233から送信される選択信号をゲイン切替部224を介して受信することにより、複数の電流センサCT1〜CT8を順に切り替える。
電流センサCT1〜CT8の切り替えに応じて、電力演算部230は、回路1→回路2→回路3→回路4→回路1 …… の順に時分割で電力演算を繰り返し行う。このとき、電流検出回路220からの電流信号の位相ずれは、回路ごとに異なる。位相ずれ量設定部237には、回路1〜4のR相、T相ごとの調整時間Δtがテーブルとして登録されている。時間調整部236は、ゲイン切替制御部233からの選択信号と位相ずれ量設定部237に設定された位相ずれ量とに基づき、AD変換部31、32におけるAD変換を実行するタイミングをそれぞれ調整する。この際、時間調整部236は、ゲイン切替制御部233からの選択信号を入力すると、この選択信号によって切り替えられる回路の相に対応する調整時間Δtを位相ずれ量設定部237から読み取る。そして、例えば、AD変換部32に対し、この調整時間ΔtだけずらしたAD変換の開始タイミングでトリガ信号を出力する。このようにして、各回路の各相における電流信号のAD変換が行われ、電力が演算される。
ここで、回路数が回路1〜4と4つに増えた場合、つぎのような検討が必要になる。上述したように、本実施形態においては、電力を計測する時間(サンプリング周期)を1msecに設定している。回路1〜4における個々の回路の調整時間Δtが長い場合、全回路の電流信号をAD変換する際に要する時間(最大周期)が長くなり、設定された時間(サンプリング周期)を超えることが予想される。
そこで、第3の実施形態では、複数の回路1〜4のR相、T相に亘って行われる電圧信号及び電流信号のAD変換の順序を、個々の回路の調整時間Δtに応じて変更することにより、全てのAD変換に要する時間を短くする制御を行う。
図7は複数の回路1〜4のR相、T相に亘って行われる電圧信号及び電流信号のAD変換の順序を示す図である。図7(A)は従来の位相ずれを考慮せずにR相、T相の順に行われるAD変換のタイミングを示す。図7(A)では、位相ずれが考慮されていないので、R相の電流信号及び電圧信号のAD変換が同時に行われた後、T相の電流信号及び電圧信号のAD変換が同時に行われる。このように、時間調整が無い分、全回路に亘っても、最大周期はサンプリング周期内に収まる。
図7(B)は位相ずれを考慮してR相、T相の順に行われるAD変換のタイミングを示す。図7(B)では、R相の電流信号のAD変換が行われた後、調整時間Δt1の経過後にR相の電圧信号のAD変換が行われ、さらに、T相の電流信号のAD変換が行われた後、調整時間Δt2の経過後にT相の電圧信号のAD変換が行われる。調整時間Δt1、Δt2が長い場合、全回路に亘る最大周期はサンプリング周期を超え、サンプリングが間に合わなくなることが生じ得る。
図7(C)は、本実施形態における回路ごとに調整時間Δtに応じて順序が変更された電圧信号及び電流信号のAD変換のタイミングを示す。図7(B)に示すような最大周期がサンプリング周期を超えることを回避するために、図7(C)の例では、調整時間Δtに応じて電圧信号及び電流信号のAD変換を行う順序を変更することが行われる。
図7(C)には、20通りの順序の変更例が示されている。ここで、値n,mは調整時間Δtを表し、n<mの関係を有するものとする。以下に、具体的にいくつかの例について説明する。
No1の場合、R相側及びT相側の調整時間Δtはともに値+nで等しい。この場合、まず、R相、T相の電流信号のAD変換を行う。そして、調整時間Δtとして値nが経過した後、R相、T相の電圧信号のAD変換を行う。このように、R相、T相で調整時間Δtの待機が同時に行われるので、1回路の周期は短くなり、250μsec以下に抑えられる。
No2の場合、R相側の調整時間Δt1は値+nであり、T相側の調整時間Δt2は値+mである。この場合、まず、R相、T相の電流信号のAD変換を行う。そして、調整時間Δt1として値nが経過した後、R相の電圧信号のAD変換を行う。さらに、時間Δt2−Δt1が経過した後、T相の電圧信号のAD変換を行う。このように、調整時間Δt1分の待機が同時に行われるので、1回路の周期は抑えられる。
No4の場合、R相側の調整時間Δt1は値+nであり、T相側の調整時間Δt2は値−nである。T相側では、電流信号より電圧信号のAD変換を先に行う必要がある。この場合、R相の電流信号とT相の電圧信号のAD変換を行う。そして、調整時間Δtとして値nが経過した後、R相の電圧信号とT相の電流信号のAD変換を行う。
No7の場合、R相側の調整時間Δt1は値+nであり、T相側の調整時間Δt2は値0である。T相側では、電流信号と電圧信号のAD変換を略同時に行う必要がある。この場合、R相の電流信号のAD変換を行い、T相の電流信号とT相の電圧信号のAD変換を行う。そして、調整時間Δt1として値nが経過した後、R相の電圧信号のAD変換を行う。
No18の場合、R相側の調整時間Δt1及びT相側の調整時間Δt2はいずれも値0である。この場合、位相ずれが無いので、考慮しない場合と同様、R相及びT相の電流信号とR相及びT相の電圧信号のAD変換をそれぞれ略同時に行う。
このように、第3の実施形態の電力計測装置では、調整時間Δtに応じてAD変換の順序を変更し、図7のNo1〜No20のいずれかの順序で、全回路について短時間でAD変換を行うようにする。これにより、位相ずれ量が大きい場合であっても、AD変換の実行タイミングの順序を変更することで、複数の測定対象回路の電流信号を時分割で取り込む際に全体の取り込み時間が短くなるようにできる。この場合、個々の回路の周期が250μsec以下となるので、全回路に亘る最大周期をサンプリング周期である1msec内に収めることができ、電力を計測する時間を短くできる。
また、複数の測定対象回路の電力を時系列に切り替えて測定する場合、それぞれに対応する位相ずれ量を設定し、位相ずれ量を切り替えて時間調整を行うことで、個々の回路における電力測定の精度を向上させることができる。また、個々の測定対象回路に対応する電圧検出回路及び電流検出回路には、従来のような位相調整回路が不要となるので、低コスト化が図れる。
なお、本実施形態では、同一の電圧で複数の回路に電力が供給される場合を示したが、複数の回路に異なる電圧で電力が供給される場合にも同様に適用が可能である。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、電流検知の精度が悪くなる通電電流値が所定値(例えば、12A)より小さい領域(第1の領域)と、所定値以上の領域(第2の領域)とで、位相ずれ量の設定値を切り替える例を示す。
図8は第4の実施形態における電力計測装置の構成を示す図である。図8において、前記第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号が付されている。第4の実施形態の電力計測装置350は、電力演算部330において、検出される電流値が通電電流の小さい領域であるか否かを判定する電流値判定部345を有している。また、位相ずれ量設定部337には、通電電流が所定値より小さい第1の領域での調整時間Δtsと所定値以上の第2の領域での調整時間Δtbとの2つの値が登録されている。
電流値判定部345は、AD変換部32によって変換された電流信号のデジタル値を基に、通電電流が所定値より小さい領域であるかどうかを判定し、その判定結果を時間調整部336に出力する。時間調整部336は、電流値判定部345による判定結果を基に、AD変換部31、32におけるAD変換を実行するタイミングをそれぞれ調整する。この際、時間調整部336は、位相ずれ量設定部37に登録された調整時間Δt(ΔtsまたはΔtb)を読み出す。そして、例えば、AD変換部32に対し、この調整時間Δtが経過した後のタイミングでトリガ信号を出力し、電流信号のAD変換を行わせる。
図9は通電電流に対する電力演算誤差率の変化を示すグラフである。図9(A)は領域を分けずに同じ位相ずれ量が設定された場合を示す。つまり、全領域において、調整時間Δtは同じ値Δtbに設定されている。電流センサの特性として、通電電流値が小さい領域では、位相ずれが大きくなり、力率が良くない(例えば、力率0.5)電流の場合、計測される電力値の精度が低下する。図示例では、通電電流が小さい領域(第1の領域)では、通電電流が小さいほど、電力演算誤差率が悪くなっており、値−1.0%近くまで下がっていることが分かる。
図9(B)は通電電流が所定値より小さい第1の領域と所定値以上の第2の領域とで異なる位相ずれ量が設定された場合を示す。つまり、第1の領域における調整時間は、第2の領域における値Δtbより大きな値Δtsに設定される。この場合、第1の領域では、電力演算誤差率が改善されており、値±0.6%の範囲に収まっていることが分かる。
このように、第5の実施形態の電力計測装置によれば、通電電流値が小さい領域において大きい領域とは異なる適切な位相ずれ量(例えば大きな調整時間)を設定して時間調整を行うことで、通電電流値が小さい領域において顕著に生じる位相ずれを適正に補正できる。これにより、電流値が小さい領域であっても、電力測定の精度の低下を抑えることができ、電流値の広い範囲において測定電力精度を改善することができる。
なお、本実施形態では、電流領域を2つに分けた場合を示したが、さらに、2つ以上に細かく分割して位相ずれ量の設定値(調整時間)を設定することも可能である。その場合、さらなる測定電力精度の改善が期待される。
また、調整時間Δtを通電電流の電流値に対応する所定の関数として定義してもよい。図10は通電電流の電流値に対する調整時間Δtの値及び電力演算誤差率の変化を示すグラフである。
通電電流の電流値を変数i(A)とすると、調整時間Δt(i)は、図10(B)に示すように定義される。なお、図10(B)では、調整時間Δtとして設定される値は、値1.0〜−1.0の範囲で設定されている。この調整時間Δt(i)は、数式としてあるいはテーブルとして、位相ずれ量設定部337に登録されている。この場合、時間調整部336は、電流値判定部345によって検出された電流値(i)を基に、位相ずれ量設定部337から電流値(i)に対応する調整時間Δt(i)を読み出し、位相ずれ量を調整する。
この結果、図10(A)に示すように、調整時間Δt(i)を用いた場合、電力演算誤差率は、図9の例のように第1と第2の領域間で段差を生じることなく、連続的に±0.2%の範囲内で変化する。したがって、より細かい位相ずれの調整が可能となり、測定電力精度をより改善することができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、電流センサ部において位相ずれ情報を保持する例を示す。図11は第5の実施形態における電力計測装置の構成を示す図である。図11(A)は電力計測装置の全体構成を示し、図11(B)は電流センサ部の構成を示す。図11において、前記第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号が付されている。
第4の実施形態の電力計測装置450は、電流検出回路420において、電流センサ部421、422が交換可能に接続される。電流センサ部421、422には、それぞれ電流センサCT1、CT2及び位相ずれ情報記憶部421a、422aが設けられている。位相ずれ情報記憶部421a、422aは、例えば不揮発性メモリ(EEPROM)からなり、電流センサCT1、CT2のそれぞれの位相ずれ量の情報を保持する。
電力演算部430は、電流センサ部421、422内の位相ずれ情報記憶部421a、422aに記憶された各位相ずれ量の情報を入力する位相ずれ情報入力部448を有している。位相ずれ量設定部437には、位相ずれ情報入力部448から電流センサCT1の位相ずれ量及び電流センサCT2の位相ずれ量が入力される。時間調整部36によるAD変換の時間調整は前述した実施形態と同様である。
このように、第5の実施形態の電力計測装置によれば、個々の電流センサ部に位相ずれ量の情報が格納されているので、電流センサ毎の個体差によるばらつきも含めた調整時間Δtの設定が容易に可能となり、測定電力精度を向上させることができる。また、電流センサ部の製造メーカあるいはアセンブリメーカが、電流センサ部を製造する際、個々の電流センサに対して位相ずれ量を記憶することができる。
なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに範囲を逸脱することなく、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が様々な変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、上記各実施形態では、V結線方式の商用交流電源に接続される回路に供給される電力を計測する場合を示したが、その他の方式の三相交流の電源からの電力を計測する場合、単相交流の電源からの電力を計測する場合などにも、本発明は同様に適用可能である。
10 電圧検出回路
20、220、420 電流検出回路
23、223 回路切替部
24、224 ゲイン切替部
30、130、230、330、430 電力演算部
31、32 AD変換部
33、233 ゲイン切替制御部
34 乗算部
36、136、236、336 時間調整部
37、137、237、337、437 位相ずれ量設定部
50、150、250、350、450 電力計測装置
141 電源周波数判定部
345 電流値判定部
421、422 電流センサ部
421a、422a 位相ずれ情報記憶部
448 位相ずれ情報入力部
CT1〜CT8 電流センサ

Claims (3)

  1. 測定対象回路の電圧を検出する電圧検出回路から出力される電圧信号を第1のデジタル値に変換する電圧変換部と、
    測定対象回路の電流を検知する電流検知部が設けられた電流検出回路から出力される電流信号を第2のデジタル値に変換する電流変換部と、
    前記電圧変換部によって変換された第1のデジタル値と前記電流変換部によって変換された第2のデジタル値とを乗算する乗算部とを備え、前記乗算部による乗算結果から測定対象回路における電力値を取得する電力計測装置であって、
    前記電圧検出回路から出力される電圧信号と前記電流検出回路から出力される電流信号との位相ずれに関する位相ずれ量を設定する位相ずれ量設定部と、
    前記設定された位相ずれ量に基づき、前記電圧変換部における前記電圧信号のデジタル変換を実行する第1のタイミングと、前記電流変換部における前記電流信号のデジタル変換を実行する第2のタイミングとの少なくとも一方をずらして時間調整を行う時間調整部とを備え、
    前記位相ずれ量設定部は、前記電流検知部の種類に応じた位相ずれ量を設定し、異なる電流検知部により異なる測定対象回路の電流信号を時分割で取り込む場合、前記電流検知部ごとに前記位相ずれ量を設定し、
    前記時間調整部は、前記時間調整を行う際の前記電圧信号のデジタル変換を実行するタイミングと前記電流信号のデジタル変換を実行するタイミングとについて、前記位相ずれ量に応じて順序を変更する電力計測装置。
  2. 測定対象回路の電圧を検出する電圧検出回路から出力される電圧信号を第1のデジタル値に変換する電圧変換部と、
    測定対象回路の電流を検知する電流検知部が設けられた電流検出回路から出力される電流信号を第2のデジタル値に変換する電流変換部と、
    前記電圧変換部によって変換された第1のデジタル値と前記電流変換部によって変換された第2のデジタル値とを乗算する乗算部とを備え、前記乗算部による乗算結果から測定対象回路における電力値を取得する電力計測装置であって、
    前記電圧検出回路から出力される電圧信号と前記電流検出回路から出力される電流信号との位相ずれに関する位相ずれ量を設定する位相ずれ量設定部と、
    前記設定された位相ずれ量に基づき、前記電圧変換部における前記電圧信号のデジタル変換を実行する第1のタイミングと、前記電流変換部における前記電流信号のデジタル変換を実行する第2のタイミングとの少なくとも一方をずらして時間調整を行う時間調整部と、
    前記電流検出回路によって検出される電流値を判定する電流値判定部と、を備え、
    前記位相ずれ量設定部は、前記電流検知部の種類に応じた位相ずれ量を設定し、前記電流値が所定値より小さい第1の領域と前記所定値以上の第2の領域とで異なる位相ずれ量を設定し、
    前記時間調整部は、前記電流値判定部によって判定された電流値に応じて、前記電流値が前記所定値より小さい場合は前記第1の領域で設定された位相ずれ量に基づいて時間調整を行い、前記電流値が前記所定値以上である場合は前記第2の領域で設定された位相ずれ量に基づいて時間調整を行う電力計測装置。
  3. 測定対象回路の電圧を検出する電圧検出回路から出力される電圧信号を第1のデジタル値に変換する電圧変換部と、
    測定対象回路の電流を検知する電流検知部が設けられた電流検出回路から出力される電流信号を第2のデジタル値に変換する電流変換部と、
    前記電圧変換部によって変換された第1のデジタル値と前記電流変換部によって変換された第2のデジタル値とを乗算する乗算部とを備え、前記乗算部による乗算結果から測定対象回路における電力値を取得する電力計測装置であって、
    前記電圧検出回路から出力される電圧信号と前記電流検出回路から出力される電流信号との位相ずれに関する位相ずれ量を設定する位相ずれ量設定部と、
    前記設定された位相ずれ量に基づき、前記電圧変換部における前記電圧信号のデジタル変換を実行する第1のタイミングと、前記電流変換部における前記電流信号のデジタル変換を実行する第2のタイミングとの少なくとも一方をずらして時間調整を行う時間調整部と、
    前記電流検出回路によって検出される電流値を判定する電流値判定部と、を備え、
    前記位相ずれ量設定部は、前記電流検知部の種類に応じた位相ずれ量を設定し、前記電流値に対応する所定の関数による前記位相ずれ量を設定し、
    前記時間調整部は、前記電流値判定部によって判定された電流値に応じて、前記電流値に対応する位相ずれ量に基づいて時間調整を行う電力計測装置。
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